JP2020159938A - シンチレータパネルおよび固体検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】輝度および鮮鋭度に優れるシンチレータパネルを提供すること。【解決手段】支持体4上に蛍光体14およびポリマーを含むシンチレータ層5を有するシンチレータパネルであって、前記蛍光体の体積平均粒径が9.5〜10.5μmであり、累積粒度分布におけるD10が6.0〜8.5μmであり、累積粒度分布におけるD50が10.0〜12.5μmであり、累積粒度分布におけるD90が15.5〜18.0μmであるシンチレータパネル。【選択図】図2

Description

本発明は、シンチレータパネルおよび固体検出器に関する。
従来、医療現場において、フィルムを用いた放射線画像が広く用いられてきた。しかし、フィルムを用いた放射線画像はアナログ画像情報であるため、近年、コンピューテッドラジオグラフィ(computed radiography:CR)や平板固体検出器(flat panel detector;以下、「FPD」)等のデジタル方式の固体検出器が開発されている。
FPDにおいては、放射線を可視光に変換するために、シンチレータパネルが使用される。シンチレータパネルは、支持体上に、酸硫化ガドリニウム(以下、「GOS」)やヨウ化セシウム(以下、「CsI」)等の放射線蛍光体を含有するシンチレータ層を有する。照射された放射線に応じて、シンチレータ層の放射線蛍光体が可視光を発光し、その発光を薄膜トランジスタ(thin−film−transistor;以下、「TFT」)や電荷結合素子(Charge−Coupled−Device;以下、「CCD」)を用いて電気信号に変換することにより、放射線の情報をデジタル画像情報に変換する。シンチレータ層における放射線から光への変換効率を高めるためには、蛍光体粒子のサイズを大きくし、シンチレータ層を厚くすることが有効である。しかしながら、シンチレータ層を厚くすると、感度が向上する一方、固体検出器から離れた位置においてサイズの大きな蛍光体粒子からの発光が生じることになり、これが固体検出器に向けて伝播するに連れて広がるため、画像の鮮鋭度が低下する課題がある。
そこで、感度および鮮鋭度の向上を図る放射線画像検出装置として、波長変換層が、少なくとも、第1の平均粒子径を有する第1の蛍光体粒子と、第1の平均粒子径より小さい第2の平均粒子径を有する第2の蛍光体粒子とをバインダ中に混合した単層の蛍光体層であり、波長変換層の単位厚さ当たりの第1の蛍光体粒子の重量が、固体検出器から離れる方向に向かって次第に減少する放射線画像検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−217913号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術において、小粒径の蛍光体粒子を用いると、画像の鮮鋭度は向上する一方で、蛍光体粒子自体の発光効率が低く、蛍光体粒子同士の反射回数が増加するため、シンチレータパネルとしての発光(輝度)が低下する課題がある。したがって、高い輝度と鮮鋭度を有するシンチレータパネルが求められている。
そこで、本発明は、輝度および鮮鋭度に優れるシンチレータパネルを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は主として以下の構成を有する。
支持体上に蛍光体、バインダー樹脂およびグラフト化されている金属化合物粒子を含むシンチレータ層を有するシンチレータパネルであって、前記蛍光体の体積平均粒径が9.5〜10.5μmであり、累積粒度分布におけるD10が6.0〜8.5μmであり、累積粒度分布におけるD50が10.0〜12.5μmであり、累積粒度分布におけるD90が15.5〜18.0μmであるシンチレータパネル。
本発明によれば、輝度および鮮鋭度に優れるシンチレータパネルを提供することができる。
本発明の固体検出器の構成の一例を模式的に表した断面図である。 本発明のシンチレータパネルの一例を模式的に表した断面図である。 本発明のシンチレータパネルにおける支持体の構成の一例を模式的に表した断面図である。
本発明のシンチレータパネルは、支持体上に、シンチレータ層を有する。また、本発明の固体検出器は、本発明のシンチレータパネル、フォトダイオード基板および基台を有する。以下、図面を用いて本発明のシンチレータパネルおよび固体検出器の好ましい構成の一例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
図1は、本発明の固体検出器の構成の一例を模式的に表した断面図である。固体検出器1は、シンチレータパネル2、フォトダイオード基板3および基台10を有する。
シンチレータパネル2は、支持体4上に蛍光体、バインダー樹脂およびグラフト化されている金属化合物粒子を含むシンチレータ層5を有する。
フォトダイオード基板3は、電源部8が接続された基板7上に、フォトダイオードとTFTとからなる画素が2次元状に形成された光電変換層および出力層6を有する。
