JP2552616B2 - 魚道装置の制御ゲートおよびその集魚装置 - Google Patents

魚道装置の制御ゲートおよびその集魚装置

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JP2552616B2
JP2552616B2 JP4306088A JP30608892A JP2552616B2 JP 2552616 B2 JP2552616 B2 JP 2552616B2 JP 4306088 A JP4306088 A JP 4306088A JP 30608892 A JP30608892 A JP 30608892A JP 2552616 B2 JP2552616 B2 JP 2552616B2
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water tank
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国和 荒ケ田
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/60Ecological corridors or buffer zones

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  • Barrages (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、堰、ダム等の上下流を
結ぶ魚道の制御ゲートおよびその集魚装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の堰、ダム等に設けられている魚道
には、普通、階段状の固定魚道が用いられている。例え
ば、図5に示すように、ダム1に沿って設けた魚道2に
複数の堰体3が設けられ、上流側の堰体3には可動扉体
4が併設され上流の水位変動に対応できるようにされて
おり、下流側の複数の堰体3はそれぞれ順に堰高を低く
している。この構成により、可動扉体4の高さを調節し
て、流量を一定にすることが行なわれて来た。堰体(可
動扉体)の高さの調節を無人無動力で行なうために、先
に出願した明細書中で、フロートを利用してゲートを昇
降動させることを提案している(特願平1−99470
号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の階段状の固定魚
道および提案したゲートは、いずれも階段の高さが魚の
跳躍力から30cm程度に制限され、また助走のために
一区画の長さが3m程度必要であるので、魚道の長さは
上下流の水位差の10倍近くに大きくなり、また頭首工
の取水口と魚道の上流端は、なるべく堰に近くするのが
普通であるので、魚道の下流端は堰よりも遥かに下流に
なる。すなわち、魚道が長くなるので、工費がかさむと
言う課題があった。また、頭首工の場合には、通常、堰
の直下流よりもさらに下流側に魚道の入口が設けられて
いるものであるが、大抵の魚が堰上からの瀑布に惹かれ
て堰の直下流に集まる。このため、魚が遡上するために
は、本能に逆らって下降し、魚道の入口を見つける必要
があるので、魚の遡上を困難なものにしている。また、
堰が二門以上に別れている場合には、ピヤによって魚の
横方向の移動が妨害されると言う課題があった。
【0004】本発明は魚道を短くしてその入口を瀑布の
直下流に近接して設けるか、または、魚道の入口に魚を
誘導するための魚道の制御ゲートおよびその集魚装置を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、上方および水路の上流側に突き出した、水
平部と垂直部とからなる断面L形状の扉体の曲部に軸を
取付け、該軸を河床より上方位置に支持して前記扉体を
回動自在に設けると共に、前記扉体の前傾時に水平部を
河床に着床するようにし、前記扉体の回動を規制するス
トッパを設け、該扉体の下流側面に水槽を取付け、該水
槽の上面に通気口を開けると共に、前記垂直部の上端よ
り低いクレストを形成し前記水槽内に上流側の水を注入
する注水サイホンを設け、前記水槽の下面に排水口を開
けたことを特徴とする。
【0006】また、上方および水路の上流側に突き出し
た、水平部と垂直部とからなる断面L形状の扉体の曲部
