JP2023023406A - リニアモータ制御装置及びこれを備えたサスペンションシステム、並びにリニアモータ制御方法 - Google Patents

リニアモータ制御装置及びこれを備えたサスペンションシステム、並びにリニアモータ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】幅広い圧力条件において好適なリニアモータ制御装置を提供する。【解決手段】本発明は、交流電圧が印加される巻線を有する電機子9、及び電機子9と相対移動する可動子6とから構成されたリニアモータ104と、可動子6の一方に接続された共振バネ23と、リニアモータ104を制御する制御部102を備えている。可動子6の他方にはシリンダ1a内を往復動するピストンが接続されている。制御部102は、巻線8の印加電圧と電流の位相差、巻線8の印加電圧と可動子6の位置の位相差、q軸電流値、電流振幅の何れかによってシリンダ1a内の圧力状態を判定する圧力状態判定手段109を備える。制御部102は、圧力状態判定手段109で判定した圧力状態に基づいて巻線8に印加する電圧の振幅、及び可動子6の往復動の中心位置を異ならせる制御モードを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、リニアモータ制御装置及びこれを備えたサスペンションシステム、並びにリニアモータ制御方法に関する。
リニアモータを用いたシステムとして、例えば特許文献1に記載の技術がある。特許文献1には、電圧検出手段によって検出された出力電圧と電流検出手段によって検出された電流との位相差を検出する位相検出手段、および位相検出手段によって検出された位相差に応じた値だけ交流電源の出力電圧を補正し、ピストンの中立位置を予め定められた位置に保持する制御手段が開示されている。
特許3869481号公報
特許文献1に記載の技術においては、負荷が変動してもピストンの中立位置を一定に保持することが可能であり、かつリニアコンプレッサの構成を複雑にする事が無いリニアコンプレッサの駆動装置を提供している。
しかしながら、特許文献1では、冷蔵庫のような冷却装置において膨張した冷媒ガスを圧縮する機構を前提としているため、コンプレッサの吸込圧が吐出圧よりも高い状況については想定されていない。また、特許文献1に記載の技術においては、流量という観点ついては考慮されていない。
本発明の目的は、幅広い圧力条件に対応可能なリニアモータ制御装置及びこれを備えたサスペンションシステム、並びにリニアモータ制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、交流電圧が印加される巻線を有する電機子、及び前記電機子と相対移動する可動子とから構成されたリニアモータと、前記可動子の一方に接続された弾性体と、前記リニアモータを制御する制御部を備えたリニアモータ制御装置であって、前記可動子の他方には流体機械が接続され、前記制御部は、前記巻線の印加電圧と電流の位相差、前記巻線の印加電圧と前記可動子の位置の位相差、q軸電流値、電流振幅の何れかによって前記流体機械の圧力状態を判定する圧力状態判定手段を備え、前記制御部は、前記圧力状態判定手段で判定した圧力状態に基づいて前記巻線に印加する電圧の振幅、及び前記可動子の往復動の中心位置を異ならせる制御モードを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、幅広い圧力条件に対応可能なリニアモータ制御装置及びこれを備えたサスペンションシステム、並びにリニアモータ制御方法を提供することができる。
本発明の実施例1に係るリニアモータ制御装置100の模式図である。 本発明の実施例1に係るリニアモータ104の斜視図である。 図2のIII-III線に沿った平面での断面図である。 磁極歯70の磁化により、可動子6が受ける推力を示す図である。 リニアモータ104の可動子6に外部機構を接続した状態を示す概略図である。 同一振幅の交流電圧を印加したした際の交流電圧の周波数(横軸)と、可動子6のストローク(縦軸)の関係を示す図である。 図7(a)は、リニアモータ104を駆動した際における可動子6の位置と速度の関係を示す図であり、図7(b)は、印加電圧波形とリニアモータ104に流れるモータ電流の関係を示す図である。 図7の交流波形をベクトルとして示した図である。 リニアモータ104を有する密閉型圧縮機50の一例を示す縦断面図である。 リニアモータ104を動力源とする密閉型圧縮機50を用いたシステム構成例を示す図である。 吸込側と吐出側のそれぞれのタンクに予め異なる圧力の空気を入れておき、密閉型圧縮機50を動作させた時における圧力の時間変化の例を示す図である。 差圧(吐出圧と吸込圧の圧力差)と共振周波数の関係性の例を示す図である。 吸込圧を変えた場合の吐出圧および吐出流量の変化の解析結果における一例を示す図である。 電圧指令値作成器103の構成を説明する図である。 オフセット電圧算出器180の構成例を示す図である。 オフセット電圧算出器180の第二の構成例を示す図である。 圧力状態判定手段109の構成例を示す図である。 圧力差に対する位相差dltθの変化の例を示す図である。 圧力状態判定手段109aの第二の構成例を示す図である。 圧力状態判定手段109bの第三の構成例を示す図である。 負荷状態と共振周波数の関係性の例を示す図である。 負荷状態とストローク指令値・電圧振幅値の関係性の例を示す図である。 吸込圧を変えた場合の吐出圧および吐出流量の変化の解析結果における一例を示す図である。 本発明の実施例2に係るエアサスペンションシステム200の回路構成を示す図である。 本発明の実施例2に係るエアサスペンションシステム200を搭載した車両300の概略図である。 本発明の実施例2に係るオフセット電圧算出器180aの構成例である。 本発明の実施例2に係る出力電圧の変化例を示す図である。
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施例を詳細に説明する。同様の構成要素には同様の符号を付し、また、同一の説明は繰り返さない。
本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、或る構成要素が他の構成要素の一部であること、或る構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
本実施例では、説明の便宜のため、互いに直交する前後方向、左右方向、及び上下方向という語を用いるが、重力方向は必ずしも下方向に平行である必要はなく、前後方向、左右方向、上下方向又はそれ以外の方向に平行にすることができる。
<リニアモータ制御装置100>
図1は、本発明の実施例1に係るリニアモータ制御装置100の模式図である。リニアモータ制御装置100は、制御部102と、リニアモータ104、電力変換回路105、電流検出手段107とから構成される。後述するようにリニアモータ104は、相対移動する電機子9及び可動子6を有する。
制御部102は、電圧指令値作成器103の検出結果に応じて、電力変換回路105への出力電圧指令値、又は電力変換回路105を駆動するドライブ信号(パルス信号)を出力する。また、制御部102は、圧力状態判定手段109と、PWM信号作成器133を有する。
