図1は、本発明の一実施形態に係るPOS(Point Of Sales)システムのネットワーク構成図である。図1に示すPOSシステム1は、3台の第1POS端末20−1、第2POS端末20−2、第3POS端末20−3と、ストアコントローラ(ストアコンピュータ、管理装置)10を備え、夫々はLAN11を介して通信可能に接続されている。以下、第1POS端末20−1、第2POS端末20−2、第3POS端末20−3について特に区別しない場合には、POS端末20と総称する。
図2は、POS端末の設置例を示す図である。図2(A)は、POS端末20等を客側から見た斜視図である。図2(B)は、POS端末20等を店員側から見た斜視図である。図2(A)に示すように客側から見てPOS端末20の右側にカウンタが置かれている。
図3は、POS端末の外観例を示す図である。図3(A)は、POS端末20を客側から見た斜視図である。図3(B)は、POS端末20を店員側から見た斜視図である。図4は、POS端末20の構成例を示す図である。図3及び図4において、同一部分には同一符号を付している。
以下、図3を参照しつつ、図4に示したPOS端末20の構成例を説明する。POS端末20は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ハードディスク204と、客側表示部205と、客側スキャナ部206と、カード決済部208と、釣銭機209と、店員側表示部210と、キー操作部211と、店員側スキャナ部212と、印刷部213と、音声出力部214と、通信部215とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、POS端末20の動作を制御する。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
RAM203は、読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、外部から取得した情報(例えば、ストアコントローラ10から取得した商品マスタ等)や、処理において生成した情報(例えば、登録処理において生成した登録情報、精算処理において生成した精算情報等)を記憶する。なお、以下の説明において、登録情報と精算情報の何れか一方又は両方を取引情報と称する場合がある。
ハードディスク204は、種々の情報を記憶する。ハードディスク204は、例えば、ROM202に代えて、CPU201が実行するプログラム等を記憶してもよい。また、RAM203に代えて、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶してもよい。
客側表示部205は、客用のタッチディスプレイであり、客に種々の情報を表示するとともに、客から種々の入力を受け付ける。
客側スキャナ部206は、客用のスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード等)等を光学的に読み取る。
なお、客側スキャナ部206は、客が商品を登録する際に用いられるが、客は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、客側表示部205に、商品のプリセットボタン等が表示されている場合、客は、プリセットボタンを操作(押下)し、商品を登録することができる。
カード決済部208は、各種カード(クレジットカード、デビットカード、交通系カード等)による決済機構である。本実施形態のカード決済部208は、カード認識部(読取部)や表示部や操作部を備えるが、少なくとも、カード認識部を備えるものであればよい。カード認識部は、磁気データやICを読み取ることによってカードを識別する。クレジットカードやデビットカードで決済を行う際には、暗証番号等を入力する必要がある。このため、カード認識部は、「PIN入力のためのテンキー」を備えていてもよい。
釣銭機209(現金決済部)は、現金による決済機構であり、紙幣や硬貨の投入口、紙幣や硬貨の排出口を有し、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。また、不良硬貨などの識別不能な硬貨を排出するためのリジェクト排出口を備えていてもよい。
店員側表示部210は、店員用のタッチディスプレイであり、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。
キー操作部211は、各種のキー(ボタン)から構成され、店員から種々の入力を受け付ける。
店員側スキャナ部212は、店員用のスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード等)や店員の名札に付された店員コード、商品券のバーコード等を光学的に読み取る。
なお、店員側スキャナ部212は、店員が商品を登録する際に用いられるが、店員は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、キー操作部211に、商品に対応するキー(例えば、スポーツ新聞に対応するキー等)が配置されている場合、店員は、当該キーを操作(押下)し、当該商品を登録することができる。また、店員側表示部210に、商品に対応するプリセットキーが表示されている場合、店員は、当該プリセットキーを操作し、当該商品を登録することができる。
印刷部213は、媒体を排出する印刷部であり、例えば、レシートや領収書等の種々の媒体を印刷、発行する。この印刷部213は、1台で店員側の印刷部と客側の印刷部とを共用している。例えば、印刷部213は、店員側から客側、客側から店員側に向き(媒体発行口の方向)を回転自在に変更可能に設けられている。印刷部213の向きは、手動で変更してもよいし、例えば動作モードの移行に応じて自動的に変更(メカ的に制御等)してもよい。また、印刷部の向き又は印刷部の向きの正誤をセンサなどで検出してもよい。
例えば、図3(A)では印刷部213の向き(媒体発行口の方向)が店員側を向いている例を示し、図3(B)では印刷部213の向き(媒体発行口の方向)が客側を向いている例を示している。なお、本実施形態では、印刷部213が1台で店員側の印刷部と客側の印刷部とを共用している例を示すが、これに限られるものではなく、店員側の印刷部と客側の印刷部とがそれぞれ別の印刷部として2台備えられてもよい。
音声出力部214は、音声を出力する。例えば、音声出力部214は、音声ガイダンス等を出力する。
通信部215は、他の装置(他のPOS端末20、ストアコントローラ10)との間において情報を送受信する。
(各動作モードの概要)
続いて、POS端末20の動作モードについて説明する。POS端末20は、複数の動作モードを有する。具体的には、POS端末20は、4種類の動作モード(通常モード、フルセルフモード、セミセルフモード)を有する。なお、以下の説明する動作モードは、通常業務中の動作モード(商品登録処理や会計処理に係る動作モード)であり、売上や在高等を集計、照会等する集計モード、店員や保守員等が設定作業や保守作業を行う際のメンテナンスモード、新人がトレーニングを行う際のトレーニングモード等は含まない。
図5〜図8は、POS端末の動作モードの概略を説明する図である。図5は、通常モードの概略を説明する図である。図5(A)は通常モードにおける処理(商品登録処理、会計処理)の流れや人(店員、客)の動作を表した模式図であり、図5(B)は通常モードにおけるPOS端末20の動作の基本的な流れを示したフローチャートである。
図6は、フルセルフモードの概略を説明する図である。図6(A)はフルセルフモードにおける処理(商品登録処理、会計処理)の流れや人(客)の動作を表した模式図であり、図6(B)はフルセルフモードにおけるPOS端末20の動作の基本的な流れを示したフローチャートである。
図7(A)はセミセルフモードにおける処理(商品登録処理、会計処理)の流れや人(客)の動作を表した模式図であり、図7(B)及び図7(C)はセミセルフモードにおけるPOS端末20の動作の基本的な流れを示したフローチャートである。
なお、以下の説明において、上述の3つの動作モードの分類とは別の切り口として、POS端末20が、商品登録処理を実行するモードを登録モード、精算処理を実行するモードを会計モード(または精算モード)と称する場合がある。
(通常モード)
通常モードは、図5(A)に示すように、店員側にて登録処理を実行し、客側にて精算処理を実行する動作モードである。即ち、図5(B)に示すように、通常モードの場合、店員側が登録モードになり、客側が会計モードになる。つまり、POS端末20は、登録処理〜精算処理の全体を通して見た場合、登録会計モードとして動作する。
通常モードの場合、店員は、客の買上商品を店員側(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211)にて登録する。つまり、POS端末20は、店員の操作(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211等の操作)により、買上商品の登録処理を実行する(図5(A)の上段)。
店員による登録処理が完了した場合、客は、店員側表示部210において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に貨幣を投入、または、カード決済部208を操作し、精算する(図5(A)の下段)。つまり、POS端末20は、客の操作等(釣銭機209への貨幣の投入、カード決済部208の操作)により、精算処理を実行する(図5(A)の下段)。
