JP2020104809A - 作業車両 - Google Patents
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Abstract
Description
さて、農作業機においては、後輪側の駆動軸の回転数を走行速度に置き換えていて、前輪側に取付けることは想定がなされていない。特に、倍速切換手段を設けた場合は、前輪側の駆動軸の回転数が増加するため、正確に走行速度を検出することができないのが実情である。
作業車両は、ステアリングハンドルと、前輪及び後輪を含む走行装置が設けられ、且つ、前記ステアリングハンドルによる手動操舵と、走行基準ラインに基づいて前記ステアリングハンドルの自動操舵とのいずれかで走行可能な車体と、前記ステアリングハンドルの操舵角が所定以上である場合に前記前輪の回転速度を前記後輪の回転速度よりも速くする倍速装置を含む変速装置と、前記変速装置から前記前輪に至る前輪駆動軸の回転数を検出する回転検出装置と、前記倍速装置が作動していない場合の前記回転検出装置で検出した前輪駆動軸の回転数である第1回転数から前記車体の走行速度を演算する第1演算部と、前記倍速装置が作動している場合の前記回転検出装置で検出した前輪駆動軸の回転数である第2回転数から前記車体の走行速度を演算する第2演算部と、を備えている。
前記第1演算部は、前記第1回転数に回転数を速度に変換する変換係数を算入することで、前記車体の走行速度を求め、前記第2演算部は、前記第2回転数に前記倍速装置の作動時における前記前輪駆動軸の増加回転数を除した除算回転数を求め、求めた除算回転数に前記変換係数を算入することで、前記車体の走行速度を求める。
作業車両は、前記車体の位置を検出可能な測位装置と、前記測位装置で検出された車体の位置を前記走行基準ラインの開始位置及び終了位置に設定する基準ライン設定スイッチと、を備えている。
図10は作業車両1の一実施形態を示す側面図であり、図10は作業車両1の一実施形態を示す平面図である。本実施形態の場合、作業車両1はトラクタである。但し、作業車両1は、トラクタに限定されず、コンバインや移植機等の農業機械(農業車両)であってもよいし、ローダ作業機等の建設機械(建設車両)等であってもよい。
図10に示すように、トラクタ1は、車体3と、原動機4と、変速装置5とを備えている。車体3は走行装置7を有していて走行可能である。走行装置7は、前輪7F及び後輪7Rを有する装置である。前輪7Fは、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。また、後輪7Rも、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。
また、車体3の後部には、昇降装置8を含む連結部が設けられている。連結部には、作業装置を着脱可能である。作業装置を連結部に連結することによって、車体3によって作業装置を牽引することができる。作業装置は、耕耘する耕耘装置、肥料を散布する肥料散布装置、農薬を散布する農薬散布装置、収穫を行う収穫装置、牧草等の刈取を行う刈取装置、牧草等の拡散を行う拡散装置、牧草等の集草を行う集草装置、牧草等の成形を行う成形装置等である。
シャトル部5dは、シャトル軸12と、前後進切換部13とを有している。シャトル軸12には、副変速部5cから出力された動力がギア等を介して伝達される。前後進切換部13は、例えば、油圧クラッチ等で構成され、油圧クラッチの入切によってシャトル軸12の回転方向、即ち、トラクタ1の前進及び後進を切り換える。シャトル軸12は、後輪デフ装置20Rに接続されている。後輪デフ装置20Rは、後輪7Rが取り付けられた後車軸21Rを回転自在に支持している。
図1に示すように、トラクタ1は、操舵装置11を備えている。操舵装置11は、運転者の操作によって車体3の操舵を行う手動操舵と、運転者の操作によらずに自動的に車体3の操舵を行う自動操舵とを行うことが可能な装置である。
