JP2020043790A - 中空を有する筒状生地の製造方法 - Google Patents

中空を有する筒状生地の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特別な成形装置を用いることなく、簡便に中空を有する棒状あるいは筒状の食品生地を製造する方法を提供することを目的とする。【解決手段】直径の異なるインナーノズルとアウターノズルを有する食品生地の吐出装置において、インナーノズルに蓋をすることなくアウターノズルのみから食品生地を押し出すことにより、中空を有する略筒状の食品生地を製造することができる。【選択図】図1

Description

本発明は中空を有する筒状生地の製造方法に関する。
従来知られている焼成生地に餡が包まれた包餡食品を製造する方法として、下記の方法が挙げられる。
(1)手包餡もしくは機械包餡により加熱前包餡食品を製造した後、加熱工程を経る方法。
(2)生地のみ加熱した後、焼成生地に穴を空けてフィリングを後注入する方法。
(3)コルネなどのように意図的に中空を有する形状の生地に成形して加熱し、中空部分にフィリングを後注入する方法。
これらの方法についてそれぞれ下記の問題点がある。
(1)包餡後加熱工程を経る方法では、包餡したフィリングが生地とともに加熱工程に晒されるため、フィリングの物性(耐熱性、油脂の融点など)に制限がある(ゆるいとパンクするなど)。また、必要に応じて加熱前の包餡生地を冷凍することもあるため、フィリングの耐冷凍性も必要になってくる場合がある。さらに、加熱工程を経るため、最終製品において柔らかくジューシーなフィリングやクリーム類を含む包餡製品を製造することは難しい。
(2)焼成後の生地に穴を空けてフィリングを後注入する方法では、フィリングに関する制限は小さい。しかしながら、棒状の器具を使用して穴を空けるため、生地の形状・物性によっては均一な穴を開けにくいというデメリットがある。特に棒状で硬い生地に対して、棒に沿って中央に中穴を空けるのは生地自体の構造を壊してしまうなど困難が伴う。
(3)中空を有する形状に成形して加熱し、フィリングを後注入する方法では、上記(1)の方法で問題となるフィリングの制限や、上記(2)の方法で問題となる後注入時の生地の形状・物性の制限についてはいずれも解決されているが、中空を有するコルネ状あるいは棒状の生地を製造するには、特定の成型技術や専用ラインが必要になる。
中空を有する棒状生地の製造方法としては例えば、パイ生地・クッキー生地を外包材として使用し、シューなどのパフ生地を内包材に使用することで内側に大きな空洞(中空)を作り出す方法(例えば特許文献1参照)、コルネなどのように棒状の型に生地を巻きつけそのまま生地を焼成する方法(例えば特許文献2参照)、あるいは、生地に油脂、カゼインを主体とするフィリングを包餡させておき、焼成により空洞(中空)を作り出す方法(例えば特許文献3参照)などが知られている。
しかし、特許文献1や3のように内包材や油脂を用いたフィリングを使用する方法では、これらの材料の調製の手間及び材料コストがかかる。さらに、特許文献3の方法では生地内に第一のフィリングの味が残るという問題がある。また、特許文献2の方法では、コルネ生地を巻き芯に巻く作業や、焼成後に巻き芯をとるなどの作業が必要である。
また、従来のドーナツカッター(ドーナツ製造機)では、自重で落ちる程度の硬さの生地とする必要があるが、そのような硬さの生地は柔らかいため、せいぜいリング形状の生地しかできず、中空を有する棒状あるいは筒状の生地の作製は不可能であった。
特開2006−115755 特開平5−130828 特開2008−141976
本発明は、特別な成形装置を用いることなく、簡便に中空を有する棒状あるいは筒状の食品生地を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、従来の包餡製造装置を用いた、中空を有する棒状あるいは筒状の生地を簡便かつ低コストで製造する方法を提供することである。
本発明の更なる他の目的は、簡便かつ低コストで中空を有する焼成食品あるいは包餡焼成食品を製造する方法を提供することである。
本発明者は、直径の異なるインナーノズルとアウターノズルを有する食品生地の吐出装置(包餡機ともいう。例えばレオン自動機株式会社(実登3093506))の機構の一部を利用して、上記課題を解決する方法を見いだした。
