JP2019113132A - 弾性体およびそれを備えたクラッチ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転体に対して包囲体が傾斜するのを防止しながら包囲体を弾性支持することができる弾性体を提供する。内軸に対して外輪が傾斜するのを抑制または防止し、かつ軸方向の小型化を図りながら、ラジアル荷重の付与により外輪と内輪との軌道隙間を局所的に変更可能なクラッチ装置を提供する。【解決手段】弾性体25は、外輪21の内筒31に外嵌された筒状部41と、周方向Yに間隔を空けて、径方向Zの外側に向けて筒状体41から突出する複数の突出部42とを一体に有している。各突出部41が、周方向Yに沿って延びる片持ち梁状をなし、かつ径方向Zの外側に凸になるように屈曲している。各突出部41が、内輪34の筒状体34の内周に摺接し、軸方向Xに沿って延びる外端縁42aと、外端縁42aに対し径方向Zの内側でかつ筒状体41に対し径方向Zの外側に位置する先端縁42bとを有している。【選択図】図4B
Description
この発明は、弾性体およびそれを備えたクラッチ装置に関する。
従来から、自動車のスライドドアを自動的に開閉させるパワースライドドアが知られている。下記特許文献1には、自動車のスライドドアを開閉させる、スライドドア駆動用のアクチュエータが記載されている。このアクチュエータは、モータと、モータの回転を減速させる減速機と、減速機によって増幅されたトルクが付与される出力軸とを含む。出力軸は、ケーブル等の駆動部材を駆動する出力ドラムに一体回転可能に連結されている。駆動部材に対して出力軸からの出力が与えられることにより、スライドドアが開閉される。
このようなスライドドアにおいて利用者による手動開閉を可能にすべく、パワースライドドアの非使用時(すなわち、モータの非駆動時)において、アクチュエータの出力軸を空転させる必要がある。そのため、特許文献1に係るアクチュエータは、減速機と出力軸とを断続するクラッチ装置をさらに含んでいる。特許文献1に係るクラッチ装置として電磁クラッチが採用されている。
スライドドア駆動用のアクチュエータは、ドアの内部に搭載されるものであるから、小型化が望まれている。しかしながら、クラッチ装置として電磁クラッチを採用するとすると、電磁クラッチの体格が大きいことから、アクチュエータが大型化してしまう。クラッチ装置として電磁クラッチを採用する限り、スライドドア駆動用のアクチュエータの小型化には限界がある。
本願発明者らは、アクチュエータの小型化を図るため、電磁クラッチではなくメカ式のクラッチ装置を採用することを検討している。しかし、この場合、メカ式のクラッチ装置によって減速機と出力軸との断続を行う必要がある。すなわち、モータの駆動状態で減速機と出力軸とを接続させ、かつモータの非駆動状態で減速機と出力時とを切断させる必要がある。そのためには、メカ式のクラッチ装置において、トルクが外輪に付与されているときに接続状態を実現し、かつトルクが外輪に付与されていないときに切断状態を実現する必要があり、そのようなメカ式のクラッチ装置が望まれている。
とくに、本願発明者らは、外輪に付与されるラジアル荷重により、外輪と内輪との軌道隙間を局所的に変更させることが可能なメカ式のクラッチ装置の開発を検討している。このようなクラッチ装置では、外輪を、径方向に変形可能な弾性部材によって弾性支持させる。ラジアル荷重が外輪に付与されていないとき、すなわち、トルクが外輪に付与されていないときには、外輪と内輪との軌道隙間は全周に亘って均一であり、内輪および外輪の双方に転動体が係合することはなく、クラッチ装置は切断状態になる。一方、ラジアル荷重が外輪に付与されているとき、すなわち、トルクが外輪に付与されているときには、外輪と内輪との軌道隙間が局所的に狭くなり、内輪および外輪の双方に転動体が係合し、クラッチ装置は接続状態になる。
しかしながら、このようなクラッチ装置では、断続の切り換えを円滑に行うべく、内軸に対して外輪が傾斜するのを抑制または防止しながら弾性部材によって外輪を弾性支持する必要がある。内軸に対して外輪が傾斜するのを防止するためには、弾性部材による支持を、軸方向に間隔を空けた複数箇所において実現することが考えられるが、この方策では、クラッチ装置が軸方向に大型化してしまうおそれがある。
このような問題は、スライドドア駆動用のクラッチ装置に限られず、出力軸(すなわち、内軸)の空転状態を設ける必要があるアクチュエータに搭載されるクラッチ装置に共通している。
そこで、この発明の一の目的は、内軸に対して外輪が傾斜するのを抑制または防止し、かつ軸方向の小型化を図りながら、ラジアル荷重の付与により外輪と内輪との軌道隙間を局所的に変更可能なクラッチ装置を提供することである。
そこで、この発明の一の目的は、内軸に対して外輪が傾斜するのを抑制または防止し、かつ軸方向の小型化を図りながら、ラジアル荷重の付与により外輪と内輪との軌道隙間を局所的に変更可能なクラッチ装置を提供することである。
また、前記のようなクラッチ装置を得るための具体的な構成として、内軸や内輪に弾性体を外嵌させ、弾性体の外端縁を外輪の内周面に摺接させる。これにより、弾性体によって外輪を弾性支持できると共に、弾性体の働きにより外輪を調芯できる。
この場合、回転体(内軸)に対して包囲体(外輪)が傾斜するのを確実に防止したい。このような問題は、前記のようなクラッチ装置に搭載される弾性体に限られず、回転体に外嵌されて、筒状の包囲体の内周に摺接する弾性体に共通する課題である。
この場合、回転体(内軸)に対して包囲体(外輪)が傾斜するのを確実に防止したい。このような問題は、前記のようなクラッチ装置に搭載される弾性体に限られず、回転体に外嵌されて、筒状の包囲体の内周に摺接する弾性体に共通する課題である。
そこで、この発明の他の目的は、回転体に対して包囲体が傾斜するのを防止しながら包囲体を弾性支持することができる弾性体を提供する。
前記の目的を達成するための請求項1に記載の発明は、回転体(31:22)に装着され、前記回転体を包囲する筒状の包囲体(34;31)を弾性支持するための弾性体(25)であって、前記回転体に外嵌された筒状部(41)と、前記回転体の周方向に間隔を空けて、前記包囲体の径方向の外側に向けて前記筒状部から突出する複数の突出部(42)とを一体に有し、各前記突出部が、前記周方向に沿って延びる片持ち梁状をなし、かつ前記回転体の径方向の外側に凸になるように屈曲しており、各前記突出部が、前記包囲体の内周に摺接し、前記回転体の軸方向に沿って延びる外端縁(42a)と、前記外端縁に対し前記径方向の内側で、かつ前記筒状部に対し前記径方向の外側に位置する先端縁(42b)とを有している、弾性体を提供する。
なお、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
