JP2020201305A - トナー - Google Patents

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裕美子 山内
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Abstract

【課題】金属光沢性に優れ、かつ鮮明な色の画像を形成できるトナーを提供する。【解決手段】トナーは、トナー粒子10を含む。トナー粒子10は、複合コア11と、複合コア11の表面を覆うシェル層12とを備える。複合コア11は、結着樹脂を含むトナーコア13と、トナーコア13の表面に配置された金属層14との複合体である。シェル層12は、シェル層用樹脂と着色剤とを含む。金属層14の厚さは、3nm以上1000nm以下であることが好ましい。シェル層12の厚さは、1nm以上30nm以下であることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、トナーに関する。
近年、商業印刷分野においては、金属光沢性に優れる印刷物への要求が高まっている。
例えば、特許文献1では、金属光沢性に優れる画像を形成するために、トナー粒子の表面上に、金属顔料及び絶縁性表面添加剤をこの順で配置させたトナーを用いることが提案されている。
特開2017−161901号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術だけでは、金属光沢性に優れ、かつ鮮明な色の画像を形成できるトナーを得ることは難しい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、金属光沢性に優れ、かつ鮮明な色の画像を形成できるトナーを提供することである。
本発明に係るトナーは、トナー粒子を含む。前記トナー粒子は、複合コアと、前記複合コアの表面を覆うシェル層とを備える。前記複合コアは、結着樹脂を含むトナーコアと、前記トナーコアの表面に配置された金属層との複合体である。前記シェル層は、シェル層用樹脂と着色剤とを含む。
本発明によれば、金属光沢性に優れ、かつ鮮明な色の画像を形成できるトナーを提供できる。
本発明の実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の断面構造の一例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。まず、本明細書中で使用される用語について説明する。トナーは、トナー粒子の集合体(例えば粉体)である。外添剤は、外添剤粒子の集合体(例えば粉体)である。粉体(より具体的には、トナー粒子の粉体、外添剤粒子の粉体等)に関する評価結果(形状、物性等を示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から粒子を相当数選び取って、それら粒子の各々について測定した値の個数平均である。
粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA−950」)を用いて測定されたメディアン径である。粉体の個数平均一次粒子径は、何ら規定していなければ、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製「JSM−7401F」)を用いて測定した一次粒子の円相当径(ヘイウッド径:一次粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。粉体の個数平均一次粒子径は、例えば100個の一次粒子の円相当径の個数平均値である。なお、粒子の個数平均一次粒子径は、特に断りがない限り、粉体中の粒子の個数平均一次粒子径(粉体の個数平均一次粒子径)を指す。
帯電性の強さは、何ら規定していなければ、摩擦帯電のし易さである。例えば、日本画像学会から提供される標準キャリア(負帯電極性トナー用標準キャリア:N−01、正帯電極性トナー用標準キャリア:P−01)と測定対象(例えばトナー)とを混ぜて攪拌することで、測定対象を摩擦帯電させる。摩擦帯電させる前と後とでそれぞれ、例えば吸引式小型帯電量測定装置(トレック社製「MODEL 212HS」)で測定対象の帯電量を測定する。摩擦帯電の前後での帯電量の変化が大きい測定対象ほど帯電性が強いことを示す。
軟化点(Tm)の測定値は、何ら規定していなければ、高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)を用いて測定した値である。高化式フローテスターで測定されたS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)において、「(ベースラインストローク値+最大ストローク値)/2」となる温度が、Tm(軟化点)に相当する。ガラス転移点(Tg)の測定値は、何ら規定していなければ、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて「JIS(日本工業規格)K7121−2012」に従って測定した値である。示差走査熱量計で測定された吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)において、ガラス転移に起因する変曲点の温度(詳しくは、ベースラインの外挿線と立ち下がりラインの外挿線との交点の温度)が、Tg(ガラス転移点)に相当する。
「炭素原子数1以上6以下のアルキル基」は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、及びn−ヘキシル基が挙げられる。
「炭素原子数1以上6以下のアルキレン基」は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、及びn−ヘキシレン基が挙げられる。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。
<トナー>
本実施形態に係るトナーは、例えば正帯電性トナーとして、静電潜像の現像に好適に用いることができる。本実施形態に係るトナーは、トナー粒子(それぞれ後述する構成を有する粒子)の集合体(例えば粉体)である。トナーは、1成分現像剤として使用してもよい。また、混合装置(例えば、ボールミル)を用いてトナーとキャリアとを混合して、2成分現像剤を調製してもよい。
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、複合コアと、複合コアの表面を覆うシェル層とを備える。複合コアは、結着樹脂を含むトナーコアと、トナーコアの表面に配置された金属層との複合体である。シェル層は、シェル層用樹脂と着色剤とを含む。
本実施形態に係るトナーは、上述の構成を備えることにより、金属光沢性に優れ、かつ鮮明な色の画像を形成できる。その理由は、以下のように推測される。
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、トナーコアと、トナーコアの表面に配置された金属層との複合体である複合コアを含有する。このように、本実施形態に係るトナーでは、金属層がトナーコアの外側に配置されている。よって、本実施形態に係るトナーによれば、金属光沢性に優れる画像を形成できる。
また、本実施形態に係るトナーでは、複合コアがシェル層で覆われている。また、複合コアを覆うシェル層は、シェル層用樹脂と着色剤とを含む。このように、本実施形態に係るトナーでは、金属層の外側(例えば、トナー粒子の最表層)に、着色剤を含むシェル層が配置されている。よって、本実施形態に係るトナーによれば、鮮明な色の画像を形成できる。
本実施形態において、金属光沢性により優れる画像を形成するためには、トナーコアの表面領域のうち、金属層が覆っている領域の面積割合(以下、金属被覆率と記載することがある)は、90%以上であることが好ましく、100%であることが特に好ましい。金属被覆率の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はそれに準ずる方法である。