前記吐出装置は通常、(1)外包材送り機構の先端ノズル(アウターノズル)と内包材送り機構の先端ノズル(インナーノズル)を組み合わせて、それぞれに生地ないしはフィリングを送り込んで包餡成型品あるいは食品生地を作製するのに使用するか、もしくは、(2)インナーノズルに蓋をし、アウターノズルのみを使用して、アウターノズルから吐出された生地の分割・成型用途として使用する(図1(a)参照)。
本発明はこれらとは異なり、インナーノズルの先端に蓋をすることなく、アウターノズルのみを用いて生地を送り出すことによって、生地内部に空気を包餡させて空洞(中空)を有する略筒状の食品生地の作製を可能にした(図1(b)参照)。
すなわち、本発明は以下を提供する。
(1)直径の異なるインナーノズルとアウターノズルを有する食品生地の吐出装置において、インナーノズルに蓋をすることなくアウターノズルのみから食品生地を押し出すことにより、中空を有する略筒状の食品生地を製造する、中空生地の製造方法。
(2)中空を有する略筒状の食品生地の断面の直径(外径)が10〜50mm、厚さが3〜10mmとなるように、生地の硬さ及びインナーノズル及びアウターノズルのサイズを調節することを含む、(1)記載の製造方法。
(3)食品生地が、パン、揚げ菓子、焼菓子及び蒸し菓子の生地から選択される、(1)または(2)記載の製造方法。
(4)中空を有する略筒状の食品生地を押し出した後、ギロチンカッターにより裁断して生地を分割することを含む、(1)〜(3)のいずれか一に記載の製造方法。
(5)(1)〜(4)のいずれか一に記載の製造方法により中空を有する略筒状の食品生地を製造し、前記食品生地を加熱することを含む、中空を有する略筒状の加熱済食品生地を製造する方法。
本発明の方法により、内部に中空を有する略筒状の食品生地を作製することが可能となった。焼成後の生地に中空が残るため、従来必要であった焼成生地にフィリング注入のための穴を空ける工程を省略することができ、簡便かつ低コストに、様々な包餡食品あるいはフィリング注入食品を製造することが可能になった。
直径の異なるインナーノズルとアウターノズルを有する食品生地の吐出装置から生地を吐出する様子の概念図である。(a)はインナーノズルに蓋をして外包生地のみをアウターノズルから押し出す従来の態様を示している。(b)はインナーノズルに蓋をすることなくアウターノズルのみから食品生地を押し出す本発明の態様を示している。 直径の異なるインナーノズルとアウターノズルを水平方向に切断したときの断面を上からみた図(概略図)である。 保形性試験の様子を示す。 本発明の実施例1において製造された中空を有する筒状の食品生地(a)と、中空を有さない対照例1の食品生地(b)を示す。
<中空生地の製造方法>
本発明において「中空生地」とは、中空あるいは空洞を有する食品生地を意味する。
本発明の中空生地の製造方法は、直径の異なるインナーノズルとアウターノズルを有する食品生地の吐出装置において、インナーノズルに蓋をすることなくアウターノズルのみから食品生地を押し出すことにより、中空を有する略筒状の食品生地を製造する工程を含む。
本発明において、「直径の異なるインナーノズルとアウターノズルを有する食品生地の吐出装置」とは、図1(a)に示されるような外包材送り機構の先端ノズル(アウターノズル)と、アウターノズルより小さい径を有する、内包材送り機構の先端ノズル(インナーノズル)とを組み合わせて、それぞれに生地ないしはフィリングを送り込んで包餡成型品あるいは食品生地を作製する従来公知の包餡製造装置を意味する。図1(b)は、本発明の、インナーノズルとアウターノズルを用いて中空を有する略筒状の食品生地を製造する工程の概念図である。また、図2は、インナーノズルとアウターノズルの水平方向に切断したときの断面を上面から見たときの概略図である。
直径の異なるインナーノズルとアウターノズルを有する食品生地の吐出装置は包餡機とも呼ばれる。例えば、実登3093506号、特開2002−325538号、特開2008−295428号、特開2001−120245、特開2004−248545等に記載される包餡機が挙げられる。また、火星人CN500、CN511(ともにレオン自動機株式会社製)、包あん成形機ロボセブンAR−880(コバート社製)等が挙げられる。
