JP2020022268A - 車両の駆動システムの駆動制御装置 - Google Patents

車両の駆動システムの駆動制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車両を駆動する電動機を複数備える駆動システムに適用され、各電動機の温度の偏りを低減可能な駆動制御装置を提供する。【解決手段】複数の電動機により駆動される車両の駆動システムを駆動する駆動制御装置(40)であって、前記複数の電動機の温度を取得する温度取得部(41)と、前記温度取得部により取得された前記複数の電動機の温度に基づく前記複数の電動機間の温度差が小さくなるように、前記車両に要求される要求トルクを前記各電動機に分配するトルク分配部(44)と、を備える。【選択図】 図2

Description

本発明は、車両の駆動システムに適用される駆動制御装置に関する。
特許文献1に、車両の前輪を駆動する第1のモータ(電動機)と、後輪を駆動する第2のモータとをそれぞれ別個に備えた電動車両が記載されている。この電動車両では、モータ制御装置は、車両に要求される要求トルクを分配して第1のモータと第2のモータを駆動制御する。モータの駆動による発熱を抑制するために、モータ制御装置は、各モータの温度に基づいてそれぞれ基準トルクを設定し、基準トルクを超える駆動トルクで回転する時間が所定時間以上となった方の電動機においては駆動トルクを低減させ、その他方の電動機においては駆動トルクを増加させるトルク分配制御を実行する。
特開2012−95378号公報
車輪を駆動するための電動機が複数備えられている車両においては、各電動機の特性や寿命を均等化するために、各電動機の温度の偏りをできるだけ低減することが好ましい。特許文献1の技術では、各電動機において駆動トルクが基準トルクを超えて所定時間以上経過したか否かに基づいて、トルク分配制御が実行されるため、各電動機間の温度の偏りが低減されにくい。
上記に鑑み、本発明は、車両を駆動する電動機を複数備える駆動システムに適用され、各電動機の温度の偏りを低減可能な駆動制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、複数の電動機により駆動される車両の駆動システムを駆動する駆動制御装置を提供する。この駆動制御装置は、前記複数の電動機の温度を取得する温度取得部と、前記温度取得部により取得された前記複数の電動機の温度に基づく前記複数の電動機間の温度差が小さくなるように、前記車両に要求される要求トルクを前記各電動機に分配するトルク分配部と、を備える駆動制御装置。と、を備える。
本発明によれば、トルク分配部は、車両に要求される要求トルクを複数の電動機に分配するに際して、温度取得部により取得された複数の電動機の温度に基づく複数の電動機間の温度差が小さくなるように分配する。このため、各電動機間の温度の偏りを低減することができ、ひいては、各電動機の特性や寿命が不均等に低下することを抑制できる。
第1実施形態に係る駆動制御装置によって制御される駆動システムの概略図。 第1実施形態に係る駆動制御装置の概略図。 第1実施形態に係る駆動制御処理のフローチャート。 第1実施形態に係る駆動制御のタイムチャート。 第2実施形態に係る駆動制御処理のフローチャート。 第3実施形態に係る駆動制御処理のフローチャート。 第4実施形態に係る駆動制御処理のフローチャート。 第5実施形態に係る駆動制御処理のフローチャート。
(第1実施形態)
図1に、本実施形態に係る車両20の駆動システム10を示す。駆動システム10は、電気自動車(EV車)である車両20に搭載され、車両20の駆動軸21、22を駆動することができる。駆動システム10は、蓄電池11と、駆動用の発電電動機(モータジェネレータ:MG)であるMG12,13と、インバータ14,15と、ECU40とを備えている。図2に、ECU40の具体的構成の概略図を示す。
蓄電池11は、2次電池であり、より具体的には、例えば、出力電圧は200〜300V程度のリチウムイオン蓄電池である。
第1MG12は、第1インバータ14を介して蓄電池11と接続されている。第2MG13は、第2インバータ15を介して蓄電池11と接続されている。MG12,13が発電機として作動する場合には、インバータ14,15は、発電された交流電力を直流電力に変換し、蓄電池11に蓄電させることができる。MG12,13が電動機として作動する場合には、インバータ14,15は、蓄電池11から出力される直流電力を交流電力に変換し、MG12,13を作動させることができる。
第1MG12は、車両20の前方に配置された第1駆動軸21と接続されている。第1駆動軸21の両端には、車両20の前輪である車輪31,32が接続されている。第2MG13は、車両20の後方に配置された第2駆動軸22と接続されている。第2駆動軸22の両端には、車両20の後輪である車輪33,34が接続されている。
MG12,13は、発電機として作動する場合には車輪31〜34の回転エネルギーを電力に変換し、電動機として作動する場合には蓄電池11から供給される電力を回転エネルギーに変換して駆動軸21,22を駆動する。
車輪31〜34には、それぞれ、制動装置35〜38が設置されている。制動装置35〜38は、油圧ブレーキであり、対応する車輪31〜34に制動圧を与えることにより制動トルクを発生させ、車輪31〜34を制動することができる。