詳細は省略するが、電力変換回路105は、直流電圧源の電圧を変換して交流電圧を出力する電力変換部の一例である。例えば、広く使われる電圧型のPWMインバータを用いて構成することができる。なお、直流電圧源に代えて直流電流源を用いても良い。
<リニアモータ104>
図2は、本発明の実施例1に係るリニアモータ104の斜視図である。本実施例のリニアモータ104は、電機子9に対して図2中の矢印の方向(以下、前後方向と呼ぶ)に相対移動可能な可動子6(図3参照)を有する。電機子9は空隙を介して対向する2つの磁極7と、磁極7に巻回した巻線8とを有している。可動子6は、この空隙に配置されている。磁極7は、可動子6に対向する端面としての磁極歯70を有している。
電機子9は、可動子6に対して前後方向の力(以下、推力という。)を付与できる。例えば、後述するように、可動子6が前後方向に往復動するように推力を制御できる。
可動子6は、上下方向に磁化した2つの平板状の永久磁石2(2a、2b)を有している。図2では、永久磁石2a,2bは図示しているが、可動子6は図示していない。可動子6としては、例えば平板状の永久磁石2を固定した平板状のものを採用できる。
本実施例では、一つの電機子9と二つの永久磁石2を有する可動子6の構成を示しているが、電機子9は複数あってもよく、また可動子6を構成する永久磁石2の数にも特に制限は無い。また、電機子9の数によって電力変換回路105の相数を自由に決めることができる。
制御部102は、可動子6が電機子9に対向する範囲で往復動させるようにドライブ信号を出力が可能である。
図3は、図2のIII-III線に沿った平面での断面図である。図3の矢印線は、2つの巻線8に交流電圧を印加し電流を流したときの磁束線の一例を示している。磁束の流れの向きは、巻線8に流れる電流の向きにより逆方向になり得るため、図に示す限りではない。この磁束線により、磁極歯70が磁化される。
[可動子6に付与する推力]
図4は、磁極歯70の磁化により、可動子6が受ける推力を示す図である。巻線8に流れる電流により生じる磁極歯70の極性を、図中の磁極歯70近傍に記した「N」、「S」で表している。
図4(a)は、上側の磁極歯70aが「S」、下部の磁極歯70bが「N」に磁化されることにより、永久磁石2aが吸引されて可動子6が前方向に力を受け、可動子6が前に移動した例を示している。図4(b)は上部の磁極歯70aが「N」、下部の磁極歯70bが「S」に磁化されることにより、永久磁石2bが吸引されて可動子6が後ろ方向に力を受け、可動子6が後ろに移動した例を示している。
このように、巻線8に電圧や電流を印加することで、2つの磁極7を含む磁気回路に磁束を供給して、対向する2つの磁極歯70(磁極歯組)を磁化できる。電圧や電流として、例えば正弦波や矩形波(方形波)といった交流の電圧や電流を与えることで、可動子6を往復動させる推力を与えることができる。これにより可動子6の運動を制御できる。
なお、可動子6に付与する推力は、印加する交流電流や交流電圧の振幅を変更することで変えられる。また、可動子6に付与する推力を公知の方法を用いて適切に変更することで、可動子6の変位を所望に変えられる。ここで、可動子6が往復動(例えば、図4(a)および(b)のような磁極歯70の磁化を順次繰り返す運動)をする場合、交流波形的に変化する可動子6の変位の変化量をストロークと呼ぶ。本実施例では、可動子6が前方向に変位するのを正と定義する。
磁極歯70は磁性体であるため、永久磁石2を吸引する磁気吸引力が作用する。本実施例では可動子6を介して2つの磁極歯70を対向配置しているため、可動子6に作用する磁気吸引力の合力を低減できる。
<本実施例の目的>
構成例の詳細については後述するが、本実施例の目的は前記の流体機械の動力源として用いた時に好適な構成および駆動制御を提供することである。流体機械の評価指標としては、一般的に効率と流量とがあり、すなわち高効率化と流量増加が本実施例の目的と言える。
[可動子6外部の機構]
図5は、リニアモータ104の可動子6に外部機構を接続した状態を示す概略図である。図5では、一例として、コイルバネとしての共振バネ23(弾性体)によって構成される外部機構を可動子6の一方に接続し、そのバネ力により可動子6が戻される機構を備えている。共振バネ23は、一端が中間部24を介して可動子6の一方に接続し、他端が基部25に固定されている。また、共振バネ23の延在方向と略並行に延在し、共振バネ23を案内又は支持する側部26が備えられている。なお、可動子6の他方には、例えば、流体機械(圧縮要素20)としてのピストン4が接続される(図9参照)。
リニアモータ104を往復動させる場合、可動子6の運動方向が変わる度に、加速と減速を繰り返す。減速時は、可動子6の速度エネルギーが電気エネルギーに変換される(回生動作)が、リニアモータ104への配線の抵抗によって損失が生じる。
一方、図5のように、可動子6に共振バネ23(アシストバネ)を付加し、可動子6の質量とバネ定数から決まる機械的な共振周波数で、可動子6を往復動させる場合、可動子6の速度エネルギーを有効活用でき、高効率なリニアモータ駆動システムを構成することができる。共振バネ23に代えて、公知の弾性体を用いてもよい。
図6は、同一振幅の交流電圧を印加した際の交流電圧の周波数(横軸)と、可動子6のストローク(縦軸)の関係を示す図である。図6から分かるように、共振周波数付近(約50Hz)で可動子6のストロークが急峻に大きくなり、共振周波数から離れるとストロークが小さくなる特性を示す。共振周波数は、共振バネ23のバネ定数kを可動子6の質量mで除した値の平方根で与えられるが、リニアモータ104の系によっては、この値は近似値となる。
このように、共振周波数又はこの近傍の周波数の交流電圧を印加することで、大きなストローク(大きなエネルギー)で振動させることができる。つまり、高効率化を実現する事ができる。このように、可動子6に共振バネ23等の弾性体を付加したリニアモータ104を制御する場合には、可動子6の共振周波数を検出あるいは推定することが重要である。可動子6のストロークを所望に制御する場合においても可動子6の共振周波数を検出あるいは推定することが重要である。
[駆動時の位相関係]
図7(a)は、リニアモータ104を駆動した際における可動子6の位置と速度の関係を示す図であり、図7(b)は、印加電圧波形とリニアモータ104に流れるモータ電流の関係を示す図である。図8は、図7の交流波形をベクトルとして示した図である。可動子6の速度、印加電圧、およびモータ電流はほぼ同位相であることがわかる。
また、可動子6に共振バネ23を付加し、可動子6の質量とバネ定数から決まる機械的な共振周波数で可動子6を往復動させる場合、可動子6の位置の位相は、巻線8への印加電圧V、モータ電流Im、及び可動子6の速度の位相それぞれに対して90度の位相差となることが知られている。すなわち、これらの何れかの関係が成立している時は、共振周波数で駆動していると推定できる。可動子位置、可動子速度、印加電圧、モータ電流の関係をベクトルで示すと図8のようになる。
製造バラつきによって可動子6の質量が想定からずれている場合、可動子6に付加された負荷要素の状態(リニアモータ104から見ると負荷の状態)が変わる場合、共振バネ23に接続される質量が変化する場合は、共振周波数が変化してしまう。そのため、条件によって変化する共振周波数を高精度に検出あるいは推定することが好ましい。
<密閉型圧縮機50>