インナーノズルあるいはアウターノズルの吐出口の形状は、円(丸型)であってもよく、またその他の幾何学的図形であってもよい。例えば、菊型などが知られている。
直径の異なるインナーノズルあるいはアウターノズルは相似形を有し、同軸上に配置されて、インナーノズル外径(図2、a)とアウターノズル内径(図2、b)の間から、均一な厚さを有する外包材(食品生地)を押出すことができるものが好ましい。
インナーノズル及びアウターノズルの内径及び外径は、目的とする生地の大きさ及び厚さに応じて変えることができるが、例えば、インナーノズルの外径φは16〜20mm、アウターノズルの内径φは28〜32mmであることが好ましい。
ノズルから生地(外包材)を押し出す速度(吐出量)は、生地の硬さや形状にもより適宜決定することができるが、23〜45g/秒であることが好ましく、33〜40g/秒であることがさらに好ましい。このような速度範囲で押出すことにより、生地に適度な圧力がかかり、生地表面が滑らかで保形が良くなるため好ましい。
本発明の方法では、食品生地を押し出した後、適切な長さとなるようにカッティングを行ってもよい。カッティングは従来公知の様々な方法により行うことができる。例えば、「シャッター」と称されるカッターにより、押出し直後にノズル端部分でカッティングを行ってもよい。また、包餡機から出てきた生地を受けるコンベアとコンベアの途中に「ギロチンカッター」を設置し切断してもよい。
ギロチンカッターを用いると、切り口断面における中空がより良好な形状(例えば、ノズル口が正円であり、円柱の中空を作製するのであれば、切り口断面はより正円に近い方が良好な形状である)(図4(a))になるため好ましい。
なお、シャッタースピードや生地の硬さや粘度により、切り口断面において中空がつぶれてしまう場合もあるが、その場合には別途開口してもよい。
<中空を有する略筒状の食品生地>
本発明の中空生地の製造方法により、中空を有する略筒状の食品生地を製造することができる。
本明細書において、中空とは、生地内部の空洞を意味する。生地内部の空洞は、製造方法から、円柱や角柱などの柱状となる。生地あるいは焼成後の食品の保形性の観点から、中空形状は円柱形状であることが好ましい。
また本明細書において、略筒状の食品生地は、生地あるいは焼成後の食品の保形性の観点から略円筒状であることが好ましい。
製造される中空を有する略筒状の食品生地の大きさは、目的の食品や、生地の硬さ等により適宜変えることができるが、既存の装置を用いて製造するにあたり、特に、円筒状の生地について、生地の重量、生地の厚さ、生地直径が以下の条件を満たすことにより、分割時の生地潰れを抑制することができるため好ましい。
すなわち、内径φが28〜32mmのアウターノズル及び外径が16〜20mmφのインナーノズルを使用する場合、生地の重量は、30〜90gが好ましく、40〜80gがより好ましく、50〜75gがさらに好ましい。生地が円筒状である場合、ノズルからの押出し方向に垂直な方向に切断した場合の生地断面の直径(外径)は、10〜50mmが好ましく、15〜40mmがより好ましく、20〜30mmがさらに好ましい。生地の厚さは、3〜10mmが好ましく、4〜8mmがより好ましく、5〜7mmがさらに好ましい。
これらの条件を満たすことにより、良好な形状の空洞を有し、断面がつぶれにくい、中空を有する略筒状の生地を得ることが可能である。
本発明の吐出装置で生地を製造してから焼成までの時間、生地の形状を保つことができる程度の硬さが必要である。生地は流動性のないことが必要であり、また厚さは自重で変形しない適度の厚さである必要がある。生地の硬さと保形性とは相関があり、下記の保形性試験を行い、保形割合を、生地の硬さの目安とした。
保形性試験:
底面の直径50mm、上部の直径75mm、高さ40mmの円錐台状のカップ(容積約120ml)に離型油を塗り、生地を150g程度詰め、成形された生地を取り出す。テーブル上に生地を置き高さ(テーブル表面から最も高い部分)を測定する。25℃で10分間静置した後の高さを測定し、保形割合(10分後の高さ/生地取り出し直後の高さ)を算出する。保形試験の様子は図3に示した。
