JP2019119253A - ステアバイワイヤシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】反力モータが故障した場合であっても、ステアリングホイールに付与される反力トルクをフレキシブルに生成することができるステアバイワイヤシステムを提供する。
【解決手段】ステアバイワイヤシステムにおいて、反力トルクを発生させる操舵反力発生装置が二重化される。操舵反力発生装置は第1系統と第2系統を含み、各系統が反力モータを有する。制御装置は、ステアリングホイールの操作に応じて操舵反力発生装置の動作を制御することによって反力トルクを制御する。両系統が正常な場合、制御装置は、少なくとも1つの系統の反力モータの動作を制御して、通常特性の反力トルクを発生させる。一重故障が発生した場合、制御装置は、正常な系統の反力モータの動作を制御して、第1特性の反力トルクを発生させる。第1特性の反力トルクは、同じ操舵角に対する通常特性の反力トルクと異なる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ステアバイワイヤシステムに関する。
ステアバイワイヤ(Steer-By-Wire)方式の車両が知られている。ステアバイワイヤ方式の場合、車輪を転舵する転舵機構は、ステアリングホイールから機械的に分離される。その代わり、転舵機構には電動モータが設けられる。ステアリングホイールの操作に応じて電動モータを駆動することにより、転舵が行われる。その一方で、ドライバに操舵フィーリングを与えるために、反力モータ(反力アクチュエータ)が設けられる。ステアリングホイールの操作に応じて反力モータの動作を制御することにより、所望の特性の反力トルクがステアリングホイールに付与される。
ここで、反力モータが故障した場合を考える。反力モータが故障すると、ドライバが感じる反力トルクが小さくなり、ドライバは操舵角を正確にコントロールしづらくなる。例えば、ドライバは、意図よりも過剰にステアリングホイールを操舵してしまう可能性がある。従って、反力モータの故障に備えて、バックアップを用意しておくことが好ましい。
特許文献1は、ステアバイワイヤシステムを開示している。そのステアバイワイヤシステムは、システム異常が検出された場合に転舵機構とステアリングホイールとを機械的に連結するバックアップ手段を備えている。ステアリングホイールに反力トルクを付与する反力モータの異常が検出された場合にも、バックアップ手段が作動する。反力モータの異常が検出されてからバックアップ手段が作動するまでの間、ある程度の反力トルクを確保するために、コントローラは、反力モータの端子間を短絡させる。
特許文献2は、ステアバイワイヤシステムを開示している。そのステアバイワイヤシステムは、ステアリングホイールに反力トルクを付与する反力モータ(反力付与手段)と、反力モータが故障した場合に作動する第2反力付与手段を備えている。具体的には、第2反力付与手段は、ロータリダンパである。反力モータが故障した場合、ロータリダンパによって、ある程度の反力トルクがステアリングホイールに付与される。
特開2006−044378号公報 特開2004−196044号公報
上述の通り、ステアバイワイヤシステムでは、ステアリングホイールの操作に応じて反力モータの動作を制御することにより、所望の特性の反力トルクが生成される。反力モータが故障した場合であっても、ステアリングホイールの操作性の確保の観点から、反力トルクをフレキシブルに生成することが望まれる。
しかしながら、上記の特許文献1及び特許文献2に開示された技術によれば、反力モータが故障した場合に、反力トルクをフレキシブルに生成することはできない。特許文献1の場合、反力モータの端子間を短絡させることにより、ある程度の反力トルクが確保されるだけである。特許文献2の場合、ロータリダンパによって、ある程度の反力トルクが確保されるだけである。いずれの場合であっても、反力モータの動作制御とは異なるメカニズムによって、ある程度の“粘性感”が確保されるだけである。反力モータの動作が制御されるわけではないので、ステアリングホイールの操作に応じて反力トルクをフレキシブルに生成することはできない。
本発明の1つの目的は、反力モータが故障した場合であっても、ステアリングホイールに付与される反力トルクをフレキシブルに生成することができるステアバイワイヤシステムを提供することにある。
第1の発明は、車両に搭載されるステアバイワイヤシステムを提供する。
前記ステアバイワイヤシステムは、
前記車両の車輪を転舵する転舵装置と、
前記転舵装置から機械的に分離され、ステアリングホイールに反力トルクを付与する操舵反力発生装置と、
前記ステアリングホイールの操作に応じて前記操舵反力発生装置の動作を制御することによって前記反力トルクを制御する制御装置と
を備える。
前記操舵反力発生装置は、二重化され、第1系統と第2系統を含んでいる。
前記第1系統と前記第2系統の各々は、反力モータを有する。
前記第1系統と前記第2系統の両方が正常な場合、前記制御装置は、前記第1系統と前記第2系統のうち少なくとも一方の前記反力モータの動作を制御して、通常特性の前記反力トルクを発生させる。