前記の目的を達成するための請求項2に記載の発明は、第1の内周面(31a)と第1の外周面(31b)とを有する内筒(31)と、第2の内周面(32a)を有し、前記内筒を包囲する外筒(32)とを有する外輪(21)と、第2の外周面(22b)を有する内軸(22)と、前記第2の内周面に対向する第3の外周面(34b)と、前記第1の外周面に所定間隔を空けて対向する第3の内周面(34a)とを有し、前記外筒と前記内筒との間に介在する筒状体(34)を有し、前記内軸に一体回転可能に連結された内輪(23)と、前記第2の内周面と前記第3の外周面との間に前記外輪の周方向(Y)に沿って複数形成される、前記周方向の両端部が相対的に狭くかつ前記周方向の中央部が相対的に広い複数の空隙(37)のそれぞれに介在する複数の転動体(24)と、請求項1に記載の弾性体(25)であって、前記第3の内周面と前記第1の外周面との間の第1の空間(38)および前記第1の内周面と前記第2の外周面との間の第2の空間(238)の少なくとも一方に配置された前記弾性体とを含み、前記筒状部が、前記第1の外周面または前記第2の外周面に外嵌され、前記突出部の前記外端縁が、前記第3の内周面または前記第1の内周面に摺接している、クラッチ装置(8;208)を提供する。
前記の目的を達成するための請求項2に記載の発明は、第1の内周面(31a)と第1の外周面(31b)とを有する内筒(31)と、第2の内周面(32a)を有し、前記内筒を包囲する外筒(32)とを有する外輪(21)と、第2の外周面(22b)を有する内軸(22)と、前記第2の内周面に対向する第3の外周面(34b)と、前記第1の外周面に所定間隔を空けて対向する第3の内周面(34a)とを有し、前記外筒と前記内筒との間に介在する筒状体(34)を有し、前記内軸に一体回転可能に連結された内輪(23)と、前記第2の内周面と前記第3の外周面との間に前記外輪の周方向(Y)に沿って複数形成される、前記周方向の両端部が相対的に狭くかつ前記周方向の中央部が相対的に広い複数の空隙(37)のそれぞれに介在する複数の転動体(24)と、請求項1に記載の弾性体(25)であって、前記第3の内周面と前記第1の外周面との間の第1の空間(38)および前記第1の内周面と前記第2の外周面との間の第2の空間(238)の少なくとも一方に配置された前記弾性体とを含み、前記筒状部が、前記第1の外周面または前記第2の外周面に外嵌され、前記突出部の前記外端縁が、前記第3の内周面または前記第1の内周面に摺接している、クラッチ装置(8;208)を提供する。
請求項1の構成によれば、弾性体の各突出部の外端縁が筒状の包囲体の内周に摺接することにより、弾性体によって包囲体が弾性支持される。各突出部の外端縁が回転体の軸方向に沿って延びている。換言すると、弾性体と包囲体との間の接触が回転体の軸方向に長く確保されている。これにより、回転体に対して包囲体が傾斜するのを防止しながら、回転体に外嵌めされた弾性体によって包囲体を弾性支持できる。
請求項2の構成によれば、外輪の第2の内周面と内輪の第3の外周面との間に形成される各空隙に転動体が配置されている。また、内輪と外輪との間の第1の空間、および外輪と内軸との間の第2の空間の少なくとも一方に弾性体が配置されている。外輪を弾性支持する弾性体が外輪の径方向に弾性変形可能であるので、付与されるラジアル荷重によって外輪と内輪との軌道隙間を局所的に変更できる。
さらに、第1の空間が、外輪の外筒および内筒の間に介在する、内輪の筒状体の第3の内周面と、外輪の内筒の第1の外周面との間に形成されている。または、第2の空間が、外輪の内筒の第1の内周面と内軸の第2の外周面との間に形成されている。外輪を弾性支持する弾性体を、第1の空間および第2の空間の少なくとも一方に配置するので、転動体と干渉することなく、弾性体によって外輪の重心位置を1箇所で弾性支持することが可能である。弾性体によって外輪の重心位置を支持できれば、内軸に対して外輪が傾斜するのを抑制または防止することが可能である。また、弾性体によって外輪を1箇所で支持できれば、クラッチ装置の軸方向の小型化を図ることが可能である。
ゆえに、内軸に対して外輪が傾斜するのを抑制または防止し、かつ軸方向の小型化を図りながら、ラジアル荷重の付与により外輪と内輪との軌道隙間を局所的に変更可能なクラッチ装置を提供することができる。
さらに、弾性体として、請求項1に記載の弾性体を採用するので、弾性体と第3の内周面または第1の内周面との間の接触を回転体の軸方向に長く確保することができ、これにより、内軸に対する外輪の傾斜を、より効果的に抑制または防止できる。
さらに、弾性体として、請求項1に記載の弾性体を採用するので、弾性体と第3の内周面または第1の内周面との間の接触を回転体の軸方向に長く確保することができ、これにより、内軸に対する外輪の傾斜を、より効果的に抑制または防止できる。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るクラッチ装置8が搭載されたアクチュエータ1を含むスライドドア駆動装置2の概略構成を示す図である。
車両のボディの側面の開口部(図示しない)には、開口部を開閉するスライドドア(図示しない)が設けられている。スライドドアは、開口部を閉塞する閉位置と、その開口部が全開する全開位置との間で、車両の前後方向にスライド移動可能に設けられている。スライドドア駆動装置2は、スライドドアを、閉位置からから全開位置へ、またその逆へ移動させることができる。図1の紙面に直交する方向は、スライドドアの厚み方向と一致している。
図1は、本発明の一実施形態に係るクラッチ装置8が搭載されたアクチュエータ1を含むスライドドア駆動装置2の概略構成を示す図である。
車両のボディの側面の開口部(図示しない)には、開口部を開閉するスライドドア(図示しない)が設けられている。スライドドアは、開口部を閉塞する閉位置と、その開口部が全開する全開位置との間で、車両の前後方向にスライド移動可能に設けられている。スライドドア駆動装置2は、スライドドアを、閉位置からから全開位置へ、またその逆へ移動させることができる。図1の紙面に直交する方向は、スライドドアの厚み方向と一致している。
スライドドア駆動装置2は、スライドドアに一端側が連結されたケーブル3と、ケーブル3を架け渡すための回転ドラム4と、回転ドラム4を回転させるアクチュエータ1とを含む。アクチュエータ1が、回転ドラム4を回転させてケーブル3を駆動させる(巻き取るまたは緩める)ことにより、スライドドアが開閉される。
アクチュエータ1は、モータ5と、モータ5の回転を減速する減速機6と、減速機6によって増幅されたトルクが付与される出力軸7と、減速機6と出力軸7とを断続するクラッチ装置8とを含む。
アクチュエータ1は、モータ5と、モータ5の回転を減速する減速機6と、減速機6によって増幅されたトルクが付与される出力軸7と、減速機6と出力軸7とを断続するクラッチ装置8とを含む。
モータ5は、たとえば電磁モータである。モータ5は、正逆回転可能に設けられている。
減速機6は、モータ5により回転駆動される第1のギヤ9と、第1のギヤ9に噛み合う第2のギヤ10と、第1のギヤ9および第2のギヤ10を収容するギヤハウジング11とを含む。
減速機6は、モータ5により回転駆動される第1のギヤ9と、第1のギヤ9に噛み合う第2のギヤ10と、第1のギヤ9および第2のギヤ10を収容するギヤハウジング11とを含む。