シンチレータパネル2の出光面と、フォトダイオード基板3の光電変換層および出力層6とを、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、シロキサン樹脂、ポリエステル樹脂等からなる接着層9を介して接着または密着させることにより、固体検出器1が構成される。光電変換層に到達した蛍光体の発光光は、光電変換層および出力層6で光電変換され、出力される。
次に、本発明のシンチレータパネルについて説明する。本発明のシンチレータパネルは、支持体上に、蛍光体、バインダー樹脂およびグラフト化されている金属化合物粒子を含むシンチレータ層を有する。支持体は、シンチレータ層を保持する機能、X線発生源から放射された放射線を透過させてシンチレータ層に伝播させる機能を有する。シンチレータ層は、放射線エネルギーを吸収し、波長300〜800nmの電磁波、すなわち、可視光線を中心とする紫外〜赤外光に亘る光を発光する。
図2は、本発明のシンチレータパネルの構成の一例を模式的に表した断面図である。シンチレータパネルは、支持体4上に、蛍光体14および図示しないバインダー樹脂とグラフト化されている金属化合物粒子を含むシンチレータ層5を有する。ただし、図2において、蛍光体14は模式的に表されており、粒径の大小は表していない。支持体4とシンチレータ層5の間に、接着層15を有してもよい。
支持体の材質としては、放射線透過性の高い材質が好ましく、例えば、セルロースアセテート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、トリアセテート、ポリカーボネートなどの樹脂や、これらの樹脂と炭素繊維を含む炭素繊維強化樹脂が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。中でも、平坦性および耐熱性および放射線透過性に優れる材質が好ましく、例えば、ポリエステルが好ましい。
シンチレータパネルの持ち運びの利便性の点でシンチレータパネルの軽量化が進められていることから、支持体の厚みは2.0mm以下が好ましく、1.0mm以下がより好ましく、500μm以下がさらに好ましい。一方、支持体の弾性力を向上させ、シンチレータパネルの折れ曲がりを抑制するため、支持体の厚みは50μm以上が好ましく、70μm以上がより好ましい。
支持体は、表面層と、空隙を含む内部層を有することが好ましい。表面層と内部層を有することにより、シンチレータ層の発光光をより効果的に反射させる空隙を有する内部層を、表面層により保護し、取り扱い性を向上させることができる。
図3は、本発明のシンチレータパネルにおける支持体の構成の一例を模式的に表した断面図である。内部層12の両側にそれぞれ表面層11、表面層13を有する。
表面層は、樹脂を主成分とすることが好ましく、主成分である樹脂とは屈折率の異なる粉末を含有してもよい。主成分の樹脂としては、ポリエステルが好ましい。また、粉末には、シンチレータパネルの輝度をより向上させる観点から、発光光を吸収しない材料を選択することが好ましい。粉末としては、有機粉末や無機粉末などが挙げられる。内部層を保護して支持体の強度をより向上させる観点や、主成分である樹脂との屈折率差の観点から、無機粉末が好ましい。無機粉末としては、例えば、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ガドリニウム、酸硫化ガドリニウム、高屈折率ガラスなどの高屈折率材料からなる粉末;フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウムなどの低屈折率材料からなる粉末などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、酸化チタン粉末が高屈折率の観点から特に好ましい。表面層に含まれる粉末の屈折率と、主成分である樹脂の屈折率との差は、表面層の反射率をより向上させて支持体における光拡散をより抑制し、鮮鋭性をより向上させる観点から、0.2以上が好ましく、0.4以上がより好ましく、1.0以上がさらに好ましい。一方、樹脂および粉末の屈折率を適度に小さくして着色を抑制する観点から、屈折率差は1.4以下が好ましく、1.2以下がより好ましい。
ポリマーと粉末の屈折率は、屈折率測定装置(例えば、プリズムカプラMODEL2010/M”;メトリコン社製)を用いて測定することができる。ポリマーの屈折率の場合、より具体的にはポリマーの塗布膜を形成し、25℃において、633nm(He−Neレーザー使用)の光の屈折率を測定する。
表面層の厚みは、内部層を保護し、支持体の強度をより向上させる観点から、1μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、6μm以上がさらに好ましい。一方、可視光やX線の透過率をより向上させ、シンチレータパネルの輝度をより向上させる観点から、表面層の厚みは、20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましい。なお、複数の表面層のうち、図3に示すシンチレータ層側の表面層の厚みTs、その反対面側の表面層の厚みTbは、同じでも異なってもよい。ここで、表面層の厚みは、支持体の断面を、ミクロトームを用いて研磨した後に、SEMを用いて、倍率2000倍で拡大観察した2次元画像から、無作為に選択した40μm×60μmの領域を10箇所観察し、その平均値を算出することにより求めることができる。
