JP2582766B2 - 自動車用動力ユニット - Google Patents

自動車用動力ユニット

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JP2582766B2
JP2582766B2 JP62056393A JP5639387A JP2582766B2 JP 2582766 B2 JP2582766 B2 JP 2582766B2 JP 62056393 A JP62056393 A JP 62056393A JP 5639387 A JP5639387 A JP 5639387A JP 2582766 B2 JP2582766 B2 JP 2582766B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は自走式車両、更に詳しくは、自動車に個々に
又は組合わせて使用されて小型化、簡素化と効率向上を
促進する一体化動力ユニット、内燃機関、回転伝動装
置、懸架装置及び装着装置の新規な構成に関する。
【従来の技術】
エンジン、歯車箱と最終駆動装置を被動輪の近傍に配
置された単一ユニットに一体化することは、重量とコス
トの低減および伝動効率の向上を達成する上で自動車業
界では確立された設計手法である。ユニットを横方向
(即ち、クランク軸が自動車の仮想車軸と平行な状態)
に配置することも多用されており、これにより車体内の
スペースを有効利用できると共に、直角方向に駆動する
必要が無いため、伝動効率も向上する。 従来の殆どの横方向動力ユニットは、基本的に2種類
に分類される。第1の種類は、エンジンを車体の幅のほ
ぼ中心部であって、伝動装置部品の上方に配置する。
又、第2の種類は、伝動装置をクランク軸の一端側に配
して、全体を車体の長手方向中心線に対して非対称とす
る結果、特別の対策を取らねば、両車輪への駆動軸の長
さが異なる。 このような横方向動力ユニットは、ごく一般に、小型
ないし中型乗用車等の前輪駆動車用に意図されている。
ところが、パワー対重量比が上昇するにつれて、牽引力
の観点から前輪駆動方式は次第に望ましくなくなり、そ
れ故に、特に高性能車では、後輪近傍に配置された一体
化動力ユニットがより有利である。 特に、後輪駆動に適用した場合、従来の横方向動力ユ
ニットの設計には欠点や制約が多い。 乗用車、特に、適当な手段で、車体の全部部を平坦な
床面を備えた邪魔物の無い積荷スペースに変えられるよ
うに、乗員室を後部荷物室と自由に連結することが望ま
しいハッチバック車やステーションワゴン車において、
既存の設計に典型的な形状の動力ユニットを後輪近傍に
配置するのは無理であり、ことにエンジンが伝動装置の
上方にあるのであればなおさらである。同様の欠点は、
その他の商用車にもあてはまる。又、一体化動力ユニッ
トを乗員の真後に設けるのが特に有利とされているスポ
ーツカーにおいては、これを高性能用途での牽引力や、
現在のレーシングカーもどきのスタイルをもたせて市場
でアピールすることを考えれば、既存の例は、適当な荷
物室を車体内に確保するのは難しいのみならず、乗員室
内に使用に便利な小物収納スペースを確保することさえ
難しい有様である。その上、エンジンへの効率的な吸気
系を収納するスペースも必要であることから、上記困難
は更に増大する。又、後部装着動力ユニットの質量をで
きるだけ小さくする対策が取られなければ、重量が後方
に過度に片寄って、車体の安定性が損われ、操縦性も悪
化する。 フロントエンジン用途でさえ、特にエンジンが伝動装
置の上方に設けられている横方向動力ユニットでは、車
体前部における車高が、好ましい空気力学特性を有する
車体構造を設けることに制限を加えるという問題点があ
る。 一体化動力ユニットを採用する設計においては、近傍
の車輪の懸架装置を動力ユニットに直接取付けて、その
全体組立物を弾性的に車体構造物に装着すれば、追加の
利点が得られると考えられる。装着弾性を適当に選択す
ることにより、動力ユニットの質量が、路面により生じ
る振動の効果的な動的吸収器として作用する。このよう
な構成を採用し、ブラケットやサブフレームなどの動力
ユニットの付属物の材料を最少限にすれば、重量とコス
トを大幅に低減できる。また、後輪駆動用途では、最終
駆動軸を懸架装置のリンク機構の一部として利用するこ
とにより、特に軽量化と低コスト化を促進することがで
きる。しかし、これも、両方の最終駆動軸の長さが等し
く且つ適当でなければ達成できない。従来の動力ユニッ
トでは、上記構成を特に考慮して設計されたものではな
く、上記構成の条件は、主エンジン構造物と最終駆動歯
車を共に車体の幅の大略中心に配置した構成によってよ
り容易に満たされる。 ある用途では、このような対称性が、車体を美しくみ
せるとか、所定幅の車体を横切ってより多くのシリンダ
を1列に並べたエンジンを使用するといった理由で望ま
しい。又、前輪駆動用途では、車輪に対する駆動軸の長
さが互いに異なる非対称配置を採用すれば、特に高馬力
車においてハンドルを介して不快感が感じられるような
ことが起る。 更に、従来の動力ユニット、特に、対称配置の利点を
備えている従来の動力ユニットでは、歯車伝動装置の効
率にも問題点がある。自動車の伝動装置の設計上考慮す
べき重要な点は、エンジンクランク軸と被動輪の間の歯
車のかみ合い点の総数を最小限にすることである。何故
なら、各かみ合い点において、有効な動力が失われる一
方、望ましくない騒音が発生するからである。この考慮
は、一体化横方向動力ユニットにおいて冒頭に記載した
効率の良さの利点を活用する場合には、特に重要である
と思われる。 手動操作の歯車箱を備えた典型的な公知の構成では、
歯車のかみ合い点の実用上の最小総数は2個であり、こ
れは広く採用されている非対称構成によって得られる。
非対称構成では、エンジンの一端に「二軸」(「全間
接」)型の歯車箱を設け、その入力軸がエンジンのクラ
ンク軸と同軸であり、その時の前進歯車比での駆動が、
多数の選択し得る歯車対の内の1個を介して行なわれ、
唯一の他方の歯車かみ合い点は、出力を都合の良い点に
供給するため、又、必要な低歯車比が普通、1段では得
られないから、通常、付加的に設けられる最終駆動歯車
において生じる。 他方、歯車箱の入力軸がエンジンのクランク軸と同軸
でないもっと対称的な構成の動力ユニットでは、2個以
上の歯車又はチェーン駆動装置の形を取る主駆動手段を
設けなければならないため、効率低化の原因を追加す
る。この型式の従来の構成では、合計で2個のかみ合い
点が得られるが、これは、一次駆動装置が一対の歯車か
ら成り、歯車箱が「三軸」(「ダイレクトトップ」又は
「副軸」)型であると共に、入力軸と出力軸が同軸で選
択し得る歯車比の一つとして直線直結駆動となるように
連結される一方、第2のかみ合い点が最終駆動装置に生
じる構成において、与えられた前進歯車比の一つでのみ
達成される。しかしながら、この構成の欠点は、他の前
進歯車比を選ぶと、駆動力が副軸へ、次に副軸から伝達
されることから、2個の別のかみ合い点が歯車箱内に生
じることである。 この欠点は、例えば、5個の前進速度を有する歯車箱
を用いたり、2個の最高前進歯車比を広く使用すること
により燃料効率の良さで人気の増大している構成におい
て顕著となる。何故ならば、第4歯車を「直結」すれ
ば、第5歯車は合計で少くとも4個のかみ合い点を有
し、その逆も成立するからである。 一次駆動手段を備えた動力ユニットにおいて、「二
軸」型歯車箱を用いれば、かみ合い点の実用上得られる
最小総数は全ての歯車において3個であり、最適値より
1個多い。「二軸」型手動歯車箱を使用する動力ユニッ
トの別の欠点は、このことにより、従来の構造の自動歯
車箱を選択採用することがより困難になる点である。 従来の伝動装置について言えば、互いに異なる部品、
特に歯車の数が通常、非常に多く、従って製造費が高
い。
【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、往復ピストン内燃機関、伝動装置と
全ての必要な補助装置を備える一方、特にクランク軸の
軸心に沿う方向に見て、全体の輪郭が、できるだけ小さ
くなっていると共に、後輪駆動方式が必要で乗員及び荷
物の収容スペースも必要とする小型スポーツカーや高性
能乗用車に搭載するのに適した形状を有し、クランク軸
を横方向に向けて、主構造物を自動車の長手方向中心線
に対してほぼ対称に配置した自動車用の一体化動力ユニ
ットを提供することである。 本発明の別の目的は、車輪への最終駆動出力軸への接