本実施形態において、より鮮明な色の画像を形成するためには、複合コアの表面領域のうち、シェル層が覆っている領域の面積割合(以下、シェル被覆率と記載することがある)は、80%以上100%以下であることが好ましい。シェル被覆率の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はそれに準ずる方法である。
本実施形態において、より鮮明な色の画像を形成するためには、シェル層中の着色剤の量は、シェル層用樹脂100質量部に対して、1.00質量部以上であることが好ましく、3.00質量部以上であることがより好ましい。また、本実施形態において、色味むら(同一画像内の色むら)の発生を抑制するためには、シェル層中の着色剤の量は、シェル層用樹脂100質量部に対して、10.00質量部以下であることが好ましく、5.00質量部以下であることがより好ましい。
本実施形態において、より鮮明な色の画像を形成するためには、着色剤の量は、トナーコア中の結着樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、1.00質量部以上であることがより好ましい。また、本実施形態において、色味むらの発生を抑制するためには、着色剤の量は、トナーコア中の結着樹脂100質量部に対して、5.00質量部以下であることが好ましく、3.00質量部以下であることがより好ましい。
本実施形態において、トナーコアは、結着樹脂に加え、必要に応じて、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤及び磁性粉の少なくとも1つ)を含有してもよい。
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、外添剤を備えていてもよい。トナー粒子が外添剤を備える場合には、トナー粒子は、複合コア及びシェル層を有するトナー母粒子と、外添剤とを備える。外添剤はトナー母粒子の表面に付着する。なお、必要がなければ外添剤を割愛してもよい。外添剤を割愛する場合には、トナー母粒子がトナー粒子に相当する。
以下、本実施形態に係るトナーの詳細について、適宜図面を参照しながら説明する。なお、参照する図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の大きさ、個数、形状等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合がある。
[トナー粒子の構成]
以下、図1を参照して、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の断面構造の一例を示す図である。なお、説明の容易化のため、図1に示すトナー粒子10が外添剤を備えないトナー粒子である場合について説明する。
図1に示すトナー粒子10は、複合コア11と、複合コア11の表面を覆うシェル層12とを備える。複合コア11は、結着樹脂を含むトナーコア13と、トナーコア13の表面に配置された金属層14との複合体である。シェル層12は、シェル層用樹脂と着色剤とを含む。
金属光沢性により優れる画像を形成するためには、金属層14の厚さは、3nm以上であることが好ましい。また、色味むらの発生を抑制しつつ、定着性に優れるトナーを得るためには、金属層14の厚さは、1000nm以下であることが好ましい。金属層14の厚さの測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はそれに準ずる方法である。
より鮮明な色の画像を形成するためには、シェル層12の厚さは、1nm以上であることが好ましい。また、色味むらの発生を抑制するためには、シェル層12の厚さは、30nm以下であることが好ましい。シェル層12の厚さの測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はそれに準ずる方法である。
画像形成に適したトナーを得るためには、トナーコア13の体積中位径(D50)は、4μm以上9μm以下であることが好ましい。
以上、図1を参照しながら、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の一例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明に係るトナーに含まれるトナー粒子は、外添剤(図示せず)を備えてもよい。例えば図1に示すトナー粒子10をトナー母粒子とし、このトナー母粒子の表面に外添剤が付着したトナー粒子を、本発明に係るトナーに含まれるトナー粒子としてもよい。
[トナー粒子の要素]
次に、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の要素について説明する。
{複合コア}
複合コアは、トナーコアと、トナーコアの表面に配置された金属層との複合体である。以下、トナーコアに含まれる成分について説明する。
(結着樹脂)
トナーコアは、例えば全成分の85質量%以上を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナーコア全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(より具体的には、ガラス転移点等)を調整することができる。
低温定着性に優れるトナーを得るためには、トナーコアは、結着樹脂として熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、結着樹脂全体の85質量%以上の割合で熱可塑性樹脂を含有することがより好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等)も、結着樹脂として使用できる。
熱可塑性樹脂は、一種以上の熱可塑性モノマーを、付加重合、共重合、又は縮重合させることで得られる。なお、熱可塑性モノマーは、単独重合により熱可塑性樹脂になるモノマー(より具体的には、アクリル酸エステル系モノマー、スチレン系モノマー等)、又は縮重合により熱可塑性樹脂になるモノマー(例えば、縮重合によりポリエステル樹脂になる多価アルコール及び多価カルボン酸の組合せ)である。
低温定着性に優れるトナーを得るためには、結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂は、一種以上の多価アルコールと一種以上の多価カルボン酸とを縮重合させることで得られる。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示すような、2価アルコール(より具体的には、脂肪族ジオール、ビスフェノール等)、及び3価以上のアルコールが挙げられる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示すような、2価カルボン酸、及び3価以上のカルボン酸が挙げられる。なお、多価カルボン酸の代わりに、多価カルボン酸の無水物、多価カルボン酸ハライド等の縮重合によりエステル結合を形成できる多価カルボン酸誘導体を使用してもよい。
脂肪族ジオールの好適な例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、α,ω−アルカンジオール(より具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,12−ドデカンジオール等)、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノールの好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、及びビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及び1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、1,10−デカンジカルボン酸、コハク酸、アルキルコハク酸(より具体的には、n−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸等)、及びアルケニルコハク酸(より具体的には、n−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等)が挙げられる。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、及びエンポール三量体酸が挙げられる。
