JP2021195421A - エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、硬化性樹脂組成物、硬化物及び物品 - Google Patents

エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、硬化性樹脂組成物、硬化物及び物品 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化物における優れた弾性及び低線膨張性を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂、これを含有する硬化性樹脂組成物、前記硬化性樹脂組成物の硬化物、及び前記硬化物の塗膜を有する物品を提供する。【解決手段】エポキシ樹脂(A)と、不飽和一塩基酸(B)と、を必須原料とするエポキシ(メタ)アクリレート樹脂であって、前記エポキシ樹脂(A)が、一般式(1)で表されるキサンテン型エポキシ樹脂であることを特徴とするエポキシ(メタ)アクリレート樹脂を用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、硬化性樹脂組成物、硬化物及び物品に関する。
近年、紫外線等の活性エネルギー線により硬化可能な活性エネルギー線硬化性組成物や、熱により硬化可能な熱硬化性組成物などの硬化性組成物は、インキ、塗料、コーティング剤、接着剤、光学部材等の分野において広く用いられている。なかでも、前記コーティング剤用途としては、一般に、各種基材表面へ意匠性を付与できるとともに、優れた硬化性を有しており、また、基材表面の劣化を防止可能な塗膜を形成できることが求められている。さらに、近年は硬化性のみならず、弾性及び低線膨張性を備えた硬化塗膜を形成可能な材料が産業界から求められている。
前記弾性を備えた硬化塗膜を形成可能な材料としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのラクトン付加物(a1)とジカルボン酸無水物(a2)とエポキシ樹脂(a3)とを反応させて得られるエポキシアクリレート樹脂(A)と、ラジカル重合性単量体(B)とを必須成分として含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物が知られているが(例えば、特許文献1参照。)、昨今ますます高まる要求性能を満足するものではなかった。
そこで、より一層優れた弾性及び低線膨張性を有する硬化物を形成可能な材料が求められていた。
特開2003−105230号公報
本発明が解決しようとする課題は、硬化物における優れた弾性及び低線膨張性を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂、これを含有する硬化性樹脂組成物、前記硬化性樹脂組成物の硬化物、及び前記硬化物の塗膜を有する物品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、特定のエポキシ樹脂と、不飽和一塩基酸と、を必須原料とするエポキシ(メタ)アクリレート樹脂を用いることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、エポキシ樹脂(A)と、不飽和一塩基酸(B)と、を必須原料とするエポキシ(メタ)アクリレート樹脂であって、前記エポキシ樹脂(A)が、下記一般式(1)で表されるキサンテン型エポキシ樹脂であることを特徴とするエポキシ(メタ)アクリレート樹脂、これを含有する硬化性樹脂組成物、前記硬化性樹脂組成物からなる硬化物及び物品に関するものである。
Figure 2021195421
〔式(1)中、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素原子数4〜8のアルキル基又はアラルキル基であり、lは0,1,2のいずれかであり、mは0又は1であり、nは0又は1であり(但し、l=m=n=0の場合を除く)、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数4〜8のアルキル基又はアラルキル基であり、R、R、R、Rはそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、R、R、のうちいずれかはアルキル基又はアリール基であり、R、Rのうちいずれかはアルキル基又はアリール基であり、p、q、rはそれぞれ独立して、0又は1であり(但し、p=q=r=0の場合を除く)、Gはグリシジル基であり、sは繰り返し数を示し、0〜10の整数である。〕
本発明のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、硬化物における弾性及び低線膨張性に優れることから、前記エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と光重合開始剤とを含有した硬化性樹脂組成物は、コーティング剤や接着剤として用いることができ、特にコーティング剤として好適に用いることができる。なお、本発明でいう「優れた低線膨張性」とは、硬化物における線膨張率が低いことを云い、「優れた弾性」とは、硬化物における弾性率が高いことを云う。
図1は合成例1で合成したフェノール樹脂(1)の13C−NMRチャートである。 図2は合成例1で合成したフェノール樹脂(1)のMSチャートである。 図3は合成例1で合成したフェノール樹脂(1)のGPCチャートである。 図4は合成例2で合成したエポキシ樹脂(2)の13C−NMRチャートである。 図5は合成例2で合成したエポキシ樹脂(2)のMSチャートである。 図6は合成例2で合成したエポキシ樹脂(2)のGPCチャートである。
本発明のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、エポキシ樹脂(A)と、不飽和一塩基酸(B)と、を必須原料とすることを特徴とする。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。また、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル及び/又はメタクリロイルを意味する。さらに、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。
前記エポキシ樹脂(A)としては、下記一般式(1)で表されるものを用いる。
Figure 2021195421
〔式(1)中、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素原子数4〜8のアルキル基又はアラルキル基であり、lは0,1,2のいずれかであり、mは0又は1であり、nは0又は1であり(但し、l=m=n=0の場合を除く)、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数4〜8のアルキル基又はアラルキル基であり、R、R、R、Rはそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、R、R、のうちいずれかはアルキル基又はアリール基であり、R、Rのうちいずれかはアルキル基又はアリール基であり、p、q、rはそれぞれ独立して、0又は1であり(但し、p=q=r=0の場合を除く)、Gはグリシジル基であり、sは繰り返し数を示し、0〜10の整数である。〕