続を前述の長手方向中心線に対して対称に配置し、効率
の面から、全ての軸がクランク軸の軸心と平行であり、
1個より多い前進歯車比において、クランク軸と従動輪
の間の歯車のかみ合い点の総数が2個であり、特に歯車
部品の費用を最少限にする手動操作歯車伝動装置を提供
することである。 又、最終駆動出力軸をリンク機構の一部として組込む
と共に、車体構造物に可撓的に良好に装着される小組立
物を形成するように動力ユニットに直接取付けられる簡
単な構造の懸架装置を提供することも、本発明の目的で
ある。 更に、軽量化、低製造費、容易な保全作業、構造上の
剛性、低重心、簡単な変速と好ましい吸気系の条件を満
足することも、本発明のまた別の目的である。本発明の
一部の実施例は、前輪駆動車や、四輪又はそれ以上の車
輪を駆動する車両にも等しく適用できるものである。
【課題を解決するための手段】
往復ピストン内燃機関と伝動装置を組込んだ本発明に
よる一体化動力ユニットにおいて、直線状に配置した多
数のシリンダを有するエンジンは、クランク軸の軸心が
自動車の近接する仮想車軸とほぼ平行であると共にシリ
ンダの軸心が水平面上で鋭角をなす平面に含まれた位置
で作動して、シリンダヘッドが仮想車軸のほぼ真上にあ
る一方、クランク軸の軸心が仮想車軸のレベルとほぼ類
似のレベルにあり、且つ、シリンダが車体の長手方向中
心線の両側にほぼ対称に配置されていると共に、伝動装
置を主として、シリンダの下方に形成したケーシング内
に収納して、中心シリンダの下方に位置する部分が、ク
ランク軸から最も遠くに延在すると共に、最終駆動軸心
として知られる、通常乗車高さにおける仮想車軸とほぼ
一致する軸心を囲み、又、動力ユニットは、自在継手で
連結した駆動軸を介して、近接した車輪と直結駆動連結
され、更に、その駆動軸の内端が、車体の長手方向中心
線の両側に対称に配置されていると共に、最終駆動軸心
上に位置する点において、動力ユニットの最終駆動部材
と連結され、且つ、最終駆動軸心は、シリンダブロック
とシリンダヘッドの接合面を含む平面内に位置する。 本発明のこれらの特徴により、特に小型で、好ましい
形状の組立物が得られ、これは、空間的に有利であるば
かりでなく、軽量で強固であって、例えば、懸架荷重を
支持する応力支持部材として機能するのに適した動力ユ
ニットケーシングの設置に有利である。 前記ケーシングを好ましい構成としている一実施例に
おいては、シリンダとクランクケースと伝動装置用主ハ
ウジングとを一体ユニットとして含むように形成した主
ケーシング部が設けられ、又、クランクケース・伝動装
置閉塞部と、最終駆動装置カバー部と、シリンダヘッド
・端部カバー部とを更に設けてもよく、そうすることに
より、接続部の数を少くすると同時に製造及び組立て工
程を容易にしているから、高効率且つ低費用の構造物が
得られる。 クランクケース・伝動装置閉塞部が、クランク軸の軸
心を含む平面において主ケーシング部と隣接することに
より、エンジンの主軸受を、接合面で直径を2分割した
ハウジング内に設けてそのハウジングの半円形部を、夫
々、2個の隣接するケーシング部内に配置する構成を採
用してもよい。こうすれば、別個の軸受キャップを使用
する必要は無くなると共に、クランク軸を支持するのに
特に強固な手段を提供する。 同様に、最終駆動装置カバー部も、この最終駆動軸心
を含む平面において主ケーシング部と隣接することによ
り、結果として得られる囲いが伝動装置ハウジングの前
述の最も遠くに延在する部分を構成し、更に、前述の出
力駆動部材がこの囲いの側壁より突出し、且つ、前記囲
い内に、最終駆動軸心に心合せし、出力駆動部材と連結
した部品、例えば差動装置を半割型ハウジング内に設け
た軸受で支持してハウジングの半円形部を、夫々、2個
の隣接するケーシング部内に配置してもよく、かかる構
成は低費用の簡単な構造を提供すると共に、最終駆動部
品の組立てを容易にする。 本発明の特に好ましい実施例においては、前述の構成
上と上記段落の構成とを組込むことにより、最終駆動軸
心が、シリンダブロックとシリンダヘッドとの接合面を
含む平面内に位置するので、シリンダヘッドと最終駆動
装置カバー部との当接面として作用する単一の平坦な平
面を主ケーシング部に設けることにより、機械加工費を
更に減少できる。好ましくは、この当接面は、クランク
軸の軸心を含む主ケーシング部の別の表面であって、ク
ランクケース・伝動装置閉塞部と当接すると共に、シリ
ンダ軸心に垂直な表面と平行に機械加工される。 シリンダヘッドには、伝動装置部品に近接した側面に
開口するポートを設けてもよく、次に、シリンダヘッド
と最終駆動部品とをかさばらずに並置するために、先行
の2段落の特徴を組込んだ実施例においては、このよう
なポートに、シリンダ軸心に対して下向きに急な傾斜角
をもたせることにより、例えばそのポートが吸気口であ
れば、大略直線状に最終駆動部品の真上を延在するとと
もに、動力ユニットの全体構成から上向きとなる吸気管
を設けてもよく、更に、その先端部が最終駆動部品の外
側の非常に低いレベルに位置してもよい。このようにす
れば、自動車の後部搭載用の実施例であって、クランク
軸が最終駆動軸心の前方にあると共に、低い吸気系の先
端部がフロアの下方に位置する実施例では有利である。
かくて、低速時でのエンジン出力を増大するのに好まし
い長い管であって、且つ、ガスの流れ、従って高速時で
の出力を抑制する鋭い曲部を有しない管であると共に、
荷物やその他の品物を収納するのに必要な車体領域への
侵入を最少限にする管を使用できる。又、吸気口は、シ
リンダに対して好ましい角度で接近するように設けられ
る。 エンジンに燃料噴射装置が設けられている実施例で
は、インゼクターを、吸気管の上側であって、最終駆動
部品のほぼ真上の点に設けて、好ましくは吸気口を殆ど
真下に吸気弁の背後へと向うと共に、特にアクセスしや
すい所に配置してもよい。全体働効率を更に高め、且
つ、吸気管内の上向き部の使用によって生じる燃料のた
まり等の問題を解消するためにも、燃料噴射は本発明に
かかる動力ユニットの特に望ましい特徴であり、上記特
徴は特に好ましい取付け性をもたらす。 シリンダヘッドとクランクケース閉塞部は、共に、長
軸ボルト等の締結装置で主ケーシング部に止着してもよ
く、シリンダの口径と主軸受の直径が適当に関係してい
る実施例においては、2個の部品用の締結具は同一軸心
を共有し、更に、主ケーシング部を貫通して、シリンダ
ヘッドとクランクケース閉塞部とを互いに連結すること
によって、両者を止着する異様に長い締結具を設けても
よい。これらの締結具は、シリンダヘッドにその下面よ
りねじ込むと共に、クランクケース閉塞部の外側から操
作できるように設けてもよい。本発明による動力ユニッ
トは、かかる構成を容易にし、これは、シリンダヘッド
の設計上の要件として、カムシャフトなどの部品が、ペ
ントルーフ型燃料室を有する4バルブ付きシリンダのシ
リンダヘッドにおいて特にみられるように、シリンダヘ
ッドの締結具へのアクセスを遮蔽すべく位置する実施例
において特に好ましい。このような締結構成は自動車へ
の動力ユニットの何らかの据付けにも好ましい。 クランクケース閉塞部は、クランク軸が作動する室
が、潤滑油を入れた別の下方室から分離され、更に、主
クランク室を、その内面が滑らかで、且つ、クランクケ
ースの風損が最少限となるように形成することができ
る。更に、両室を連通させるポートを設け、このポート
を介して潤滑油が下方室へ戻るようにしてもよく、更
に、ポートは、主室内での潤滑油の流路が自然につなが
るようにし、それにより、クランク軸が、クランクケー
ス閉塞部におけるクランク室の主要部を介して下方にク
ランクピンが移動する方向に回転する場合では特に、潤
滑油の戻りに対する制限は最小限にするように形成され
る。 伝動装置は、最終駆動軸心上の前述した部品の他に、
歯車箱を構成するような別の部品を備え、その内、主機
能部材は、互いに平行で歯車箱軸心と呼ばれる軸心に沿
って配置され、又、上記別の部品は、スペースを効率的
に利用できるように動力ユニット内に設けられ、更に、
上記別の部品は、クランクケースにより近接して位置す
ると共に、中央および外側のシリンダの下方を延在する
前述の伝動装置ハウジングの部分内に収納される一方、
歯車箱軸心を最終駆動軸心、従ってクランク軸軸心とも
ほぼ平行に配置し、且つ、歯車箱主軸軸心と称する歯車
箱軸心を最終駆動軸心とクランク軸軸心とのほぼ中間に
設け、これら3個の軸心がほぼ同一レベルに来るように
する一方、別の歯車箱軸心を主軸軸心のほぼ真下に配置
