JP2515080Y2

JP2515080Y2 - 車用エアバッグ安全装置

Info

Publication number: JP2515080Y2
Application number: JP1989129427U
Authority: JP
Inventors: 悦二郎今西
Original assignee: センサー・テクノロジー株式会社
Priority date: 1989-11-06
Filing date: 1989-11-06
Publication date: 1996-10-23
Anticipated expiration: 2004-11-06
Also published as: JPH0368156U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、自動車の衝突事故等による衝撃から自動車
の運転者および乗客の安全を確保するための車用エアバ
ッグ装置に係わり、特に、衝突センサの検知により点火
手段を作動させる電源としてのコンデンサや電池等を一
体的に備えたエアバッグモジュールを用いた車用エアバ
ッグ装置に関する。

〔従来の技術〕

従来この種の車用エアバッグ装置としては、膨張可能
なエアバッグと、エアバッグへの膨張ガスとなるガス発
生材料を有するガス発生器と、ガス発生器のガス発生材
料を点火する点火手段とから成るエアバッグユニットを
ステアリングホィール等の車体適所に設け、又衝突を検
知する衝突センサをエンジンルーム又は座席近傍の車体
適所に設け、衝突センサとエアバッグユニットを電気的
に接続する。又衝突センサの検知により点火手段を作動
させる電源としては自動車のバッテリーを使用するとい
う分離型のエアバッグ装置が実用化されている。しかし
ながらエアバッグユニットと、衝突センサと、電源とし
てのバッテリーの三つの構成部分から成り、その間を配
線で接続するものであるので、装着のための手間が必要
であり、各ユニット間の配線の切断等により信頼性につ
いて不安があった。そこで、これらのエアバッグユニッ
トの衝突センサとコンデンサや電池等の電源とそれらの
作動回路をセットにしてエアバッグモジュールとし、ス
テアリングホィールにこのエアバッグモジュールを締結
する完結型の車用エアバッグ装置が提案されている（例
えば特開昭53-78536号公報参照）。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の技術で説明した電源、衝突センサ及び作動回路
をも具備したエアバッグモジュールをステアリングホィ
ールに締結する車用エアバッグ装置は、比較的簡単な構
造にできるという利点がある反面、取付が簡単であるた
め、例えばステアリングホィールに装着（所定の位置に
ある状態）しただけで、締結（ボルト等による締め付け
状態）するのを忘れる恐れがあるという問題点があっ
た。ステアリングホィールへの締結のためのボルト等を
締め忘れると、衝突センサに充分加速度が伝達されず、
エアバッグ装置として作動せず、誤作動の要因となる。
更に装着時の衝撃でエアバッグモジュールが誤作動を起
こさないように、装着したことを検知して点火手段を開
放する誤作動防止装置を設ける必要がある。しかし、装
着検知手段がピン挿入のマニュアル作業による場合等に
誤作動防止装置の解除作業を忘れることがあり、そのま
ま使用していると衝突時に作動せず、誤作動の要因とな
るという問題点も有していた。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、電
源、衝突センサ及び作動回路をも完備したエアバッグモ
ジュールにおいて、装着時の誤作動防止装置の解除作業
が行われたかどうかや、締結し忘れがないかどうかを検
出できる検出手段を備えた車用エアバッグ安全装置を提
供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案における車用エア
バッグ安全装置は、膨張可能なエアバッグと、該エアバ
ッグに膨張ガスを供給するガス発生器と、該ガス発生器
を点火する点火手段と、衝突を検知して前記点火手段を
作動させる衝突センサと、電池やコンデンサ等の電源
と、前記点火手段と衝突センサと電源を直列接続する作
動回路とを一体的に備えたエアバッグモジュールを有す
る車用エアバッグ安全装置において、該エアバッグモジ
ュールの車体への取付部に、該取付状態を検知する複数
のスイッチ機構からなる取付検知手段と、該取付検知手
段によって回路が開閉される車載電源作動の警報回路と
を設け、前記取付検知手段の各スイッチは、少なくとも
前記作動回路の短絡回路及び警報回路に夫々介装されて
おり、前記エアバッグモジュールの車体への取付前は、
前記取付検知手段の各スイッチは閉の状態にあり、前記
エアバッグモジュールの車体への正規取付によって前記
取付検知手段の各スイッチが開となるように構成したも
のである。

更に、前記取付検出手段のスイッチ機構を前記作動回
路にも介装させ、前記エアバッグモジュールの車体への
取付前は、前記作動回路に介装された前記取付検知手段
のスイッチは開に、その他は閉の状態となし、前記エア
バッグモジュールの車体への正規取付によって前記各ス
イッチの開閉が夫々逆転するように構成したものであ
る。