つまり、通常モードでは、図5(B)に示すように、初めは店員側において、例えば店員側スキャナ部212により商品がスキャン等され(ステップS10:YES)、商品を登録する(ステップS11)。小計キー(例えば、店員側表示部210に表示された小計キー、又は、キー操作部211に配置された小計キー等)の押下後は(ステップS30:YES)、客側において、例えば釣銭機209により精算が行われ(ステップS50)、処理が完了する。
なお、客は、店員による登録処理が完了する迄(合計金額が確定する迄)、待機していてもよいが、登録処理が完了する前に釣銭機209に貨幣を投入してもよい。つまり、POS端末20は、登録処理中において入金を受付可能である(図5(A)の上段)。
また、店員は、客による精算が完了する迄(客がお釣りやレシートを取る迄)、待機していてもよいが、次の客の買上商品を登録してもよい。つまり、POS端末20は、精算処理中において次客の買上商品を登録可能である(図5(A)の下段)。また、店員は、客による精算中に不在であってもよい(図5(A)の下段)。つまり、当該客の精算中には、当該客の応対を終えてもよい。
また、POS端末20は、お釣りがある場合には、お釣りの取り忘れを防止するため、釣銭機209による釣銭・釣札の払出しを制御し、客が釣銭・釣札を取り除いたことをセンサ等で認識した上で、印刷部213によるレシートの発行を制御する。他の動作モードにおいても同様である。なお、上述したように、通常モード(ダブルスキャンモードも同様)では、お釣りを受け取る客の前に店員がいる場合といない場合とがあるが、店員がいる場合は、必ずしも上述した制御を行わなくてもよい(即ち、釣銭・釣札の払出とレシートの発行とを同時に行ってもよいし、先にレシートを発行してもよい)。また、現在の動作モードや店員の存在/不在(例えば、店員の存在/不在はセンサにより認識)に応じて、釣銭・釣札の払出しとレシートの発行のタイミング等を制御してもよい。
(フルセルフモード)
フルセルフモードは、図6(A)に示すように、客側にて登録処理を実行し、客側にて精算処理を実行する動作モードである。即ち、図6(B)に示すように、フルセルフモードの場合、客側が登録モードにも会計モードにもなる。つまり、POS端末20は、登録処理〜精算処理の全体を通して見た場合、登録会計モードとして動作する。
フルセルフモードの場合、客は、買上商品を客側(客側スキャナ部206、客側表示部205)にて登録する。つまり、POS端末20は、客の操作等(客側スキャナ部206によるスキャン、客側表示部205へのタッチ)により、買上商品の登録処理を実行する(図6(A)の上段)。
登録処理が完了した場合、客は、客側表示部205において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に貨幣を投入、または、カード決済部208を操作し、精算する(図6(A)の下段)。つまり、POS端末20は、客の操作等(釣銭機209への貨幣の投入、カード決済部208の操作)により、精算処理を実行する(図6(A)の下段)。
つまり、フルセルフモードでは、図6(B)に示すように、客側において、例えば客側スキャナ部206により商品がスキャン等され(ステップS20:YES)、商品を登録する(ステップS21)。登録完了キー(例えば、客側表示部205に表示された登録完了キー等)の押下後は(ステップS40:YES)、客側において、例えば釣銭機209により精算が行われ(ステップS50)、処理が完了する。
なお、フルセルフモードは、上述したように、客側にて登録処理も精算処理も実行するが、店員側は何もできないという訳ではない。つまり、POS端末20は、フルセルフモードで動作しているときであっても、店員側スキャナ部212にて店員コードのスキャンが可能である。また、POS端末20は、フルセルフモードで動作しているときであっても、店員側表示部210における種々の情報の表示が可能である。
(セミセルフモード)
セミセルフモードは、2台以上のPOS端末20による動作モードであって、図7(A)に示すように、少なくとも1台のPOS端末20(図7の例では第1POS端末20−1)の店員側にて登録処理を実行し、他の1台のPOS端末20(図7の例では第2POS端末20−2、第3POS端末20−3のうちの1台)が登録情報を受信し、登録情報を受信したPOS端末20の客側にて精算処理を実行する動作モードである。即ち、セミセルフモードの場合、1台以上(図7の例では図7(B)に示すように第1POS端末20−1の1台)が登録専用モードになり、他の1台以上(図7の例では図7(C)に示すように第2POS端末20−2、第3POS端末20−3の2台)が会計専用モードになる。
セミセルフモードの場合、店員は、登録専用モードのPOS端末20において、客の買上商品を店員側(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211)にて登録する。つまり、POS端末20は、店員の操作(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211等の操作)により、買上商品の登録処理を実行する(図7(A)の上段)。
店員による登録処理が完了した場合、客は、会計専用モードのPOS端末20に移動し、店員側表示部210において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に貨幣を投入、または、カード決済部208を操作し、精算する(図7(A)の下段)。つまり、POS端末20は、客の操作等(釣銭機209への貨幣の投入、カード決済部208の操作)により、精算処理を実行する(図7(A)の下段)。
登録専用モードのPOS端末20(図7の例では第1POS端末20−1)において登録処理が完了した場合、客は、登録専用モードのPOS端末20から会計専用モードのPOS端末20(図7の例では第2POS端末20−2)に移動するが、移動先のPOS端末20には、精算処理に必要な情報(登録専用モードの第1POS端末20−1)において生成された登録情報等)が供給される。
なお、移動先のPOS端末20(会計専用モードのPOS端末20のうち精算処理を実行させるPOS端末20)は、登録専用モードのPOS端末20において指定してもよい。あるいは、登録専用モードのPOS端末20において媒体(精算処理に必要な情報を取得するためのバーコード等が印刷された媒体)を発行し、当該媒体を読み取らせた会計専用モードのPOS端末20を移動先のPOS端末20としてもよい。
つまり、セミセルフモードでは、はじめは、登録専用モードのPOS端末20(第1POS端末20−1)の店員側において商品を登録する。例えば、図7(B)に示すように、店員側スキャナ部212のスキャン等により(ステップS10:YES)、商品を登録する(ステップS11)。小計キー(例えば、店員側表示部210に表示された小計キー、又は、キー操作部211に配置された小計キー等)の押下後に(ステップS30:YES)、例えば会計専用モードのPOS端末20(第2POS端末20−2及び第3POS端末20−3の何れか一方)が指定されると(ステップS31:YES)、指定されたPOS端末20に登録情報が送信され(ステップS32)、登録専用モードのPOS端末20における、処理が完了する。
続いて、図7(C)に示すように、登録情報の受信後(ステップS49:YES)、会計専用モードのPOS端末20(即ち、登録専用モードのPOS端末20によって指定されたPOS端末20)は、客側において、例えば釣銭機209により精算が行われ(ステップS50)、会計専用モードのPOS端末20における、処理が完了する。
なお、店員は、登録情報を送信した後は、次の客の買上商品を登録可能である(図7(A)の下段)。また、店員は、登録情報を送信した後は、不在であってもよい(図7(A)の下段)。また、登録専用モードを設けないようにしてもよい。つまり、通常モードにおいても常に登録専用モードと同様に登録情報の他のPOS端末20への指定できればよい。通常モードにおいて、あえて送信機能を無効にする必要はない。この場合、通常モードでは、上述したような、店員側にて登録処理を実行し、該登録処理において生成した登録情報を用いて自端末の客側にて精算処理を実行する処理に加えて、店員側にて登録処理を実行し、該登録処理において生成した登録情報を他端末(精算処理を実行可能な他端末。例えば、他のPOS端末20)に送信(LAN11を介して、他端末に直接的に送信、又は、ストアコントローラ10や監視端末(非図示)経由して他端末に送信。以下、同様)する処理や、該登録処理において生成した登録情報等をコード(バーコード、2次元コード等)化して媒体に印刷し、お会計券として発行する処理についても実行可能である。つまり、通常モードのPOS端末20は、自端末において商品を登録して自端末において精算する機能に加え、自端末において商品を登録して他端末において精算させる機能も有する。また、通常モードのPOS端末20は、セミセルフモード(登録専用モード)のPOS端末20と同様、自端末で商品を登録して他端末にて精算させる機能を有するが、フルセルフモードのPOS端末20(通常モードのPOS端末20も同様)は、セミセルフモード(会計専用モード)のPOS端末20と同様、他端末で登録された商品を精算する機能を有していてもよい。つまり、フルセルフモードのPOS端末20や通常モードのPOS端末20は、他端末(セミセルフモード(登録専用モード)のPOS端末20、通常モードPOS端末20等)から登録情報を受信し(又は、お会計券を読み取り)、精算処理を実行してもよい。