図9は、リニアモータ104を有する密閉型圧縮機50の一例を示す縦断面図である。密閉型圧縮機50は、圧縮要素20と電動要素30とが密閉容器3内に配置されたレシプロ圧縮機である。圧縮要素20及び電動要素30は支持ばね49によって密閉容器3内に弾性的に支持されている。電動要素30は、可動子6及び電機子9を含む。
圧縮要素20はシリンダ1aを形成するシリンダブロック1と、シリンダブロック1の端面に組み立てられるシリンダヘッド16と、吐出室空間を形成するヘッドカバー17とを備えている。シリンダ1a内に供給された作動流体はピストン4の往復動によって圧縮され、圧縮された作動流体は圧縮機外部に連通する吐出管(不図示)へと送られる。本実施例の主眼から外れるため詳細は説明しないが、例えば、シリンダと吐出室空間との間に弾性体で構成された弁体を設け、シリンダ内の圧力が吐出空間の圧力と略同等以上の時に弁体が開いて作動流体が流れ、逆にシリンダ内圧力の方が吐出空間の圧力より低い場合は弁体が閉じ、逆流(吐出側から吸込側に流れる)を防ぐ構造となっている。
可動子6の他方にはピストン4が接続されている。本実施例では、可動子6及びピストン4が往復動することで、作動流体を圧縮する。電動要素30の片端には圧縮要素20を配置してある。シリンダブロック1は、可動子6の往復動を案内するガイドロッドを前後方向に沿って有している。
密閉容器3にリニアモータ104を設置する場合は、ハーメチックコネクタやハーメチックシールと呼ばれる、気密性を持ったコネクタが用いられることがある。気密性を保つためには、コネクタの数は最小限にするのが望ましい。そのため、可動子6の位置や共振周波数をセンサレスで構成する事も重要であるが、本明細書ではこの点に関しては言及せず、いずれの公知の技術を適用することができる。
可動子6に共振バネ23(図9中では不図示)を付加し、可動子6の質量とバネ定数から決まる機械的な共振周波数で可動子6を往復動させる場合、圧縮要素20による共振周波数への影響も考慮する必要がある。すなわち、吐出空間の圧力によって、作動流体のバネ的な作用が加わるため、共振状態となる周波数が変化する。つまり、シリンダ1aの圧力が高い場合には、可動子6に付加された共振バネ23のバネ定数が高いのと等価であり、共振周波数は高くなる。反対に、シリンダ1aの圧力が低い場合には、可動子6に付加された共振バネ23のバネ定数が支配的となり、共振周波数は、可動子6の質量とバネ定数から決まる機械的な共振周波数に近い。
前述のように、密閉型圧縮機50の評価指標としては、一般的に効率と流量とがある。効率は、圧縮要素20、電動要素30のそれぞれについて考える必要があるが、最終的には両要素の効率の掛け算によって決まる。流量は、単純に言えばピストン4のストローク量(可動子6のストローク量とも考えられる)とピストン往復動の周波数との乗算で求めることができる。
電動要素30としてリニアモータ104を用いた場合には、ピストンのストロークをリニアモータ104に印加する電圧によって制御することができるメリットがある。ストロークを制御することで、つまりは電動要素30の容積を変更することができるという利点を有することになる。
<リニア圧縮機システム>
図10は、リニアモータ104を動力源とする密閉型圧縮機50を用いたシステム構成例を示す図である。図10は、密閉型圧縮機50の吸込側および吐出側に吸込管53aと吐出管53bが接続され、それら配管53の先に第1タンク52a及び第2タンク52bが接続された構成例である。密閉型圧縮機50が圧縮する作動流体(気体を含む)は特に限定は無いが、例として、ここでは空気として説明をする。図10に示したシステム構成例の動作としては、第1タンク52aに溜められた空気を第2タンク52bへと移動させることになる。
ここでは、吸込側と吐出側の両方にタンク52を付加する構成を示したが、あくまで一例であり、例えば吐出側にはタンク接続しないシステムも当然考えられ、その場合は大気圧の空気を第2タンク52bに移動させるシステムという事になる。
この様にタンクに作動流体を圧縮あるいは移動させるシステムでは、圧縮動作時の効率や消費電力が重要であることは勿論のこと、単位時間当たりの作動気体の移動量つまり流量も重要になる。さらに、システム観点では小型軽量も望まれる。小型にすることで設置時の自由度が増す上に、製作時の必要な材料を抑制することができる。
図11は、吸込側と吐出側のそれぞれのタンクに予め異なる圧力の空気を入れておき、密閉型圧縮機50を動作させた時における圧力の時間変化の例を示す図である。この例では、動作開始直後は吸込圧(第1タンク52aの圧力)の方が吐出圧(第2タンク52bの圧力)よりも高く、徐々に圧力差が減り、ある時点(本実施例では約25sec)で逆転(吸込圧<吐出圧)し、圧力差は大きくなっていく。例えば、吐出圧が所望の圧力に達したら停止するといった動作を止めるといったシステムの例を示していることになる。
図12は、差圧(吐出圧と吸込圧の圧力差)と共振周波数の関係性の例を示す図である。繰り返しであるが、吐出圧が高い場合は、可動子6に付加された共振バネ23のバネ定数が高いのと等価であり、共振周波数は高くなる。差圧が小さい場合には、共振バネと可動子質量で決まる共振周波数に近くなる。差圧が負(吐出圧よりも吸込圧が高い)の場合は、ピストンが圧縮動作をせずとも、空気が流れ出ていく。そのため、共振周波数は低くなる。
図13は、前述の圧縮機の評価指標である流量について、吸込圧を変えた場合の吐出圧および吐出流量の変化の解析結果における一例を示す図である。ピストン4の動力源として、詳細は省略するがDCモータの回転運動をクランクシャフト等で往復運動に変えているレシプロ式(DCモータ駆動)と、本実施例のリニアモータ104の2種類を用い、駆動方式による流量を比較した結果である。
説明の簡略化のためにレシプロ式とリニア式のストローク量を一定とすると、吐出圧力が高い場合には、共振周波数が高いため、すなわち駆動周波数(ピストン往復動の周波数)も高くなることで、リニア式の吐出流量はレシプロ式よりも増加する。逆に、吐出圧力が低い場合には、リニア式の吐出流量はレシプロ式より低下する。
したがって、改めて本発明の目的を言及すると、幅広い吸込圧と吐出圧の条件において、高効率で高流量を実現するリニアモータ制御装置を提供することにある。以下、その構成例について述べる。
<制御部102の概要>
図1等を参照して制御部102等について説明する。制御部102は、電圧指令値作成器103と、圧力状態判定手段109と、PWM信号作成器133とを有する。制御部102は、上位制御(図示していない)から与えられる、または、制御部102内で保持または計算によって得られるストローク指令と周波数指令に従ってリニアモータ104が動作するように、リニアモータ104に印加する電圧を制御するというのが、基本的な動作である。
<電圧指令値作成器103>
図14は、電圧指令値作成器103の構成を説明する図である。電圧指令値作成器103には、後述する位相指令値θ*と、上位制御器(図示はしていない)などから得るストローク指令値l*と周波数指令値ω*が入力され、単相の交流電圧指令値Vm*が出力される。
図14の構成から分かるように、ストローク指令値l*、周波数指令値ω*、オフセット電圧Voffのいずれか(複数でも構わない)を変更することにより、リニアモータ104に印加する電圧を調整することができる。つまり、印加電圧の振幅、周波数、およびオフセット値を調整することで、駆動周波数を共振周波数に制御することやストロークを制御することが可能となる。これにより、効率(消費電力)や流量を最適化できる。