される。このようにして、伝動装置の別の部品を、エン
ジンと最終駆動部品の配置によって定められる極めて小
型の動力ユニットの外形内に全てを収納できる。特に、
これらの伝動装置軸心とシリンダ軸心の全てがクランク
軸軸心を含むと共にシリンダ軸心の共通平面に対して垂
直な平面上、もしくはその平面の同一側に配置される。 クランク軸軸心と、歯車箱入力軸心とも言える歯車箱
主軸軸心との間での駆動力伝達をするために一次駆動手
段を用い、これを動力ユニットの一端側に設けると共
に、一対の歯車で構成し、更に、その近傍に、歯車箱主
軸軸心と芯合せして、一次駆動手段と歯車箱の間で駆動
力を伝達するように、クラッチを設ける。このように構
成すれば、クラッチをクランク軸軸心と芯合せした場合
のように、クラッチ部品の周囲は、前述の部品によって
定まるように動力ユニットの外形の外側や、クランク軸
軸心の方向に見て、クランクケース構造物の断面だけで
上記外形が定まる領域内まで延在する必要は無く、この
構成の結果、伝動装置内に設けられて変速に連係する部
品、例えば、シンクロナイザーが一次駆動手段の慣性を
受けない。 このように配置したクラッチと、2個の歯車のみより
なる一次駆動手段の組合せは特に望ましく、こうすれ
ば、かみ合い点は1個だけであり、また、歯車は必然的
に大径のものとなると共にかみ合い点での負荷は低くな
る一方、このような歯車の慣性値が大きいので、好まし
いクラッチ位置はいかなる悪影響も消去するから、駆動
が効率的となる。更に、歯車はクランク軸と常時係合し
ているので、歯車は、エンジンが必要とするフライホイ
ール効果の一部をになうことにより、小質量のフライホ
イールを使用できる。又、フライホイール効果は逆回転
部材から蓄積されるので、エンジンのアイドリングを滑
らかに行うことができる。このように2個の歯車から成
る一次駆動手段と歯車箱入力軸心上に位置するクラッチ
を組合せることにより得られる利点は、一次駆動手段を
必要とするどの動力ユニットにもあてはまるが、本発明
による動力ユニットであって、歯車箱入力軸心が、クラ
ッチと路面の間に充分な隙間が得られるほど充分に高レ
ベルのところにある場合に達成可能である。クラッチを
一次駆動手段の外側に設けることは、アクセス性と保全
の観点からも有利である。 クランク軸軸心に沿う方向に見た場合に動力ユニット
の外形が、例えば、オルタネータやスタータ、ディスト
リビュータなどの所要補助部品により拡大されないよう
にするために、これらの補助部品が動力ユニットの両端
側に、それもそれより外方へ延在するのが良い。クラッ
チが、歯車箱入力軸心上、且つ、物理的には、一次駆動
手段の外側に設けられると共に、乾式プレート型である
実施例においては、クラッチ部品を有するドラムの外周
と係合する摩擦ホイールによってオルタネータが駆動さ
れる一方、スタータを、このドラムに取付けた歯車に係
合させてもよく、更に、これらの補助部品を、クランク
ケースの一端とほぼ一直線をなす領域から外方へ延在す
るように互いに積重ねる一方、ディストリビュータが、
エンジンのカムシャフトにより駆動される。エンジンが
液冷式である実施例では、冷却ポンプをカムシャフト駆
動機構内の1点から駆動すると共に、そのポンプを、シ
リンダやシリンダヘッドに対して低レベルに設けること
により、冷却液がエンジン内を基本的には上向き方向に
流れるようにするのが有利である。前述の構成によれ
ば、どんな外部ベルト駆動装置も用いる必要が無く、更
に、クランク軸を動力ユニットの端部カバーから延長さ
せる必要も無いため、クランク軸に当接するオイル封止
装置を設ける必要もないなどの別の利点がある。 乾式プレート型クラッチを保護するように、このよう
な封止手段を歯車箱入力軸心に設けてもよい。エンジン
と伝動装置部品が共通の潤滑油を利用している場合、必
要な他のシールは、最終駆動出力部材が伝動装置ハウジ
ングから突出している点だけである。よって、オイル封
止による動力損失を最小限にすることができる。 歯車のかみ合い点の数を減少させるという別の目的か
ら、本発明の好ましい実施例では後述の伝動装置を用い
る。この伝動装置は、前述の如く配置した歯車箱と最終
駆動軸心に基づくが、本発明の動力ユニットとは独立し
て、例えば、他の構成の一体化動力ユニットやトランス
アクスル装置に有利に使用することもできる。 本発明によれば、回転伝動装置は、一連の全変速比が
得られる歯車箱と最終駆動機構との組合せとして自動車
において作働すると共に、入力軸、副軸と最終駆動出力
部品を備え、これら全ては、自動車の仮想車軸とほぼ平
行な別個の軸心の回りを回転自在であり、更に、伝動装
置は一組の歯車を備えて、そのうち歯車比の異なる少な
くとも2対の歯車が、入力軸と同軸の駆動歯車と最終駆
動出力部品と同軸の被動歯車とを有する各対の歯車と交
互に係合し、これらの歯車を最終駆動歯車と総称する一
方、別の少くとも1対の歯車が、係合して入力軸から副
軸へ駆動力を伝達すると共に、少くとも1対の歯車が係
合して副軸から入力軸と同軸の部品に逆に駆動力を伝達
する。 このような構成の伝動装置では、少くとも2個の変速
比が選択でき、いづれか一方の変速比において、伝動装
置における駆動径路が、入力軸から最終駆動用駆動歯車
へ、従って対応する被動歯車を介して最終駆動出力部品
に直結される。このような駆動径路は、入力軸と最終駆
動出力部品との間で1個だけしかかみ合い点を有さず、
これらの変速比は直接比と称せられるものであって、夫
々の変速比は、従来の三軸型歯車箱におけるトップギヤ
と同等である一方、間接比と称せられる多数の他の変速
比が、公知の手法で副軸から得られる。 自動車での副軸式歯車箱では当然なやり方の逆を表す
構成では、多数の間接歯車対が設けられて、入力軸と副
軸の間で交互に係合自在である一方、出力歯車と係合自
在な常時かみ合い出力ピニオンが副軸上に設けられてい
る。 特に好ましい実施例において、前述の出力歯車は最終
駆動装置の駆動歯車の一つである。 このような実施例での構成は、本発明による動力ユニ
ット、又は、副軸の中心が入力軸の中心と最終駆動出力
部品の中心との間で直線状に位置する必要のない他の用
途に特に適していて、この構成により、間接歯車対の数
に等しい多数の間接比が得られる。いづれかの間接比を
選択した時、伝動装置における駆動径路は、係合した間
接歯車対を介して入力軸から副軸に、更に、3個の歯車
からなる歯車列を介して最終駆動出力部へと連らなる。
この場合、この歯車列の中央の部材が、常時かみ合い出
力ピニオンと対応最終駆動用被動歯車との間で遊び歯車
としてのみ作用する最終駆動用駆動歯車であり、この歯
車列は潜在的に好ましい効率的な出力径路を与える。さ
らに、このような実施例での歯車の総数は、通常の構成
の同等の伝動装置よりも少く、従って全長、重量、費用
の点でも好ましい影響をもたらしてくれる。 好ましい形で後進変速比が得られるようにするには、
副軸に、逆転ピニオンとして知られる、最終駆動用被動
歯車と直接係合する別のピニオンを設ける。 この構成も本発明による動力ユニットや、入力軸、副
軸と最終駆動出力部品の中心が三角形の頂点を占めるよ
うに構成されているその他の用途にも適しており、この
構成により、伝動装置の駆動径路が入力軸から、前述の
間接歯車対でも良い1対の歯車を介して副軸に連らな
り、かくて、逆転ピニオンと最終駆動用被動歯車とを介
して最終駆動出力部品へと連らなる後進変速比が得られ
る。これにより、別の軸の軸心を必要とせずに、従って
伝動装置の嵩を大きくすることなく、ただ1個の歯車を
付加するだけで後進変速比が得られる。多数の間接歯車
対を備えた実施例においては、もし必要なら、等しい数
の後進変速比を得ることが可能である。 伝動装置における全ての歯車対は、連続して係合する
ことが好ましく、そこで種々の変速比を選択するため
に、適当な歯車をその支持軸と連結する装置を設け、該
装置は公知の同期ドッグクラッチでも良い。 伝動装置が前述のように常時かみ合い型である実施例
では、更に別の利点が得られるように多数の他の構成を
組合せても良く、従って、軸の中心が前述のように三角
形の頂点を占める場合は、下記の構成を設ける。即ち、
伝動装置の全長にわたって延在し、主軸としても知られ
る入力軸、最終駆動出力部品に常に固着されている被動
部材と前記主軸に支持されている別部品である駆動歯車
とを各対が有する2個の最終駆動歯車対、主軸と副軸の
一方に常に取付けられている部材と、上記2個の軸の他
方に支持されている別部品である相手歯車とを各対が有
する多数の間接歯車対、各最終駆動用駆動歯車および別