(動作モードの報知)
POS端末20は、現在の動作モードを報知する。例えば、店員側表示部210において現在の動作モードを表示してもよい。具体的には、店員側表示部210に動作モード表示欄を有する画面を表示し、該画面上の動作モード表示欄に現在の動作モードを表示してもよい。また、各動作モードに対応する画像(例えば、ボタン風の画像)を配置した画面を店員側表示部210に表示し、該画面上において現在の動作モードを対応する画像を、現在の動作モードを対応しない画像と異なる表示態様(例えば、他の画像の表示態様よりも目立つ表示態様)にて表示してもよい。なお、客側表示部205においても同様に動作モードを表示してもよい。
また、POS端末20は、現在の動作モードに応じた情報を報知してもよい。例えば、客側表示部205において現在の動作モードに応じたメッセージを表示してもよい。具体的には、現在の動作モードがフルセルフモードである場合、例えば待機中であるときに、客自身が商品を登録する旨(「お客様にスキャンをお願いしております」等のメッセージ)を客側表示部205に表示(例えば、大きな文字でスクロール表示等)してもよい。
(セミセルフモードにおける登録情報の呼び戻し)
セミセルフモードにおいては、POS端末20、例えば第1POS端末20−1で登録処理が行われ、指定されたPOS端末20、例えば第2POS端末20−2で精算処理が行われる場合に、第1POS端末20−1から第2POS端末20−2に登録情報が送信される。セミセルフモードでは、第1POS端末20−1から第2POS端末20−2に送信された登録情報を第1POS端末20−1に呼び戻し可能とされている。登録情報の呼び戻しとは、POS端末(第2POS端末20−2)に登録情報を送信した後に、登録情報に基づいてPOS端末(第2POS端末20−2)が実行すべき精算処理を保留、あるいは中止させ、送信された登録情報をPOS端末(第1POS端末20−1)に戻すことである。呼び戻しは、一般には、例えばPOS端末(第1POS端末20−1)により登録した商品をキャンセルする場合や、買い足しのために商品を追加登録する場合など、登録情報等を訂正する場合に対応して行われる。登録情報等の訂正としては、具体的には、訂正は商品の追加、数量訂正、削除や特典による割引操作、会員識別情報の入力等がある。
登録情報の呼び戻しは、例えば、登録処理を行った後、客が車などに財布を忘れていることに気づいた場合に、財布を取りに戻ったり、お金が足りずに家族を探したりする場合などにも行われる。呼び戻し操作の後は、第2POS端末20−2は、他の操作を実行できるようにある。また、操作保留状態になり、訂正された登録情報を再度受信して精算処理を行うようにしてもよい。なお、第1POS端末20−1においては、呼び戻した登録情報を保留状態にし、他の客の商品登録を行うこともできる。
(第1POS端末20−1における店員側表示部210の表示)
以下、商品の登録から登録情報の送信及び送信した登録情報の呼び戻しを行う際のPOS端末20(第1POS端末20−1)における店員側表示部210の表示について図8及び図9を用いて説明する。図8及び図9は、第1POS端末20−1における店員側表示部の表示例である。なお、図8及び図9の説明において、第1POS端末20−1はセミセルフモードの登録専用モードであり、第2POS端末20−2はセミセルフモードの会計専用モードであるものとする。また、第3POS端末20−3は、フルセルフモードであるものとする。また、第1POS端末20−1において登録処理が行われ、第2POS端末20−2で精算処理が行われるものとする。
さらに、本実施形態において、POS端末20は、取引に関する特典付与条件を満たした場合に、客への特典が示された媒体(以下、「特典媒体」という)を発行する。本実施形態では、取引に関する特典付与条件として、登録された商品の代金の累計金額が所定金額以上となったこと、という条件を例にしている。特典媒体とは、代金の支払いに利用できる媒体であり、品券、金券、商品券、お買物券などと称されることがある。また、特典媒体は、特定の商品と引き換え可能な券であってもよい。さらに、一度の取引で、複数の特典媒体を発行してもよい。ここで、複数の特典媒体とは、特典媒体を1枚の紙としたとき、複数枚の特典媒体であってもよいし、1枚であっても、複数の特典が含まれる特典媒体であってもよい。1枚で複数の特典が含まれる特典媒体の例として、1枚の紙にミシン目が設けられた特典媒体であって、取引のたびにミシン目から切り離して使用する特典媒体が挙げられる。
また、上記累計金額とは、例えば過去1月での買い物の合計金額など、一の客の購入金額の累計を示す。POS端末20は、例えば会員カード等により客を特定し、当該客の購買データを参照することにより累計金額を取得する。また、所定金額は、3万円などの予め定められた金額である。この例の場合、一の客の過去1年での買い物合計金額が3万円以上となった場合に、特典媒体が発行される。
セミセルフモードにおいて、特典媒体を発行する例として、精算処理が確定する精算処理終了後に発行する形態が挙げられるが、この場合、精算処理終了時に客は店員を呼び出す必要がある。この呼出で客は待たされる上に、店員は呼び出されてから、特典媒体の発行が必要であることを認識するなど、店員や客の手間もかかってしまうという問題点がある。また、このような手間は時間を要するため、セミセルフモードの持ち味を損なってしまい、セミセルフモードの導入効果も薄まってしまうという問題がある。
こうした問題を解決するために、本実施形態では、店員の操作により商品の登録が行われる登録装置において特典媒体を発行する。これにより、店員が呼び出されたりすることや、客が待たされることは発生せず、セミセルフモードの導入効果を十分に享受可能となる。なお、登録装置において特典媒体を発行する場合、精算が確定していないため、例えば商品の登録を取り消した場合などが問題となるが、本実施形態では店員に特典媒体を回収させるための機能を設けたことで、この問題も解決されている。以下の説明では、登録された商品の登録を取り消すことを、単に商品を取り消すと表現することがある。
以下に説明する図8及び図9に示される取引において、登録された商品の代金の累計金額が所定金額以上となったため、POS端末20は、特典媒体を発行するものとする。本実施形態では、特典媒体としてお買物券を例に説明する。また、以下に説明する呼び戻し例では、2つの取引が行われ、2つめの取引において、1つめの取引での登録情報を呼び戻す形態について説明する。
図8は、第1POS端末20−1の店員側表示部210に表示される登録画面における表示例である。具体的には、図8は、2品目の商品(アスパラ)が登録された場面における登録画面の表示内容を示している。登録画面は、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード等)を店員が読み取り、登録処理が開始されてから表示される。
登録画面には、1取引ごとに対応する商品登録内容を示すシート(商品登録シート)が表示される。商品登録シートにはタブ(領域)(商品登録タブ(領域):見出し領域の一例)が付されている。図8においては、1つの商品登録タブ(領域)TAB−1が表示されている。商品登録タブ(領域)TAB−1には、任意の動物(こここでは「猫」)の図柄が表示されている。
図8において、「猫」の商品登録タブ(領域)TAB−1が付された商品登録シートの左下の画像GA01は、No2レジ(図1の第2POS端末20−2)の状態を示している。商品登録シートの左下の画像GA02は、No3レジ(図1の第3POS端末20−3)の状態を示している。
商品登録シートの右下の小計ボタンBT10は、商品登録の終了を指示するためのボタンである。店員は、商品登録が完了した後に小計ボタンBT10を操作(タッチ)する。休止ボタンBT11は、自端末(第1POS端末20−1)を休止させるためのボタンである。店員は、自端末を離れる場合(例えば、商品を探しに行く場合、暫く使用しない場合等)に休止ボタンBT11を操作する。取り消しボタンBT12は、登録された商品を取り消すためのボタンである。この取り消しボタンBT12は、呼び戻された登録情報に示される商品を取り消すこともできる。店員は、取り消したい商品を選択し、取り消しボタンBT12を操作することで、登録された商品を取り消すことができる。
図9は、第1POS端末20−1の店員側表示部210に表示される小計画面における表示例である。具体的には、図9は、図8の場面に続く場面(小計ボタンBT10の操作後の場面)における小計画面の表示内容を示している。また、上述したように当該取引で登録された商品の代金の累計金額が所定金額以上となったため、POS端末20−1は、特典媒体を発行する。
図9において、現計ボタンBT20は、客が釣銭釣札機へ入金した後に押下するおわり(レシート)ボタンBT40と同様の機能を持つボタンである。客がおわり(レシート)ボタンBT40を押下するタイミングで操作に戸惑うなどした場合に、店員が客に代わって現計ボタンBT20を押下することで、おわり(レシート)ボタンBT40が操作された場合と同様の処理を行い、例えば釣銭釣札機から釣銭を払い出したり、レシートを発行したりする。