上記方法による保形性試験において、保形割合が50%以上である場合には、空洞を有する生地を製造することができた。保形割合は60%以上であることがより好ましく、65%以上90%未満であることがさらに好ましい。ただし、適切な保形割合は、生地の厚さ、大きさと密接に関係しており、例えば、生地の厚さが3〜4mmの場合には、保形割合は65%以上であることが好ましく、さらに70%以上であることが好ましい。また、生地の厚さが5〜7mmの場合には、保形割合は60%以上であることが好ましく、さらに65%以上であることが好ましい。
生地の保形割合は、生地の組成と密接な関連があり、特に水分量と密接に関連しているが、生地の種類により好ましい水分量は変化する。なお、上記水分量は、卵など副原料由来の水分が入る場合には、その量も勘案することが好ましい。
<中空生地の加熱工程>
本発明の方法で製造された中空を有する略筒状の食品生地は、目的に応じて、揚げ工程、焼成工程あるいは蒸し工程などの加熱工程を行って加熱生地を製造することができる。加熱工程の温度や時間は、食品毎に適宜決めることができる。
アメリカンクッキー生地のように、油脂量が多い生地については、焼成中に生地がだれて中空が潰れる傾向があるので、生地の変形を防ぐために、短くカットし、立てて加熱することが好ましい。
<食品生地の種類及び配合>
本発明の方法は、様々な食品の調製に用いることができる。好ましくは、食品生地が、パン、揚げ菓子、焼菓子及び蒸し菓子の生地から選択される。これらの食品生地は、典型的には、小麦粉、米粉等の穀粉、卵、牛乳、砂糖、油脂、水等を混合した生地である。
揚げ菓子としては、ドーナツ、ケーキドーナツ、おかき、かりんとう等が挙げられる。
焼菓子としては、パイ、クッキー、ビスケット、焼きドーナツ、スコーン等が挙げられる。
蒸し菓子としては、饅頭、中華饅頭等が挙げられる。
これらの生地には様々な配合があるため、以下に限定されるものではないが、例えば、以下の配合を挙げることができる。
・ドーナツ
本発明のドーナツは、原料として小麦粉、コーンフラワー、大豆粉、各種澱粉類などの穀粉類を主成分とし、これに必要に応じて、ドーナツ様食品生地に通常用いる原料、例えば油脂類、糖類、食塩、調味料、香辛料、卵類、乳化剤などを適宜添加してもよい。化学膨張剤およびイーストを用いてもよい。前記の原料にさらに水を加えて混捏することにより作製することができる。
水分量は、穀粉類100質量部に対し、31〜42質量部であることが生地の硬さの観点から好ましく、33〜40質量部であることがさらに好ましい。
・パイ
本発明においてパイは、原料として小麦粉、コーンフラワー、大豆粉、各種澱粉類などの穀粉類を主成分とし、これに必要に応じて油脂類、糖類、食塩、卵類、乳化剤などを適宜添加した生地にストロー形状マーガリンを練りこむ。
水分量は、穀粉類100質量部に対し、45〜62質量部であることが生地の硬さの観点から好ましく、48〜58質量部であることがさらに好ましい。
・クッキー
本発明においてクッキーは、原料として小麦粉、コーンフラワー、大豆粉、各種澱粉類などの穀粉類を主成分とし、砂糖、油脂を添加し、必要に応じて食塩、卵類、膨張剤、乳化剤などを適宜添加してもよい。
水分量は、穀粉類100質量部に対し、20〜35質量部であることが生地の硬さの観点から好ましく、22〜28質量部であることがさらに好ましい。
・ポンデケージョ
本発明においてポンデケージョは、原料として小麦粉、コーンフラワー、大豆粉、各種澱粉類などの穀粉類を主成分とし、必要に応じて砂糖、粉末チーズ、油脂、卵、牛乳、食塩、膨張剤、乳化剤などを適宜添加してもよい。
水分量は、穀粉類100質量部に対し、70〜130質量部であることが生地の硬さの観点から好ましく、80〜110質量部であることがさらに好ましい。
・蒸し菓子
本発明において蒸し菓子は、原料として小麦粉、米粉、各種澱粉類を主成分とし、必要に応じて砂糖、膨張剤、食塩などを適宜添加してもよい。
水分量は、穀粉類100質量部に対し、25〜40質量部であることが生地の硬さの観点から好ましく、30〜34質量部であることがさらに好ましい。
・パン類
本発明のパン類の製造においては、小麦粉、ライ麦粉、コーンフラワー、大麦粉、米粉などの穀粉類;イースト、イーストフード;タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉など及びこれらにα化、エーテル化、エステル化、アセチル化、架橋処理等を行った加工澱粉類;ブドウ糖、果糖、乳糖、砂糖、イソマルトースなどの糖類;卵黄、卵白、全卵その他の卵に由来する成分である卵成分;粉乳、脱脂粉乳、大豆粉乳等の乳成分;ショートニング、ラード、マーガリン、バター、液状油等の油脂類;乳化剤;食塩等の無機塩類;保存料;ビタミン;カルシウム等の強化剤等の通常パン製造に用いる副原料を使用することができる。
