JP2019127005A - 熱膨張性耐火シート - Google Patents

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【課題】非火災時には、吸湿しにくくして、耐火性能が劣化するのを抑制することができ、火災時には、発泡断熱層の形成を阻害しにくくして、耐火性能を発揮させることができる熱膨張性耐火シートの提供。【解決手段】耐熱シート13と第1樹脂層11と第2樹脂層12とをこの順に備え、第1樹脂層11は、発泡剤を含有し、第2樹脂層12は、溶融温度が150℃以上400℃以下の範囲内である熱膨張性耐火シート1。【選択図】図1

Description

本開示は、一般に熱膨張性耐火シートに関し、より詳細には耐熱シート及び2種の樹脂層を備えた熱膨張性耐火シートに関する。
従来、建築物において耐火構造が必要とされる梁、柱、床、壁、屋根及び階段などの施工部位は、主にコンクリート又はH形鋼及び鉄骨などの金属で形成されている。耐火性能を高める目的で、特に鉄骨柱及び梁を耐火被覆材で被覆することが行われてきた。耐火被覆材の被覆は、現場における湿式のロックウール吹付けが主流である。しかしながら、この手段は、作業時に粉塵が発生する点で衛生面の課題があった。さらに吹付け後に養生が必要である点で工程面の課題もあった。
一方、ケイ酸カルシウム板及び石膏ボード等を主原料とした板状部材が使用される場合もある。しかしながら、これらの板状部材は脆弱であるため、運搬時に割れ及びヒビなどの破損が生じる点で課題があった。さらに上記の板状部材は重量物で嵩張るため、施工現場において置き場所を確保しなければならない点でも課題があった。
近年、これらの課題を解決する手段として、シート状の耐火被覆材が提案されている。すなわち、特許文献1は、熱発泡性耐火シートを開示している。この熱発泡性耐火シートは、繊維質シートと熱発泡性耐火材とから構成されている。熱発泡性耐火シートは、接着剤を用いることにより、耐火性を付与すべき部分に積層して用いられる。
特開2004−092256号公報(請求項1、3、7)
特許文献1の熱発泡性耐火シートを構成する熱発泡性耐火材は、樹脂成分、難燃剤、発泡剤及び炭化剤を含有する。これらの成分のうち難燃剤及び炭化剤などは吸湿しやすいので、耐火性能が劣化するおそれがある。
本開示の目的は、非火災時には、吸湿しにくくして、耐火性能が劣化するのを抑制することができ、火災時には、発泡断熱層の形成を阻害しにくくして、耐火性能を発揮させることができる熱膨張性耐火シートを提供することにある。
本開示の一態様に係る熱膨張性耐火シートは、耐熱シートと、第1樹脂層と、第2樹脂層と、をこの順に備える。前記第1樹脂層は、発泡剤を含有する。前記第2樹脂層は、溶融温度が150℃以上400℃以下の範囲内である。
本開示によれば、非火災時には、吸湿しにくくして、耐火性能が劣化するのを抑制することができ、火災時には、発泡断熱層の形成を阻害しにくくして、耐火性能を発揮させることができる。
図1は、本開示の一実施形態に係る熱膨張性耐火シートを示す概略断面図である。 図2は、同上の熱膨張性耐火シートの使用状態を示す概略断面図である。
1.概要
図1に本実施形態に係る熱膨張性耐火シート1を示す。熱膨張性耐火シート1は、耐熱シート13と、第1樹脂層11と、第2樹脂層12と、をこの順に備える。熱膨張性耐火シート1は、図2に示すように、建築構造部分9に固定して用いることができる。建築構造部分9は、建築物を構成する部材である。例えば、壁、床、屋根、柱及び梁などである。
第1樹脂層11は、発泡剤を含有する。第1樹脂層11は、火災加熱を受けると、発泡剤の働きにより、膨張、発泡して、発泡断熱層を形成する。このように第1樹脂層11が発泡断熱層を形成することで、この発泡断熱層の両側の熱の出入りが遮断される。火災加熱の温度は、例えば600℃以上である。
第2樹脂層12は、溶融温度が150℃以上400℃以下の範囲内である。第2樹脂層12は、非火災時には第1樹脂層11を覆い隠している。このように第2樹脂層12によって、第1樹脂層11が直接空気に触れないようにすることで、空気中の水分が第1樹脂層11に侵入するのを抑制することができる。さらに第2樹脂層12は、火災時には溶融、分解する。このように第2樹脂層12が溶融することで、第1樹脂層11の自由な膨脹及び発泡が可能となる。つまり、火災時には第2樹脂層12は、第1樹脂層11による発泡断熱層の形成を阻害しにくい。
このように、本実施形態に係る熱膨張性耐火シート1によれば、非火災時には、吸湿しにくくして、耐火性能が劣化するのを抑制することができ、火災時には、発泡断熱層の形成を阻害しにくくして、耐火性能を発揮させることができる。
2.詳細
(1)第1樹脂層
第1樹脂層11は、第1樹脂組成物をシート化して形成することができる。第1樹脂組成物は、第1樹脂層11と同様に、発泡剤を含有する。好ましくは、第1樹脂層11は、エチレン酢酸ビニル共重合体(A)と、発泡剤である含窒素発泡剤(B)と、リン系難燃剤(C)と、炭化剤(D)と、二酸化チタン(E)と、を含有する。これにより、火災時に断熱性に優れた発泡断熱層を形成することができる。以下、(A)〜(E)成分について説明する。