〔作用〕

取付検知手段は、エアバッグモジュールのステアリン
グホィール等への締結（ボルト等による締め付け状態）
又は装着（所定の位置にある状態）のいずれか一方又は
双方を検知するスイッチ機構であり複数のスイッチから
なっている。この取付検知手段のスイッチが、作動回
路，点火手段の短絡回路及び車載電源作動の警報回路に
夫々介装されるようになっており、このスイッチの開閉
操作によって各回路の開閉を行い、エアバッグモジュー
ルの取付時の誤作動の防止と共に、取付不良を警告する
ようにしている。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例について図面を参照しつつ説明
する。

第１図は本考案のエアバッグ装置がステアリングホィ
ールに締結された状態を示す図、第２図は本考案のエア
バッグ安全装置の回路図である。

第１図において、エアバッグモジュール１は、ベース
２とカバー３の中に一体的に収納されている。ベースの
底周面2Aは、ステアリングホィール５の取付座に設けら
れた突出片5Aに挿入され、ボルト４で締結されている。
そしてボルト４の締結を検出するため、取付検知手段６
がエアバッグモジュール１内に設けられている（図示例
では２個）。このエアバッグモジュール１の取付箇所と
しては、ステアリングホィール５の他に助手席の前にあ
るインストルメントパネルや前部座席の背もたれの背面
板等がある。特に、第１図のステアリングホィール５の
場合には、ホーンスイッチ20が設けられているので、ス
リップリング21を介してステアリングホィール５内に配
線されているホーン用の回路を利用した警報回路が設け
られている。第２図において、１はエアバッグモジュー
ルの範囲を示し、５は同じくステアリングホィールの範
囲を示している。６は取付検知手段を示し、前記エアバ
ッグモジュール１と共に、これらがステアリングホィー
ル５の中に設けられている。警報回路22は、ホーン23→
スリップリング21→ホーンスイッチ20→スリップリング
21→車載電源24のホーン回路に、取付検知手段６のスイ
ッチ6Aがこの回路に介装されている（図示例では１個で
あるが、２以上の場合は並列となる）。このスイッチ6A
は通常は閉じているが、第１図示のボルト４の締め付け
によって開くようになっている。従って１本でもボルト
４の締め忘れがあるとスイッチ6Aが閉じたままであり、
車載電源24をON状態にすると、警報回路22に電気が流れ
てホーン23が鳴るようになっている。

次に第２図における15は、点火手段12と衝突センサ13
と電源としてのコンデンサー14とを直列接続する作動回
路である。この作動回路15にも取付検知手段６のスイッ
チ6Bが介装されている。このスイッチ6Bは通常は開いて
おり、エアバッグモジュール１の装着時における誤作動
を防止している。尚16は、エアバッグモジュール１単体
保管時に点火手段への接続を無効とする短絡回路であ
り、ここにも取付検知手段６のスイッチ6Cが介装されて
おり、通常はこの接点は閉じて短絡回路が生きた状態に
保たれている。

次に、エアバッグモジュール１の詳細を説明する。第
１図及び第２図において、エアバッグモジュール１は、
エアバッグ10と、ガス発生器11と、点火手段12と、衝突
センサ13と、車載電源24から電気を供給され蓄積する電
源としてのコンデンサ14と、点火手段12と衝突センサ13
と電池14とを直列接続する作動回路15を、ベース２とカ
バー３の中に一体的に収納したものである。第１図にお
いて、エアバッグ10は衝突時に風船のように膨らんで車
内対面部品と人間の間の緩衝材となるものであり、通常
は小さく折り畳んでケース３の中に収納されている。そ
して、エアバッグ10と発生器11の間は気密に取付けられ
ている。又ケース３には図示されない切り欠きや薄肉部
を設けて、エアバッグ10の膨張時には展開する（開く）
ようになっている。ガス発生器11は、昇温剤、ガス発生
剤やフィルターを収納している。点火手段12は、発熱線
を用いる電気***等が用いられ、昇温剤とペアーである
か又は埋設されている。衝突センサ13は、所定の減速状
態を検出し異常時には接点を閉じて、コンデンサ14の電
力を点火手段12に供給できるものであり種々のタイプの
ものが実用化されている。次に、上述した構造のエアバ
ッグ安全装置の作動を第１図と第２図に基づいて説明す
る。第１図において、エアバッグモジュール１をステア
リングホィール５の突出片5A内に挿入して装着させる。
次いで、ボルト４の所定本数（図示例では２本）を締め
付けると、取付検知手段６の全てのスイッチ6A〜6Cが作
動状態になる。即ち第２図示のスイッチ6A,6Cが開きス
イッチ6Bが閉じる。従って短絡回路16が無効となり、作
動回路15が有効となる。同時に、警報回路22におけるホ
ーン23への接続が絶たれる。しかしながら、一本でも締
め忘れると、第２図示のスイッチ6A,6Cが閉じ、スイッ
チ6Bが開いたままであるので、短絡回路16が有効とな
り、作動回路15が無効となる。同時に警報回路22におけ
るホーン23への接続がなされたままとなるので、車載電
源24をONにすると、ホーン23が作動し、締め忘れに気が
付く。

