JP2020063346A - 酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、硬化性樹脂組成物、硬化物、絶縁材料、ソルダーレジスト用樹脂材料及びレジスト部材 - Google Patents

酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、硬化性樹脂組成物、硬化物、絶縁材料、ソルダーレジスト用樹脂材料及びレジスト部材 Download PDF

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Abstract

【課題】優れたアルカリ現像性を有し、硬化物における伸度に優れた酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、これを含有する硬化性樹脂組成物、前記硬化性樹脂組成物からなる硬化物、絶縁材料、ソルダーレジスト用樹脂材料及びレジスト部材を提供する。【解決手段】エポキシ樹脂(A)、多塩基酸(B)、不飽和一塩基酸(C)、及び多塩基酸無水物(D)を必須の反応原料とする酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂であって、前記エポキシ樹脂(A)が、フェノール性水酸基含有化合物(a1)と、アルキレンオキサイド(a2−1)またはアルキレンカーボネート(a2−2)と、エピハロヒドリン(a3)との反応物であることを特徴とする酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、アルカリ現像性に優れ、硬化物における伸度の高い酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、これを含有する硬化性樹脂組成物、前記硬化性樹脂組成物からなる硬化物、絶縁材料、ソルダーレジスト用樹脂材料及びレジスト部材に関する。
近年、プリント配線基板用のソルダーレジスト用樹脂材料には、エポキシ樹脂をアクリル酸でアクリレート化した後、酸無水物を反応させて得られる酸基含有エポキシアクリレート樹脂が広く用いられている。前記ソルダーレジスト用樹脂材料に対する要求性能は、アルカリ現像性に優れること、硬化物における伸度に優れることなど様々なものが挙げられる。
前記アルカリ現像性に優れたソルダーレジスト用樹脂材料としては、ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応物と、飽和または不飽和多塩基酸無水物とを反応させて得られる活性エネルギー線硬化性樹脂が知られているが(例えば、下記特許文献1参照。)、今後ますます高まる要求特性を満足するものではなく、また、硬化物における伸度が非常に低いため、硬化物に割れが生じる等の問題があった。
そこで、優れたアルカリ現像性を有し、硬化物における伸度に優れた材料が求められていた。
特開昭61−243869号公報
本発明が解決しようとする課題は、優れたアルカリ現像性を有し、硬化物における伸度に優れた酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、これを含有する硬化性樹脂組成物、前記硬化性樹脂組成物からなる硬化物、絶縁材料、ソルダーレジスト用樹脂材料及びレジスト部材を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、フェノール性水酸基含有化合物、アルキレンオキサイドまたはアルキレンカーボネート、及びエピハロヒドリンの反応物であるエポキシ樹脂、多塩基酸、不飽和一塩基酸、及び多塩基酸無水物を必須の反応原料とする酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂を用いることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、エポキシ樹脂(A)、多塩基酸(B)、不飽和一塩基酸(C)、及び多塩基酸無水物(D)を必須の反応原料とする酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂であって、前記エポキシ樹脂(A)が、フェノール性水酸基含有化合物(a1)と、アルキレンオキサイド(a2−1)またはアルキレンカーボネート(a2−2)と、エピハロヒドリン(a3)との反応物であることを特徴とする酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、これを含有する硬化性樹脂組成物、前記硬化性樹脂組成物からなる硬化物、絶縁材料、ソルダーレジスト用樹脂材料及びレジスト部材に関するものである。
本発明の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、優れたアルカリ現像性を有し、硬化物における伸度に優れることから、絶縁材料、ソルダーレジスト用樹脂材料、及び前記ソルダーレジスト用樹脂からなるレジスト部材に好適に用いることができる。
本発明の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、エポキシ樹脂(A)、多塩基酸(B)、不飽和一塩基酸(C)、及び多塩基酸無水物(D)を必須の反応原料とすることを特徴とする。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及び/またはメタクリレートを意味する。また、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル及び/またはメタクリロイルを意味する。さらに、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/またはメタクリルを意味する。
前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂が含有する酸基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基等が挙げられる。これらの中でも優れたアルカリ現像性を発現することから、カルボキシル基が好ましい。
前記エポキシ樹脂(A)としては、フェノール性水酸基含有化合物(a1)と、アルキレンオキサイド(a2−1)またはアルキレンカーボネート(a2−2)と、エピハロヒドリン(a3)との反応物を用いる。
前記フェノール性水酸基含有化合物(a1)とは、分子内にフェノール性水酸基を少なくとも2つ有する化合物をいう。前記分子内にフェノール性水酸基を少なくとも2つ有する化合物としては、例えば、下記構造式(1−1)〜(1−4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020063346
上記構造式(1−1)〜(1−4)において、Rは、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子の何れかであり、Rは、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基である。また、pは、0または1以上の整数であり、好ましくは0または1〜3の整数であり、より好ましくは0または1であり、さらに好ましくは0である。qは、2以上の整数であり、好ましくは、2または3である。なお、上記構造式における芳香環上の置換基の位置については、任意であり、例えば、構造式(1−2)のナフタレン環においてはいずれの環上に置換していてもよく、構造式(1−3)では、1分子中に存在するベンゼン環のいずれの環上に置換していてもよく、構造式(1−4)では、1分子中に存在するベンゼン環のいずれかの環状に置換していてもよいことを示し、1分子中における置換基の個数がp及びqであることを示している。
上記構造式(1−1)〜(1−4)で表される化合物の中でも、優れたアルカリ現像性を有し、優れた伸度を有する硬化物を形成可能な酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、構造式(1−4)で表されるビスフェノール化合物が好ましく、特に構造式(1−4)において、pが0であり、qが2であり、Rが、メチル基であるビスフェノールAがより好ましい。
また、前記フェノール性水酸基含有化合物(a1)としては、例えば、分子内にフェノール性水酸基を1つ有する化合物と下記構造式(x−1)〜(x−5)の何れかで表される化合物とを必須の反応原料とする反応生成物や、分子内にフェノール性水酸基を少なくとも2つ有する化合物と下記構造式(x−1)〜(x−5)の何れかで表される化合物とを必須の反応原料とする反応生成物なども用いることができる。また、分子内にフェノール性水酸基を1つ有する化合物の1種または2種以上を反応原料とするノボラック型フェノール樹脂、分子内にフェノール性水酸基を少なくとも2つ有する化合物の1種または2種以上を反応原料とするノボラック型フェノール樹脂なども用いることができる。
Figure 2020063346
[式(x−1)中、hは0または1である。式(x−2)〜(x−5)中、Rは、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子の何れかであり、iは、0または1〜4の整数である。式(x−2)、(x−3)及び(x−5)中、Zは、ビニル基、ハロメチル基、ヒドロキシメチル基、アルキルオキシメチル基の何れかである。式(x−5)中、Yは、炭素原子数1〜4のアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基の何れかであり、jは1〜4の整数である。]
前記分子内にフェノール性水酸基を1つ有する化合物としては、例えば、下記構造式(2−1)〜(2−4)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2020063346