(1.1)エチレン酢酸ビニル共重合体(A)
エチレン酢酸ビニル共重合体(A)は、エチレンと酢酸ビニルとを共重合した熱可塑性樹脂である。エチレン酢酸ビニル共重合体(A)は、結合剤(バインダー)として機能する。エチレン酢酸ビニル共重合体(A)は、建築構造部分9に適した追随性を、熱膨張性耐火シート1に付与することができる。そのため、分子運動性が大きい材料が第1樹脂層11に含有されていなくてもよい。分子運動性が大きい材料とは、例えば、可塑剤及びプロセスオイルである。エチレン酢酸ビニル共重合体(A)は、熱膨張性耐火シート1に耐火性を付与することもできる。さらにエチレン酢酸ビニル共重合体(A)は、火災加熱時に、断熱性の優れた発泡断熱層を形成することができる。
エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の酢酸ビニル含有率は、15質量%以上35質量%以下の範囲内であり、好ましくは25質量%以上30質量%以下の範囲内である。酢酸ビニル含有率が15質量%未満であると、熱膨張性耐火シート1の建築構造部分9に対する追随性が損なわれるおそれがある。しかも凍結融解時に第1樹脂層11が脆くなってしまい、長期耐久性を確保することが難しくなる。一方、酢酸ビニル含有率が35質量%を超えると、火炎加熱を受けて形成された発泡断熱層の形状保持性及び耐火性が低下し、高温多湿雰囲気下での長期耐久性が損なわれてしまうおそれがある。なお、酢酸ビニル含有率は、JIS K6924−1に準拠した方法で測定することができる。
エチレン酢酸ビニル共重合体(A)のメルトマスフローレイト(以下「MFR」と表記する場合がある)は、10g/10min以上40g/10min以下の範囲内であり、好ましくは15g/10min以上35g/10min以下の範囲内である。MFRが10g/10min未満であると、熱膨張性耐火シート1の建築構造部分9に対する追随性が損なわれるおそれがある。しかも凍結融解時に第1樹脂層11が脆くなってしまい、長期耐久性を確保することが難しくなる。一方、MFRが40g/10minを超えると、火炎加熱を受けて形成された発泡断熱層の形状保持性及び耐火性が低下し、高温多湿雰囲気下での長期耐久性が損なわれてしまうおそれがある。なお、MFRは、JIS K6924−1に準拠した方法で測定することができる。
エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の含有量は、第1樹脂層11の固形分100質量部に対して、15質量部以上40質量部以下の範囲内であることが好ましい。エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の含有量が15質量部以上であることで、熱膨張性耐火シート1の靱性、耐火性、及び、高温多湿雰囲気下での長期耐久性を確保することができる。一方、エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の含有量が40質量部以下であることで、火災加熱を受けて形成された発泡断熱層の形状保持性を確保することができる。なお、第1樹脂層11の固形分と第1樹脂組成物の固形分とは同量であり、以下も同様である。
(1.2)含窒素発泡剤(B)
発泡剤は、特に限定されないが、含窒素発泡剤(B)が好ましい。含窒素発泡剤(B)は、窒素原子を含む発泡剤である。含窒素発泡剤(B)は、火災加熱を受けて分解し、不燃性ガスを発生させ、炭化していくエチレン酢酸ビニル共重合体(A)及び炭化剤(D)を膨張、発泡させ、発泡断熱層を形成する役割を果たす。不燃性ガスとは、例えば、窒素及びアンモニアなどである。さらに含窒素発泡剤(B)は、熱膨張性耐火シート1に靱性を付与し、建築構造部分9への良好な追随性を発揮させることができる。
含窒素発泡剤(B)としては、特に限定されないが、例えば、メラミン、メラミン誘導体、ジシアンジアミド、アゾジカルボンアミド、尿素及びグアニジンが挙げられる。不燃性ガスの発生効率、建築構造部分9への追随性及び耐火性の観点から、含窒素発泡剤(B)は、少なくともメラミン及びジシアンジアミドのいずれかを含むことが好ましく、少なくともメラミンを含むことがより好ましい。第1樹脂層11に含有される含窒素発泡剤(B)は、1種のみでもよいし2種以上でもよい。
含窒素発泡剤(B)の含有量は、第1樹脂層11の固形分100質量部に対して、5質量部以上25質量部以下の範囲内であることが好ましい。含窒素発泡剤(B)の含有量が5質量部以上であることで、火災加熱を受けた場合に十分な発泡断熱層を形成することができる。しかも熱膨張性耐火シート1の靱性も確保することができる。一方、含窒素発泡剤(B)の含有量が25質量部以下であることで、火災加熱を受けて形成された発泡断熱層の形状保持性を確保することができる。しかも凍結融解を繰り返しても、熱膨張性耐火シート1は硬くなりにくくなり、耐火性が損なわれるのを抑制することもできる。
(1.3)リン系難燃剤(C)
