JP2019111966A - 整流装置 - Google Patents

整流装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019111966A
JP2019111966A JP2017247722A JP2017247722A JP2019111966A JP 2019111966 A JP2019111966 A JP 2019111966A JP 2017247722 A JP2017247722 A JP 2017247722A JP 2017247722 A JP2017247722 A JP 2017247722A JP 2019111966 A JP2019111966 A JP 2019111966A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel
air flow
vehicle
turning
control unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017247722A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7037933B2 (ja
Inventor
直人 渡邉
Naoto Watanabe
直人 渡邉
雄作 堂ヶ平
Yusaku Dogahira
雄作 堂ヶ平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Subaru Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Subaru Corp filed Critical Subaru Corp
Priority to JP2017247722A priority Critical patent/JP7037933B2/ja
Publication of JP2019111966A publication Critical patent/JP2019111966A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7037933B2 publication Critical patent/JP7037933B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】車輪の周囲の気流を効果的に整流する整流装置を提供する。【解決手段】車両Vの車輪Wに設けられる整流装置を、車輪の側面部412に周方向に分布して複数設けられ気流を発生する気流発生部100と、車輪の回転角度位置を検出する車輪角検出部31と、車輪の回転中心軸よりも上方の領域に存在する気流発生手段を作動させて車両の後方側への流速成分を有する気流を発生させる制御部10,20とを備える構成とする。【選択図】図4

Description

本発明は、自動車等の車両に設けられ車輪周辺の気流を整流する整流装置に関する。
自動車等の車両の走行時に、車体の周辺には自車両の走行に起因して発生する気流(いわゆる走行風)が形成される。
このような走行風が車体周辺の一部で乱流となり、渦流を形成すると、空気抵抗や空力騒音(風切音)が悪化する原因となる。
特に、車輪及び車輪を収容するホイールハウスの周辺では気流の乱れが発生しやすいことから、様々な手法により車輪周辺の整流を図ることが提案されている。
車両の車輪又はその周辺に設けられる整流装置に関する従来技術として、例えば特許文献1には、車輪を収容するホイールハウス内に突出した整流位置と、車輪との干渉を回避する回避位置との間で移動可能な空力スタビライザを設けることが記載されている。
特許文献2には、車体の側方における空気乱れの発生を抑制するため、ホイールハウスからの空気流の吹き出しを抑制するフィンを設けることが記載されている。
特許文献3には、車両ホイールのディスク部に、気流導引部及び気流補助部を前後に配列した複数のホイールブレードを設けて空気抵抗と騒音を防止することが記載されている。
特許文献4には、タイヤサイド部の温度低減を図るため、タイヤのサイドウォールから突出し車輪の径方向に沿って延在する乱流発生用突起を設けることが記載されている。
また、整流装置に気流を発生させるデバイスを設けることに関する従来技術として、例えば特許文献5には、車体下部に設けられるアンダーカバーの下面部に、車両後方側へ噴出する空気流を発生させるプラズマアクチュエータを設けることが記載されている。
特開2007−253929号公報 特開2015− 9749号公報 特開2014−227168号公報 国際公開WO2008/114668 特開2016−222152号公報
車両が前進方向に走行する際に、転動する車輪の回転中心軸よりも上方の領域では、車輪の表面は車体が前進する以上の速度で前進することになる。
