JP2023077731A - 車両用表示制御システム、車両用表示制御方法、及び車両用表示制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用の表示器を用いた表現性を向上できるようにした車両用表示制御システム、車両用表示制御方法、及び車両用表示制御プログラムを提供する。【解決手段】虚像形成部6は、虚像形成用のディスプレイ2bにコンテンツを表示させることでハーフミラー7の反射面にコンテンツを反射させて虚像結像位置に虚像を形成して乗員に視認させる。実体物9は、乗員の側から見てハーフミラー7の反射面の奥側に設置されハーフミラー7を透過して乗員に視認可能にしている。【選択図】図2
Description
本発明は、車両用表示制御システム、車両用表示制御方法、及び車両用表示処理プログラムに関する。
近年、車両情報やエンタテインメント(以下、エンタメと略す)系の情報など、車載の表示器に表示させるためのコンテンツの増加に伴い、インストルメントパネルの同一筐体内に複数のディスプレイを併設することで広い表示エリアを提供する技術が提案されている。表示器の表示面を車両の乗員に対向するように設置することで、乗員が表示器を直接確認可能にする実像方式が一般に用いられている。
しかしながら、車内では日射光などの外光の影響を受けやすい環境であることから、出願人は、表示器の表示面を反射鏡により反射させた虚像を乗員に視認させる方式を提案している(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の技術によれば、表示器と反射鏡の設置関係を適切に調整することで、外光を遮断しながら表示器の映像を乗員に視認させることができ、高い視認性を確保できる。また、乗員に虚像を視認させることにより、遠方視点における焦点調節負荷を下げることが可能になり、実像方式で表示器を搭載不可能な位置であっても設置できるという利点がある。
しかしながら、単に反射鏡に映像を反射させて乗員に視認させるだけでは表現性に劣ってしまう。
本開示は、車両用の表示器を用いた表現性を向上できるようにした車両用表示制御システム、車両用表示制御方法、及び、車両用表示制御プログラムを提供することにある。
請求項1記載の発明は、車両用のコンテンツを表示制御して車両の乗員に視認させる車両用表示制御システムを対象としている。表示器は、虚像形成用の表示部にコンテンツを表示させることでハーフミラーの反射面にコンテンツを反射させて虚像結像位置に虚像を形成して乗員に視認させる。実体物は、ハーフミラーの反射面の奥に設置されハーフミラーを透過して乗員に視認可能にしている。請求項1記載の発明によれば、表示器によるコンテンツの表示内容をハーフミラーで反射して視認させることができると共に、ハーフミラーを透過して実体物を乗員に視認させることができるようになり表現性を向上できる。
以下、車両用表示制御システム1に係る一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に例示した車両用表示制御システム1は、車両に搭載されており、表示器2及び後述する電子制御装置21(図4参照)により構成されている。電子制御装置21は、ECU、Electronic Control Unitとも称される。図1に例示したように、表示器2は、車室内に表示面を下方に露出させた状態でインストルメントパネル3に設置される。以下では、インストルメントパネル3をインパネ3と略す。インパネ3は、車両の運転席や助手席からなる前部座席の前方に設けられている。運転者Dとインパネ3との間にはステアリングホイール4が設けられており、インパネ3の上方にはフロントウィンドシールド5が設置されている。
複数のディスプレイ2a~2eは、輝度及び視野角を制御可能な表示エリアにコンテンツを表示させることで車両の乗員、例えば前部座席に座した運転者D及び助手席乗員Pに虚像Kを視認させる虚像形成用の表示部である。ディスプレイ2a~2eは、それぞれ前面表示面を備えた有機ELディスプレイにより構成される。ディスプレイ2a~2eは、その前面表示面が下前方に向けて設置されている。
ディスプレイ2a~2eは、それぞれメータ画像、周辺カメラ41の撮像画像、静止画や動画のエンタメ画像、現在位置周辺の地図画像、電子ミラーの撮像画像などの各種の画像コンテンツを表示可能な構成となっている。有機ELディスプレイは、有機発光ダイオードを用いて構成されている。有機発光ダイオードはOLEDと称される。OLEDはOrganic Light-Emitting Diodeの略称である。
本実施形態のディスプレイ2a~2eは、その表示面が乗員の視線に対して概ね平行又は乗員の手前側が下になるように設置されている。このため、運転者D又は助手席乗員Pはディスプレイ2a~2eの表示面を直接視認しない。またディスプレイ2a~2eの背面、物理的に言い換えるとディスプレイ2a~2eの上面に位置してフード3aが装着されている。フード3aは、フロントウィンドシールド5を通して車内に入射する日射光をディスプレイ2a~2eに直接当たらないように遮光している。
図2に図1のA-A線に沿う縦断面を示しており、運転席前方のディスプレイ2b及びその周辺状態を示している。ディスプレイ2a~2eの表示面の前方、物理的に言い換えるとディスプレイ2a~2eの下方に位置してハーフミラー7が設置されている。ハーフミラー7は、ディスプレイ2a~2eの表示面から自発光された画像を反射する反射物、反射部材である。ハーフミラー7は、その最上端をヒンジ7aに固着している。ヒンジ7aはインパネ3の一部に固定されている。これによりハーフミラー7は、インパネ3に設置された筐体10の上部の一部に片持ち支持されている。筐体10は、例えば乳白色などの比較的明るい色に着色されたボードにより構成されている。