部品である各間接歯車の近傍にある前述した連結装置、
単一のこのような装置を所定時間に連結し得ることを保
証する機構、2個の最終駆動用駆動歯車の大径の方と係
合する常時かみ合い出力ピニオン、2個の最終駆動用被
動歯車の大径の方と係合する逆転ピニオン、副軸を常時
かみ合い出力ピニオンまたは逆転ピニオンと連結する装
置であって、非同期ドッグクラッチでも良い装置を設け
た構成において、軸中心間の距離と対応する歯車直径と
が、常時かみ合い出力ピニオンが、該出力ピニオンと歯
車列を成す最終駆動用被動歯車と当接せず、更に、逆転
ピニオンも、同様に、逆転ピニオンと歯車列を成す最終
駆動用駆動歯車と当接しないように選択される。 このような構成の伝動装置は、下記の如く作用する。
全ての前進変速比に対して、常時かみ合い出力ピニオン
は副軸と連結される。各間接変速比に対して、適当な間
接歯車対の近傍の連結装置が係合して、主軸から副軸
へ、そして常時かみ合い出力ピニオンと最終駆動歯車対
とを介して最終駆動出力部品に駆動力が伝達されるとと
もに、駆動歯車が遊び歯車として作用する。又、各直接
変速比に対して、適当な最終駆動用駆動歯車の近傍の連
結装置が係合して、主軸から直接に最終駆動出力部品に
駆動力が伝達される。更に、逆変速比に対して、間接歯
車対が前述のように係合し、副軸が常時かみ合い出力ピ
ニオンから外れて逆転ピニオンに連結されるので、主軸
から副軸へ、そして逆変速比を達成するように直接最終
駆動出力部品へと駆動力が伝達される。よって、伝達装
置は、歯車箱出力軸の如きのものは必要とせず、また、
副軸式歯車箱にありがちなスピゴット装置も不要であっ
て、これにより主軸の支持構成を好ましいものとするこ
とができる。 前進用歯車が係合している時に速度差が大きくなるの
を防ぐため、副軸と同軸の静的支持用スタブ軸を逆転ピ
ニオンに設けるのが好ましい。 5速及び後進常時かみ合い伝動装置の好ましい構成に
おいては、前述の構成が組み合わさって採用されてお
り、直接比として第4速と第5速を得るには、適当な直
径の2個の最終駆動歯車対を、第1速と第2速と第3速
のための3個の間接歯車対とともに設け、第1速用の間
接歯車対が逆歯車列で利用される。 好ましい駆動径路を有する2個の直接上段変速比と3
個の下段変速比を与えると共に、1個の後進変速比を与
えて、このような伝動装置は、最終駆動軸心の部品以外
では、合計で10個の歯車しか備えず、それも2本の軸の
軸心上に設けられているにすぎないから、軽量、小型
で、且つ、低費用の伝動装置が得られる。更に、これに
より、低変速比を達成するに要するシンクロナイザを、
シンクロナイザにより検知されるクラッチ板と関連部品
の前述の慣性が、通常の構成の同等な伝動装置における
よりも小さい位置に設けることができ、従って、シンク
ロナイザが比較的効率的となる。 さらに、特に一次駆動手段と一緒に使えば、最も好ま
しく離隔した一連の変速比を提供する伝動装置でさえ、
前記した10個の歯車を全て寸法の異ったものとしなくて
も良い利点が得られ、従って、第2速および第3速用の
間接歯車対に関しては、一方の歯車対の主軸歯車は、他
方の歯車対の副軸歯車と同一直径であってもよく、その
逆も成り立つ。又、第4速用の最終駆動用駆動歯車はこ
れら2個の直径のうちで大きい方を有しても良いし、更
に、第1速用の間接歯車対は、第5速用最終駆動用駆動
歯車と常時かみ合い出力ピニオンとからなる歯車対と同
様な相互関係を有していても良い一方、逆転ピニオン
は、これらの2個の直径のうちで小さい方を有し、且
つ、常時かみ合い出力ピニオンと同径であってもよいの
である。よって、10個で1組の歯車の内、直径の異るの
は4個の歯車にすぎない。 係合装置等の他の伝動部品が適当に設けられている実
施例では、直径の等しい歯車は他の全ての点で同様にし
てもよいので、5速及び後進伝動装置の10個で1組の歯
車が単に4個の異った部品を備え、その内の2個の部品
を2度使い、他の2個の部品を3度使うようにすれば良
い。これにより、製造費を更に削減できる。 変速比がスポーツカーにふさわしく選ばれており、こ
れで所定のエンジン速度に対応する一連の車体速度が等
差数列をなすようになっている場合では、10個で1組の
歯車を、歯数が27及び32で、23及び37の歯数を有するピ
ニオンと夫々係合すると共に、最終駆動位置において
は、77及び73の歯数の被動歯車と夫々係合する歯車で構
成してもよく、又、必要な全変速比を達成するために車
輪寸法に適した変速比を有する一次駆動装置が組込まれ
る。 ドッグクラッチを操作する歯車選択機構を、クランク
軸の下方で、主軸と副軸に近接した領域に配置して、ク
ランク軸が変速レバーと伝動部品との間にある自動車の
場合、歯車選択機構の好ましくは直結したリンク機構が
クランク軸の下方を延在するのが好ましい。 前述したような伝動装置が、横方向エンジンと平行
に、上述したように構成された一体化動力ユニットに組
込まれ、更に、エンジンから1対の歯車のみからなる伝
動装置に一次駆動力を伝達するようにした用途において
は、自動的に搭載させた場合、主動力ユニット構造物
と、差動装置でも良い最終駆動出力部品とが、最終駆動
歯車対と共に、車体の長手方向中心線に対してほぼ対称
に配置されると共に、近接した1対の被動輪までの最終
駆動出力軸の長さが左右で等しくなるように、エンジン
と伝動装置部品を配置してもよく、こうすることによ
り、例えば、第4速と第5速とが、クランク軸と被動輪
との間での歯車かみ合い点の総数を僅か2個有する伝動
装置において、対称性の利点を得ることができる。 この場合、間接歯車対は全て最終駆動部品の片側に配
置できるので、例えば、伝動装置が前述のように5段変
速が得られるもので、エンジンが4気筒を有するのであ
れば、特に好ましい形に設置でき、よって、中央のシリ
ンダに近接する最終駆動部品とシリンダブロックの一端
との間の長さを、3個の間接歯車対と関連部品とは都合
よくおさめるのに充分な大きさとすると共に、一次駆動
部品を動力ユニットのこの同一端部に設けることができ
る。 この対称配置型動力ユニットは、最終駆動出力軸がリ
ンク機構の一部を構成するような懸架装置も含めて懸架
装置を直接取付けるのにうまく適している一方、本発明
による動力ユニットでは、シリンダブロックを伝動装置
の上方で傾斜させて、このシリンダブロックの端面の上
部を最終駆動軸の真上により近接させることができると
いう利点が余分に得られる。 本発明は懸架装置にも係わるものであって、この懸架
装置は、車両の非操縦駆動輪上で作用し、且つ、横方向
一体化動力ユニット等の駆動ユニットに直接装着される
ように構成されていると共に、自在継手で連結されてい
る駆動軸がリンク機構の下部横方向部材としても作用
し、且つ、該リンク機構が更に、上部横方向アームとホ
イール支持部材を備え、又、駆動軸の継手が、駆動ユニ
ットの軸方向の支持された出力軸と、ホイール支持部材
の軸受で支持されているホイールハブ軸とに夫々連結さ
れる一方、上部横方向アームが、剛性部材であると共
に、ピボットを介してホイール支持部材の頂部と駆動ユ
ニットの支持構造物とに両端が連結され、又、該ピボッ
トの軸が自動車の走行方向とほぼ平行であるため、リン
ク機構が所定の関節のみに限定される。 上部横方向アームは、駆動軸より小さい有効長さを有
することが望ましい。この構成は、車輪の動きの形状の
より好ましいものとするが、特に、懸架装置を本発明の
動力ユニットと適合させるのに適しており、又、シリン
ダブロックの端面が出力駆動部材との連結部の外側にあ
る場合にも適しており、更に、この構成は、適当な剛性
を有するアームを設けるのに有利である。 上部横方向アームのピボット軸心は、もし望ましけれ
ば、少し曲げてアンチスクォート効果をもたせてもよ
い。 懸架装置のリンク機構の動きは、例えば、ホイール支
持部材の下部と上部横方向アームの内側支点との間に介
装したテレスコピックダンパーと同心のコイルばねによ
り制御できる。 このような懸架装置は、車輪を全ての方向に向けるこ
とが可能で、構成配置も好ましく、又、本発明の用途に
特に適していると共に、構造が簡単で軽量であり、且
つ、構造費を低減する。これらの利点の一部は駆動軸に
第2機能を果すように構成したところによるのであっ
て、これにより、駆動軸の有効長さを可変にする装置を
設ける必要が無い。又、このような懸架装置を本発明の
動力ユニットに装着するのに必要な材料は最小で済む。 本発明による懸架装置は、高性能車やレーシングカー
などにも適用できるという別の利点を有し、その場合、