センサ類50は、車両20の状態や車両20の周囲の状態を検知可能な従来公知のセンサ類であり、具体的には、アクセルセンサ51、車速センサ52、第1温度センサ53、第2温度センサ54等、を例示することができる。第1温度センサ53は、第1MG12に設置され、第1MGの温度を検知できる。第2温度センサ54は、第2MG13に設置され、第2MG13の温度を検知できる。
ECU40は、蓄電池11、MG12,13、インバータ14、15等の駆動システム10の各構成要素を制御する駆動制御装置である。ECU40は、車両20の前輪である車輪31,32を駆動する第1MG12と、後輪である車輪33,34を駆動する第2MG13とを備えた駆動システム10に適用される。
ECU40は、車両20に搭載されたセンサ類50からの情報を取得し、蓄電池11、MG12,13、インバータ14、15等に制御信号を出力することができる。また、ECU40には、車両20に搭載されている情報端末(図示していない)により、車両20の外部や走行支援装置から入力される情報を取得することができる。
ECU40は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、I/O等(いずれも図示せず)よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、本明細書で説明する各機能を実現することができる。
ECU40は、温度取得部41と、温度予測部42と、トルク算出部43と、トルク分配部44と、制御指令部45とを備えている。
温度取得部41は、第1MG12の温度である第1温度T1と、第2MG13の温度である第2温度T2とを取得する。温度取得部41は、第1温度T1および第2温度T2として、第1温度センサ53および第2温度センサ54から入力される実測値を用いてもよい。また、温度取得部41は、第1温度T1および第2温度T2として、後述する温度予測部42により予測された第1温度T1および第2温度T2の予測値を用いてもよい。さらには、温度取得部41は、運転者等による操作入力、車両20の運転状況、走行経路の状況等に基づいて、第1温度T1および第2温度T2について、検知値(実測値)と予測値とのいずれを用いるか選択可能に構成されていてもよい。
温度予測部42は、第1温度T1および第2温度T2の経時変化を予測する。具体的には、例えば、第1温度センサ53が検知した第1温度T1の検知値(実測値)、第2温度センサ54が検知した第2温度T2の検知値(実測値)、ナビゲーションシステム等により予測される車両20の走行経路の状況、外気温、走行路の傾斜や曲率等の車両20が走行中の走行路の状況、蓄電池11のSOC、車速、アクセル開度、車室内温度等の車両20の走行状況等に基づいて、現在からの経過時間に対応する第1温度T1の予測値および第2温度T2の予測値を算出することができる。具体的には、例えば、車両20の走行履歴から要求トルクRCの時間変化を予測することにより、第1温度T1および第2温度T2を予測することができる。また、例えば、車両20の車室内温度および外気温から、MG12,13の冷却速度を算出することにより、第1温度T1および第2温度T2を予測することができる。
トルク算出部43は、車両20が走行に際して要求される要求トルクRCを算出する。MG12,13を力行運転する場合には、車両20の運転状況や走行路の状況等に基づいて、駆動軸21,22を駆動するために必要な駆動トルクを要求トルクRCとして算出することができる。MG12,13を回生運転する場合には、車両20の運転状況や走行路の状況等に基づいて、駆動軸21,22を制動するために必要な制動トルクを要求トルクRCとして算出することができる。
トルク分配部44は、トルク算出部43が算出した要求トルクRCを、第1MG12が回転する第1回転トルクR1と、第2MG13が回転する第2回転トルクR2に分配する。例えば、要求トルクRCを第1回転トルクR1と第2回転トルクR2のみにより確保する場合には、RC=R1+R2を満たすように第1回転トルクR1と、第2回転トルクR2とを決定する。トルク分配に際しては、各トルク値を算出してもよいし、各トルクについて分配比を算出してもよい。なお、MG12,13の回転トルクは、力行運転時にMG12,13が出力する駆動トルクと、回生運転時にMG12,13に入力される回生トルクの双方を含む。以下、本明細書では、駆動トルクを正の回転トルクとし、回生トルクを負の回転トルクとして説明する。
トルク分配部44は、第1温度T1と第2温度T2との温度差dTが小さくなるように、トルクの分配を決定する「温度差モード」と、温度差dTに関係なくトルクの分配を決定する「通常モード」とを実行可能である。トルク分配部44は、いずれのモードでトルクの分配を決定するかを選択可能に構成されていてもよい。
温度差モードにおいては、トルク分配部44は、第1温度T1と第2温度T2との温度差dTが小さくなるように、車両20に要求される要求トルクRCに対して、第1MG12が回転する第1回転トルクR1と、第2MG13が回転する第2回転トルクR2との分配を決定する。
トルク分配部44は、第1温度T1と第2温度T2に基づいて、第1MG12と第2MG13のうちから、より高温の高温電動機と、より低温の低温電動機とを選定するように構成されていてもよい。さらには、トルク分配部44は、第1温度T1と第2温度T2との温度差dTが小さくなるように、高温電動機の回転トルクを低減させ、その低減量に応じて、低温電動機の回転トルクの増加量を決定するように構成されていてもよい。