図2に示すように、自動操舵を行うに際しては、まず、自動操舵を行う前に走行基準ラインL1を設定する。走行基準ラインL1の設定後に、当該走行基準ラインL1に平行な走行予定ラインL2の設定を行うことによって自動操舵を行うことができる。自動操舵では、測位装置40によって測定された車***置と走行予定ラインをL2とが一致するように、トラクタ1(車体3)の進行方向の操舵を自動的に行う。
図1に示すように、トラクタ1は、設定スイッチ51を備えている。設定スイッチ51は、少なくとも自動操舵の開始前の設定を行う設定モードに切り換えるスイッチである。設定モードは、自動操舵を開始する前に当該自動操舵に関する様々な設定を行うモードであり、例えば、走行基準ラインL1の始点、終点の設定等を行うモードである。
補正スイッチ53がプッシュスイッチである場合、当該プッシュスイッチの操作回数に基づいて、補正量が設定される。補正量は、補正量=操作回数×1回の操作回数当たりの補正量により決定される。例えば、図3Aに示すように、プッシュスイッチを操作する毎に、補正量が数センチ或いは数十センチずつ増加する。プッシュスイッチの操作回数は、第1制御装置60Aに入力され、当該第1制御装置60Aが操作回数に基づいて補正量を設定(演算)する。
図5Aは、自動操舵中で直進中に演算車***置W1が右にずれた場合の状態を示している。図5Aに示すように、自動操舵が開始された状態において、実際のトラクタ1(車体3)の位置(実際位置W2)と演算車***置W1とが一致し、且つ、実際位置W2と走行予定ラインL2とが一致している場合、トラクタ1は走行予定ラインL2に沿って走行する。即ち、測位装置40の測位に誤差がなく、測位装置40で検出した車***置(演算車***置W1)が実際位置W2と同じである区間P1では、トラクタ1は走行予定ラインL2に沿って走行する。なお、測位装置40の測位に誤差がなく補正も行われていない場合は、演算車***置W1と、補正量で補正した補正後の車***置(補正車***置)W3とは同じ値である。補正車***置W3は、補正車***置W3=演算車***置W1−補正量である。
図6に示すように、ステアリングシャフト31の外周は、ステアリングポスト180により覆われている。ステアリングポスト180の外周は、カバー177により覆われている。カバー177は、運転席10の前方に設けられている。カバー177は、パネルカバー178とコラムカバー179とを含んでいる。
設定スイッチ51は、ステアリングシャフト31の一側方(左方)に配置されている。操舵切換スイッチ52は、ステアリングシャフト31の一側方(左方)に配置されている。本実施形態の場合、操舵切換スイッチ52は、揺動可能なレバーから構成されている。操舵切換スイッチ52は、ステアリングシャフト31側に設けられた基端部を支点として揺動可能である。操舵切換スイッチ52の基端部は、コラムカバー179の内部に設けられている。操舵切換スイッチ52は、コラムカバー179の一側方(左方)に突出している。
第1制御装置60Aは、受信装置41が受信した衛星信号(受信情報)と、慣性計測装置42が測定した測定情報(加速度、角速度等)を受信し、受信情報及び測定情報に基づいて車***置を求める。例えば、第1制御装置60Aは、補正スイッチ53による補正量が零である場合、即ち、補正スイッチ53による車***置の補正が指令されていない場合、受信情報と測定情報とで演算された演算車***置W1に対して補正を行わず、演算車***置W1を自動操舵時に用いる車***置に決定する。一方、第1制御装置60Aは、補正スイッチ53による車***置の補正が指令されている場合、補正スイッチ53の操作回数及び補正スイッチ53の操作量(変位量)のいずれかに基づいて車***置の補正量を設定し、演算車***置W1を補正量で補正した補正車***置W3を自動操舵時に用いる車***置に決定する。