リン系難燃剤(C)は、リン単体及びリン化合物の少なくともいずれかを含む難燃剤である。リン系難燃剤(C)は、火災加熱を受けたときに炭化剤(D)を脱水し、チャーと呼ばれる薄膜を発泡断熱層の表面に形成する作用を有する。さらにリン系難燃剤(C)は、600℃以上の高温で加熱された際に、二酸化チタン(E)と反応し、ピロリン酸チタニウムを生成する。ピロリン酸チタニウムは、灰化成分として発泡断熱層に残存することで、発泡断熱層の形状保持性を向上させることができる。
リン系難燃剤(C)としては、特に限定されないが、例えば、赤リン、リン酸エステル、リン酸金属塩、リン酸アンモニウム、リン酸メラミン、リン酸アミド及びポリリン酸アンモニウムが挙げられる。リン酸エステルには、トリフェニルホスフェート及びトリクレジルホスフェートなどが含まれる。リン酸金属塩には、リン酸ナトリウム及びリン酸マグネシウムなどが含まれる。ポリリン酸アンモニウムには、メラミン変性ポリリン酸アンモニウムなどが含まれる。発泡断熱層の十分な形成、発泡断熱層の形状保持性及び長期耐久性の観点から、リン系難燃剤(C)は、ポリリン酸アンモニウムを含むことが好ましい。第1樹脂層11に含有されるリン系難燃剤(C)は、1種のみでもよいし2種以上でもよい。
ポリリン酸アンモニウムは、火災加熱を受けて分解温度に達すると、アンモニアを脱離して、リン酸及び縮合リン酸を生成する。このリン酸及び縮合リン酸が炭化剤(D)を脱水させ、炭化させると、チャーの形成につながる。また、ポリリン酸アンモニウムが分解して発生するアンモニアガス、含窒素発泡剤(B)が分解して発生するアンモニアガス及び窒素ガスなどは、第1樹脂層11の全体を膨張、発泡させることになる。アンモニアガス及び窒素ガスなどの不燃性ガスが発生することで、酸素濃度が減少し、更なる燃焼を抑えることができる。さらにポリリン酸アンモニウムは、600℃以上の高温で加熱された際に分解して、二酸化チタン(E)と反応し、ピロリン酸チタニウムを生成する。このピロリン酸チタニウムは、灰化成分として発泡断熱層に残存することで、発泡断熱層の形状保持性を向上させることができる。
リン系難燃剤(C)の含有量は、第1樹脂層11の固形分100質量部に対して、20質量部以上50質量部以下の範囲内であることが好ましい。リン系難燃剤(C)の含有量が20質量部以上であることで、第1樹脂層11を効果的に炭化、発泡させることができる。さらに形成された発泡断熱層の形状保持性を確保することができる。一方、リン系難燃剤(C)の含有量が50質量部以下であることで、高温多湿時の耐火性を確保することができる。
(1.4)炭化剤(D)
炭化剤(D)は、火災加熱を受けたときに、リン系難燃剤(C)により脱水して炭化され、発泡断熱層を形成する。
炭化剤(D)の分解温度は、好ましくは180℃以上、より好ましくは220℃以上である。分解温度が180℃以上の炭化剤(D)としては、特に限定されないが、例えば、多価アルコール、多糖類及び少糖類が挙げられる。多価アルコールには、モノペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びトリペンタエリスリトールが含まれる。多糖類には、デンプン及びセルロースが含まれる。少糖類には、グルコース及びフルクトースが含まれる。第1樹脂層11に含有される炭化剤(D)は、1種のみでもよいし2種以上でもよい。発泡特性の観点から、炭化剤(D)は、モノペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びトリペンタエリスリトールからなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
炭化剤(D)の含有量は、第1樹脂層11の固形分100質量部に対して、5質量部以上25質量部以下の範囲内であることが好ましい。炭化剤(D)の含有量が5質量部以上であることで、発泡断熱層を十分に形成することができる。さらに発泡断熱層の形状保持性を確保することもできる。一方、炭化剤(D)の含有量が25質量部以下であることで、高温多湿時の耐火性を確保することができる。さらに建築構造部分9に対する熱膨張性耐火シート1の追随性を確保することもできる。
ここで、含窒素発泡剤(B)と炭化剤(D)との質量比〔(B)/(D)〕が0.2以上4.0未満の範囲内であることが好ましい。この範囲内に〔(B)/(D)〕が収まっていると、火災時においては、耐火性と、建築構造部分9に対する追随性とを確保したまま、形状保持性に優れた発泡断熱層を形成することができる。そのため、火炎により第1樹脂層11から形成された発泡断熱層は建築構造部分9から脱落しにくく、火炎による建築物の延焼及び崩落を抑制することができる。
(1.5)二酸化チタン(E)
二酸化チタン(E)は、600℃以上の高温で加熱された際に、リン系難燃剤(C)と反応し、ピロリン酸チタニウムを生成する。ピロリン酸チタニウムは、灰化成分として発泡断熱層に残存することで、発泡断熱層の形状保持性を向上させることができる。