水分量は、穀粉類100質量部に対し、55〜70質量部であることが生地の硬さの観点から好ましく、59〜65質量部であることがさらに好ましい。
製造例 ケーキドーナツ
下記配合をミキサー(関東混合機工業社製、HPi−30M)に投入し、低速2分、中速2分混捏した(捏ね上げ温度18℃、ビーター使用、ジャケット不要)後、10分間のフロアタイムをとり、ケーキドーナツ生地を調製した。
調製した生地を包餡機(レオン自動機社製、CN500)に投入し、下記表1の機械設定条件で、生地重量75g、生地直径(外径)30mm、生地長さ160mmとなるように生地を吐出した。
配合
表1 包餡機設定条件
吐出した生地は、シャッターでカッティングするため両端が閉じた状態になるので、火通りをよくするために菜箸等で両端に穴を空けてから、190℃のフライヤーに投入し、潜行で3分20秒間フライしドーナツを得た。
試験例1 ケーキドーナツ生地の保形性
製造例の配合のうち、水の量を表2に記載したようにかえた以外は製造例に従いドーナツ生地を調製した後、下記に述べる保形性試験を行なった。結果を表3に示した。
表2 ケーキドーナツ生地保形試験
*括弧内は穀粉100質量部に対する質量部に換算した値を示す
底面の直径50mm、上部の直径75mm、高さ40mmの円錐台状のカップ(容積約120ml)に離型油を塗り、生地を150g程度詰め、成形された生地を取り出す。テーブル上に生地を置き、25℃で10分間静置した後の高さを測定し、保形割合を算出した(表3、図3参照)。
表3
参考例2が最適な硬さである。参考例1は少々硬すぎて生地にひび割れが生じた。
試験例2 保形割合と生地の厚さの影響
配合のうち水の量をかえることで生地の保形割合と吐出時の生地重量及び生地直径(外径)をかえた以外は、製造例と同様に生地を調製し評価した。対照例1では、包餡機のインナーノズルには蓋をして使用した。
ケーキドーナツ製品を、評価基準表に従い10名のパネラーが評価した結果の平均値を表4に示した。
評価基準表
表4 評価結果
*1:穀粉100質量部に対する質量部
*2:フライ中に生地を上からスクリーン等で押さえて生地全体がフライ油中に浸かるようにした状態(潜行)における加熱工程の加熱温度及び時間
*3:生地外径
成形された生地は、空洞を維持するために適度な硬さと適度な厚さが必要であった。実施例1〜3では、断面もつぶれずに良好に中空を有する生地を製造することができた。
また、実施例2の中空のケーキドーナツに、仕上げ工程として、空洞部分にカスタードクリームを15g注入したが、時間が経過しても空洞の形状がよく、食感も良好であった。
試験例3 練りパイ生地
配合
上記の配合をミキサー(関東混合機工業社製、HPi−30M)に投入し、低速3分、高速6分、掻き落とし後チップマーガリンを入れて低速30秒、高速30秒混捏し(捏ね上げ温度23℃、フック使用、ジャケット不要)、練りパイ生地を調製した。
調製した生地を包餡機(レオン自動機社製、CN500)に投入し、表1の機械設定条件で、生地重量、生地直径、生地の厚さは表5の値で生地長さ150mmとなるように生地を吐出した。
吐出した生地を−30℃で25分間急速凍結した。凍結生地を−30℃で24時間保存後、25℃で10分間解凍した。生地は両端が閉じた状態なので、火通りをよくするために菜箸等で両端に穴を空けてから、190℃で15分間焼成した。
外観及び保形性を、評価基準表に従い10名のパネラーが評価した結果の平均値を表5に示した。
表5:試験例3 練りパイ
*1:穀粉100質量部に対する質量部
*2:解凍後の加熱工程の加熱温度及び時間
*3:生地外径
食感は、崩壊感があり歯切れがかなり良好であった。特に実施例6〜7の食感は良好であった。また、実施例6〜8では、断面のつぶれも少なく、良好に中空を有する生地を製造することができた。
試験例4 アメリカンクッキー生地
配合
ミキサー(関東混合機工業社製、HPi−30M)にバターを入れて、中速30秒間ミキシングし掻き落とす。グラニュー糖を入れて中速30秒間ミキシングし掻き落とす。全卵を入れて中速1分間ミキシングし掻き落とす。小麦粉、塩、ベーキングパウダーを入れて低速30秒間ミキシングする。ローストくるみを入れて低速15秒間ミキシングする(捏ね上げ温度17℃、ビーター使用、ジャケット不要)。