この実施形態では、第1のギヤ9はウォーム軸13であり、第2のギヤ10はウォームホイール14である。
ウォーム軸13は、モータ5側の端部としての一端部13aと、一端部13aと反対側の他端部13bと、端部13a,13bの間であり、ウォーム歯が形成された中間部13cとを有する。ウォーム軸13の一端部13aは、モータ5の出力軸15に動力伝達可能に連結されている。ウォーム軸13は、一端部13aおよび他端部13bにそれぞれ対応する軸受17,18を介してギヤハウジング11に回転自在に支持されている。
ウォーム軸13は、モータ5側の端部としての一端部13aと、一端部13aと反対側の他端部13bと、端部13a,13bの間であり、ウォーム歯が形成された中間部13cとを有する。ウォーム軸13の一端部13aは、モータ5の出力軸15に動力伝達可能に連結されている。ウォーム軸13は、一端部13aおよび他端部13bにそれぞれ対応する軸受17,18を介してギヤハウジング11に回転自在に支持されている。
ウォームホイール14は、クラッチ装置8の次に述べる外輪21に外嵌固定されている。ウォームホイール14は、外輪21の周囲を取り囲み、外周に歯が形成されている。この実施形態では、ウォームホイール14は、樹脂材料を用いて形成されている。
ウォーム軸13およびウォームホイール14の噛み合い領域19においては、ウォーム軸13からウォームホイール14へのトルクの伝達時において、ウォームホイール14がウォーム軸13から噛み合い反力(駆動反力)を受ける。
ウォーム軸13およびウォームホイール14の噛み合い領域19においては、ウォーム軸13からウォームホイール14へのトルクの伝達時において、ウォームホイール14がウォーム軸13から噛み合い反力(駆動反力)を受ける。
図2は、クラッチ装置8の要部構成を示す断面図である。図3は、図2を切断面線III-IIIから見た図である。図2の紙面の上下方向は、アクチュエータ1への搭載時におけるクラッチ装置8の上下方向を示している。
クラッチ装置8は、メカ式のツーウェイクラッチ装置である。クラッチ装置8は、外輪21と、出力軸7として機能する内軸22と、内軸22に一体回転可能に連結された内輪23と、外輪21と内輪23との間に介在する複数の転動体24と、外輪21と内輪23との間に介在し、径方向Zに弾性変形可能な弾性体25とを含む。クラッチ装置8は、さらに、保持器26と、転動体付勢ユニット27と、摩擦弾性支持ユニット29と、荷重支持部材30とを含む。ギヤハウジング11は、ウォーム軸13およびウォームホイール14の他、外輪21、内軸22の一部、内輪23、複数の転動体24、弾性体25、保持器26、転動体付勢ユニット27、第1の弾性押圧ユニット28A、および第2の弾性押圧ユニット28Bを収容する。ギヤハウジング11は、軸方向Xに互いに離間した第1および第2の隔壁W1,W2を含む。第1の隔壁W1は、軸方向Xに直交しかつ水平面に直交する平面状をなしている。
クラッチ装置8は、メカ式のツーウェイクラッチ装置である。クラッチ装置8は、外輪21と、出力軸7として機能する内軸22と、内軸22に一体回転可能に連結された内輪23と、外輪21と内輪23との間に介在する複数の転動体24と、外輪21と内輪23との間に介在し、径方向Zに弾性変形可能な弾性体25とを含む。クラッチ装置8は、さらに、保持器26と、転動体付勢ユニット27と、摩擦弾性支持ユニット29と、荷重支持部材30とを含む。ギヤハウジング11は、ウォーム軸13およびウォームホイール14の他、外輪21、内軸22の一部、内輪23、複数の転動体24、弾性体25、保持器26、転動体付勢ユニット27、第1の弾性押圧ユニット28A、および第2の弾性押圧ユニット28Bを収容する。ギヤハウジング11は、軸方向Xに互いに離間した第1および第2の隔壁W1,W2を含む。第1の隔壁W1は、軸方向Xに直交しかつ水平面に直交する平面状をなしている。
第1および第2の隔壁W1,W2には、出力軸7、すなわち内軸22が回転可能に支持されている。具体的には、第1および第2の隔壁W1,W2にそれぞれ形成された第1および第2の貫通凹所51,52に、たとえば転がり軸受からなる第1および第2の軸受53,54が、それぞれ軸方向Xに移動不能に結合されており、これら第1および第2の軸受53,54によって内軸22が支持されている。
外輪21および内輪23の軸方向は、内軸22(出力軸7)の軸方向と一致しており、軸方向Xとする。軸方向Xのうち、外輪21から見て第1の隔壁W1側の軸方向(図2の右方向)を第1の軸方向X1とし、第1の軸方向X1と反対側の軸方向(図2の右方向)を第2の軸方向X2とする。また、外輪21および内輪23の周方向は、周方向Yとする。外輪21および内輪23の径方向は、Z方向とする。
外輪21は、たとえば鋼材料を用いて形成されている。外輪21は、内筒(回転体)31と、内筒31の外周を包囲する外筒32と、内筒31と外筒32との第1の軸方向X1側の端部(軸方向一端部)31c,32c同士を接続する第1の接続部33とを含む。内筒31および外筒32は、内軸22と同軸状に設けられており、この実施形態では、それぞれ円筒状をなしている。また、この実施形態では、第1の接続部33は、内筒31と外筒32との間の空間を閉塞する円環板状をなしている。この実施形態では、内筒31と第1の接続部33とが一体に設けられており、これら内筒31および第1の接続部33が、固定ユニット(図示しない)や溶接、圧入等により外筒32との一体化が図られている。しかし、内筒31および第1の接続部33が一体に形成されていてもよいし、内筒31、外筒32および第1の接続部33が一体に形成されていてもよい。
外筒32は、たとえばそれぞれ円筒状の外筒内周面(第2の内周面)32aおよび外筒外周面32bを有している。外筒32の外筒外周面32bには、ウォームホイール14が外嵌固定されている。すなわち、外輪21の外筒32は、ウォームホイール14の芯金として機能している。外筒外周面32bには、外筒32およびウォームホイール14の相対回り止めを図るためのキー49が嵌め入れられている。
内筒31は、たとえばそれぞれ円筒状の内筒内周面(第1の内周面)31aおよび内筒外周面(第1の外周面)31bを有している。内筒内周面31aは、内軸22の次に述べる内軸外周面(第2の外周面)22bに近接して対向配置されている。
内軸22は、たとえば、円筒状の内軸外周面22bを外周に有する丸棒状の軸体である。
内軸22は、たとえば、円筒状の内軸外周面22bを外周に有する丸棒状の軸体である。