(着色剤)
トナーコアは、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。なお、本実施形態では、着色剤を含むシェル層が複合コアの外側に配置されているため、トナーコアが着色剤を含有していなくても、鮮明な色の画像を形成できる。
トナーコアは、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナーコアは、カラー着色剤を含有していてもよい。カラー着色剤としては、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤が挙げられる。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、及び194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、並びにC.I.バットイエローが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、及び254)が挙げられる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、及び66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、並びにC.I.アシッドブルーが挙げられる。
(離型剤)
トナーコアは、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、耐オフセット性に優れるトナーを得るために使用される。耐オフセット性に優れるトナーを得るためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、エステルワックス、ポリオレフィンワックス(より具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等)、マイクロクリスタリンワックス、フッ素樹脂ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、及びカスターワックスが挙げられる。エステルワックスとしては、天然エステルワックス(より具体的には、カルナバワックス、ライスワックス等)、及び合成エステルワックスが挙げられる。本実施形態では、一種の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
結着樹脂と離型剤との相溶性を改善するために、相溶化剤をトナーコアに添加してもよい。
(電荷制御剤)
トナーコアは、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、帯電安定性又は帯電立ち上がり特性に優れるトナーを得るために使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電させることができるか否かの指標になる。
トナーコアに正帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナーコアのカチオン性(正帯電性)を強めることができる。また、トナーコアに負帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナーコアのアニオン性(負帯電性)を強めることができる。
正帯電性の電荷制御剤の例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2−オキサジン、1,3−オキサジン、1,4−オキサジン、1,2−チアジン、1,3−チアジン、1,4−チアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディープブラックEW、アジンディープブラック3RL等の直接染料;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等の酸性染料;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルデシルヘキシルメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩等の4級アンモニウム塩;4級アンモニウムカチオン基を含む樹脂が挙げられる。これらの電荷制御剤の一種のみを使用してもよく、二種以上の電荷制御剤を組み合わせて使用してもよい。
負帯電性の電荷制御剤の例としては、キレート化合物である有機金属錯体が挙げられる。有機金属錯体としては、アセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体、及びこれらの塩からなる群より選択される一種以上が好ましい。
帯電安定性に優れるトナーを得るためには、電荷制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
(磁性粉)
トナーコアは、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル等)及びその合金、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、二酸化クロム等)、並びに強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)が挙げられる。本実施形態では、一種の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
(金属層)
次に、金属層について説明する。金属層を構成する金属としては、形成される画像に金属光沢性を付与できる限り、特に限定されない。金属光沢性により優れる画像を形成するためには、金属層を構成する金属としては、アルミニウム、ニッケル、チタン、クロム、亜鉛、銅、銀、金、白金及びステンレス鋼からなる群より選択される一種以上の金属が好ましく、アルミニウムがより好ましい。
金属層には、金属以外の成分が含まれていてもよい。ただし、金属光沢性により優れる画像を形成するためには、金属層中の金属の含有量は、金属層の全質量に対して、90質量%以上であることが好ましく、99質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。なお、金属層に金属以外の成分(他の成分)が含まれる場合、他の成分としては、例えば、金属酸化物及び樹脂が挙げられる。
また、金属層の表層は、例えば金属酸化物層であってもよい。例えば、トナーコアを覆う金属層としてアルミニウム層を設ける場合、アルミニウム層の表層は、空気中の酸素により酸化(自然酸化)されたアルミナ層であってもよい。
{シェル層}
次に、シェル層について説明する。シェル層は、シェル層用樹脂と着色剤とを含む。また、シェル層は、シェル層用樹脂及び着色剤に加えて、他の成分(より具体的には、電荷制御剤等)を含んでいてもよい。ただし、より鮮明な色の画像を形成するためには、シェル層中のシェル層用樹脂及び着色剤の合計含有量は、シェル層の全質量に対して、90質量%以上であることが好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
(シェル層用樹脂)
シェル層用樹脂としては、特に限定されず、例えば、公知の熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂から選択される一種以上の樹脂が使用できる。
シェル層用樹脂として熱硬化性樹脂を使用する場合、使用可能な熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、グリオキザール樹脂、及びグアナミン樹脂が挙げられる。