ハーフミラー7は、フード3aの奥端から後下斜方に向けて突出するように設置されている。これにより、ディスプレイ2a~2eの表示面とハーフミラー7の反射面とは所定の角度で傾斜するように設置関係を保っている。
ハーフミラー7は、その反射面が斜後上方に向けて設置されており、インパネ3の後方に設置された前部座席、すなわち運転席、助手席に向けて画像を反射させることが可能となっている。また、インパネ3やハーフミラー7の反射面のデザイン性を向上し、又は、中央より左右何れかの脇に寄った運転席からの視認性を良好にするため、ハーフミラー7の反射面は単純な平面に限らず、凸面、凹面、又は凹凸面状に構成しても良い。ハーフミラー7は、ディスプレイ2a~2eの表示面に表示された画像を鏡面反射しながら、乗員の視線に合わせて虚像Kを映し出す虚像形成部6として構成される。虚像形成部6は、ディスプレイ2a~2eにコンテンツを表示させることでハーフミラー7の反射面にコンテンツを反射させて乗員前の虚像結像位置に虚像Kを形成する。これにより、乗員に虚像Kを視認させることができる。
ハーフミラー7は、フード3a及びディスプレイ2a~2eの下部に設置されているため、フロントウィンドシールド5から入る入射光は、フード3aに遮られハーフミラー7に反射する虞もなくなる。
運転者D又は助手席乗員Pは、ハーフミラー7の反射面を視認することでディスプレイ2a~2eの表示面に映し出された画像を虚像Kとして間接的に確認できる。このとき、車両乗員は、虚像Kがあたかもハーフミラー7の反射面より奥側、すなわち車両の前方側の虚像結像位置にあるかのように見える。前述したようにフード3aが設けられているため、ハーフミラー7の反射面に光が当たりにくくなり、車両の乗員は、ハーフミラー7を通して虚像Kを視認しやすい。
運転者D又は助手席乗員Pの側から見てハーフミラー7の奥側には実体物8、9が筐体10に設置されている。実体物8、9は、ハーフミラー7を透過して乗員に視認させるための実体の物である。実体物8、9は、ほぼ同一構造であるため、実体物9の構造を説明して実体物9の構造説明を省略する。筐体10は、例えば断面逆C字型、又はコの字型に構成されている。図2に示すように、実体物9は支持台9aにより筐体10の内面奥壁に固定されている。支持台9aには車載メータ表示用盤面9bが搭載されている。以下、車載メータ表示用盤面9bを盤面9bと略す。盤面9bは円筒状に構成されており、支持台9aの後中央部から座席側の後方に突出して設置されている。盤面9bは、車載メータ表示盤の基盤面を模した構造となっている。
図2に示すように、盤面9bは、その表面が虚像形成部6の虚像Kの結像位置、虚像形成領域と盤面9bの造形の表面位置とが揃うように設置されている。また図3に実体物8、9の正面図を模式的に示しているが、盤面8b、9bはその円周上の周縁に比較的明色(例えば、白色)に塗色されたリング形状体8c、9cが設けられている。リング形状体8c、9cは、リング状に形成された意匠物である。図2には簡略化して示しているが、リング形状体8c、9cの内側の中央付近は、比較的暗色(例えば、グレー、黒)に塗色されている。
盤面8b、9bの表面には装飾が施されていても良いし、実際に文字が印字、印刷、造形されていても良い。リング形状体8c、9cは、比較的明色に塗色されており後述する反射照明12、空間照明13の光を反射可能にした意匠物である。またリング形状体8c、9cには、蛍光塗料が塗色されていたり、蓄光する部材により構成されていても良い。
図3に示すように、実体物8、9の盤面8b、9bのそれぞれの中央部には、乗員状態モニタ31が組み込まれている。乗員状態モニタ31は、赤外線照明31a及び乗員カメラ31bで構成される。赤外線照明31aは、実体物8の円盤状の盤面8bの中央凹部に設置されており、乗員カメラ31bは、実体物9の円盤状の盤面9bの中央凹部に設置されている。
赤外線照明31aは、ハーフミラー7を透過して前座席の乗員側に向けて赤外線を出射することで乗員カメラ31bの光源とする。また乗員カメラ31bは、赤外線照明31aの照射時に前座席に乗車する運転者Dの顔面や視線の方向を検出するために設けられる。これにより、乗員カメラ31bを用いて車両に乗車した運転者Dの状態を検出できる。なお、ここでは、運転者Dの前方に位置したハーフミラー7の奥側に赤外線照明31a及び乗員カメラ31bを設置した形態を示しているため、運転者Dの状態を検出できる。
盤面8b、9bは、アナログ車載メータ表示盤を模した表示面とされている。一般的なアナログ車載メータ表示盤は、その指針センタボスにメータ針の一端が設置されており、盤面8b、9bの中央の指針センタボスを中心として、それぞれ車両速度、エンジン回転数の増減に伴ってメータ針の他端が盤面8b、9bの周縁に沿って回動する。
このため、盤面8b、9bの中央部は、メータ関連情報を表示する可能性が少ないデッドスペースとなる。このデッドスペースに対応した中央凹部に位置して赤外線照明31a及び乗員カメラ31bを埋設しており、設置スペースを有効活用できる。