内輪23は、内軸22(出力軸7)に、同軸状に設けられている。内輪23は、たとえば鋼材料を用いて形成されている。内輪23は、外輪21の内筒31と外輪21の外筒32との間に介在する筒状体(包囲体)34と、筒状体34の第2の軸方向X2側の端部(軸方向他端部)34cと内軸22の内軸外周面22bとを接続する第2の接続部35とを含む。筒状体34は、内軸22と同軸状に設けられており、この実施形態では、円筒状をなしている。筒状体34は、筒状体内周面(第3の内周面)34aおよび筒状体外周面(第3の外周面)34bを有している。筒状体内周面34aは、たとえば円筒面である。筒状体外周面34bは、複数(たとえば4つ)のカム面36(図3参照)を含んでいる。また、この実施形態では、第2の接続部35は、筒状体34と内軸22との間の空間を閉塞する円環板状をなしている。この実施形態では、内筒31および第1の接続部33が一体に形成されているが、固定ユニット(図示しない)や溶接、圧入等により両者の一体化が図られていてもよい。
図3に示すように、外輪21の外筒32の外筒内周面32aと内輪23の筒状体34の筒状体外周面34bとの間には、くさび空間(空隙)37(図3参照)が周方向Yに沿って複数(カム面36の数と同数。図3の例ではたとえば4つ)形成されている。くさび空間37は、外輪21の外筒内周面32aと、内輪23の筒状体外周面34bとによって区画されている。複数のカム面36は、周方向Yに等間隔に設けられている。カム面36は、径方向Zに垂直な平坦面によって形成されている。各くさび空間37は、周方向Yの両端部における径方向Zの間隔が相対的に狭く、かつ周方向Yの中央部における、径方向Zの間隔が相対的に広い。換言すると、各くさび空間37は、周方向Yの両端に向かうに従って狭くなっている。また、図3の例では、複数のカム面36を、内輪23の筒状体外周面34bに設けているが、複数のカム面36を外輪21の外筒内周面32aに設けるようにしてもよい。
転動体24は、各くさび空間37内に介在している。図3の例では、転動体24は各くさび空間37に1つずつ設けられているが、各くさび空間37に配置される転動体24の数は2つ以上であってもよい。各くさび空間37内において、転動体24は、周方向Yに転動自在に設けられている。転動体24は、図3の例ではころであるが、ボール等であってもよい。
筒状体内周面34aと内筒外周面31bとの間の第1の空間38には、径方向Zに弾性変形可能な弾性体25が配置されている。弾性体25が、第1の空間38において、外輪21の重心位置21gと軸方向Xに揃う重心対応位置38gに配置されている。
図4Aは、弾性体25の構成を説明するための拡大断面図である。図4Bは、図4Aを切断面線IVB-IVBから見た断面図である。図5は、弾性体25の要部を周方向Yから見た図である。図4Bでは、内軸22の図示を省略している。
図4Aは、弾性体25の構成を説明するための拡大断面図である。図4Bは、図4Aを切断面線IVB-IVBから見た断面図である。図5は、弾性体25の要部を周方向Yから見た図である。図4Bでは、内軸22の図示を省略している。
弾性体25は、ばね部材である。弾性体25は、外輪21の内筒外周面31bに外嵌固定された筒状部41と、周方向Yに間隔(たとえば等間隔)を空けて径方向Zの外側に向けて筒状部41から突出する複数(たとえば4つ)の突出部42とを一体に有している。弾性体25の各突出部42が筒状体内周面34aに摺接することにより、弾性体25によって外輪21が弾性支持され、これにより、外輪21が調芯される。筒状部41は、外輪21の内筒外周面31bに形成された環状溝44に収容配置され、この状態で、外輪21の内筒外周面31bへの固定が図られている。
図4Bに示すように、筒状部41は、断面多角形状(図4Bの例では、正断面8角形状)をなしている。図4Bの例では、1つ間を空けた4つの面41aから、複数(たとえば4つ)の突出部42が突出している。4つの突出部42は、周方向Yに等間隔に配置されている。
図5に示すように、各突出部42は、周方向Yに沿って延びる片持ち梁状をなす板ばねである。複数の突出部42の周方向Yの突出方向の向きは、互いに共通している(図4Bで示す時計回り)。突出部42の幅は、筒状部41の直径のたとえば約1/8である。
図5に示すように、各突出部42は、周方向Yに沿って延びる片持ち梁状をなす板ばねである。複数の突出部42の周方向Yの突出方向の向きは、互いに共通している(図4Bで示す時計回り)。突出部42の幅は、筒状部41の直径のたとえば約1/8である。
各突出部42は、径方向Zの外側に凸になるように屈曲し、軸方向Xに沿って延びる外端縁42aが内輪23の筒状体内周面34aに摺接している。図4の例では、突出部42の外端縁42aが、重心対応位置38gにおいて筒状体内周面34aに摺接している。
この実施形態では、外端縁42aはアール状をなしている。このアールの直径を調整することにより、突出部42(外端縁42a)と筒状体内周面34aとの間に発生する動摩擦を安定化させることができる。
この実施形態では、外端縁42aはアール状をなしている。このアールの直径を調整することにより、突出部42(外端縁42a)と筒状体内周面34aとの間に発生する動摩擦を安定化させることができる。
また、各突出部42の先端縁42bは、突出部42の自由状態で筒状部41よりも径方向Zの外方に位置している。板状の鋼材に打ち抜きにより穴43を形成して突出部42を設け、これを、円筒状に並べて一体化を図ることにより、弾性体25が形成されている。
また、弾性体25の突出部42の外端縁42aが軸方向Xに沿って延びている。すなわち、弾性体25と内周面34aとの間の接触が軸方向Xに長く確保されている。
また、弾性体25の突出部42の外端縁42aが軸方向Xに沿って延びている。すなわち、弾性体25と内周面34aとの間の接触が軸方向Xに長く確保されている。
また、弾性体25が、環状の筒状部41と、筒状部41に支持されて筒状体内周面34aに摺接する複数の突出部42とを一体に有しているので、径方向Zに弾性変形可能な弾性体25を第1の空間38に配置する構成を、比較的簡易な構造で実現できる。
1つの弾性体25に含まれる突出部42の個数は、4個未満であってもよいし、5個以上であってもよい。
1つの弾性体25に含まれる突出部42の個数は、4個未満であってもよいし、5個以上であってもよい。
図3に示すように、保持器26は、複数(たとえば4つ)の転動体24を周方向Yに一定間隔おきに保持する円筒状の保持器である。保持器26は、径方向Zに貫通する複数(転動体24と同数。たとえば4つ)のポケット穴26aが、周方向Yに等間隔で並んで形成されている。保持器26は、外輪21の外筒内周面32aと内輪23の筒状体外周面34bとの間に収容される。保持器26の各ポケット穴26aには、転動体24が1つずつ収容されている。前述のように、各転動体24が、各くさび空間37内において周方向Yに転動自在であるので、複数の転動体24の転動に伴って、保持器26も周方向Yに転動する。保持器26として、打抜き保持器、もみ抜き保持器、成形保持器等を採用できる。
図3に示すように、転動体付勢ユニット27は、保持器26に保持されている各転動体24を、くさび空間37のY方向の中央部に向けて弾力付勢する。この実施形態では、転動体付勢ユニット27は、保持器26を弾力付勢している。転動体付勢ユニット27として、板ばね等が用いられている。転動体付勢ユニット27の径方向Zの内側端部が内輪23の筒状体外周面34bに固定され、また、転動体付勢ユニット27の径方向Zの外側端部が保持器26に接続されている。図3の例では、転動体付勢ユニット27が、周方向Yに分散して複数設けられているが、1つのみ設けられた構成であってもよい。また、転動体付勢ユニット27が、保持器26でなく、各転動体24を直接付勢するような構成としてもよい。転動体付勢ユニット27は、板ばねに限られず、コイルばね等の他のばね部材を用いて構成することもできる。