シェル層用樹脂として熱可塑性樹脂を使用する場合、使用可能な熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等)も、シェル層用樹脂として使用できる。
複合コアの表面に容易にシェル層を形成するためには、シェル層用樹脂としては、スチレン−アクリル酸系樹脂が好ましい。スチレン−アクリル酸系樹脂は、一種以上のスチレン系モノマーと、一種以上のアクリル酸系モノマーとを重合させて得られる樹脂である。よって、スチレン−アクリル酸系樹脂は、一種以上のスチレン系モノマー由来の繰返し単位と、一種以上のアクリル酸系モノマー由来の繰返し単位とを含む。
色味むらの発生を抑制するためには、シェル層用樹脂としては、以下に示す一般式(1)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1)と記載することがある)と、以下に示す一般式(2)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(2)と記載することがある)と、以下に示す一般式(3)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(3)と記載することがある)とを含む樹脂(以下、特定樹脂と記載することがある)が好ましい。なお、繰返し単位(1)及び繰返し単位(2)は、アクリル酸系モノマー由来の繰返し単位である。また、繰返し単位(3)は、スチレン系モノマー由来の繰返し単位である。よって、特定樹脂は、スチレン−アクリル酸系樹脂の一種である。
Figure 2020201305
式(1)中、R11及びR12は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。R2は、炭素原子数1以上6以下のアルキレン基を表す。R11及びR12としては、各々独立して、水素原子又はメチル基が好ましい。R2としては、エチレン基が好ましい。色味むらの発生を更に抑制するためには、繰返し単位(1)としては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルに由来する繰返し単位が好ましい。
Figure 2020201305
式(2)中、R31及びR32は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。R33は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。R31及びR32としては、各々独立して、水素原子又はメチル基が好ましい。R33としては、n−ブチル基が好ましい。色味むらの発生を更に抑制するためには、繰返し単位(2)としては、アクリル酸n−ブチルに由来する繰返し単位が好ましい。
Figure 2020201305
式(3)中、R41、R42、R43、R44及びR45は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。R46及びR47は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。R41、R42、R43、R44及びR45としては、各々独立して、水素原子又はハロゲン原子が好ましく、水素原子がより好ましい。R46及びR47としては、各々独立して、水素原子又はメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。色味むらの発生を更に抑制するためには、繰返し単位(3)としては、スチレンに由来する繰返し単位が好ましい。
色味むらの発生を特に抑制するためには、シェル層用樹脂としては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルに由来する繰返し単位、アクリル酸n−ブチルに由来する繰返し単位、及びスチレンに由来する繰返し単位を含む樹脂(特定樹脂)が好ましく、繰返し単位として、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルに由来する繰返し単位、アクリル酸n−ブチルに由来する繰返し単位、及びスチレンに由来する繰返し単位のみを含む樹脂(特定樹脂)がより好ましい。
(着色剤)
シェル層に含まれる着色剤としては、例えば、上述のトナーコアの任意成分として例示した着色剤と同じものが挙げられる。
{材料の好適な組合せ}
色味むらの発生を特に抑制しつつ、金属光沢性により優れる画像を形成するためには、シェル層用樹脂が、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルに由来する繰返し単位、アクリル酸n−ブチルに由来する繰返し単位、及びスチレンに由来する繰返し単位を含む樹脂(特定樹脂)であり、かつ金属層を構成する金属がアルミニウムであることが好ましい。
{外添剤}
トナー粒子は、外添剤を更に備えてもよい。外添剤の外添方法としては、例えば、上述した図1に示すトナー粒子10をトナー母粒子として用い、このトナー母粒子(粉体)と外添剤粒子(粉体)とを一緒に攪拌することで、トナー母粒子の表面に外添剤粒子を付着させる方法が挙げられる。
外添剤粒子としては、無機粒子が好ましく、シリカ粒子、及び金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等)の粒子が特に好ましい。本実施形態では、一種類の外添剤粒子を単独で使用してもよいし、複数種の外添剤粒子を併用してもよい。
トナー母粒子からの外添剤粒子の脱離を抑制しながら外添剤の機能を十分に発揮させるためには、外添剤の量(複数種の外添剤粒子を使用する場合には、それら外添剤粒子の合計量)が、トナー母粒子100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
外添剤粒子は、表面処理されていてもよい。例えば、外添剤粒子としてシリカ粒子を使用する場合、表面処理剤によりシリカ粒子の表面に疎水性及び/又は正帯電性が付与されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、カップリング剤(より具体的には、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等)、シラザン化合物(より具体的には、鎖状シラザン化合物、環状シラザン化合物等)、及びシリコーンオイル(より具体的には、ジメチルシリコーンオイル等)が挙げられる。表面処理剤としては、シランカップリング剤及びシラザン化合物から選ばれる一種以上が特に好ましい。シランカップリング剤の好適な例としては、シラン化合物(より具体的には、メチルトリメトキシシラン、アミノシラン等)が挙げられる。シラザン化合物の好適な例としては、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)が挙げられる。シリカ基体(未処理のシリカ粒子)の表面が表面処理剤で処理されると、シリカ基体の表面に存在する多数のヒドロキシ基(−OH)が部分的に又は全体的に、表面処理剤に由来する官能基に置換される。その結果、表面処理剤に由来する官能基(詳しくは、ヒドロキシ基よりも疎水性及び/又は正帯電性の強い官能基)を表面に有するシリカ粒子が得られる。
<トナーの製造方法>
次に、上述した実施形態に係るトナーの好適な製造方法について説明する。以下、上述した実施形態に係るトナーと重複する構成要素については説明を省略する。
[トナーコアの調製工程]
まず、凝集法又は粉砕法によりトナーコアを調製する。
凝集法は、例えば、凝集工程及び合一化工程を含む。凝集工程では、トナーコアを構成する成分を含む微粒子を水性媒体中で凝集させて、凝集粒子を形成する。合一化工程では、凝集粒子に含まれる成分を水性媒体中で合一化させてトナーコアを形成する。
次に粉砕法を説明する。粉砕法によれば、比較的容易にトナーコアを調製できる上、製造コストの低減が可能である。粉砕法でトナーコアを調製する場合、トナーコアの調製工程は、例えば溶融混練工程と、粉砕工程とを備える。トナーコアの調製工程は、溶融混練工程の前に混合工程を更に備えてもよい。また、トナーコアの調製工程は、粉砕工程後に、微粉砕工程及び分級工程の少なくとも一方を更に備えてもよい。