二酸化チタン(E)の結晶構造は、アナターゼ型でもルチル型でもよく、特に制限されない。二酸化チタン(E)の平均粒径は、0.01μm以上200μm以下の範囲内が好ましく、0.1μm以上100μm以下の範囲内がより好ましい。なお、平均粒径は、体積基準で求めた粒度分布の、全体積を100%とした累積体積分布曲線において50%となる点の粒子径、すなわち体積基準累積50%径(D50)を意味する。平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置により測定して得られる。
二酸化チタン(E)の含有量は、第1樹脂層11の固形分100質量部に対して、5質量部以上30質量部以下の範囲内であることが好ましい。二酸化チタン(E)の含有量が5質量部以上であることで、600℃以上の高温で加熱された際に、十分な量のピロリン酸チタニウムを生成させることができる。灰化成分としてのピロリン酸チタニウムが十分に残存するので、発泡断熱層の形状保持性を更に向上させることができる。一方、二酸化チタン(E)の含有量が30質量部以下であることで、発泡倍率の低下を抑制し、凍結融解時の耐火性、及び、建築構造部分9に対する追随性を更に向上させることができる。
(1.6)ポリマー(F)
第1樹脂層11は、エチレン酢酸ビニル共重合体(A)以外のポリマー(F)を更に含有することが好ましい。ポリマー(F)としては、特に限定されないが、例えば、ブチルゴム(IIR)、多硫化ゴム(T)、エピクロロヒドリンゴム(CO、ECO)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、エチレン・プロピレンゴム(EPM、EPDM)、ポリオレフィン及び熱可塑性エラストマーが挙げられる。このようなポリマー(F)が第1樹脂層11に含有されていると、火炎により第1樹脂層11が膨張、発泡して形成された発泡断熱層の形状保持性を維持したまま、建築構造部分9に適した追随性と耐火性とを更に向上させることができる。
ポリマー(F)の含有量は、第1樹脂層11の固形分100質量部に対して、3質量部以上10質量部以下の範囲内であることが、建築構造部分に適した追随性と耐火性とを向上させることができる点で好ましい。
第1樹脂層11がポリマー(F)を更に含有する場合、エチレン酢酸ビニル共重合体(A)とポリマー(F)との質量比〔(A)/(F)〕が1.0以上であることが好ましい。〔(A)/(F)〕が1.0以上であると、建築構造部分9に適した追随性と耐火性とをより確保しやすくなる。
(1.7)その他
本実施形態の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて、第1樹脂層11は、可塑剤、粘着付与剤、無機充填材、酸化防止剤、滑剤及び加工助剤などを含有してもよい。
可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、炭化水素類、フタル酸類、リン酸エステル類、アジピン酸エステル類、サバチン酸エステル類、リシノール酸エステル類、ポリエステル類、エポキシ類及び塩化パラフィン類などが挙げられる。
粘着付与剤としては、特に限定されないが、例えば、ロジン樹脂、ロジン誘導体、ダンマル、ポリテルペン樹脂、テルペン変性体、脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン樹脂、芳香族系石油樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール−アセチレン樹脂、スチレン樹脂、キシレン樹脂、クマロン−インデン樹脂、及び、ビニルトルエン−αメチルスチレン共重合体が挙げられる。
無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、無機塩、無機酸化物、無機繊維及び無機微粒子が挙げられる。無機塩には、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、カオリン、クレー、ベントナイト及びタルクなどが含まれる。無機酸化物には、ガラスフレーク及びワラストナイトなどが含まれる。無機繊維には、ロックウール、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、アルミナ繊維及びシリカ繊維などが含まれる。無機微粒子には、カーボン及びヒュームドシリカなどが含まれる。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、フェノール化合物を含む抗酸化剤、硫黄原子を含む抗酸化剤、及び、ホスファイト化合物を含む抗酸化剤が挙げられる。
滑剤としては、特に限定されないが、例えば、ワックス類、ロウ類、エステルワックス類、有機酸類、有機アルコール類及びアミド系化合物が挙げられる。ワックス類には、ポリエチレン、パラフィン及びモンタン酸などが含まれる。ロウ類には、トール油、サブ油、蜜ロウ、カルナウバロウ及びラノリンなどが含まれる。有機酸類には、ステアリン酸、パルミチン酸及びリシノール酸などが含まれる。有機アルコール類には、ステアリルアルコールなどが含まれる。アミド系化合物には、ジメチルビスアミドなどが含まれる。
加工助剤としては、特に限定されないが、例えば、塩素化ポリエチレン、メチルメタクリレート−エチルアクリレート共重合体、高分子量のポリメチルメタクリレートが挙げられる。
