JP2020068287A - 半導体ウエハー及びその製造方法 - Google Patents

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孝行 井上
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Abstract

【課題】Si基板上に窒化物半導体層を備え、電流コラプス特性等の電気的特性に優れた半導体ウエハー及びその製造方法を提供する。【解決手段】一実施の形態として、Siを主成分とする基板10と、基板10上に形成された、SiMg2からなる面内方向に不連続な成長初期層11と、成長初期層11を覆うように基板10上に形成された、AlN層12aを最下層とするバッファ層12と、バッファ層12上に形成された、Ga、Al、Inのうちの少なくとも1つを含む窒化物半導体層13と、を備えた、半導体ウエハー1を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウエハー及びその製造方法に関する。
Si基板上にGaを含む窒化物半導体層を有する半導体ウエハーを製造する際、Si基板上に直接窒化物半導体層を成長させると、SiとGaが反応して混晶を形成し、窒化物半導体層の表面の平滑性が低下する。このため、Si基板の表面をAlN層で覆い、その上に窒化物半導体層を形成する方法が知られている。
また、このAlN層をSi基板上に成長させる際、AlNの原料であるトリメチルアルミニウム(TMA)ガスとNHガスを同時に流し始める場合よりも、一方を先に流し始める場合において、AlN層の結晶性が高くなることが知られている。AlN層の結晶性が高くなることにより、AlN層上に成長する窒化物半導体層の結晶品質が高くなる。TMAガスを先に流す技術については、例えば特許文献1に、NHガスを先に流す技術については、例えば非特許文献1に開示されている。
また、従来、Siを主成分とする半導体基板上に形成された非金属シリサイド薄膜と、非金属シリサイド薄膜上に形成された高誘電率膜と、高誘電率膜上に形成されたゲート電極とを有する半導体デバイスが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2によれば、半導体基板上に非金属薄膜シリサイドを介して絶縁体薄膜を成膜すると、絶縁膜・半導体界面のダングリングボンドは、成膜過程・その後の高温過程を通して、非金属薄膜シリサイドにより終端が保たれるとされている。その結果、界面の活性が低下し、耐酸化性が著しく向上する。同時に、界面のダングリングボンドが終端できているため、界面欠陥を一掃することができる。
特許第3454037号公報 特許第4261408号公報
H. Lahreche, et al., "Recent Achievement in the GaN Epitaxy on Silicon and Engineering Substrates", ECS Transactions, 2006, volume 3, issue 5, p.271-286
いわゆるパワー半導体デバイス、特に、HEMT(High Electron Mobility Transistor)について解決すべき課題として、電流コラプスと呼ばれるオン抵抗が増加する現象がある。電流コラプスが発生すると、オン損失の増加、スイッチング不良等が生じ、パワー半導体デバイスの特性劣化を引き起こす場合がある。このため、パワー半導体デバイスにおいては、電流コラプスの抑制が求められるが、特許文献1、2や非特許文献1の技術のみでは達成できないと考えられる。
本発明の目的は、Si基板上に窒化物半導体層を備え、電流コラプス特性等の電気的特性に優れた半導体ウエハー及びその製造方法を提供することにある。
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、以下の[1]〜[4]の半導体ウエハー、及び[5]〜[7]の半導体ウエハーの製造方法を提供する。
[1]Siを主成分とする基板と、前記基板上に形成された、SiMgからなる面内方向に不連続な成長初期層と、前記成長初期層を覆うように前記基板上に形成された、AlN層を最下層とするバッファ層と、前記バッファ層上に形成された、Ga、Al、Inのうちの少なくとも1つを含む窒化物半導体層と、を備えた、半導体ウエハー。
[2]前記成長初期層が、前記基板上に点在する複数のアイランド状のSiMgから構成される、上記[1]に記載の半導体ウエハー。
[3]前記窒化物半導体層中に二次元電子ガスが含まれる、上記[1]又は[2]に記載の半導体ウエハー。
[4]前記バッファ層が、AlN層の上に超格子構造を有する窒化物半導体からなる層を有する、上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の半導体ウエハー。