外輪21は、第1の隔壁W1に、内軸22および内輪23を介して、弾性体25によって弾性支持されている。すなわち、第1の隔壁W1に外輪21が直接固定されているわけではないので、第1の隔壁W1に対する外輪21の姿勢は不安定である。そのため、弾性体25による弾性支持の状況によっては、弾性体25による弾性支持のみでは、外輪21が内軸22に対して傾斜するおそれもある。そのため、この実施形態では、外輪21の姿勢を補助的に支持すべく、第1の弾性押圧ユニット(弾性押圧手段)28Aおよび第2の弾性押圧ユニット(弾性押圧手段)28Bを設けている。
第1の弾性押圧ユニット28Aは、円環状であり、外輪21と一体回転可能に第1の隔壁W1に支持されている。第1の弾性押圧ユニット28Aは、リングワッシャ等のスラスト軸受と、このスラスト軸受を第2の軸方向X2に向けて弾力付勢する(予圧を付与する)弾性部材(たとえば、コイルばねや板ばね等のばね部材)とを含む。第1の弾性押圧ユニット28Aがゴムリング等を含む構成であってもよい。
第2の弾性押圧ユニット28Bは、円環状であり、外輪21と一体回転可能に第2の隔壁W2に支持されている。第2の弾性押圧ユニット28Bは、リングワッシャ等のスラスト軸受と、このスラスト軸受を第1の軸方向X1に向けて弾力付勢する(予圧を付与する)弾性部材(たとえば、コイルばねや板ばね等のばね部材)とを含む。第2の弾性押圧ユニット28Bがゴムリング等を含む構成であってもよい。
この実施形態では、第1および第2の弾性押圧ユニット28A,28Bによって軸方向Xに向かう力を外輪21に付与することにより、外輪21の姿勢を、その軸心が軸方向Xに沿う姿勢に促すことができる。これにより、内軸22に対する外輪21の傾斜を補助的に抑制できる。
摩擦弾性支持ユニット29は、ウォームホイール14を、ウォームホイール14を介して第1の軸方向X1側に配置された荷重支持部材30に向けて、第1の軸方向X1側に弾性的に押圧する。摩擦弾性支持ユニット29は、ウォームホイール14の一側面にそれぞれ摺接し、ウォームホイール14および外輪21を、静摩擦力が発生する状態で弾性支持している。摩擦弾性支持ユニット29は、リングワッシャ等のスラスト軸受と、このスラスト軸受を第1の軸方向X1に向けて弾力付勢する弾性部材(たとえば、コイルばねや板ばね等のばね部材)とを含む。摩擦弾性支持ユニット29が、ゴムリング等を含む構成であってもよい。
摩擦弾性支持ユニット29は、ウォームホイール14を、ウォームホイール14を介して第1の軸方向X1側に配置された荷重支持部材30に向けて、第1の軸方向X1側に弾性的に押圧する。摩擦弾性支持ユニット29は、ウォームホイール14の一側面にそれぞれ摺接し、ウォームホイール14および外輪21を、静摩擦力が発生する状態で弾性支持している。摩擦弾性支持ユニット29は、リングワッシャ等のスラスト軸受と、このスラスト軸受を第1の軸方向X1に向けて弾力付勢する弾性部材(たとえば、コイルばねや板ばね等のばね部材)とを含む。摩擦弾性支持ユニット29が、ゴムリング等を含む構成であってもよい。
荷重支持部材30は、ウォームホイール14の他側面(前記一側面とは反対側の側面)に摺接している。図2の例では、荷重支持部材30は、軸方向Xに弾性変形しない柱状体によって設けられており、第1の隔壁W1に固定されている。なお、荷重支持部材30が、ウォームホイール14の他側面(前記一側面とは反対側の側面)を第2の軸方向X2に向けて弾性的に押圧する弾性部材を含む構成であってもよい。
クラッチ装置8は、外輪21と内輪23との間でトルクを伝達する接続状態と、外輪21と内輪23との間でトルク伝達が切断された切断状態との間で切り替えられる。クラッチ装置8は、減速機6の噛み合い領域19からのラジアル荷重が外輪21に付与されていない状態で切断状態になり、かつ前記噛み合い領域19からのラジアル荷重が外輪21に付与されている状態で接続状態になる。
図6は、モータ5の正方向の駆動中(トルクT伝達中)における、クラッチ装置8の状態を示す断面図である。図7および図8は、モータ5の駆動中において、出力軸7に逆入力があった場合における、クラッチ装置8の状態を示す断面図である。なお、図示の簡略化のため、図6〜図8では、弾性体25や、転動体付勢ユニット27、キー49の図示を省略している(後述する図9も同様)。
以下、図1〜図8を参照しながら、クラッチ装置8の状態の遷移について説明する。
図3では、モータ5(図1参照)の駆動前におけるクラッチ装置8の状態を示している。この状態では、トルク伝達時でないために、噛み合い領域19から外輪21にラジアル荷重RL(図4等参照)は付与されていない。ラジアル荷重RLが外輪21に付与されていない状態では、外輪21が内輪23と同軸になるような初期位置に配置され、かつ各転動体24はくさび空間37のY方向の中央部に向けて付勢している。したがって、モータ5の通電開始前、すなわちモータ5の駆動前においては、図3に示すように、各転動体24が筒状体外周面34bまたは外筒内周面32aに係合せずに隙間Sを生じるような状態になる。すなわち、クラッチ装置8が切断状態になる。
図3では、モータ5(図1参照)の駆動前におけるクラッチ装置8の状態を示している。この状態では、トルク伝達時でないために、噛み合い領域19から外輪21にラジアル荷重RL(図4等参照)は付与されていない。ラジアル荷重RLが外輪21に付与されていない状態では、外輪21が内輪23と同軸になるような初期位置に配置され、かつ各転動体24はくさび空間37のY方向の中央部に向けて付勢している。したがって、モータ5の通電開始前、すなわちモータ5の駆動前においては、図3に示すように、各転動体24が筒状体外周面34bまたは外筒内周面32aに係合せずに隙間Sを生じるような状態になる。すなわち、クラッチ装置8が切断状態になる。
図3に示す状態からモータ5への通電を開始させて、モータ5を正方向に回転させる。モータ5の正方向の回転に伴って、第2のギヤ10(図1参照)および外輪21が第1の回転方向Dr1に回転する。モータ5の駆動開始に伴って、噛み合い領域19では、第2のギヤ10に、第1のギヤ9からの噛み合い反力が発生する。モータ5の駆動開始時には、噛み合い反力は小さいが、その後、噛み合い反力は徐々に大きくなる。そして、第2のギヤ10が第1のギヤ9から受ける噛み合い反力の径方向Z成分がラジアル荷重RLとして付与される。第2のギヤ10が外輪21の外周に外嵌固定されているので、噛み合い反力の径方向Z成分がラジアル荷重RLとしてダイレクトに作用する。弾性体25によって外輪21が弾性支持されているので、ラジアル荷重RLの第2のギヤ10への付与により、外輪21が径方向Zに沿って内輪23に接近し、噛み合い領域19において外輪21と内輪23との軌道隙間が減少する。