(1.8)作製方法
発泡剤、好ましくは上述の(A)〜(F)成分及びその他の成分を適宜の混練装置で混練することによって、第1樹脂組成物を調製することができる。混練装置としては、特に限定されないが、例えば、加圧式ニーダー、押出機、バンバリーミキサー及びニーダーミキサーが挙げられる。混練温度は、第1樹脂組成物が適度に溶融する温度であり、かつ炭化剤(D)が分解しない温度であればよく、例えば、80℃以上200℃以下の範囲内である。
第1樹脂組成物を適宜の成形方法によりシート化することによって、単一物としての第1樹脂層11を作製することができる。成形方法としては、特に限定されないが、例えば、熱プレス成形、押出成形及びカレンダー成形が挙げられる。
(2)第2樹脂層
第2樹脂層12は、溶融温度が150℃以上400℃以下の範囲内であり、好ましくは200℃以上300℃以下の範囲内である。このような第2樹脂層12は、非火災時には、多湿条件下であっても、第1樹脂層12を覆い隠していることによって、第1樹脂層12の吸湿を抑制することができる。火災時には、第2樹脂層12は、適度なタイミングで溶融し、消失する。第2樹脂層12が溶融するタイミングが早すぎると、十分な不燃性ガスを第1樹脂層11内にとどめておくことができずに、発泡断熱層の形成が不十分となる。つまり、発泡断熱層内の気泡の大きさが小さくなったり、気泡の量が少なくなったりする。一方、第2樹脂層12が溶融するタイミングが遅すぎると、発泡断熱層を大きく膨らませることができなくなるおそれがある。
第2樹脂層12が溶融するタイミングは、第2樹脂層12の溶融温度と関連する。すなわち、第2樹脂層12の溶融温度が150℃未満であると、火災の初期の段階で第2樹脂層12が溶融、分解するおそれがある。このように早い段階で第2樹脂層12が失われると、第1樹脂層11から発生する不燃性ガスが発泡断熱層の形成に寄与しないまま放散して失われるおそれがある。一方、第2樹脂層12の溶融温度が400℃を超えると、火災がある程度進んでも、第2樹脂層12が溶融しないおそれがある。そうすると、第2樹脂層12によって、第1樹脂層11の自由な膨張及び発泡が阻害される。
例えば、第2樹脂層12は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリプロピレン(PP)、硬質塩化ビニル(硬質PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ナイロン6(PA6)、ナイロン66(PA66)、ナイロン12(PA12)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルフォン(PSF、PSU)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、アセチルセルロース(CA)、ニトロセルロース(CN)、プロピオン酸セルロース(CP)、エチルセルロース(EC)からなる群より選ばれた少なくとも1種を含有する。これらの樹脂の溶融温度は150℃以上400℃以下の範囲内である。好ましくは、第2樹脂層12は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含有する。上記に列挙した第2樹脂層12の具体例の中でも、特にポリエチレンテレフタレートは、取り扱い性に優れ、コスト面で有利である。したがって、第2樹脂層12がポリエチレンテレフタレートを含有すると、比較的低コストで熱膨張性耐火シート1の耐火性及び高温多湿耐久性を更に向上させることができる。
第2樹脂層12は、第2樹脂組成物をシート化して形成することができる。第2樹脂組成物は、第2樹脂層12と同様に、例えば上記に列挙した樹脂の少なくとも1種を含有する。第2樹脂層12の溶融温度が150℃以上400℃以下の範囲内となるならば、第2樹脂組成物は、その他の成分を含有してもよい。その他の成分は(1.7)欄と同様である。
例えば上記に列挙した樹脂の少なくとも1種、必要に応じてその他の成分を適宜の混練装置で混練することによって、第2樹脂組成物を調製することができる。第2樹脂組成物を適宜の成形方法によりシート化することによって、単一物としての第2樹脂層12を作製することができる。なお、混練装置、混練温度、成形方法、成形時の温度及び圧力については、(1.8)欄と同様である。
(3)耐熱シート
耐熱シート13は、第1樹脂層11を保持し、第1樹脂層11から形成された発泡断熱層も保持する。耐熱シート13が存在することで、火災時に発泡断熱層が脱落することを抑制することができる。
耐熱シート13は、ガラスクロス、ガラスペーパー、ロックウールペーパー、金属製網、金属製マット、アラミド繊維布及びアラミド繊維不織布からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。その理由は、これらの耐熱シート13は特に耐熱性に優れているからである。そのため、熱膨張性耐火シート1の断熱性を更に向上させることができる。耐熱シート13の目付(単位面積当たりの質量)は、好ましくは10g/m以上100g/m以下の範囲内であり、より好ましくは30g/m以上60g/m以下の範囲である。耐熱シート13は、1種のみでもよいし、2種以上を重ねてもよい。