高速走行時に下向きの力が空気力学的に車体に作用する
ように形成した車体に下面を設けるのが望ましく、こう
することにより、コーナーリング性を向上させることが
できる。 本発明による懸架装置は、駆動軸の下方に横方向リン
ク機構を用いず、ばね手段が気流の外に設けられている
場合は特に、下面をより効果的に形成することができ
る。 動力ユニットに直接全体の懸架装置を装着することに
より、車輪関節を極めて正確に制御することができ、
又、車の構造設計を経済的に行なうことができる。しか
し、動力ユニットと懸架装置との全体組成物は、動力ユ
ニットと道路から発生する振動から隔陸するために、車
体構造物に弾性的に装着されるべきである。 更に、本発明は、動力ユニット装着装置にも係わるも
のであって、これは、後輪近傍で前述した横方向動力ユ
ニットを有するスポーツカーに特に適しているが、空間
的な条件が許せばその他の車種にも適用できる。中空箱
形断面で、例えば、一般にトランスミッショントンネル
と呼ばれる座席間のスペース内いを乗員室の前部隔壁に
近接する地点まで前方に延在するビームを、動力ユニッ
トの前面に止着し、又、前記地点に、このビームを車体
構造物と連結する前方弾性取付け部材を設け、更に、動
力ユニットのケーシングを後部隔壁に近接した車体構造
物上の地点に連結する別の2個の弾性取付け部材を、各
後輪の近傍に設けている。 よって、前方取付け部材と2個の後方取付け部材は車
体の前後方向に相当分離され、この距離が駆動トルクに
対して反応する際にレバーアームとして有効であるの
で、取付け部材を特に垂直方向に比較的弾性的なものと
することができ、これにより振動の伝達を効果的に遮断
できる。 後方懸架装置が動力ユニットに直接止着されている場
合、取付け部材の弾性を、動力ユニットの質量が道路か
ら生じる振動に対する動的吸収体として作用するよう
に、関連する質量に応じて選択することが好ましい。 ビームそれ自体は、例えば燃料タンクとして使うこと
ができ、そうなれば車の中心部に燃料タンクが配置され
た形となって、衝突の際に破損する可能性が少く、ま
た、燃料負荷の変化が車重分布に及ぼす影響が最小限と
なる。 更に、変速レバー用ピボットであって動力ユニットに
強固に連結したピボットをビームが支持してても良く、
こうすれば、変速リンク機構を好ましい形で設けること
ができる。かくて、この特徴は、本発明の如くに構成し
ていると共に前述したように設けた選択機構を有する動
力ユニットと組合せれば、変速レバーから選択機構まで
直接クランク軸の下方で延在する強固な連結リンクを設
けることができるので、変速には特に好都合なものとな
る。 前輪駆動車にあっては前述したのと逆の形態の装着装
置を用いてもよい。 本発明は、更に、ここまで説明した動力ユニット、回
転伝動装置、懸架装置と装着装置又はこれらのいかなる
組合せも提供する。
【実施例】
以下に本発明の構成を添付した図面に従って説明す
る。第1図及び第2図に示ように、本発明の一実施例に
かかる動力ユニット1aは、内燃機関1と回転伝動装置2
とを備えると共に、最終駆動軸心3を介して出力駆動を
行う。回転伝動装置2は又、入力軸軸心又は主軸軸心4
と副軸軸心5を有する。又、第4図から明らかなよう
に、回転伝動装置2は、入力軸、副軸と出力軸84を含む
歯車支承軸を備える。エンジンのクランク軸軸心6は、
これらの全ての伝動軸心に対して平行であると共に、動
力ユニット1aが装着された自動車(例えば、第8図及び
第9図の番号87a)の走行方向に対して伝動軸心の前方
に位置する。エンジンのシリンダ7は、回転伝動装置2
の後方に急激に傾斜しており、シリンダ7の軸心は共通
平面6a内にある。動力ユニット1aの構造は、シリンダ、
クランクケースと主伝動ハウジングを一体的に含む主ケ
ーシング部8に基づいている。クランクケース・伝動閉
鎖部9は平面6bにおいて主ケーシング部8に隣接してい
る。平面6bは、クランク軸軸心6を含むと共にシリンダ
7の軸心、即ち、共通平面6aに対して垂直である。 一方、シリンダヘッド10と最終駆動カバー部11も主ケ
ーシング部8に隣接して、最終駆動軸心3と一致する同
一面12に当接する。この面12は又、番号7で示す方向に
対して垂直である。内燃エンジン1は、クランク軸軸心
6の回りを矢印13で示す方向に回転するクランク軸14を
有すると共に、往復ピストン16からコネクチングロッド
15によって駆動される。従って、最終駆動軸心3、入力
軸軸心又は主軸軸心4及びシリンダ7は全て面6bの同じ
側に位置し、又、面6bは、クランク軸軸心6を含むと共
に共通平面6a対して垂直であることが理解されるであろ
う。図示された例において、軸心3、4及び6は全て、
平面6aと6bの交差によって形成される同一の象限の内方
又は境界上に位置する。本発明において、これらの3個
の軸心3、4及び6の位置の間のこれらの関係により小
型化及び他の利点が得られる。 上記したように、動力ユニット1aは、シリンダ7の軸
心を含む共通平面6aと、共通平面6aに対して垂直に延在
すると共にクランク軸14の軸心6を含む平面6bと、シリ
ンダ7とシリンダヘッド10の間の境界を平面6bと平行に
通過する平面12とを有する。又、第4図から明らかなよ
うに、出力軸84の軸心は最終駆動軸心3と一致する。従
って、出力軸84の軸心3が平面12と一致すると共に、第
1図から明らかなように、回転伝動装置2の出力軸84以
外の全ての歯車支承軸、即ち、入力軸と副軸の夫々の軸
心4と5が平面6bと12の間に位置するように、回転伝動
装置2がシリンダ7に沿って配置される。この構成によ
り、内燃機関1と回転伝動装置2が効果的に並列に配置
されて、動力ユニット1aの構造が対称となるから、動力
ユニット1aが大幅に小型化されると共に、動力ユニット
1aの自動車への装着が極めて簡単になる。 主軸受17は半分が主ケーシング部8内に、残りの半分
がクランクケース・伝動閉鎖部9内に設けられている。
同様に、第2図に示すように、差動ユニット19用の軸受
18は半分が主ケーシング部8内に、残りの半分が最終駆
動カバー部11内に設けられている。シリンダヘッド10
は、急な下向き角度でシリンダ7に接近する入口ポート
20を有する。入口ポート20は長い吸気管21から供給を受
ける。更に、吸気管21は、鋭角的な曲げが無いと共に、
高圧室22とでマニホールド23を形成する。マニホールド
23は、自動車の床の下方に収納されるように充分に低い
レベルに位置している。番号24aで示す燃料源に接続さ
れた燃料噴射器24は、操作し得る位置に設けられている
と共に、カムシャフト26によって操作される入口弁25の
直ぐ後方に向けられている。排気の弁及びポートの配置
は図示されていない。別の型式のエンジンは、最大性能
を得るために、ツインカムシャフトと各シリンダに4個
の弁を有するシリンダヘッドか又は、最小高さと低費用
を得るために、シングルカムシャフトと各シリンダに2
個の弁を有するシリンダヘッドを備えるべきである。 シリンダヘッド10とクランクケース・伝動閉鎖部9用
のボルト27の構成が第6図に示されている。第6図か
ら、別のやり方で、カムシャフト26が、ボルトへの接近
を妨げると共に、シリンダヘッド10と関連部品を一組立
物として取り外すことを妨げることが理解される。追加
の補助的な取付けボルト(図示せず)をクランクケース
・伝動閉鎖部9とシリンダヘッド10の両方に設けて、他
方の部材を妨害することなしに一方の部材を取外せるよ
うにすることもできる。 又、第1図又は第6図に示すように、クランクケース
・伝動閉鎖部9は上方のクランク室28と下方室29の2個
の別個の室に分割されている。クランク室28は風摩擦を
減少するために滑らかな内部形状を有する。一方、下方
室29は潤滑油を貯蔵して、上方のクランク室28用の油溜
めとして機能する。油はクランク室28から下方室29に戻
せるようにポート30が設けられている。ポート30は、ク
ランク室28内の流路を自然に連続させるために、接線方
向に配置されている。エンジンと伝動装置の両方に用い
られる潤滑油は、又、主ケーシング部8の底部と最終駆
動カバー部11内にも貯蔵される。潤滑油は、主油道31を
含む回路において、クランク軸14と同軸のポンプ(図示
せず)によって潤滑させられる。又、潤滑に関して、第
2図に通路32が示され、通路32によって油はシリンダヘ
ッド10から主ケーシング部8の伝動ハウジング部内に排
出される。 第2図は、シリンダ7に関して対称な構成において差
動ユニット19に装着される2個の最終駆動被動歯車33と