前記エポキシ樹脂(A)は、前記一般式(1)中のR、R、R、すなわち芳香環上の置換基として炭素原子数4〜8のアルキル基又はアラルキル基を1分子中に少なくとも1つ有する。このような比較的嵩高い置換基を有することにより、硬化反応時の架橋密度が適切に調整され、加熱硬化時の成形収縮率が低いものになると考えられる。前記アルキル基としては、優れた弾性及び低線膨張性を有する硬化物を形成可能なエポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基等の分岐構造を有するアルキル基が好ましく、t−ブチル基又はt−オクチル基がより好ましい。前記アラルキル基としては、優れた弾性及び低線膨張性を有する硬化物を形成可能なエポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、炭素原子数7〜15のアラルキル基が好ましく、ベンジル基がより好ましい。
また、前記一般式(1)中の、R、R、R、Rはそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はアリール基であるが、特に水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基、又は炭素原子数6〜14のアリール基であることが、優れた弾性及び低線膨張性を有する硬化物を形成可能なエポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、R、Rがアリール基であることが好ましい。
また、前記エポキシ樹脂(A)は、前記一般式(1)中のsが異なる複数の化合物、及びキサンテン骨格を形成していないノボラック型エポキシ樹脂との混合物であってもよく、優れた弾性及び低線膨張性を有する硬化物を形成可能なエポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、s=0体の含有率がゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定における面積比率で30〜50%の範囲が好ましい。なお、sが0の場合、前記一般式(1)は、下記一般式(1−a)で表される。
Figure 2021195421
〔式(1−a)中、R及びRはそれぞれ独立して炭素原子数4〜8のアルキル基又はアラルキル基であり、lは0,1,2のいずれかであり、mは0又は1であり(但し、l=m=0の場合を除く)、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数4〜8のアルキル基又はアラルキル基であり、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、R、R、のうちいずれかはアルキル基又はアリール基であり、p、qはそれぞれ独立して、0又は1であり(但し、p=q=0の場合を除く)、Gはグリシジル基である。〕
前記一般式(1)で表される前記エポキシ樹脂(A)としては、例えば、下記構造式(1−1)〜(1−12)等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、これらの中でも、優れた弾性及び低線膨張性を有する硬化物を形成可能なエポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、下記構造式(1−1)で表される構造が好ましい。
Figure 2021195421
〔式(1−1)〜(1−12)中、Gはグリシジル基を示す。〕
前記エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は、優れた弾性及び低線膨張性を有する硬化物を形成可能なエポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、300〜500g/eqの範囲が好ましく、またその溶融粘度としては、150℃において0.1〜40dPa・sの範囲が好ましい。
前記エポキシ樹脂(A)の製造方法としては、特に制限されず、どのような方法にて製造してもよい。例えば、下記一般式(2)で表されるフェノール樹脂(A−1)とエピハロヒドリン(A−2)を含む反応原料を反応させて得られるもの等が挙げられる。
Figure 2021195421
〔式(2)中、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素原子数4〜8のアルキル基又はアラルキル基であり、lは0,1,2のいずれかであり、mは0又は1であり、nは0又は1であり(但し、l=m=n=0の場合を除く)、R、Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数4〜8のアルキル基又はアラルキル基であり、R、R、R、Rはそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、R、R、のうちいずれかはアルキル基又はアリール基であり、R、Rのうちいずれかはアルキル基又はアリール基であり、p、q、rはそれぞれ独立に0又は1であり(但し、p=q=r=0の場合を除く)、sは繰り返し数を示し、0〜10の整数である。〕
前記フェノール樹脂(A−1)は、前記一般式(2)中のR、R、R、すなわち芳香環上の置換基として炭素原子数4〜8のアルキル基又はアラルキル基を1分子中に少なくとも1つ有する。このような比較的嵩高い置換基を有することにより、硬化反応時の架橋密度が適切に調整され、加熱硬化時の成形収縮率が低いものになると考えられる。前記アルキル基としては、優れた弾性及び低線膨張性を有する硬化物を形成可能なエポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基等の分岐構造を有するアルキル基が好ましく、t−ブチル基又はt−オクチル基がより好ましい。前記アラルキル基としては、優れた弾性及び低線膨張性を有する硬化物を形成可能なエポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、炭素原子数7〜15のアラルキル基が好ましく、ベンジル基がより好ましい。
前記一般式(2)で表される前記フェノール樹脂(A−1)としては、例えば、下記構造式(2−1)〜(2−12)等が挙げられる。これらのフェノール樹脂は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
Figure 2021195421
前記フェノール樹脂(A−1)の製造方法としては、特に制限されず、どのような方法にて製造してもよい。例えば、芳香環上に炭素原子数4〜8のアルキル基を有するジヒドロキシベンゼン(I)と、アルキル基又はアリール基を有するアルデヒド化合物(II)を用いて、自己酸化による分子内閉環反応を用いて製造する方法等が挙げられる。
前記ジヒドロキシベンゼン(I)としては、例えば、モノアルキルジヒドロキシベンゼン、ジアルキルジヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
前記モノアルキルジヒドロキシベンゼンとしては、例えば、n−ブチルハイドロキノン、n−ブチルレゾルシノール、n−ブチルカテコール、sec−ブチルハイドロキノン、sec−ブチルレゾルシノール、sec−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、t−ブチルレゾルシノール、t−ブチルカテコール、n−ヘキシルハイドロキノン、n−ヘキシルレゾルシノール、4−オクチルカテコール等が挙げられる。