第3制御装置60Cは、トラクタ1に関する様々な制御を行う。第3制御装置60Cは、手動昇降制御、オートアップ制御、倍速制御等を行うことができる。手動昇降制御では、第3制御装置60Cに接続された昇降スイッチ101の操作に基づいて昇降装置8を昇降する制御である。具体的には、昇降スイッチ101は、運転席10の周囲に設けられていて、3位置切換スイッチである。昇降スイッチ101を中立位置から一方に切り換えると、昇降装置8(リフトアーム8a)を上昇させる上昇信号が第3制御装置60Cに入力される。また、昇降スイッチ101を中立位置から他方に切り換えると、昇降装置8(リフトアーム8a)を下降させる下降信号が第3制御装置60Cに入力される。第3制御装置60Cは、上昇信号を取得すると制御弁29に制御信号を出力することで昇降装置8を上昇させ、下降信号を取得すると制御弁29に制御信号を出力することで昇降装置8を下降させる。つまり、第3制御装置60は、昇降スイッチ101の手動操作に応じて昇降装置8を昇降させる手動昇降制御をすることができる。
作業車両は、トラクタ1(車体3)の走行速度(車速)を検出するための車速検出装置が設けられている。走行速度(車速)は、車体3に設けられた回転軸の回転数を換算することで求める。図1に示すように、車速検出装置は、変速装置5から前輪7Fに至る前輪駆動軸23の回転数を検出する回転検出装置43aを有している。回転検出装置43aは、第1クラッチ17のギア17aに噛み合い且つ前伝動軸22共に回転するギア44の側方に設けられ、ギア44の回転数を検出することで、前輪駆動軸23の回転数、即ち、前伝動軸22の回転数を検出する。
第1演算部701は、第1回転数から車体3の走行速度を演算する。例えば、第1演算部701は、第1回転数に回転数を速度に変換する変換係数K1を算入することで、走行速度を求める。詳しくは、変換係数K1は、後輪7Rの外径と前伝動軸22の回転数との関係から当該前伝動軸22の回転数を走行速度に変換する変換係数K1であって、予め第1演算部701が記憶している。第1演算部701は、第1回転数を「RV1」、走行速度を「VB1」とした場合、VB1=RV1×K1により、4WD等速状態のときの走行速度、即ち、倍速装置が作動していない場合の走行速度VB1を求める。
表示装置45は、倍速装置が作動していない場合は、第1演算部701で演算された走行速度VB1を表示し、倍速装置が作動している場合は、第2演算部702で演算された走行速度VB2を表示する。
表示装置45、即ち、運転画面M1は、運転情報を示す運転表示部61を有している。運転表示部61は、運転情報として原動機4の回転数(原動機回転数)を表示する回転表示部62を含んでいる。回転表示部62は、レベル表示部63を含んでいる。レベル表示部63は、原動機回転数を段階的に表示する部分である。例えば、レベル表示部63は、目盛部65と、指標部80とを含んでいる。目盛部65は、例えば、第1ライン65Aと、第1ライン65Aに沿って所定の間隔で割り当てられた複数の第2ライン65Bとを有している。また、目盛部65は、第1ライン65Aと所定の間隔で離間した第3ライン65Cとを有している。第1ライン65A及び第3ライン65Cは、例えば、半円形状に形成されていて、一端側(例えば、左側)が最小値とされ、他端側(例えば、右側)が最大値とされている。
運転画面M1は、複数のアイコン部66を表示するアイコン表示部67を有している。アイコン表示部67は、様々な情報をアイコン部66で示す部分である。即ち、自動操舵等の走行に関する設定、例えば、設定モードで設定された設定状態をアイコン部66で表示する。アイコン表示部67は、運転表示部61とは異なる位置であって、例えば、運転画面M1の上部に配置されている。
第4アイコン部66Dは、自動操舵の条件が整っている場合に表示される。例えば、第4アイコン部66Dは、設定モードが有効、走行基準ラインL1の設定の完了、走行予定ラインL2が設定可能な状況になった場合に表示される。
第8アイコン部66Hは、自動操舵の条件に応じて表示が変化する。第8アイコン部66Hは、何らかの事情で自動操舵が行えない状態になった場合、例えば、設定モードが無効、受信装置41の受信信号の受信感度が低く車***置が検出できない場合、走行基準ラインL1の設定が行われていない場合などは、自動操舵が行えないことを示す灰色になる。また、第8アイコン部66Hは、何らかの事情で自動操舵が行える状態になった場合、例えば、設定モードが有効で且つ受信装置41の受信信号の受信感度が所定以上で車***置が検出でき、さらに、走行基準ラインL1の設定が行われている場合は、自動操舵が行えることを示す緑色になる。なお、第8アイコン部66Hにおける表示形態は、上述した表示形態に限定されない。