混合工程では、例えば、結着樹脂と、必要に応じて添加する内添剤とを混合して、混合物を得る。溶融混練工程では、トナー材料を溶融し混練して、溶融混練物を得る。トナー材料としては、例えば混合工程で得られる混合物が用いられる。粉砕工程では、得られた溶融混練物を、例えば室温(25℃)まで冷却した後、粉砕して粉砕物を得る。粉砕工程で得られた粉砕物の小径化が必要な場合は、粉砕物を更に粉砕する工程(微粉砕工程)を実施してもよい。また、粉砕物の粒径を揃える場合は、得られた粉砕物を分級する工程(分級工程)を実施してもよい。以上の工程により、粉砕物であるトナーコアが得られる。
(複合コアの調製工程)
続いて、得られたトナーコアの表面に、例えば、公知の金属層形成方法(より具体的には、スパッタリング法、無電解めっき法、蒸着法等)を用いて金属層を形成し、複合コアを得る。
(シェル層形成工程)
続いて、反応容器に、得られた複合コアと、シェル層を形成するための原料(シェル原料)と、溶媒(例えばイオン交換水)とを入れた後、容器内容物を攪拌しながら、容器内温を、設定温度(例えば60℃以上80℃以下の温度)になるまで昇温させる。シェル原料としては、例えば、シェル層用樹脂から構成された樹脂粒子と着色剤とを含むサスペンションが挙げられる。容器内温が設定温度に到達した後、設定温度を所定時間(例えば30分以上180分以下の時間)保ちつつ、容器内容物を攪拌することにより、複合コアの表面を覆うシェル層(シェル層用樹脂及び着色剤を含むシェル層)が形成され、トナー母粒子を含む分散液が得られる。シェル層の厚さ及びシェル被覆率は、各々、例えば、シェル原料中のシェル層用樹脂及び着色剤の含有量、並びに複合コアの質量に対するシェル原料の使用量のうちの少なくとも1つを変更することにより、調整できる。
[洗浄工程及び乾燥工程]
続いて、得られた分散液中のトナー母粒子をイオン交換水で洗浄した後、例えば連続式表面改質装置を用いてトナー母粒子を乾燥させる。これにより、トナー母粒子の粉体が得られる。
[外添工程]
その後、必要に応じて、混合機(例えば、日本コークス工業株式会社製のFMミキサー)を用いて、得られたトナー母粒子と外添剤とを混合して、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させてもよい。なお、トナー母粒子に外添剤を付着させずに、トナー母粒子をトナー粒子として使用してもよい。こうして、上述した実施形態に係るトナー(トナー粒子の粉体)が得られる。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されるものではない。
<トナーの作製>
まず、トナーTA−1〜TA−4、TB−1及びTB−2の作製方法について説明する。
[トナーTA−1の作製]
(トナーコアの調製工程)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、回転速度2400rpmの条件で、750gの低Tgポリエステル樹脂(Tg:38℃、Tm:65℃)と、100gの中Tgポリエステル樹脂(Tg:53℃、Tm:84℃)と、150gの高Tgポリエステル樹脂(Tg:71℃、Tm:120℃)と、55gの離型剤(カルナバワックス:株式会社加藤洋行製「カルナウバワックス1号」)とを3分間混合した。続けて、得られた混合物を、2軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて、材料供給速度5kg/時、軸回転速度160rpm、シリンダー温度120℃の条件で溶融混練した。その後、得られた溶融混練物を冷却した。続けて、冷却された溶融混練物を、粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)」)を用いて粗粉砕した。続けて、得られた粗粉砕物を、ジェットミル(日本ニューマチック工業株式会社製「超音波ジェットミルI型」)を用いて微粉砕した。続けて、得られた微粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級し、体積中位径(D50)6.0μmのトナーコアを得た。
(複合コアの調製工程)
上記のようにして得られたトナーコアの表面に、スパッタ装置(日本電子株式会社製「JEC−3000FC」)を用いて金属層(アルミニウム層)を形成した。詳しくは、30gのトナーコアの粉体(試料)を上記スパッタ装置の試料台に載置し、ターゲットとしてアルミニウムを用いて、減圧下(圧力:3×10-4Pa)、印加電流20mAの条件で30秒間スパッタリングを行った。次いで、30秒間スパッタリングを行った試料を、スパッタ装置から一旦取り出して、再度、スパッタ装置の試料台に載置した。次いで、ターゲットとしてアルミニウムを用いて、減圧下(圧力:3×10-4Pa)、印加電流20mAの条件で30秒間スパッタリングを行った。その結果、トナーコアと、トナーコアの表面に配置された金属層(アルミニウム層)との複合体である複合コア(以下、複合コアCA−1と記載する)を得た。
(シェル原料の調製工程)
温度計及び攪拌羽根を備えた容量2Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットし、フラスコ内にイオン交換水875mLを入れた。そして、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を30℃に保った。次いで、フラスコ内に、アニオン界面活性剤(花王株式会社製「ラテムル(登録商標)WX」、成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、固形分濃度:26質量%)75mLを入れた。次いで、ウォーターバスを用いてフラスコの内温を80℃に昇温させた後、フラスコ内に二種類の液(第1の液及び第2の液)をそれぞれ5時間かけて滴下した。第1の液は、スチレン17mLとメタクリル酸2−ヒドロキシエチル1mLとアクリル酸n−ブチル2mLとの混合液であった。第2の液は、過硫酸カリウム0.5gをイオン交換水30mLに溶かした溶液であった。続けて、フラスコ内の温度を80℃に保ちつつ、回転速度250rpmでフラスコ内容物を2時間攪拌することにより、フラスコ内容物を重合させた。次いで、フラスコ内に、着色剤(DIC株式会社製「KET Blue111」、成分:フタロシアニンブルー)10gを入れた後、フラスコ内の温度を80℃に保ちつつ、回転速度150rpmでフラスコ内容物を2時間攪拌した。その結果、スチレンとメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとアクリル酸n−ブチルとの共重合体(シェル層用樹脂)から構成された樹脂粒子、及び着色剤を含むサスペンションを得た。得られたサスペンション中の樹脂粒子は、個数平均一次粒子径が33nmであった。
(シェル層形成工程)
温度計及び攪拌羽根を備えた容量2Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットし、フラスコ内にイオン交換水300mLを入れた。そして、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を30℃に保った。続けて、フラスコ内に希塩酸を入れて、フラスコ内容物のpHを4に調整した。続けて、フラスコ内に上述したシェル原料の調製工程において得られたサスペンション150mLを入れた。続けて、フラスコ内に、300gの複合コアCA−1を入れて、フラスコ内の温度を30℃に保ちつつ、回転速度200rpmでフラスコ内容物を1時間攪拌した。その後、フラスコ内にイオン交換水300mLを入れた。続けて、回転速度100rpmでフラスコ内容物を攪拌しながら、フラスコ内の温度を1℃/分の速度で70℃まで昇温させた。続けて、フラスコ内の温度を70℃に保ちつつ、回転速度100rpmでフラスコ内容物を2時間攪拌した。フラスコ内の温度を70℃に保っている間に、複合コアCA−1の表面を覆うシェル層(シェル層用樹脂及び着色剤を含むシェル層)が形成された。次いで、フラスコ内に水酸化ナトリウムを加えて、フラスコ内容物のpHを7に調整した後、フラスコ内容物を、その温度が25℃になるまで冷却し、トナー母粒子を含む分散液を得た。