具体的には、例えば、第1温度T1が第2温度T2よりも高温である場合(T1>T2)には、第1MG12を高温電動機として選定し、第2MG13を低温電動機として選定する。そして、トルク分配部44は、第1MG12の第1回転トルクR1を低減させ、第2MG13の第2回転トルクR2を増大させる。トルク分配部44は、第1回転トルクR1の低減量を補完するように、第2回転トルクR2の増加量を決定する。例えば、第1回転トルクR1の低減量と、第2回転トルクR2の増加量とが略同一となるようにトルク分配を決定する。これによって、要求トルクRCを確保するとともに、温度差dTを小さくするように、トルク分配を決定することができる。
トルク分配部44は、温度差dTが所定の温度差閾値A以上(dT≧A)であることを条件として、温度差dTが小さくなるように、要求トルクRCに対して第1回転トルクR1と第2回転トルクR2との分配を決定するように構成されていてもよい。さらには、トルク分配部44は、第1温度T1と第2温度T2とのいずれが高温であるかに応じて温度差閾値Aを変更するように構成されていてもよい。例えば、車両20におけるMG12,13の設置位置により、MG12,13の冷却速度が相違する場合がある。この場合、第1MG12の冷却速度が第2MG13の冷却速度より速い場合には、第1温度T1が第2温度T2よりも高いときに、温度差閾値Aを大きく設定し、第1温度T1が第2温度T2よりも低いときに、温度差閾値Aを小さく設定することが好ましい。
トルク分配部44は、第1温度T1または第2温度T2に対して温度閾値B1,B2を設定し、温度閾値B1,B2との比較に基づいて、温度差モードと通常モードとを選択するように構成されていてもよい。具体的には、例えば、トルク分配部44は、第1温度T1が所定の第1温度閾値B1以上(T1≧B1)であり、かつ、第2温度T2が所定の第2温度閾値B2以上(T2≧B2)である場合には、温度差モードを選択し、その他の場合には、通常モードを選択するように構成されていてもよい。第1温度閾値B1、第2温度閾値B2は、MG12,13の温度特性に応じて設定できる。第1MG12の冷却速度が第2MG13の冷却速度より速い場合には、第1温度閾値B1を第2温度閾値B2よりも高く設定することができる。
また、1つの温度閾値Bを用いて第1温度T1と第2温度T2と比較してもよい。この場合、第1温度T1と第2温度T2とのいずれが高温であるかに応じて温度閾値Bを変更するように構成されていてもよい。例えば、第1MG12の冷却速度が第2MG13の冷却速度より速い場合には、第1温度T1が第2温度T2よりも高い場合には、温度閾値Bを高い温度に設定し、第1温度T1が第2温度T2よりも低い場合には、温度閾値Bを低い温度に設定してもよい。
トルク分配部44は、第1回転トルクR1、第2回転トルクR2について、車両20の走行安定性を確保するために要求されるトルク範囲(第1回転トルク範囲、第2回転トルク範囲)を設定してもよい。この場合、第1回転トルクR1が第1回転トルク範囲内となり、かつ、第2回転トルクR2が第2回転トルク範囲内となるように、トルクの分配が決定される。車両20の走行安定性を確保するために要求されるトルク範囲は、車両20の車両20の運転状況、走行経路の状況等に基づいて算出される。なお、第1回転トルクR1と第2回転トルクR2との分配をトルク分配比X(例えば、X=R1/R2)により算出する場合には、第1回転トルク範囲および第2回転トルク範囲をそれぞれ設定することに替えて、トルク分配比Xの範囲を設定するようにしてもよい。
例えば、車両20のスリップ時には、スリップ抑制のために駆動軸21,22の駆動トルクを低減する制御が行われるため、第1回転トルク範囲および第2回転トルク範囲は、比較的低い範囲に設定される。
また、走行経路の傾斜角や曲率と、それに対応する車両20の姿勢に応じて第1回転トルク範囲および第2回転トルク範囲が設定される。例えば、車両20の登坂時には、後輪である車輪33,34を駆動する第2回転トルクR2がより大きくなるように、第1回転トルク範囲を比較的低く設定し、第2回転トルク範囲を比較的高く設定する。逆に、車両20の降坂時には、前輪である車輪31,32を駆動する第1回転トルクR1がより大きくなるように、第1回転トルク範囲を比較的高く設定し、第2回転トルク範囲を比較的低く設定する。
なお、駆動システムが左右の車輪の回転トルクを独立して制御可能に構成されている場合には、車両がカーブ路を走行時に、カーブの外角側の車輪を駆動するトルクが、内角側の車輪を駆動するためのトルクよりも大きくなるようにトルク範囲を決定してもよい。車両20を用いて具体的に説明すると、車両20が右折するカーブ路を走行する際には、外角側の車輪31,33の駆動トルクが内角側の車輪32,34より大きくなるようにトルク範囲を設定してもよい。
要求トルクRCは制動トルクとして算出されることもある。以下、本明細書では、制動トルクを負のトルクとして説明する。この場合、トルク分配部44は、制動装置35〜38がそれぞれ車輪31〜34を制動する制動トルクの分配を決定してもよい。制動トルクは、前輪である車輪31,32を制動する制動装置35,36の制動トルクを第1制動トルクRB1とし、後輪である車輪33,34を制動する制動装置37,38の制動トルクを第2制動トルクRB2とすると、制動トルクRB1,RB2は下記式(1)から算出することができる。
RB1+RB2=RC−(R1+R2) …(1)
制御指令部45は、蓄電池11、MG12,13、インバータ14、15等の駆動システム10の各構成要素に制御指令信号を送信して、各構成要素を制御する。例えば、トルク算出部43において算出された要求トルクと、トルク分配部44決定されたトルク分配に基づいてMG12,13のそれぞれに対するトルク指令信号を作成し、インバータ14,15等に出力する。これにより、MG12,13の回転トルクR1,R2を制御することができる。