前記ジアルキルジヒドロキシベンゼンとしては、例えば、3,5−ジ−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン等が挙げられる。
これらのジヒドロキシベンゼンは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、これらの中でも、優れた弾性及び低線膨張性を有する硬化物を形成可能なエポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、より嵩高い構造のアルキル基を有するものであることが好ましく、t−ブチルカテコール、3,5−ジ−t−ブチルカテコールがより好ましい。
前記アルキル基又はアリール基を有するアルデヒド化合物(II)としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラアルデヒド、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、ナフトアルデヒド、アントラアルデヒド等が挙げられる。優れた弾性及び低線膨張性を有する硬化物を形成可能なエポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、ベンズアルデヒドが好ましい。ベンズアルデヒドを原料として用いる場合には、アラルキル化が起こるため、無置換のジヒドロキシベンゼンを原料としても、目的とするフェノール樹脂を得ることができる。
前記ジヒドロキシベンゼン(I)と、前記アルデヒド化合物(II)との反応割合は、塩基性触媒の存在下で、前記ジヒドロキシベンゼン(I)1モルに対して前記アルデヒド化合物(II)を0.3〜0.9モル反応させることが好ましく、0.4〜0.8モル反応させることがより好ましい。なお、反応終了後は、反応混合物のpH値が6〜8になるまで中和あるいは水洗処理を行うことが好ましい。中和処理や水洗処理は常法にしたがって行えばよく、例えば、第一リン酸ソーダなどの酸性物質を中和剤として用いることができる。中和あるいは水洗処理を行った後は、減圧加熱下で有機溶剤を留去することで目的のフェノール樹脂を好適に得ることができる。
前記塩基性触媒としては、例えば、N−メチルモルフォリン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリ−n−ブチルアミンもしくはジメチルベンジルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、1,4−ジエチルイミダゾール、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアミン化合物;トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等の四級アンモニウム塩;トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物;テトラメチルホスホニウムクロライド、テトラエチルホスホニウムクロライド、テトラプロピルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、トリメチル(2−ヒドロキシルプロピル)ホスホニウムクロライド、トリフェニルホスホニウムクロライド、ベンジルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩;ジブチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、オクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジネオデカノエート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ドデカノイルジスタノキサン等の有機錫化合物;オクチル酸亜鉛、オクチル酸ビスマス等の有機金属化合物;オクタン酸錫等の無機錫化合物;無機金属化合物などが挙げられる。また、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物等を用いることもできる。特にエポキシ樹脂合成反応の触媒活性に優れることからアルカリ金属水酸化物が好ましく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムがより好ましい。これらの塩基性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。なお、前記塩基性触媒の使用に際しては、10質量%〜55質量%程度の水溶液の形態で使用してもよいし、固形の形態で使用してもよい。
前記ジヒドロキシベンゼン(I)と、前記アルデヒド化合物(II)との反応は、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよい。
前記有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキソラン等の環状エーテル溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤;トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族溶剤;カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール溶剤;アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート等のグリコールエーテル溶剤;メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、前記有機溶剤の使用量は、反応効率が良好となることから、反応原料の合計質量に対し0.1〜5倍量程度の範囲で用いることが好ましい。
また、前記フェノール樹脂(A−1)としては、前記ジヒドロキシベンゼン(I)及び前記アルデヒド化合物(II)のほかに、必要に応じて、原料として更に、モノヒドロキシ芳香族化合物を併用することもできる。前記モノヒドロキシ芳香族化合物としては、このうちとしては、例えば、フェノール、o−クレゾール、p−クレゾール、m−クレゾール、ブチルフェノール、キシレノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール等のアルキルフェノール類、フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アミルフェノール、ピロガロール、アリルフェノール、ビスフェノールフルオレン類などの単環式モノヒドロキシ芳香族化合物、1−ナフトール、2ナフトール等の多環式モノヒドロキシ芳香族化合物が挙げられる。これらの物ヒドロキシ芳香族化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記エピハロヒドリン(A−2)としては、例えば、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等が挙げられる。これらのエピハロヒドリンは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、これらの中でも、反応を制御しやすいことから、エピクロルヒドリンが好ましい。