上記構造式(2−1)〜(2−4)において、Rは、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子の何れかであり、Rは、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基である。また、pは、0または1以上の整数であり、好ましくは0または1〜3の整数であり、より好ましくは0または1であり、さらに好ましくは0である。なお、上記構造式における芳香環上の置換基の位置については、任意であり、例えば、構造式(2−2)のナフタレン環においてはいずれの環上に置換していてもよく、構造式(2−3)では、1分子中に存在するベンゼン環のいずれの環上に置換していてもよく、構造式(2−4)では、1分子中に存在するベンゼン環のいずれかの環状に置換していてもよいことを示している。
前記分子内にフェノール性水酸基を少なくとも2つ有する化合物としては、上述の構造式(1−1)〜(1−4)で表される化合物を用いることができる。
これらのフェノール性水酸基含有化合物(a1)は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記アルキレンオキサイド(a2−1)としては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ペンチレンオキサイド等が挙げられる。これらの中でも、優れたアルカリ現像性を有し、優れた伸度を有する硬化物を形成可能な酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが好ましい。
前記アルキレンオキサイド(a2−1)の平均付加モル数は、優れたアルカリ現像性を有し、優れた伸度を有する硬化物を形成可能な酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、前記フェノール性水酸基含有化合物(a1)が有する水酸基1モルに対して、1〜20モルの範囲が好ましく、1〜10モルの範囲がより好ましい。なお、「アルキレンオキサイド(a2−1)の平均付加モル数」とは、フェノール性水酸基含有化合物(a1)が有する水酸基1モルに対して付加するアルキレンオキサイド(a2−1)のモル数の平均値をいう。
前記アルキレンカーボネート(a2−2)としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ペンチレンカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、優れたアルカリ現像性を有し、優れた伸度を有する硬化物を形成可能な酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、エチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートが好ましい。
前記アルキレンカーボネート(a2−2)の平均付加モル数は、優れたアルカリ現像性を有し、優れた伸度を有する硬化物を形成可能な酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、前記フェノール性水酸基含有化合物(a1)が有する水酸基1モルに対して、1〜20モルの範囲が好ましく、1〜10モルの範囲がより好ましい。なお、「アルキレンカーボネート(a2−2)の平均付加モル数」とは、フェノール性水酸基含有化合物(a1)が有する水酸基1モルに対して付加するアルキレンカーボネート(a2−2)のモル数の平均値をいう。
前記エピハロヒドリン(a3)としては、例えば、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等が挙げられる。これらの中でも、反応を制御しやすい観点から、エピクロルヒドリンが好ましい。
前記エピハロヒドリン(a3)の使用量は、前記フェノール性水酸基含有化合物(a1)と、前記アルキレンオキサイド(a2−1)または前記アルキレンカーボネート(a2−2)との反応において生成した水酸基1モルに対して、1〜15モルの範囲で用いることが好ましく、5〜12モルの範囲で用いることがより好ましい。
前記エポキシ樹脂のエポキシ当量は、優れたアルカリ現像性を有し、優れた伸度を有する硬化物を形成可能な酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、200〜1000g/当量の範囲が好ましく、250〜900g/当量の範囲がより好ましい。
前記エポキシ樹脂(A)の製造方法は、特に制限されず、どのような方法にて製造してもよい。例えば、反応原料の全てを一括で反応させる方法で製造してもよいし、反応原料を順次反応させる方法で製造してもよい。なかでも、反応の制御が容易であることから、先にフェノール性水酸基含有化合物(a1)と、アルキレンオキサイド(a2−1)またはアルキレンカーボネート(a2−2)とを、塩基性触媒の存在下、80〜200℃の温度範囲で、2〜10時間、常圧から10kg/cmの範囲で反応させた後、エピハロヒドリン(a3)を40〜100℃の温度範囲、酸性触媒下で1〜10時間反応させる方法が好ましい。
前記多塩基酸(B)としては、一分子中にカルボキシル基を2つ以上有する化合物であれば何れのものも用いることができる。例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ビフェニルトリカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等が挙げられる。また、前記多塩基酸(B)としては、例えば、共役ジエン系ビニルモノマーとアクリロニトリルとの共重合体であって、その分子中にカルボキシル基を有する重合体も用いることができる。これらの多塩基酸(B)は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、これらの中でも、優れたアルカリ現像性を有し、優れた伸度を有する硬化物を形成可能な酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、共役ジエン系ビニルモノマーとアクリロニトリルとの共重合体であって、その分子中にカルボキシル基を有する重合体が好ましい。
前記共役ジエン系ビニルモノマーとアクリロニトリルとの共重合体であって、その分子中にカルボキシル基を有する重合体としては、例えば、下記構造式(3−1)で表されるブタジエン−アクリロニトリル共重合体にカルボキシル基を有する重合体や、下記構造式(3−2)で表されるブタジエン−アクリロニトリル共重合体の分子中に水酸基を有する重合体と無水マレイン酸等の多塩基酸無水物とのハーフエステルなどが挙げられる。なお、カルボキシル基の位置は、分子の側鎖または末端の何れに位置していてもよいが、末端が好ましい。
Figure 2020063346
[構造式(3−1)中、Xは1〜50の整数であり、Yは1〜50の整数であり、Zは1〜20の整数である。]
Figure 2020063346
[構造式(3−2)中、Xは1〜50の整数であり、Yは1〜50の整数であり、Zは1〜20の整数である。]
前記多塩基酸(B)の使用量は、優れたアルカリ現像性を有し、優れた伸度を有する硬化物を形成可能な酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、前記エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、20〜100質量部の範囲が好ましい。
前記不飽和一塩基酸(C)とは、一分子中に(メタ)アクリロイル基とカルボキシル基とを有する化合物をいい、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、α−シアノ桂皮酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸等が挙げられる。また、前記不飽和一塩基酸(C)のエステル化物、酸ハロゲン化物、酸無水物等も用いることができる。これらの不飽和一塩基酸は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記多塩基酸無水物(D)としては、例えば、無水フタル酸、無水コハク酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、オクテニル無水コハク酸、テトラプロぺニル無水コハク酸等が挙げられる。これらの多塩基酸無水物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、これらの中でも、優れたアルカリ現像性を有し、優れた伸度を有する硬化物を形成可能な酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸が好ましい。
本発明の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、前記エポキシ樹脂(A)、前記多塩基酸(B)、前記不飽和一塩基酸(C)及び前記多塩基酸無水物(D)を必須の反応原料とするものであればその製造方法は特に限定されず、例えば、反応原料の全てを一括で反応させる方法でも、順次反応させる方法でも、どちらでも良い。中でも、反応の制御が容易であることから、先にエポキシ樹脂(A)と多塩基酸(B)とを反応させ、次いで、不飽和一塩基酸(C)を反応させる方法が好ましい。該反応は、例えば、前記エポキシ樹脂(A)、前記多塩基酸(B)と不飽和一塩基酸(C)とをエステル化反応触媒の存在下、90〜150℃の温度範囲で反応させた後、反応系中に多塩基酸無水物(D)を加え、90〜120℃の温度範囲で反応させる方法等により行うことができる。また、前記エポキシ樹脂(A)の製造と酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の製造とを連続して行ってもよい。
前記塩基性触媒としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のリン化合物;トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物;、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物などが挙げられる。これらの塩基性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、これらの中でも、トリフェニルホスフィンが好ましい。