例えば、車輪の上端部に着目すると、車体の速度の約2倍の速度で進行することになる。
このとき、車輪上部の周囲では、走行風と車輪との衝突によって比較的強い乱流が発生し、空気抵抗の増大や空力騒音発生の原因となる。
このような車輪の回転に起因する乱流の発生を、空気抵抗や空力騒音を低減したり、操縦安定性を向上するため、適切に制御することが要望されている。
本発明の課題は、車輪の周囲の気流を効果的に整流する整流装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、車両の車輪に設けられる整流装置であって、前記車輪の側面部に周方向に分布して複数設けられ気流を発生する気流発生部と、前記車輪の回転角度位置を検出する車輪角検出部と、前記車輪の回転中心軸よりも上方の領域に存在する前記気流発生手段を作動させて前記車両の後方側への流速成分を有する気流を発生させる制御部とを備えることを特徴とする整流装置である。
これによれば、車輪における車両前方からの走行風に対して向かい風となる領域において、車両の後方側への流速成分を有する気流を発生させることによって、走行風を車両後方側へスムースに案内して車輪の周囲に渦を伴う乱流が発生することを防止できる。
これによって、車体側面に形成される気流を整流し、車両の空気抵抗を低減することができる。
また、空力騒音(風切音)を抑制して車両の快適性、質感を向上することができる。
請求項2に係る発明は、車両の車輪に設けられる整流装置であって、前記車輪の側面部に周方向に分布して複数設けられ気流を発生する気流発生部と、前記車輪の回転角度位置を検出する車輪角検出部と、前記車両の旋回状態を検出する旋回状態検出部と、前記車両の旋回時に、旋回外輪側の前記車輪の回転中心軸よりも上方の領域に存在する前記気流発生手段を作動させて前記車両の後方側への流速成分を有する気流を発生させる制御部とを備えることを特徴とする整流装置である。
これによれば、旋回外輪側における車輪における車両前方からの走行風に対して向かい風となる領域において、車両の後方側への流速成分を有する気流を発生させることによって、走行風を車両後方側へスムースに案内して車輪の周囲に渦を伴う乱流が発生することを防止し、乱流の発生に起因する負圧を抑制することができる。
このため、旋回外輪側の車体側面部が受ける空気の圧力が旋回内輪側に対して相対的に高くなり、旋回時のロール挙動を抑制する方向のロールモーメントを発生し、車体のロール角を低減して操縦安定性を向上することができる。
請求項3に係る発明は、前記制御部は、前記車両の旋回時に、旋回内輪側の前記車輪の回転中心軸よりも上方の領域に存在する気流発生手段を作動させて前記車両の前方側への流速成分を有する気流を発生させることを特徴とする請求項2に記載の整流装置である。
これによれば、旋回内輪側においては旋回外輪側と逆方向の気流を発生させることによって、車輪周辺における乱流の発生を促進し、より強力な負圧を形成することができる。
このため、旋回外輪側、内輪側の車体側面部が受ける空気の圧力の差を拡大してロール挙動を抑制する方向のロールモーメントを強化し、車体のロール角をより低減して操縦安定性をいっそう向上することができる。
請求項4に係る発明は、車両の車輪に設けられる整流装置であって、前記車輪の側面部に周方向に分布して複数設けられ気流を発生する気流発生部と、前記車輪の回転角度位置を検出する車輪角検出部と、前記車両の旋回状態を検出する旋回状態検出部と、前記車両の旋回時に、旋回外輪側の前輪と旋回内輪側の後輪との少なくとも一方の前記車輪の回転中心軸よりも上方の領域に存在する前記気流発生手段を作動させて前記車両の後方側への流速成分を有する気流を発生させる制御部とを備えることを特徴とする整流装置である。
これによれば、旋回外輪側の前輪と旋回内輪側の後輪との少なくとも一方における車両前方からの走行風に対して向かい風となる領域において、車両の後方側への流速成分を有する気流を発生させることによって、走行風を車両後方側へスムースに案内して車輪の周囲に渦を伴う乱流が発生することを防止し、乱流の発生に起因する負圧を抑制することができる。
このため、旋回外輪側の前輪と旋回内輪側の後輪との少なくとも一方の周辺部における車体側面部が受ける空気の圧力がその他の箇所に対して相対的に高くなり、車体のヨーイングを促進する(ヨーレートを増加させる)方向のヨーモーメントを発生させ、アンダーステア挙動の抑制や旋回初期の応答性向上を図ることができ、車両の操縦安定性を向上することができる。
請求項5に係る発明は、前記制御部は、前記車両の旋回時に、旋回内輪側の前輪と旋回外輪側の後輪との少なくとも一方の前記車輪の回転中心軸よりも上方の領域に存在する前記気流発生手段を作動させて前記車両の前方側への流速成分を有する気流を発生させることを特徴とする請求項4に記載の整流装置である。