内部層中における空隙の個数は、内部層の任意の断面における電子顕微鏡の断面画像において、1〜70個/100μmであることが好ましい。内部層中における空隙の個数は、支持体内部層の主成分となる材質と、非相溶である有機樹脂界面の界面剥離により空隙を生じさせ、延伸・配向させることにより空隙を層状に形成させる場合、有機樹脂の充填個数を増やすことによって増やすことができる。
空隙の形状としては、球状、楕円状、多角形状などが挙げられる。支持体内部層の主成分となる材質と、非相溶である有機樹脂界面の界面剥離により空隙を生じさせ、延伸・配向させることにより空隙を層状に形成させる場合、実質的に空隙の形状は楕円状であるものが多数である。支持体層の厚み方向に対して垂直方向に延伸・配向されるため、空隙の形状は支持体の厚み方向に空隙長さが短く、延伸・配向方向に空隙長さが長い形状となる。本発明において、空隙の短径をr1、空隙の長径をr2としたとき、長径と短径の比R(r2/r1)は1.5以上が好ましく、シンチレータパネルの輝度をより向上させることができる。一方、Rは5以下が好ましく、支持体内部層において支持体に平行な方向への光の拡散を抑制し、鮮鋭度をより向上させることができる。Rは4以下がより好ましく、3.5以下がさらに好ましい。
空隙の短径r1は、0.3以上が好ましく、反射率を向上させ、シンチレータパネルの輝度をより向上させることができる。一方、空隙の短径r1は、3μm以下が好ましく、内部層中に十分な数の空隙を有することにより反射率を向上させ、シンチレータパネルの輝度をより向上させることができる。空隙の短径r1は、1.0μm以下がより好ましく、0.7μm以下がさらに好ましい。
空隙の個数は、支持層の断面を走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」;例えば、(株)日立製作所製のS2400)を用いて倍率2000倍で拡大観察した2次元画像から、無作為に選択した40μm×60μmの領域において観察される粒径0.3μm以上の空隙を計数することにより求めることができる。また、空隙のr1およびr2は、支持層の断面をSEMを用いて倍率2000倍で拡大観察した2次元画像から、無作為に選択した40μm×60μmの領域において観察される100個の空隙を選択し、それぞれの長径と短径を測定し、その平均値を算出することにより求めることができる。
シンチレータ層は、蛍光体、バインダー樹脂およびグラフト化されている金属化合物粒子を含む。
蛍光体としては、例えば、タリウムをドープしたヨウ化セシウム(CsI:Tl)や、AS:X(ただし、Aは、Y、La、GdまたはLuを表し、Xは、Eu、TbまたはPrを表す)で表される粒子や、これらに共付活剤としてセリウム(Ce)またはサマリウム(Sm)を含めたものなどが挙げられる。混晶系の蛍光体を用いてもよい。特に、放射線から可視光への変換効率が高い、CsI:Tl、テルビウムをドープした酸硫化ガドリニウム(GdS(以下、「GOS」:Tb)が好ましい。
蛍光体は放射線のエネルギーを吸収しそれを可視波長域の蛍光として発光する。蛍光体の粒径が大きい場合、発光サイトの存在量が多いため、1粒子あたりの輝度は高くなる。しかし、シンチレータ層全体で考えた場合、蛍光体の粒径が大きい場合はシンチレータ層の膜密度が低下するため、シンチレータ層全体としての輝度は低下する。一方、蛍光体の粒径が小さい場合、シンチレータ層全体で考えた場合、シンチレータ層内の粒子数を多くすることができ、膜密度が向上するため、輝度は向上する。しかし、発光サイトの存在量が少ないため1粒子あたりの輝度は低くなる。さらに、シンチレータ層中の蛍光体の粒径が小さい場合、一粒子で発光した可視光が別の粒子によって反射する回数が増加する。可視光が反射することによって、光の散乱方向のランダム化が促進され鮮鋭度は低下する。その結果、光強度が減衰し、光の取り出し効率が低下する。
そこで、本発明においては、蛍光体1粒子あたりの輝度を高めつつ、膜密度を向上させさらに粒子間反射を最小化するために粒子間界面を最小とするべく、蛍光体粒度分布を特定の範囲にすることを特徴とする。すなわち、本発明において、シンチレータ層中における蛍光体は、体積平均粒径が9.5〜10.5μm、個数基準の累積粒度分布におけるD10が6.0〜8.5μm、D50が10.0〜12.5μm、D90が15.5〜18.0μmであることを特徴とする。体積平均粒径は蛍光体の体積で重みづけされた全体としての大きさの指標であり、個数基準の累積粒度分布におけるD10、D50、D90は蛍光体の粒径分布の広がりの指標である。なお、D10、D50、D90はそれぞれ、個数基準の累積粒度分布において累積粒度が10%、50%、90%となる粒径を表す。