(4)製造方法
図1に示す熱膨張性耐火シート1は、次のようにして製造することができる。すなわち、耐熱シート13と、単一物としての第1樹脂層11と、単一物としての第2樹脂層12と、をこの順に重ね、適宜の成形方法により一体化することによって、熱膨張性耐火シート1を製造することができる。このように、熱膨張性耐火シート1は、耐熱シート13、第1樹脂層11及び第2樹脂層12からなる3層構造を有する。なお、成形方法、成形時の温度及び圧力については、(1.8)欄と同様である。
ここで、第1樹脂層11の厚さは0.2mm以上4mm以下の範囲内であることが好ましい。第2樹脂層12の厚さは10μm以上100μm以下の範囲内であることが好ましい。耐熱シート13の厚さ(2種以上重ねる場合は全体の厚さ)は、0.2mm以上1mm以下の範囲内であることが好ましい。熱膨張性耐火シート1の厚さは、建築構造部分9への追随性の観点から、好ましくは0.1mm以上5mm以下の範囲内であり、より好ましくは0.3mm以上3mm以下の範囲内である。
(5)使用方法
熱膨張性耐火シート1は、図2に示すように、建築構造部分9に固定して用いることができる。このとき熱膨張性耐火シート1の耐熱シート13を建築構造部分9に重ね、第2樹脂層12を外側に配置する。建築構造部分9としては、特に限定されないが、例えば、壁、床、屋根、柱、はりなどが挙げられる。建築構造部分9の材料としては、特に限定されないが、例えば、スレート板、セラミック板、オートクレーブ養生した軽量気泡コンクリート(ALC)、コンクリート板、各種セメント板、ケイ酸カルシウム板、含水無機物含有ボード、石膏ボード、木片セメント板及び木質板が挙げられる。木質板には、合板、配向性ストランドボード(OSB)、パーティクルボード、直交集成板(CLT)及び集成材などが含まれる。
熱膨張性耐火シート1は、次のようにして建築構造部分9に固定することができる。すなわち、タッカーを用いて、ステープルにより熱膨張性耐火シート1を建築構造部分9に固定することができる。またタッピンネジで熱膨張性耐火シート1を建築構造部分9に固定してもよい。また接着剤又は粘着剤で熱膨張性耐火シート1を建築構造部分9に固定してもよい。さらにこれらの固定方法を2種以上併用してもよい。
3.まとめ
以上説明したように、第1の態様に係る熱膨張性耐火シート(1)は、耐熱シート(13)と、第1樹脂層(11)と、第2樹脂層(12)と、をこの順に備える。第1樹脂層(11)は、発泡剤を含有する。第2樹脂層(12)は、溶融温度が150℃以上400℃以下の範囲内である。
この態様によれば、非火災時には、吸湿しにくくして、耐火性能が劣化するのを抑制することができ、火災時には、発泡断熱層の形成を阻害しにくくして、耐火性能を発揮させることができる。
第2の態様に係る熱膨張性耐火シート(1)は、第1の態様において、第2樹脂層(12)がポリエチレンテレフタレートを含有する。
この態様によれば、比較的低コストで熱膨張性耐火シート(1)の耐火性及び高温多湿耐久性を更に向上させることができる。
第3の態様に係る熱膨張性耐火シート(1)は、第1又は2の態様において、耐熱シート(13)が、ガラスクロス、ガラスペーパー、ロックウールペーパー、金属製網、金属製マット、アラミド繊維布及びアラミド繊維不織布からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む。
この態様によれば、熱膨張性耐火シート(1)の断熱性を更に向上させることができる。
第4の態様に係る熱膨張性耐火シート(1)は、第1〜3のいずれかの態様において、第1樹脂層(11)は、エチレン酢酸ビニル共重合体(A)と、発泡剤である含窒素発泡剤(B)と、リン系難燃剤(C)と、炭化剤(D)と、二酸化チタン(E)と、を含有する。エチレン酢酸ビニル共重合体(A)は、酢酸ビニル含有率が15質量%以上35質量%以下の範囲内であり、かつ、メルトマスフローレイトが10g/10min以上40g/10min以下の範囲内である。
この態様によれば、火災時に断熱性に優れた発泡断熱層を形成することができる。
第5の態様に係る熱膨張性耐火シート(1)は、第4の態様において、第1樹脂層(11)の固形分100質量部に対して、エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の含有量が15質量部以上40質量部以下の範囲内である。
この態様によれば、エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の含有量が15質量部以上であることで、熱膨張性耐火シート(1)の靱性、耐火性、及び、高温多湿雰囲気下での長期耐久性を確保することができる。一方、エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の含有量が40質量部以下であることで、火災加熱を受けて形成された発泡断熱層の形状保持性を確保することができる。