前記第1系統と前記第2系統の一方が故障した一重故障の場合、前記制御装置は、前記第1系統と前記第2系統の他方の前記反力モータの動作を制御して、第1特性の前記反力トルクを発生させる。
前記第1特性の前記反力トルクは、同じ操舵角に対する前記通常特性の前記反力トルクと異なる。
第2の発明は、第1の発明において、更に次の特徴を有する。
前記通常特性と前記第1特性は、共に、操舵角が増えるにつれて前記反力トルクが増加する傾向を有する。
第3の発明は、第1あるいは第2の発明において、更に次の特徴を有する。
第2特性は、前記第1系統と前記第2系統の両方が故障した二重故障の場合の前記反力トルクの特性である。
前記第1特性は、前記通常特性と前記第2特性の中間に設定される。
第4の発明は、第1あるいは第2の発明において、更に次の特徴を有する。
第2特性は、前記第1系統と前記第2系統の両方が故障した二重故障の場合の前記反力トルクの特性である。
第1操舵角範囲は、前記操舵角が0から所定値までの範囲である。
第2操舵角範囲は、前記操舵角が前記所定値よりも大きい範囲である。
前記第1操舵角範囲において、前記第1特性の前記反力トルクは、同じ操舵角に対する前記通常特性の前記反力トルクよりも大きく、同じ操舵角に対する前記第2特性の前記反力トルクよりも小さい。
前記第2操舵角範囲において、前記第1特性の前記反力トルクは、同じ操舵角に対する前記通常特性の前記反力トルクよりも小さく、同じ操舵角に対する前記第2特性の前記反力トルクよりも大きい。
第5の発明は、第1あるいは第2の発明において、更に次の特徴を有する。
前記第1特性の前記反力トルクは、同じ操舵角に対する前記通常特性の前記反力トルクよりも小さい。
第6の発明は、第1あるいは第2の発明において、更に次の特徴を有する。
前記第1特性の前記反力トルクは、同じ操舵角に対する前記通常特性の前記反力トルクよりも大きい。
第7の発明は、第4あるいは第6の発明において、更に次の特徴を有する。
前記一重故障が発生した場合、前記制御装置は、前記反力モータの電流制御の応答性を増加あるいは減少させる。
第8の発明は、第1から第7の発明のいずれかにおいて、更に次の特徴を有する。
前記反力モータの動作を制御して前記反力トルクを発生させる際、前記制御装置は、トルクリップルを抑制するトルクリップル抑制制御を行う。
前記制御装置は、前記一重故障の場合の前記トルクリップル抑制制御の制御ゲインを、前記第1系統と前記第2系統の両方が正常な場合よりも下げる。
第9の発明は、第1から第8の発明のいずれかにおいて、更に次の特徴を有する。
前記一重故障が発生した後、前記車両のドライバが前記ステアリングホイールを操作していない期間に、前記制御装置は、前記反力トルクの特性を前記通常特性から前記第1特性に変更する。
第1の発明によれば、ステアリングホイールに反力トルクを付与する操舵反力発生装置が“二重化”される。これにより、一重故障が発生したとしても、第1系統と第2系統のうち正常な方を用いることによって、反力トルクを付与し続けることが可能となる。このことは、ステアバイワイヤシステムに対する信頼の向上に寄与する。
また、第1の発明によれば、第1系統と第2系統は、同じメカニズムによって反力トルクを生成する。具体的には、第1系統と第2系統の各々は、反力モータを有し、反力モータの動作によって反力トルクを生成する。制御装置は、ステアリングホイールの操作に応じて反力モータの動作を制御することによって、所望の特性の反力トルクをフレキシブルに生成することができる。一重故障が発生した場合であっても、制御装置は、第1系統と第2系統のうち正常な方の反力モータの動作を制御して、所望の特性の反力トルクをフレキシブルに発生させることができる。
例えば、制御装置は、一重故障時の第1特性の反力トルクを、同じ操舵角に対する通常特性の反力トルクから異ならせることができる。言い換えれば、制御装置は、一重故障時の第1特性の反力トルクの大きさを、通常特性から“積極的”に変化させることができる。これにより、ドライバは、「一重故障が発生したこと」を認識しやすくなる。
第2の発明によれば、通常特性だけでなく第1特性も、操舵角が増えるにつれて反力トルクが増加する傾向を有する。これにより、一重故障時にも、適度なビルドアップ感(操舵角が増えるにつれて手ごたえも増える感覚)が再現される。ビルドアップ感が再現されるため、ドライバは操舵角を正確にコントロールしやすくなる。すなわち、ステアリングホイールの操作性が良好に確保される。
第3及び第4の発明によれば、一重故障時の第1特性は、通常特性と二重故障時の第2特性の中間に設定される。言い換えれば、第1特性は、通常特性から見て第2特性に近づくように設定される。従って、万が一、二重故障が発生したとしても、そのときの反力トルクの変動量が抑えられる。反力トルクの変動量が抑えられるため、ドライバは反力トルクの変動に対応しやすくなる。
第5の発明によれば、第1特性の反力トルクは、同じ操舵角に対する通常特性の反力トルクよりも小さくなる。これにより、ドライバは、「一重故障が発生したこと」を認識しやすくなる。
第6の発明によれば、第1特性の反力トルクは、同じ操舵角に対する通常特性の反力トルクよりも大きくなる。これにより、ドライバは、「一重故障が発生したこと」を認識しやすくなる。