前記フェノール樹脂(A−1)と前記エピハロヒドリン(A−2)との反応は、例えば、フェノール樹脂(A−1)に含まれる水酸基1モルに対し、エピハロヒドリン(A−2)を1〜10モルを添加し、更に、原料の水酸基1モルに対し0.9〜2.0モルの塩基性触媒を一括添加又は徐々に添加しながら20〜120℃の温度で0.5〜10時間反応させエポキシ化反応を行う方法等が挙げられる。この塩基性触媒は固形でもその水溶液を使用してもよく、水溶液を使用する場合は、連続的に添加すると共に、反応混合物中から減圧下、又は常圧下、連続的に水及びエピハロヒドリンを留出せしめ、更に分液して水は除去しエピハロヒドリンは反応混合物中に連続的に戻す方法でもよい。
なお、工業生産を行う際、エポキシ樹脂生産の初バッチでは仕込みに用いるエピハロヒドリンの全てが新しいものであるが、次バッチ以降は、粗反応生成物から回収されたエピハロヒドリンと、反応で消費される分で消失する分に相当する新しいエピハロヒドリンとを併用することが好ましい。この際、グリシドール等、エピクロルヒドリンと水、有機溶剤等との反応により誘導される不純物を含有していても良い。この時、使用するエピハロヒドリンは特に限定されないが、例えば、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン等が挙げられる。これらの中でも、工業的に入手が容易なことからエピクロルヒドリンが好ましい。
なお、前述のエポキシ化反応で得られたエポキシ樹脂は、必要に応じて、水洗し、加熱減圧下、蒸留によって未反応のエピハロヒドリンや併用する有機溶媒を留去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、得られたエポキシ樹脂を再びトルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等の有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えてさらに反応を行うこともできる。この際、反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合のその使用量としては、用いるエポキシ樹脂に対して0.1質量%〜3.0質量%の範囲が好ましい。反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することにより高純度のエポキシ樹脂を得ることができる。
特に前記フェノール樹脂(A−1)とエピハロヒドリン(A−2)とを反応させる際、溶媒中の水分濃度を5〜25%とすることにより、効率的に目的とするエポキシ樹脂を得ることができる。
前記塩基性触媒としては、上述の塩基性触媒として例示したものと同様のものを用いることができ、前記塩基性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
また、前記エポキシ樹脂(A)の製造において、本発明の効果を損なわない範囲で、その他のフェノール化合物を併用することもできる。
前記不飽和一塩基酸(B)とは、一分子中に酸基及び重合性不飽和結合を有する化合物をいう。前記酸基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基等が挙げられる。前記不飽和一塩基酸(B)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、α−シアノ桂皮酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸等が挙げられる。また、前記不飽和一塩基酸のエステル化物、酸ハロゲン化物、酸無水物等も用いることができる。これらの不飽和一塩基酸(B)は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、これらの中でも、優れた弾性及び低線膨張性を有する硬化物を形成可能なエポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
本発明のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法にて製造してもよい。例えば、反応原料の全てを一括で反応させる方法で製造してもよいし、反応原料を順次反応させる方法で製造してもよい。
前記エポキシ樹脂(A)と、前記不飽和一塩基酸(B)との反応割合は、得られるエポキシ(メタ)アクリレート樹脂がエポキシ基と(メタ)アクリロイル基を有するものとなり、低粘度なエポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、前記エポキシ樹脂(A)が有するエポキシ基1モルに対する、前記不飽和一塩基酸(B)が有する酸基のモル数が、0.2〜0.8となる範囲が好ましく、0.25〜0.75となる範囲がより好ましい。本反応は、例えば、適当な塩基性触媒の存在下、80〜140℃程度の温度条件下で加熱撹拌して行うことができる。また、前記工程2の反応は、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよい。
前記塩基性触媒としては、上述の塩基性触媒として例示したものと同様のものを用いることができ、前記塩基性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記有機溶剤としては、上述の有機溶剤と同様のものを用いることができ、前記有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、前記有機溶剤の使用量は、反応効率が良好となることから、反応原料の合計質量に対し0.1〜5倍量程度の範囲で用いることが好ましい。
本発明のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、分子構造中に重合性の(メタ)アクリロイル基を有することから、例えば、光重合開始剤を添加することにより硬化性樹脂組成物として利用することができる。
前記光重合開始剤は、照射する活性エネルギー線の種類等により適切なものを選択して用いればよい。また、アミン化合物、尿素化合物、含硫黄化合物、含燐化合物、含塩素化合物、ニトリル化合物等の光増感剤と併用してもよい。
前記光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン等の光ラジカル重合開始剤などが挙げられる。
前記その他の光重合開始剤の市販品としては、例えば、「Omnirad 1173」、「Omnirad 184」、「Omnirad 127」、「Omnirad 2959」、「Omnirad 369」、「Omnirad 379」、「Omnirad 907」、「Omnirad 4265」、「Omnirad 1000」、「Omnirad 651」、「Omnirad TPO」、「Omnirad 819」、「Omnirad 2022」、「Omnirad 2100」、「Omnirad 754」、「Omnirad 784」、「Omnirad 500」、「Omnirad 81」(IGM Resins社製);「KAYACURE DETX」、「KAYACURE MBP」、「KAYACURE DMBI」、「KAYACURE EPA」、「KAYACURE OA」(日本化薬株式会社製);「Vicure 10」、「Vicure 55」(Stoffa Chemical社製);「Trigonal P1」(Akzo Nobel社製)、「SANDORAY 1000」(SANDOZ社製);「DEAP」(Upjohn Chemical社製)、「Quantacure PDO」、「Quantacure ITX」、「Quantacure EPD」(Ward Blenkinsop社製);「Runtecure 1104」(Runtec社製)等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記光重合開始剤の添加量は、例えば、硬化性樹脂組成物の溶剤以外の成分の合計に対し0.05〜15質量%の範囲が好ましく、0.1〜10質量%の範囲がより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前述したエポキシ(メタ)アクリレート樹脂以外の樹脂成分(以下、「その他の樹脂成分」と称することがある。)を含有しても良い。前記その他の樹脂成分としては、エポキシ樹脂、各種の(メタ)アクリレートモノマー等が挙げられる。