第1レジボタンBT21は、No2レジ(図1の第2POS端末20−2)を指定するためボタンである。店員は、精算処理を実行する端末として第2POS端末20−2を指定する場合には第1レジボタンBT21を操作する。なお、第1レジボタンBT21に示された「(精算)」の表示は、第1レジボタンBT21に対応する端末(第2POS端末20−2)の動作モードがセミセルフモードの精算モードである旨を表したものである。
さらに、図9において、「お買物券が発行されます」がポップアップ表示される。このポップアップ表示P0は、店員に金券が発行されることを報知する画面である。第1レジボタンBT21の操作を受け付けた場合には、第1POS端末20−1は、店員側印刷部213によりお買物券を発行するとともに、No2レジ(第2POS端末20−2)に登録情報を送信する。
なお、ポップアップ表示P0は、金券が発行されることを店員に報知するために店員側表示部210に表示されるが、金券が発行されることを客に報知するために客側表示部205にもポップアップ表示P0を表示してもよい。これにより、客はすぐに精算装置に向かわずに、店員からお買物券をもらうことを認識しやすくなる。
お買物券の発行タイミングは、上記第1レジボタンBT21の操作を受け付けた場合や登録情報を送信するタイミングに限るものではない。お買物券の発行タイミングとして、例えば小計操作がある場合には、小計操作時や、登録情報を精算装置が受信した時であってもよい。さらに、商品登録中に、登録された商品の合計金額が所定金額以上となったタイミング、または所定の商品が登録されたタイミングをお会計券の発行タイミングとしてもよい。
図10は、お買物券の一例を示す図である。図10に示されるお買物券での特典は、500円分の買い物が可能な特典である。このお買物券は、次回以降の取引時で、有効期限内に利用可能であり、お釣りが出ないことが示されている。また、お買物券には、2次元コードが印刷される。この2次元コードは、お買物券の利用時にPOS端末20によって読み取られ、代金に充当される。お買物券は、店員から客に手渡しされる。なお、店員は、お買物券の所定欄に押印してから客にお買物券を手渡しすることがある。お買物券を受け取った客は、精算を行うために第2POS端末20−2に向かう。
なお、第2レジボタンBT22は、No3レジ(図1の第3POS端末20−3)を指定するためのボタンである。店員は、精算処理を実行する端末として第3POS端末20−3を指定する場合には第2レジボタンBT22を操作する。なお、第2レジボタンBT22に示された「(フル)」は、第2レジボタンBT22に対応する端末(第3POS端末20−3)の動作モードがフルセルフモードである旨を表したものである。また、第2レジボタンBT22の破線は、当該ボタン(第2レジボタンBT22)の操作が有効ではない旨の表示態様(例えばグレーダウン等)で表示されていることを表している。
図9に示した例では、第2レジボタンBT22の操作は有効ではないが、仮に第2レジボタンBT22の操作が有効であり、第2レジボタンBT22の操作を受け付けた場合には、第1POS端末20−1は、No3レジ(第3POS端末20−3)に登録情報を送信する。第1レジボタンBT21を操作して登録情報を第2POS端末20−2に送信することにより、第1POS端末20−1における1取引の登録処理が終了する。
また、送信ボタンは、商品登録中には常に表示し、他の装置ステータスを表示しているので、精算処理を行う装置の選択を状況に応じて臨機応変に指定できる。なお、図9では、第1レジボタンBT21及び第2レジボタンBT22の表示位置を画像GA01及び画像GA02の表示位置とは変えているが、表示位置を変えることなく、画像GA01及び画像GA02の表示位置にそれぞれ第1レジボタンBT21及び第2レジボタンBT22を表示してもよい。
さらに、図9に示されるお会計券ボタンBT25は、印刷部113にてお会計券を発行させるためのボタンである。店員は、お会計券を読み取ったPOS端末20に精算処理を実行させる場合にはお会計券ボタンBT25を操作する。お会計券ボタンBT25を操作することにより、第1POS端末20−1における1取引の登録処理が終了する。
お会計券には、精算処理を実行するために必要な情報がコード化され印刷される。例えば、お会計券には、精算処理に用いられる登録情報自体がQRコード(登録商標)化され印刷されていてもよいし、精算処理に用いられる登録情報を特定するための情報(例えば、取引識別情報等)がバーコード化されて印刷されていてもよい。
なお、上記QRコードを印刷したお会計券を発行する態様では、当該お会計券(QRコード)を読み取ったPOS端末20(第2POS端末20−2または第3POS端末20−3)は、例えば、当該QRコードから得られた登録情報を用いて精算処理を実行する。
また、上記バーコードを印刷したお会計券を発行する態様では、当該お会計券(バーコード)を読み取ったPOS端末20(第2POS端末20−2または第3POS端末20−3)は、例えば、当該バーコードから得られた登録情報を特定するための情報(取引識別情報等)を含む登録情報取得要求を、当該お会計券を発行した端末(第1POS端末20−1)、又は、当該お会計券を発行した端末から登録情報を取得した端末、例えば、ストアコントローラ30等)に送信することにより、登録情報取得要求を送信した端末から登録情報を受信し、精算処理を実行する。換言すれば、上記バーコードを印刷したお会計券を発行する態様では、当該お会計券を発行した端末(第1POS端末20−1)や、当該お会計券を発行した端末から登録情報を取得した端末(ストアコントローラ30等)は、当該お会計券を読み取ったPOS端末20(第2POS端末20−2または第3POS端末20−3)から送信された登録情報取得要求を受信した場合、登録情報取得要求によって特定される登録情報を、登録情報取得要求の送信元(登録情報の要求元)に送信する。
発行されたお会計券は、店員から客に手渡される。その後、客が、POS端末20(第1POS端末20−1又は第2POS端末20−2)に移動し、当該POS端末20(客側スキャナ部206)にお会計券上のコードを読み取られることに基づいて、当該POS端末20において精算処理が実行される。
登録画面ボタンBT26は、小計画面から登録画面に画面を戻すためのボタンである。店員は、例えば買上商品を変更(追加、取り消し)する場合に登録画面ボタンBT26を操作する。
なお、例えば店員側に店員が操作するドロアや釣銭釣札機などが設けられており、店員が客から現金等を受け取って精算処理を行うようにしてもよい。この場合、図9において、現計ボタンBT20は、預り金額の入力を指示するためのボタンともなり、現計ボタンBT20は、店員が客から現金等を受け取って精算処理を行う際に使用するようにしてもよい。店員側にドロアが設けられている場合は、預り金額を入力して現計ボタンBT20を押下することで釣銭を算出しレシートや領収書発行等を行う。店員側に釣銭釣札機が設けられている場合は、店員が客から預かった現金を釣銭釣札機へ入金すると自動的に入金金額を算出し、現計ボタンBT20を押すことで釣銭を払い出すという操作になる。また、上述した様に、現計ボタンBT20は、合計金額以上の預り金額を置数入力した後に操作するボタンであり、また図9は、合計金額以上の預り金額が置数入力された場面ではない。従って、図9において、第2レジボタンBT22と同様、現計ボタンBT20についても、操作が有効ではない旨の表示態様で表示してもよい。
こうして、1つめの取引の登録処理が終了すると、次の1取引の登録処理を行うことができるようになる。以下に、2つめの取引について説明する。図11は、2つめの取引時の第1POS端末20−1の店員側表示部210に表示される登録画面における表示例である。具体的には、図11は、2品目の商品(にんじん)が登録された場面における登録画面の表示内容を示している。登録画面は、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード等)を店員が読み取り、登録処理が開始されてから表示される。
登録画面は、複数の取引が行われているときには、1取引ごとに対応する商品登録内容を示すシート(商品登録シート)が重ねられた構造を有する。例えば、図11では、商品登録シートが2枚重ねられた状態が表示されている。商品登録タブ(領域)TAB−1、TAB−2には、任意の動物(こここでは「猫」、「牛」)の図柄が表示されている。商品登録タブが複数表示されているときには、現在の登録の対象となる取引に対応する商品登録タブが大きく表示され、その他のタブは小さく表示される。図11に示す例では、商品登録タブ(領域)TAB−2の取引が登録対象となっているので、商品登録タブ(領域)TAB−2が大きく表示され、登録対象でない商品登録タブ(領域)TAB−1は小さく表示されている。
また、登録対象でない商品登録タブ(領域)TAB−1には、対応する取引の状態が示されている。図11では、商品登録タブ(領域)TAB−1に「No2レジ」と表示され、商品登録タブ(領域)TAB−1に対応する取引は、No2レジにおいて処理(精算処理)が行われている旨を示している。