第7の発明によれば、一重故障が発生した場合、反力モータの電流制御の応答性が増加あるいは減少する。これにより、第1操舵角範囲における第1特性の反力トルクの急な立ち上がりを実現しやすくなる。
第8の発明によれば、一重故障の場合のトルクリップル抑制制御の制御ゲインが、通常時よりも減少する。これにより、トルクリップルの振幅が増加し、ドライバはトルクリップルを感じやすくなる。結果として、ドライバは、一重故障の発生を認識しやすくなる。
第9の発明によれば、ドライバがステアリングホイールを操作している最中に反力トルクの特性が急激に変化することを防止することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るステアバイワイヤシステムの構成例を概略的に示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係るステアバイワイヤシステムの操舵反力発生装置の二重化構成を示す概念図である。 本発明の実施の形態に係るステアバイワイヤシステムにおける反力制御を説明するための概念図である。 本発明の実施の形態に係るステアバイワイヤシステムにおける反力制御を要約的に示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る操舵反力発生装置の一重故障時の反力特性(第1特性)の第1の設定例を説明するための概念図である。 本発明の実施の形態に係る操舵反力発生装置の一重故障時の反力特性(第1特性)の第1の設定例を説明するための概念図である。 本発明の実施の形態に係る操舵反力発生装置の一重故障時の反力特性(第1特性)の第2の設定例を説明するための概念図である。 本発明の実施の形態に係る操舵反力発生装置の一重故障時の反力特性(第1特性)の第2の設定例を説明するための概念図である。 本発明の実施の形態に係る操舵反力発生装置の一重故障時の反力特性(第1特性)の第3の設定例を説明するための概念図である。 本発明の実施の形態に係る操舵反力発生装置の一重故障時の反力特性(第1特性)の第3の設定例を説明するための概念図である。 本発明の実施の形態に係る特性変更タイミングの例を説明するためのフローチャートである。
添付図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
1.ステアバイワイヤシステムの基本構成
図1は、本実施の形態に係るステアバイワイヤシステム1の構成例を概略的に示すブロック図である。ステアバイワイヤシステム1は、車両に搭載されており、ステアバイワイヤ方式で車両の車輪WHを転舵する。より詳細には、ステアバイワイヤシステム1は、ステアリングホイール10、ステアリングシャフト20、操舵反力発生装置30、転舵装置40、センサ群(51〜53)、及び制御装置100を備えている。
ステアリングホイール10(ハンドル)は、ドライバが操舵に用いる操作部材である。ステアリングシャフト20は、ステアリングホイール10に連結されており、ステアリングホイール10と共に回転する。
操舵反力発生装置30は、ステアリングホイール10に対して反力トルクTRを擬似的に付与する。具体的には、操舵反力発生装置30は、反力モータ31(反力アクチュエータ)を含んでいる。反力モータ31のロータは、減速機32を介してステアリングシャフト20につながっている。反力モータ31を作動させることにより、ステアリングシャフト20ひいてはステアリングホイール10に反力トルクTRを付与することができる。この操舵反力発生装置30の動作は、制御装置100によって制御される。
転舵装置40は、車輪WHを転舵する。この転舵装置40は、転舵モータ41、減速機42、及び転舵軸43を含んでいる。転舵モータ41のロータは、減速機42を介して転舵軸43につながっている。転舵軸43は、車輪WHに連結されている。転舵モータ41が回転すると、その回転運動は転舵軸43の直線運動に変換され、それにより車輪WHが転舵される。すなわち、転舵モータ41を作動させることにより、車輪WHを転舵することができる。この転舵モータ41の動作は、制御装置100によって制御される。
尚、操舵反力発生装置30と転舵装置40とは、機械的に分離されている。
操舵角センサ51は、ステアリングホイール10の操舵角θを検出する。操舵角センサ51は、検出した操舵角θの情報を制御装置100に送る。
操舵トルクセンサ52は、ステアリングシャフト20に印加される操舵トルクTを検出する。操舵トルクセンサ52は、検出した操舵トルクTの情報を制御装置100に送る。
車速センサ53は、車両の速度である車速Vを検出する。車速センサ53は、検出した車速Vの情報を制御装置100に送る。尚、車速センサ53の代わりに車輪速センサを用い、各車輪の回転速度から車速Vが算出されてもよい。
制御装置100は、本実施の形態に係るステアバイワイヤシステム1を制御する。この制御装置100は、プロセッサ、メモリ、及び入出力インタフェースを備えるマイクロコンピュータを含んでいる。当該マイクロコンピュータは、ECU(Electronic Control Unit)とも呼ばれる。