蛍光体の体積平均粒径は、9.5〜10.5μmである。体積平均粒径が9.5μm未満であると、鮮鋭度は高くなるが輝度が低下する。蛍光体の体積平均粒径は、9.8μm以上が好ましい。一方、体積平均粒径が10.5μmを超えると、輝度は高くなるが鮮鋭度が低下する。蛍光体の体積平均粒径は、10.2μm以下が好ましい。
蛍光体のD10は、6.0〜8.5μmである。D10が6.0μm未満であると、鮮鋭度は高くなるが輝度が低下する。蛍光体のD10は、6.5μm以上が好ましい。一方、D10が8.5μmを超えると、輝度は高くなるが鮮鋭度が低下する。蛍光体のD10は、8.0μm以下が好ましい。
蛍光体のD50は、10.0〜12.5μmである。蛍光体のD50が10.0μm未満であると、鮮鋭度は高くなるが輝度が低下する。蛍光体のD50は、10.5μm以上が好ましい。一方、蛍光体のD50が12.5μmを超えると、輝度は高くなるが鮮鋭度が低下する。蛍光体のD50は、12.0以下が好ましい。
蛍光体のD90は、15.5〜18.0μmである。蛍光体のD90が15.5μm未満であると、鮮鋭度は高くなるが輝度が低下する。蛍光体のD90は、16.0μm以上が好ましい。一方、蛍光体のD90が18.0μmを超えると、輝度は高くなるが鮮鋭度が低下する。蛍光体のD90は、17.5μm以下が好ましい。
蛍光体の体積平均粒径は、フィッシャー・サブ−シーブ・サイザー(Fisher Sub−Sieve Sizer)法により測定することができる。フィッシャー・サブ−シーブ・サイザー法とは、粒子がアパチャーを通過する際、粒子体積に相当する電解液が置換されることにより、電極間に生じる抵抗変化量を電圧パルスに変換、増幅し、粒子のサイズを測定する方法である。フィッシャー・サブ−シーブ・サイザー法による体積平均粒子径の測定には、NAPSON社製TCR−600等の測定装置を用いることができる。また、蛍光体の個数基準の累積粒度分布は、空気透過法により測定することができる。空気透過法とは、サンプルチューブにサンプルを充填し、一定圧の空気を流したときの通過空気量から粒子表面積を求め、完全球としてサンプルの直径を算出する方法である。空気透過法により累積粒度分布の測定には、マイクロメリテックス社製Subsieve AutoSizer等の測定装置を用いることができる。
シンチレータ層における蛍光体の体積平均粒径および累積粒度分布におけるD10、D50、D90を前記範囲にする手段としては、例えば、以下の方法により得られる蛍光体を用いる方法が挙げられる。まず、酸化ガドリニウムと酸化テルビニウムの混合物に対して、硫黄およびアルカリ金属炭酸塩などの融剤を混合し、耐熱容器に充填し、1,000〜1,500℃で10〜20時間焼成する。焼成後、過剰な硫黄、アルカリ金属炭酸塩を除去するために水または弱酸より洗浄し、ナイロンメッシュ等で分級することが好ましい。アルカリ金属炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸二水素リチウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、二リン酸四ナトリウム、二リン酸四リチウム、二リン酸四リチウムなどが挙げられる。
蛍光体の粉体のタップ密度は、4.0g/cm以上が好ましい。蛍光体の比表面積は、0.10〜0.2m/gが好ましい。
シンチレータ層中の蛍光体の含有量は、80〜95重量%が好ましい。蛍光体を80重量%以上含有することにより、放射線から可視光への変換効率をより向上させ、シンチレータパネルの輝度をより向上させることができる。一方、蛍光体を95重量%以下含有することにより、後述するポリマーを適度に含有することができる。
シンチレータ層に用いられるバインダー樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂(シリコーンゴムまたはシリコーンゲル等のオルガノポリシロキサン硬化物(架橋物)を含む)、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、エチルセルロース樹脂などが挙げられる。これらを2種以上含んでもよい。
シンチレータ層中のバインダー樹脂の含有量は5〜20重量%が好ましい。
グラフト化されている金属化合物粒子とは、粒子の表面に存在する水酸基等を介して、高分子化合物が表面に化学結合(グラフト)されている金属化合物粒子をいう。金属化合物粒子がグラフト化されていることにより、シンチレータ層のクラックの発生を抑制することができる。また、シンチレータ層がバインダー樹脂を含有する場合には、バインダー樹脂への金属化合物粒子の分散状態が良好となり、その結果としてシンチレータ層の透明性が向上し、バインダー樹脂の屈折率と蛍光体との屈折率差を小さくすることができる。また、金属化合物が粒子状であることにより、蛍光体との混合により蛍光体表面を容易に被覆することができる。