34を示す。第2図は又、エンジンの端部において、一次
駆動歯車35及び36とクラッチ装置37を示す。一次駆動歯
車35及び36によって、駆動がクランク軸軸心6から主軸
軸心に伝達される。又、クラッチ装置37は、主軸軸心4
と同軸であると共に、ドラム38の周囲に始動歯39を有す
る。動力ユニットの端面カバーは本図には示されていな
いが、一次駆動端におけるカバーは、一次駆動被動歯車
36と乾式のクラッチ装置37の間の表面40に作用するオイ
ルシールを備える。 第3図から分かるように、補助部品は、クラッチ装置
37が位置する動力ユニットの端部に配置されている。摩
擦ホイール(図示せず)によってクラッチ装置37のドラ
ム38から駆動されるオルタネータ41と、始動歯39と係合
する始動モータ42とが設けられている。後部懸架装置上
方リンク用のピボットピンと軸受を収納するハウジング
44が端部カバー43と一体に設けられ、このピボットピン
はクラッチ装置37のドラム38の上方に位置している。デ
ィストリビュータ45はカムシャフト26の端部から直接に
駆動される。 第4図と第5図は、軸心3、4及び5に沿う回転伝動
装置2の部品の構成を示す。第5図は略図であり、第4
図も又、表示が単純化されている。両図において、軸心
3、4及び5は単一平面内にあるかのように見えるが、
これらの軸心の真の位置関係は第1図、第6図及び第7
図に示す通りである。全てが最終駆動軸心3と同軸に最
終駆動軸心3に装着された差動ユニット19と最終駆動被
動歯車33及び34の他に、伝動装置も又、適当な軸心4及
び5上に、夫々、主軸46及び副軸47を備える。主軸46は
軸受48、49と50で支持される一方、副軸47は軸受51と52
で支持される。入力端において、主軸46は軸受53上に一
次駆動被動歯車36とクラッチ装置37の組立物を支承する
と共に該組立物からスプライン54を介して駆動される。
クラッチ装置37は公知の構造を有している従動板55を備
え、従動板55はダイヤフラムばね57によってドラム38と
圧力板56の間で固定される。他端において、主軸46は、
軸受58と59において、夫々、最終駆動駆動歯車60と61を
支承すると共に、摺動ドッグクラッチ62によって最終駆
動駆動歯車60と61のどちらか一方に接続可能である。摺
動ドッグクラッチ62は単純化して同期装置を設けずに示
されているが、この同期装置は公知の手法に従って設け
られて自動車の変速装置(図示せず)から制御される。
駆動歯車60と61は、夫々、被動歯車33と34と噛合し、こ
れらの歯車対が摺動ドッグクラッチ62によって噛合する
時に5個の前進速度の夫々、第5速度と第4速度を与え
る。 最終駆動駆動歯車60は又、常時かみ合い出力ピニオン
63と噛合する。出力ピニオン63は、副軸47上の軸受64で
支承されていると共に、非同期摺動ドッグクラッチ65に
よって副軸47と接続できる。副軸47とピニオン63の間の
ドッグ接続は全ての前進速度に対して係合が維持され、
次に、副軸47は伝動装置の出力部材と常時かみ合う。間
接的な第1速度、第2速度及び第3速度において、歯車
60が遊び歯車となるようにドッグクラッチ62を中立位置
にセットして、副軸47は歯車列63、60及び33を介して差
動ユニット19を駆動する。このような間接的な変速比の
ために主軸46から副軸47に入力駆動するため、主軸46は
駆動歯車66、67と68を支承し、又、副軸47は、夫々が駆
動歯車66、67と68と噛合する被動歯車69、70と71を支承
する。駆動歯車66と67は主軸46に固定され、一方、被動
歯車71は副軸47に固定されている。駆動歯車68は、軸受
72によって主軸46上に支承されていると共に、第3速度
を与えるために摺動ドッグクラッチ73によって主軸46と
接続できる。同様に、被動歯車69と70は、夫々、軸受74
と75によって副軸47上に支承されている。第1速度又は
第2速度を与えるために、被動歯車69と70のいずれかが
摺動ドッグクラッチ76によって副軸47と接続できる。ド
ッグクラッチ62と同様に、ドッグクラッチ73と76は簡略
化のために同期装置を設けずに示されていて、同様に自
動車の変速装置から制御される。 非同期摺動ドッグクラッチ65は又、副軸47を逆転ピニ
オン77に接続するのにも使用される。逆転ピニオン77
は、副軸47と同軸のスタブ軸79上の軸受78に支承されて
いる。簡略化した表示のため第4図又は第5図から明ら
かでないが、逆転ピニオン77は実際上、点線80で示すよ
うに最終駆動被動歯車34と噛合している。 第6図と第7図は、夫々、歯車34、61及び77と歯車3
3、60及び63の真の関係を示す。従って、第7図から、
常時かみ合い出力ピニオン63が最終駆動駆動歯車60と噛
合するが対応する被動歯車33から離隔していることが明
らかである。一方、第6図は逆転ピニオン77が最終駆動
被動歯車34と噛合するが対応する駆動歯車61から離隔し
ている。 ピニオン63と77は歯数が17枚の同一寸法の共通部品で
あり、同一部品が第1速度用駆動歯車66としても使用さ
れている。同様にして、歯数が32枚の共通部品が歯車60
及び69に使用され、歯車が27枚の共通部品が歯車61、68
及び70に使用され、更に、歯数が23枚の共通部品が歯車
67及び71に使用されている。軸心4及び5上の10個の上
記歯車は従って、単に4個の異なる部品から構成され
る。最終駆動被動歯車33と34は、夫々、73枚と77枚の歯
を有する。図示の実施例において、一次駆動歯車35と36
は夫々、48枚と53枚の歯を有する。 第1速度用歯車66をピニオン63と77と共通化できるよ
うに、更に、望ましい直径を考慮して、第4図に示す歯
車66は、主軸46に装着される一様な孔を有していると共
に、スプライン付きのドッグカップリングリング81によ
って主軸46から駆動される。主軸46の全体の組立物はナ
ット82によって互いに固定される。第4図は又、差動ユ
ニット19がサイドベベル83を備え、サイドベベル83によ
って差動ユニット19が軸受85に支承された出力軸84にス
プライン連結される。一方、第1図、第6図と第7図も
又、選択ロッド86と同心カムドラム87の組立物を含む公
知の型式の歯車選択機構の部材を示す。 第8図乃至第11図は番号87aで示される自動車への動
力ユニットの設置を例示する。 第8図において、動力ユニット1aが座席の直後に位置
して後輪を駆動する2人乗り用スポーツカー87aが示さ
れている。動力ユニットの輪郭は、傾斜隔壁88の下方及
び後方にある凹所の形状に対応するくさび状の形状を有
して、自動車部品のスペース的に効率的な集約化が可能
となるので、このような特殊な用途に特に適している。
その結果、後部荷物スペース89はこの型式の車にしては
比較的大きく、又、動力ユニットの位置が低いために、
棚90は小物の積込み用に更に設けて、車室内から到達で
きる。座席のヘッドレスト91はかかる到達を容易にする
ように位置91aに揺動するようヒンジ接続されている。
又、棚90と荷物スペース89の間の分割部92は、両方の領
域の相対的な寸法を必要に応じて変えられるように位置
調整できる。又、動力ユニットの構成は、マニホールド
23を床の下方に設け、利用できる荷物スペース内に食い
込むこと無しに吸気系を収納できることが理解されるで
あろう。又、ツインカムシャフトシリンダヘッドを有す
る動力ユニットは、その重心が好都合に自動車の軸距内
に位置するように配置されている。 第9図にはハッチバック型の4人乗り用セダン87aが
示されている。セダン87aにおいて、高さを最小とする
ようにシングルカムシャフトシリンダヘッドを備えた動
力ユニット1aは後輪を駆動するように設けられて、その
位置が低いために後部荷物スペース93の下方に収納され
る。後部荷物スペース93は対応する前輪駆動車のものよ
りも少し高い。このような自動車で従来行われているよ
うに、後部座席を倒すことによって荷物プラットフォー
ムを延長することができ、又、別の望ましくは見えない
荷物スペースを自動車の前部に設けることができる。 第10図及び第11図は、セダン87aの前輪を駆動するよ
うに僅かに変形した動力ユニット1aを設けた2個の例を
示す。第10図に示すように、動力ユニットはクランク軸
を最終駆動軸心の後方に配置した逆の向きに設けられ
る。出力駆動軸の回転方向を正確にするために、クラン
ク軸の回転方向を、動力ユニットの残りの部品に対し
て、第1図の矢印13で示す方向の逆であるようにするか
又は、一次駆動歯車35と36をチェーン駆動に代えるか遊