具体的には、制御装置100は、ステアリングホイール10の操作に応じて転舵装置40の転舵モータ41の動作を制御することによって、車輪WHの転舵を制御する。例えば、制御装置100は、操舵角θ、車速V等に基づいて目標転舵角を算出する。そして、制御装置100は、転舵モータ41の回転角と目標転舵角に基づいて、転舵モータ41を駆動するための電流制御信号を生成する。転舵モータ41は電流制御信号に従って駆動され、転舵モータ41の回転により車輪WHが転舵される。
また、制御装置100は、ステアリングホイール10の操作に応じて操舵反力発生装置30の反力モータ31の動作を制御することによって、ステアリングホイール10に付与される反力トルクTRを制御する。例えば、制御装置100は、操舵角θ、車速V等に基づいて目標反力トルクを算出する。そして、制御装置100は、目標反力トルクが発生するように反力モータ31の駆動制御を行う。例えば、制御装置100は、目標反力トルク、反力モータ31の回転角、操舵トルクT等に基づいて、反力モータ31を駆動するための電流制御信号を生成する。反力モータ31は電流制御信号に従って駆動され、それにより反力トルクTRが発生する。
2.操舵反力発生装置の二重化構成
次に、本実施の形態に係る操舵反力発生装置30の構成について詳しく説明する。操舵反力発生装置30が故障すると、ドライバが感じる反力トルクTRが小さくなり、ドライバは操舵角θを正確にコントロールしづらくなる。例えば、ドライバは、意図よりも過剰にステアリングホイール10を操舵してしまう可能性がある。そこで、本実施の形態によれば、操舵反力発生装置30が“二重化”される。
図2は、操舵反力発生装置30の二重化構成を示す概念図である。図2に示されるように、操舵反力発生装置30は、互いに独立した第1系統30−1と第2系統30−2を含んでいる。第1系統30−1と第2系統30−2は、同一の構成を有しており、同一のメカニズムによって反力トルクTRを生成することができる。
より詳細には、第1系統30−1は、反力モータ31−1及び減速機32−1を有している。反力モータ31−1のロータは、減速機32−1を介して出力軸33−1につながっている。出力軸33−1は、ギア等の伝達機構34−1を介してステアリングシャフト20につながっている。反力モータ31−1を作動させることにより、ステアリングシャフト20ひいてはステアリングホイール10に反力トルクTRを付与することができる。この反力モータ31−1の動作は、制御装置100によって制御される。
更に、制御装置100は、第1系統30−1の故障(異常)を認識することができる。典型的には、第1系統30−1の故障は、所望の反力トルクTRを生成できないといった反力モータ31−1の故障である。例えば、制御装置100は、電流制御信号に対する反力モータ31−1の応答に基づいて、反力モータ31−1の故障を検出することができる。あるいは、第1系統30−1の故障を検出する異常検出センサ35−1が別途設けられてもよい。その場合、制御装置100は、異常検出センサ35−1の出力から第1系統30−1の故障を認識する。
同様に、第2系統30−2は、反力モータ31−2及び減速機32−2を有している。反力モータ31−2のロータは、減速機32−2を介して出力軸33−2につながっている。出力軸33−2は、ギア等の伝達機構34−2を介してステアリングシャフト20につながっている。反力モータ31−2を作動させることにより、ステアリングシャフト20ひいてはステアリングホイール10に反力トルクTRを付与することができる。この反力モータ31−2の動作は、制御装置100によって制御される。
更に、制御装置100は、第2系統30−2の故障(異常)を認識することができる。典型的には、第2系統30−2の故障は、所望の反力トルクTRを生成できないといった反力モータ31−2の故障である。例えば、制御装置100は、電流制御信号に対する反力モータ31−2の応答に基づいて、反力モータ31−2の故障を検出することができる。あるいは、第2系統30−2の故障を検出する異常検出センサ35−2が別途設けられてもよい。その場合、制御装置100は、異常検出センサ35−2の出力から第2系統30−2の故障を認識する。
3.制御装置による反力制御
以下、本実施の形態に係る制御装置100による反力制御について詳しく説明する。制御装置100は、ステアリングホイール10の操作に応じて操舵反力発生装置30の反力モータ31の動作を制御することによって、反力トルクTRを制御する。
図3は、本実施の形態に係る反力制御を説明するための概念図である。横軸はステアリングホイール10の操舵角θを表し、縦軸は操舵反力発生装置30によって生成される反力トルクTRを表している。反力トルクTRの特性(反力特性)は、操舵角θと反力トルクTRとの関係で表される。反力特性は、固定ではなく、制御装置100による反力モータ31の動作制御によって調整可能である。
まず、第1系統30−1と第2系統30−2の両方が正常な場合を考える。この場合、制御装置100は、第1系統30−1と第2系統30−2のうち少なくとも一方の反力モータ31の動作を制御して、通常特性Cnの反力トルクTRを発生させる。図3に示されるように、通常特性Cnは、操舵角θが増えるにつれて反力トルクTRが増加する傾向を有する。このような通常特性Cnの反力トルクTRにより、適度なビルドアップ感(操舵角θが増えるにつれて手ごたえも増える感覚)が再現される。ビルドアップ感が再現されるため、ドライバは操舵角θを正確にコントロールしやすくなる。すなわち、ステアリングホイール10の操作性が良好に確保される。