(洗浄工程)
次いで、得られたトナー母粒子の分散液を、ブフナー漏斗を用いてろ過(固液分離)して、ウェットケーキ状のトナー母粒子を得た。次いで、得られたウェットケーキ状のトナー母粒子をイオン交換水に再分散させた後、ブフナー漏斗を用いてろ過した。更に、再分散とろ過とを5回繰り返して、トナー母粒子を洗浄した。
(乾燥工程)
次いで、洗浄したトナー母粒子を、濃度50質量%のエタノール水溶液に分散させた。これにより、トナー母粒子のスラリーが得られた。続けて、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃かつブロアー風量2m3/分の条件で、スラリー中のトナー母粒子を乾燥させた。その結果、トナー母粒子の粉体が得られた。
(外添工程)
得られたトナー母粒子100質量部と、シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA90」、表面処理剤により正帯電性が付与されたシリカ粒子)1.0質量部とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて、回転速度3000rpmかつジャケット温度20℃の条件で5分間混合した。これにより、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子の粉体)の全量を付着させた。
続けて、得られた粉体を、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。その結果、正帯電性のトナーであるトナーTA−1が得られた。なお、篩別の前後で、トナーを構成する成分の組成比は変化しなかった。得られたトナーTA−1では、着色剤の量が、シェル層用樹脂100質量部に対して、5.00質量部であった。また、得られたトナーTA−1では、着色剤の量が、トナーコアの結着樹脂(ポリエステル樹脂)100質量部に対して、2.00質量部であった。
[トナーTA−2の作製]
複合コアの調製工程、及びシェル原料の調製工程を、以下に示すとおりに変更したこと以外は、トナーTA−1の作製と同じ方法で、正帯電性のトナーであるトナーTA−2を得た。得られたトナーTA−2では、着色剤の量が、シェル層用樹脂100質量部に対して、1.00質量部であった。また、得られたトナーTA−2では、着色剤の量が、トナーコアの結着樹脂(ポリエステル樹脂)100質量部に対して、0.03質量部であった。
(トナーTA−2を作製する際の複合コアの調製工程)
30gのトナーコアの粉体(試料)をスパッタ装置(日本電子株式会社製「JEC−3000FC」)の試料台に載置し、ターゲットとしてアルミニウムを用いて、減圧下(圧力:3×10-4Pa)、印加電流60mAの条件で450秒間スパッタリングを行った。次いで、450秒間スパッタリングを行った試料を、スパッタ装置から一旦取り出して、再度、スパッタ装置の試料台に載置した。次いで、ターゲットとしてアルミニウムを用いて、減圧下(圧力:3×10-4Pa)、印加電流60mAの条件で450秒間スパッタリングを行った。その結果、トナーコアと、トナーコアの表面に配置された金属層(アルミニウム層)との複合体である複合コアを得た。
(トナーTA−2を作製する際のシェル原料の調製工程)
温度計及び攪拌羽根を備えた容量2Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットし、フラスコ内にイオン交換水875mLを入れた。そして、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を30℃に保った。次いで、フラスコ内に、アニオン界面活性剤(花王株式会社製「ラテムル(登録商標)WX」、成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、固形分濃度:26質量%)450mLを入れた。次いで、ウォーターバスを用いてフラスコの内温を80℃に昇温させた後、フラスコ内に二種類の液(第1の液及び第2の液)をそれぞれ5時間かけて滴下した。第1の液は、スチレン102mLとメタクリル酸2−ヒドロキシエチル6mLとアクリル酸n−ブチル12mLとの混合液であった。第2の液は、過硫酸カリウム3.0gをイオン交換水180mLに溶かした溶液であった。続けて、フラスコ内の温度を80℃に保ちつつ、回転速度250rpmでフラスコ内容物を2時間攪拌することにより、フラスコ内容物を重合させた。次いで、フラスコ内に、着色剤(DIC株式会社製「KET Blue111」、成分:フタロシアニンブルー)10gを入れた後、フラスコ内の温度を70℃に保ちつつ、回転速度250rpmでフラスコ内容物を2時間攪拌した。その結果、スチレンとメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとアクリル酸n−ブチルとの共重合体(シェル層用樹脂)から構成された樹脂粒子、及び着色剤を含むサスペンションを得た。得られたサスペンション中の樹脂粒子は、個数平均一次粒子径が150nmであった。
[トナーTA−3の作製]
シェル原料の調製工程において、着色剤(DIC株式会社製「KET Blue111」、成分:フタロシアニンブルー)の使用量(フラスコ内に入れた量)を1gに変更したこと以外は、トナーTA−1の作製と同じ方法で、正帯電性のトナーであるトナーTA−3を得た。得られたトナーTA−3では、着色剤の量が、シェル層用樹脂100質量部に対して、1.00質量部であった。また、得られたトナーTA−3では、着色剤の量が、トナーコアの結着樹脂(ポリエステル樹脂)100質量部に対して、0.20質量部であった。
[トナーTA−4の作製]
シェル原料の調製工程において、着色剤(DIC株式会社製「KET Blue111」、成分:フタロシアニンブルー)の使用量(フラスコ内に入れた量)を20gに変更したこと以外は、トナーTA−1の作製と同じ方法で、正帯電性のトナーであるトナーTA−4を得た。得られたトナーTA−4では、着色剤の量が、シェル層用樹脂100質量部に対して、10.00質量部であった。また、得られたトナーTA−4では、着色剤の量が、トナーコアの結着樹脂(ポリエステル樹脂)100質量部に対して、5.00質量部であった。
[トナーTB−1の作製]
トナーコアの調製工程を以下のとおりに変更したこと、及びシェル原料の調製工程において着色剤を使用しなかったこと以外は、トナーTA−1の作製と同じ方法で、正帯電性のトナーであるトナーTB−1を得た。得られたトナーTB−1では、着色剤の量が、トナーコアの結着樹脂(ポリエステル樹脂)100質量部に対して、2.00質量部であった。
(トナーTB−1を作製する際のトナーコアの調製工程)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、回転速度2400rpmの条件で、750gの低Tgポリエステル樹脂(Tg:38℃、Tm:65℃)と、100gの中Tgポリエステル樹脂(Tg:53℃、Tm:84℃)と、150gの高Tgポリエステル樹脂(Tg:71℃、Tm:120℃)と、55gの離型剤(カルナバワックス:株式会社加藤洋行製「カルナウバワックス1号」)と、20gの着色剤(DIC株式会社製「KET Blue111」、成分:フタロシアニンブルー)とを3分間混合した。続けて、得られた混合物を、2軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて、材料供給速度5kg/時、軸回転速度160rpm、シリンダー温度120℃の条件で溶融混練した。その後、得られた溶融混練物を冷却した。続けて、冷却された溶融混練物を、粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)」)を用いて粗粉砕した。続けて、得られた粗粉砕物を、ジェットミル(日本ニューマチック工業株式会社製「超音波ジェットミルI型」)を用いて微粉砕した。続けて、得られた微粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級し、体積中位径(D50)6.0μmのトナーコアを得た。