この盤面8b、9bによれば、当該盤面8b、9bの造形内に、それぞれ光源である赤外線照明31aと乗員カメラ31bとを加えて意匠の一部とすることで、デバイスの存在感を消すことができる。しかも、赤外線照明31a及び乗員カメラ31bを、運転者Dなどの乗員の目の前に対向して設置できるため、運転者Dの顔の動きや視線などを精度良く検出できる。
ハーフミラー7の奥側には、反射照明12及び空間照明13を含む照明14が設置されている。反射照明12は、筐体10の内側底面上に設置されており、乗員から直接視認不能な場所、例えばハーフミラー7の下方に設置されている。反射照明12は、白色又はRGBにより色を変更可能なLED照明により構成されている。
またハーフミラー7には、その奥側下部に接触して全反射ミラー11が貼付されている。全反射ミラー11は、反射照明12が照射した光を反射するように、物理的には前下斜方を向くように設置されており、反射照明12が光を照射すると全反射ミラー11が光を反射することで実体物9に対し、その下側から光を照らすことができ、これにより間接照明効果を醸し出すことができる。
空間照明13は、筐体10の内側上面に設置されており、内側上面から下方に向けて光を照射可能になっている。空間照明13は、実体物9の意匠上部から光を照射可能になっている。空間照明13もまた、白色又はRGBにより色を変更可能なLED照明により構成されている。
すなわち、反射照明12は、全反射ミラー11に反射させて実体物9の下方から光を照射可能になっているのに対し、空間照明13は、直接的に実体物9の上方から光を照射可能になっている。これにより、照明14は実体物9の意匠全体に光を照射可能になっている。
照明14は、反射照明12及び空間照明13を含み、それぞれ後述する照明制御部28からオンオフ制御、照射光の色及び輝度などを変更可能に構成されており、様々な光により実体物9を照射した光演出を可能としている。ここでは、実体物9に対して光を照らす反射照明12及び空間照明13の設置環境を説明したが、実体物8に対し光を照らす反射照明12、空間照明13も同様の設置環境となっている。このため、実体物8に対して光を照らす照明14の設置環境の説明を省略する。
図4に示すように、筐体10の上端にヒンジ7aが設置されており、ハーフミラー7は、ヒンジ7aの連結部を支点としてハーフミラー7の手前側を上下方向に回動可能になっている。ハーフミラー7が回動操作されることで、ハーフミラー7の奥側に設置された実体物8、9を取出/設置可能になっている。このため、ディーラなどのメンテナンス事業者が、実体物8、9について清掃などのメンテナンス可能、又は、取換可能に構成されている。
ここでは、ハーフミラー7のヒンジ7aを筐体10の上部に設けてハーフミラー7の手前側を上下方向に回動可能にした形態を説明したが、これに限られるものではない。ハーフミラー7を支持するヒンジ7aを手前下部に設けると共に、ハーフミラー7の奥側を上下方向に回動可能に構成しても良い。
次に、電子制御装置21及びその周辺の車両用システムの電気的構成について図5、図6を参照しながら説明する。図5に示すように、車両内には、多数の電子制御装置21、21zが構成されており、互いに車内ネットワークNを用いて通信接続して車両内の各種制御を実行する。電子制御装置21、21zは、表示系のECU、周辺監視系のECU、走行制御系のECU、車両の外部ネットワークと通信するための外部通信系ECU、などに分類することができ、そのうち、本形態の電子制御装置21は表示系のECUに属しHCUとも称される。HCUは、Human Machine Interface Control Unitの略であり情報提示制御装置を示す。
走行制御系のECUは、手動運転時において走行制御信号を入力すると運転アクチュエータを駆動することで所定の走行制御を実施する。また、走行制御系のECUが、自動運転を実施する場合には、運転アクチュエータを駆動することで対応した所定レベルの運転支援、自動運転を実行する。
例えば、レベルIの運転支援では、障害物への衝突を避ける自動ブレーキ、先行車に追従して走行する追従走行、又は、両脇の車線からはみ出さないように制御するレーンはみ出し防止走行、を実行できる。レベルIIの自動運転では、レベルIの運転支援の組み合わせ、又は、特定条件下での自動運転、例えば高速道路で遅い車両が存在すれば自動で追い越したり、高速道路の分合流を自動で行ったりする自動運転モードを実行できる。なお、レベルIIの自動運転ではドライバによる自動運転時の監視義務がある。レベルIII以上の自動運転では、システムにより監視しながらシステムが全ての運転タスクを実行する。
周辺監視系のECUは、車両の周辺を監視するユニットである。外部通信系ECUは、外部の基地局や電話通信網を通じて電話通信したり、有線通信網や無線通信網、インターネットなどを通じてデータ通信したりすることができる。
各電子制御装置21、21zは、プロセッサ、キャッシュメモリ、RAM、ROMなどの各種の記憶部23、これらを接続するバスを備えたマイクロコンピュータを主体として構成される。
本実施形態では、図6に示すように、複数の電子制御装置21a~21cを車内ネットワークN又は専用線で接続して電子制御装置21を構成する形態を示す。複数の電子制御装置21a~21cは、その内部の物理リソースの処理能力を分担して複数のディスプレイ2a~2eに表示制御する。前述した記憶部23は、コンピュータによって読み取り可能なプログラム及びデータを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体を示す。非遷移的実体的記憶媒体は、半導体メモリなどにより実現される。物理リソースによる処理能力を確保できれば、電子制御装置(例えば21a)を一つだけ設けて表示制御処理を実行するようにしても良い。
