JP2504012Y2 - 光リンク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、電気・光変換素子または光・電気変換素子
と光ファイバケーブルの端面とを対向させて光信号のや
りとりを行わせるように両者を接続する光リンクに関す
る。

従来技術 最近、例えば自動車の電装品における電気回路をハイ
ブリッドIC化し、そのIC化されたカード基板（これをIC
カードという）を所定の差込口に差し込むことによっ
て、ICカードに面実装された回路と外部機器との間で、
電気信号と光信号との相互的な変換を行なう光リンクを
介した光電的な接続を行なわせるようにしたICカードコ
ネクタが開発されている（実願昭63−42152号参照）。

また、第６図に示すように、２つの機器A,B間で信号
の授受を双方向に行なわせるようにするには、機器Ａか
ら発信される電気信号を電気・光変換素子からなる光リ
ンクPL1によって光信号に変換したうえで光ファイバケ
ーブルPF1を通して光・電気変換素子からなる光リンクP
L2に与えて、その光リンクPL2から出力される電気信号
を機器Ｂに伝達し、また機器Ｂから発信される電気信号
を電気・光変換素子からなる光リンクPL3によって光信
号に変換したうえで光ファイバケーブルPF2を通して光
・電気変換素子からなる光リンクPL4に与えて、その光
リンクPL4から出力される電気信号を機器Ａに伝達する
ようにしている。

しかして、その場合、信号の伝送方向が相反する２つ
の光リンクPL1とPL4およびPL2とPL3をそれぞれペアリン
グさせて、それらを機器A,B間に設けている。

従来、このように２つの光リンクをペアリングさせる
場合、単に２つの光リンクを並べて設けるだけで、構造
的な一体性が何らなく、特にペアリングされた各光リン
ク部分からのリード端子の引出し方に一貫性がないもの
となっている。

そして、ペアリングされた各光リンクをICカードコネ
クタに装着する場合、コネクタ側の端子構造にあっても
同様に一貫性がないものになっている。

目的 本考案は以上の点を考慮してなされたもので、電気・
光変換素子からなる光リンク部分と光・電気変換素子か
らなる光リンク部分とをペアリングさせる場合、それら
各光リンク部分を一体性をもって組み合せて、特に各光
リンク部分からのリード端子の引出しを一貫性をもって
行わせるようにした光リンクを提供するものである。

構成 以下、添付図面を参照して本考案の一実施例について
詳述する。

第１図および第２図に示すように、本考案による光リ
ンク８としては、チップ化された電気・光変換素子10ま
たは光・電気変換素子11の実装部分を、その素子のリー
ドフレーム（リード端子）９が外部に引き出されるよう
に、光透過性の樹脂によってモールド成形したインナー
モールド成形部12と、そのインナーモールド成形部12と
一体になるように設けられ、かつ光ファイバケーブル16
の端部が差し込まれる挿入孔15が形成されたケーブル差
込用のアウターモールド成形部14とによって構成されて
いる。

第２図は、光リンク８として、光信号の授受を双方向
で行なわせることができるように電気・光変換素子10と
光・電気変換素子11とを並設してペアリングさせたもの
を２組設けた場合を示している。

ケーブル差込用のアウターモールド成形部14として
は、ここでは光しゃ断性の黒色などの樹脂によって、各
インナーモールド成形部12を一体化するように、各イン
ナーモールド成形部12の外側に重ねてモールド成形され
ており、電気・光変換素子10および光・電気変換素子11
と各光ファイバケーブル16の端面との間でやりとりされ
る光信号に外部光によるノイズが混入することがないよ
うにしている。

ケーブル差込用のアウターモールド成形部14に差し込
まれた光ファイバケーブル16は、例えば接着などの手段
によってアウターモールド成形部14側に固定される。

またここでは、リードフレーム９（91,92,93）の引出
し数を減らして構造の簡素化を図るために、並設された
電気・光変換素子10と光・電気変換素子11との各バイア
ス電源印加用のリードフレーム91が共通のリードフレー
ム構成となるようにしている。

図中、92は接地用のリードフレームを、93は光・電気
変換素子11の出力用のリードフレームをそれぞれ示して
いる。

したがって、各電気・光変換素子10からは一対となる
２本のリードフレーム91,92がそれぞれ引き出され、ま
た各光・電気変換素子11からは一対となる２本のリード
フレーム92,93がそれぞれ引き出されることになる。

その際、特に本考案にあっては、第１図および第２図
に示すように、各電気・光変換素子10における一対のリ
ードフレーム91,92および各光・電気変換素子11におけ
る一対のリードフレーム92,93をアウターモールド成形
部14の両側にそれぞれふり分けて引き出すようにしたこ
とを特徴としている。

そして、第１図に示すように、そのアウターモールド
成形部14の両側にそれぞれふり分けて引き出された各リ
ードフレーム９が前方に折曲されて、その折曲された各
リードフレーム９の先端部分ににコネクタ用端子３がそ
れぞれ平行に取り付けられる。

なお、インナーモールド成形部12には、アウターモー
ルド部14に差し込まれた光ファイバケーブル16の端面と
それに対向する電気・光変換素子10または光・電気変換
素子11との間における軸方向のずれ、または径方向のず
れによる光信号の減衰を抑制するためのコリメートレン
ズ状のレンズ部13が一体成形されている。