び歯車を一次駆動歯車35と36の間に設ける。第11図に示
すように、エンジンはクランク軸を最終駆動軸心の前方
に有するが、設置をより便利にするために、異なる型式
のシリンダヘッドを備えて吸気マニホールド23を下向き
通気にすることができる。第10図及び第11図に示す両方
の例において、動力ユニットの構造により、極めて低く
且つ空気力学的なボンネットラインか又は、前述の動力
ユニットのように前部荷物スペースを設けることができ
る。 第8図乃至第11図に示す全ての例において、動力ユニ
ットは自動車の幅の中央に設置されるので、直線状のよ
り多数のシリンダを設けた図示の構成の変形例も同様に
収納することができる。 第12図及び第13図に示すように、自動車の車輪112の
後部懸架装置は上部横断アーム94、ホイールキャリヤ95
と最終駆動軸96を備える。最終駆動軸96は、下方横断ア
ームとして機能すると共に、両端に自在継手97を有す
る。アーム94は、動力ユニットの端部カバー43のハウジ
ング44内の軸受99で支持されるピボットピン98を、その
内方端部において備える。一方、アーム94の外方端にお
いて、別のピボットピン100がホイールキャリヤ95内に
保持された軸受101を支承する。アーム94とホイールキ
ャリヤ95は共に大略釣り合わせた部材であり、軸受99と
101は円すいころ軸受を用いて、アーム94とホイールキ
ャリヤ95の組立てが自動車のけん引力を維持することが
できる。 最終駆動軸96の自在継手97は、その内方端において、
第4図で軸受85によって支持された出力軸84に連結さ
れ、又、その外方端においてホイールハブスピンドル10
2に連結される。リンクの関節連結は、ホイールキャリ
ヤ95を内方のピボットピン98の延在部に接続するスプリ
ングダンパーユニット103によって制御される。第12図
及び第13図に示す懸架装置は、動力ユニットの1次駆動
部が位置する側に設けられている。その反対側において
は、ハウジング44と同等なハウジングが動力ユニットの
対向端部カバー(図示せず)に設けられている点を除い
て懸架装置は同様である。 動力ユニット・後部懸架装置組立物を自動車に装着す
る構成が第14図及び第15図に示されている。ビーム104
は、動力ユニットの前部に止着されていると共に、その
前方端にフレキシブル前部装着ブッシュ105を備える。
ブッシュ105によってビーム104が車体構造物に連結され
る。2個の別の後部接着ブッシュ106が、動力ユニット
の端部ケーシングの延在部として形成されたアーム107
に装入される。ビーム104は、スペース108が燃料タンク
として使用できるように中空の箱断面を有する。ビーム
104は又、ロッド110によって伝動装置の同心カムドラム
87と連結された変速レバー109を支承する。ロッド110は
ビーム104のスペース108内の管111内を延在する。
【発明の効果】
図面を参照して上述した動力ユニット組立物は多数の
利点を提供する。その特徴の多くは個々に好都合なもの
であるが、特徴の多くは、エンジン、補助装置、伝動装
置、懸架装置及び装着部品が全て、最適な伝動又は吸気
系統の能率を犠牲にすること無しに、低い重心、有利な
装着特性及び望ましい変速機構を有すると共に製作費の
面からも利点をもたらすように、特に小型で軽量の組立
物に完全に一体化される構成に対して、互いに相補的で
あり且つ寄与するように特に意図されている。かかる組
立物は、より小型で軽量、且つ、燃料効率の優れた自動
車、特に高性能車、中でもスポーツカーの設計を容易に
するであろう。 更に詳述すれば、本願発明に係る自動車用動力ユニッ
ト、伝動装置2が、入力軸4と2個の出力軸84を含む複
数個の歯車支承軸を備え、更に、シリンダ7の軸心を含
む第1平面6aと、第1平面6aに対して垂直に延在すると
共にクランク軸14の軸心6を含む第2平面6bと、シリン
ダ7とシリンダヘッド構造物10の間の境界を第2平面6b
と平行に通過する第3平面12とを有し、且つ、出力軸84
の軸心3が第3平面12に大略一致すると共に、伝動装置
2の残りの全ての歯車支承軸、例えば、入力軸4の軸心
が第2平面6bと第3平面12の間に位置するように、伝動
装置2をシリンダ7に沿って配置している。 本願発明に係る上記構成の動力ユニットにより、内燃
機関1と伝動装置2が効果的に並列に配置されて、対称
な構造の動力ユニットが得られるから、動力ユニットが
大幅に小型化されると共に、動力ユニットの自動車への
装着が極めて簡単になるという顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は4気筒エンジンと5個の前進速度を与える伝動
装置を備える本発明の一体化動力ユニットの断面図であ
り、断面は外方のシリンダ軸心を含むと共にクランク軸
軸心に対して垂直な平面において取られている。 第2図は、主ケーシング部を除く全てのケーシング部品
とシリンダヘッドを除去した、第1図の動力ユニットの
シリンダヘッド・最終駆動ハウジング分割面のシリンダ
軸心方向の平面図である。 第3図は、補助部品の構成を示す、第1図の動力ユニッ
トのクランク軸軸心方向の側面図である。 第4図は、理解を容易にするため最終駆動軸心が主軸及
び副軸の軸心と同一平面内にあるかのように示した、第
1図の動力ユニットの伝動装置の詳細断面図である。 第5図は第4図の伝動装置の略図である。 第6図は、特にシリンダヘッドボルト締め構成と第4速
度最終駆動歯車を示す、第1図の動力ユニットの中央シ
リンダ間で取られた概略断面図である。 第7図は、特に第5速度最終駆動歯車を示す、第1図の
動力ユニットの別の断面図である。 第8図は、スポーツカーの後輪付近に設置され且つツイ
ンオーバヘッドカムシャフト付きシリンダヘッドを備え
る、第1図の動力ユニットの略図である。 第9図は、セダンの後輪付近に設置され且つシングルオ
ーバーヘッドカムシャフト付きのシリンダヘッドを備え
る、第1図の動力ユニットの略図である。 第10図はセダンの前輪付近に設置した、第1図の動力ユ
ニットの変形例の略図である。 第11図はセダンの前輪付近に設置した、第1図の動力ユ
ニットの別の変形例の略図である。 第12図は、自動車に装着した第1図の動力ユニットに止
着した後部懸架装置の自動車後方から見た図である。 第13図は第12図の後部懸架装置の平面図である。 第14図は第12図の動力ユニットと後部懸架装置の組立物
と連係する装着装置の側面図である。 第15図は第14図の装着装置の平面図である。 第16図は第1図の矢印XVI方向の正面図であり、動力ユ
ニットと、動力ユニットが装着された自動車と、車輪と
の間の接続を示す。 1……内燃機関 2……回転伝動装置 7……シリンダ 8……主ケーシング部 10……シリンダヘッド 14……クランク軸 17……主軸受 19……差動ユニット 23……マニホールド 26……カムシャフト 33、34……最終駆動被動歯車 35、36……一次駆動歯車 37……クラッチ装置 45……ディストリビュータ 46……主軸 47……副軸 54……スプライン 63……常時かみ合い出力ピニオン 79……スタブ軸 84……出力軸 90……棚 91……ヘッドレスト 97……自在継ぎ手 103……スプリングダンパーユニット 107……アーム 109……変速レバー 112……車輪

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車(87a)用の動力ユニット(1a)に
    おいて、 動力ユニット用のケーシング構造物(8−11)と、往復
    ピストン内燃機関(1)と、多重比伝動装置(2)とを
    備え、内燃機関(1)は、直線状に配置した複数個のシ
    リンダ(7)内で作動する複数個のピストン(16)と、
    シリンダ(7)の近傍に設けられたシリンダ(7)用シ
    リンダヘッド構造物(10)と、クランクケース(28、2
    9)と、該クランクケース内で軸心(6)の回りで回転
    自在であると共にピストン(16)によって駆動されるク
    ランク軸(14)とを備え、又、シリンダ(7)の軸心は
    平行であると共に共通第1平面(6a)内に位置し、更
    に、伝動装置(2)は、動力ユニットの両側に位置する
    2個の車輪を駆動するように設けた入力軸(4)と2個
    の同軸出力軸(84)を含む複数個の歯車支承軸を備え、
    又、出力軸(84)の軸心(3)はクランク軸(14)の軸
    心(6)に対して大略平行である一方、入力軸(4)を