図3に、ECU40が実行する駆動制御処理のフローチャートを示す。
まず、ステップS101では、車両20における要求トルクRCを算出する。ECU40は、車両20の運転状況や走行路の状況等に基づいて、駆動軸21,22を駆動するために必要なトルクを要求トルクRCとして算出する。その後、ステップS102に進む。
次ステップS102では、第1温度T1および第2温度T2を取得する。具体的には、例えば、第1温度センサ53の検知値を第1温度T1として取得し、第2温度センサ54の検知値を第2温度T2として取得する。その後、ステップS103に進む。
ステップS103では、第1温度T1と第2温度T2との温度差dTを算出する。下記式(2)に示すように、温度差dTは、第1温度T1と第2温度T2との差の絶対値abs(T1−T2)として算出される。その後、ステップS108に進む。
dT=abs(T1−T2) …(2)
ステップS108では、温度差dTが温度差閾値A以上であるか否かを判定する。dT≧Aである場合には、ステップS109に進み、温度差モードでトルク分配を行うことが決定される。dT<Aである場合には、ステップS110に進み、通常モードでトルク分配を行うことが決定される。
ステップS109では、温度差モードによりトルク分配が決定される。すなわち、温度差dTが小さくなるように、要求トルクRCをMG12,13に分配する。より具体的には、下記式(3)を満たすように、要求トルクRCに占める第1回転トルクR1の割合と第2回転トルクR2との割合を決定する。
RC=R1+R2 …(3)
具体的には、例えば、現在の第1回転トルクR1および第2回転トルクR2を取得し、第1温度T1が第2温度T2よりも高温である場合(T1>T2)には、第1回転トルクR1の低減量と、第2回転トルクR2の増大量とを算出する。第1回転トルクR1の低減量と、第2回転トルクR2の増加量とが略同一となるようにトルク分配を決定する。逆に、第1温度T1が第2温度T2よりも低温である場合(T1<T2)には、第1回転トルクR1の増加量と、第2回転トルクR2の減少量とを算出する。第1回転トルクR1の増加量と、第2回転トルクR2の減少量とが略同一となるようにトルク分配を決定する。
ステップS109において決定されたトルク分配に基づいて作成された制御指令信号がインバータ14,15等に出力されることにより、温度差dTを小さくするようにMG12,13の回転トルクR1,R2を制御することができる。ステップS109の後、処理を終了する。
ステップS110では、通常モードでトルク分配が決定される。すなわち、従来公知の技術と同様に、車両20の走行速度や加速性、燃費等のドライバビリティを考慮してトルク分配が決定される。ステップS110の後、処理を終了する。
図4に、図3のフローチャートに係る駆動制御処理のタイムチャートを示す。図4(a)では、横軸は時間を示しており、縦軸はトルクを示している。参照番号61で示される領域の縦軸方向の幅は、第1回転トルクR1を示しており、参照番号62で示される領域の縦軸方向の幅は、第2回転トルクR2を示している。図4(b)では、横軸は時間を示しており、縦軸は、MG12,13の温度を示している。参照番号63で示す破線は第1温度T1であり、参照番号64で示す実線は第2温度T2である。
時間s0〜s1の期間では、図4(b)に示すように、第1温度T1と第2温度T2とは同程度であり、dT=0となっている。このため、通常モードでトルク分配が決定される。図4(a)に示すように、第1MG12と第2MG13とは同じ回転トルクで駆動されており、R1=R2=RC/2である。
図4(b)に示すように、時間s1以降、第1温度T1が第2温度T2よりも高くなる(T1≧T2)。しかしながら、温度差dTは温度差閾値A未満であるため、通常モードでトルク分配が決定される。時間s1〜s2において、温度差dT(=T1−T2)は時間の経過とともに高くなり、時間s2において、温度差dTは温度差閾値Aに到達する(dT=A)。
時間s2において、温度差dTが温度差閾値A以上となる条件が満たされたため、トルク分配のモードが、通常モードから温度差モードに切り替わる。これにより、図4(a)に示すように、高温電動機である第1MG12の第1回転トルクR1が低減され、低温電動機である第2MG13の第2回転トルクR2が増加される。第1回転トルクR1の低減量と、第2回転トルクR2の増加量とを同一とすることにより、図4(a)に示すように、R1+R2=RCかつRCは一定という状態を維持することができる。
時間s2〜s3の期間において、温度差dTに基づいて、第1回転トルクR1の低減量と、第2回転トルクR2の増加量とが調整される。これにより、図4(b)に示すように、第1温度T1の温度上昇が抑制され、温度差dTが小さくなる。時間s3において、温度差dTは温度差閾値Aよりも小さくなる(dT<A)。
時間s3において、温度差dTは温度差閾値A未満となったため、トルク分配のモードが、温度差モードから通常モードに切り替わる。これにより、図4(a)に示すように、時間s0〜s2の期間と同様に、第1MG12と第2MG13とは同じ回転トルクで駆動される。