[トナーTB−2の作製]
(シェル層形成工程)
温度計及び攪拌羽根を備えた容量2Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットし、フラスコ内にイオン交換水300mLを入れた。そして、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を30℃に保った。続けて、フラスコ内に希塩酸を入れて、フラスコ内容物のpHを4に調整した。続けて、フラスコ内にサスペンション150mLを入れた。フラスコ内に入れたサスペンションは、トナーTA−1を作製する際のシェル原料の調製工程と同じ条件で得られたサスペンションであった。続けて、フラスコ内に、トナーコア300gを入れて、フラスコ内の温度を30℃に保ちつつ、回転速度200rpmでフラスコ内容物を1時間攪拌した。フラスコ内に入れたトナーコアは、トナーTA−1を作製する際のトナーコアの調製工程と同じ条件で得られたトナーコアであった。その後、フラスコ内にイオン交換水300mLを入れた。続けて、回転速度100rpmでフラスコ内容物を攪拌しながら、フラスコ内の温度を1℃/分の速度で70℃まで昇温させた。続けて、フラスコ内の温度を70℃に保ちつつ、回転速度100rpmでフラスコ内容物を2時間攪拌した。フラスコ内の温度を70℃に保っている間に、トナーコアの表面を覆うシェル層(シェル層用樹脂及び着色剤を含むシェル層)が形成された。次いで、フラスコ内に水酸化ナトリウムを加えて、フラスコ内容物のpHを7に調整した後、フラスコ内容物を、その温度が25℃になるまで冷却し、シェル層で覆われたトナーコア(以下、シェル被覆トナーコアと記載する)を含む分散液を得た。
(洗浄工程)
次いで、得られたシェル被覆トナーコアの分散液を、ブフナー漏斗を用いてろ過(固液分離)して、ウェットケーキ状のシェル被覆トナーコアを得た。次いで、得られたウェットケーキ状のシェル被覆トナーコアをイオン交換水に再分散させた後、ブフナー漏斗を用いてろ過した。更に、再分散とろ過とを5回繰り返して、シェル被覆トナーコアを洗浄した。
(乾燥工程)
次いで、洗浄したシェル被覆トナーコアを、濃度50質量%のエタノール水溶液に分散させた。これにより、シェル被覆トナーコアのスラリーが得られた。続けて、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃かつブロアー風量2m3/分の条件で、スラリー中のシェル被覆トナーコアを乾燥させた。その結果、シェル被覆トナーコアの粉体が得られた。
(金属層の形成工程)
上記のようにして得られたシェル被覆トナーコアの表面に、スパッタ装置(日本電子株式会社製「JEC−3000FC」)を用いて金属層(アルミニウム層)を形成した。詳しくは、30gのシェル被覆トナーコアの粉体(試料)を上記スパッタ装置の試料台に載置し、ターゲットとしてアルミニウムを用いて、減圧下(圧力:3×10-4Pa)、印加電流20mAの条件で30秒間スパッタリングを行った。次いで、30秒間スパッタリングを行った試料を、スパッタ装置から一旦取り出して、再度、スパッタ装置の試料台に載置した。次いで、ターゲットとしてアルミニウムを用いて、減圧下(圧力:3×10-4Pa)、印加電流20mAの条件で30秒間スパッタリングを行った。その結果、シェル被覆トナーコアと、シェル被覆トナーコアの表面に配置された金属層(アルミニウム層)とを含むトナー母粒子の粉体が得られた。
(外添工程)
得られたトナー母粒子100質量部と、シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA90」、表面処理剤により正帯電性が付与されたシリカ粒子)1.0質量部とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて、回転速度3000rpmかつジャケット温度20℃の条件で5分間混合した。これにより、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子の粉体)の全量を付着させた。
続けて、得られた粉体を、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。その結果、正帯電性のトナーであるトナーTB−2が得られた。なお、篩別の前後で、トナーを構成する成分の組成比は変化しなかった。得られたトナーTB−2では、着色剤の量が、シェル層用樹脂100質量部に対して、5.00質量部であった。また、得られたトナーTB−2では、着色剤の量が、トナーコアの結着樹脂(ポリエステル樹脂)100質量部に対して、2.00質量部であった。
<金属層の厚さ及びシェル層の厚さの測定>
測定対象のトナー(トナーTA−1〜TA−4及びTB−1のいずれか)を可視光硬化性樹脂(東亞合成株式会社製「アロニックス(登録商標)LCR D−800」)中に分散させた後、可視光照射により樹脂を硬化させて、硬化物を得た。続けて、ダイヤモンドナイフを備えたウルトラミクロトーム(ライカマイクロシステムズ株式会社製「EM UC6」)を用いて、硬化物を切り出し、厚さ150nmの薄片試料を得た。続けて、得られた薄片試料の断面(トナー粒子の断面)を、透過電子顕微鏡(TEM)(株式会社日立ハイテクノロジーズ製「H−7100FA」)を用いて、倍率10万倍で撮影した。そして、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いてTEM撮影像を解析することで、金属層の厚さ及びシェル層の厚さを測定した。
測定の手順については、まず、得られたTEM撮影像において、測定対象(トナー)に含まれる10個のトナー粒子を無作為に選択した。そして、選択した10個のトナー粒子について、それぞれ金属層の厚さ及びシェル層の厚さを測定し、測定対象のトナーの評価値(金属層の厚さ及びシェル層の厚さ)を求めた。より詳しくは、1つのトナー粒子(断面)について、断面の略中心で直交する2本の直線を引き、それら2本の直線が金属層と交差する4箇所の各々で、金属層の厚さを測定した。測定された4箇所の厚さの算術平均値を、そのトナー粒子の金属層の厚さとした。選択した10個のトナー粒子について、それぞれ金属層の厚さを測定し、測定された厚さの個数平均値を測定対象のトナーの評価値(金属層の厚さ)とした。同様に、1つのトナー粒子(断面)について、断面の略中心で直交する2本の直線を引き、それら2本の直線がシェル層と交差する4箇所の各々で、シェル層の厚さを測定した。測定された4箇所の厚さの算術平均値を、そのトナー粒子のシェル層の厚さとした。選択した10個のトナー粒子について、それぞれシェル層の厚さを測定し、測定された厚さの個数平均値を測定対象のトナーの評価値(シェル層の厚さ)とした。
<金属被覆率及びシェル被覆率の測定>
測定対象のトナー(トナーTA−1〜TA−4及びTB−1のいずれか)を可視光硬化性樹脂(東亞合成株式会社製「アロニックス(登録商標)LCR D−800」)中に分散させた後、可視光照射により樹脂を硬化させて、硬化物を得た。続けて、ダイヤモンドナイフを備えたウルトラミクロトーム(ライカマイクロシステムズ株式会社製「EM UC6」)を用いて、硬化物を切り出し、厚さ150nmの薄片試料を得た。続けて、得られた薄片試料の断面(トナー粒子の断面)を、透過電子顕微鏡(TEM)(株式会社日立ハイテクノロジーズ製「H−7100FA」)を用いて、倍率10万倍で撮影した。そして、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いてTEM撮影像を解析することで、金属被覆率及びシェル被覆率を測定した。