図5に示すように、電子制御装置21は、制御装置22、記憶部23、演算装置24、表示処理部25、各種の外部装置、センサからの入力又は出力を管理するI/O制御部26、他の電子制御装置21zとの間の通信を制御する通信制御部27、照明制御部28、無線通信部34、及び音声処理部35を備える。また図5に図示したように、ロケータ29、操作パネル30、乗員状態モニタ31、周辺カメラ32、及び車速センサ33などの装置の主要な構成要素の出力信号は、I/O制御部26を通じて電子制御装置21に信号入力している。これらの構成要素29~33の出力信号をI/O制御部26を通じて電子制御装置21に入力する形態を説明するが、車内ネットワークNを通じて走行制御系のECU、周辺監視系のECUなどの他の電子制御装置21zとの間で通信することで入力するように構成しても良い。
演算装置24は、制御装置22の制御に基づいて、記憶部23に記憶された画像や文字のコンテンツについて、複数のディスプレイ2a~2eの表示画面に表示させる表示領域を演算し、画像や文字のコンテンツをディスプレイ2a~2eの表示画面の何れの領域に表示させるか、また、何れの領域に重ね合わせて表示させるか演算し、画像や文字のコンテンツと共に表示領域を制御装置22に出力する。
表示処理部25は、制御装置22の制御に基づいて、複数のディスプレイ2a~2eの表示画面の中に画像や文字のコンテンツを表示処理する。これにより、ディスプレイ2a~2eの表示画面には、表示レイヤ毎に文字や画像のコンテンツを重ね合わせて表示できる。
無線通信部34は、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信、又は、無線LANなどの通信制御ブロックであり、乗員に所持される携帯端末Aとの間でデータ通信可能にする。これにより、電子制御装置21の制御装置22は、携帯端末Aに登録された電話番号や連絡先などの情報を入力できる。また音声処理部35は、車両内に設置されたスピーカ36、マイク37と接続されており、マイク37から入力される乗員の音声を入力処理したり、後述のナビゲーション案内や警告音声など必要な情報を、スピーカ36から車室内に報知することができる。
また、音声処理部35は、マイク37から入力される音声について音声認識技術を用いて音声認識でき、例えばナビゲーション機能より経路を案内するときに応答音声を報知することもできる。
さらに電子制御装置21は、外部通信系ECUと通信することで前述した外部の各種網に接続することで電話通信又はデータ通信できる。電子制御装置21は、携帯端末Aから入力した電話番号や連絡先などの情報に基づいて、音声処理部35によりスピーカ36及びマイク37を通じてハンズフリー通話可能になっている。
ロケータ29は、図示しない周知のGPSなどのGNSS受信機、及び、加速度センサやジャイロセンサなどの慣性センサを用いて高精度に位置を検出する。ロケータ29は、位置検出信号をI/O制御部26を通じて制御装置22に出力する。制御装置22は、地図データ入力器から入力される地図情報とロケータ29の位置検出信号に基づいて車両の現在位置を高精度に逐次測位するADASロケータとしての機能を実現する。ADASは、Advanced Driver Assistance Systemsの略である。
制御装置22は、車両の現在位置に基づいて、いわゆるナビゲーション処理を行うことができる。また車速センサ33は車両の速度を検出し車速情報をI/O制御部26を通じて制御装置22に出力する。制御装置22は、入力した車速情報に基づいて車両の速度を特定できる。操作パネル30は、タッチパネル又は機械的スイッチなどで構成され、I/O制御部26は、乗員による操作入力があると操作入力を受け付け、制御装置22に出力する。
制御装置22は、操作パネル30の操作信号に基づいた制御を実行する。ここでは図示していないが、乗員モニタとして自動制御スイッチが接続されており、自動制御スイッチの操作に応じて手動運転、運転支援、自動運転の指示を受け付ける。制御装置22は、この自動制御スイッチの操作状態に合わせて、表示器2の表示制御を変更したり、走行制御系のECUに指令を出力することにより、手動運転、所定レベルの運転支援、又は所定レベルの自動運転を実現する。
乗員状態モニタ31は、車両内に搭乗した車両乗員の状態を検出する。乗員状態モニタ31は、赤外線照明31a及び乗員カメラ31bを含む。赤外線照明31aは、前座席に向けて赤外線を出射することで乗員カメラ31bの光源とする。また乗員カメラ31bは、前座席に乗車する運転者D又は助手席乗員Pの状態を画像センサにより撮影することで、運転者D又は助手席乗員Pの状態を検出して撮像信号を取得し、制御装置22及び記憶部23に出力する。
乗員状態モニタ31は、通常の手動運転中、運転支援中又は自動運転中にドライバなどの乗員の状態を検知するために使用される。特に運転席に座した運転者Dの乗員状態モニタ31はDSMと称されている。DSMは、Driver Status Monitorの略である。制御装置22は、乗員状態モニタ31のセンサ信号により車両乗員の挙動、例えば視線が何れの方向を向いているかを判定できる。