次に、第1系統30−1と第2系統30−2のうち一方が故障した「一重故障(single fault, single failure)」の場合を考える。一重故障の場合、制御装置100は、第1系統30−1と第2系統30−2のうち正常な他方の反力モータ31の動作を制御して、第1特性C1の反力トルクTRを発生させる。通常特性Cnと同様に、第1特性C1は、操舵角θが増えるにつれて反力トルクTRが増加する傾向を有する。これにより、一重故障時にも、適度なビルドアップ感が再現され、ステアリングホイール10の操作性が良好に確保される。
但し、図3に示されるように、第1特性C1の反力トルクTRは、同じ操舵角θに対する通常特性Cnの反力トルクTRと異なる。すなわち、制御装置100は、第1特性C1の反力トルクTRの大きさを、通常特性Cnから“積極的”に変化させる。一重故障時の第1特性C1が通常特性Cnから変化するため、ドライバは、「一重故障が発生したこと」を認識しやすくなる。
図4は、本実施の形態に係る反力制御を要約的に示すフローチャートである。ステップS100において、制御装置100は、一重故障が発生したか否かを判定する。一重故障が発生していない場合(ステップS100;No)、処理はステップS200に進む。一方、一重故障が発生した場合(ステップS100;Yes)、処理はステップS300に進む。
ステップS200において、制御装置100は、通常反力制御を行う。具体的には、制御装置100は、操舵角θ、車速V等に基づいて、通常特性Cnの目標反力トルクを算出する。そして、制御装置100は、目標反力トルクが得られるように、第1系統30−1と第2系統30−2の少なくとも一方の反力モータ31の電流制御を行う(ステップS210)。
一方、ステップS300において、制御装置100は、一重故障反力制御を行う。具体的には、制御装置100は、操舵角θ、車速V等に基づいて、第1特性C1の目標反力トルクを算出する。そして、制御装置100は、目標反力トルクが得られるように、第1系統30−1と第2系統30−2のうち正常な系統の反力モータ31の電流制御を行う(ステップS310)。
以上に説明されたように、本実施の形態のステアバイワイヤシステム1によれば、ステアリングホイール10に反力トルクTRを付与する操舵反力発生装置30が“二重化”される。これにより、一重故障が発生したとしても、第1系統30−1と第2系統30−2のうち正常な方を用いることによって、反力トルクTRを付与し続けることが可能となる。このことは、ステアバイワイヤシステム1に対する信頼の向上に寄与する。
また、本実施の形態によれば、第1系統30−1と第2系統30−2は、同じメカニズムによって反力トルクTRを生成する。具体的には、第1系統30−1と第2系統30−2の各々は、反力モータ31を有し、反力モータ31の動作によって反力トルクTRを生成する。制御装置100は、ステアリングホイール10の操作に応じて反力モータ31の動作を制御することによって、所望の特性の反力トルクTRをフレキシブルに生成することができる。一重故障が発生した場合であっても、制御装置100は、第1系統30−1と第2系統30−2のうち正常な方の反力モータ31の動作を制御して、所望の特性の反力トルクTRをフレキシブルに発生させることができる。
例えば、制御装置100は、一重故障時の第1特性C1の反力トルクTRを、同じ操舵角θに対する通常特性Cnの反力トルクTRから異ならせることができる。言い換えれば、制御装置100は、一重故障時の第1特性C1の反力トルクTRの大きさを、通常特性Cnから“積極的”に変化させることができる。これにより、ドライバは、「一重故障が発生したこと」を認識しやすくなる。
また、制御装置100は、一重故障時の第1特性C1に、通常特性Cnと同様の操舵角依存性を持たせることができる。具体的には、通常特性Cnは、操舵角θが増えるにつれて反力トルクTRが増加するような傾向を有する。制御装置100は、通常特性Cnと同じ傾向を有するように第1特性C1を設定することができる。これにより、一重故障時にも、適度なビルドアップ感(操舵角θが増えるにつれて手ごたえも増える感覚)が再現される。ビルドアップ感が再現されるため、ドライバは操舵角θを正確にコントロールしやすくなる。すなわち、ステアリングホイール10の操作性が良好に確保される。
ここで、比較例として、上述の特許文献1及び特許文献2に開示されている技術について考える。比較例では、反力モータは二重化されていない。反力モータが故障した場合は、反力モータの動作制御とは異なるメカニズムによって反力トルクが生成される。特許文献1の場合、反力モータの端子間を短絡させることにより、ある程度の反力トルクが確保される。特許文献2の場合、ロータリダンパによって、ある程度の反力トルクが確保される。いずれの場合であっても、反力モータの動作制御とは異なるメカニズムによって、ある程度の“粘性感”が確保されるだけである。反力モータの動作が制御されるわけではないので、ステアリングホイールの操作に応じて反力トルクをフレキシブルに生成することはできない。