金属化合物粒子としては、例えば、チタニア、ジルコニア、アルミナ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ニオブ、窒化ケイ素、水酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、ダイアモンドなどの粒子が挙げられる。これらの中でも、屈折率が高く、入手が容易であることから、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ニオブやそれらの化合物の粒子が好ましい。より具体的には、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ニオブの酸化物、硫化物、水酸化物等の粒子が挙げられる。屈折率の観点から、ジルコニア粒子、チタニア粒子が好ましい。
金属化合物粒子の具体例としては、例えば、“オプトレイク”(登録商標)TR−502、TR−504、TR−520等の酸化スズ−酸化チタン複合粒子;“オプトレイク”(登録商標)TR−503、TR−527、TR−528、TR−529、TR−513等の酸化ケイ素−酸化チタン複合粒子;“オプトレイク”(登録商標)TR−505等の酸化チタン粒子(以上、いずれも触媒化成工業(株)製);酸化ジルコニウム粒子((株)高純度化学研究所製);酸化スズ−酸化ジルコニウム複合粒子(触媒化成工業(株)製);酸化スズ粒子((株)高純度化学研究所製)などが挙げられる。
グラフト化されている金属化合物粒子の屈折率は、1.7以上が好ましい。屈折率を1.7以上とすることにより、前述の蛍光体との屈折率差を小さくして可視光の光散乱を抑制し、輝度をより向上させることができる。
グラフト化されている金属化合物粒子の屈折率は、屈折率測定装置(例えば、プリズムカプラMODEL2010/M”;メトリコン社製)を用いて測定することができる。より具体的には、グラフト化されている金属化合物粒子の塗布膜を形成し、25℃における、塗布膜表面に対して垂直方向に照射した633nm(He−Neレーザー使用)の光の屈折率を、グラフト化されている金属化合物粒子の屈折率とすることができる。
金属化合物粒子をグラフト化する高分子化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、尿素樹脂、メラミン樹脂等の水溶性高分子化合物;ポリシロキサン、ポリメチルメタクリレート、ポリn−ブチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ乳酸等の非水溶性高分子化合物などが挙げられる。上記化合物は2種類以上用いても良い。
金属化合物粒子のグラフト化は、例えば、金属化合物粒子、アルコキシシラン化合物、溶媒および酸触媒を混合することにより行うことができる。この場合、アルコキシシラン化合物を酸触媒により加水分解して得られるシラノール化合物を縮重合したポリシロキサンによって、金属化合物粒子がグラフト化されていると考えられる。
グラフト化されている金属化合物は蛍光体の表面と接触または近接、すなわち蛍光体を被覆することが好ましい。被覆率は5%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、50%以上がさらに好ましく、グラフト化されている金属化合物が蛍光体の表面を完全に被覆してもよい。被覆率が5%以上であると、蛍光体と大気との屈折率差が小さくなり、蛍光体の発光光をフォトダイオード基板のフォトダイオードに効率的に導くことができ、輝度をより向上させることができる。
グラフト化されている金属化合物による蛍光体の被覆率は、シンチレータ層の断面をSEMで観察した2次元画像から、無作為に20個の蛍光体粒子を選択し、それぞれについて周囲長を100分割し、蛍光体粒子表面から500nm以内の範囲に金属化合物が存在する領域の割合(%)を求め、その平均値から算出することができる。なお、シンチレータ層の断面が観察できるように研磨をする方法としては、例えば、機械研磨法、ミクロトーム法、CP法(Cross−section Polisher)または集束イオンビーム(FIB)加工法が挙げられる。
シンチレータ層の空隙率は、1〜50%が好ましく、5〜30%がより好ましい。空隙率をこの範囲にすることによって、高い輝度を保持したまま、画像の鮮鋭度をより向上させることができる。
シンチレータ層の空隙率は、シンチレータ層の断面を精密研磨した後にSEMで観察し、固形分部分(蛍光体、グラフト化されている金属化合物およびバインダー樹脂等)と空隙部分を2階調に画像変換し、シンチレータ層の断面の面積に占める空隙部分の面積割合から算出することができる。
シンチレータ層の膜密度は、4.8g/cm以上が好ましい。膜密度を4.8g/cm以上とすることにより、シンチレータパネルの輝度をより向上させることができる。シンチレータ層の膜密度は、シンチレータ層の一部を切り出し、その重量と体積を測定し、それらの商を計算することによって求めることができる。
シンチレータ層の厚みは、50〜1,000μmが好ましい。シンチレータ層の厚みを50μm以上とすることにより、放射線をより効果的に可視光に変換することができ、輝度をより向上させることができる。シンチレータ層の厚みは、80μm以上がより好ましく、100μm以上がさらに好ましい。一方、シンチレータ層の厚みを1,000μm以下とすることにより、鮮鋭度をより向上させることができる。シンチレータ層の厚みは、350μm以下が好ましく、230μm以下がより好ましい。