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェニレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、トリヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記各種の(メタ)アクリレートモノマーとしては、(メタ)アクリロイル基を有するものであれば特に制限されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等の脂肪族モノ(メタ)アクリレート化合物;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチルモノ(メタ)アクリレート等の脂環型モノ(メタ)アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等の複素環型モノ(メタ)アクリレート化合物;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、ベンジルベンジル(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族モノ(メタ)アクリレート化合物等のモノ(メタ)アクリレート化合物:前記各種のモノ(メタ)アクリレートモノマーの分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等のポリオキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性モノ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のモノ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性モノ(メタ)アクリレート化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族ジ(メタ)アクリレート化合物;1,4−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の脂環型ジ(メタ)アクリレート化合物;ビフェノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート等の芳香族ジ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のジ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入したポリオキシアルキレン変性ジ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のジ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性ジ(メタ)アクリレート化合物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等の脂肪族トリ(メタ)アクリレート化合物;前記脂肪族トリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性トリ(メタ)アクリレート化合物;前記脂肪族トリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性トリ(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の脂肪族ポリ(メタ)アクリレート化合物;前記脂肪族ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した4官能以上の(ポリ)オキシアルキレン変性ポリ(メタ)アクリレート化合物;前記脂肪族ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入した4官能以上のラクトン変性ポリ(メタ)アクリレート化合物;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート化合物;前記水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体;2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等のイソシアネート基含有(メタ)アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、エポキシシクロへキシルメチル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマーや、ドロキシベンゼンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル、ビフェノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールジグリシジルエーテルのジグリシジルエーテル化合物のモノ(メタ)アクリレート化物等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。前記各種の(メタ)アクリレートモノマーは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、硬化物、硬化促進剤、有機溶剤、無機微粒子やポリマー微粒子、顔料、消泡剤、粘度調整剤、レベリング剤、難燃剤、保存安定化剤等の各種添加剤を含有することもできる。
前記硬化剤としては、前記エポキシ(メタ)アクリレート樹脂中のエポキシ基と反応し得る官能基を有するものであれば特に制限されず、例えば、多塩基酸、多塩基酸無水物、不飽和一塩基酸、アミン化合物、アミド化合物等が挙げられる。