乗員状態モニタ31は、ドライバによりステアリングホイール4が把持されているか又は操舵されているか否かを検出するステアリングセンサ、前座席のシートに着座しているか否かを検出する着座センサ、又は、アクセルペダル又はブレーキペダルの踏込センサ、電子スロットルセンサなどによるものを含んでいても良い。
周辺カメラ32は、車両の前方を撮像するフロントカメラ、車両の後部を撮像するバックカメラ、車両の前側部や後側部を撮像するコーナカメラ、又は、車両の側部を撮像するサイドカメラ、電子ミラー用カメラなどによるものであり、これらはそれぞれフロントガイドモニタ、バックガイドモニタ、コーナービューモニタ、サイドガイドモニタ、電子ミラーの各撮像信号としてI/O制御部26を通じて制御装置22に出力され、記憶部23に記憶される。この記憶部23に記憶された撮像信号は、表示処理部25によりディスプレイ2a~2eに表示処理可能になる。通信制御部27は、CANやLINなどの車内ネットワークNに接続されており、制御装置22と他の電子制御装置21zとの間でデータを通信制御する。
記憶部23には各種のアプリケーション(以下、アプリと称す)が記憶されている。アプリはナビアプリ、照明制御アプリ、画像合成アプリ、などである。ナビアプリは、制御装置22によりナビゲーション機能を実現するものであると共に、主に複数のディスプレイ(例えば2c、2d)に表示する地図や、車両の現在位置などを含むナビゲーション画面などのコンテンツを描画する。
照明制御アプリは、照明制御部28により実行されるアプリであり、反射照明12及び空間照明13のオンオフを制御したり、照明14の色味や輝度を制御したりするアプリである。画像合成アプリは、表示器2に表示させる様々な画像コンテンツの大きさや種類を特定し、コンテンツの画像を一フレーム内に合成し、この合成された混在画像を複数のディスプレイ2a~2eに出力するアプリである。画像合成アプリは、コンポジッタとも称される画像合成部としての機能を実現する。コンテンツの画像を描画するアプリには、当該コンテンツの画像を描画するための表示レイヤが割り当てられている。これらの表示レイヤは、記憶部23上に、必要となる画像のコンテンツを描画できる大きさで確保されている。
また、複数のディスプレイ2a~2eに表示される画像コンテンツは、アニメーション動作可能になっている。ここで、アニメーション動作とは、コンテンツを示す画像の位置や大きさが徐々に変化したり、画像が回転したり、車両乗員による操作パネル19のスワイプ操作にともなってユーザインターフェースが全体的に移動したり、画像が徐々にフェードインあるいはフェードアウトしたり、画像の色が変化したりするような表示態様である。
図4に示した制御装置22、照明制御部28及び表示処理部15は、記憶部23に記憶された各種のアプリを実行することで複数のディスプレイ2a~2eに表示制御する。このとき、図8に例示したように、左右端に位置するディスプレイ2a、2eは、主に電子ミラー用のコンテンツを表示処理すると共に、運転者Dの直前に位置するディスプレイ2bにはメータ画像を表示制御する。
またその他のディスプレイ2c、2dには、ナビゲーション処理の地図画面や前方撮像カメラの撮像画像などを表示制御したり、エンタメ画像コンテンツを表示制御したりする。各ディスプレイ2a~2eに表示させるコンテンツの内容はこれに限られるものではない。
また照明制御部28は、記憶部23に記憶された照明制御アプリを実行することで反射照明12及び空間照明13をオンオフ制御したり、照明光の色や輝度を制御したりする。
また照明制御部28は、記憶部23に記憶された照明制御アプリを実行することで反射照明12及び空間照明13をオンオフ制御したり、照明光の色や輝度を制御したりする。
本実施形態は、虚像Kに実体物8、9を組み合わせたマルチ表示をすることが特徴の一つとなっている。このため照明制御部28は、虚像形成部6による虚像Kの形成に連携して照明14の点灯状態を変化させるようにしている。以下では、実体物8、9及び虚像Kを用いて表現する態様例について図7から図14を参照しながら説明する。図7から図14には、乗員視点で映像を視認可能なコンテンツ画像を表示する領域Rを示している。
図7に示すように、照明制御部28により反射照明12及び空間照明13を点灯オフ制御しながら、表示処理部15によりディスプレイ2bにコンテンツを表示させて虚像Kを形成すれば、背景を暗色(例えば、黒色)に保ちつつ、虚像Kのみを乗員に視認させることができる。すなわち、照明制御部28が、照明14を点灯オフとすることで乗員には虚像形成部6による虚像Kを視認可能にすると共に乗員へ実体物8、9を視認不能にできる。この場合、実体物8、9を乗員に視認させることなく虚像Kのみを乗員に視認させることができる。虚像Kの映像表示のみとなるため、実体物8、9の態様に影響されることなく、表示器2の映像のみでコンテンツをマルチ表示できる。
図8に示すように、照明制御部28により反射照明12をオフ制御すると共に空間照明13をオン制御し、表示処理部15によりディスプレイ2bを表示オフして虚像Kを形成しないようにすることで、実体物8、9による表現が可能となる。空間照明13がオンされているため、背景を明色(例えば、筐体10の内側の乳白色)に保つことができる。また例えば、実体物8、9の盤面8b、9bの表面に予め施された文字盤や、盤面8b、9bの周縁に明色なリング形状体8c、9cを浮かび上がらせるように表示できる。これにより、通常の二次元映像だけでは表現不可能なリアル感を醸し出すことができる。