測定の手順については、まず、得られたTEM撮影像において、測定対象(トナー)に含まれる10個のトナー粒子を無作為に選択した。そして、選択した10個のトナー粒子について、それぞれ金属被覆率及びシェル被覆率を測定し、測定対象のトナーの評価値(金属被覆率及びシェル被覆率)を求めた。より詳しくは、1つのトナー粒子(断面)について、トナーコアの表面領域(外縁を示す輪郭線)のうち、金属層で覆われた領域の割合(金属被覆率)を計測した。金属被覆率は、式「金属被覆率=100×(トナーコアの表面領域のうち、金属層で覆われた領域の長さの合計)/(トナーコアの周長)」に基づいて算出した。選択した10個のトナー粒子について、それぞれ金属被覆率を測定し、測定された金属被覆率の個数平均値を測定対象のトナーの評価値(金属被覆率)とした。同様に、1つのトナー粒子(断面)について、複合コアの表面領域(外縁を示す輪郭線)のうち、シェル層で覆われた領域の割合(シェル被覆率)を計測した。シェル被覆率は、式「シェル被覆率=100×(複合コアの表面領域のうち、シェル層で覆われた領域の長さの合計)/(複合コアの周長)」に基づいて算出した。選択した10個のトナー粒子について、それぞれシェル被覆率を測定し、測定されたシェル被覆率の個数平均値を測定対象のトナーの評価値(シェル被覆率)とした。
トナーTA−1〜TA−4及びTB−1のそれぞれについて、金属層の厚さ、シェル層の厚さ、金属被覆率及びシェル被覆率を、表1に示す。
Figure 2020201305
<評価方法>
以下、トナーTA−1〜TA−4、TB−1及びTB−2の評価方法について説明する。
[2成分現像剤の調製]
京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「TASKalfa5550ci」用キャリア100質量部と、評価に用いるトナー(トナーTA−1〜TA−4、TB−1及びTB−2のいずれか)8質量部とを、シェーカーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製「ターブラー(登録商標)ミキサーT2F」)を用いて30分間混合して、評価に用いる2成分現像剤を調製した。
[評価用画像の印刷]
カラー複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa5550ci」)を用いて、評価用画像を印刷した。詳しくは、前述のようにして調製した2成分現像剤を上記カラー複合機のシアン用現像装置に投入し、補給用トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−4、TB−1及びTB−2のいずれか)を上記カラー複合機のシアン用トナーコンテナに投入した。次いで、温度23℃かつ湿度50%RHの環境下、上記カラー複合機を用いて、1枚の評価用紙(モンディ社製「ColorCopy(登録商標)」、A4サイズ、坪量90g/m2)に、大きさ5cm×5cmのソリッド画像と、長さ5cmかつ線幅0.35mmの細線とを有するパターン画像を印刷し、評価用画像を得た。
[評価用画像の判定]
得られた評価用画像を目視で観察し、白抜け及び色味むら、金属光沢性、色の鮮やかさ、並びに細線の印字性について、下記に示す基準で判定した。
(白抜け及び色味むら)
白抜け及び色味むらについては、下記基準で判定した。判定がA、B又はCの場合、「良い」と評価し、判定がDの場合、「良くない」と評価した。
A:ソリッド画像において、白抜けがある箇所及び色味むらがある箇所の合計が4箇所以下であった。
B:ソリッド画像において、白抜けがある箇所及び色味むらがある箇所の合計が5箇所以上9箇所以下であった。
C:ソリッド画像において、白抜けがある箇所及び色味むらがある箇所の合計が10箇所以上19箇所以下であった。
D:ソリッド画像において、白抜けがある箇所及び色味むらがある箇所の合計が20箇所以上であった。
(金属光沢性)
金属光沢性については、下記基準で判定した。判定がAの場合、「金属光沢性に優れる画像を形成できている」と評価し、判定がBの場合、「金属光沢性に優れる画像を形成できていない」と評価した。
A:金属光沢感のある画像であった。
B:金属光沢感のない画像であった。
(色の鮮やかさ)
色の鮮やかさについては、下記基準で判定した。判定がA又はBの場合、「鮮明な色の画像を形成できている」と評価し、判定がCの場合、「鮮明な色の画像を形成できていない」と評価した。
A:色の鮮やかさが強く感じられる画像であった。
B:色の鮮やかさが感じられる画像であった。
C:色の鮮やかさが感じられない画像であった。
(細線の印字性)
細線の印字性については、下記基準で判定した。判定がA、B又はCの場合、「良い」と評価し、判定がDの場合、「良くない」と評価した。
A:細線が同じ太さで印字されていた。
B:細線は印字されていたが、印字された細線の幅は不均一であった。
C:印字された細線には途切れている箇所があり、途切れている箇所の個数が4箇所以下であった。
D:印字された細線には途切れている箇所があり、途切れている箇所の個数が5箇所以上であった。
トナーTA−1〜TA−4、TB−1及びTB−2のそれぞれについて、白抜け及び色味むらの判定結果、金属光沢性の判定結果、色の鮮やかさの判定結果、並びに細線の印字性の判定結果を、表2に示す。
Figure 2020201305
トナーTA−1〜TA−4では、トナー粒子が、複合コアと、複合コアの表面を覆うシェル層とを備えていた。トナーTA−1〜TA−4では、複合コアが、結着樹脂を含むトナーコアと、トナーコアの表面に配置された金属層との複合体であった。トナーTA−1〜TA−4では、シェル層が、シェル層用樹脂と着色剤とを含んでいた。
表2に示すように、トナーTA−1〜TA−4では、金属光沢性の判定結果がAであった。トナーTA−1〜TA−4では、色の鮮やかさの判定結果がA又はBであった。
トナーTB−1では、シェル層が着色剤を含んでいなかった。トナーTB−2では、シェル層が着色剤を含んでいたが、シェル層が金属層で覆われていた。
表2に示すように、トナーTB−1及びTB−2では、色の鮮やかさの判定結果がCであった。
以上の結果から、本発明によれば、金属光沢性に優れ、かつ鮮明な色の画像を形成できることが示された。
本発明に係るトナーは、例えば複合機又はプリンターにおいて画像を形成するために利用することができる。
10 :トナー粒子
11 :複合コア
12 :シェル層
13 :トナーコア
14 :金属層

Claims (7)

  1. トナー粒子を含むトナーであって、
    前記トナー粒子は、複合コアと、前記複合コアの表面を覆うシェル層とを備え、
    前記複合コアは、結着樹脂を含むトナーコアと、前記トナーコアの表面に配置された金属層との複合体であり、
    前記シェル層は、シェル層用樹脂と着色剤とを含む、トナー。
  2. 前記金属層の厚さは、3nm以上1000nm以下である、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記シェル層の厚さは、1nm以上30nm以下である、請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記複合コアの表面領域のうち、前記シェル層が覆っている領域の面積割合は、80%以上100%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記着色剤の量は、前記シェル層用樹脂100質量部に対して、1.00質量部以上10.00質量部以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 前記着色剤の量は、前記結着樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上5.00質量部以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。
  7. 前記金属層は、アルミニウム、ニッケル、チタン、クロム、亜鉛、銅、銀、金、白金及びステンレス鋼からなる群より選択される一種以上の金属を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。
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