本実施例では、上位制御器(図示はしていない)などから得るストローク指令値l*と共振周波数に追従する周波数指令値ω*を入力している。共振周波数に追従する周波数指令値ω*の求め方は、公知の方法を適用することができる。例えば、特許6591668号公報に記載の手段より構成できる。
ストローク指令値l*は、ピストン(または可動子)の往復動の振幅という意味と、正側(ピストンが作動流体を圧縮する方向)および負側のそれぞれの変位量という意味とがり、制御手段の構成によって使い分ける。
周波数指令値ω*を積分器94aで積分することで位相指令値θ*を得て、これを余弦演算器82b(入力値の余弦を出力)に入力し、位相指令値θ*に対する余弦(cosθ*)を得る。この余弦とストローク指令値l*とを乗算器92dで乗じる。こうすることで、微分演算を行わずに可動子6の速度指令値vm*を得ることができる。一般には、位置指令値xm*及び速度指令値vm*の一方を正弦、他方を余弦にすることができる。なお、正弦余弦の組み合わせによっては、負号を付加する必要がある。
さらに、可動子6の速度指令値vm*を乗算器92eで誘起電圧定数Ke*と乗じ、単相の交流電圧指令値Vm0*を得る。その後、オフセット電圧算出器180が出力するオフセット電圧を加算し、リニアモータ104に印加する交流電圧指令値Vm*を得る。
なお、電圧指令値作成器103には、上記以外にも公知の同期式モータの駆動電圧指令方法を適用することができる。
<オフセット電圧算出器180>
図15は、オフセット電圧算出器180の構成例を示す図である。オフセット電圧算出器180は、圧力状態に応じてオフセット電圧Voffを出力する。図15は、横軸を入力の圧力状態、縦軸を出力のオフセット電圧Voffとして図示している。図15は、横軸の圧力状態として例えば差圧[MPa]の情報を用い、縦軸のオフセット電圧Voffは電力変換回路105で交流電圧を出力する際の直流電圧源の直流電圧を基準とした比率で表した場合の例である。
差圧が負(吸込圧>吐出圧)で絶対値が小さい領域で、オフセット電圧Voffが負となっている。その他の圧力状態ではオフセット電圧Voffはゼロとしている。こうすることで、差圧が負(吸込圧>吐出圧)で圧力差絶対値が小さい領域での流量を増加させることができる。オフセット電圧Voffを負とすることで、可動子6の往復動の中心位置を反ピストン側にずらすことができる。負側のストロークが増えることは、圧縮機としては最大容積が増加したのと等価と考えることができる。
負側のストロークが増えることで吸込管53aからシリンダ1a内に供給される作動流体が増加する。差圧が負(吸込圧>吐出圧)で絶対値が小さいため、ピストンが圧縮する方向(正のストローク方向)に動き始めるとすぐに弁体が開き、作動流体が流れ始める。つまり、全ストローク長が同じでも、オフセット電圧Voffを負に与えて負側のストロークを増加させることにより、効率を低下させることなく流量を増加させることができる。
なお、前述の通り、差圧が負(吸込圧>吐出圧)で絶対値が小さい動作状態では共振周波数は低い。この動作領域で流量を増加させるためには、ストローク長を大きくする、または駆動周波数を高くする、といったことが考えられるが、いずれも効率の観点では望ましくない。ストローク長を大きくすると、その分だけ摺動距離が長くため、摺動損失が増加する。また、駆動周波数を高くすることは、つまりは共振周波数から外れて駆動することになり、効率が低下することは容易に理解できる。
図15の例では、差圧が-0.2と0.0付近で曲線となっているが、曲線である必要はなく、ステップ状に変化させる、または-0.2と0.0の間で極小値をもつ直線状に変化させても良い。
図15の横軸は圧力状態としたが、圧力状態を検出する手段として複数考えられる。上述の通り、圧力センサを用いる手段、印加電圧とリニアモータに流れる電流の位相差を用いる手段、リニアモータ104の推力に略比例するq軸電流を用いる手段、リニアモータ104に流れる電流の振幅を用いる手段、等を採用することが可能である。
図16は、オフセット電圧算出器180の第二の構成例を示す図である。図16は、後述する圧力状態判定手段109が出力する負荷状態モード信号に応じて、オフセット電圧Voffを切替える構成例である。負荷状態と負荷状態モード信号の関係の例としては、図15に示した様にすることができる。つまり、吸込圧と吐出圧の圧力差が負(吸込圧>吐出圧)で圧力差の絶対値が大きい領域を第1の負荷状態モード(1)、吸込圧と吐出圧の圧力差が負(吸込圧>吐出圧)で圧力差絶対値が小さい領域を第2の負荷状態モード(2)、吸込圧と吐出圧の圧力差が正(吸込圧<吐出圧)の領域を第3の負荷状態モード(3)とする。そして、例えば、負荷状態モード(1)および(3)用のオフセット値をゼロとし、負荷状態モード(2)のオフセット値を負の値にする。第1の負荷状態モード(1)における圧力差は、第2の負荷状態モード(2)における圧力差よりも大きい。そして、第1の負荷状態モード(1)、第2の負荷状態モード(2)、第3の負荷状態モード(3)に対応した第1の制御モード信号(1)、第2の制御モード信号(2)、第3の制御モード信号(3)をオフセット電圧算出器180から出力する。なお、第2の負荷状態モード(2)には、吸込圧と吐出圧が均圧(吸込圧=吐出圧)時を含めるようにしても良い。
<圧力状態判定手段109>
図17は、圧力状態判定手段109の構成例を示す図である。図17は、可動子位置Xmまたはモータ電流Imの、基準位相(例えば、図14に示した周波数指令値ω*を積分して求めた位相)に対する位相差を出力する位相差検出器130とした構成の例である。基準位相θ*として、図14に示した周波数指令値ω*を積分して求めた位相を用いる場合は、つまり印加電圧に対する可動子位置Xmまたはモータ電流Imの位相差を求めていることになる。基準位相θ*の取り方や逆正接を求める際の分母分子によって複数の組合せが考えられるが、例えば、圧力差に対する位相差dltθの変化の例を図18に示す。
図18の例では、均圧状態(吸込圧と吐出圧が略同一)の位相差が90°で、圧力差に応じて位相差dltθが増減する。つまり、吸込と吐出の圧力条件で決まる負荷状態に応じて位相差dltθが変化する事を利用し、圧力状態判定手段109を構成した例である。オフセット電圧算出器180として、図16の構成とする場合は、予め設定した位相差dltθに応じて、圧力差を判定し、上記した第1の負荷状態モード(1)、第2の負荷状態モード(2)、第3の負荷状態モード(3)の信号を出力する。
図19は、圧力状態判定手段109aの第二の構成例を示す図である。この構成例では、負荷電流検出器150を用いた構成例で、本実施例の負荷電流検出器150は、フーリエ変換式を用いて負荷電流成分の振幅を抽出する。
負荷電流検出器150は、図17に示した位相差検出器130の構成と同様に、入力値の正弦を出力する正弦演算器81と、入力値の余弦を出力する余弦演算器82のそれぞれに、基準位相となる位相指令値θ*を入力し、位相指令値θ*に対する正弦および余弦を得る。正弦および余弦それぞれをモータ電流Imと乗算した値が乗算器92からそれぞれ出力される。その出力をそれぞれ積分器94e,94fで積分すると、正弦および余弦それぞれの1次のフーリエ係数を得る。すなわち、フーリエ展開の駆動周波数ωより高次の周波数成分を消去できるので、高次のノイズに対してロバストに構成できる。