前記多塩基酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ビフェニルトリカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等が挙げられる。また、前記多塩基酸としては、例えば、共役ジエン系ビニルモノマーとアクリロニトリルとの共重合体であって、その分子中にカルボキシル基を有する重合体も用いることができる。これらの多塩基酸は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記多塩基酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、無水コハク酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、オクテニル無水コハク酸、テトラプロぺニル無水コハク酸等が挙げられる。これらの多塩基酸無水物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記不飽和一塩基酸としては、上述の不飽和一塩基酸(B)と同様のものを用いることができ、前記不飽和一塩基酸は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記アミン化合物としては、例えば、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF3−アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられる。これらのアミン化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
アミド系化合物としては、例えば、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。これらのアミド化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記硬化促進剤としては、硬化反応を促進するものであり、例えば、リン系化合物、アミン系化合物、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。これらの硬化促進剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、前記硬化促進剤の添加量は、例えば、前記硬化性樹脂組成物の固形分中に0.01〜10質量%の範囲で用いることが好ましい。
前記有機溶剤としては、上述の有機溶剤と同様のものを用いることができ、これらの有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
本発明の硬化物は、前記硬化性樹脂組成物に、活性エネルギー線を照射することで得ることができる。前記活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等の電離放射線が挙げられる。また、前記活性エネルギー線として、紫外線を用いる場合、紫外線による硬化反応を効率よく行う上で、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で照射してもよく、空気雰囲気下で照射してもよい。
紫外線発生源としては、実用性、経済性の面から紫外線ランプが一般的に用いられている。具体的には、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ガリウムランプ、メタルハライドランプ、太陽光、LED等が挙げられる。
前記活性エネルギー線の積算光量は、特に制限されないが、10〜5,000mJ/cm範囲が好ましく、50〜1,000mJ/cmの範囲がより好ましい。積算光量が上記範囲であると、未硬化部分の発生の防止又は抑制ができることから好ましい。
なお、前記活性エネルギー線の照射は、一段階で行ってもよいし、二段階以上に分けて行ってもよい。
本発明の物品は、前記硬化物からなる塗膜を有するものである。前記物品としては、例えば、携帯電話、家電製品、自動車内外装材、OA機器等のプラスチック成形品や、半導体デバイス、表示デバイス、撮像デバイスなどが挙げられる。
以下に、実施例および比較例をもって本発明をより詳しく説明する。
本実施例において、重量平均分子量(Mw)は、下記条件のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定した。
<GPC測定条件>
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
本実施例において、13C−NMRは以下の条件にて測定した。
装置:日本電子株式会社製 AL−400、
測定モード:逆ゲート付きデカップリング、
溶媒:重水素化クロロホルム、
パルス角度:30°パルス、
試料濃度 :30wt%、
積算回数 :4000回。
<MSの測定条件>
MSスペクトルは、日本電子株式会社製の二重収束型質量分析装置「AX505H(FD505H)」を用いて測定した。
(合成例1:フェノール樹脂(1)の合成)
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら4−t−ブチルカテコール166質量部(1モル)、ベンズアルデヒド64質量部(0.6モル)、キシレン230質量部を仕込み溶解させた。140℃に昇温した後に、49質量%水酸化ナトリウム水溶液14質量部(0.17モル)を添加し、150℃に昇温して6時間反応させた。その後キシレン、水を抜きながら200℃まで昇温し、更に18時間反応させた。反応終了後、キシレン400質量部を加えて80℃まで冷却し、中和水洗して洗浄液のpHが中性となるまで水200質量部で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去してフェノール樹脂(1)を得た。このフェノール樹脂(1)の水酸基当量は188g/eqであった。また、フェノール樹脂(1)のGPCチャートを図1に示し、13C−NMRチャートを図2に示し、MSスペクトルを図3に示す。なお、GPCから下記構造式で表される物質の含有率は66%であった。
Figure 2021195421
(合成例2:エポキシ樹脂(1)の合成)
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら合成例1で得たフェノール樹脂(1)188質量部(水酸基当量1.0g/eq)、エピクロルヒドリン555質量部(6.0モル)、n−ブタノール53質量部を仕込み溶解させた。50℃に昇温した後に、20質量%水酸化ナトリウム水溶液220質量部(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。次に、得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン300質量部とn−ブタノール50質量部とを加え溶解した。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水100質量部で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去してエポキシ樹脂(1)を得た。このエポキシ樹脂のエポキシ当量は376g/eqであった。また、エポキシ樹脂(1)のGPCチャートを図4に示し、13C−NMRスペクトルを図5に示し、FD−MSスペクトルを図6に示す。なお、GPCから下記構造式で表される物質の含有率は48%であった。
Figure 2021195421
(比較合成例1:フェノール樹脂(2)の合成)
撹拌装置と加熱装置が付いた1リットル四つ口フラスコに、トリメチルハイドロキノン152質量部(1.0モル)をトルエン500質量部とエチレングリコールモノエチルエーテル200質量部の混合溶媒に溶解した。その溶液にパラトルエンスルホン酸4.6質量部を加え、ベンズアルデヒド64質量部(0.6モル)を発熱に注意しながら滴下して、水分を留去しながら100〜120℃で15時間撹拌した。次いで、冷却して析出結晶を濾別し、中性になるまで繰り返し水で洗浄した後に、乾燥してフェノール樹脂(2)を得た。