上記のとおり、第1実施形態によれば、ECU40は、車両20の第1車輪(車輪31,32)を駆動する第1MG12と、第2車輪(車輪33,34)を駆動する第2MG13とを備えた駆動システム10に適用される駆動制御装置として機能し、温度取得部41と、トルク分配部44とを備えている。温度取得部41は、第1温度T1と第2温度T2とを取得する。トルク分配部44は、第1温度T1と第2温度T2との温度差dTが小さくなるように、要求トルクRCにおける第1回転トルクR1と第2回転トルクR2との分配を決定する。このため、トルク分配部44によって、MG12,13の温度差dTを低減することができる。
トルク分配部44は、第1温度T1および第2温度T2に基づいて、高温電動機と低温電動機とを選定する。例えば、より高温の第1MG12を高温電動機として選定し、より低温の第2MG13を低温電動機とを選定する。そして、高温電動機である第1MG12の第1回転トルクR1の低減量に応じて、低温電動機である第2MG13の第2回転トルクR2の増加量を決定する。このため、第1回転トルクR1の低減量を第2回転トルクR2の増加量によって補うことができる。
さらに、トルク分配部44は、第1回転トルクR1の低減量と、第2回転トルクR2の増加量とが略同一となるように第1回転トルクR1と第2回転トルクR2との分配を決定する。このため、第1回転トルクR1の低減量を第2回転トルクR2の増加量によって補完することができ、要求トルクRCを確保することができる。
(第2実施形態)
図5に、第2実施形態に係るECU40が実行する駆動制御処理のフローチャートを示す。第2実施形態は、MG12,13が回生運転を実行する際の駆動制御処理の一例である。図5に示すフローチャートは、ステップS202〜S204に示す処理において、図3に示すフローチャートと相違している。図5に示すS201,S205,S206,S208〜S210に示す処理は、それぞれ、図3に示すS101〜S103,S108〜S110に示す処理と同様であるため、参照番号を読み替えることにより説明を省略する。
ステップS201において、車両20の要求トルクRCを算出する。この場合、要求トルクRCは、制動トルクとして算出される。その後、ステップS202に進む。
ステップS202では、駆動軸21,22から入力されるMG12,13の回転トルクと、インバータ14,15の入力電力の上限値と、蓄電池11の状態(SOC、温度等)に基づいて、MG12,13の回生トルクの和の限界値である回生限界トルクRGhを算出する。回生限界トルクRGhは、MG12,13により得られる回生トルクの絶対値が最大となる値である。第1MGの回生トルクの限界値(第1MG12により得られる回生トルク量が最大となるときのR1の値)がR1hであり、第2MGの回生トルクの限界値(第2MG13により得られる回生トルク量が最大となるときのR2の値)がR2hである場合には、RGh=R1h+R2hにより算出できる。その後、ステップS203に進む。
ステップS203では、回生限界トルクRGhが要求トルクRCを超えるか否かを判定する。RC≧RGhである場合には、ステップS204に進み、制動装置35〜38に分配する制動トルクRBを算出する。その後、ステップS205に進む。ステップS203において、RC<RGhである場合には、そのままステップS205に進む。
ステップS205以降は、第1実施形態と同様の処理によって、要求トルクRCにおける第1回転トルクR1と第2回転トルクR2との分配を決定する。ステップS204の処理を行った場合には、上記式(1)に基づいて、第1回転トルクR1、第2回転トルクR2、第1制動トルクRB1,および第2制動トルクRB2の分配が算出される。
上記のとおり、第2実施形態によれば、ECU40は、要求トルクRCに対して、第1MG12の回生運転時の回転トルクである第1回生トルク、第2MG13の回生運転時の回転トルクである第2回生トルク、制動装置35,36が前輪である車輪31,32を制動する第1制動トルクRB1、制動装置37,38が後輪である車輪33,34を制動する第2制動トルクRB2の分配を決定する。要求トルクRCを制動装置35〜38にも分配することによりMG12,13の温度負担が軽減されるため、MG12,13の温度上昇を抑制できる。
(第3実施形態)
図6に、第3実施形態に係るECU40が実行する駆動制御処理のフローチャートを示す。第3実施形態は、第1温度T1および第2温度T2と温度閾値との比較判定を実行する駆動制御処理の一例である。図6に示すフローチャートは、ステップS304〜S306に示す処理において、図3に示すフローチャートと相違している。図6に示すS301〜S303,S309,S310に示す処理は、それぞれ、図3に示すS101〜S103,S109,S110に示す処理と同様であるため、参照番号を読み替えることにより説明を省略する。
ステップS301〜S303により、要求トルクRCを算出し、第1温度T1および第2温度T2を取得し、温度差dTを算出した後、ステップS304に進む。ステップS304では、図3に示すステップS108と同様に、温度差dTが温度差閾値A以上であるか否かを判定する。dT≧Aである場合には、ステップS305に進む。dT<Aである場合には、ステップS310に進み、通常モードでトルク分配を行うことが決定される。
ステップS305では、第1温度T1が第1温度閾値B1以上であるか否かを判定する。なお、第1温度閾値B1は、第1MG12の温度特性や寿命の劣化を考慮して、第1MG12の温度負荷が問題とならない程度の温度に設定されている。T1≧B1である場合にはステップS306に進む。T1<B1である場合には、ステップS310に進み、通常モードでトルク分配を行うことが決定される。