に軸を取付け、該軸を河床より上方位置に支持して前記
扉体を回動自在に設けると共に、前記扉体の前傾時に水
平部を河床に着床するようにし、前記扉体の回動を規制
するストッパを設け、該扉体の下流側面に水槽を取付
け、該水槽の上面に通気口を開けると共に、水槽に上流
側の水を注入する可撓性の注水管を接続し、前記通気口
の位置より高いクレストを形成し一方の口を前記水槽内
の下部に開口し他方の口を水槽の下方に開口した排水サ
イホンを設けたことを特徴とする。
【0007】さらに、水路を横断する平板状の扉体を側
壁に沿って上下方向に摺動自在に設け、該扉体にビーム
を介して、フロート室に収納するフロートおよび扉体の
上流側流水中に設けた円筒状の越流堰を連結し、該越流
堰を可撓性の導水管を介して前記フロート室と連通し、
前記フロート内の下部に密閉部を設けると共に、フロー
ト内の上部を可撓性の通水管を介して前記扉体の下流側
水路と連通し、前記フロート室に前記通水管の流路より
小さな孔からなる流出口を介して前記扉体の下流側水路
と連通したことを特徴とする。
【0008】そして、請求項3に記載の流量制御ゲート
のビームに連結し、かつ、前記流量制御ゲートの扉体の
直下流側に配置した筒状の注水槽に、請求項2に記載の
水位制御ゲートの注水管を接続したことを特徴とする。
【0009】このほか、頭首工に有する複数のピヤの
流側端部に、河川を横断する直線上の位置に沿って複数
のピヤを貫通する通路孔を設け、前記複数のピヤに設け
た通路孔のうちの1つに、該頭首工と併設した魚道装置
の水路の下流側口を連通し、前記魚道装置を付設したピ
アに隣接するピアの通路孔の壁面に上流側の流水を噴射
する噴水管を設けたことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明は上記のように構成するものであるの
で、請求項1に記載の水位制御ゲートは、水槽内に水が
入っていないとき、水平部の重量で扉体が上流側に回動
して河床に該水平部が着き水路を閉じる。したがって、
上流水位は徐々に高くなり、注水サイホンの上流側の口
も水中に没するようになり、注水サイホンが働くことに
なる。そして、注水サイホンが働くことにより水槽内に
水が流入し、通気口から空気が抜け出る。水槽内に水が
流入すると扉体の下流側が重くなるので、扉体は下流側
に起き上がりストッパによって所定位置で停止すること
になる。この状態は水路を開いたことになる。また、こ
の結果、注水サイホンの上流側の口は空中に露出するの
で、水槽内に空気が入り、水槽内の水は排水口から徐々
に排出され、再び、扉体の下流側が軽くなって扉体は水
路を閉じるようになる。
【0011】また、請求項2に記載の水位制御ゲート
は、注水管の供給側の開口が排水サイホンのクレスト以
上の高さにあるとき、開口から水が供給されない水位の
場合、すなわち、軸の位置より下方に水面があり、重量
のバランスによって扉体が前傾していると、水路を閉じ
るので直上流の水位は上昇する。水位が注水管の供給側
の開口より上昇すると、水槽に水が入り込む。水槽に水
が入ると、水路を開くと共にサイホンも稼動することに
なる。また、扉体はストッパによって所定角度以上に回
動しない。しばらく後、水位が下がるので水槽に水が入
らなくなり、かつ、サイホンから排水されているので、
通気口から空気が入り、水槽は軽くなる。このとき、水
中に水槽の一部があれば浮力が働く。その後、扉体が前
傾して水路を閉じることになる。なお、サイホンは両側
の水位のバランスによって停止状態になる。
【0012】請求項3に記載の流量制御ゲートは、越流
堰が平板状の扉体と連動するので、上流の水位の変動が
大きくても、越流堰からフロート室に入る流水量が変化
しフロートのバランスによって扉体の越流水深は殆ど一
定になり、水路内の流量は変化せず、魚は容易に流水に
逆らって平板状の扉体の瀑布の箇所にたどり着くことが
できる。
【0013】したがって、流量制御ゲートと請求項2に
記載の水位制御ゲートを組み合わせたとき、水槽内が空
で水位制御ゲートの扉体が水路を閉じていれば、注水槽
の高さまで水が堰き止められ、平板状の扉体の上流側と
下流側との水位差が小さくなり、魚の遡上を容易にす
る。また、水槽内に水が溜まると水路は開かれ、また、
排水サイホンが稼動する。このとき、水位制御ゲートの
下流側にいた魚はこの下をくぐって流量制御ゲートの瀑
布付近まで遡上することができる。その後、水位制御ゲ