表示装置45は、運転画面M2における運転表示部61を示す色(着色)を、運転画面M1における運転表示部61を示す色(着色)とは異なる色にしている。詳しくは、表示装置45は、運転画面M2におけるレベル表示部63の目盛部65の色、即ち、第1ライン65A、第2ライン65B及び第3ライン65Cの色は、運転画面M1と同じ色にしつつ、運転画面M2の指標部80の色を運転画面M1とは異なる色にしている。即ち、設定モードを有効にした場合は、指標部80の色が、設定モードを無効にした指標部80の色とは異なる色になる。
運転表示部61は、運転情報として走行速度VB1、VB2を表示する速度表示部710を含んでいる。速度表示部710は、例えば、数値、レベルゲージ等によって走行速度を表す。速度表示部710は、倍速装置が作動していないとき(倍速制御が行われていないとき)は、第1演算部701が演算した走行速度VB1を表示する。速度表示部710は、倍速装置が作動したとき(倍速制御が行われたとき)は、第2演算部702が演算した走行速度VB2を表示する。
作業車両1は、車体3の位置を検出可能な測位装置40と、測位装置40で検出された車体3の位置を走行基準ラインL1の開始位置及び終了位置に設定する基準ライン設定スイッチと、を備えている。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
3 :車体
5 :変速装置
7 :走行装置
7F :前輪
7R :後輪
30 :ステアリングハンドル
40 :測位装置
43a :回転検出装置
45 :表示装置
60 :制御装置
701 :第1演算部
702 :第2演算部
Claims (5)
- ステアリングハンドルと、
前輪及び後輪を含む走行装置が設けられ、且つ、前記ステアリングハンドルによる手動操舵と、走行基準ラインに基づいて前記ステアリングハンドルの自動操舵とのいずれかで走行可能な車体と、
前記ステアリングハンドルの操舵角が所定以上である場合に前記前輪の回転速度を前記後輪の回転速度よりも速くする倍速装置を含む変速装置と、
前記変速装置から前記前輪に至る前輪駆動軸の回転数を検出する回転検出装置と、
前記倍速装置が作動していない場合の前記回転検出装置で検出した前輪駆動軸の回転数である第1回転数から前記車体の走行速度を演算する第1演算部と、
前記倍速装置が作動している場合の前記回転検出装置で検出した前輪駆動軸の回転数である第2回転数から前記車体の走行速度を演算する第2演算部と、
を備えている作業車両。 - 前記倍速装置が作動していない場合は前記第1演算部で演算された車体の走行速度を表示し且つ前記倍速装置が作動している場合は、前記第2演算部で演算された車体の走行速度を表示する表示装置を備えている請求項1に記載の作業車両。
- 前記第1演算部は、前記第1回転数に回転数を速度に変換する変換係数を算入することで、前記車体の走行速度を求め、
前記第2演算部は、前記第2回転数に前記倍速装置の作動時における前記前輪駆動軸の増加回転数を除した除算回転数を求め、求めた除算回転数に前記変換係数を算入することで、前記車体の走行速度を求める請求項1又は2に記載の作業車両。 - 前記自動操舵の開始及び終了のいずれかを切り換える操舵切換スイッチを備え、
前記制御装置は、前記操舵切換スイッチにより前記自動操舵の開始の切換が行われた場合に前記操舵装置による自動操舵を開始する請求項1〜3のいずれかに記載の作業車両。 - 前記車体の位置を検出可能な測位装置と、
前記測位装置で検出された車体の位置を前記走行基準ラインの開始位置及び終了位置に設定する基準ライン設定スイッチと、
を備えている請求項1〜4のいずれかに記載の作業車両。
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Citations (4)
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