また、該反応は、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよい。前記有機溶剤としては例えば、メチルエチルケトン、アセトン、イソブチルケトン等のケトン溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキソラン等の環状エーテル溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤;トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族溶剤;カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール溶剤;アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート等のグリコールエーテル溶剤などが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、前記有機溶剤の使用量は、反応効率が良好となることから、反応原料の合計質量に対して、0.1〜5倍量程度の範囲で用いることが好ましい。
本発明の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の酸価は、優れたアルカリ現像性を有し、優れた伸度を有する硬化物を形成可能なことから、30〜120mgKOH/gが好ましく、40〜100mgKOH/gがより好ましい。
また、本発明の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の(メタ)アクリロイル基当量は、優れたアルカリ現像性を有し、優れた伸度を有する硬化物を形成可能なことから、200〜900g/当量の範囲が好ましく、300〜800g/当量の範囲がより好ましい。なお、本発明におけるエポキシ(メタ)アクリレート樹脂の(メタ)アクリロイル基当量は、反応原料から理論値として算出される値である。
本発明の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、分子構造中に重合性の(メタ)アクリロイル基を有することから、例えば、光重合開始剤を添加することにより硬化性樹脂組成物として用いることができる。
前記光重合開始剤は、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、2,2′−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン等が挙げられる。
前記その他の光重合開始剤の市販品としては、例えば、「Omnirad−1173」、「Omnirad−184」、「Omnirad−127」、「Omnirad−2959」、「Omnirad−369」、「Omnirad−379」、「Omnirad−907」、「Omnirad−4265」、「Omnirad−1000」、「Omnirad−651」、「Omnirad−TPO」、「Omnirad−819」、「Omnirad−2022」、「Omnirad−2100」、「Omnirad−754」、「Omnirad−784」、「Omnirad−500」、「Omnirad−81」(IGM社製)、「カヤキュア−DETX」、「カヤキュア−MBP」、「カヤキュア−DMBI」、「カヤキュア−EPA」、「カヤキュア−OA」(日本化薬株式会社製)、「バイキュア−10」、「バイキュア−55」(ストウファ・ケミカル社製)、「トリゴナルP1」(アクゾ社製)、「サンドレイ1000」(サンドズ社製)、「ディープ」(アプジョン社製)、「クオンタキュア−PDO」、「クオンタキュア−ITX」、「クオンタキュア−EPD」(ワードブレンキンソップ社製)、「Runtecure−1104」(Runtec社製)等が挙げられる。
前記光重合開始剤の添加量は、例えば、前記硬化性樹脂組成物中に、1〜20質量%の範囲で用いることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂以外のその他の樹脂成分を含有しても良い。前記その他の樹脂成分としては、酸基含有(メタ)アクリレート樹脂(E)、各種の(メタ)アクリレートモノマー等が挙げられる。
前記酸基含有(メタ)アクリレート樹脂(E)としては、樹脂中に酸基と(メタ)アクリロイル基を有するものであれば何れでもよく、例えば、本発明の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂以外の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、酸基含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、酸基含有アクリル(メタ)アクリレート樹脂、酸基含有アミドイミド(メタ)アクリレート樹脂、酸基含有アクリルアミド樹脂等が挙げられる。
前記酸基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基等が挙げられる。
前記本発明の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂以外の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和一塩基酸、及び多塩基酸無水物を必須の反応原料とする酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂や、エポキシ樹脂、不飽和一塩基酸、多塩基酸無水物、ポリイソシアネート化合物、及び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応原料とする酸基及びウレタン基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂などが挙げられる。
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェニレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記不飽和一塩基酸としては、上述の不飽和一塩基酸(C)と同様のものを用いることができる。
前記多塩基酸無水物としては、上述の多塩基酸無水物(D)と同様のものを用いることができる。
前記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式構造を有するポリイソシアネート;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネートなどが挙げられる。また、これらのポリイソシアネート化合物のヌレート変性体や、アダクト変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体等を用いることもできる。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記水酸基含有(メタ)アクリレート化合物は、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート化合物;前記各種の水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種の水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。
前記酸基含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物、カルボキシル基含有ポリオール化合物、及び必要に応じて多塩基酸無水物、前記カルボキシル基含有ポリオール化合物以外のポリオール化合物とを反応させて得られたものや、ポリイソシアネート化合物、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物、多塩基酸無水物、及びカルボキシル基含有ポリオール化合物以外のポリオール化合物とを反応させて得られたもの等が挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物としては、上述のポリイソシアネート化合物と同様のものを用いることができる。
前記水酸基含有(メタ)アクリレート化合物としては、上述の水酸基含有(メタ)アクリレート化合物と同様のものを用いることができる。
前記カルボキシル基含有ポリオール化合物としては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール吉草酸等が挙げられる。
前記多塩基酸無水物としては、上述の多塩基酸無水物(D)と同様のものを用いることができる。
前記カルボキシル基含有ポリオール化合物以外のポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール化合物;ビフェノール、ビスフェノール等の芳香族ポリオール化合物;前記各種のポリオール化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種のポリオール化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。
前記酸基含有アクリル(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、水酸基やカルボキシル基、イソシアネート基、グリシジル基等の反応性官能基を有する(メタ)アクリレート化合物(α)を必須の成分として重合させて得られるアクリル樹脂中間体に、これらの官能基と反応し得る反応性官能基を有する(メタ)アクリレート化合物(β)を更に反応させることにより(メタ)アクリロイル基を導入して得られる反応生成物や、前記反応生成物中の水酸基に多塩基酸無水物を反応させて得られるもの等が挙げられる。