積分器94e,94fの出力を二乗し、平方根演算器96に入力する。すなわち、正弦および余弦それぞれの1次のフーリエ係数となる、正弦成分および余弦成分の二乗和平方根を得て、基本波電流の振幅を得る。負荷の増加に伴い、基本波電流の振幅も増加するため、図19の構成により、負荷電流Im_ldを検出することができる。本実施例では、負荷電流は、回転モータの駆動制御で一般的に使われるq軸電流(回転モータのトルクやリニアモータの推力に略比例する電流)と等価として説明する。つまり、吸込と吐出の圧力条件で決まる負荷状態に応じて変化する。吸込圧>吐出圧の時には負、吸込圧<吐出圧の時には正となる。この関係性を利用し、圧力状態判定手段109aを構成した例である。オフセット電圧算出器180として、図16の構成とする場合は、予め設定した負荷電流値Im_Idに応じて、制御モード信号を出力する。
図20は、圧力状態判定手段109bの第三の構成例を示す図である。負荷電流検出器150aは、モータ電流Imを入力し、モータ電流Imの基本周波数のcos成分(Im_cos)を抽出する。次に、モータ電流Imの基本周波数のcos成分(Im_cos)を一次遅れフィルタ141でローパスフィルタ(低域通過フィルタ)処理し、負荷電流Im_ldとして出力する。
なお、図20には1次遅れフィルタの構成例を示したが、1次遅れフィルタに限らず、2次遅れフィルタ等、他の公知の構成でローパスフィルタを構成しても良い。
図7及び図8で示したように、可動子の位置を正弦波とすると、負荷電流は余弦成分が支配的になる。そのため、図20の構成は抽出した余弦成分をフィルタ処理することで、負荷電流を検出することができる。図20の構成とした場合、演算負荷低減に有効である。
前述の通り、作動流体のバネ的な作用が加わるため、圧力状態によって共振状態となる周波数が変化する。従って、この関係性を用い、圧力状態判定手段109を構成する場合の例を図21に示す。
図21は、負荷状態と共振周波数の関係性の例を示す図である。本実施例では詳細は示していないが、推定あるいは検出した共振周波数を予め設定した判定値と比較し、第1の負荷状態モード(1)、第2の負荷状態モード(2)、第3の負荷状態モード(3)を決定する。つまり、可動子の駆動周波数が、共振バネと可動子質量で決まる共振周波数に近傍でかつ基準値よりも低い場合には、第2の負荷状態モード(2)と判定し、負のオフセット電圧を与えて駆動する。
[出力電圧波形]
図14に示した電圧指令値作成器103の構成では、交流電圧指令値Vm*の振幅は、誘起電圧定数Ke*を一定値とした場合、ストローク指令値l*に比例する。そこで、前述の圧力状態判定手段109が出力する圧力状態に応じて、図22のようにストローク指令値l*(つまり、交流電圧指令値Vm*の振幅)を変化させる。
図22の縦軸は、最大ストロークまたは電力変換回路105の直流電圧源の直流電圧を基準(100%)として示している。すなわち、第1の負荷状態モード(1)においては微小な電圧が出力される。第1の負荷状態モード(1)は吸込圧と吐出圧の圧力差が負(吸込圧>吐出圧)で絶対値が大きい領域である。すなわち、この領域では弁体が差圧により開いている状態である。そのため、圧力状態判定手段109が圧力の状態を判定するのに必要な最小限の電圧、電流、またはストロークとなるように、ストローク指令値l*を決定すればよい。そして、第1の負荷状態モード(1)では、電圧指令値作成器103から、巻線に印加する電圧の振幅を小さくするように第1の制御モードとなる信号(電圧指令値)を出力する。
第2の負荷状態モード(2)においては、吸込圧と吐出圧の圧力差が負(吸込圧>吐出圧)であるため、弁体の動作を踏まえると、第1の負荷状態モード(1)と同様に大きなストロークは不要であるが、弁体を構成する弾性体の特性を考慮して、圧力差が無くなるに従いストローク指令値l*を漸増させる。また、第2の負荷状態モード(2)では、上述したようにオフセット電圧算出器180から負のオフセット値(可動子6の往復動の中心位置を反ピストン側にずらす値)が出力される。そして、第2の負荷状態モード(2)では、電圧指令値作成器103からの負のオフセット値と合わせ、圧力差が無くなるに従いストローク指令値l*を漸増させる第2の制御モードとなる信号(電圧指令値)を出力する。なお、第2の制御モードには、吸込圧と吐出圧が均圧時を含めるようにしても良い。
第3の負荷状態モード(3)においては、吸込圧と吐出圧の圧力差が正(吸込圧<吐出圧)の領域であるため、負荷状態に応じて比例(実線)するように、または指数関数的に増加する(一点鎖線)ようにストローク指令値l*を与える。そして、第3の負荷状態モード(3)では、電圧指令値作成器103から負荷状態に応じて略比例(実線)して巻線に印加する電圧の振幅が増加するように、または指数関数的(一点鎖線)に合わせて巻線に印加する電圧の振幅が増加するように第3の制御モードとなる信号(電圧指令値)を出力する。
図23は、上記の構成を用いて、吸込圧を変えた場合の吐出圧および吐出流量の変化の解析結果における一例を示す図である。吐出圧が吸込圧よりも高い状態は図13と同じ結果である一方、吸込圧が吐出圧より高い状態において流量が増加することができることが分かる。
以上のように、巻線の印加電圧と電流の位相差、または巻線の印加電圧と可動子位置の位相差、またはq軸電流値、または電流振幅によって、流体機械の圧力状態を判定することができる。判定した圧力状態に応じて、オフセット電圧および電圧振幅値を制御することで、幅広い吸込圧と吐出圧の条件において、高効率で高流量を実現するリニアモータ制御装置及び制御方法を提供することができる。
次に実施例2について説明する。本実施例の構成は、下記の点を除き実施例1と同様にできる。本実施例は、リニアモータ制御装置100を搭載した機器の一例としてのエアサスペンションシステムに関する。
図24は、本発明の実施例2に係るエアサスペンションシステム200を示す回路図である。図25は、本発明の実施例2に係るエアサスペンションシステム200を搭載した車両300の概略図である。但し、図25に係るエアサスペンションシステム200については、後述する分配点209N及びこれよりエアサスペンション201,202側の構成要素のみを図示している。
エアサスペンションシステム200は、2つのエアサスペンション201,202、リニアモータ104を駆動源とするコンプレッサ203、吸気フィルタ204、第1タンク205、及びエアドライヤ207、並びに弁として3つのチェック弁208,215,217、給排切換弁210、2つのサスペンション制御弁211,212、戻り通路開閉弁214、及び排気通路開閉弁219、を有している。エアサスペンションシステム200は、空気が流通可能な通路によってこれらを接続している。
エアサスペンションシステム200は、例えば車両300に搭載され、エアサスペンション201,202のエア室201C,202C内の空気圧の制御を行うシステムである。例えば車両300の左車輪310L及び右車輪310Rには、これらのハブ等同士を繋ぐ車軸320が設けられている。例えば、左車輪310L及び右車輪310Rそれぞれと車体330の間や、ハブ及び車体330の間といった、車輪310側及び車体330側の間にエアサスペンション201、202を設け、エア室201C,202C内の空気圧を制御することで、車高の調整を行える。