シンチレータ層の厚みは、テックサイエンス社製のNanoMap−LSを用いて測定することができる。本発明においては、シンチレータ層面内の無作為に選択した5点の厚みを測定し、それらの数平均値をシンチレータ層の厚みとする。
本発明のシンチレータパネルは、支持体とシンチレータ層との間に接着層を有することが好ましく、シンチレータ層と支持体との密着性を向上させ、シンチレータパネルの信頼性を向上させることができる。
接着層を構成する材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル等が挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、ポリエステルを主成分とすることが好ましい。ポリエステルのガラス転移温度は10〜80℃が好ましい。例えば、支持体としてPETを用いる場合には、PETと類似の構造であるテレフタル酸やイソフタル酸などの残基を有する芳香族ポリエステルが好ましい。芳香族ポリエステルとしては、高分子量飽和共重合ポリエステルが好ましく、さらに非結晶性溶剤可溶型の高分子量飽和共重合ポリエステルが好ましい。非結晶性溶剤可溶型の高分子量飽和共重合ポリエステルとしては、例えば、日本合成化学(株)製の“ニチゴーポリエスター”(登録商標)の非結晶性溶剤可溶型を好適に用いることができる。
接着層には、主成分であるポリエステルと異なる屈折率を有する粉末を含有してもよい。粉末を含有することにより、支持体に対して平行方向への光拡散を抑制することができる。ポリエステルと粉末の屈折率差は0.2以上が好ましい。粉末としては、接着層の主成分である樹脂との屈折率差の観点から、無機粉末が好ましい。無機粉末としては、前述の表面層における無機粉末として例示したものが挙げられる。高屈折率であることから、酸化チタン粉末が特に好ましい。
接着層の厚みは、シンチレータ層と支持体との密着性を向上させる観点から、0.03μm以上が好ましい。一方、接着層の厚みは、5.0μm以下が好ましい。
次に、本発明のシンチレータパネルの製造方法について説明する。例えば、支持体上に、蛍光体、バインダー樹脂およびグラフト化されている金属化合物粒子を少なくとも含有する蛍光体ペーストを塗布し、乾燥することによりシンチレータ層を形成することができる。
蛍光体ペーストは、前述の蛍光体、バインダー樹脂、グラフト化されている金属化合物粒子および必要に応じて有機溶媒、増粘剤、可塑剤、沈降防止剤、消泡剤又は分散剤を含有する。有機溶媒は、蛍光体ペーストに含まれるポリマーの良溶媒であり、水素結合力が大きいことが好ましい。有機溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テルピネオール、ベンジルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、ジヒドロターピネオール、γ−ブチロラクトン、ジヒドロターピニルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−メチルブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキシレングリコール、ブロモ安息香酸が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
蛍光体ペーストは、例えば、前述のバインダー樹脂と有機溶媒を混合し、均一に溶解してポリマー溶液を得た後、蛍光体、グラフトされている金属化合物粒子および、必要に応じて、有機溶媒、バインダー樹脂溶液、増粘剤、可塑剤、沈降防止剤、消泡剤、分散剤を混合し、その後に液々剪断力をかけて蛍光体を分散させることにより得ることができる。液々剪断力をかける手段としては、例えば、高速撹拌翼を用いる撹拌、ロール型混錬機による混錬、自公転遠心型分散機等が挙げられる。尚、各成分の混合順番は上述の限りではなく、選択する成分の相溶性や生産効率を鑑み入れ替えることができる。
本発明における蛍光体は、前述の体積平均粒径および粒度分布を有することから、溶液中に均一に分散しやすい利点がある。特に、D10を前述の範囲にすることにより、均一分散させるために要する剪断力を適度に抑えることができるため、蛍光体の損傷を抑制することができる。
蛍光体ペーストの塗布方法としては、例えば、スクリーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、スリットダイコーター、ブレードコーターなどを用いた塗布方法が挙げられる。均一な厚みで、表面の平坦性に優れ、泡の噛みこみによる欠陥などが少ない層を得ることができることから、スリットダイコーターを用いた塗布方法が好ましい。