尚、以上の実施例の説明は、取付検知手段６がボルト
４の締結忘れ検出と、装着時の誤作動防止装置（短絡回
路16の閉と作動回路15の開）を解除するためのエアバッ
グモジュール１の正規取付の検出とを兼用するものであ
る。しかしながら第１図の引き出し線で示されるよう
に、ピン31の挿入により、単にエアバッグモジュール１
の正規装着を検出する取付検出手段30であって、この検
出手段30でスイッチ32を介して誤作動防止装置（短絡回
路16,作動回路15の開閉）を解除する場合にも、このピ
ン31を挿入し忘れた時に、ホーン回路を利用した警報回
路が作動し、誤作動防止装置の解除忘れを防止すること
ができる。

〔考案の効果〕

本考案における車用エアバッグ安全装置は、ステアリ
ングホィール等へのエアバッグモジュールの取付状態を
検知する複数のスイッチ機構からなる取付検知手段を設
け、取付時にこの検知手段のスイッチ機構によって作動
回路の開閉又は点火手段の短絡回路の開閉及び取付異常
を警告する車載電源作動の警報回路の開閉を行うように
したものであるので、ステアリングホィール等へのエア
バッグモジュールの取付に異常（ボルト等による締め付
け忘れ，装着位置異常等）があると、前記スイッチ機構
が作動せず、これによって警報装置が作動して取付異常
を警告し、取付不良とこれに基づく事故が未然に防止さ
れ、更に取付時の安全上の観点から不爆状態にしている
作動回路の誤爆防止装置が解除されずに出荷される事態
も未然に防止される。加えてこれらの対策を、簡単なス
イッチ機構によって達成されるので、回路や構造も簡単
にすることができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は車用エアバッグ安全装置がステアリングホィー
ルに締結された状態を示す図、第２図は車用エアバッグ
安全装置の回路図である。１……エアバッグモジュール４……ボルト（締結部材）５……ステアリングホィール６……取付検知手段 6A,6B,6C……取付検知手段のスイッチ 10……エアバッグ、11……ガス発生器 12……点火手段、13……衝突センサ、14……コンデンサ
（電源） 15……作動回路、22……警報回路、24……車載電源、30
……検出手段、31……ピン（装着部材） 32……スイッチ（検出手段）

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】膨張可能なエアバッグ（10）と、該エアバ
ッグ（10）に膨張ガスを供給するガス発生器（11）と、
該ガス発生器（11）を点火する点火手段（12）と、衝突
を検知して前記点火手段（12）を作動させる衝突センサ
（13）と、電池やコンデンサ等の電源（14）と、前記点
火手段（12）と衝突センサ（13）と電源（14）を直列接
続する作動回路（15）とを一体的に備えたエアバッグモ
ジュール（１）を有する車用エアバッグ安全装置におい
て、該エアバッグモジュール（１）の車体への取付部に、該
取付状態を検知する複数のスイッチ機構からなる取付検
知手段（６）と、該取付検知手段（６）によって回路が
開閉される車載電源作動の警報回路（22）とを設け、前
記取付検知手段の各スイッチ（6A,6C）は少なくとも前
記作動回路（15）の短絡回路（16）及び警報回路（22）
に夫々介装されており、前記エアバッグモジュール
（１）の車体への取付前は、前記取付検知手段（６）の
各スイッチ（6A,6C）は閉の状態にあり、前記エアバッ
グモジュール（１）の車体への正規取付によって前記取
付検知手段の各スイッチ（6A,6C）が開となるように構
成されていることを特徴とする車用エアバッグ安全装
置。
【請求項２】膨張可能なエアバッグ（10）と、該エアバ
ッグ（10）に膨張ガスを供給するガイド発生器（11）
と、該ガス発生器（11）を点火する点火手段（12）と、
衝突を検知して前記点火手段（12）を作動させる衝突セ
ンサ（13）と、電池やコンデンサ等の電源（14）と、前
記点火手段（12）と衝突センサ（13）と電源（14）を直
列接続する作動回路（15）とを一体的に備えたエアバッ
グモジュール（１）を有する車用エアバッグ安全装置に
おいて、該エアバッグモジュール（１）の車体への取付部に、該
取付状態を検知する複数のスイッチ機構からなる取付検
知手段（６）と、該取付検知手段（６）によって回路が
開閉される車載電源作動の警報回路（22）とを設け、前
記取付検知手段の各スイッチ（6A,6B,6C）は前記作動回
路（15）及びその短絡回路（16）並びに前記警報回路
（22）に夫々介装されており、前記エアバッグモジュー
ル（１）の車体への取付前は、前記作動回路（15）に介
装された前記取付検知手段（６）のスイッチ（6B）は開
に、前記短絡回路（16）及び警報回路（22）に夫々介装
された前記取付検知手段（６）のスイッチ（6A,6C）は
閉の状態にあり、前記エアバッグモジュール（１）の車
体への正規取付によって前記取付検知手段の各スイッチ
（6A〜6C）の開閉が夫々逆転するように構成されている
ことを特徴とする車用エアバッグ安全装置。