ステップS306では、第2温度T2が第2温度閾値B2以上であるか否かを判定する。なお、第2温度閾値B2は、第2MG13の温度特性や寿命の劣化を考慮して、第2MG13の温度負荷が問題とならない程度の温度に設定されている。T2≧B2である場合にはステップS309に進み、温度差モードでトルク分配を行うことが決定される。T2<B2である場合には、ステップS310に進み、通常モードでトルク分配を行うことが決定される。なお、第1MG12の冷却速度が第2MG13の冷却速度より速いため、B1>B2に設定されている。
ステップS305以降は、第1実施形態と同様の処理によって、要求トルクRCにおける第1回転トルクR1と第2回転トルクR2との分配を決定する。
上記のとおり、第3実施形態によれば、ECU40は、第1温度T1が所定の第1温度閾値B1以上であり、かつ、第2温度T2が所定の第2温度閾値B2以上であることを条件として、温度差モードでトルクとの分配を決定する。第1温度T1および第2温度T2が十分に低く、MG12,13が温度負荷により劣化することが問題とならない場合には、通常モードが選択され、ドライバビリティを優先して要求トルクRCを分配することができる。
また、冷却速度が速い第1MG12の第1温度T1に対しては、より高い第1温度閾値B1を用いて温度差モードが選択されにくくすることにより、ドライバビリティを優先したトルク分配を行うことができる。冷却速度が遅い第2MG13の第2温度T2に対しては、より低い第2温度閾値B2を用いて温度差モードが選択され易くすることにより、温度差dTの低減を優先したトルク分配を行うことができる。
(第4実施形態)
図7に、第4実施形態に係るECU40が実行する駆動制御処理のフローチャートを示す。第4実施形態は、第1温度T1と第2温度T2とに基づいて、温度差閾値Aを変更する駆動制御処理の一例である。図7に示すフローチャートは、ステップS404〜S406に示す処理において、図3に示すフローチャートと相違している。図7に示すS401〜S403,S408〜S410に示す処理は、それぞれ、図3に示すS101〜S103,S108〜S110に示す処理と同様であるため、参照番号を読み替えることにより説明を省略する。
ステップS401〜S403により、要求トルクRCを算出し、第1温度T1および第2温度T2を取得し、温度差dTを算出した後、ステップS404に進む。
ステップS404では、第1温度T1が第2温度T2よりも高温であるか否かを判定する。T1>T2である場合には、ステップS405に進み、温度差閾値Aを第1温度差閾値A1に設定する(A=A1)。T1<T2である場合には、ステップS406に進み、温度差閾値Aを第2温度差閾値A2に設定する(A=A2)。なお、第1MG12の冷却速度が第2MG13の冷却速度より速いため、A1>A2に設定されている。ステップS405、ステップS406の後、ステップS408に進む。
ステップS408以降は、第1実施形態と同様の処理によって、要求トルクRCにおける第1回転トルクR1と第2回転トルクR2との分配を決定する。ステップS408において用いられる温度差閾値Aは、ステップS404〜S406の処理において、第1温度差閾値A1もしくは第2温度差閾値A2に設定されている。
上記のとおり、第4実施形態によれば、ECU40は、第1温度T1と第2温度T2とのいずれが高温であるかに応じて温度差閾値Aを変更する。このため、第1MG12と第2MG13が、その温度特性において相違する場合等に応じて、適切に要求トルクRCを分配することができる。
また、冷却速度が速い第1MG12がより高温となった場合には、より高い第1温度差閾値A1を用いて温度差モードが選択されにくくすることにより、ドライバビリティを優先したトルク分配を行うことができる。冷却速度が遅い第2MG13がより高温となった場合には、より低い第2温度差閾値A2を用いて温度差モードが選択され易くすることにより、温度差dTの低減を優先したトルク分配を行うことができる。
(第5実施形態)
図8に、第5実施形態に係るECU40が実行する駆動制御処理のフローチャートを示す。第5実施形態は、トルク分配部44において決定されたトルク分配が、車両20の走行安定性を確保するために要求されるトルク範囲(以下、安定トルク範囲と称することがある)内であるか否かについて判定する処理を含む駆動制御処理の一例である。図8に示すフローチャートは、ステップS511〜S513に示す処理において、図3に示すフローチャートと相違している。図8に示すS501〜S510に示す処理は、それぞれ、図3に示すS101〜S110に示す処理と同様であるため、参照番号を読み替えることにより説明を省略する。
ステップS509またはS510において、温度差モードもしくは通常モードにより、要求トルクRCを第1回転トルクR1と第2回転トルクR2に分配した後、ステップS511に進む。
ステップS511では、トルク分配比X=R1/R2を算出する。また、車両20の安定トルク範囲を規定するトルク分配比の下限値XLおよび上限値XHを設定する。トルク分配比の下限値XLおよび上限値XHは、車両20の運転状況、走行経路の状況等に基づいて算出される。例えば、登坂時には、後輪を駆動する第2回転トルクR2がより大きくなるように、トルク分配比Xの範囲は比較的低く設定される。逆に、降坂時には、前輪を駆動する第1回転トルクR1がより大きくなるように、トルク分配比Xの範囲は比較的高く設定される。ステップS511の後、ステップS512に進む。