これによれば、旋回内輪側の前輪と旋回外輪側の後輪との少なくとも一方の車輪周辺における乱流の発生を促進し、より強力な負圧を形成することができる。
このため、車体左右側面が受ける空気の圧力差を拡大し、車体のヨーイングを促進する方向のより強力なヨーモーメントを発生させることができる。
請求項6に係る発明は、車両の車輪に設けられる整流装置であって、前記車輪の側面部に周方向に分布して複数設けられ気流を発生する気流発生部と、前記車輪の回転角度位置を検出する車輪角検出部と、前記車両の旋回状態を検出する旋回状態検出部と、前記車両の旋回時に、旋回内輪側の前輪と旋回外輪側の後輪との少なくとも一方の前記車輪の回転中心軸よりも上方の領域に存在する前記気流発生手段を作動させて前記車両の後方側への流速成分を有する気流を発生させる制御部とを備えることを特徴とする整流装置である。
これによれば、旋回内輪側の前輪と旋回外輪側の後輪との少なくとも一方における車両前方からの走行風に対して向かい風となる領域において、車両の後方側への流速成分を有する気流を発生させることによって、走行風を車両後方側へスムースに案内して車輪の周囲に渦を伴う乱流が発生することを防止し、乱流の発生に起因する負圧を抑制することができる。
このため、旋回内輪側の前輪と旋回外輪側の後輪との少なくとも一方の周辺部における車体側面部が受ける空気の圧力がその他の箇所に対して相対的に高くなり、車体のヨーイングを抑制する(ヨーレートを減少させる)方向のヨーモーメントを発生させ、オーバーステア挙動の抑制や定常旋回時の安定性向上を図ることができ、車両の操縦安定性を向上することができる。
請求項7に係る発明は、前記制御部は、前記車両の旋回時に、旋回外輪側の前輪と旋回内輪側の後輪との少なくとも一方の前記車輪の回転中心軸よりも上方の領域に存在する前記気流発生手段を作動させて前記車両の前方側への流速成分を有する気流を発生させることを特徴とする請求項6に記載の整流装置である。
これによれば、旋回外輪側の前輪と旋回内輪側の後輪との少なくとも一方の車輪周辺における乱流の発生を促進し、より強力な負圧を形成することができる。
このため、車体左右側面が受ける空気の圧力差を拡大し、車体のヨーイングを抑制する方向のより強力なヨーモーメントを発生させることができる。
請求項8に係る発明は、前記気流発生部は、誘電体を挟んで配置された一対の電極及び前記電力に交流電圧を印加する電源を有するプラズマアクチュエータであることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の整流装置である。
これによれば、可動部分を持たないシンプルな構成により応答性良く気流を発生させることが可能であり、上述した効果を確実に得ることができる。
請求項9に係る発明は、前記制御部は、前記車輪の回転中心軸回りにおける角度位置が、前記車輪の上端部から前後方向に45°の範囲内に存在する前記気流発生部を作動させることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の整流装置である。
これによれば、気流発生部が気流を発生する角度位置を最適化し、上述した効果を確実に得ることができる。
請求項10に係る発明は、発生する気流の方向と前記車輪の周方向とがなす角度が相互に異なるよう相互に傾斜して配置された複数の前記気流発生部からなる気流発生部群が前記車輪の周方向に分布して複数配置され、前記制御部は、前記車輪の回転に応じて、前記気流発生部群に属する前記気流発生部のうち駆動される気流発生部を、前記車両の後方側への流速成分が大きいものを優先して設定することを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の整流装置である。
これによれば、相互に傾斜して配置された複数の気流発生部のなかから、車両の後方側への流速成分が大きいものを優先して駆動することにより、気流による整流効果を高め、効率的な整流を行うことができる。
請求項11に係る発明は、前記気流発生部は、前記車輪の回転中心軸方向から見たときに長手方向と実質的に直交する方向に気流を発生し、前記気流発生部群は、複数の気流発生部をその長手方向が前記車輪の外径側に開いた放射状に配置して構成されることを特徴とする請求項10に記載の整流装置である。
これによれば、気流発生部群を車輪の周方向に高い密度で配置することが可能となる。
請求項12に係る発明は、前記制御部は、前輪の前記車輪に設けられた前記気流発生部が作動する前記回転中心軸回りにおける角度位置の範囲を、前記前輪の舵角及び仮想キングピンの幾何学的配置に基づいて補正することを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の整流装置である。