エアサスペンション201,202は、図25に示すように車輪310側の車軸320と車両300の車体330との間に取り付けられてもよく、また、車輪310と車体330とを連結するサスペンションのアーム類(車輪310側)と車体330との間や車輪310のハブ(車輪310側)とサスペンションのアッパーアームの車体330取付部近傍(車体330側)との間に取付けてもよい。このように、エアサスペンション201,202は、車輪310と車体330を支えるように設けられれば良く、例えば、上下方向について車輪310と車体330との間に設けることができ、直接、車輪310や車体330に取り付ける態様には限られない。
本実施例では、エアサスペンションを2つ有するエアサスペンションシステム200について説明するが、エアサスペンションシステム200が含むエアサスペンションの個数は1つ以上であれば特に制限されない。エアサスペンションの個数は、例えば車輪の個数に等しくすることができる。例えば4輪自動車の場合には、2つの前輪側に2個、2つの後輪側に2個の合計4個のエアサスペンションを配置できる。なお、本実施例では、緩衝用のシリンダ201A,201Aとエアばねとなるエア室201C,202Cとを一体にした例を示したが、大型車やリヤサスペンション側で周知のように緩衝用のシリンダ(油圧緩衝器)201A,202Aとエアばねとを独立に設けてもよい。
エアサスペンション201,202には、緩衝用のシリンダ201A,202Aそれぞれとピストンロッド201B,202Bそれぞれとの間にエア室201C,202Cが形成されており、エアばねを構成している。エア室201C,202Cそれぞれには後述する通路が接続されており、エアサスペンションシステム200の動作によって圧力及び車高が制御されている。
コンプレッサ203は、吸入ポート203Cから吸入した空気を圧縮して吐出ポート203Dから吐出することができる。コンプレッサ203は、コンプレッサ本体203A及びリニアモータ203Bから構成される。吸入ポート203Cまたは吐出ポート203D、もしくは両ポートの圧力を測定する圧力センサを設けている。
吸気フィルタ204は、エアサスペンションシステム200が必要に応じて外気(大気)を取り入れることができる外気取り入れ口に設けられており、エアサスペンションシステム200が外気を取り入れる際、外気中の粉塵等を除去することができる。
第1タンク205は、例えば空気をコンプレッサ203により圧縮し、その圧縮空気を貯留できる。
エアドライヤ207は、内部にシリカゲル等の乾燥剤を保持しており、エアドライヤ207を通過する空気の湿度を低下させることができる。
エアサスペンションシステム200は、通路として、給排通路209、補給通路206、戻り通路213、バイパス通路216、及び排気通路218を有する。
給排通路209(209A,209B,209C)は、エアサスペンション201に第1の端部を、エアサスペンション202に第2の端部を、給排切換弁210に第3の端部を、有する通路であり、サスペンション制御弁211,212が設けられている。
給排通路209は、分配給排通路209A、分配給排通路209B、及び合同給排通路209Cを有しており、これらそれぞれの一端は、分配点209Nにおいて互いに接続している。分配給排通路209Aは、一端が分配点209Nに、他端がエア室201Cに接続している。分配給排通路209Bは、一端が分配点209Nに、他端がエア室202Cに接続している。合同給排通路209Cは、一端が分配点209Nに、他端が給排切換弁210に接続している。
補給通路206は、給排切換弁210に第1の端部を、コンプレッサ203の吐出ポート203Dに第2の端部を、有する通路であり、第1タンク205、エアドライヤ207及び第1のチェック弁208が設けられている。
補給通路206には、エアドライヤ207に対して吐出ポート203Dとは反対側に、バイパス終点216Bが位置している。バイパス終点216Bには、バイパス通路216の第2の端部が接続している。
補給通路206には、エアドライヤ207に対して吐出ポート203Dと同じ側に、排気始点218Aが位置している。排気始点218Aには、排気通路218の第1の端部が接続している。
第1タンク205は、補給通路206の第1の端部及び第1のチェック弁208の間に位置している。
エアドライヤ207は、バイパス終点216B及び排気始点218Aの間に位置している。エアサスペンションシステム200は、コンプレッサ203をバイパスさせて、エア室201C,202C内の空気を大気中に放出する排気を行うことができる。この際、バイパス通路216及び排気通路218を通って空気が流通するため、エア室201C、202Cの乾燥空気が流れて、エアドライヤ207の乾燥剤の水分を除去することができる。
第1のチェック弁208は、バイパス終点216B及び第1タンク205の間に位置している。第1のチェック弁208は、補給通路の第2の端部側から第1の端部側へ空気が流れることを可能にし、その逆の流れを遮断する。これにより、第1タンク205内の空気が、コンプレッサ203や排気通路218に流れることを防止できる。
吸込み側通路220は、吸入ポート203Cに第1の端部を、外気取り入れ口に第2の端部を、有する通路であり、第2のチェック弁215が設けられている。
吸込み側通路220の吸入ポート203C及び第2のチェック弁215の間には、戻り終点213Bが位置している。戻り終点213Bには、戻り通路213の第2の端部が接続している。
第2のチェック弁215及び外気取り入れ口の間には、排気終点218Bが位置している。排気終点218Bには、排気通路218の第2の端部が接続している。
第2のチェック弁215は、戻り終点213B及び排気終点218Bの間に位置している。第2のチェック弁215は、吸込み側通路220の第2の端部側から第1の端部側に空気が流通することを可能にし、その逆を遮断する。これにより、戻り通路213及び戻り通路開閉弁214を通過したエア室201C,202C内の空気が外気取り入れ口から排気されることを防止し、吸入ポート203Cに導くことができる。
戻り通路213は、給排切換弁210に第1の端部を、戻り終点213Bに第2の端部を、有する通路であり、戻り通路開閉弁214が配されている。
戻り通路213には、給排切換弁210及び戻り通路開閉弁214の間にバイパス始点16Aが位置している。バイパス始点216Aには、バイパス通路216の第1の端部が接続している。
バイパス通路216は、バイパス始点216Aに第1の端部を、バイパス終点216Bに第2の端部を、有する通路であり、第3のチェック弁217が配されている。
第3のチェック弁217は、バイパス通路216の第1の端部側から第2の端部側への空気の流通を可能にし、その逆を遮断する。これにより、吐出ポート203Dから吐出された空気を第1タンク205に効果的に導くことができる。
排気通路218は、排気始点218Aに第1の端部を、排気終点218Bに第2の端部を、有する通路であり、排気通路開閉弁219が配されている。