前記アクリル樹脂中間体は、前記(メタ)アクリレート化合物(α)の他、必要に応じてその他の重合性不飽和基含有化合物を共重合させたものであってもよい。前記その他の重合性不飽和基含有化合物は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等のシクロ環含有(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシリル基含有(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン誘導体等が挙げられる。これらは単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記(メタ)アクリレート化合物(β)は、前記(メタ)アクリレート化合物(α)が有する反応性官能基と反応し得るものであれば特に限定されないが、反応性の観点から以下の組み合わせであることが好ましい。即ち、前記(メタ)アクリレート化合物(α)として水酸基含有(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレート化合物(β)としてイソシアネート基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。前記(メタ)アクリレート化合物(α)としてカルボキシ基含有(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレート化合物(β)としてグリシジル基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。前記(メタ)アクリレート化合物(α)としてイソシアネート基含有(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレート化合物(β)として水酸基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。前記(メタ)アクリレート化合物(α)としてグリシジル基含有(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレート化合物(β)としてカルボキシ基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
前記多塩基酸無水物は、上述の多塩基酸無水物(D)と同様のものを用いることができる。
酸基含有アミドイミド(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、酸基または酸無水物基を有するアミドイミド樹脂と、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物と、(メタ)アクリロイル基含有エポキシ化合物と、多塩基酸無水物とを必須の反応原料とするものが挙げられる。
前記アミドイミド樹脂としては、酸基または酸無水物基のどちらか一方のみを有するものであってもよいし、両方を有するものであってもよい。水酸基含有(メタ)アクリレート化合物や(メタ)アクリロイル基含有エポキシ化合物との反応性や反応制御の観点から、酸無水物基を有するものであることが好ましく、酸基と酸無水物基との両方を有するものであることがより好ましい。前記アミドイミド樹脂の酸価は、中性条件下、即ち、酸無水物基を開環させない条件での測定値が60〜350mgKOH/gの範囲であることが好ましい。他方、水の存在下等、酸無水物基を開環させた条件での測定値が61〜360mgKOH/gの範囲であることが好ましい。
前記アミドイミド樹脂の具体構造や製造方法は特に限定されず、一般的なアミドイミド樹脂等を広く用いることができる。例えば、ポリイソシアネート化合物と、多塩基酸またはその酸無水物とを反応原料として得られるものが挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物としては、上述のポリイソシアネート化合物と同様のものを用いることができる。
前記多塩基酸またはその酸無水物としては、上述の多塩基酸(B)及び多塩基酸無水物(D)と同様のものを用いることができる。
前記水酸基含有(メタ)アクリレート化合物としては、上述の水酸基含有(メタ)アクリレート化合物と同様のものを用いることができる。
前記(メタ)アクリロイル基含有エポキシ化合物としては、例えば、分子構造中に(メタ)アクリロイル基とエポキシ基とを有するものであれば他の具体構造は特に限定されず、多種多様な化合物を用いることができる。例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、エポキシシクロへキシルメチル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマー;ジヒドロキシベンゼンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル、ビフェノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールジグリシジルエーテル等のジグリシジルエーテル化合物のモノ(メタ)アクリレート化物などが挙げられる。
前記多塩基酸無水物としては、上述の多塩基酸無水物(D)と同様のものを用いることができる。
酸基含有アクリルアミド樹脂としては、例えば、フェノール性水酸基含有化合物と、アルキレンオキサイドまたはアルキレンカーボネートと、N−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド化合物と、多塩基酸無水物と、必要に応じて不飽和一塩基酸とを反応させて得られたものが挙げられる。
前記フェノール性水酸基含有化合物としては、上述のフェノール性水酸基含有化合物(a1)と同様のものを用いることができる。
前記アルキレンオキサイドとしては、上述のアルキレンオキサイド(a2−1)と同様のものを用いることができる。
前記アルキレンカーボネートとしては、上述のアルキレンカーボネート(a2−2)と同様のものを用いることができる。
前記不飽和一塩基酸としては、上述の不飽和一塩基酸(C)と同様のものを用いることができる。
前記N−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド化合物としては、例えば、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
前記多塩基酸無水物としては、上述の多塩基酸無水物(D)と同様のものを用いることができる。
前記酸基含有(メタ)アクリレート樹脂(E)の使用量は、本発明の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂100質量部に対して、10〜900質量部の範囲が好ましい。
前記各種の(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等の脂肪族モノ(メタ)アクリレート化合物;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチルモノ(メタ)アクリレート等の脂環型モノ(メタ)アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等の複素環型モノ(メタ)アクリレート化合物;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、ベンジルベンジル(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族モノ(メタ)アクリレート化合物等のモノ(メタ)アクリレート化合物:前記各種のモノ(メタ)アクリレートモノマーの分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等のポリオキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性モノ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のモノ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性モノ(メタ)アクリレート化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族ジ(メタ)アクリレート化合物;1,4−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の脂環型ジ(メタ)アクリレート化合物;ビフェノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート等の芳香族ジ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のジ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入したポリオキシアルキレン変性ジ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のジ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性ジ(メタ)アクリレート化合物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等の脂肪族トリ(メタ)アクリレート化合物;前記脂肪族トリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性トリ(メタ)アクリレート化合物;前記脂肪族トリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性トリ(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の脂肪族ポリ(メタ)アクリレート化合物;前記脂肪族ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した4官能以上の(ポリ)オキシアルキレン変性ポリ(メタ)アクリレート化合物;前記脂肪族ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入した4官能以上のラクトン変性ポリ(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤、有機溶剤、無機微粒子やポリマー微粒子、顔料、消泡剤、粘度調整剤、レベリング剤、難燃剤、保存安定化剤等の各種添加剤を含有することもできる。