このとき、4つのくさび空間37のうち、噛み合い領域19に最も近いくさび空間37(換言すると、ラジアル荷重RLの負荷圏のくさび空間37)において、転動体24と外筒内周面32aとの間の隙間Sが詰まる。以降の説明において、ラジアル荷重RLの負荷圏のくさび空間37に介在している転動体24を「第1の転動体24A」と呼ぶことがある。
モータ5の駆動がさらに続行されると、噛み合い領域19における外輪21と内輪23との軌道隙間がさらに減少し、第1の転動体24Aと外筒内周面32aとの間の隙間Sが零になり、第1の転動体24Aが外筒内周面32aおよび筒状体外周面34bの双方に係合するようになる。モータ5の駆動開始後には、外輪21が内輪23に対し回転しているので、外筒内周面32aおよび筒状体外周面34bの双方に係合した転動体24は、その後、外輪21の回転に伴ってくさび空間37内を第1の回転方向Dr1に向けて転動する。保持器26によって4つの転動体24が周方向Yに互いに同伴転動可能に保持されているので、第1の転動体24Aの転動に伴って、残りの3つの転動体24も第1の回転方向Dr1に向けて転動する。その後、これら残りの転動体24は、図6に示すように、くさび空間37の周方向の端部において、外筒内周面32aおよび筒状体外周面34bの双方に係合する。そして、4つの転動体24の全てが外筒内周面32aおよび筒状体外周面34bの双方に係合することにより、クラッチ装置8が接続状態になる。この状態で、第2のギヤ10からのトルクTが、クラッチ装置8を介して出力軸7に伝達される。この場合、出力軸7により回転ドラム4を一方向に回転させることができ、これにより、ケーブル3が駆動(巻き取りまたは緩める)されて、スライドドアが開かれまたは閉じられる。
図6に示す状態において、モータ5の通電が停止されると(すなわちモータ5の駆動が停止されると)、噛み合い領域19に噛み合い反力が生じなくなる。その結果、それまで外輪21に付与されていたトルクTがなくなる。そのため、転動体24を、くさび空間37の周方向の一端部(すなわち係合位置)に保持しておくための力がなくなり、転動体付勢ユニット27(図2および図3参照)の弾力付勢を受けて、各転動体24が、対応するくさび空間37のY方向の中央部に向けて転動される。これにより、各転動体24が外筒内周面32aに係合しなくなる。これにより、クラッチ装置8が、それまでの接続状態から切断状態に復帰する。
次に、モータ5の駆動中において、出力軸7に逆入力があった場合を検討する。
出力軸7への逆入力が、出力軸7の回転方向(第1の回転方向Dr2)と逆方向(すなわち、第2の回転方向Dr2)に内輪23が回転する方向の入力である場合には、各転動体24と外筒内周面32aおよび筒状体外周面34bとの噛み合いを強める方向に出力軸7および内輪23が回転するため、特段の問題はない。
出力軸7への逆入力が、出力軸7の回転方向(第1の回転方向Dr2)と逆方向(すなわち、第2の回転方向Dr2)に内輪23が回転する方向の入力である場合には、各転動体24と外筒内周面32aおよび筒状体外周面34bとの噛み合いを強める方向に出力軸7および内輪23が回転するため、特段の問題はない。
図7および図8を参照しながら、出力軸7への逆入力が、出力軸7の回転方向(第1の回転方向Dr1)と同方向(すなわち、第1の回転方向Dr1)に内輪23が回転する方向の入力である場合について検討する。
この場合、出力軸7への逆入力に伴って、内輪23が外輪21に対して第2の回転方向Dr2に向けて回動する。外輪21に対する内輪23の回動に伴って、転動体24は、くさび空間37内を第1の回転方向Dr1に向けて転動する。このとき、転動体24は、筒状体外周面34bとの間の隙間を零に保ちながら転動する。図7では、各転動体24が、対応するくさび空間37の周方向Yの中央部に配置されている状態を示している。さらに、出力軸7への逆入力が続行された場合、図8に示すように、各転動体24がくさび空間37の周方向の他端部において、外筒内周面32aおよび筒状体外周面34bの双方に係合する。そして、4つの転動体24の全てが外筒内周面32aおよび筒状体外周面34bの双方に係合することにより、クラッチ装置8が接続状態になる。この状態で、第2のギヤ10からのトルクTが、クラッチ装置8を介して出力軸7に伝達される。
この場合、出力軸7への逆入力に伴って、内輪23が外輪21に対して第2の回転方向Dr2に向けて回動する。外輪21に対する内輪23の回動に伴って、転動体24は、くさび空間37内を第1の回転方向Dr1に向けて転動する。このとき、転動体24は、筒状体外周面34bとの間の隙間を零に保ちながら転動する。図7では、各転動体24が、対応するくさび空間37の周方向Yの中央部に配置されている状態を示している。さらに、出力軸7への逆入力が続行された場合、図8に示すように、各転動体24がくさび空間37の周方向の他端部において、外筒内周面32aおよび筒状体外周面34bの双方に係合する。そして、4つの転動体24の全てが外筒内周面32aおよび筒状体外周面34bの双方に係合することにより、クラッチ装置8が接続状態になる。この状態で、第2のギヤ10からのトルクTが、クラッチ装置8を介して出力軸7に伝達される。
なお、ウォーム軸13およびウォームホイール14を含む構成の減速機6は、減速比が大きいために、逆入力は減速機6においてキャンセルされる。
図9は、モータ5の逆方向の駆動中(トルクT伝達中)におけるクラッチ装置8の状態を示す断面図である。図3に示す状態からモータ5への通電を開始させて、モータ5を逆方向に回転させる。モータ5の逆方向の回転に伴って、図9に示すように、第2のギヤ10および外輪21が第2の回転方向Dr2に回転する。モータ5の駆動開始に伴って、噛み合い領域19では、第2のギヤ10に、第1のギヤ9からの噛み合い反力が発生する。第2のギヤ10に発生する噛み合い反力の径方向Z成分がラジアル荷重RLとして外輪21に付与されることにより、外輪21が径方向Zに沿って内輪23に接近し、これにより、噛み合い領域19における外輪21と内輪23との軌道隙間がさらに減少し(すなわち、第1の転動体24Aと外筒内周面32aとの間の隙間Sが詰まり)、さらに、モータ5の駆動が続行されると、隙間Sが零になり、第1の転動体24Aが外筒内周面32aおよび筒状体外周面34bの双方に係合するようになる。モータ5の駆動開始後には、外輪21が内輪23に対し回転している。外筒内周面32aおよび筒状体外周面34bの双方に係合した第1の転動体24Aは、外輪21の回転に伴ってくさび空間37内を第2の回転方向Dr2に向けて転動し、これに伴って、残りの3つの転動体24も第2の回転方向Dr2に向けて転動する。その後、これら残りの転動体24は、図9に示すように、くさび空間37の周方向Yの他端部において、外筒内周面32aおよび筒状体外周面34bの双方に係合する。4つの転動体24の全てが外筒内周面32aおよび筒状体外周面34bの双方に係合することによりクラッチ装置8が接続状態になり、この状態で、第2のギヤ10からのトルクTが出力軸7に伝達される。その後、モータ5の駆動が継続している間、クラッチ装置8は接続状態のまま保たれる。この場合、出力軸7により回転ドラム4を他方向に回転させることができ、これにより、ケーブル3が駆動(緩めるまたは巻き取る)されて、スライドドアが閉じられまたは開かれる。