ートの扉体は水路を閉じることになる。
【0014】請求項5に記載のピヤを貫通する通路孔
は、魚道装置に近い側に、噴水管から流水が噴射されて
水音を立てるようになっているので、魚道装置と魚との
間に複数のピヤが介在しても、魚はピヤを迂回しないで
通路孔を通り河川を横切って魚道装置の入口に泳いで移
動することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。図2に示す頭首工5は複数のピヤ6とその間
に設けたゲート7によって河川8を堰止めるようになっ
ている。この場合、ゲート7の上下流の水位差は大き
く、ゲート7を迂回する水路9に2つの水位制御ゲート
(下流側水位制御ゲート10a 、上流側水位制御ゲート10
b )を設け、またその上流側に流量制御ゲート11を設け
て成る魚道装置12が頭首工5に並設されている。
【0016】下流側水位制御ゲート10a の構成は、図1
に示すように、上方および水路9の上流側に突き出し
た、水平部13と垂直部14とからなる断面L形状の扉体15
を有し、扉体15の曲部に軸16が固着され、軸16は河床17
より上方の側壁に埋設された軸受18に嵌入し扉体15を回
動自在に支持している。また、垂直部14には上流側から
延びたダンパー(ストッパ)19が連結され、扉体15の動
作を制すると共に扉体15を下流側に倒さないようにして
いる。使用するダンパー19は周知の油圧技術を用いて、
開き始めは緩慢に、開き終わりと閉じる行程は急速に作
動するように構成されている。なお、扉体15の水平部13
は前傾時に河床17に着床するように、水平部13の大き
さ、軸16の位置が決められている。
【0017】扉体15の水平部13の下流側の延長線上には
水が注入される水槽20が設けられており、水槽20の下流
端近くの上面に小さな通気口21が穿たれ、水槽20の下面
には水の排水口22が開けられている。また、注水サイホ
ン23が、垂直部14の上端よりやや低い位置にクレストを
有し、その一端は垂直部14より上流側で下方に延び、上
流側水位制御ゲート10b の開いた状態における上流側水
位制御ゲート10b の水槽24の上端よりも下位置で開口
し、他端は下方に延びて水槽20の内部に開口されてい
る。
【0018】また、軸16の位置は上記の理由のほか、そ
の下流側水位制御ゲート10a の上流の水位が最も高い状
態において、水槽20が空のときに、水圧により下流側水
位制御ゲート10a が開かないように十分に高くされ、ま
た、水槽20の大きさは、上流の水位が最も低い状態にお
いて、下流側水位制御ゲート10a が開くように十分に大
きくされている。
【0019】図1に示すように、上流側水位制御ゲート
10b は、同様に、水平部25と垂直部26とからなる扉体27
を有し、側壁に埋設された軸受18に嵌入した軸28を介し
て、扉体27を回動自在に支持している。また、垂直部26
にはダンパー(ストッパ)19が連結されている。なお、
扉体27の形状は下流側水位制御ゲート10a と同じように
し、河床17に段差部17a を形成して床面を高くし、軸28
の位置を高くして扉体27の前傾時に水平部25が着床する
ようにしている。
【0020】上流側水位制御ゲート10b の扉体27の水平
部25の下流側の延長線上には水が注入される水槽24が設
けられており、水槽24の下流端近くの上面に小さな通気
口29が穿たれている。また、排水サイホン30が、そのク
レストを水槽24の上面よりわずかに上方に位置させ、一
端は水槽24内の上流端近くの底面付近に下向きに開口
し、他端は水槽24の下方まで下降してから湾曲し、斜め
上向きに開口している。
【0021】また、上流側水位制御ゲート10b の水槽24
は、後述する注水室31に配置した注水槽32の下部に連結
した可撓性の注水管33と接続されている。注水管33の中
間部は注水室31に開けた孔31a に遊嵌されている。
【0022】なお、下流側水位制御ゲート10a は水槽20
が空になれば、直ちに閉じるようになっているが、上流
側水位制御ゲート10b は水槽24に浮力が働いて、始めて
閉じるようになっている。
【0023】流量制御ゲート11は平板状の扉体34を有
し、扉体34はこの直下流側に立設した固定堰35に近接
し、図4に示すように、扉体34の両側に取付けた車輪36
によって水路9の側壁に上下方向に摺動自在に支持され