調製した生地を包餡機(レオン自動機社製、CN500)に投入し、カッターをギロチンカッターに変更した以外は表1の機械設定条件で、生地重量、生地直径、生地の厚さは表6の値で生地長さ160mmとなるように生地を吐出した。
吐出した生地を190℃、15分間焼成しアメリカンクッキーを得た。
外観及び保形性を、評価基準表に従い10名のパネラーが評価した結果の平均値を表6に示した。
表6:試験例4 アメリカンクッキー
*1:穀粉100質量部に対する質量部
*2:加熱工程の加熱温度及び時間
*3:生地外径
食感は、崩壊感があり歯切れがかなり良好であった。特に実施例11〜12の食感は良好であった。実施例11〜13では、断面のつぶれも少なく、良好に中空を有する生地を製造することができた。
試験例5 ポンデケージョ生地
配合
沸騰させた水、牛乳、サラダ油をミキサー(関東混合機工業社製、HPi−30M)に投入し、そこにタピオカ粉、塩を入れて低速2分混捏した後、全卵、粉末チーズを入れて低速3分混捏し(捏ね上げ温度60℃、ビーター使用、ジャケット不要)生地を調製した。
調製した生地を包餡機(レオン自動機社製、CN500)に投入し、固定リングを丸型ノズル(内径φ30mm)に変更した以外は表1の機械設定条件で、生地重量、生地直径、生地の厚さは表7の値で生地長さ160mmとなるように生地を吐出した。
吐出した生地は両端が閉じた状態なので、火通りをよくするために菜箸等で両端に穴を空けてから、180℃、20分間焼成しポンデケージョを得た。
外観、及び保形性を、評価基準表に従い10名のパネラーが評価した結果の平均値を表7に示した。
表7:試験例5 ポンデケージョ
*1:穀粉100質量部に対する質量部
*2:加熱工程の加熱温度及び時間
*3:生地外径
食感は、歯切れの良いもち感があり良好であった。特に実施例17の食感は良好であった。実施例16〜18では、断面のつぶれも少なく良好に中空を有する生地を製造することができた。
試験例6 蒸し菓子生地
配合
ミキサー(関東混合機工業社製、HPi−30M)に上白糖を入れ、水を加えて完全に溶かす。イーストパウダー、薄力小麦粉を加えて低速30秒間混ぜ合わせ、生地を調製した。
調製した生地を包餡機(レオン自動機社製、CN500)に投入し、表1の機械設定条件で、生地重量、生地直径、生地の厚さは表8の値で生地長さ160mmとなるように生地を吐出した。
吐出した生地は両端が閉じた状態なので、火通りをよくするために菜箸等で両端に穴を空けてから、100℃で12分間蒸した。
外観、及び保形性を、評価基準表に従い10名のパネラーが評価した結果の平均値を表8に示した。
表8:試験例6 蒸し菓子
*1:穀粉100質量部に対する質量部
*2:加熱工程の加熱温度及び時間
*3:生地外径
食感は、歯切れの良いもち感があり良好であった。特に実施例22の食感は良好であった。実施例21〜23では、断面のつぶれも少なく良好に中空を有する生地を製造することができた。
a:インナーノズル外径
b:アウターノズル内径

Claims (5)

  1. 直径の異なるインナーノズルとアウターノズルを有する食品生地の吐出装置において、インナーノズルに蓋をすることなくアウターノズルのみから食品生地を押し出すことにより、中空を有する略筒状の食品生地を製造する、中空生地の製造方法。
  2. 中空を有する略筒状の食品生地の断面の直径(外径)が10〜50mm、厚さが3〜10mmとなるように、生地の硬さ及びインナーノズル及びアウターノズルのサイズを調節することを含む、請求項1記載の製造方法。
  3. 食品生地が、パン、揚げ菓子、焼菓子及び蒸し菓子の生地から選択される、請求項1または2記載の製造方法。
  4. 中空を有する略筒状の食品生地を押し出した後、ギロチンカッターにより裁断して生地を分割することを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法により中空を有する略筒状の食品生地を製造し、前記食品生地を加熱することを含む、中空を有する略筒状の加熱済食品生地を製造する方法。
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