(比較合成例2:エポキシ樹脂(2)の合成)
合成例2で用いたフェノール樹脂(A−1)をフェノール樹脂(2)187質量部(水酸基当量1.0g/eq)に変更した以外は合成例2と同様にして、エポキシ樹脂(2)を得た。得られたエポキシ樹脂(2)のエポキシ当量は272g/eqであった。
(実施例1:エポキシアクリレート樹脂(1)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、酢酸ブチル103質量部、合成例2で得られたエポキシ樹脂(1)376質量部を添加し、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.21質量部、熱重合禁止剤としてメトキノン0.21質量部加えた後、アクリル酸36質量部、トリフェニルホスフィン0.21質量部を添加し、空気を吹き込みながら100℃で13時間エステル化反応を行った。酸価が1mgKOH/g以下であることを確認してから、シュウ酸0.21質量部を添加した。70℃で3時間撹拌し、目的のエポキシアクリレート樹脂(1)を得た。このエポキシアクリレート樹脂(1)の固形分のエポキシ当量は835(g/eq)であった。また、エポキシ樹脂(1)が有するエポキシ基1モルに対するアクリル酸のモル数は、0.5であった。
(実施例2:エポキシアクリレート樹脂(2)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、酢酸ブチル112質量部、合成例2で得られたエポキシ樹脂(1)376質量部を添加し、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.44質量部、熱重合禁止剤としてメトキノン0.22質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン2.2質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間エステル化反応を行い、目的のエポキシアクリレート樹脂(2)を得た。このエポキシアクリレート樹脂(2)の固形分のエポキシ当量は12050(g/eq)であった。また、エポキシ樹脂(1)が有するエポキシ基1モルに対するアクリル酸のモル数は、1.0であった。
(実施例3:エポキシアクリレート樹脂(3)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、酢酸ブチル43質量部、合成例2で得られたエポキシ樹脂(1)376質量部を添加し、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.19質量部、熱重合禁止剤としてメトキノン0.19質量部加えた後、アクリル酸10.8質量部、トリフェニルホスフィン0.19質量部を添加し、空気を吹き込みながら100℃で8時間エステル化反応を行った。酸価が1mgKOH/g以下であることを確認してから、シュウ酸0.19質量部を添加した。70℃で3時間撹拌し、目的のエポキシアクリレート樹脂(3)を得た。このエポキシアクリレート樹脂(3)の固形分のエポキシ当量は471(g/eq)であった。また、エポキシ樹脂(1)が有するエポキシ基1モルに対するアクリル酸のモル数は、0.15であった。
(実施例4:エポキシアクリレート樹脂(4)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、酢酸ブチル43.8質量部、合成例2で得られたエポキシ樹脂(1)376質量部を添加し、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.2質量部、熱重合禁止剤としてメトキノン0.2質量部加えた後、アクリル酸18質量部、トリフェニルホスフィン0.2質量部を添加し、空気を吹き込みながら100℃で10時間エステル化反応を行った。酸価が1mgKOH/g以下であることを確認してから、シュウ酸0.2質量部を添加した。70℃で3時間撹拌し、目的のエポキシアクリレート樹脂(4)を得た。このエポキシアクリレート樹脂(4)の固形分のエポキシ当量は543(g/eq)であった。また、エポキシ樹脂(1)が有するエポキシ基1モルに対するアクリル酸のモル数は、0.25であった。
(実施例5:エポキシアクリレート樹脂(5)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、酢酸ブチル107.5質量部、合成例2で得られたエポキシ樹脂(1)376質量部を添加し、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.43質量部、熱重合禁止剤としてメトキノン0.22質量部加えた後、アクリル酸54質量部、トリフェニルホスフィン1.7質量部を添加し、空気を吹き込みながら100℃で10時間エステル化反応を行った。酸価が1mgKOH/g以下であることを確認してから、シュウ酸1.7質量部を添加した。70℃で3時間撹拌し、目的のエポキシアクリレート樹脂(5)を得た。このエポキシアクリレート樹脂(5)の固形分のエポキシ当量は1805(g/eq)であった。また、エポキシ樹脂(1)が有するエポキシ基1モルに対するアクリル酸のモル数は、0.75であった。
(実施例6:エポキシアクリレート樹脂(6)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、酢酸ブチル109.3質量部、合成例2で得られたエポキシ樹脂(1)376質量部を添加し、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.44質量部、熱重合禁止剤としてメトキノン0.22質量部加えた後、アクリル酸61.2質量部、トリフェニルホスフィン1.7質量部を添加し、空気を吹き込みながら100℃で12時間エステル化反応を行った。酸価が1mgKOH/g以下であることを確認してから、シュウ酸1.7質量部を添加した。70℃で3時間撹拌し、目的のエポキシアクリレート樹脂(6)を得た。このエポキシアクリレート樹脂(6)の固形分のエポキシ当量は3071(g/eq)であった。また、エポキシ樹脂(1)が有するエポキシ基1モルに対するアクリル酸のモル数は、0.85であった。
(比較例1:エポキシアクリレート樹脂(R1)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、比較合成例2で得られたエポキシ樹脂(2)272質量部を添加し、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.15質量部、熱重合禁止剤としてメトキノン0.15質量部加えた後、アクリル酸36質量部、トリフェニルホスフィン0.15質量部を添加し、空気を吹き込みながら100℃で10時間エステル化反応を行った。酸価が1mgKOH/g以下であることを確認してから、シュウ酸0.15質量部を添加した。70℃で3時間撹拌し、エポキシアクリレート樹脂(R1)を得た。このエポキシアクリレート樹脂(R1)のエポキシ当量は629(g/eq)であった。
(実施例7:硬化性樹脂組成物(1)の調製)