前記硬化剤としては、前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂中のカルボキシル基と反応し得る官能基を有するものであれば特に制限されず、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェニレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、これらの中でも、硬化物における耐熱性に優れることから、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、軟化点が50〜120℃の範囲であるものが特に好ましい。
前記硬化促進剤とは、前記硬化剤の硬化反応を促進するものであり、前記硬化剤としてエポキシ樹脂を用いる場合には、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。これらの硬化促進剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、前記硬化促進剤の添加量は、例えば、前記硬化剤100質量部に対して1〜10質量部の範囲で用いることが好ましい。
前記有機溶剤としては、前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂や硬化剤等の各種成分を溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、イソブチルケトン等のケトン溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキソラン等の環状エーテル溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤;トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族溶剤;カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール溶剤;アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート等のグリコールエーテル溶剤などが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
本発明の硬化物は、前記硬化性樹脂組成物に、活性エネルギー線を照射することで得ることができる。前記活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等の電離放射線が挙げられる。また、前記活性エネルギー線として、紫外線を用いる場合、紫外線による硬化反応を効率よく行う上で、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で照射してもよく、空気雰囲気下で照射してもよい。
紫外線発生源としては、実用性、経済性の面から紫外線ランプが一般的に用いられている。具体的には、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ガリウムランプ、メタルハライドランプ、太陽光、LED等が挙げられる。
前記活性エネルギー線の積算光量は、特に制限されないが、50〜5,000mJ/cmであることが好ましく、100〜1,000mJ/cmであることがより好ましい。積算光量が上記範囲であると、未硬化部分の発生の防止または抑制ができることから好ましい。
なお、前記活性エネルギー線の照射は、一段階で行ってもよいし、二段階以上に分けて行ってもよい。
また、本発明の硬化物は、優れた伸度を有することから、例えば、半導体デバイス用途における、ソルダーレジスト、層間絶縁材料、パッケージ材、アンダーフィル材、回路素子等のパッケージ接着層や、集積回路素子と回路基板の接着層として好適に用いることができる。また、LCD、OELDに代表される薄型ディスプレイ用途における、薄膜トランジスタ保護膜、液晶カラーフィルタ保護膜、カラーフィルタ用顔料レジスト、ブラックマトリックス用レジスト、スペーサー等に好適に用いることができる。これらの中でも、特にソルダーレジスト用途に好適に用いることができる。
本発明のソルダーレジスト用樹脂材料は、前記硬化性樹脂組成物からなるものである。
本発明のレジスト部材は、例えば、前記ソルダーレジスト用樹脂材料を基材上に塗布し、60〜100℃程度の温度範囲で有機溶媒を揮発乾燥させた後、所望のパターンが形成されたフォトマスクを通して活性エネルギー線にて露光させ、アルカリ水溶液にて未露光部を現像し、更に140〜180℃程度の温度範囲で加熱硬化させて得ることができる。
前記基材としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等の金属箔などが挙げられる。
以下、実施例と比較例とにより、本発明を具体的に説明する。
(合成例1:エポキシ樹脂(A−1)の製造)
温度計、攪拌器、窒素導入装置及びアルキレンオキサイド導入装置を備えたオートクレーブに、ビスフェノールA228質量部、50%水酸化カリウム水溶液2.9質量部を仕込み、撹拌しつつ、系内を窒素置換した。続いて加熱昇温し、150℃でプロピレンオキサイド349質量部を徐々に導入し、8時間反応させた。次いで、反応物を取り出し、36%塩酸水溶液2.6質量部添加し、中和した。濾過後、減圧して、反応生成物503質量部を得た。この反応生成物の水酸基価は、224.4mgKOH/gであった。また、ビスフェノールA1モルに対するプロピレンオキサイドの付加モル数は、約2.3であった。なお、本合成例において、水酸基価は、JIS K 0070(1992)の中和滴定法に準じて測定した実測値である。
次いで、温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、先程得られた反応生成物150質量部とエピクロロヒドリン555質量部とジメチルスルホキシド470質量部を添加し、溶解させた後、70℃に加熱し、フレーク状の水酸化ナトリウム98.4質量部を2時間かけて添加した。70℃で3時間反応させた後、繰り返し水洗し、反応液を中性にした。次いで、加熱減圧し、過剰のエピクロロヒドリンを留去し、メチルイソブチルケトン752質量部で溶解させた。75℃で20%水酸化ナトリウム水溶液18質量部を添加し、1時間反応させた後、繰り返し水洗し、反応液を中性にした。メチルイソブチルケトンを加熱減圧で留去して、エポキシ樹脂(A−1)を得た。このエポキシ樹脂(A−1)のエポキシ当量は312g/当量であった。
(合成例2:エポキシ樹脂(A−2)の製造)
温度計、攪拌器、窒素導入装置及びアルキレンオキサイド導入装置を備えたオートクレーブに、ビスフェノールA228質量部、50%水酸化カリウム水溶液3.2質量部を仕込み、撹拌しつつ、系内を窒素置換した。続いて加熱昇温し、150℃でプロピレンオキサイド407質量部を徐々に導入し、8時間反応させた。次いで、反応物を取り出し、36%塩酸水溶液2.9質量部添加し、中和した。濾過後、減圧し、反応生成物552質量部を得た。この反応生成物の水酸基価は、196.2mgKOH/gであった。また、ビスフェノールAが有する水酸基1モルに対するプロピレンオキサイドの平均付加モル数は、約3.0であった。
次いで、温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、先程得られた反応生成物143質量部とエピクロロヒドリン463質量部とジメチルスルホキシド404質量部を添加し、溶解させた後、70℃に加熱し、フレーク状の水酸化ナトリウム82.0質量部を2時間かけて添加した。70℃で3時間反応させた後、繰り返し水洗し、反応液を中性にした。次いで、加熱減圧し、過剰のエピクロロヒドリンを留去し、メチルイソブチルケトン646質量部で溶解させた。75℃で20%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加し、1時間反応させた後、繰り返し水洗し、反応液を中性にした。メチルイソブチルケトンを加熱減圧で留去して、エポキシ樹脂(A−2)を得た。このエポキシ樹脂(A−2)のエポキシ当量は350g/当量であった。
(合成例3:エポキシ樹脂(A−3)の製造)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ビスフェノールA228質量部、プロピレンカーボネート612質量部、50%水酸化カリウム水溶液4.2質量部を仕込み、撹拌しつつ、系内を窒素置換した。続いて加熱昇温し、160℃で8時間反応させた。次いで、反応物を取り出し、36%塩酸水溶液3.8質量部添加し、中和した。濾過後、減圧し、反応生成物645質量部を得た。この反応生成物の水酸基価は、234.7mgKOH/gであった。また、ビスフェノールAが有する水酸基1モルに対するプロピレンカーボネートの平均付加モル数は、約2.2であった。
次いで、度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、先程得られた反応生成物119.5質量部とエピクロロヒドリン463質量部とジメチルスルホキシド388質量部を添加し、溶解させた後、70℃に加熱し、フレーク状の水酸化ナトリウム82.0質量部を2時間かけて添加した。70℃で3時間反応させた後、繰り返し水洗し、反応液を中性にした。次いで、加熱減圧し、過剰のエピクロロヒドリンを留去し、メチルイソブチルケトン621質量部で溶解させた。75℃で20%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加し、1時間反応させた後、繰り返し水洗し、反応液を中性にした。メチルイソブチルケトンを加熱減圧で留去して、エポキシ樹脂(A−3)を得た。このエポキシ樹脂(A−3)のエポキシ当量は305g/当量であった。
(合成例4:エポキシ樹脂(A−4)の製造)