蛍光体ペースト塗布膜の乾燥装置としては、例えば、熱風オーブン、IRオーブン等の乾燥機が挙げられる。この際に、支持体がフィルム等の柔らかい素材の場合は、歪みなどを生じやすいため、剛性のあるセッターの上に載せる等して、平面性を保つこと、過度な風速により膜面の平坦性を損ねないことが好ましい。
本発明の固体検出器は、前述のシンチレータパネル、フォトダイオード基板および基台を有する。例えば、シンチレータパネルを必要なサイズにカットし、フォトダイオード基板および基台を有するFPD(例えばPaxScan2520(Varian社製))にセットすることによって固体検出器を作製することができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
まず、各実施例および比較例に用いた原料を以下に示す。
(金属化合物粒子)
金属化合物粒子としては、以下のものを用いた。
酸化ケイ素−酸化チタン複合粒子“オプトレイク”(登録商標)TR−527”(触媒化成工業(株)製;平均粒子径15nm、屈折率2.50、酸化チタン粒子20質量%)
(製造例1:金属化合物粒子のグラフト化)
まず、40gのメチルトリメトキシシンラン、20gのフェニルトリメトキシシラン、20gのジメチルジメトキシシラン、20g(固形分)の金属化合物粒子および230gのPGMEAを、反応容器に入れて撹拌し、1重量%リン酸水溶液30gを反応温度が40℃を超えないように滴下した。滴下終了後、反応容器に蒸留装置を取り付け、得られた溶液をバス温105℃で2.5時間加熱撹拌して、加水分解により生成したメタノールを留去しつつ反応させた。その後、さらにバス温115℃で2時間加熱撹拌してから室温まで冷却し、ポリシロキサンでグラフト化されている金属化合物粒子(以下、グラフト化金属化合物粒子)を得た。屈折率測定装置(プリズムカプラMODEL2010/M”;メトリコン社製)を用いて25℃において屈折率を測定したところ、屈折率は1.7であった。
(製造例2:シンチレータ層用ペースト1の調製)
製造例1により得られた0.4gのグラフト化されている金属化合物粒子(固形分)、86gの蛍光体(GOS:Tb((株)日亜化学製))および13gのジエチレングリコールモノブチルエーテル、0.5gのアクリル樹脂(“オリコックス”(登録商標)#2446(共栄社化学(株)製)を混合し、遊星式撹拌脱泡装置(“マゼルスター”(登録商標)KK−400;クラボウ製)を用いて1000rpmで20分間撹拌脱泡して、シンチレータ層用ペーストを得た。屈折率測定装置(プリズムカプラMODEL2010/M”;メトリコン社製)を用いて25℃において屈折率を測定したところ、アクリル樹脂(“オリコックス”(登録商標)#2446(共栄社化学(株)製)の屈折率は1.5であった。
(製造例3:支持体の作製)
支持体の内部層を構成する成分として、共重合化されたポリエステル樹脂に、非相溶である有機粒子となる樹脂の混合物からなる内部層用マスターペレットを使用した。また、支持体の表面層を構成する成分として、共重合化されたポリエステル樹脂に、酸化チタン粒子1(D50:0.25μm)、酸化チタン粒子2(D50:1.1μm)をそれぞれ所定量加えた表面層用マスターペレットを使用した。
これらのペレットをそれぞれ280℃に加熱された2台の押出機に供給し、ダイによりシート状に成形した。さらに、このシートを表面温度20℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムを90℃にて長手方向に2.9倍延伸し、25℃のロール群で冷却した。続いて、支持体の両端をクリップで保持しながらテンターに導き、120℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向(幅方向)に3.7倍で延伸した。その後、テンター内にて190℃で熱固定を行い、室温まで冷やして二軸延伸されたロール状支持体として巻き取った。このロールを500mm角に裁断し、支持体を得た。
ミクロトームで精密に断面を出した後、電子顕微鏡を用いて倍率2000倍で拡大観察し、無作為に選択した10箇所について、表面層、内部層、支持体全体の厚みを測定し、それぞれの数平均値を算出したところ、表面層の厚みは10μm、内部層の厚みは200μmで、支持体全体の厚みは220μmであった。
得られた支持体の断面を、ミクロトームを用いて研磨して精密に断面を出した後に、SEMを用いて、表面層は倍率5,000倍(視野:25μm×15μm)、内部層は倍率2,000倍(視野:40μm×60μm)の条件で観察した。
空隙と、それ以外の材料由来の部分とを2階調に画像変換し、観察領域に認められる空隙部分の表面層および内部層の断面積に占める面積割合を算出した。表面層、内部層で各10箇所の面積割合を算出し、その数平均値を算出した。その結果、表面層の空隙率は0.5%、内部層の空隙率は60%であった。また、内部層について、5箇所観察し、観察領域に認められる有機粒子から無作為に20個を選択して粒子径を測定し、その数平均値を算出した。その結果、支持体の内部層に含まれる空隙の短径r1は0.3μm、長径は0.6μmであった。
また、内部層について、得られた画像中に含まれる、球状または楕円状である粒径0.3μm以上の有機粒子の個数を計数した。その結果、支持体の内部層に含まれる有機粒子の個数は0.2個/μmであった。