商品登録タブ(領域)は、取引が1増加するごとに1つずつ追加して表示され、取引が終了すると、その都度商品登録タブ(領域)が消去される。なお、任意の動物の図柄に代えて、「1」「2」「3」などの登録順番号が表示されてもよい。登録順番号は、例えば、商品の登録が開始された順番を示す。
「牛」の商品登録タブ(領域)TAB−2が付された商品登録シートの左下には、画像GA01及び画像GA02が表示され、商品登録シートの右下には小計ボタンBT10、休止ボタンBT11、及び取り消しボタンBT12が表示されている。これらの表示は、いずれの商品登録シートにおいても共通である。
複数の商品登録タブ(領域)が表示されているときには、小計ボタンBT10の左側に、呼戻しボタンBT27が表示される。呼戻しボタンBT27は、他のPOS端末(第2POS端末20−2または第3POS端末20−3)に送信した登録情報を呼び戻すためのボタンである。店員は、他のPOS端末20(例えば、第2POS端末20−2)に送信した登録情報を呼び戻す場合に、呼戻しボタンBT27を操作(タッチ)する。
なお、登録情報が送信された第2POS端末20−2には、精算画面が表示される。図12は、セミセルフモードのPOS端末20−2の客側表示部205に表示される精算画面の表示例である。図12では、呼び戻しがない場合の一連の精算に関する画面について説明する。図12(A)は、精算処理を開始する際に表示する精算画面(支払方法選択画面)である。図示する支払方法選択画面には、支払金額の合計(ここでは、240円)や支払方法の選択肢などが表示される。支払方法の選択肢としては、現金、クレジット、電子マネーなどがそれぞれ選択可能な操作ボタンとして表示されている。
図12(B)は、現金による支払を開始する際に表示する精算画面(入金画面)である。例えば、POS端末20は、支払方法選択画面(図12(A)参照)において現金が選択された場合に、図12(B)に示すような入金画面を表示する。図示する入金画面では、画面の左側にはお金を入れる場所の案内を示す画像が表示され、画面の右側には支払金額(ここでは、383円)、投入された金額(預り金額)などが表示される。図12(C)は、預り金額を決定する際に表示する精算画面(入金決定画面)である。
POS端末20は、支払金額(買上金額)以上の現金(預り金)が投入された場合に、図12(C)に示すような入金決定画面を表示する。図示する入金決定画面では、画面の右側には支払金額(ここでは、383円)、投入された金額(預り金額。ここでは、400円)、お釣り(ここでは、17円)などが表示され、画面の左側には預り金額を決定する場合の案内(ここでは、「よろしければ、おわりボタンを押してください」)が表示される。おわりボタンBT40は、預り金額を決定する場合に客が操作するボタンである。おわりボタンBT40に対して客が操作すると、POS端末20は、支払金額(ここでは、383円)と預り金額(ここでは、400円)とに基づいて精算処理を実行する。
図12(D)は、釣り銭を放出する際に表示する精算画面(釣銭画面)である。例えば、POS端末20は、入金決定画面(図12(C))においておわり(レシート)ボタンBT40が操作された場合に、図12(D)に示すような釣銭画面を表示する。図示する釣銭画面では、画面の左側にはお釣りの受取を促す画像が表示され、画面の右側には引き続き、支払金額(ここでは、383円)、投入された金額(預り金額。ここでは、400円)、お釣り(ここでは、17円)などが表示される。
図12(E)は、釣り銭が取り去られた際に表示する精算画面(レシート画面)である。例えば、POS端末20は、釣銭機209の取出口から釣り銭が取り去られた場合に、図12(E)に示すようなレシート画面を表示する。なお、POS端末20は、取出口の近傍にフォトセンサ等のセンサを設置し、該センサが物(客の手を想定)を認識した場合に、釣り銭が取り去られたと判定してもよい。さらに、釣銭が取り去られたことを検知した後に、レシートまたは領収書を印刷することで、釣銭の取り忘れを防止する機能を有していてもよい。
図12(F)は、POS端末20が休止状態であるときに表示する休止画面である。つまり、POS端末20は、休止モード(休止状態)であるが、休止モードであるときには、図12(F)に示すような休止画面を表示する。
なお、POS端末20は、レシート画面(図12(E))の表示後には、登録開始画面(図11(A))を表示する。例えば、POS端末20は、印刷部213の発行口からレシートが取り去られた後に、登録開始画面を表示する。なお、POS端末20は、発行口からレシートが取り去られたことを認識可能なセンサを備えていてもよい。
また、投入金額と預り金額とが等しく釣り銭が発生しない場合には、釣銭画面(図12(D))を表示せずに、入金画面(図12(C))からレシート画面(図12(E))に遷移してもよい。
このように、セミセルフモードでは、精算を客が行う際に、POS端末20は、操作の進行及び状況に応じて、図12に示す精算画面などを客側表示部205に表示させる。また、POS端末20は、店員側表示部210にも客側表示部205に表示させる表示内容と同様の表示内容を表示させる。例えば、POS端末20は、客側表示部205の画面と同一の画面を店員側表示部210にも表示させる(所謂、ミラー表示、ミラーリング表示)。なお、同様の表示内容を表示させるとは、全く同一の画面を表示させることのみに限定するものではなく、一部の表示内容やレイアウトなどが異なることも含まれる。例えば、他の表示内容の少なくとも一部が異なっていたとしても同様の表示内容が表示させることに含まれてもよい。
セミセルフモードでは、客側表示部205において、図12に示す画像が順次表示され、客は、客側表示部205に表示される手順に従って精算処理を行う。精算処理が行われている間、図12(C)に示すおわり(レシート)ボタンBT40が操作(押下)される前に、店員側表示部210に表示される図11に示す呼戻しボタンBT27が操作(押下)されることにより、第2POS端末20−2に送信された登録情報が第1POS端末20−1に呼び戻される。
図13に示す商品登録タブ(領域)TAB−1の商品登録シートが表示されると、商品登録タブ(領域)TAB−1の取引での登録画面が示される。この画面では、登録した商品を取り消したり、買い足しのため追加登録することができる。この時点では、登録された商品に変化はないため、お買物券の回収は不要であるが、商品の取り消しによる回収があり得ることから、第1POS端末20−1は、「お買物券を発行済みです」というポップアップ画面P1を表示する。これにより、店員はお買物券の回収があり得ることを認識することができるので、回収となった場合の回収作業を円滑に行うことができる。
なお、上述したように、一度の取引で、複数の特典媒体が発行された場合には、その全部または一部を回収可能としてもよい。例えば、買い上げ金額1000円単位で10円のクーポンが発行される場合、買い上げ金額が2000円以上3000円未満では2枚発行されるが、商品の取り消しによって買い上げ金額が1000円以上2000円未満となった場合には、1枚のみを回収する。さらなる商品の取り消しによって買い上げ金額が1000円未満となった場合には、2枚全部を回収する。
図14は、商品が取り消された後の小計画面を示す図である。取り消しボタンBT12が操作され、商品が取り消されたことによって累計金額が所定金額未満となったとする。こうして累計金額が所定金額未満となったときに、第1POS端末20−1は、お買物券を回収する旨の報知を行う。具体的には、図14に示されるように、「お買物券を回収してください」というポップアップ画面P2を表示する。これにより、店員はお買物券を回収することができるので、客が自ら精算を行うセミセルフモードであってもお買物券を発行することが可能となる。
次に、発行された特典媒体が利用されたときの処理例について説明する。発行された特典媒体は、商品の登録が終了し、小計画面が表示されたときに登録可能である。従って、店員は小計画面表示中に客から手渡された特典媒体に印刷された2次元コードをPOS端末20に読み取らせる。
図15は、特典媒体として2つの品券が登録された小計画面の一例を示す図である。この小計画面には、登録品券欄300が表示される。登録された品券は、100円分を代金に充当可能な100円券と、150円分をお野菜の代金に充当可能な150円お野菜券である。この2つの品券により代金に充当可能な額は250円であるため、505円の代金に250円が充当され、客が支払うべき合計金額は255円となる。第1POS端末20−1は、客が支払うべき金額として255円を示す登録情報を例えば第2POS端末20−2に送信する。客は、精算を行うために、第2POS端末20−2で255円を支払うことで精算が終了する。
このように、特典媒体により利用可能な額が代金より小さいときには、代金と前記利用可能額の差額を示す登録情報を送信するが、特典媒体により利用可能な額が代金以上のときには、代金の精算を第1POS端末20−1で行う。例えば、代金が980円で利用可能額が1000円の場合には、第2POS端末20−2に登録情報を送信することなく、代金の精算を第1POS端末20−1で行う。
次に、上述した商品の登録から特典媒体の発行までの処理と、呼び戻し後の処理についてフローチャートを用いて説明する。図16は、商品の登録から特典媒体の発行までの処理を示すフローチャートである。なお、図16に示されるフローチャートの開始前に、現時点での客の累計金額(以下、「取引開始前累計金額」ともいう)が取得されているものとする。