温度計、攪拌器、窒素導入装置及びアルキレンオキサイド導入装置を備えたオートクレーブに、ビスフェノールF200質量部、50%水酸化カリウム水溶液2.7質量部を仕込み、撹拌しつつ、系内を窒素置換した。続いて加熱昇温し、150℃でプロピレンオキサイド349質量部を徐々に導入し、8時間反応させた。次いで、反応物を取り出し、36%塩酸水溶液2.5質量部添加し、中和した。濾過後、減圧し、反応生成物498質量部を得た。この反応生成物の水酸基価は、229.9mgKOH/gであった。また、ビスフェノールFが有する水酸基1モルに対するプロピレンオキサイドの平均付加モル数は、約2.5であった。
次いで、温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、先程得られた反応生成物122質量部とエピクロロヒドリン463質量部とジメチルスルホキシド390質量部を添加し、溶解させた後、70℃に加熱し、フレーク状の水酸化ナトリウム82.0質量部を2時間かけて添加した。70℃で3時間反応させた後、繰り返し水洗し、反応液を中性にした。次いで、加熱減圧し、過剰のエピクロロヒドリンを留去し、メチルイソブチルケトン624質量部で溶解させた。75℃で20%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加し、1時間反応させた後、繰り返し水洗し、反応液を中性にした。メチルイソブチルケトンを加熱減圧で留去して、エポキシ樹脂(A−4)を得た。このエポキシ樹脂(A−4)のエポキシ当量は316g/当量であった。
(合成例5:エポキシ樹脂(A−5)の製造)
温度計、攪拌器、窒素導入装置及びアルキレンオキサイド導入装置を備えたオートクレーブに、1,5−ジヒドロキシナフタレン160質量部、50%水酸化カリウム水溶液2.5質量部を仕込み、撹拌しつつ、系内を窒素置換した。続いて加熱昇温し、150℃でプロピレンオキサイド349質量部を徐々に導入し、8時間反応させた。次いで、反応物を取り出し、36%塩酸水溶液2.3質量部添加し、中和した。濾過後、減圧し、反応生成物404質量部を得た。この反応生成物の水酸基価は、262.1mgKOH/gであった。また、1,5−ジヒドロキシナフタレンが有する水酸基1モルに対するプロピレンオキサイドの平均付加モル数は、約2.3であった。
次いで、温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、先程得られた反応生成物107質量部とエピクロロヒドリン463質量部とジメチルスルホキシド380質量部を添加し、溶解させた後、70℃に加熱し、フレーク状の水酸化ナトリウム82.0質量部を2時間かけて添加した。70℃で3時間反応させた後、繰り返し水洗し、反応液を中性にした。次いで、加熱減圧し、過剰のエピクロロヒドリンを留去し、メチルイソブチルケトン608質量部で溶解させた。75℃で20%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加し、1時間反応させた後、繰り返し水洗し、反応液を中性にした。メチルイソブチルケトンを加熱減圧で留去して、エポキシ樹脂(A−5)を得た。このエポキシ樹脂(A−5)のエポキシ当量は293g/当量であった。
(合成例6:エポキシ樹脂(A−6)の製造)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ビスフェノールA228質量部、エチレンカーボネート528質量部、50%水酸化カリウム水溶液3.8質量部を仕込み、撹拌しつつ、系内を窒素置換した。続いて加熱昇温し、160℃で6時間反応させた。次いで、反応物を取り出し、36%塩酸水溶液3.4質量部添加し、中和した。濾過後、減圧し、反応生成物609質量部を得た。この反応生成物の水酸基価は、259.7mgKOH/gであった。また、ビスフェノールAが有する水酸基1モルに対するエチレンカーボネートの平均付加モル数は、約2.3であった。
次いで、温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、先程得られた反応生成物108質量部とエピクロロヒドリン463質量部とジメチルスルホキシド380質量部を添加し、溶解させた後、70℃に加熱し、フレーク状の水酸化ナトリウム82.0質量部を2時間かけて添加した。70℃で3時間反応させた後、繰り返し水洗し、反応液を中性にした。次いで、加熱減圧し、過剰のエピクロロヒドリンを留去し、メチルイソブチルケトン609質量部で溶解させた。75℃で20%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加し、1時間反応させた後、繰り返し水洗し、反応液を中性にした。メチルイソブチルケトンを加熱減圧で留去して、エポキシ樹脂(A−6)を得た。このエポキシ樹脂(A−6)のエポキシ当量は295g/当量であった。
(実施例1:酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(1)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、エポキシ樹脂(A−1)312質量部、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体の分子両末端にカルボキシル基を有する重合体(CVC Thermoset Specialties社製「HYPRO CTBN1300X13NA」)138質量部、トリフェニルホスフィン0.5質量部を加えて溶解させた。窒素雰囲気下、100℃で5時間反応させ、酸価が1mkOH/g以下となっていることを確認した。ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート281質量部、ジブチルヒドロキシトルエン1.3質量部、メトキノン0.3質量部、アクリル酸67質量部およびトリフェニルホスフィン2.6質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間反応させた。次いで、テトラヒドロ無水フタル酸138質量部を加えて110℃で5時間反応させ、目的の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(1)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(1)の固形分酸価は80mgKOH/gであり、(メタ)アクリロイル基当量は702g/当量であった。なお、酸価は、JIS K 0070(1992)の中和滴定法に準じて測定した実測値であり、(メタ)アクリロイル基当量は、計算値である。
(実施例2:酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(2)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、エポキシ樹脂(A−1)312質量部、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体の分子両末端にカルボキシル基を有する重合体(CVC Thermoset Specialties社製「HYPRO CTBN1300X13NA」)138質量部、トリフェニルホスフィン0.5質量部を加えて溶解させた。窒素雰囲気下、100℃で5時間反応させ、酸価が1mkOH/g以下となっていることを確認した。ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート257質量部、ジブチルヒドロキシトルエン1.3質量部、メトキノン0.3質量部、アクリル酸67質量部およびトリフェニルホスフィン2.6質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間反応させた。次いで、無水コハク酸82質量部を加えて110℃で5時間反応させ、目的の酸基含有(エポキシメタ)アクリレート樹脂(2)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(2)の固形分酸価は80mgKOH/gであり、(メタ)アクリロイル基当量は643g/当量であった。
(実施例3:酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(3)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、エポキシ樹脂(A−2)350質量部、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体の分子両末端にカルボキシル基を有する重合体(CVC Thermoset Specialties社製「HYPRO CTBN1300X13NA」)155質量部、トリフェニルホスフィン0.5質量部を加えて溶解させた。窒素雰囲気下、100℃で5時間反応させ、酸価が1mkOH/g以下となっていることを確認した。ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート310質量部、ジブチルヒドロキシトルエン1.4質量部、メトキノン0.3質量部、アクリル酸67質量部およびトリフェニルホスフィン2.9質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間反応させた。次いで、テトラヒドロ無水フタル酸151質量部を加えて110℃で5時間反応させ、目的の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(3)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(3)の固形分酸価は80mgKOH/gであり、(メタ)アクリロイル基当量は777g/当量であった。