また図9に示す例では、照明制御部28が、反射照明12をオフ制御すると共に空間照明13をオン制御し、表示処理部15によりディスプレイ2bにコンテンツを表示させて虚像Kを形成している。空間照明13が点灯オンされているため、盤面8b、9bに光が照らされることで当該盤面8b、9bの存在を浮かび上がらせることができ、実体物8、9の上に虚像Kを形成して乗員に視認させることができる。
例えば、盤面8b、9bの上に文字盤の文字針、地図表示の虚像Kを重ねて実現できる。また、虚像形成部6は、実体物8、9の盤面8b、9bの上に重ねてメータ文字盤及びメータ指針によるメータ画像を表現した虚像Kを形成できる。図9に示す表示態様を使用することで、あたかも宙に浮いた様にメータ画像を表示できる。また、盤面8b、9bの間に地図表示画面の虚像Kを形成することで当該地図表示画面も浮かび上がらせることができる。また、盤面8b、9bの中央のセンタ指針ボスには、乗員カメラ31b及び赤外線照明31aが構成されているものの、乗員カメラ31b及び赤外線照明31aの存在感を消すことができる。
また図10に示す例では、照明制御部28により反射照明12をオフ制御すると共に空間照明13をオン制御し、表示処理部15によりディスプレイ2bにコンテンツを表示させて虚像Kを形成している。このとき、空間照明13が点灯オンしているため盤面8b、9bに光が照られることで盤面8b、9bの存在を浮かび上がらせることができ、さらに虚像Kを盤面8b、9bの表面上に表現できる。図10に示す表示態様を実現することで、文字盤上のデジタル表示と車両情報の表示(例えば、電気自動車モード、ハイブリッドモード、ガソリン運転モード)などを虚像Kの映像により表現できる。また、虚像形成部6が盤面8b、9bの表面に対し黒色又は黒系統に色表現することで乗員カメラ31b及び赤外線照明31aの存在感を消すことができる。
また図11に示す例では、照明制御部28により下側の反射照明12をオン制御すると共に上側の空間照明13をオフ制御し、表示処理部15によりディスプレイ2bの表示をオフして虚像Kを形成していない。このとき、空間照明13が点灯オンしているため、盤面8b、9bの下側から光を照らすことができ、背景を暗色(例えば、黒色)に保ちながら盤面8b、9bに間接照明効果を与えることができる。この場合、盤面8b、9bの周縁に実体のリング形状体8c、9cを幻想的に浮かび上がらせることができる。これにより、虚像Kの映像では作成不可能な雰囲気、リアル感を醸し出すことができる。
また図12に示すように、照明制御部28により反射照明12をオン制御すると共に空間照明13をオフ制御し、表示処理部15によりディスプレイ2bの表示をオフして虚像Kを形成しないようにすることもできる。このとき、空間照明13がオンされているため、盤面8b、9bの下側から光を照らすことができ、背景を暗色に保ちながら盤面8b、9bに間接照明効果を与えることができる。この場合、盤面8b、9bの周縁に実体のリング形状体8c、9cを幻想的に浮かび上がらせることができると共に、空間照明13の色を変更することで車両内に様々な雰囲気を演出できる。
図12に示した例では、照明制御部28が、左右の反射照明12を白色に発色させてリング形状体8c、9cをうっすらと浮かびあがらせるように表示している。また、図13に示した例では、右側のリング形状体8cを照らす反射照明12を白色に発色させながら、左側のリング形状体8cを照らす反射照明12をオレンジ色に発色させるようにしても良い。オレンジ色に発色させることで警告灯に合わせて乗員に警告、注意喚起することができる。
例えば、制御装置22は、車速センサ33から得られた車速情報に基づいて速度超過であることを検出した場合、表示処理部15により左側の盤面8bの中央に速度情報を表示すると共に、照明制御部28により反射照明12を点灯オンして盤面8bの周縁のリング形状体8cをオレンジ色、すなわち黄赤色に発色させる。このような表示形態とすることで、黄赤色の明示により警告情報を乗員に意識させることができる。しかも、黄赤色のリング形状体8cの内側に表示された速度情報に注目させることができる。図13に示すように、その脇に、警告灯を表示したり、警告音等により警告情報を報知したりすれば、さらに効果的である。
また、乗員が車両に乗車し、車両を始動したときには、電子制御装置21は無線通信部34により乗員が所持する携帯端末Aとの間で通信確立してデータ通信可能になる。電子制御装置21は、携帯端末Aから電話番号などの識別情報を入力することで、車両に搭載されたスピーカ36、マイク37を通じてハンズフリー通話可能になる。
図14に示すように、外部から通話要求が到来した場合に、電子制御装置21は、携帯端末Aから無線通信部34を通じて通話要求が到来したことを入力する。すると、制御装置22は、表示処理部15を用いて「Incoming Call」など着呼があったことを示すメッセージをディスプレイ2bの中央に対し虚像Kにより表示する。このとき、盤面8b、9bの表面にメッセージを表示することなくディスプレイ2bにより虚像Kを表示する領域R全体を使用してマルチ表示できる。
またこのとき、照明制御部28は、左右の反射照明12を緑色にしてリング形状体8c、9cに発色させることで、着呼情報などの情報を虚像Kにより表示したことを演出できる。これにより、着呼があったことを比較的大きなディスプレイ2bの全体領域を用いて報知できる。その後、乗員が操作パネル30の操作又は音声により応答することでハンズフリー通話を開始でき、外部通信系ECUを通じて外部と音声通話できる。