[5]Mgを含む金属有機物ガスを用いて、Siを主成分とする基板上に、SiMgからなる面内方向に不連続な成長初期層を形成する工程と、前記成長初期層をAlN層の成長初期核として用いて、前記AlN層を最下層とするバッファ層を前記基板上に形成する工程と、前記バッファ層上にGa、Al、Inのうちの少なくとも1つを含む窒化物半導体層を形成する工程と、を含む、半導体ウエハーの製造方法。
[6]前記金属有機物ガスがCpMgである、上記[5]に記載の半導体ウエハーの製造方法。
[7]前記成長初期層を形成する工程における、前記金属有機物ガスの流量、前記金属有機物ガスを流す時間、前記基板の温度が、それぞれ5〜50cc/m、10〜600s、940〜1040℃である、[5]又は[6]に記載の半導体ウエハーの製造方法。
本発明によれば、Si基板上に窒化物半導体層を備え、電流コラプス特性等の電気的特性に優れた半導体ウエハー及びその製造方法を提供することができる。
図1は、実施の形態に係る半導体ウエハーの垂直断面図である。 図2(a)〜(d)は、実施の形態に係る半導体ウエハーの製造工程を示す垂直断面図である。 図3(a)は、バッファコラプス測定の測定方法を示す模式図であり、図3(b)は、測定により得られるバッファコラプスの一例を示すグラフである。 図4(a)〜(c)は、試料1〜3の電流−電圧特性を示すグラフである。 図5(a)〜(c)は、試料4〜6の電流−電圧特性を示すグラフである。 図6(a)〜(c)は、表4に示される試料1〜3の耐圧特性をプロットしたグラフである。 図7(a)〜(c)は、表4、表5に示される試料4〜6の耐圧特性をプロットしたグラフである。
(半導体ウエハーの構成)
図1は、実施の形態に係る半導体ウエハー1の垂直断面図である。半導体ウエハー1は、Siを主成分とする基板10と、基板10上に形成された、SiMgからなる面内方向に不連続な成長初期層11と、成長初期層11を覆うように基板10上に形成された、AlN層12aを最下層とするバッファ層12と、バッファ層12上に形成された、Ga、Al、Inのうちの少なくとも1つを含む窒化物半導体層13とを備える。
基板10は、Siを主成分とする基板であり、典型的にはSi基板である。Si基板は、大口径のものを低コストで用意することができる。
AlN層12aは、基板10の表面を覆うGaを含まない膜であり、基板10に含まれるSiと、基板10の上方に形成される層に含まれるGaが反応することを防ぐ。AlN層12aは、低温(例えば850〜1000℃)で形成される低温層と、その上の低温層よりも高温(例えば950〜1150℃)で形成される高温層からなる2層構造を有していてもよい。
成長初期層11は、基板10上に成長するAlN層12aの成長初期核となる層である。成長初期層11は、SiMgからなる層であり、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)において基板10の表面にMgを含む金属有機物ガスを流すことにより形成される。また、成長初期層11は、面内方向に不連続な層であり、典型的には、基板10上に点在する複数のアイランド状のSiMgから構成される。
ここで、成長初期層11の原料ガスとして用いることのできるMgを含む金属有機物ガスは、MOCVDの過程において、熱分解によりMgが結合から外れる金属有機物ガスであり、例えば、Cp2Mg(Bis-cyclopentadienyl magnesium)ガスである。
バッファ層12は、AlN層12aと、その上に形成される上層12bを含む。上層12bは、窒化物半導体(III族元素とNを含む2〜4元系の化合物半導体)から構成され、例えば、窒化物半導体層13がGaNからなる場合は、AlGa1−xN(0≦x≦1)から構成される。上層12bは、超格子構造や、傾斜組成構造等の多層構造を有してもよい。
超格子構造は、例えば、Al組成xが大きい(格子定数が大きい)AlGa1−xN膜とAl組成xが0又は小さい(格子定数が小さい)AlGa1−xN膜とが交互に積まれた構造である。傾斜組成バッファ構造は、例えば、下層から上層に向かってAl組成xが小さくなるように、Al組成xの異なる複数のAlGa1−xN膜が積層された構造である。
超格子バッファ構造を採用する場合、Siを主成分とする基板10と窒化物半導体層13との熱膨張係数差により生じる半導体ウエハー1の下側(基板10側)に凸となる反りを抑えることができる。
下側に凸となるように反った半導体ウエハー1においては、窒化物半導体層13中に引張応力が生じており、窒化物半導体層13は非常にクラックが生じやすい状態にある。超格子バッファ構造を用いることにより、窒化物半導体層13中の引張応力をキャンセルすることができるため、半導体ウエハー1の反りを抑えることができる。