図9は、モータ5の逆方向の駆動中(トルクT伝達中)におけるクラッチ装置8の状態を示す断面図である。図3に示す状態からモータ5への通電を開始させて、モータ5を逆方向に回転させる。モータ5の逆方向の回転に伴って、図9に示すように、第2のギヤ10および外輪21が第2の回転方向Dr2に回転する。モータ5の駆動開始に伴って、噛み合い領域19では、第2のギヤ10に、第1のギヤ9からの噛み合い反力が発生する。第2のギヤ10に発生する噛み合い反力の径方向Z成分がラジアル荷重RLとして外輪21に付与されることにより、外輪21が径方向Zに沿って内輪23に接近し、これにより、噛み合い領域19における外輪21と内輪23との軌道隙間がさらに減少し(すなわち、第1の転動体24Aと外筒内周面32aとの間の隙間Sが詰まり)、さらに、モータ5の駆動が続行されると、隙間Sが零になり、第1の転動体24Aが外筒内周面32aおよび筒状体外周面34bの双方に係合するようになる。モータ5の駆動開始後には、外輪21が内輪23に対し回転している。外筒内周面32aおよび筒状体外周面34bの双方に係合した第1の転動体24Aは、外輪21の回転に伴ってくさび空間37内を第2の回転方向Dr2に向けて転動し、これに伴って、残りの3つの転動体24も第2の回転方向Dr2に向けて転動する。その後、これら残りの転動体24は、図9に示すように、くさび空間37の周方向Yの他端部において、外筒内周面32aおよび筒状体外周面34bの双方に係合する。4つの転動体24の全てが外筒内周面32aおよび筒状体外周面34bの双方に係合することによりクラッチ装置8が接続状態になり、この状態で、第2のギヤ10からのトルクTが出力軸7に伝達される。その後、モータ5の駆動が継続している間、クラッチ装置8は接続状態のまま保たれる。この場合、出力軸7により回転ドラム4を他方向に回転させることができ、これにより、ケーブル3が駆動(緩めるまたは巻き取る)されて、スライドドアが閉じられまたは開かれる。
以上によりこの実施形態によれば、外輪21の外筒内周面34aと内輪23の筒状体外周面34bとの間に形成される各くさび空間37に転動体24が配置されている。また、内輪23と外輪21との間の第1の空間38に弾性体25が配置されている。外輪21を弾性支持する弾性体25が径方向Zに弾性変形可能であるので、噛み合い領域19におけるにおける外輪21と内輪23との軌道隙間を変更できる。
さらに、第1の空間38が、内輪23の筒状体34の筒状体内周面34aと、外輪21の内筒31の内筒外周面31bとの間の第1の空間38に形成されている。より具体的には、弾性体25が、外輪21の重心位置21gと軸方向Xに揃う重心対応位置38gに配置されている。外輪を弾性支持する弾性体25を、第1の空間38に配置されているので、転動体24と干渉することなく、弾性体25によって弾性支持することができる。しかも、弾性体25が、重心対応位置38gに配置されているので、弾性体25によって、軸方向Xにおける外輪21の釣り合いをとりながら、外輪21を弾性支持できる。これにより、内軸22に対して外輪21が傾斜するのをより一層抑制または防止しながら、弾性体25によって外輪を弾性支持できる。また、弾性体25によって外輪21を1箇所で支持しているので、クラッチ装置8の軸方向の小型化を図ることが可能である。
ゆえに、内軸22に対して外輪21が傾斜するのを抑制または防止し、かつ軸方向Xの小型化を図りながら、ラジアル荷重RLの付与により外輪21と内輪23との軌道隙間を局所的に変更可能なクラッチ装置8を提供することができる。
また、弾性体25の突出部42の外端縁42aが軸方向Xに沿って延びているので、弾性体25と筒状体内周面34aとの間の接触を軸方向Xに長く確保することができ、これにより、内軸34に対する外輪21の傾斜を、より効果的に抑制または防止できる。
また、弾性体25の突出部42の外端縁42aが軸方向Xに沿って延びているので、弾性体25と筒状体内周面34aとの間の接触を軸方向Xに長く確保することができ、これにより、内軸34に対する外輪21の傾斜を、より効果的に抑制または防止できる。
また、外輪21が、内筒31と外筒32との第1の軸方向X1側の端部31c,32c同士を接続する第1の接続部33を含み、さらに、内輪23が、筒状体34の第2の軸方向X2側の端部34cと内軸22とを接続する第2の接続部35とを含むので、内輪23の筒状体34を外輪21の外筒32および外輪21の内筒31の間に介在させる構成を簡易な構造で実現できる。
図10は、本発明の他の実施形態に係るクラッチ装置208の断面図である。
図10に係るクラッチ装置208が、図1に係るクラッチ装置8と相違する点は、弾性体25が、第1の空間38ではなく、内筒内周面31aと内軸外周面22bとの間の第2の空間238に配置されている点である。この実施形態では、内軸22が回転体に相当し、内筒31が包囲体に相当する。弾性体25が、第2の空間238において、外輪21の重心位置21gと軸方向Xに揃う重心対応位置238gに配置されている。すなわち、弾性部材のばね部42(図4参照)の外端縁42a(図4参照)が、重心対応位置238gにおいて内筒内周面31aに摺接している。
図10に係るクラッチ装置208が、図1に係るクラッチ装置8と相違する点は、弾性体25が、第1の空間38ではなく、内筒内周面31aと内軸外周面22bとの間の第2の空間238に配置されている点である。この実施形態では、内軸22が回転体に相当し、内筒31が包囲体に相当する。弾性体25が、第2の空間238において、外輪21の重心位置21gと軸方向Xに揃う重心対応位置238gに配置されている。すなわち、弾性部材のばね部42(図4参照)の外端縁42a(図4参照)が、重心対応位置238gにおいて内筒内周面31aに摺接している。
以上、この発明の2つの実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。
たとえば、各実施形態において、筒状部41が断面多角形状をなしているとしたが、筒状部41が円筒状をなしていてもよい。
また、各実施形態において、外端縁42aはアール状に限られず、屈曲形状をなしていてもよい。
たとえば、各実施形態において、筒状部41が断面多角形状をなしているとしたが、筒状部41が円筒状をなしていてもよい。
また、各実施形態において、外端縁42aはアール状に限られず、屈曲形状をなしていてもよい。
また、図10の実施形態が図1の実施形態に組み合わされていてもよい。すなわち、第1の空間38および第2の空間238の双方に弾性体25が配置されていてもよい。
弾性体25による弾性支持のみで、内軸22に対する傾斜なく外輪21を支持できる場合には、第1および第2の弾性押圧ユニット28A,28Bを省略してもよい。