ている。また、扉体34の上部に取付けたゲート支柱37、
ビーム38およびフロート支柱39を介して、扉体34と両側
のフロート室40内のフロート41とが連結されている。ビ
ーム38からは前述した注水槽32が自重により垂下されて
いる。
【0024】フロート41の下部には密閉部42が形成さ
れ、その上部には流量制御ゲート11の下流の水路9の水
が可撓性の通水管43を介して導入されている。また、両
方のフロート室40は、図1および図3に示す一本の十分
に大きな連通管44により連通されている。密閉部42の大
きさは、その浮力がフロート41により支えられる重量に
見合う大きさにされている。その誤差の許容範囲は、フ
ロート41内とフロート室40内の水位が等しい場合に、流
量制御ゲート11が昇降しないことが条件となる。密閉部
42の上端の高さは、上流水位が最低で、下流水位が上流
側水位制御ゲート10b が開いた状態において、フロート
室40内の水位が下流と等しくなれば、密閉部42の上部が
十分に空中に露出して流量制御ゲート11が下降し、フロ
ート室40内の水位が上流と等しくなれば、流量制御ゲー
ト11が上昇することが条件となる。
【0025】前述した注水室31は、フロート室40の一方
の下流側に設けられ、該フロート室40の上流側には越流
室45が設けられている。ビーム38から垂下した円筒状の
越流堰46は越流室45に設置され、下部に可撓性の導水管
47を接続している。また、越流室45は窓48を介して流量
制御ゲート11の上流側と連通している。また、フロート
室40は、越流堰46および導水管47を介して越流室45と連
通すると共に、小さな孔からなる流出口49を介して流量
制御ゲート11の下流側の水路9と連通されている。
【0026】そして、注水槽32の上端の高さは越流堰46
のそれよりも僅かに低くされている。越流堰46の周長は
十分に大きくされ、その上端と扉体34の上端の高低差
は、流量制御ゲート11上の所定の越流水深よりもわずか
に小さくされている。
【0027】頭首工5に設けた魚道装置12の水路9の下
流側口は、図2に示すように、ピヤ6を貫通する通路孔
50に連通して瀑布の直下流に開口している。図に示すよ
うに頭首工5のゲート7が二門以上ある場合には、魚道
の下流側口の延長線上において複数のピヤ6に通路孔50
を開けておき、一端を河川8の上流側内に開口し他端を
通路孔50の魚道装置12に近い側に開口する噴水管51を配
設する。
【0028】次に作用を説明する。下流側水位制御ゲー
ト10a の水槽20からの排水を行なう排水口22および上流
側水位制御ゲート10b の排水サイホン30の大きさは任意
であるので、その大きさが適当であれば、適当な時間だ
け扉体15または扉体27は空いたままとなり、魚が遡上す
るための時間を十分に取ることができる。
【0029】河川8の上流側の水位が上昇すれば、越流
堰46からフロート室40内への流入量が増加し、フロート
室40内の水位が上昇して、フロート41に働く浮力が増加
するので、流量制御ゲート11が上昇する。また、河川8
の上流側の水位が低下すれば、流入量が減少し、フロー
ト室40内の水位が下降し、フロート41に働く浮力が減少
するので、流量制御ゲート11が下降する。越流堰46上の
越流水深は、流量制御ゲート11の上昇時には大きく、下
降時には小さいが、越流堰46の周長が十分に大きいの
で、越流水深自体が小さく、したがって越流水深の変化
は極めて小さく、また越流堰46と扉体34の上端の高低差
も一定である。したがって、扉体34上の越流水深と水路
9内の最大流速は殆ど変化せず、魚の遡上に最適な状態
に整えることができる。
【0030】全ての水位制御ゲート10a,10b の水槽20,
24内の水は、扉体15,27が開いた時点から排水口22また
は排水サイホン30を通じて排出され続けている。先ず、
下流側水位制御ゲート10a の水槽20が空になり、扉体15
が閉じる。その結果、直上流の水位が上昇して、河床17
の段差部17a の瀑布が消失する。すなわち、図1に示す
最低水面から次の高さの水面になる。この段階において
は、上流側水位制御ゲート10b の水槽24は排水途中であ
り、扉体27は開いたままであり、したがって、魚は上流
側水位制御ゲート10b の下をくぐって、その上流の瀑布
付近まで遡上することができる。
【0031】さらに水位が上昇すれば、上流側水位制御