支持体の表面層の共重合化されたポリエステル樹脂の薄膜を作製し、屈折率測定装置(例えば、プリズムカプラMODEL2010/M”;メトリコン社製)を用いて、25℃において、633nm(He−Neレーザー使用)の光の屈折率を測定したところ、1.6であった。また、支持体の表面層に用いた酸化チタン粒子1〜2の屈折率について、ファインセラミックスハンドブックのデータ値を参照したところ、酸化チタン粒子の屈折率は2.7であった。
接着層を構成する成分として、テレフタル酸/イソフタル酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリコール(モル比:25/25/25/25)からなる共重合ポリエステル樹脂に酸化チタン粒子(平均粒子径0.24μm)を15重量%加えた塗液を、ロール状の支持体に、マイクログラビア版・キスコートにて塗布し、100℃にて乾燥することにより、支持体上に厚み2μmの接着層を形成した。
各実施例および比較例における評価方法を以下に示す。
(蛍光体の体積平均粒径と粒度分布)
各実施例および比較例に用いた蛍光体について、NAPSON社製TCR−600を使用して、フィッシャー・サブ−シーブ・サイザー法により体積平均粒径を測定した。
また、水を満たした試料室に各実施例および比較例に用いた蛍光体を投入し、40Wの超音波を300秒間照射した後、マイクロトラックベル社製MT3000IIを使用して、レーザー回折・散乱法にて粒度分布を測定した。それぞれ3回測定を行い、加重平均値から粒子のD10、D50、D90を算出した。
(シンチレータ層の膜密度)
各実施例および比較例により得られた500mm×500mm角のシンチレータパネルの重量から、500mm×500mmの支持体の重量を除いた値と、シンチレータ層の体積(500mm×500mm×シンチレータ層の厚み)の商を計算することによって膜密度を算出した。
(輝度および鮮鋭度)
各実施例および比較例により得られたシンチレータパネルを、FPD(PaxScan2520)にセットして、固体検出器を作製した。管電圧70kVpの放射線を、シンチレータパネルの基板側から照射して、シンチレータパネルの輝度、鮮鋭度をFPDにより検出した。比較例1の輝度と鮮鋭度を100とする相対値により評価した。
(実施例1)
製造例2により得られたシンチレータ層用ペーストを、製造例3により得られた接着層を形成した支持体上に、ブレードコーターを用いて、乾燥後のシンチレータ層の厚みが200μmになるように塗布し、80℃で240分間乾燥して、シンチレータ層を形成し、シンチレータパネルを作製した。
(実施例2〜4、比較例1〜9)
蛍光体を表1記載の体積平均粒径および粒度分布を有するものに変更したこと以外は実施例1と同様の方法でシンチレータパネルを作製し、評価を行った。
Figure 2020159938
Figure 2020159938
1 固体検出器
2 シンチレータパネル
3 フォトダイオード基板
4 支持体
5 シンチレータ層
6 光電変換層および出力層
7 基板
8 電源部
9 接着層
10 基台
11 支持体の表面層
12 支持体の内部層
13 支持体の対面の表面層
14 蛍光体
15 接着層
Ts シンチレータ層側の表面層の厚み
Tb 反対面側の表面層の厚み
Tc 内部層の厚み

Claims (7)

  1. 支持体上に蛍光体、バインダー樹脂およびグラフト化されている金属化合物粒子を含むシンチレータ層を有するシンチレータパネルであって、前記蛍光体の体積平均粒径が9.5〜10.5μmであり、累積粒度分布におけるD10が6.0〜8.5μmであり、累積粒度分布におけるD50が10.0〜12.5μmであり、累積粒度分布におけるD90が15.5〜18.0μmであるシンチレータパネル。
  2. 前記蛍光体がGdS:Tbを含む請求項1に記載のシンチレータパネル。
  3. 前記グラフト化されている金属化合物粒子の屈折率が1.7以上である請求項1〜2いずれかに記載のシンチレータパネル。
  4. 前記支持体の厚みが70〜500μmである請求項1〜3いずれかに記載のシンチレータパネル。
  5. 前記支持体が、ポリマーおよびセラミック粉末を含む表面層と、空隙層を含む内部層を有する請求項1〜4いずれかに記載のシンチレータパネル。
  6. 前記表面層に含まれるポリマーとセラミック粉末の屈折率差が0.2以上である請求項5に記載のシンチレータパネル。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のシンチレータパネル、フォトダイオード基板および基台を有する固体検出器。
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WO2022259989A1 (ja) * 2021-06-08 2022-12-15 キヤノン株式会社 検体検査用偏光発光粒子

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