また、乗員による表示器2の視認状態を考慮すれば、朝方や昼間など車両内外が比較的明るいときには、表示器2に対し明色を背景とした映像表現をすることが望ましく、夜間などには、表示器2に対し暗色を背景とした映像表現をすることが望ましい。このため、照度センサなどを用いて車両内部又は外部の明るさを検知し、この検知結果に基づいて照明制御部28は空間照明13のオンオフ又は光強度などを調整しても良い。
朝方や昼間などには、図7から図10に示したように照明制御部28が空間照明13をオン制御することで背景を明色にして映像表現すると良く、夜間などには、図11から図14に示したように、照明制御部28が空間照明13をオン制御することで背景を暗色にして映像表現しても良い。
本実施形態によれば、表示器2によるコンテンツの表示内容をハーフミラー7で反射して乗員に視認させることができると共に、ハーフミラー7を透過して実体物8、9を乗員に視認させることができ、表現の幅を拡げることができ表現性を向上できる。
(他の実施形態)
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができ、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができ、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
前述実施形態では、反射照明12及び空間照明13の何れか一方をオンする照明方法を例示したが、これに限定されるものではなく、反射照明12及び空間照明13を両者オンして光を照らしても良い。この場合、光量を調整すると良い。
前述実施形態では、運転者Dの前のディスプレイ2bの奥側に実体物8、9を設置する例を示したが、助手席乗員Pの前のディスプレイ2dの奥側に実体物8、9を設置しても良い。実体物8、9の設置場所はディスプレイ2a~2eの何れか一つ以上の奥側に設置していれば本開示の特徴を適用できる。この実体物8、9に赤外線照明31a及び乗員カメラ31bを組み込むことで、助手席乗員Pの状態を検出可能に構成しても良い。
前述実施形態では、支持台8a、9aに円盤状の盤面8b、9bを設けた実体物8、9を適用したが、「実体物」はこれに限定されるものではない。例えば、写真フレームのように矩形、円形などの枠状の構成物を「実体物」としてハーフミラー7の奥側に配置しても良い。このとき、乗員を撮像する乗員カメラ31bと乗員の存在を検出する赤外線照明31aとを「実体物」の一部に備え付けると良い。
また前述実施形態では、「意匠物」として、リング形状体8c、9cを用いた形態を説明したがこれに限られない。例えば、「意匠物」としては表面に微細な凹凸が施された光反射体、又は、円形枠、矩形枠などの枠状構成物であっても良い。表面に微細な凹凸が施された光反射体を配置することで照明14の光を乱反射させることができ表現性を高めることができる。枠状構成物としては、写真フレーム、デコレーションフレームなどを適用することもできる。
また乗員カメラ31b及び赤外線照明31aは、基本的に、ディスプレイ2bの周縁端部脇などの目立ちにくい場所に設置されていることが望ましい。また、乗員カメラ31b及び赤外線照明31aの外観が取付対象物となる「意匠物」の意匠の一部に溶け込むように設置されることが望ましい。
すると、乗員カメラ31b及び赤外線照明31aの存在感を無くしながら乗員の状態を検出できる。例えば、乗員カメラ31bや赤外線照明31aの筐体は黒などの暗色になっていることが多い。このため、色使いを工夫しその設置場所の周囲を同色又は同系色にすることで意匠の一部に溶け込むように設置すると良い。前述した枠上構成物として写真フレームを適用した場合には、写真フレームを暗色にし、その一部に乗員カメラ31b、赤外線照明31aを設置すると良い。
また、手動運転又は運転支援時には、照明制御部28が反射照明12及び空間照明13の両者を強制的に点灯オフすると良いし、この手動運転又は運転支援時には、ハーフミラー7の奥側の空間を自動運転時に比較して暗くすると良い。すると、運転者Dの目の前の環境を暗くすることで運転し易くなる。逆に、自動運転時には、照明制御部28が反射照明12及び空間照明13の両者又は何れか一方を強制的に点灯オンすると良い。この際、明るくすることで乗員が表示器2に表示されるコンテンツを視認しやすくなり、コンテンツを楽しむことができる。
前述した電子制御装置21、21zは、表示系のECU、周辺監視系のECU、走行制御系のECU、外部通信系ECUに分類して構成した形態を示したが、これらのECUに搭載された機能を必要に応じて取りまとめて一体の電子制御装置21として構成したり、さらに機能を細分化して多数の電子制御装置21、21zに構成しても良い。
本開示に記載の電子制御装置21、制御装置22、照明制御部28による手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することにより提供された専用コンピュータにより実現されても良い。或いは、本開示に記載の電子制御装置21、制御装置22、照明制御部28及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によりプロセッサを構成することにより提供された専用コンピュータにより実現されても良い。