ステップS512では、ステップS511で算出されたトルク分配比Xが、ステップS511で設定したトルク分配比の範囲内であるか否かを判定する。すなわち、XL≦X≦XHを満たしているか否かを判定する。XL≦X≦XHを満たしていない場合には、ステップS513に進み、ステップS511で設定したトルク分配比の範囲内でトルク分配比Xを再算出する。すなわち、XL≦X≦XHを満たす範囲でトルク分配比Xを再算出する。XL≦X≦XHを満たしている場合には、処理を終了する。
上記のとおり、第5実施形態によれば、ECU40は、第1回転トルクR1と第2回転トルクR2とのトルク分配比Xを算出し、車両20の安定トルク範囲を規定するトルク分配比の下限値XLおよび上限値XHを算出する。そして、温度差モードまたは通常モードにより算出されたトルク分配比Xがトルク範囲内に無い場合(XL≦X≦XHを満たしていない場合)には、トルク範囲内を満たすようにトルクの再分配を実行する。このため、車両20の走行安定性を確保することを優先して、許容されるトルク範囲内でMG12,13の温度差dTを小さくする制御を実行できる。
上記の実施形態によれば、下記の作用効果を得ることができる。
ECU40は、複数の電動機(MG12,13)により駆動される車両の駆動システムを駆動する駆動制御装置として機能し、複数の電動機の温度(T1,T2)を取得する温度取得部41と、温度取得部41により取得された複数の電動機の温度から求められる複数の電動機間の温度差dTが小さくなるように、車両20に要求される要求トルクRCを各電動機に分配するトルク分配部44と、を備える。このため、トルク分配部44によって、MG12,13の温度差dTを低減することができる。
一実施形態によれば、トルク分配部44は、温度取得部41により取得された複数の電動機の温度(T1,T2)に基づいて、複数の電動機(MG12,13)のうちから、回転トルクを低減させる高温電動機と、回転トルクを増加させる低温電動機とを選定し、トルク分配部44は、高温電動機の回転トルクの低減量に応じて、低温電動機の回転トルクの増加量を決定するように構成されている。この構成により、複数の電動機(MG12,13)間の温度差dTを小さくすることができる。また、高温電動機の回転トルクの低減量を低温電動機の回転トルクの増加量により補うことができる。さらには、トルク分配部44は、高温電動機の回転トルクの低減量と、低温電動機の回転トルクの増加量とが略同一となるように決定するように構成されていてもよい。高温電動機の回転トルクの低減量を低温電動機の回転トルクの増加量により補完でき、要求トルクRCを確保することができる。
駆動システム10は、車両20の車輪31〜34を制動する制動装置35〜38を備えており、複数の電動機として、発電電動機であるMG12,13を備えている。この場合には、トルク分配部44は、要求トルクRCをMG12,13と制動装置35〜38とに分配するように構成されていてもよい。要求トルクRCを制動装置35〜38にも分配することにより発電電動機(MG12,13)の負担が軽減されるため、発電電動機(MG12,13)の温度上昇を抑制できる。
一実施形態によれば、トルク分配部44は、温度取得部41により取得された複数の電動機(MG12,13)の温度から求められる各電動機(MG12,13)間の温度差dTが所定の温度差閾値A以上であることを条件として、温度差dTが小さくなるように、要求トルクRCを各電動機(MG12,13)に分配するように構成されている。温度差dTが温度差閾値Aを超えない程度に小さく、各電動機(MG12,13)が不均等に劣化することが問題とならない場合には、通常モードが選択され、ドライバビリティを優先して要求トルクRCを分配することができる。さらには、トルク分配部44は、複数の電動機(MG12,13)のうちのいずれが最も高温であるかに応じて温度差閾値Aを変更するように構成されていてもよい。複数の電動機(MG12,13)の温度特性が異なる場合等に応じて適切に要求トルクRCを分配することができる。
一実施形態によれば、トルク分配部44は、温度取得部41により取得された複数の電動機(MG12,13)の温度が所定の温度閾値(B1,B2)以上であることを条件として、温度取得部41により取得された複数の電動機(MG12,13)の温度から求められる各電動機(MG12,13)間の温度差dTが小さくなるように、要求トルクRCを各電動機(MG12,13)に分配するように構成されている。各電動機(MG12,13)の温度が十分に低く、温度負荷により劣化することが問題とならない場合には、通常モードが選択され、ドライバビリティを優先して要求トルクRCを分配することができる。さらには、トルク分配部44は、複数の電動機(MG12,13)のうちのいずれが最も高温であるかに応じて、温度差閾値Aを変更するように構成されていてもよい。各電動機(MG12,13)の温度特性に応じて適切に要求トルクRCを分配することができる。
一実施形態によれば、トルク分配部44は、車両20の走行安定性を確保するために要求されるトルク範囲(安定トルク範囲)を複数の電動機(MG12,13)のそれぞれに対して設定し、各電動機(MG12,13)の安定トルク範囲内で、要求トルクRCを各電動機(MG12,13)に分配するように構成されている。車両20の走行安定性を確保することを優先して、安定トルク範囲内で複数の電動機(MG12,13)間の温度差dTを小さくする制御を実行できる。