CPU201は、登録画面において、店員側スキャナ部212によって商品がスキャン、あるいは、プリセットボタン(又はプリセットキー)によって商品が選択されたか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101において、CPU201は、商品がスキャン(あるいは選択)されたと判定した場合にはステップS102に進む。そして、CPU201は、スキャン(あるいは選択)された商品を登録する(ステップS102)。
ステップS101において、CPU201は、商品がスキャン(あるいは選択)されていないと判定した場合にはステップS103に進む。次いで、CPU201は、小計ボタンBT10が操作されたか否かを判定する(ステップS103)。ステップS103において、CPU201は、小計ボタンBT10が操作されていないと判定した場合には、ステップS101に戻る。ステップS103において、CPU201は、小計ボタンBT10が操作されたと判定した場合には、累計金額(取引開始前累計金額と本取引での代金(特典媒体で充当された金額は含まない)の和)が所定金額以上か否かを判定する(ステップS104)。
累計金額が所定金額以上の場合には(ステップS104:YES)、CPU201は、小計画面(発行つき)を生成する(ステップS105)。小計画面(発行つき)とは、図9に示したポップアップ表示P0が表示される小計画面である。累計金額が所定金額以上ではない場合には(ステップS104:NO)、CPU201は、小計画面(通常)を生成する(ステップS106)。小計画面(通常)とは、図9に示したポップアップ表示P0を除く小計画面である。
次いで、CPU201は、ステップS105または106で生成した小計画面を表示する(ステップS107)。CPU201は、登録画面ボタンBT26が操作されたか否かを判定する(ステップS108)。ステップS108において、CPU201は、登録画面ボタンBT26が操作されたと判定した場合には、ステップS101に戻る。ステップS108において、CPU201は、登録画面ボタンBT26が操作されていないと判定した場合には、特典媒体が登録されたか否かを判定する(ステップS109)。
ステップS109において、CPU201は、特典媒体が登録されていないと判定した場合には(ステップS109:NO)、ステップS111に進む。ステップS109において、CPU201は、特典媒体が登録されたと判定した場合には(ステップS109:YES)、上述した特典媒体情報を生成する(ステップS110)。この特典媒体情報とは、特典を本取引に適用するための情報(例えば、利用可能額を示す情報等)である。次いで、CPU201は、本取引における代金が利用可能額より大きいかを判定する(ステップS111)。この利用可能額は、特典媒体が登録されていない場合には0円である。
本取引における代金が利用可能額より大きい場合には(ステップS111:YES)、CPU201は、例えば第1レジボタンBT21の操作など、精算装置が指定されたか否かを判定する(ステップS112)。CPU201は、精算装置が指定されたと判定した場合には(ステップS112:YES)、登録情報を生成し、指定された精算装置に登録情報を送信する(ステップS112)。特典媒体情報が生成された場合には、特典媒体情報は、登録情報に含まれて送信される。次いで、CPU201は、送信確認画面(不図示)を表示する(ステップS114)。この送信確認画面は、指定された精算装置に登録情報が送信されたことを示す画面である。
上記ステップS111において、本取引における代金が利用可能額より大きくない場合には(ステップS111:NO)、CPU201は、現計ボタンBT20が操作されたか否かを判定する(ステップS115)。現計ボタンBT20が操作されていない場合には(ステップS115:NO)、ステップS108に戻る。現計ボタンBT20が操作された場合には(ステップS115:YES)、CPU201は、精算処理を行い(ステップS116)、ステップS117に進む。
CPU201は、累計金額が所定金額以上か否かを判定する(ステップS117)。累計金額が所定金額以上の場合には(ステップS117:YES)、CPU201は、累計金額から所定金額を減算した値を改めて累計金額にセットする(ステップS118)。なお、呼び戻しを行ったときのために、取引開始前累計金額は消去せずに保持しておく。CPU201は、特典媒体を発行し(ステップS119)、未登録画面を表示して(ステップS120)、本処理を終了する。累計金額が所定金額以上ではない場合には(ステップS117:NO)、CPU201は、未登録画面を表示して(ステップS120)、本処理を終了する。
図17は、特典媒体を発行した取引の登録情報が呼び戻されたときの処理を示すフローチャートである。なお、図16に示されるフローチャートの開始前に、取引開始前累計金額が取得されているものとする。CPU201は、特典媒体を発行した取引の登録情報が呼び戻された場合には、特典媒体を発行済みであることを表示する(ステップS201)。具体的には、図13に示したポップアップ画面P1を表示する。次いで、店員の操作に応じて、CPU201は、商品登録または取り消しを行う(ステップS202)。
次いで、CPU201は、小計ボタンBT10が操作されたか否かを判定する(ステップS203)。ステップS203において、CPU201は、小計ボタンBT10が操作されていないと判定した場合には、ステップS202に戻る。ステップS203において、CPU201は、小計ボタンが押下されたと判定した場合には、累計金額(取引開始前累計金額と本取引での代金(特典媒体で充当された金額は含まない)の和)が所定金額以上か否かを判定する(ステップS204)。累計金額が所定金額以上ではない場合には(ステップS204:NO)、特典付与条件を満たさなくなったため、CPU201は、小計画面(回収)を生成して表示することで、回収指示を表示する(ステップS205)。小計画面(回収)とは、図14に示したポップアップ表示P2が表示された小計画面である。累計金額が所定金額以上の場合には(ステップS204:YES)、特典媒体の回収は必要ないので、処理を終了する。図17に示した処理が終了した後、登録された商品があれば指定された精算装置に登録情報が送信され、登録された商品がなければ登録情報を精算装置に送信することなく処理を終了する。
次に、図12(C)で示した精算画面の他の例について説明する。図18は、入金決定画面の他の例を示す図である。図12(C)、図18(A)(B)に示される3つの精算画面は、レシートなしボタンBT41、領収書ありボタンBT42の有無の違いである。いずれの精算画面を表示するかは、店舗により予め設定されている。図18(A)は、レシートなしボタンBT41、及び領収書ありボタンBT42の両方が表示される精算画面の一例である。図18(B)は、レシートなしボタンBT41のみが表示される精算画面の一例である。図12(C)は、レシートなしボタンBT41、及び領収書ありボタンBT42の両方が表示されない精算画面の一例である。なお、図18(A)の精算画面には、レシートなしボタンBT41、及び領収書ありボタンBT42の両方が表示されるが、客はいずれか一方のみ押下可能である。
図18(A)の精算画面において、客が領収書ありボタンBT42を押下した場合、領収書が発行される。また、図18(A)及び図18(B)の精算画面において、客がレシートなしボタンBT41を押下した場合、紙媒体に印刷されたレシートに代えて、客のスマートフォンに電子レシートが出力される。なお、電子レシートの出力先は、客のスマートフォンに限らず、客が携帯端末やPCからレシートを閲覧可能に表示するためのデータを記憶するサーバやクラウド上の仮想サーバであってもよい。図12(C)の精算画面では、レシートなしボタンBT41、及び領収書ありボタンBT42の両方が表示されないため、客は選択の余地はなく、紙媒体に印刷されたレシートが発行される。客は、図12(C)、図18(A)(B)に示されるいずれかの精算画面において、おわりボタンBT40を押下することで精算を終了することができる。
以上説明した実施形態では、POSシステム1は、第1POS端末20−1、第2POS端末20−2、及び第3POS端末20−3のつのPOS端末20を備えているが、2つのPOS端末を備えるものでもよいし、4つ以上のPOS端末を備えるものでもよい。また、POSシステム1は、POS端末20以外のストアコントローラ10を備えているが、ストアコントローラを備えない態様としてもよく、この場合、複数のPOS端末20の特定の1つまたは任意の一つがストアコントローラと同様の機能を有していてもよい。
また、上記の例では、登録情報の呼び戻しを行う際に、呼戻しボタンBT27を操作した後、複数の呼び戻しの候補がある場合に、商品登録タブを操作して呼び戻す登録情報を選択しているが、他の態様で呼び戻す登録情報を選択するようにしてもよい。例えば、呼戻しボタンBT27を操作することにより、他のPOS端末20における未精算である取引の登録情報の一覧を含む未精算処理一覧画面が表示され、表示された一覧の登録情報の中から呼び戻しを行う登録情報を選択するようにしてもよい。この一覧には、未精算の登録情報のほか、登録中の取引の登録情報が含まれていてもよい。また、精算済の登録情報について、未精算の登録情報とは表示態様を変えて、例えば背景の色や図柄、文字の色や大きさ、フォント等を変えて表示するようにしてもよい。未精算処理一覧画面から呼び戻す登録情報を選択する場合、一覧の選択により取引情報を並べて表示することで、取引内容などを確認した上で呼び戻し操作が可能となる。また、第1POS端末20−1以外、この場合は、第3POS端末20−3に店員がいた場合などは、登録した装置に限らず呼び戻しを行うことができる。