第6の態様に係る熱膨張性耐火シート(1)は、第4又は5の態様において、第1樹脂層(11)の固形分100質量部に対して、含窒素発泡剤(B)の含有量が5質量部以上25質量部以下の範囲内である。
この態様によれば、含窒素発泡剤(B)の含有量が5質量部以上であることで、火災加熱を受けた場合に十分な発泡断熱層を形成することができる。しかも熱膨張性耐火シート(1)の靱性も確保することができる。一方、含窒素発泡剤(B)の含有量が25質量部以下であることで、火災加熱を受けて形成された発泡断熱層の形状保持性を確保することができる。しかも凍結融解を繰り返しても、熱膨張性耐火シート(1)は硬くなりにくくなり、耐火性が損なわれるのを抑制することもできる。
第7の態様に係る熱膨張性耐火シート(1)は、第4〜6のいずれかの態様において、第1樹脂層(11)の固形分100質量部に対して、リン系難燃剤(C)の含有量が20質量部以上50質量部以下の範囲内である。
この態様によれば、リン系難燃剤(C)の含有量が20質量部以上であることで、第1樹脂層(11)を効果的に炭化、発泡させることができる。さらに形成された発泡断熱層の形状保持性を確保することができる。一方、リン系難燃剤(C)の含有量が50質量部以下であることで、高温多湿時の耐火性を確保することができる。
第8の態様に係る熱膨張性耐火シート(1)は、第4〜7のいずれかの態様において、第1樹脂層(11)の固形分100質量部に対して、炭化剤(D)の含有量が5質量部以上25質量部以下の範囲内である。
この態様によれば、炭化剤(D)の含有量が5質量部以上であることで、発泡断熱層を十分に形成することができる。さらに発泡断熱層の形状保持性を確保することもできる。一方、炭化剤(D)の含有量が25質量部以下であることで、高温多湿時の耐火性を確保することができる。さらに建築構造部分(9)に対する熱膨張性耐火シート(1)の追随性を確保することもできる。
第9の態様に係る熱膨張性耐火シート(1)は、第4〜8のいずれかの態様において、第1樹脂層(11)の固形分100質量部に対して、二酸化チタン(E)の含有量が5質量部以上30質量部以下の範囲内である。
この態様によれば、二酸化チタン(E)の含有量が5質量部以上であることで、600℃以上の高温で加熱された際に、十分な量のピロリン酸チタニウムを生成させることができる。一方、二酸化チタン(E)の含有量が30質量部以下であることで、発泡倍率の低下を抑制し、凍結融解時の耐火性、及び、建築構造部分(9)に対する追随性を更に向上させることができる。
第10の態様に係る熱膨張性耐火シート(1)は、第4〜9のいずれかの態様において、含窒素発泡剤(B)と炭化剤(D)との質量比〔(B)/(D)〕が0.2以上4.0未満の範囲内である。
この態様によれば、火災時においては、耐火性と、建築構造部分(9)に対する追随性とを確保したまま、形状保持性に優れた発泡断熱層を形成することができる。
以下、本開示を実施例によって具体的に説明するが、本開示は、以下の実施例には限定されない。
(第1樹脂層)
表1に示す含有量で、エチレン酢酸ビニル共重合体(A)、含窒素発泡剤(B)、リン系難燃剤(C)、炭化剤(D)、二酸化チタン(E)及び加工助剤を、加圧式ニーダーを用いて130℃で混練することによって、第1樹脂組成物を調製した。引き続き、第1樹脂組成物を、ホットプレスを用いて130℃でシート化することによって、単一物としての第1樹脂層を作製した。
Figure 2019127005
(第2樹脂層)
第2樹脂層として、以下のフィルムを準備した(表2参照)。
・実施例1:硬質塩化ビニル(硬質PVC)フィルム(オカモト株式会社、厚さ80μm)
・実施例2:ポリプロピレン(PP)フィルム(東洋紡株式会社、厚さ25μm)
・実施例3:ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム(オージーフィルム株式会社、厚さ15μm)
・実施例4:ポリスチレン(PS)フィルム(大石産業株式会社、厚さ15μm)
・実施例5:ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡株式会社、厚さ12μm)
・実施例6:ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(帝人株式会社、厚さ25μm)
・実施例7:ポリフェニレンスルファイド(PPS)フィルム(東レ株式会社、厚さ25μm)
・実施例8:ポリアミドイミド(PAI)フィルム(ユニチカ株式会社、厚さ25μm)
・比較例1:アルミニウムフィルム(東洋アルミニウム株式会社、厚さ20μm)
・比較例2:ポリエチレン(PE)フィルム(東洋紡株式会社、厚さ30μm)
なお、比較例3については第2樹脂層を形成しなかった。
(耐熱シート)
耐熱シートとして、王子エフテックス株式会社製のガラスペーパー(目付50g/m)を用意した。
(実施例1〜8)
耐熱シート、第1樹脂層及び第2樹脂層をこの順に重ねて、ホットプレスを用いて130℃で一体化することによって、熱膨張性耐火シートを製造した。
(比較例1)