    クランク軸(14)と駆動連係させ、又、第2平面(6b)
    が、共通第1平面(6a)に対して垂直に延在すると共に
    クランク軸(14)の軸心(6)を含む一方、第3平面
    (12)が、シリンダ(7)とシリンダヘッド構造物(1
    0)の間の境界を第2平面(6b)と平行に通過し、更
    に、出力軸(84)の軸心(3)が第3平面(12)に大略
    一致すると共に、伝動装置(2)の残りの全ての歯車支
    承軸が第2平面(6b)と第3平面(12)間に位置するよ
    うに、伝動装置(2)をシリンダ(7)に沿って配置し
    た動力ユニット。
  2. 【請求項2】ケーシング構造物(8−11)が、分割不可
    の主ケーシング部(8)を備え、更に、主ケーシング部
    (8)は、シリンダ(7)を収納する第1領域と、伝動
    装置(2)の部品を収納する第2領域とを有する特許請
    求の範囲第1項に記載の動力ユニット。
  3. 【請求項3】ケーシング構造物(8−11)が、シリンダ
    (7)が配設されたケーシング部(8)を備え、更に、
    第1平面結合面(12)が、ケーシング部(8)によって
    形成されると共に、出力軸(84)の軸心(3)と大略同
    一平面内にあり、且つ、第1平面結合面(12)は、シリ
    ンダ(7)とシリンダヘッド構造物(10)の間の境界と
    大略同一平面内にある特許請求の範囲第1項に記載の動
    力ユニット。
  4. 【請求項4】ケーシング構造物(8−11)が、クランク
    ケース(28、29)用で且つ伝動装置(2)の近接部分用
    のカバー手段(9)を備え、更に、ケーシング構造物
    (8−11)は、カバー手段(9)が係合する第2平面結
    合面(6b)を有する特許請求の範囲第1項に記載の動力
    ユニット。
  5. 【請求項5】クランク軸(14)の軸心(6)が第2平面
    結合面(6b)と大略同一平面内にある特許請求の範囲第
    4項に記載の動力ユニット。
  6. 【請求項6】第1平面結合面(12)と第2平面結合面
    (6b)が平行である特許請求の範囲第3項又は第4項に
    記載の動力ユニット。
  7. 【請求項7】伝動装置(2)の出力軸(84)を収納する
    部分用のカバー手段(11)を備え、更に、カバー手段
    (11)は第1平面結合面(12)の平面においてケーシン
    グ構造物(8−11)と係合する特許請求の範囲第3項に
    記載の動力ユニット。
  8. 【請求項8】ケーシング構造物(8−11)内において、
    内燃機関(1)を収納する第1部分と、伝動装置(2)
    を収納する第2部分の間に接続部(30)を設けて、第2
    部分が、使用中に内燃機関(1)用の潤滑油溜めとして
    も機能する特許請求の範囲第1項に記載の動力ユニッ
    ト。
  9. 【請求項9】接続部(30)がケーシング構造物(8−1
    1)内に形成した通路である特許請求の範囲第8項に記
    載の動力ユニット。
  10. 【請求項10】上記通路を、クランク軸(14)の近傍
    で、クランク軸(14)の回転方向に対して大略接線方向
    に第1部分に導入した特許請求の範囲第9項に記載の動
    力ユニット。
  11. 【請求項11】特許請求の範囲第1項に記載の動力ユニ
    ットを備える自動車(87a)において、 長手方向中心線と、共通仮想車軸上に位置するように上
    記長手方向中心線の両側に、夫々、対称に配置した1対
    の被動輪(112)を備え、更に、シリンダ(7)が上記
    長手方向中心線の両側に大略対称に位置するように内燃
    機関(1)を配置し、又、出力軸(84)は自動車の通常
    乗車高さの上記共通仮想車軸と大略一致する一方、被動
    輪(112)の各々を出力軸(84)の各々に接続する接続
    手段は自在継手を設けた駆動軸(96)を備え、且つ、伝
    動装置(2)を、ケーシング構造物(8−11)内で内燃
    機関(1)の大略真下に配置した自動車。
  12. 【請求項12】内燃機関(1)に対する燃料入口ポート
    (20)を、伝動装置(2)に近接した内燃機関(1)の
    下側に配置し、又、内燃機関(1)用の吸気管(21)
    も、伝動装置(2)に近接した内燃機関(1)の下側の
    位置で内燃機関(1)に導入され、且つ、吸気管(21)
    は、内燃機関(1)から離隔延在する時、ケーシング構
    造物(8−11)の伝動装置(2)を収納する部分の上を
    通過してから降下して、吸気管(21)の自由端(22)
    は、吸気管(21)が内燃機関(1)に導入される内燃機
    関(1)の上記位置よりも垂直方向で低い特許請求の範
    囲第11項に記載の自動車。
  13. 【請求項13】伝動装置(2)が、入力軸(4)と出力
    軸(84)に平行に配置した副軸と、比の異なる少くとも
    2対の歯車と、入力軸(4)から副軸に駆動伝達するよ
    うに係合する少くとも1対の別の歯車と、入力軸(4)
    と同軸の回転部品と、副軸から回転部品に駆動伝達する
    ように係合する伝動手段とを備え、更に、上記2対の歯
    車は選択的に係合自在であり、且つ、上記2対の歯車の
    各対の歯車は、入力軸(4)と同軸の駆動歯車と、出力
    軸(84)と同軸の被動歯車とを備える特許請求の範囲第
    1項に記載の動力ユニット。
  14. 【請求項14】被動輪(112)の各々がホイールハブス
    ピンドルを備え、且つ、被動輪(112)用の懸架装置を
    設け、該懸架装置は被動輪(112)の各々に対して支持
    リンク装置を備え、更に、支持リンク装置は、被動輪
    (112)の各々に対して、上部横断部材と、下部横断部
    材と、車輪支持部材とを備え、又、被動輪(112)の各
    々に対して、駆動軸(96)が下部横断部材として機能
    し、更に、車輪支持部材内の軸受がホイールハブスピン
    ドルを支承し、又、上部横断部材は剛体であり、更に、
    上部横断部材の一端と車輪支持部材の間及び上部横断部
    材の他端とケーシング構造物(8−11)の間に接続部材
    を設け、且つ、該接続部材を、被動輪(112)の転動方
    向に大略平行な軸心を有するピボットで形成した特許請
    求の範囲第11項に記載の自動車。
  15. 【請求項15】前輪と2個の後輪と、前部隔壁と後部隔
    壁の間に形成された荷物室とを有すると共に特許請求の
    範囲第1項に記載の動力ユニットを備える自動車におい
    て、 内燃機関(1)を後輪の近傍に設置する一方、クランク
    軸(14)は自動車を横断するように配置され、更に、ビ
    ームの一端がケーシング構造物(8−11)に固着されて
    いると共に前方に延在し、且つ、可撓性装着部材は、自
    動車の横方向で中央にあると共に荷物室の前部隔壁に長
    手方向で近接した位置で、ビームの他端を自動車の構造
    物に接続し、又、自動車の2個の後輪の各々に横方向に
    近接して設けた2個の別の可撓性接着部材が、荷物室の
    後部隔壁に長手方向で近接した位置で、内燃機関(1)
    を自動車の構造物に接続する自動車。
  16. 【請求項16】後輪と2個の前輪と、後部隔壁と前部隔
    壁の間に形成された荷物室とを有すると共に特許請求の
    範囲第1項に記載の動力ユニットを備える自動車におい
    て、 内燃機関(1)を前輪の近傍に設置する一方、クランク
    軸(14)は自動車を横断するように配置され、更に、ビ
    ームの一端がケーシング構造物(8−11)に固着されて
    いると共に後方に延在し、且つ、可撓性装着部材は、自
    動車の横方向で中央にあると共に荷物室の後部隔壁に長
    手方向で近接した位置で、ビームの他端を自動車の構造
    物に接続し、又、自動車の2個の前輪の各々に横方向で
    近接して設けた2個の別の可撓性装着部材が、荷物室の
    前部隔壁に長手方向で近接した位置で、内燃機関(1)
    を自動車の構造物に接続する自動車。
  17. 【請求項17】特許請求の範囲第1項乃至第10項及び第
    13項のいずれかに記載の動力ユニットを備える自動車
    (87a)。
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