排気通路218は、第2の端部を排気終点218Bに接続させず、外気取り入れ口以外の場所から空気を排気する態様にされても良いが、本実施例のように排気終点218Bが外気取り入れ口及び第2のチェック弁215の間に設けられていると、戻り通路213、バイパス通路216及び排気通路218を通って排気される空気によって、吸気フィルタ204に付着した塵埃を除去できる。
上述したように、エアサスペンションシステム200は、チェック弁208,215,217に加え、給排切換弁210、2つのサスペンション制御弁211,212、戻り通路開閉弁214、及び排気通路開閉弁219、を有している。
給排切換弁210は、3つの通路に接続し、これらの接続関係を2種類に切換可能な3ポート2ポジションの電磁弁である。
給排切換弁210は、補給通路206の第1の端部、戻り通路213の第1の端部、及び給排通路209の第3の端部に接続している。
給排切換弁210は、2つのポジションとして、補給通路206の第1の端部及び給排通路209の第3の端部を接続させるとともに、戻り通路213の第1の端部及び給排通路209の第3の端部を遮断する供給ポジション(a)と、戻り通路213の第1の端部及び給排通路209の第3の端部を接続させるとともに、補給通路206の第1の端部及び給排通路209の第3の端部を遮断する排出ポジション(b)とを有している。ポジションの切換は、例えばソレノイド210Aの励磁状態を切換えることで行うことができる。本実施例では、ソレノイド210Aが励磁されていないときには、ばね210Bによって給排切換弁210は排出ポジション(b)を保持し、ソレノイド210Aが励磁されたときには、ばね210Bに抗して供給ポジション(a)に切換えられる。
サスペンション制御弁211は分配点209N及びエアサスペンション201の間に設けられており、サスペンション制御弁212は分配点209N及びエアサスペンション202の間に設けられている。
サスペンション制御弁211は、2つの通路に接続し、これらの接続関係を2種類に切換可能な2ポート2ポジションの電磁弁である。
サスペンション制御弁211は、2つのポジションとして、分配給排通路209Aを開いてエア室201Cの空気の給排を可能にする開ポジション(a)と、分配給排通路209Aを閉じてエア室201Cの空気の給排を遮断する閉ポジション(b)とを有している。ポジションの切換は、例えばソレノイド211Aの励磁状態を切換えることで行える。本実施例では、ソレノイド211Aが励磁されていないときには、ばね211Bによってサスペンション制御弁211は閉ポジション(b)を保持し、ソレノイド211Aが励磁されたときには、ばね211Bに抗して開ポジション(a)に切換えられる。
サスペンション制御弁212は、サスペンション制御弁211と同様に2ポート2ポジションの電磁弁であり、分配給排通路209Bについてサスペンション制御弁211と同様の開閉制御を行うことができる。これら2つのサスペンション制御弁211,212の制御は同時に行っても良いし、独立して制御しても良い。
戻り通路開閉弁214は、サスペンション制御弁211,212と同様に2ポート2ポジションの電磁弁であり、戻り通路213のバイパス始点216A及び戻り終点213Bの間についてサスペンション制御弁211,212と同様の開閉制御を行うことができる。
排気通路開閉弁219は、サスペンション制御弁211,212及び戻り通路開閉弁214と同様に2ポート2ポジションの電磁弁であり、排気通路218の排気始点218A及び排気終点218Bの間についてサスペンション制御弁211,212及び戻り通路開閉弁214と同様の開閉制御を行うことができる。
なお、以下のように構成を変更して、給排通路209に設けたサスペンション制御弁211,212に代えて、エアサスペンションの個数と同数の給排切換弁210、すなわち、3ポート2ポジションの弁を使用するようにしても良い。具体的には、補給通路206の第1の端部をエアサスペンションの個数と同数に(本実施例では2つに)分岐させて、各給排切換弁210に接続する。また、戻り通路213の第1の端部もエアサスペンションの個数と同数に分岐させて、各給排切換弁210に接続する。さらに、各分配給排通路(本実施例では2つ)の一端それぞれを、分配点209Nに代えて各給排切換弁210に接続する。
上記のように構成を変更した場合、エアサスペンションの何れか一つ又は二つ以上に給気中にエアサスペンションのその他を排気することも可能となる。
また、簡易的なシステム構成であれば、サスペンション制御弁211,212を廃止し、分配給排通路209Bに絞りを設けてもよい。
リニアモータ203Bの可動子6に共振バネ23を付加し、可動子6の質量とバネ定数から決まる機械的な共振周波数で可動子6を往復動させる場合、圧縮要素20による共振周波数への影響も考慮する必要がある。すなわち、圧縮要素20の吸込圧力や吐出空間の圧力によって、作動流体のバネ的な作用が加わるため、共振状態となる周波数が変化する。つまり、シリンダ1aの圧力が高い場合には、可動子6に付加された共振バネ23のバネ定数が高いのと等価であり、共振周波数は高くなる。反対に、シリンダ1aの圧力が低い場合には、可動子6に付加された共振バネ23のバネ定数が支配的となり、共振周波数は、可動子6の質量とバネ定数から決まる機械的な共振周波数に近い。
このように、リニアモータ203Bを圧縮要素の動力とする場合は、圧縮要素の条件(吸込圧力、吐出圧力、吸込と吐出の圧力差等)によって共振周波数が変化してしまう。そのため、負荷や共振周波数の変化に合わせて駆動周波数を変化させることが必要である。また、車高を制御する時間を短くするために流量を増加するのに好適な構成及び駆動制御を提供することが本実施例の目的と言える。
図26は、本発明の実施例2に係るオフセット電圧算出器180aの構成例である。図27は、本発明の実施例2に係る出力電圧の変化例を示す図である。
実施例1と同様に、吸込圧と吐出圧の圧力差が負(吸込圧>吐出圧)で圧力差の絶対値が大きい領域を第1の負荷状態モード(1)、吸込圧と吐出圧の圧力差が負(吸込圧>吐出圧)で圧力差絶対値が小さい領域を第2の負荷状態モード(2)、吸込圧と吐出圧の圧力差が正(吸込圧<吐出圧)の領域を第3の負荷状態モード(3)とする。そして、例えば、負荷状態モード(1)および(3)用のオフセット値をゼロとし、負荷状態モード(2)のオフセット値を負の値にする。第1の負荷状態モード(1)における圧力差は、第2の負荷状態モード(2)における圧力差よりも大きい。そして、第1の負荷状態モード(1)、第2の負荷状態モード(2)、第3の負荷状態モード(3)に対応した第1の制御モード信号(1)、第2の制御モード信号(2)、第3の制御モード信号(3)を電圧指令値作成器103内のオフセット電圧算出器180から出力する。なお、第2の負荷状態モード(2)には、吸込圧と吐出圧が均圧(吸込圧=吐出圧)時を含めるようにしても良い。
また、実施例1と同様に、第1の負荷状態モード(1)では、電圧指令値作成器103から、巻線に印加する電圧の振幅を小さくするように第1の制御モードとなる信号(電圧指令値)を出力する。
第2の負荷状態モード(2)では、上述したようにオフセット電圧算出器180から負のオフセット値(可動子6の往復動の中心位置を反ピストン側にずらす値)が出力される。そして、第2の負荷状態モード(2)では、電圧指令値作成器103からの負のオフセット値と合わせ、圧力差が無くなるに従いストローク指令値l*を漸増させる第2の制御モードとなる信号(電圧指令値)を出力する。なお、第2の制御モードには、吸込圧と吐出圧が均圧時を含めるようにしても良い。