第2樹脂層の代わりにアルミニウムフィルムを使用するようにした以外は、各実施例と同様にして、熱膨張性耐火シートを製造した。
(比較例2)
第2樹脂層としてPEを含む樹脂層を使用するようにした以外は、各実施例と同様にして、熱膨張性耐火シートを製造した。
(比較例3)
第2樹脂層を形成しないようにした以外は、各実施例と同様にして、熱膨張性耐火シートを製造した。
(試験体)
厚さ10mmのケイ酸カルシウム板を2枚重ねて壁下地材とした。この壁下地材の表面に、耐熱シートが重なるようにして、熱膨張性耐火シートをタッカーで固定した。さらに20mmの空隙ができるように間柱を置き、表面材として厚さ12mmのケイ酸カルシウム板を取り付けることによって、試験体を作製した。
<耐火性>
JIS A1304の標準加熱曲線に準拠して、電気炉にて試験体を加熱し、放冷後に発泡断熱層の発泡状態の断面観察を行った。
A:大きく発泡している
B:大きく発泡しているが、Aよりやや小さい
C:発泡しているが、やや小さい(BとDとの中間)
D:ほとんど発泡していない
<高温多湿耐久性>
温度40℃、湿度95%を18時間、温度60℃、6時間を1サイクルとするプログラムを50サイクル実施後、耐火性と同様の評価を実施した。評価基準も同様である。
耐火性及び高温多湿耐久性の試験結果を表2に示す。
Figure 2019127005
表2から明らかなように、実施例1〜8では、耐火性も高温多湿耐久性も良好であった。実施例1、2と実施例3〜8との対比から、第2樹脂層の材質としては、PBT、PS、PET、PEN、PPS及びPAIが有効であることが分かった。さらに第2樹脂層の溶融温度は200℃以上が好ましいことも分かった。
比較例1では、耐火性も高温多湿耐久性も悪かった。第2樹脂層に対応するアルミニウムフィルムの溶融温度が高すぎて、第1樹脂層の膨脹及び発泡が阻害されたためであると推定される。
比較例2では、比較例1ほどではないが、耐火性も高温多湿耐久性も悪かった。その理由は、第2樹脂層の溶融温度が低すぎて、形成中の発泡断熱層に不燃性ガスをとどめておくことができなかったためであると推定される。
比較例3では、第2樹脂層が存在しないため、耐火性も高温多湿耐久性も悪かった。
1 熱膨張性耐火シート
11 第1樹脂層
12 第2樹脂層
13 耐熱シート

Claims (10)

  1. 耐熱シートと、第1樹脂層と、第2樹脂層と、をこの順に備え、
    前記第1樹脂層は、発泡剤を含有し、
    前記第2樹脂層は、溶融温度が150℃以上400℃以下の範囲内である、
    熱膨張性耐火シート。
  2. 前記第2樹脂層がポリエチレンテレフタレートを含有する、
    請求項1に記載の熱膨張性耐火シート。
  3. 前記耐熱シートが、ガラスクロス、ガラスペーパー、ロックウールペーパー、金属製網、金属製マット、アラミド繊維布及びアラミド繊維不織布からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む、
    請求項1又は2に記載の熱膨張性耐火シート。
  4. 前記第1樹脂層は、エチレン酢酸ビニル共重合体(A)と、前記発泡剤である含窒素発泡剤(B)と、リン系難燃剤(C)と、炭化剤(D)と、二酸化チタン(E)と、を含有し、
    前記エチレン酢酸ビニル共重合体(A)は、酢酸ビニル含有率が15質量%以上35質量%以下の範囲内であり、かつ、メルトマスフローレイトが10g/10min以上40g/10min以下の範囲内である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱膨張性耐火シート。
  5. 前記第1樹脂層の固形分100質量部に対して、前記エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の含有量が15質量部以上40質量部以下の範囲内である、
    請求項4に記載の熱膨張性耐火シート。
  6. 前記第1樹脂層の固形分100質量部に対して、前記含窒素発泡剤(B)の含有量が5質量部以上25質量部以下の範囲内である、
    請求項4又は5に記載の熱膨張性耐火シート。
  7. 前記第1樹脂層の固形分100質量部に対して、前記リン系難燃剤(C)の含有量が20質量部以上50質量部以下の範囲内である、
    請求項4〜6のいずれか1項に記載の熱膨張性耐火シート。
  8. 前記第1樹脂層の固形分100質量部に対して、前記炭化剤(D)の含有量が5質量部以上25質量部以下の範囲内である、
    請求項4〜7のいずれか1項に記載の熱膨張性耐火シート。
  9. 前記第1樹脂層の固形分100質量部に対して、前記二酸化チタン(E)の含有量が5質量部以上30質量部以下の範囲内である、
    請求項4〜8のいずれか1項に記載の熱膨張性耐火シート。
  10. 前記含窒素発泡剤(B)と前記炭化剤(D)との質量比〔(B)/(D)〕が0.2以上4.0未満の範囲内である、
    請求項4〜9のいずれか1項に記載の熱膨張性耐火シート。
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