(実施例4:酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(4)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、エポキシ樹脂(A−3)305質量部、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体の分子両末端にカルボキシル基を有する重合体(CVC Thermoset Specialties社製「HYPRO CTBN1300X13NA」)135質量部、トリフェニルホスフィン0.4質量部を加えて溶解させた。窒素雰囲気下、100℃で5時間反応させ、酸価が1mkOH/g以下となっていることを確認した。ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート276質量部、ジブチルヒドロキシトルエン1.3質量部、メトキノン0.3質量部、アクリル酸68質量部およびトリフェニルホスフィン2.5質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間反応させた。次いで、テトラヒドロ無水フタル酸135質量部を加えて110℃で5時間反応させ、目的の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(4)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(4)の固形分酸価は80mgKOH/gであり、(メタ)アクリロイル基当量は681g/当量であった。
(実施例5:酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(5)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、エポキシ樹脂(A−4)316質量部、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体の分子両末端にカルボキシル基を有する重合体(CVC Thermoset Specialties社製「HYPRO CTBN1300X13NA」)140質量部、トリフェニルホスフィン0.5質量部を加えて溶解させた。窒素雰囲気下、100℃で5時間反応させ、酸価が1mkOH/g以下となっていることを確認した。ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート284質量部、ジブチルヒドロキシトルエン1.3質量部、メトキノン0.3質量部、アクリル酸68質量部およびトリフェニルホスフィン2.6質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間反応させた。次いで、テトラヒドロ無水フタル酸139質量部を加えて110℃で5時間反応させ、目的の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(5)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(5)の固形分酸価は80mgKOH/gであり、(メタ)アクリロイル基当量は704g/当量であった。
(実施例6:酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(6)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、エポキシ樹脂(A−5)293質量部、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体の分子両末端にカルボキシル基を有する重合体(CVC Thermoset Specialties社製「HYPRO CTBN1300X13NA」)130質量部、トリフェニルホスフィン0.4質量部を加えて溶解させた。窒素雰囲気下、100℃で5時間反応させ、酸価が1mkOH/g以下となっていることを確認した。ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート266質量部、ジブチルヒドロキシトルエン1.2質量部、メトキノン0.3質量部、アクリル酸68質量部およびトリフェニルホスフィン2.5質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間反応させた。次いで、テトラヒドロ無水フタル酸130質量部を加えて110℃で5時間反応させ、目的の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(6)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(6)の固形分酸価は80mgKOH/gであり、(メタ)アクリロイル基当量は655g/当量であった。
(実施例7:酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(7)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、エポキシ樹脂(A−6)295質量部、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体の分子両末端にカルボキシル基を有する重合体(CVC Thermoset Specialties社製「HYPRO CTBN1300X13NA」)131質量部、トリフェニルホスフィン0.4質量部を加えて溶解させた。窒素雰囲気下、100℃で5時間反応させ、酸価が1mkOH/g以下となっていることを確認した。ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート269質量部、ジブチルヒドロキシトルエン1.2質量部、メトキノン0.3質量部、アクリル酸68質量部およびトリフェニルホスフィン2.5質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間反応させた。次いで、テトラヒドロ無水フタル酸133質量部を加えて110℃で5時間反応させ、目的の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(7)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(7)の固形分酸価は80mgKOH/gであり、(メタ)アクリロイル基当量は662g/当量であった。
(実施例8:酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(8)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、エポキシ樹脂(A−1)312質量部、1,4−シクロヘキサジカルボン酸34質量部、トリフェニルホスフィン0.3質量部を加えて溶解させた。窒素雰囲気下、120℃で3時間反応させ、酸価が1mkOH/g以下となっていることを確認した。ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート211質量部、ジブチルヒドロキシトルエン1.0質量部、メトキノン0.2質量部、アクリル酸43質量部およびトリフェニルホスフィン2.0質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で8時間反応させた。次いで、テトラヒドロ無水フタル酸103質量部を加えて110℃で5時間反応させ、目的の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(8)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(8)の固形分酸価は80mgKOH/gであり、(メタ)アクリロイル基当量は821g/当量であった。
(実施例9:酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(9)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、エポキシ樹脂(A−1)312質量部、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体の分子両末端にカルボキシル基を有する重合体(CVC Thermoset Specialties社製「HYPRO CTBN1300X13NA」)47質量部、トリフェニルホスフィン0.4質量部を加えて溶解させた。窒素雰囲気下、100℃で3時間反応させ、酸価が1mkOH/g以下となっていることを確認した。ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート233質量部、ジブチルヒドロキシトルエン1.1質量部、メトキノン0.2質量部、アクリル酸71質量部およびトリフェニルホスフィン2.2質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間反応させた。次いで、テトラヒドロ無水フタル酸114質量部を加えて110℃で5時間反応させ、目的の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(9)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(9)の固形分酸価は80mgKOH/gであり、(メタ)アクリロイル基当量は549g/当量であった。
(比較例1:酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(10)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON 850S」、エポキシ当量188g/eq)188質量部、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体の分子両末端にカルボキシル基を有する重合体(CVC Thermoset Specialties社製「HYPRO CTBN1300X13NA」)83質量部、トリフェニルホスフィン0.3質量部を加えて溶解させた。窒素雰囲気下、100℃で5時間反応させ、酸価が1mkOH/g以下となっていることを確認した。ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート185質量部、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.2質量部、アクリル酸70質量部およびトリフェニルホスフィン1.7質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で7時間反応させた。次いで、テトラヒドロ無水フタル酸91質量部を加えて110℃で5時間反応させ、目的の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(10)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(10)の固形分酸価は80mgKOH/gであり、(メタ)アクリロイル基当量は443g/当量であった。