ゲート10b の排水サイホン30の出口が水没するが、水は
排水サイホン30のクレストに阻まれて、水槽24内には侵
入しない。したがって、水槽24に浮力が働き、扉体27は
重心のバランスが崩れてほぼ45度前傾して閉じること
になる。その際、前傾している下流側水位制御ゲート10
a の直上流の水位が上昇し、注水サイホン23が働く前
に、扉体27が急速に閉じる。また、注水サイホン23がわ
ずかに働いたとしても、上流から水が供給されないので
下流側水位制御ゲート10aはすぐに閉じ、上流の魚が押
し流される事はない。
【0032】上流側水位制御ゲート10b が閉じ、直上流
の水位が上昇しても、フロート41の密閉部の大きさが適
当であるので、流量制御ゲート11は動かず、さらに下流
水位が上昇しても、フロート室内とフロート内の上部に
下流の水を導入しているので、フロート41内とフロート
室40内の水位が同時に上昇し、浮力と重さが相殺される
ので、流量制御ゲート11は動かない。したがって、流量
制御ゲート11の上下流の水位差が少なくなれば、魚は流
量制御ゲート11の上を乗り越えて河川8の上流に遡上す
ることができる。
【0033】その後、さらに流量制御ゲート11の下流の
水位が上昇し、その上下流の水位差が殆ど無くなれば、
流量制御ゲート11のビーム38から垂下されている越流堰
46上から、上流側水位制御ゲート10b の水槽24内に水が
流入し、扉体27が開き始める。なお、ダンパー19によ
り、開き始めは緩慢に開くようになっているので、下流
で水が溢れることはない。
【0034】上流側水位制御ゲート10b が開けば、直下
流の水位が上昇するので、下流側水位制御ゲート10a の
注水サイホン23から水槽20内に水が流入して、下流側水
位制御ゲート10a が開く。上記の通り、開き始めは動作
が緩慢であるので、水路9の下流側口で待機している魚
が、押し流される事はない。そして、魚は下流側口およ
び河床17の段差部17a による瀑布に導かれて下流側水位
制御ゲート10a の下方を通って遡上することができる。
【0035】以上のように、下流側水位制御ゲート10a
および上流側水位制御ゲート10b が作動することによっ
て、魚は一旦、河床17の段差部17a に寄せられ、次に、
水面を上昇させることで流量制御ゲート11の直下流に寄
せられる。その後、上流側水位制御ゲート10b が閉じる
ことによって水面が上り、魚は流量制御ゲート11を容易
に飛び越して遡上することができる。所定の水面の高さ
まで上昇すると、先ず、上流側水位制御ゲート10b が開
き、次いで、下流側水位制御ゲート10a が開き、魚の遡
上を助ける準備が整えられる。
【0036】このように、水路の各区間の水位を上昇さ
せて直上流側の水位との高低差を少なくするので、ゲー
トの一段当たりの高さは魚の生理的条件による制約を受
けない。したがって、魚道の長さを格段に短くすること
ができる。また、瀑布の位置が水路の上流側に向かって
その都度移動するようになっているので、魚を誘導し容
易に上流に送り込むことができる。また、魚道の長さを
格段に短くしたので、ピヤ6に孔を開けることで、魚道
の入り口をゲート7の直下流の瀑布付近に設けることが
できる。なお、魚道が格別に短くなるので、工費が節減
される。また、実施例では、水位制御ゲートを2基使用
したが、上下流の水位差が大きいところでは、これ以上
の組み合わせを行った魚道装置を使用することができ
る。
【0037】また、複数のピヤ6が並設されて魚の横断
方向の移動が阻まれていても、ピヤ6の通路孔50に、魚
道側からピヤ内の奥に向けて水を噴射するので、魚は河
川8の横断方向の水流によって、魚道の入り口の方向を
探知して、魚道の入り口に集まり遡上することができ
る。したがって、従来技術と異なり、瀑布の下流に留ま
って遡上できなくなる魚は少なくなる。
【0038】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したものであ
るので、2つの水位制御ゲートは水槽に、自動的に上流
側の水を出入りさせゲートの開閉を行うと共に、直上流
の水位を上昇させ、魚の遡上を容易にすることができ
る。また、流量制御ゲートは魚道の流水量の変化を少な
くすることができる。これらの水位制御ゲートおよび流
量制御ゲートを使用することで魚道の長さを著しく短く
することができ、経費を格段に節減することができる。