実施例1で得たエポキシアクリレート樹脂(1)50質量部と、アクリレートモノマー50質量部と、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1質量部と、光重合性開始剤(IGM Resins社製「Omnirad 907」)5質量部と、光重合性開始剤(IGM Resins社製「Omnirad TPO」)3質量部を混合し、硬化性樹脂組成物(1)を得た。
(実施例8〜12:硬化性樹脂組成物(2)〜(6)の調製)
実施例7で用いたエポキシアクリレート樹脂(1)の代わりに、実施例2〜6で得たエポキシアクリレート樹脂(2)〜(6)を表1に示した配合量で用いた以外は、実施例7と同様にして、硬化性樹脂組成物(2)〜(6)を得た。
(比較例2:硬化性樹脂組成物(R1)の調製)
実施例7で用いたエポキシアクリレート樹脂(1)の代わりに、比較例1で得たエポキシアクリレート樹脂(R1)を表1に示した配合量で用いた以外は、実施例7と同様にして、硬化性樹脂組成物(R1)を得た。
上記の実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物(1)〜(6)、及び(R1)を用いて、下記の評価を行った。
[線膨張性の評価方法]
線膨張性の評価は、平均線膨張率の測定により行った。
<試験片の作製>
実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物を、アプリケーターを用いて古河産業株式会社製の電解銅箔「F2−WS」上に膜厚50μmとなるように塗布し、80℃で30分乾燥させた。次いで、乾燥させた塗膜に、メタルハライドランプを用いて1000mJ/cmの紫外線を照射した後、160℃で1時間加熱した。得られた積層体を20mm×5mmのサイズに切り出し、試験片を得た。
<平均線膨張率の測定>
前記試験片を熱機械分析装置(TMA:株式会社島津製作所社製「TMA−60」)を用いて、引張りモードで窒素雰囲気下、以下の測定条件において試験片の熱機械分析を行った。なお、測定は、同一サンプルにつき2回実施し、2回目の測定における、40℃から60℃の温度範囲における平均線膨張率を線膨張係数(10−6/℃)として評価した。
測定条件:測定架重50mN、昇温速度10℃/分で2回、測定温度範囲(1回目)25℃から220℃、(2回目)−40℃から220℃
[弾性の評価方法]
弾性の測定は、引張試験に基づいて行った。
<試験片の作製>
電解銅箔「F2−WS」上に実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物を50μmのアプリケーターで塗布し、80℃で30分間乾燥させた。メタルハライドランプを用いて1000mJ/cmの紫外線を照射した後、160℃で1時間加熱した。電解銅箔「F2−WS」から硬化物を剥離し、試験片(硬化物)を得た。
<引張試験>
前記試験片を10mm×80mmの大きさに切り出し、株式会社島津製作所製精密万能試験機オートグラフ「AG−IS」を用いて、下記の測定条件で試験片の引張試験を行った。試験片が破断するまでの弾性率(MPa)を測定した。
測定条件:温度23℃、湿度50%、標線間距離20mm、支点間距離20mm、引張速度10mm/分
実施例7〜12で作製した硬化性樹脂組成物(1)〜(6)、及び比較例2で作製した硬化性樹脂組成物(R1)の組成及び評価結果を表1示す。
Figure 2021195421
なお、表1中の「アクリレートモノマー」は、ビスフェノールAのEO変性ジアクリレート(Miwon Specialty Chemical社製「Miramaer M240」)を示す。
表1に示した実施例7〜12は、本発明のエポキシアクリレート樹脂を用いた硬化性樹脂組成物の例である。本発明のエポキシアクリレート樹脂は低い線膨張率を有し、低線膨張性に優れ、また弾性にも優れることが確認できた。
一方、比較例2は、本発明のエポキシ樹脂を用いない硬化性樹脂組成物の例である。この硬化性樹脂組成物は、低線膨張性が不十分であり、また、弾性に関しても著しく不十分であることが確認できた。

Claims (11)

  1. エポキシ樹脂(A)と、
    不飽和一塩基酸(B)と、
    を必須原料とするエポキシ(メタ)アクリレート樹脂であって、
    前記エポキシ樹脂(A)が、下記一般式(1)で表されるキサンテン型エポキシ樹脂であることを特徴とするエポキシ(メタ)アクリレート樹脂。
    Figure 2021195421
    〔式(1)中、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素原子数4〜8のアルキル基又はアラルキル基であり、lは0,1,2のいずれかであり、mは0又は1であり、nは0又は1であり(但し、l=m=n=0の場合を除く)、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数4〜8のアルキル基又はアラルキル基であり、R、R、R、Rはそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、R、R、のうちいずれかはアルキル基又はアリール基であり、R、Rのうちいずれかはアルキル基又はアリール基であり、p、q、rはそれぞれ独立して、0又は1であり(但し、p=q=r=0の場合を除く)、Gはグリシジル基であり、sは繰り返し数を示し、0〜10の整数である。〕
  2. 前記一般式(1)中のR及びRが、アリール基である請求項1記載のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂。
  3. 前記エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が、300〜500g/eqの範囲である請求項1又は2記載のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂。
  4. 前記一般式(1)におけるs=0の化合物の含有率が、GPC測定における面積比で30〜50%の範囲である請求項1〜3のいずれか1項記載のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂。
  5. 前記エポキシ樹脂(A)が有するエポキシ基1モルに対する、前記不飽和一塩基酸(B)が有する酸基のモル数が、0.2〜0.8の範囲である請求項1〜4のいずれか1項記載のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂。
  6. 前記エポキシ(メタ)アクリレート樹脂が、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有するものである請求項1〜5のいずれか1項記載のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂と、光重合開始剤とを含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  8. さらに、有機溶剤を含有するものである請求項7記載の硬化性樹脂組成物。
  9. さらに、(メタ)アクリレートモノマーを含有するものである請求項7又は8記載の硬化性樹脂組成物。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項記載の硬化性樹脂組成物の硬化物。
  11. 請求項10記載の硬化物からなる塗膜を有することを特徴とする物品。
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