窒化物半導体層13は、Ga、Al、Inのうちの少なくとも1つを含む窒化物半導体からなり、多層構造を有していてもよい。図1に示される例では、窒化物半導体層13は、ヘテロ接合を形成する下層13aと上層13bからなり、半導体ウエハー1をHEMT(High Electron Mobility Transistor)に適用することができる。その場合、下層13aの上面(下層13aと上層13bの界面)近傍に生じる二次元電子ガスがチャネルとなる。典型的には、下層13aがGaNやAlGaN、InGaNからなり、上層13bがAlGaNやAlInN、AlGaInNからなる。
(半導体ウエハーの製造方法)
以下に、半導体ウエハー1の製造方法の一例を示す。
図2(a)〜(d)は、実施の形態に係る半導体ウエハー1の製造工程を示す垂直断面図である。
まず、図2(a)に示されるように、MOCVD等により、基板10上にSiMgからなる面内方向に不連続な成長初期層11を形成する。このとき、Cp2Mgガス等のMgを含む金属有機物ガスを基板10の表面に流し、基板10の表面を部分的に覆うように(面内方向に不連続となるように)SiMg2を堆積させる。
半導体ウエハー1の電流コラプス特性などの電気的特性を高めるため、成長初期層11の形成における金属有機物ガスの流量、金属有機物ガスを流す時間、基板温度は、それぞれ5〜50cc/m、10〜600s、940〜1040℃であることが好ましく、5〜34cc/m、60〜120s、950〜990℃であることがより好ましい。
次に、図2(b)に示されるように、MOCVD等により、成長初期層11を成長初期核として、基板10上にAlNを成長させ、AlN層12aを形成する。これにより、基板10の表面は成長初期層11及びAlN層12aにより完全に覆われる。
例えば、厚さ約150〜300nmのAlN層12aを形成する場合は、900℃〜1100℃の温度で、アンモニアガス(NHガス)を流量0.1〜10.0l/m、トリメチルアルミニウム(TMA)ガスなどのAlを含む金属有機物ガスを流量400〜600cc/mで900〜400s流してAlNを成長させる。
次に、図2(c)に示されるように、MOCVD等により、AlN層12a上に窒化物半導体からなる上層12bを形成し、バッファ層12を得る。
例えば、厚さ約200〜500nmのAlGaN膜と、その上の厚さ約3.0〜4.0μmのAlGaNとAlNの交互積層膜からなる上層12bを形成する場合は、まず、950〜990℃の温度で、NHガスを流量20〜100l/m、トリメチルガリウム(TMG)ガスなどのGaを含む金属有機物ガスを流量70〜100cc/m、TMAガスなどのAlを含む金属有機物ガスを流量300〜550cc/mで400〜1100s流し、AlGaN膜を形成する。次に、AlGaN膜とAlN膜を交互に80〜120回積層して、厚さ約3.0〜4.0μmの交互積層膜を形成する。交互積層膜のAlGaN膜を形成するためには、950〜990℃の温度で、NHガスを流量20〜100l/m、TMGガスなどのGaを含む金属有機物ガスを流量390〜490cc/m、TMAガスなどのAlを含む金属有機物ガスを流量120〜220cc/mで20〜30s流す。また、交互積層膜のAlN膜を形成するためには、950〜990℃の温度で、NHガスを流量20〜100l/m、TMAガスなどのAlを含む金属有機物ガスを流量500〜700cc/mで12〜22s流す。
次に、図2(d)に示されるように、MOCVD等により、バッファ層12上にGa、Al、Inのうちの少なくとも1つを含む窒化物半導体層13を形成する。
例えば、厚さ約0.7〜1.7μmのGaN膜からなる下層13aと、その上の厚さ約20〜40nmのAl0.20Ga0.80N膜からなる上層13bから構成される窒化物半導体層13を形成する場合は、まず、920〜970℃の温度で、NHガスを流量20〜100l/m、TMGガスなどのGaを含む金属有機物ガスを流量20〜600cc/mで2000〜6000s流して、下層13aを形成する。次に、970〜1030℃の温度で、NHガスを流量40〜100l/m、TMGガスなどのGaを含む金属有機物ガスを流量40〜60cc/m、TMAガスなどのAlを含む金属有機物ガスを流量40〜60cc/mで200〜400s流して、上層13bを形成する。
(実施の形態の効果)
上記実施の形態によれば、Si基板上に窒化物半導体層を備え、電流コラプス特性、耐圧特性、移動度等の電気的特性に優れた半導体ウエハーを提供することができる。また、上記実施の形態に係る半導体ウエハーを用いて、電気的特性に優れるHEMT等の半導体素子を製造することができる。
上記実施の形態に係る半導体ウエハー1の実施例(試料1〜4)、及びその比較例(試料5、6)について、各種評価を実施した。以下、その詳細について述べる。
本実施例においては、以下に示される構成をそれぞれ有する半導体ウエハーである試料1〜6に対して評価を行った。試料1〜6は、それぞれマトリクス状に区切られた複数の素子領域を有する。