また、頭首工のピヤ内に孔を開け、魚道の下流側の入り
口および通路を瀑布の直下流の位置に設け、さらに呼び
水をするので、魚道の機能を格段に高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による魚道装置の側断面図である。
【図2】図1に示す魚道装置を設けた頭首工の平面図で
ある。
【図3】図1に示す流量制御ゲートのA−A矢視方向断
面図である。
【図4】図1に示す流量制御ゲートのB−B矢視方向断
面図である。
【図5】従来の魚道装置の側断面図である。
【符号の説明】
5 頭首工 6 ピヤ 8 河川 9 水路 10a 水位制御ゲート 10b 水位制御ゲート 11 流量制御ゲート 13 水平部 14 垂直部 15 扉体 16 軸 17 河床 19 ストッパ 20 水槽 21 通気口 22 排水口 23 注水サイホン 24 水槽 25 水平部 26 垂直部 27 扉体 28 軸 29 通気口 30 排水サイホン 32 注水槽 33 注水管 34 扉体 38 ビーム 40 フロート室 41 フロート 42 密閉部 43 通水管 46 越流堰 47 導水管 49 流出口 50 通路 51 噴水管

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方および水路の上流側に突き出した、
    水平部と垂直部とからなる断面L形状の扉体の曲部に軸
    を取付け、該軸を河床より上方位置に支持して前記扉体
    を回動自在に設けると共に、前記扉体の前傾時に水平部
    を河床に着床するようにし、前記扉体の回動を規制する
    ストッパを設け、該扉体の下流側面に水槽を取付け、該
    水槽の上面に通気口を開けると共に、前記垂直部の上端
    より低いクレストを形成し前記水槽内に上流側の水を注
    入する注水サイホンを設け、前記水槽の下面に排水口を
    開けたことを特徴とする魚道装置の水位制御ゲート。
  2. 【請求項2】 上方および水路の上流側に突き出した、
    水平部と垂直部とからなる断面L形状の扉体の曲部に軸
    を取付け、該軸を河床より上方位置に支持して前記扉体
    を回動自在に設けると共に、前記扉体の前傾時に水平部
    を河床に着床するようにし、前記扉体の回動を規制する
    ストッパを設け、該扉体の下流側面に水槽を取付け、該
    水槽の上面に通気口を開けると共に、水槽に上流側の水
    を注入する可撓性の注水管を接続し、前記通気口の位置
    より高いクレストを形成し一方の口を前記水槽内の下部
    に開口し他方の口を水槽の下方に開口した排水サイホン
    を設けたことを特徴とする魚道装置の水位制御ゲート。
  3. 【請求項3】 水路を横断する平板状の扉体を側壁に沿
    って上下方向に摺動自在に設け、該扉体にビームを介し
    て、フロート室に収納するフロートおよび扉体の上流側
    流水中に設けた円筒状の越流堰を連結し、該越流堰を可
    撓性の導水管を介して前記フロート室と連通し、前記フ
    ロート内の下部に密閉部を設けると共に、フロート内の
    上部を可撓性の通水管を介して前記扉体の下流側水路と
    連通し、前記フロート室に前記通水管の流路より小さな
    孔からなる流出口を介して前記扉体の下流側水路と連通
    したことを特徴とする魚道装置の流量制御ゲート。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の流量制御ゲートのビー
    ムに連結し、かつ、前記流量制御ゲートの扉体の直下流
    側に配置した筒状の注水槽に、請求項2に記載の水位制
    御ゲートの注水管を接続したことを特徴とする魚道装置
    の制御ゲート。
  5. 【請求項5】 頭首工に有する複数のピヤの下流側端部
    に、河川を横断する直線上の位置に沿って複数のピヤを
    貫通する通路孔を設け、前記複数のピヤに設けた通路孔
    のうちの1つに、該頭首工と併設した魚道装置の水路の
    下流側口を連通し、前記魚通装置を付設したピアに隣接
    するピアの通路孔の壁面に上流側の流水を噴射する噴水
    管を設けたことを特徴とする魚道装置の集魚装置。
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