駆動システム10は、複数の電動機(MG12,13)の温度を検知する温度センサ53,54を備えており、ECU40は、所定時間経過後の複数の電動機(MG12,13)の温度の予測値を予測する温度予測部42を備えている。この場合には、温度取得部41は、複数の電動機(MG12,13)の温度(T1,T2)として、温度センサ53,54の検知値と、温度予測部42が予測する予測値とを取得可能に構成されていてもよい。また、トルク分配部44は、温度差モードにおいて、複数の電動機(MG12,13)の温度の検知値と予測値のうちの一方または双方を用いて算出された温度差dTに基づいて、要求トルクRCを各電動機に分配するように構成されていてもよい。複数の電動機(MG12,13)の温度の検知値を予測値とを適宜利用できるため、各電動機(MG12,13)の温度差をより確実に低減することができる。
(他の実施形態)
・上記の実施形態においては、2つの発電電動機(MG12,13)を備えた車両20を例示して説明したが、これに限定されない。上記の各実施形態において説明した技術思想は、電動機または発電電動機を3つ以上備えた車両の駆動システムに対しても適用でき、上記の各実施形態において説明した、各電動機または発電電動機の温度差を低減する等の作用効果を得るように構成することができる。
・上記の各実施形態において説明した技術思想は、発電電動機以外に、トルク発生源として内燃機関を備えた車両の駆動システムに対しても適用でき、上記の各実施形態において説明した、各電動機または発電電動機の温度差を低減する等の作用効果を得るように構成することができる。
・上記においては、1つのECU40が駆動システム10の各構成を制御する場合を例示して説明したが、これに限定されない。ECU40と同様に温度取得部41と、温度予測部42と、トルク算出部43と、トルク分配部44と、制御指令部45とを備えたメインECUと、MG12,13、インバータ14,15等の各構成をそれぞれ制御するECUとを別々に備えていてもよい。この場合、メインECUは、駆動システム10の各構成を制御するECUに対して制御指令信号を送信し、各構成を制御するように構成されていてもよい。
10…駆動システム、12…第1MG、13…第2MG、20…車両、40…ECU、41…温度取得部、44…トルク分配部

Claims (10)

  1. 複数の電動機(12,13)により駆動される車両(20)の駆動システム(10)を駆動する駆動制御装置(40)であって、
    前記複数の電動機の温度を取得する温度取得部(41)と、
    前記温度取得部により取得された前記複数の電動機の温度に基づく前記複数の電動機間の温度差が小さくなるように、前記車両に要求される要求トルクを前記各電動機に分配するトルク分配部(44)と、を備える駆動制御装置。
  2. 前記トルク分配部は、前記温度取得部により取得された前記複数の電動機の温度に基づいて、前記複数の電動機のうちから、回転トルクを低減させる高温電動機と、回転トルクを増加させる低温電動機とを選定し、
    前記高温電動機の回転トルクの低減量に応じて、前記低温電動機の回転トルクの増加量を決定する請求項1に記載の駆動制御装置。
  3. 前記トルク分配部は、前記高温電動機の回転トルクの低減量と、前記低温電動機の回転トルクの増加量とが略同一となるように決定する請求項2に記載の駆動制御装置。
  4. 前記駆動システムは、前記車両の車輪(31〜34)を制動する制動装置(35〜38)を備え、
    前記複数の電動機は、前記車輪を駆動する力行運転と前記車輪の回転エネルギーにより発電する回生運転とが可能な発電電動機であり、
    前記トルク分配部は、前記要求トルクを前記発電電動機と前記制動装置とに分配する請求項1〜3のいずれかに記載の駆動制御装置。
  5. 前記トルク分配部は、前記温度取得部により取得された前記複数の電動機の温度に基づく前記複数の電動機間の温度差が所定の温度差閾値以上であることを条件として、前記温度取得部により取得された前記複数の電動機間の温度差が小さくなるように、前記要求トルクを前記各電動機に分配する請求項1〜4のいずれかに記載の駆動制御装置。
  6. 前記トルク分配部は、前記複数の電動機のうちのいずれが最も高温であるかに応じて前記温度差閾値を変更する請求項5に記載の駆動制御装置。
  7. 前記トルク分配部は、前記温度取得部により取得された前記複数の電動機の温度が所定の温度閾値以上であることを条件として、前記温度取得部により取得された前記複数の電動機の温度に基づく前記複数の電動機間の温度差が小さくなるように、前記要求トルクを前記各電動機に分配する請求項1〜5のいずれかに記載の駆動制御装置。
  8. 前記トルク分配部は、前記複数の電動機のうちのいずれが最も高温であるかに応じて前記温度閾値を変更する請求項7に記載の駆動制御装置。
  9. 前記トルク分配部は、前記車両の走行安定性を確保するために要求されるトルク範囲を前記複数の電動機のそれぞれに対して設定し、前記複数の電動機のそれぞれについて設定された前記トルク範囲内で前記要求トルクを前記各電動機に分配する請求項1〜8のいずれかに記載の駆動制御装置。
  10. 前記駆動システムは、前記複数の電動機の温度を検知する温度センサ(53,54)を備え、
    前記駆動制御装置は、所定時間経過後の前記複数の電動機の温度の予測値を予測する温度予測部(42)を備え、
    前記温度取得部は、前記複数の電動機の温度として、前記温度センサの検知値と、前記温度予測部による予測値とを取得可能であり、
    前記トルク分配部は、前記温度取得部により取得された前記検知値と前記予測値との少なくともいずれか一方に基づいて、前記複数の電動機間の温度差が小さくなるように、前記要求トルクを前記各電動機に分配する請求項1〜9のいずれかに記載の駆動制御装置。
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