試料1〜6は、成長初期層11以外の構成において共通する。次の表1は、試料1〜6に共通する基本構成を示す。
Figure 2020068287
試料1〜6のAlN層12aは、低温AlN層および高温AlN層からなる。低温AlN層は、930℃の温度で、NHガスを流量6.0l/m、TMAガスを流量500cc/mで250s流すことにより形成した。次いで高温AlN層は、1070℃の温度で、NHガスを流量1.0l/m、TMAガスを流量580cc/mで370s流すことにより形成した。
試料1〜6の上層12bのAlGaN膜は、970℃の温度で、NHガスを流量50l/m、TMGガスを流量80cc/m、TMAガスを流量340cc/mで990s流すことにより形成した。試料1〜6の上層12bのAlGaNとAlNの交互積層膜は、AlGaN膜とAlN膜を交互に103回積層することにより形成した。交互積層膜のAlGaN膜は、960℃の温度で、NHガスを流量50l/m、TMGガスを流量440cc/m、TMAガスを流量170cc/mで25s流すことにより形成した。交互積層膜のAlN膜は、960℃の温度で、NHガスを流量50l/m、TMAガスを流量600cc/mで17s流すことにより形成した。
試料1〜6の下層13aは、まず940℃の温度で、NHガスを流量50l/m、TMGガスを流量330cc/mで1080s流すことにより形成した。次いで、970℃の温度で、NHガスを流量92l/m、TMGガスを流量100cc/mで2800s流すことにより形成した。
試料1〜6の上層13bは、980℃の温度で、NHガスを流量68l/m、TMGガスを流量45cc/m、TMAガスを流量45cc/mで280s流すことにより形成した。
次の表2は、試料1〜6の成長初期層11の有無、及び成長初期層11の形成条件を示す。表2の「流量」は金属有機物ガスとしてのCp2Mgガスの流量、「時間」はCp2Mgガスを流す時間、「温度」は基板10の基板温度を意味する。成長初期層11を有しない試料5、6においては、AlN層12aを形成する際にTMAガスよりも先にNHガスを流し始め、基板10の表面を窒化させた(初期窒化)。
Figure 2020068287
次の表3は、試料1〜6に対して行ったバッファコラプス測定の結果を示す。表3の「電圧条件」は、基板10の裏面に印加したストレス電圧を意味し、「10mm」、「40mm」、「70mm」は、それぞれウエハーの中心から10mm、40mm、70mmの位置にある素子領域におけるバッファコラプスの評価値を意味する。
Figure 2020068287
図3(a)は、バッファコラプス測定の測定方法を示す模式図であり、図3(b)は、測定により得られるバッファコラプスの一例を示すグラフである。
バッファコラプス測定は、図3(a)に示されるように、試料1〜6の複数の素子領域の窒化物半導体層13b上にソース電極20、及びドレイン電極21を形成し、ソース電極20とドレイン電極21の間の窒化物半導体層13bをエッチングで除去した疑似的HEMT構造において、基板10の裏面にストレス電圧を印加する前後で、ソース電極20とドレイン電極21の間に流れる電流値を計測し、ソース電極20とドレイン電極21の間の電気抵抗値(ソース・ドレイン間抵抗値)を算出して行った。ソース電極20とドレイン電極21との間隔は20μmとし、ソース電極20とドレイン電極21との間には1Vの電圧を印加した。表3に示されるバッファコラプスの評価値は、ストレス電圧印加前のソース・ドレイン間抵抗値に対するストレス電圧印加後のソース・ドレイン間抵抗値の比の値である。
バッファコラプス測定においては、図3(b)に示されるように、測定開始から30sの時点で−200Vのストレス電圧の印加を開始し、60sまで−200Vのストレス電圧を印加し続け、60sの時点でストレス電圧の印加を止めた。そして、ストレス電圧印加前のソース・ドレイン間抵抗値として、測定開始から約0.0001秒後のソース・ドレイン間抵抗値を用い、ストレス電圧印加後のソース・ドレイン間抵抗値として、測定開始から約60.1秒後のソース・ドレイン間抵抗値を用いた。図3(b)の縦軸は、ソース電極20とドレイン電極21の間に流れる電流値を示している。
表3は、成長初期層11の形成条件を適切に設定することにより、成長初期層11を有さず、初期窒化を行った試料(試料5、6)と比較して、バッファコラプスを大幅に低減できることを示している。なお、試料4のバッファコラプスの評価値が試料1〜3と比べると大きいが、これは、表2に示されるように、成長初期層11を形成する際のCp2Mgガスの流量が試料1、2よりも少なく、また、Cp2Mgガスを流す時間が試料3よりも短いことによると考えられる。
図4(a)〜(c)、図5(a)〜(c)は、試料1〜6の電流−電圧特性を示すグラフである。電流−電圧特性は、試料1〜6の複数の素子領域の窒化物半導体層13上に形成した面積が5mmの円形電極と基板10との間に直流電圧を印加し、電流値を測定することにより求めた。