4.第1特性の様々な設定例
一重故障時の第1特性C1としては様々な設定例が考えられる。以下、第1特性C1の様々な設定例について説明する。
4−1.第1の設定例
図5は、第1特性C1の第1の設定例を説明するための概念図である。横軸はステアリングホイール10の操舵角θを表し、縦軸は反力トルクTRを表している。図5には、通常特性Cnと第1特性C1に加えて、第2特性C2も示されている。
第2特性C2は、第1系統30−1と第2系統30−2の両方が故障した「二重故障(double fault, double failure)」の場合の反力トルクTRの特性である。二重故障時には、反力モータ31の動作を制御して反力トルクTRをフレキシブルに生成することはできない。第2特性C2の主成分は、減速機32等に起因するメカ摩擦となる。図5に示されるように、第2特性C2において、反力トルクTRは、操舵角θに依らずほぼ一定である。
図5において、通常特性Cnを示す線と第2特性C2を示す線は、操舵角θ=所定値θxの点において交差する。第1操舵角範囲R1は、操舵角θが0(ニュートラル)から所定値θxまでの範囲である。第2操舵角範囲R2は、操舵角θが所定値θxよりも大きい範囲である。第1操舵角範囲R1において、第2特性C2の反力トルクTRは、同じ操舵角θに対する通常特性Cnの反力トルクTRよりも大きい(C2>Cn)。一方、第2操舵角範囲R2において、第2特性C2の反力トルクTRは、同じ操舵角θに対する通常特性Cnの反力トルクTRよりも小さい(C2<Cn)。
第1の設定例によれば、第1特性C1は、通常特性Cnと第2特性C2の中間に設定される。つまり、第1操舵角範囲R1において、第1特性C1の反力トルクTRは、同じ操舵角θに対する通常特性Cnの反力トルクTRよりも大きく、同じ操舵角θに対する第2特性C2の反力トルクTRよりも小さい(C2>C1>Cn)。一方、第2操舵角範囲R2において、第1特性C1の反力トルクTRは、同じ操舵角θに対する通常特性Cnの反力トルクTRよりも小さく、同じ操舵角θに対する第2特性C2の反力トルクTRよりも大きい(C2<C1<Cn)。
図6は、図5で示される第1特性C1を実現するための一例を示している。制御装置100が反力モータ31の動作を制御することにより生成する反力トルクTRは、ばね成分Sと摩擦成分Fの和で表される(TR=S+F)。ばね成分Sは、操舵角θが増加するにつれて増加する。一方、摩擦成分Fは、操舵角θに依らずほぼ一定である。制御装置100は、第1特性C1のばね成分S1を通常特性Cnのばね成分Snよりも減らし、且つ、第1特性C1の摩擦成分F1を通常特性Cnの摩擦成分Fnよりも増やす。これにより、図5で示されるような第1特性C1を実現することが可能となる。
尚、図5で示されたように、第1操舵角範囲R1における第1特性C1の反力トルクTRの立ち上がり勾配は、通常特性Cnよりも急になる。反力モータ31の電流制御(図4中のステップS310)の応答性が低いと、そのような急な立ち上がりを実現しにくい。そのため、一重故障が発生した場合、制御装置100は、反力モータ31の電流制御の応答性を増加させてもよい。例えば、電流制御におけるフィードバックゲインを増加させることによって、応答性を増加させることができる。応答性が増加する結果、第1操舵角範囲R1における第1特性C1の急な立ち上がりを実現しやすくなる。
あるいは、一重故障が発生した場合、制御装置100は、反力モータ31の電流制御の応答性を減少させてもよい。電流制御の応答性が減少すると、ドライバは、減速機32等に起因するメカ摩擦を感じやすくなる、すなわち、第2特性C2を感じやすくなる。結果として、第1操舵角範囲R1における第1特性C1の反力トルクTRの立ち上がり勾配が大きくなる。
以上に説明された第1の設定例によれば、第1特性C1の反力トルクTRは、同じ操舵角θに対する通常特性Cnの反力トルクTRと異なる。これにより、ドライバは、「一重故障が発生したこと」を認識しやすくなる。また、第1特性C1は、通常特性Cnと同様の操舵角依存性を有する。これにより、一重故障時にも、適度なビルドアップ感が再現され、ステアリングホイール10の操作性が良好に確保される。
更に、第1の設定例によれば、第1特性C1は、通常特性Cnと第2特性C2の中間に設定される。言い換えれば、第1特性C1は、通常特性Cnから見て第2特性C2に近づくように設定される。従って、万が一、二重故障が発生したとしても、そのときの反力トルクTRの変動量が抑えられる。反力トルクTRの変動量が抑えられるため、ドライバは反力トルクTRの変動に対応しやすくなる。
4−2.第2の設定例
図7は、第1特性C1の第2の設定例を説明するための概念図である。第1の設定例の場合と重複する説明は適宜省略される。
第2の設定例によれば、第1特性C1の反力トルクTRは、通常特性Cnの反力トルクTRよりも全体的に弱い。つまり、全操舵角範囲において、第1特性C1の反力トルクTRは、同じ操舵角θに対する通常特性Cnの反力トルクTRよりも小さい。
図8は、図7で示される第1特性C1を実現するための一例を示している。制御装置100は、第1特性C1のばね成分S1を通常特性Cnのばね成分Snよりも減らし、且つ、第1特性C1の摩擦成分F1を通常特性Cnの摩擦成分Fnと同じにする。これにより、図7で示されるような第1特性C1を実現することが可能となる。