(実施例10:硬化性樹脂組成物(1)の調製)
実施例1で得た酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(1)100質量部、硬化剤としてオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N−680」)24質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10質量部、光重合開始剤として2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(IGM社製「Omnirad907」)5質量部、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5質量部、有機溶剤としてジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート13質量部、顔料としてフタロシアニングリーン0.65質量部を配合し、ロールミルにより混錬して硬化性樹脂組成物(1)を得た。
(実施例11〜18:硬化性樹脂組成物(2)〜(9)の調製)
実施例10で用いた酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(1)の代わりに、実施例2〜9で得た酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(2)〜(9)をそれぞれ用いた以外は、実施例10と同様にして硬化性樹脂組成物(2)〜(9)を得た。
(比較例2:硬化性樹脂組成物(C1)の調製)
実施例10で用いた酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(1)の代わりに、比較例1で得た酸基含有エポキシアクリレート樹脂(10)を用いた以外は、実施例10と同様にして硬化性樹脂組成物(C1)を得た。
上記の実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物(1)〜(9)及び(C1)を用いて、下記の評価を行った。
[アルカリ現像性の評価方法]
各実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物を、アプリケーターを用いてガラス基材上に膜厚50μmとなるように塗布した後、80℃でそれぞれ100分間、110分間、120分間、130分間、140分間、150分間、160分間、170分間、180分間、190分間、200分間、乾燥させ、乾燥時間が異なるサンプルを作成した。これらを1%炭酸ナトリウム水溶液で30℃180秒間現像し、基板上に残渣が残らなかったサンプルの80℃での乾燥時間を乾燥管理幅として評価した。なお、乾燥管理幅が長いほどアルカリ現像性が優れていることを示す。
実施例10〜18で作製した硬化性樹脂組成物(1)〜(9)、及び比較例2で作製した硬化性樹脂組成物(C1)の評価結果を表1に示す。
Figure 2020063346
(実施例19:硬化性樹脂組成物(10)の調製)
実施例1で得た酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(1)100質量部、硬化剤としてオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N−680」)24質量部、光重合開始剤として2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(IGM社製「Omnirad907」)5質量部、有機溶剤としてジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート13質量部、を配合し、ロールミルにより混錬して硬化性樹脂組成物(8)を得た。
(実施例20〜27:硬化性樹脂組成物(10)〜(18)の調製)
実施例19で用いた酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(1)の代わりに、実施例2〜9で得た酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(2)〜(9)をそれぞれ用いた以外は、実施例19と同様にして硬化性樹脂組成物(10)〜(18)を得た。
(比較例3:硬化性樹脂組成物(C2)の調製)
実施例19で用いた酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(1)の代わりに、比較例1で得た酸基含有エポキシアクリレート樹脂(10)を用いた以外は、実施例19と同様にして硬化性樹脂組成物(C2)を得た。
上記の実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物(10)〜(18)及び(C2)を用いて、下記の評価を行った。
[伸度の測定方法]
伸度の測定は、引張試験に基づいて行った。
<試験片の作製>
ガラス基材上に硬化性樹脂組成物を50μmのアプリケーターで塗布し、80℃で30分間乾燥させた。メタルハライドランプを用いて1000mJ/cmの紫外線を照射した後、160℃で1時間加熱した。ガラス基材から硬化物を剥離し、試験片を得た。
<引張試験>
前記試験片を10mm×80mmの大きさに切り出し、株式会社島津製作所製精密万能試験機オートグラフ「AG−IS」を用いて、下記の測定条件で試験片の引張試験を行った。試験片が破断するまでの伸度(%)を測定し、以下の基準に従い評価した。
測定条件:温度23℃、湿度50%、標線間距離20mm、支点間距離20mm、引張速度10mm/分
実施例19〜27で作製した硬化性樹脂組成物(10)〜(18)、及び比較例3で作製した硬化性樹脂組成物(C2)の評価結果を表1に示す。
Figure 2020063346
表1及び2に示した実施例10〜27は、本発明の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂を用いた硬化性樹脂組成物の例である。この硬化性樹脂組成物は、優れたアルカリ現像性を有しており、また、当該硬化性樹脂組成物の硬化物は、優れた伸度を有することが確認できた。
一方、比較例2及び3は、エポキシ樹脂の原料としてアルキレンオキサイドまたはアルキレンカーボネートを用いないエポキシ(メタ)アクリレート樹脂を用いた硬化性樹脂組成物の例である。この硬化性樹脂組成物は、アルカリ現像性が不十分であるとともに、当該硬化性樹脂組成物の硬化物においても伸度が不十分であることが確認できた。

Claims (12)

  1. エポキシ樹脂(A)、多塩基酸(B)、不飽和一塩基酸(C)、及び多塩基酸無水物(D)を必須の反応原料とする酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂であって、
    前記エポキシ樹脂(A)が、フェノール性水酸基含有化合物(a1)と、アルキレンオキサイド(a2−1)またはアルキレンカーボネート(a2−2)と、エピハロヒドリン(a3)との反応物であることを特徴とする酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂。
  2. 前記多塩基酸(B)が、共役ジエン系ビニルモノマーとアクリロニトリルとの共重合体であって、その分子中にカルボキシル基を有する重合体である請求項1記載の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂。
  3. 前記多塩基酸(B)の使用量が、前記エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、20〜100質量部の範囲である請求項1記載の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂。
  4. 前記アルキレンオキサイド(a2−1)が、エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドである請求項1記載の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂。
  5. 前記アルキレンオキサイド(a2−1)の平均付加モル数が、前記フェノール性水酸基含有化合物(a1)が有する水酸基1モルに対して、1〜20モルの範囲である請求項1記載の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と、光重合開始剤とを含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  7. さらに、有機溶剤と、硬化剤とを含有するものである請求項6記載の硬化性樹脂組成物。
  8. さらに、請求項1〜5のいずれか1項記載の酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂以外の酸基含有(メタ)アクリレート樹脂(E)を含有するものである請求項6記載の硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項記載の硬化性樹脂組成物の硬化反応物であることを特徴とする硬化物。
  10. 請求項6〜8のいずれか1項記載の硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする絶縁材料。
  11. 請求項6〜8のいずれか1項記載の硬化性樹脂組成物からなることを特徴とするソルダーレジスト用樹脂材料。
  12. 請求項11項記載のソルダーレジスト用樹脂材料からなることを特徴とするレジスト部材。
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