また、上記の例では、登録処理を行った第1POS端末20−1が第2POS端末20−2から登録情報を呼び戻すことによって、登録情報が移動するが、他の態様としてもよい。例えば、登録処理を行った第1POS端末20−1から第2POS端末20−2に登録情報を送信し、第2POS端末20−2で精算処理を行おうとしたときに、第2POS端末20−2に送信された登録情報を、他のPOS端末20、例えば第3POS端末20−3に移動させる移動情報を第2POS端末20−2に送信し、登録情報を第2POS端末20−2から第3POS端末20−3に移動させるようにしてもよい。
また、上記の例では、第2POS端末20−2に登録情報を送信した第1POS端末20−1は、送信した登録情報を記憶していないが、送信した登録情報またそのコピーをあらかじめ用意しておき、登録情報を送信した後、登録情報またそのコピーを記憶しておいてもよい。また、登録情報のうちの一部またはそのコピーを記憶しておいてもよい。第2POS端末20−2から返信される登録情報についても、その一部、例えば取引番号のみを返信するようにしてもよい。また、情報の送受信は、送信先と受信先との間で直接的に送受信されたもののみならず、他のデバイス、例えばストアコントローラ10を経由した場合でも、送信先と受信先との間における送受信となる。
また、上記の例では、POS端末20には1つの取引情報のみが記憶可能であるが、2つ以上の複数の取引情報を記憶して、順次精算処理を行うことができるようにしてもよい。この場合、1のPOS端末20が登録情報を複数記憶していたり、複数のPOS端末が登録情報を記憶していたりしてもよい。
この場合、登録情報を呼び戻すPOS端末20を選択する際に、商品登録タブ(領域)TABの色、形、動物の図柄等の表示をPOS端末ごとに特徴付けて表示してもよい。例えば、第2POS端末20−2に最初に送信した取引についての登録情報が記載される第1POS端末20−1の商品登録は、POS端末20ごとに色が変えられていてもよい。例えば、第2POS端末20−2に送信した取引の登録情報の商品登録タブ(領域)は、背景がすべて赤色であり、第3POS端末20−3に送信した取引の登録情報の商品登録タブ(領域)は、背景がすべて青色であるようにしてもよい。
また、各POS端末20における登録された巡目ごとに色等が変えられていてもよい。例えば、第2POS端末20−2及び第3POS端末20−3のそれぞれにおいて、最初に送信された取引の登録情報が黄色、2番目に送信された取引の登録情報が緑色の商品登録タブ(領域)が付された商品登録シートに記入されていてもよい。また、同じ色等ではなく類似または近似する色等を用いてもよい。例えば、第2POS端末20−2に記憶される登録情報には、赤、オレンジ、朱、桃色等、赤系の色であり、第3POS端末20−3に記憶される登録情報は、青、緑、水色、青紫、等の青系の色であってもよい。
また、第2POS端末20−2が複数の登録情報を記憶できる場合、複数の登録情報が記憶された状態で、現在精算処理されている取引の登録情報が呼び戻された場合には、フルセルフモードに移行することなく、セミセルフモードを維持するようにしてもよい。言い換えると、第2POS端末20−2は、登録情報の返信を検知したとき、登録情報の記憶の有無を判断し、登録情報を記憶していないと判断したときにフルセルフモードに移行、登録情報を記憶しているときにはセミセルフモードを維持する。この場合、すでに記憶されている登録情報の精算処理をスムーズに行うことができるので、POS端末を効率的に稼働させることができる。また、登録情報の呼び戻しが行われるときに、第2POS端末20−2において、呼び戻された登録情報の訂正を待機する待機中となるようにしてもよい。この場合、客は、第2POS端末20−2から移動しないで、再度登録情報が送信されるのを待機する。このように待機とするか、フルセルフモードに移行させるかを客が選択できるように、客側表示部205に選択画面を表示してもよい。また、フルセルフモードで登録処理または精算処理を行っている場合に、精算処理が終了した後、登録情報を記憶していないときには、セミセルフモードに移行するようにしてもよい。この場合、登録情報を記憶していなくとも、例えば、フルセルフモードでの精算処理が完了した後、次の客がフルセルフモードでの登録処理を開始したいと待っている場合には、セミセルフモードへの移行を禁止するようにしてもよい。この場合のセミセルフモードへの移行の禁止をするためには、例えば、フルセルフモードによる処理が完了した後、所定時間、例えば10秒間が経過した後にセミセルフモードに移行するようにしてもよいし、人感センサで次の客が検出されたときにセミセルフモードへの移行を禁止するようにしてもよい。
また、POS端末20は、他のPOS端末20がさらにその他のPOS端末20に送信した取引の登録情報を未精算の登録情報として記憶していてもよい。例えば、第1POS端末20−1が第2POS端末20−2に登録情報を送信した場合に、第3POS端末20−3が第2POS端末20−2から当該登録情報を引き取って記憶していてもよい。この場合、例えば、第3POS端末20−3が第2POS端末20−2に引取情報を送信するようにしてもよい。このようにして、呼び戻しや引き取りなどの態様で登録情報はPOS端末20間を移動する。また、複数のPOS端末20の間で移動した未精算の登録情報については、すべてのPOS端末20において未精算の情報として商品登録タブ(領域)で表したり、未精算商品の一覧とした表示可能としたりするようにしてもよい。
また、上記の例では、セミセルフモードの際に登録情報を返信した第2POS端末20−2は、フルセルフモードに移行して、第2POS端末20−2の客側表示部205には、フルセルフモードの登録開始画面が表示されるが、他のモードに移行してもよい。例えば、通常モードに移行してもよい。この場合、第2POS端末20−2の客側表示部205には、通常モードの最初に表示される画面が表示されていればよい。また、登録情報を返信した第2POS端末20−2は、セルフモードのままであるようにしてもよい。この場合、登録情報を返信した第2POS端末20−2の客側表示部205には、セミセルフモードの最初に表示される画面が表示されていればよい。
また、上記の例では、第1POS端末20−1で精算処理を行っているときでも登録情報の呼び戻しを行うことができるが、第1POS端末20−1で精算処理を行っているときには、登録情報の呼び戻しをできなくなるようにしてもよい。この場合、精算処理が錯綜する心配を小さくできる。その結果、複数のPOS端末20を効率的に稼働させることができる。
また、上記の例では、登録情報について、送受信や返信などによって複数のPOS端末20間を移動させているが、他の態様で登録情報を移動させるようにしてもよい。例えば、お買物券のように、媒体に付されたコードに登録情報を書き込み、この媒体を移動させることによって登録情報を移動させてもよい。
また、上記の例では、呼び戻しを行うPOS端末が呼戻し情報を発信しているが、他のPOS端末20やストアコントローラ10が呼戻し情報を発信するようにしてもよい。例えば、第1POS端末20−1から第2POS端末20−2に送信された登録情報について、第2POS端末20−2から第1POS端末20−1に登録情報を返信するように、ストアコントローラ10から呼戻し情報を第2POS端末20−2に送信してもよい。また、第1POS端末20−1から第2POS端末20−2に送信された登録情報を第3POS端末20−3に移動させる場合にも、第3POS端末20−3以外のPOS端末20等から引取情報を送信する代わりに、他のPOS端末20やストアコントローラ10から引取情報を送信するようにしてもよい。
また、上記の例では、POSシステム1は、登録処理と精算処理のいずれをも行うことができるPOS端末20を含んで構成されているが、他のPOS端末を含んで構成されていてもよい。例えば、登録処理ができて、精算処理ができないPOS端末を含んでいてもよいし、登録処理ができなくて精算処理ができるPOS端末を含んでいてもよい。これらのPOS端末が登録処理と精算処理のいずれをも行うことができるPOS端末20の代わりに設けられていてもよい。
また、上記の例では、POS端末20が他のPOS端末20に登録情報を送信する際に、他のPOS端末20については特に制限していないが、送信不能となるPOS端末20があるようにしてもよい。送信不能となるPOS端末20としては、例えば、ステータスエラー、例えば、ニアエンド、ニアフル、レシート切れ等の状況が生じているときに、送信不能となるようにしてもよい。また、POS端末20に登録できる登録情報の数が上限値となっている場合に送信不能となるようにしてもよい。また、POS端末20の動作モードによって送信の可否が異なるようにしてもよい。例えば、通常モードのPOS端末20には送信不能となるようにしてもよい。モードの判定にあたっては、システムの条件等により、フラグ管理等で有効・無効を判定してもよい)。また、フルセルフモード中や精算モード中のPOS端末20の場合、他の客による操作が行われているときなどには送信不能となるようにしてもよい。また、登録情報の送信が不能となるためのPOS端末20の条件と呼び戻しが不能となるためのPOS端末20の条件は、共通でもよいし異なっていてもよい。