以上に説明された第2の設定例によれば、第1特性C1の反力トルクTRは、同じ操舵角θに対する通常特性Cnの反力トルクTRよりも小さくなる。これにより、ドライバは、「一重故障が発生したこと」を認識しやすくなる。また、第1特性C1は、通常特性Cnと同様の操舵角依存性を有する。これにより、一重故障時にも、適度なビルドアップ感が再現され、ステアリングホイール10の操作性が良好に確保される。
4−3.第3の設定例
図9は、第1特性C1の第3の設定例を説明するための概念図である。第1の設定例の場合と重複する説明は適宜省略される。
第3の設定例によれば、第1特性C1の反力トルクTRは、通常特性Cnの反力トルクTRよりも全体的に強い。つまり、全操舵角範囲において、第1特性C1の反力トルクTRは、同じ操舵角θに対する通常特性Cnの反力トルクTRよりも大きい。
図10は、図9で示される第1特性C1を実現するための一例を示している。制御装置100は、第1特性C1のばね成分S1を通常特性Cnのばね成分Snと同じにし、且つ、第1特性C1の摩擦成分F1を通常特性Cnの摩擦成分Fnよりも増やす。これにより、図9で示されるような第1特性C1を実現することが可能となる。
第1の設定例の場合と同様に、一重故障が発生した場合、制御装置100は、反力モータ31の電流制御の応答性を増加あるいは減少させてもよい。それにより、第1操舵角範囲R1における第1特性C1の急な立ち上がりを実現しやすくなる。
以上に説明された第3の設定例によれば、第1特性C1の反力トルクTRは、同じ操舵角θに対する通常特性Cnの反力トルクTRよりも大きくなる。これにより、ドライバは、「一重故障が発生したこと」を認識しやすくなる。また、第1特性C1は、通常特性Cnと同様の操舵角依存性を有する。これにより、一重故障時にも、適度なビルドアップ感が再現され、ステアリングホイール10の操作性が良好に確保される。
5.トルクリップル抑制制御
反力トルクTRには、減速機32に起因するトルクリップルが重畳される可能性がある。反力モータ31の動作を制御して反力トルクTRを発生させる際、制御装置100は、そのようなトルクリップルを抑制(軽減)するために、周知のトルクリップル抑制制御(例えば、操舵トルク微分制御)を行う。
一重故障が発生した場合、制御装置100は、トルクリップル抑制制御の制御ゲインを、通常時よりも下げてもよい。これにより、トルクリップルの振幅が増加し、ドライバはトルクリップルを感じやすくなる。結果として、ドライバは、一重故障の発生を認識しやすくなる。また、一重故障時にトルクリップルを増加させておくことにより、二重故障が発生した場合のトルクリップルの増加幅を小さくすることもできる。
6.特性変更タイミングの例
上述の通り、本実施の形態によれば、一重故障が発生した場合、反力特性は、通常特性Cnから第1特性C1に変化する。このとき、反力特性が急激に変化すると、ドライバは過度な違和感を覚える可能性がある。過度な違和感を防止するために、制御装置100は、反力特性を通常特性Cnから第1特性C1に徐々に変化させてもよい。
あるいは、制御装置100は、ドライバがステアリングホイール10を操作していない期間に、反力特性を通常特性Cnから第1特性C1に変更してもよい。図11は、ドライバがステアリングホイール10を操作していない期間に反力特性を変更するためのフロー例を示している。尚、既出の図4で示された処理と同じ処理には同じステップ番号が付されている。
ステップS10において、制御装置100は、ドライバの操舵状態を検出する。ドライバの操舵状態は、操舵トルクT、操舵角θ、操舵角速度θ’といったパラメータにより表される。操舵トルクTは、操舵トルクセンサ52により検出される。操舵角θは、操舵角センサ51により検出される。操舵角速度θ’は、操舵角θから算出される。
続くステップS20において、制御装置100は、一重故障フラグを確認する。一重故障フラグの初期値は「OFF」である。一重故障フラグが「OFF」の場合(ステップS20;No)、処理はステップS100に進む。一方、一重故障フラグが「ON」の場合(ステップS20;Yes)、処理はステップS300に進む。
ステップS100において、制御装置100は、一重故障が発生したか否かを判定する。一重故障が発生していない場合(ステップS100;No)、処理はステップS200に進む。一方、一重故障が発生した場合(ステップS100;Yes)、処理はステップS110に進む。
ステップS110において、制御装置100は、ドライバがステアリングホイール10を操作しているか否かを判定する。例えば、操舵トルクT、操舵角θ、操舵角速度θ’の各々の絶対値が閾値以下である場合、制御装置100は、ドライバがステアリングホイールを操作していないと判定する。それ以外の場合、制御装置100は、ドライバがステアリングホイール10を操作していると判定する。
ドライバがステアリングホイール10を操作している場合(ステップS110;Yes)、制御装置100は、通常反力制御を継続する(ステップS200)。一方、ドライバがステアリングホイール10を操作していない場合(ステップS110;No)、制御装置100は、一重故障フラグを「ON」に書き換え(ステップS120)、一重故障反力制御を開始する(ステップS300)。