第3の負荷状態モード(3)においては、吸込圧と吐出圧の圧力差が正(吸込圧<吐出圧)の領域であるため、負荷状態に応じて比例(実線)するように、または指数関数的に増加するようにストローク指令値l*を与える。そして、第3の負荷状態モード(3)では、電圧指令値作成器103から負荷状態に応じて略比例して巻線に印加する電圧の振幅が増加するように第3の制御モードとなる信号(電圧指令値)を出力する。
実施例2では、エアサスペンションシステム200の動作によって制御されている車高の情報を基に、オフセット電圧および電圧振幅値を制御することで、幅広い吸込圧と吐出圧の条件において、高効率で高流量を実現するリニアモータ制御装置を提供することができる。
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手続き等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、上記の各構成や機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現しても良い。
リニアモータ104は、単相機として説明したが、三相機であっても本発明の構成を適用することができ、同様の効果を得られる。
1…シリンダブロック、1a…シリンダ、2…永久磁石、3…密閉容器、4…ピストン、6…可動子、7…磁極、8…巻線、9…電機子、20…圧縮要素、23…共振バネ(アシストバネ)、30…電動要素、50…密閉型圧縮機、100…リニアモータ制御装置、102…制御部、103…電圧指令値作成器、104…リニアモータ、105…電力変換回路、107…電流検出手段、109…圧力状態判定手段

Claims (10)

  1. 交流電圧が印加される巻線を有する電機子、及び前記電機子と相対移動する可動子とから構成されたリニアモータと、前記可動子の一方に接続された弾性体と、前記リニアモータを制御する制御部を備えたリニアモータ制御装置であって、
    前記可動子の他方には流体機械が接続され、
    前記制御部は、前記巻線の印加電圧と電流の位相差、前記巻線の印加電圧と前記可動子の位置の位相差、q軸電流値、電流振幅の何れかによって前記流体機械の圧力状態を判定する圧力状態判定手段を備え、
    前記制御部は、前記圧力状態判定手段で判定した圧力状態に基づいて前記巻線に印加する電圧の振幅、及び前記可動子の往復動の中心位置を異ならせる制御モードを備えたことを特徴とするリニアモータ制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記流体機械は、シリンダと、前記可動子の他方に接続され前記シリンダ内を往復動するピストンとを備えた圧縮機であることを特徴とするリニアモータ制御装置。
  3. 請求項2に記載のリニアモータ制御装置において、
    前記制御モードは、
    吸込圧が吐出圧より高い時に、前記巻線に印加する電圧の振幅を小さくする第1の制御モードと、
    吸込圧と吐出圧が均圧時、及び/又は吸込圧が吐出圧より高く吸込圧と吐出圧の圧力差が前記第1の制御モードにおける圧力差より小さい時に、前記可動子の往復動の中心位置を反ピストン側にずらすオフセット値にて前記巻線に電圧を印加する第2の制御モードであることを特徴とするリニアモータ制御装置。
  4. 請求項2に記載のリニアモータ制御装置において、
    前記制御モードは、
    吸込圧が吐出圧より高い時に、前記巻線に印加する電圧の振幅を小さくする第1の制御モードと、
    吸込圧と吐出圧が均圧時、及び/又は吸込圧が吐出圧より高く吸込圧と吐出圧の圧力差が前記第1の制御モードにおける圧力差より小さい時に、前記可動子の往復動の中心位置を反ピストン側にずらすオフセット値にて前記巻線に電圧を印加する第2の制御モードと、
    吸込圧と吐出圧の圧力差に比例するように電圧振幅が増加する第3の制御モードであることを特徴とするリニアモータ制御装置。
  5. 請求項2において、
    前記圧縮機には、第1タンクと第2タンクとが接続され、
    前記第1タンクは吸込管を介して接続され、
    前記第2タンクは吐出管を介して接続されたことを特徴とするリニアモータ制御装置。
  6. 交流電圧が印加される巻線を有する電機子、及び前記電機子と相対移動する可動子とから構成されたリニアモータと、前記可動子の一方に接続された弾性体と、前記リニアモータを制御する制御部を備えたリニアモータ制御装置であって、
    前記可動子の他方にはシリンダ内を往復動するピストンが接続され、
    前記制御部は、前記巻線の印加電圧と電流の位相差、前記巻線の印加電圧と前記可動子の位置の位相差、q軸電流値、電流振幅の何れかによって前記シリンダ内の圧力状態を判定する圧力状態判定手段を備え、
    前記制御部は、前記圧力状態判定手段で判定した圧力状態において吸込圧が吐出圧より高い時に、前記可動子の往復動の中心位置を反ピストン側にずらすオフセット値にて前記巻線に電圧を印加することを特徴とするリニアモータ制御装置。
  7. 車体と車輪との間に備えられたサスペンションシステムであって、
    前記サスペンションシステムは、請求項1乃至5の何れか1項に記載のリニアモータ制御装置を備えたことを特徴とするサスペンションシステム。
  8. 交流電圧が印加される巻線を有する電機子、及び前記電機子と相対移動する可動子とから構成されたリニアモータと、前記可動子の一方に接続された弾性体と、前記リニアモータを制御する制御部を備えたリニアモータ制御方法であって、
    前記可動子の他方にはシリンダ内を往復動するピストンが接続され、
    前記制御部は、前記巻線の印加電圧と電流の位相差、前記巻線の印加電圧と前記可動子の位置の位相差、q軸電流値、電流振幅の何れかによって前記シリンダ内の圧力状態を判定し、判定した圧力状態に基づいて前記巻線に印加する電圧の振幅、及び前記可動子の往復動の中心位置を異ならせる制御モードにより制御することを特徴とするリニアモータ制御方法。
  9. 請求項8に記載のリニアモータ制御方法であって、
    前記制御モードは、
    吸込圧が吐出圧より高い時に、前記巻線に印加する電圧の振幅を小さくする第1の制御モードと、
    吸込圧と吐出圧が均圧時、及び/又は吸込圧が吐出圧より高く吸込圧と吐出圧の圧力差が前記第1の制御モードにおける圧力差より小さい時に、前記可動子の往復動の中心位置を反ピストン側にずらすオフセット値にて前記巻線に電圧を印加する第2の制御モードであることを特徴とするリニアモータ制御方法。
  10. 請求項8に記載のリニアモータ制御方法であって、
    前記制御モードは、
    吸込圧が吐出圧より高い時に、前記巻線に印加する電圧の振幅を小さくする第1の制御モードと、
    吸込圧と吐出圧が均圧時、及び/又は吸込圧が吐出圧より高く吸込圧と吐出圧の圧力差が前記第1の制御モードにおける圧力差より小さい時に、前記可動子の往復動の中心位置を反ピストン側にずらすオフセット値にて前記巻線に電圧を印加する第2の制御モードと、
    吸込圧と吐出圧の圧力差に比例するように電圧振幅が増加する第3の制御モードであることを特徴とするリニアモータ制御方法。
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