若しくは、本開示に記載の電子制御装置21、制御装置22、照明制御部28及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路により構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより実現されても良い。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていても良い。
本発明は、前述した実施形態に準拠して記述したが、本発明は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本発明は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本発明の範畴や思想範囲に入るものである。
図面中、1は車両用表示制御システム、2は表示器(表示部)、2a~2eはディスプレイ(表示部)、6は虚像形成部、7はハーフミラー、8b、9bは盤面(メータ表示用盤面)、8c、9cはリング形状体(意匠物)、21は電子制御装置、31aは赤外線照明、31bは乗員カメラ、を示す。
Claims (19)
- 車両用のコンテンツを表示制御して乗員に視認させる車両用表示制御システム(1)であって、
虚像形成用の表示部(2b)に前記コンテンツを表示させることでハーフミラー(7)の反射面に前記コンテンツを反射させて虚像結像位置に虚像を形成して前記乗員に視認させる虚像形成部(6)と、
前記乗員の側から見て前記ハーフミラーの反射面の奥側に設置され前記ハーフミラーを透過して前記乗員に視認可能にした実体物(8、9)と、
を備える車両用表示制御システム。 - 前記虚像結像位置と前記実体物の造形の表面位置とが揃うように配置されている請求項1記載の車両用表示制御システム。
- 前記実体物は、車載メータ表示用盤面(8b、9b)を含む請求項1又は2記載の車両用表示制御システム。
- 前記虚像形成部は、前記車載メータ表示用盤面の上にメータ画像の虚像を形成する請求項3記載の車両用表示制御システム。
- 前記ハーフミラーの反射面の奥に位置して前記実体物に光を照らす照明(14、12、13)を備える請求項1から4の何れか一項に記載の車両用表示制御システム。
- 前記照明は、前記乗員から直接視認不能な場所に設置されている請求項5記載の車両用表示制御システム。
- 前記実体物は前記照明の光を反射可能な意匠物(8c、9c)を備える請求項5又は6記載の車両用表示制御システム。
- 前記意匠物は、表面に微細な凹凸が施された光反射体、リング状に形成されたリング形状体(8c、9c)、又は、円形枠、矩形枠などの枠状構成物を含む請求項7記載の車両用表示制御システム。
- 前記乗員を撮像する乗員カメラ(31b)と前記乗員の存在を検出する赤外線照明(31a)とを前記実体物の一部に備え付けて構成される請求項1から8の何れか一項に記載の車両用表示制御システム。
- 前記乗員カメラ及び前記赤外線照明は、これらの外観が取付対象物の意匠の一部に溶け込むように設置される請求項9記載の車両用表示制御システム。
- 前記照明をオンオフ制御する照明制御部(28)を備える請求項5から7の何れか一項に記載の車両用表示制御システム。
- 前記照明制御部は、手動運転又は運転支援時において自動運転時に比較して暗くする請求項11記載の車両用表示制御システム。
- 前記照明制御部は、手動運転又は運転支援時には前記照明を点灯オフする請求項11又は12記載の車両用表示制御システム。
- 前記照明制御部は、自動運転時には前記照明を点灯オンする請求項11又は12記載の車両用表示制御システム。
- 前記照明制御部は、前記虚像形成部による虚像の形成に連携して前記照明の点灯状態を変化させる請求項11から14の何れか一項に記載の車両用表示制御システム。
- 前記照明制御部が、前記照明を点灯オフとすることで前記乗員には前記虚像形成部による虚像を視認可能にすると共に前記乗員へ前記実体物を視認不能とする請求項11から15の何れか一項に記載の車両用表示制御システム。
- 前記照明制御部が、前記照明を点灯オンとすることで前記乗員には前記実体物を視認可能とすると共に前記虚像形成部により前記実体物上に虚像を形成して前記乗員に視認可能にする請求項11から15の何れか一項に記載の車両用表示制御システム。
- 車両用のコンテンツを表示制御して乗員に視認させる車両用表示制御方法であって、
電子制御装置(21)が、
虚像形成部(6)を用いて虚像形成用の表示部に前記コンテンツを表示させると共に、ハーフミラー(7)に前記コンテンツを反射させて虚像形成領域に虚像を形成して前記乗員に視認させる過程と、
照明制御部(28)により前記ハーフミラーの奥に設置され前記ハーフミラーを透過して視認可能に設置される実体物に光を照らす照明をオンオフ制御する過程と、
を実行する車両用表示制御方法。 - 車両用のコンテンツを表示制御して乗員に視認させる車両用表示制御プログラムであって、
電子制御装置(21)に、
虚像形成部(6)を用いて虚像形成用の表示部に前記コンテンツを表示させると共に、ハーフミラーに前記コンテンツを反射させて虚像形成領域に虚像を形成して前記乗員に視認させる手順と、
照明制御部(28)により前記ハーフミラーの奥に設置され前記ハーフミラーを透過して視認可能に設置される実体物に光を照らす照明(14、12、13)をオンオフ制御する手順と、
を実行させる車両用表示制御プログラム。
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