図4(a)〜(c)、図5(a)〜(c)には、それぞれウエハーの中心からの距離が異なる複数の素子領域における測定値が示されている。
次の表4、表5に、試料1〜6の耐圧特性をそれぞれ示す。ここで、表4、表5に示される耐圧値は、電流−電圧特性における電流が10−6A/mmであるときの電圧であり、図4(a)〜(c)、図5(a)〜(c)に示される電流−電圧特性から求められる。表4、表5の「位置」は、測定を行った素子領域のウエハーの中心からの距離を意味する。
Figure 2020068287
Figure 2020068287
図6(a)〜(c)、図7(a)〜(c)は、表4、5に示される試料1〜6の耐圧特性をプロットしたグラフである。
表4、表5、図6(a)〜(c)、図7(a)〜(c)は、成長初期層11を含む試料(試料1〜4)の耐圧特性が、初期窒化を行った試料(試料5、6)の耐圧特性と同程度又はそれ以上であることを示している。
次の表6は、試料1〜6に対して行ったホール測定の結果を示す。表6に示される値は、各試料のウエハー中心から5mm、25mm、45mm、65mm、75mm、85mmの位置から切出したホール効果測定用チップの測定値の平均値である。
Figure 2020068287
表6は、成長初期層11を含む試料(試料1〜4)の移動度が、初期窒化を行った試料(試料5、6)の移動度と同程度であることを示している。このことは、成長初期層11を含む試料の窒化物半導体層13等の欠陥が、初期窒化を行った試料の窒化物半導体層13等の欠陥と同程度に抑えられていることを示している。
次の表7は、試料1〜6に対して行った反り測定の結果を示す。この反り測定は、レーザーを用いた変位計でのマッピング(線分布、面分布)により行った。表7の「縦方向の反り」、[横方向の反り]は、各試料における面内の所定の一方向に反った反りの大きさと、その方向に直交する面内の一方向に反った反りの大きさを意味する。また、表7に示される反りの大きさの値は、下方向(基板10側)に凸となるときの値を正(+)、上方向に凸となるときの値を負(−)としている。
Figure 2020068287
表7は、成長初期層11を含む試料(試料1〜4)の反りが、初期窒化を行った試料(試料5、6)の反りと同程度に抑えられていることを示している。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、本発明は、上記実施の形態及び実施例に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
また、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1 半導体ウエハー
10 基板
11 成長初期層
12 バッファ層
12a AlN層
12b 上層
13 窒化物半導体層
13a 下層
13b 上層

Claims (7)

  1. Siを主成分とする基板と、
    前記基板上に形成された、SiMgからなる面内方向に不連続な成長初期層と、
    前記成長初期層を覆うように前記基板上に形成された、AlN層を最下層とするバッファ層と、
    前記バッファ層上に形成された、Ga、Al、Inのうちの少なくとも1つを含む窒化物半導体層と、
    を備えた、
    半導体ウエハー。
  2. 前記成長初期層が、前記基板上に点在する複数のアイランド状のSiMgから構成される、
    請求項1に記載の半導体ウエハー。
  3. 前記窒化物半導体層中に二次元電子ガスが含まれる、
    請求項1又は2に記載の半導体ウエハー。
  4. 前記バッファ層が、AlN層の上に超格子構造を有する窒化物半導体からなる層を有する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体ウエハー。
  5. Mgを含む金属有機物ガスを用いて、Siを主成分とする基板上に、SiMgからなる面内方向に不連続な成長初期層を形成する工程と、
    前記成長初期層をAlN層の成長初期核として用いて、前記AlN層を最下層とするバッファ層を前記基板上に形成する工程と、
    前記バッファ層上にGa、Al、Inのうちの少なくとも1つを含む窒化物半導体層を形成する工程と、
    を含む、
    半導体ウエハーの製造方法。
  6. 前記金属有機物ガスがCpMgである、
    請求項5に記載の半導体ウエハーの製造方法。
  7. 前記成長初期層を形成する工程における、前記金属有機物ガスの流量、前記金属有機物ガスを流す時間、前記基板の温度が、それぞれ5〜50cc/m、10〜600s、940〜1040℃である、
    請求項5又は6に記載の半導体ウエハーの製造方法。
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