また、上述したように、レシート用紙等の紙媒体に印刷される(レシート等)の発行を省略する場合、(レシート等)に代えて、電子レシートを発行するようにしてもよいが、この場合、例えば、事前に利用者登録を行い、利用者識別情報(会員番号)等を入力することで、自動的に(レシート等)に代えて電子レシートを発行してもよいし、レシート等と電子レシートのいずれを発行するかを客に選択させてもよい。あるいは、レシート等と電子レシートを両方発行するようにしてもよい。この場合、選択画面を表示して客に選択させてもよいし、例えば利用者ごとに選択パターンを事前に登録することにより、選択画面の表示を省略するようにしてもよい。レシート等の発行態様としては、例えば、非発行、紙媒体のみ、電子レシートのみ、紙媒体と電子レシートの双方の中から選択できるようにしてもよい。この場合の選択画面は、客側表示部205、店員側表示部210、キー操作部211の少なくとも1つに設けてよい。このとき、釣銭の発行と同時にレシート等を発行してもよい。釣銭の払出とレシート等の発行を行う場合には、釣銭を払い出した後にレシート等を発行してもよいし、レシート等を発行した後に釣銭を払い出すようにしてもよい。また、領収書を発行する場合には、客が領収書を受け取った後に釣銭を払い出し、領収書の取り忘れを防止するようにしてもよい。
また、第1POS端末20−1を店員が操作している間、第2POS端末20−2及び第3POS端末20−3が待機中である場合、第2POS端末20−2及び第3POS端末20−3の動作モードは特に限定されないが、例えば、フルセルフモードとしておいてもよい。フルセルフモードで待機することにより、複数のPOS端末20を効率的に利用することができる。また、第1POS端末20−1でレジ待ちが多くなると、第1POS端末20−1の店員は、第2POS端末20−2及び第3POS端末20−3のいずれかに登録情報を送信して精算モードとして稼働させることができる。あるいは、登録処理が完了した取引における登録情報を第2POS端末20−2または第3POS端末20−3に送信し、第2POS端末20−2または第3POS端末20−3に精算処理を引き継がせるようにしてもよい。例えば、第2POS端末20−2に精算処理を引き継がせる場合において、第2POS端末20−2がフルセルフモードで稼働しているときには、第2POS端末20−2に登録情報を送信しておき、フルセルフモードでの精算が完了した後に、図11(A)に示す登録開始画面ではなく、図12(A)に示す精算画面(支払方法選択画面)を表示するようにしてもよい。
また、上記の例では、商品登録タブ(領域)を開いた状態で呼戻しボタンBT27を操作することにより、商品登録タブ(領域)に対応する取引の登録情報が呼び戻されるが、他の態様で登録情報が呼び戻されるようにしてもよい。例えば、呼戻しボタンBT27を操作した後に商品登録タブ(領域)を開くことによって、商品登録タブ(領域)に対応する登録情報が呼び戻されるようにしてもよいし、呼戻しボタンBT27を操作した後にだ第1レジボタンBT21または第2レジボタンBT22を操作することにより、第1レジボタンBT21または第2レジボタンBT22に対応する第2POS端末20−2または第3POS端末20−3に送信した登録情報を呼び戻すようにしてもよい。
以上説明した実施形態では、取引に関する特典付与条件として、登録された商品の代金の累計金額が所定金額以上となったことを例に説明したが、これに限るものではない。特典付与条件の例として以下の条件が挙げられる。
(1)特定の商品または特定の分類の商品が登録されたこと
(2)店舗が提供可能なレジ袋を客が辞退したこと
上記(1)の「特定の商品が登録されたこと」の例として、あるチョコレートAが取引で登録されたことが挙げられる。「特定の分類の商品が登録されたこと」の例として、ガムに分類される商品が登録されたことが挙げられる。この場合の特典として、次回の取引で有効な10円引きクーポンが挙げられる。
なお、以上に説明したPOSシステム1、POS端末20を実現するためのプログラムを、コンピュータ読取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以下、実施形態総括を記載する。
[技術分野]
本発明は、商品販売データ処理システム、及び、プログラムに関する。
[背景技術]
客が購入した商品の代金の累計金額に応じて、客への特典が示された商品券やクーポン等の媒体が発行されることがある(例えば、特許文献1参照)。こうした媒体の発行タイミングは、累計金額が所定金額以上となったときの取引時であることが多い。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2015−179549号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このように、取引時に媒体が発行され、客に手渡されるため、商品の登録が行われる登録装置と、精算処理を客の操作に応じて行う精算装置で運用されるシステムでは、媒体の発行が困難であるという問題点があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、客への特典が示された媒体を発行可能な技術を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である商品販売データ処理システムは、店員の操作により商品の登録が行われる登録装置と、前記登録装置により登録された商品に関する登録情報に基づく精算処理を客の操作に応じて行う精算装置とを備える商品販売データ処理システムにおいて、前記登録装置は、取引に関する特典付与条件を満たした場合に、客への特典が示された媒体を発行する発行手段と、前記精算装置に前記登録情報を送信する送信手段と、を備え、前記精算装置は、前記送信手段により送信された前記登録情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された前記登録情報に基づいて精算処理を行う精算手段と、を備えたことを特徴とする。
上記によれば、客への特典が示された媒体を発行可能な技術を提供することができる。
上記商品販売データ処理装置において、登録された商品の登録を取り消す取消手段と、前記取消手段により、登録された商品の登録が取り消されたことによって、前記特典付与条件を満たさなくなった場合に、前記媒体の一部または全部を回収する旨の報知を行う報知手段と、を備えてもよい。
上記によれば、報知によって媒体を回収可能となるため、店舗側の損失を防ぐことができる。
上記商品販売データ処理装置において、前記取消手段は、前記登録装置または前記精算装置に設けられてもよい。
上記によれば、取消手段が登録装置に設けられている場合には、店員が登録装置において商品の登録を取り消すことができ、取消手段が精算装置に設けられている場合には、店員が精算装置において商品の登録を取り消すことができる。
上記商品販売データ処理装置において、前記登録装置は、前記媒体が、代金の支払いに利用できる媒体であり、当該媒体を利用して代金の精算を行う場合に、前記媒体により利用可能な額が代金以上のときには、代金の精算を当該登録装置で行い、前記利用可能な額が代金より小さいときには、前記送信手段は代金と前記利用可能な額の差額を示す前記登録情報を送信してもよい。
上記によれば、媒体により利用可能な額が代金以上のときには、代金の精算を当該登録装置で行うことができるので、客捌きをスムーズに行うことができ、顧客満足度を向上させることができる。また、代金と前記利用可能な額の差額を示す登録情報を送信するため、客は特別な操作を行わなくても媒体を利用できるので、客捌きをスムーズに行うことができ、顧客満足度を向上させることができる。
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、店員の操作により商品の登録が行われる登録装置と、前記登録装置により登録された商品に関する登録情報に基づく精算処理を客の操作に応じて行う精算装置とを備える商品販売データ処理システムにおいて前記登録装置を第1のコンピュータとして機能させ、前記精算装置を第2のコンピュータとして機能させるためのプログラムであって、前記第1のコンピュータを、取引に関する特典付与条件を満たした場合に、客への特典が示された媒体を発行する発行手段と、前記精算装置に前記登録情報を送信する送信手段として機能させ、
前記第2のコンピュータを、前記送信手段により送信された前記登録情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された前記登録情報に基づいて精算処理を行う精算手段として機能させるためのプログラムである。
上記によれば、客への特典が示された媒体を発行可能な技術を提供することができる。
なお、以上に説明したPOS端末20を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はその実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。