電気・光変換素子10としては、例えばLEDが用いられ
る。また光・電気変換素子11としては、例えば、ホトダ
イオードと受光増幅器，波形整形回路とが一体化された
ワンチップICまたはホトトランジスタからなるICチッ
プ、ホトトランジスタと通常のトランジスタとがダーリ
ントン接続されたICチップなどが用いられる。

第３図に、第２図に示す光リンク８を装着させるICカ
ードコネクタ17を示している。

このICカードコネクタ17は、光リンク８の装着部と、
導線18の先端に取り付けた同一構成のコネクタ用端子３
を直接差し込む電気接続部とからなっている。

図中、171は光リンク８部分が収納されるホルダ部を
示している。

なお、光リンク８の外側には、第４図に示すように、
ICカードコネクタ17のホルダ部171内にクランプさせる
ための樹脂製のハウジング19（191,192）が取り付けら
れている。

ICカードコネクタ17としては、第５図に示すように、
ICカード１がその差込口２から内部に差し込まれたとき
に、ICカード差込口２の内部に上，下方向から対向する
ように設けられた一対のコネクタ用端子３における各バ
ネ性をもった接触子４がICカード１に面実装された回路
の端子部分と電気的に接触するとともに、それによりIC
カード１がコネクタ用端子３間に挟持されてコネクタ側
に装着されるようになっている。

差込口２の内側には、その差込口２から内部に差し込
まれるICカード１をその差込方向に平行に案内するガイ
ド５が設けられている。

また、各接触子４としては、ほぼＵ字形に形成された
折曲部41をそれぞれ有し、その折曲部41においてコネク
タのハウジング６側の所定位置に拘束されて設置されて
おり、その接触子４の折曲された一辺42がハウジング６
側に当接し、他辺における山形が形成された部分43が差
込口２の内部に突出してICカード１と当接するようにな
っている。

各接触子４のハウジング６側に当接する一辺42の先端
部分がハウジング６側に形成された係止部７内に差し込
まれて、コネクタ用端子３の抜けが防止されるようにな
っている。

コネクタ用端子３は、光リンク８のリードフレーム９
の先端に差し込まれて、かしめ（またはハンダ付け、ス
ポット溶接など）によって取り付けられている。図中、
32はかしめによるクランプ部を示している。

そして、コネクタ用端子３の後端にストッパ部31が一
体に形成されて、そのコネクタ用端子３を光リンク８の
リードフレーム９の先端に差し込んで取り付ける際に、
そのストッパ部31が光リンク８の外壁に当接して、リー
ドフレーム９の先端に取り付けられるコネクタ用端子３
の先端の位置決めが行われるようになっている。

しかして、コネクタ用端子３の後端にストッパ部31を
設けるという簡単な手段を講ずるだけで、光リンク８の
リードフレーム９の先端に取り付けられるコネクタ用端
子３の先端の位置決めを精度良く行わせることができる
ようになる。

このことは、光リンク８部分に複数の電気・光変換素
子または光・電気変換素子が並設されて、その光リンク
８から並列して複数引き出された各リードフレーム９の
先端にそれぞれコネクタ用端子３を取り付ける場合に、
その取り付けられた各コネクタ用端子３の先端を一直線
上に揃えるうえで有利となる。

効果 以上、本考案による光リンクにあっては、電気・光変
換素子および光・並設された電気変換素子とそれら各素
子に端面がそれぞれ対向するように並設される各光ファ
イバケーブルの端部とを樹脂により一体にモールド成形
するとともに、各素子におけるバイアス電源印加用のリ
ード端子が共通になるように一体に形成し、各素子それ
ぞれ一対のリード端子をモールド成形部の両側にそれぞ
れふり分けて引き出すようにしたもので、電気・光変換
素子からなる光リンク部分と光・電気変換素子からなる
光リンク部分とをペアリングさせる場合、それら各光リ
ンク部分を一体性をもって組み合せて、特に各光リンク
部分からのリード端子の引出しを一貫性をもって最適に
行わせることができ、その光リンクが装着されるICカー
ドコネクタにおけるコネタク端子を整然と配設してコネ
クタ側の構造を簡素化することができるという利点を有
している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による光リンクを示す側面
図、第２図はその光リンクの正断面図、第３図はICカー
ドコネクタおよびそれに装着される光リンクを示す斜視
図、第４図は光リンクの外側に装着されるハウジングを
示す分解斜視図、第５図はICカードコネクタの一構成例
を示す側断面図、第６図は２つの機器間で光信号の授受
を双方向に行わせるようにしたときの光リンクの構成を
示す図である。 １……ICカード、３……コネクタ用端子、31……ストッ
パ部、８……光リンク、９（91,92,93）……リードフレ
ーム（リード端子）、10……電気・光変換素子、11……
光・電気変換素子、12……インナーモールド成形部、14
……アウターモールド成形部、16……光ファイバケーブ
ル、17……ICカードコネクタ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】電気・光変換素子および光・電気変換素子
   と各光ファイバケーブルの端面とをそれぞれ対向させて
   光信号の授受を双方向に行わせるようにした光リンクで
   あって、並設された電気・光変換素子および光・電気変
   換素子とそれら各素子に端面がそれぞれ対向するように
   並設される各光ファイバケーブルの端部とを樹脂により
   一体にモールド成形するとともに、各素子におけるバイ
   アス電源印加用のリード端子が共通になるように一体に
   形成して、各素子からそれぞれ一対のリード端子をモー
   ルド成形部の両側にそれぞれふり分けて引き出すように
   したことを特徴とする光リンク。