弾性体25が、厳密に、重心対応位置38g,238gに配置されていなくてもよい。とくに、第1および第2の弾性押圧ユニット28A,28Bを設ける場合には、弾性体25が、重心対応位置38g,238gから軸方向Xに離れた位置に配置されていてもよい。
弾性体25による弾性支持のみで、内軸22に対する傾斜なく外輪21を支持できる場合には、第1および第2の弾性押圧ユニット28A,28Bを省略してもよい。
弾性体25が、厳密に、重心対応位置38g,238gに配置されていなくてもよい。とくに、第1および第2の弾性押圧ユニット28A,28Bを設ける場合には、弾性体25が、重心対応位置38g,238gから軸方向Xに離れた位置に配置されていてもよい。
また、内軸22が出力軸7である場合を例に挙げて説明したが、内軸22が入力軸であってもよい。
また、第2のギヤ10は、外輪21に外嵌固定される構成に限られず、外輪21に一体回転可能に連結されていればよい。また、第1および第2のギヤ9,10によって構成される減速機6がウォームギヤを含む構成でなく、他の並行式歯車を含む構成であってもよい。
また、第2のギヤ10は、外輪21に外嵌固定される構成に限られず、外輪21に一体回転可能に連結されていればよい。また、第1および第2のギヤ9,10によって構成される減速機6がウォームギヤを含む構成でなく、他の並行式歯車を含む構成であってもよい。
また、クラッチ装置8,208は、スライドドア駆動用のアクチュエータ1だけでなく、バックドア駆動用のアクチュエータ等他のアクチュエータにも搭載可能である。
また、クラッチ装置8,208は、必ずしも、保持器26や転動体付勢ユニット27、摩擦弾性支持ユニット29、荷重支持部材30を必須の特定事項とはせず、外輪21に付与されるラジアル荷重により、外輪21と内輪23との軌道隙間を局所的に変更させることが可能な構成であれば、その範囲で適宜変更できる。
また、クラッチ装置8,208は、必ずしも、保持器26や転動体付勢ユニット27、摩擦弾性支持ユニット29、荷重支持部材30を必須の特定事項とはせず、外輪21に付与されるラジアル荷重により、外輪21と内輪23との軌道隙間を局所的に変更させることが可能な構成であれば、その範囲で適宜変更できる。
また、弾性体25は、クラッチ装置8,208に搭載される弾性体に限られず、回転体に外嵌されて、筒状の包囲体の内周に摺接する弾性体に広く適用できる。
その他、本発明は特許請求の範囲内で種々の変更を加えることが可能である。
その他、本発明は特許請求の範囲内で種々の変更を加えることが可能である。
8…クラッチ装置、21…外輪、22…内軸(回転体)、22b…内軸外周面(第2の外周面)、23…内輪、24…転動体、25…弾性部材、31…内筒(回転体;包囲体)、31a…内筒内周面(第1の内周面)、31b…内筒外周面(第1の外周面)、32…外筒、32a…外筒内周面(第2の内周面)、34…筒状体(包囲体)、34a…筒状体内周面(第3の内周面)、34b…筒状体外周面(第3の外周面)、37…くさび空間(空隙)、38…第1の空間、38g…重心対応位置、41…本体部、42…ばね部、208…クラッチ装置、238…第2の空間、X…軸方向、Y…周方向、Z…径方向
Claims (2)
- 回転体に装着され、前記回転体を包囲する筒状の包囲体を弾性支持するための弾性体であって、
前記回転体に外嵌された筒状部と、
前記回転体の周方向に間隔を空けて、前記包囲体の径方向の外側に向けて前記筒状部から突出する複数の突出部とを一体に有し、
各前記突出部が、前記周方向に沿って延びる片持ち梁状をなし、かつ前記回転体の径方向の外側に凸になるように屈曲しており、
各前記突出部が、前記包囲体の内周に摺接し、前記回転体の軸方向に沿って延びる外端縁と、前記外端縁に対し前記径方向の内側で、かつ前記筒状部に対し前記径方向の外側に位置する先端縁とを有している、弾性体。 - 第1の内周面と第1の外周面とを有する内筒と、第2の内周面を有し、前記内筒を包囲する外筒とを有する外輪と、
第2の外周面を有する内軸と、
前記第2の内周面に対向する第3の外周面と、前記第1の外周面に所定間隔を空けて対向する第3の内周面とを有し、前記外筒と前記内筒との間に介在する筒状体を有し、前記内軸に一体回転可能に連結された内輪と、
前記第2の内周面と前記第3の外周面との間に前記外輪の周方向に沿って複数形成される、前記周方向の両端部が相対的に狭くかつ前記周方向の中央部が相対的に広い複数の空隙のそれぞれに介在する複数の転動体と、
請求項1に記載の弾性体であって、前記第3の内周面と前記第1の外周面との間の第1の空間、および前記第1の内周面と前記第2の外周面との間の第2の空間の少なくとも一方に配置された前記弾性体とを含み、
前記筒状部が、前記第1の外周面または前記第2の外周面に外嵌され、
前記突出部の前記外端縁が、前記第3の内周面または前記第1の内周面に摺接している、クラッチ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017247942A JP2019113132A (ja) | 2017-12-25 | 2017-12-25 | 弾性体およびそれを備えたクラッチ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017247942A JP2019113132A (ja) | 2017-12-25 | 2017-12-25 | 弾性体およびそれを備えたクラッチ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019113132A true JP2019113132A (ja) | 2019-07-11 |
Family
ID=67223110
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2017247942A Pending JP2019113132A (ja) | 2017-12-25 | 2017-12-25 | 弾性体およびそれを備えたクラッチ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019113132A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021014898A (ja) * | 2019-07-12 | 2021-02-12 | 株式会社オリジン | 角度位置保持装置 |
-
2017
- 2017-12-25 JP JP2017247942A patent/JP2019113132A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021014898A (ja) * | 2019-07-12 | 2021-02-12 | 株式会社オリジン | 角度位置保持装置 |
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