このようにして、ドライバがステアリングホイール10を操作していない期間に、反力特性を通常特性Cnから第1特性C1に変更することが可能となる。言い換えれば、ドライバがステアリングホイール10を操作している最中に反力特性が急激に変化することを防止することが可能となる。
1 ステアバイワイヤシステム
10 ステアリングホイール(ハンドル)
20 ステアリングシャフト
30 操舵反力発生装置
30−1 第1系統
30−2 第2系統
31 反力モータ
32 減速機
33 出力軸
34 伝達機構
35 異常検出センサ
40 転舵装置
51 操舵角センサ
52 操舵トルクセンサ
53 車速センサ
100 制御装置
WH 車輪(転舵輪)

Claims (9)

  1. 車両に搭載されるステアバイワイヤシステムであって、
    前記車両の車輪を転舵する転舵装置と、
    前記転舵装置から機械的に分離され、ステアリングホイールに反力トルクを付与する操舵反力発生装置と、
    前記ステアリングホイールの操作に応じて前記操舵反力発生装置の動作を制御することによって前記反力トルクを制御する制御装置と
    を備え、
    前記操舵反力発生装置は、二重化され、第1系統と第2系統を含んでおり、
    前記第1系統と前記第2系統の各々は、反力モータを有し、
    前記第1系統と前記第2系統の両方が正常な場合、前記制御装置は、前記第1系統と前記第2系統のうち少なくとも一方の前記反力モータの動作を制御して、通常特性の前記反力トルクを発生させ、
    前記第1系統と前記第2系統の一方が故障した一重故障の場合、前記制御装置は、前記第1系統と前記第2系統の他方の前記反力モータの動作を制御して、第1特性の前記反力トルクを発生させ、
    前記第1特性の前記反力トルクは、同じ操舵角に対する前記通常特性の前記反力トルクと異なる
    ステアバイワイヤシステム。
  2. 請求項1に記載のステアバイワイヤシステムであって、
    前記通常特性と前記第1特性は、共に、操舵角が増えるにつれて前記反力トルクが増加する傾向を有する
    ステアバイワイヤシステム。
  3. 請求項1又は2に記載のステアバイワイヤシステムであって、
    第2特性は、前記第1系統と前記第2系統の両方が故障した二重故障の場合の前記反力トルクの特性であり、
    前記第1特性は、前記通常特性と前記第2特性の中間に設定される
    ステアバイワイヤシステム。
  4. 請求項1又は2に記載のステアバイワイヤシステムであって、
    第2特性は、前記第1系統と前記第2系統の両方が故障した二重故障の場合の前記反力トルクの特性であり、
    第1操舵角範囲は、前記操舵角が0から所定値までの範囲であり、
    第2操舵角範囲は、前記操舵角が前記所定値よりも大きい範囲であり、
    前記第1操舵角範囲において、前記第1特性の前記反力トルクは、同じ操舵角に対する前記通常特性の前記反力トルクよりも大きく、同じ操舵角に対する前記第2特性の前記反力トルクよりも小さく、
    前記第2操舵角範囲において、前記第1特性の前記反力トルクは、同じ操舵角に対する前記通常特性の前記反力トルクよりも小さく、同じ操舵角に対する前記第2特性の前記反力トルクよりも大きい
    ステアバイワイヤシステム。
  5. 請求項1又は2に記載のステアバイワイヤシステムであって、
    前記第1特性の前記反力トルクは、同じ操舵角に対する前記通常特性の前記反力トルクよりも小さい
    ステアバイワイヤシステム。
  6. 請求項1又は2に記載のステアバイワイヤシステムであって、
    前記第1特性の前記反力トルクは、同じ操舵角に対する前記通常特性の前記反力トルクよりも大きい
    ステアバイワイヤシステム。
  7. 請求項4又は6に記載のステアバイワイヤシステムであって、
    前記一重故障が発生した場合、前記制御装置は、前記反力モータの電流制御の応答性を増加あるいは減少させる
    ステアバイワイヤシステム。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のステアバイワイヤシステムであって、
    前記反力モータの動作を制御して前記反力トルクを発生させる際、前記制御装置は、トルクリップルを抑制するトルクリップル抑制制御を行い、
    前記制御装置は、前記一重故障の場合の前記トルクリップル抑制制御の制御ゲインを、前記第1系統と前記第2系統の両方が正常な場合よりも下げる
    ステアバイワイヤシステム。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のステアバイワイヤシステムであって、
    前記一重故障が発生した後、前記車両のドライバが前記ステアリングホイールを操作していない期間に、前記制御装置は、前記反力トルクの特性を前記通常特性から前記第1特性に変更する
    ステアバイワイヤシステム。
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