これによれば、前輪の転舵時に回転中心軸となる仮想キングピンの傾斜に起因する前輪の角度位置のずれ(例えば上端となる角度位置が直進時と転舵時とでずれる)の影響を補正し、転舵時であっても上述した効果を適切に得ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、車輪の周囲の気流を効果的に整流する整流装置を提供することができる。
本発明を適用した整流装置の第1実施形態を有する車両を側方から見た図である。 第1実施形態の整流装置の構成を模式的に示すブロック図である。 第1実施形態の整流装置に設けられるプラズマアクチュエータの模式的断面図である。 第1実施形態の整流装置における車輪を回転中心軸方向から見た図である。 図4のV−V部矢視断面図である。 第1実施形態の整流装置の動作を示すフローチャートである。 第1実施形態の整流装置におけるドラッグ低減制御時のプラズマアクチュエータの駆動状態を示す図である。 第1実施形態の整流装置におけるロール抑制制御を実行中の車両の状態の一例を示す図である。 第1実施形態の整流装置が設けられる車両における直進時の左前輪の状態を示す模式図である。 第1実施形態の整流装置が設けられる車両における右転舵時の左前輪の状態を示す模式図である。 第1実施形態の整流装置におけるロール抑制制御を実行中の車両の状態の他の例を示す図である。 第1実施形態の整流装置におけるヨー促進制御を実行中の車両の状態の一例を示す図である。 第1実施形態の整流装置におけるヨー促進制御を実行中の車両の状態の他の例を示す図である。 第1実施形態の整流装置におけるヨー抑制制御を実行中の車両の状態の一例を示す図である。 第1実施形態の整流装置におけるヨー抑制制御を実行中の車両の状態の他の例を示す図である。 本発明を適用した整流装置の第2実施形態における車輪を回転中心軸方向から見た図である。 第2実施形態の整流装置におけるプラズマアクチュエータの駆動パターンを示す図である。
<第1実施形態>
以下、本発明を適用した整流装置の第1実施形態について説明する。
第1実施形態の整流装置は、例えば、乗用車等の自動車の車輪に設けられるプラズマアクチュエータ及びその制御装置等を有するものである。
図1は、第1実施形態の整流装置を有する車両を側方から見た図である。
車両Vは、一例として、キャビン310の前後に、エンジンコンパートメント320、及び、ラゲッジスペース330を有する3ボックスの乗用車である。
エンジンコンパートメント320の左右側部、及び、キャビン310の後部における左右側部には、それぞれ車輪Wが収容されるホイールハウスが設けられている。
なお、車輪Wに関しては、右前輪Wfr、左前輪Wfl、右後輪Wrr、左後輪Wrlと添字を付して以下説明、図示する。
図2は、第1実施形態の整流装置の構成を模式的に示すブロック図である。
整流装置1は、プラズマアクチュエータ制御ユニット10、右前輪駆動ユニット20fr、左前輪駆動ユニット20fl、右後輪駆動ユニット20rr、左後輪駆動ユニット20rl、及び、各駆動ユニットによりそれぞれ駆動される複数のプラズマアクチュエータ100を有する。
プラズマアクチュエータ制御ユニット10には、挙動制御ユニット30、電動パワーステアリング制御ユニット40が接続されている。
プラズマアクチュエータ制御ユニット10、挙動制御ユニット30、電動パワーステアリング制御ユニット40は、例えば、CPU等の情報処理装置、RAMやROM等の記憶装置、入出力インターフェイス、及び、これらを接続するバス等をそれぞれ有する。
プラズマアクチュエータ制御ユニット10、挙動制御ユニット30、電動パワーステアリング制御ユニット40は、例えば車載LANの一種であるCAN通信システム等を介して、相互に制御な必要な情報の伝達が可能となっている。
プラズマアクチュエータ制御ユニット10は、車両Vの走行状態に応じて、各車輪に設けられたプラズマアクチュエータ100の状態(作動、非作動及び作動させる場合の気流方向、流速)を個別に制御し、空気抵抗(ドラッグ)の低減、空力騒音(風切音)の抑制、操縦安定性(空力走安性)の向上を図る制御部である。
プラズマアクチュエータ制御ユニット10における具体的な制御に関しては、後に詳しく説明する。
右前輪駆動ユニット20fr、左前輪駆動ユニット20fl、右後輪駆動ユニット20rr、左後輪駆動ユニット20rlは、プラズマアクチュエータ制御ユニット10からの指令に基づいて、各車輪Wfr、Wfl,Wrr、Wrlにそれぞれ設けられた複数のプラズマアクチュエータ100を駆動するものである。
右前輪駆動ユニット20fr、左前輪駆動ユニット20fl、右後輪駆動ユニット20rr、左後輪駆動ユニット20rlは、所定の電圧波形を有する交流電力を発生する電源装置、及び、各プラズマアクチュエータ100への通電状態を個別に切り換えるスイッチ手段等を備えている。
右前輪駆動ユニット20fr、左前輪駆動ユニット20fl、右後輪駆動ユニット20rr、左後輪駆動ユニット20rlが発生する電力は、例えば、スリップリング等を介して、右前輪Wfr、左前輪Wfl、右後輪Wrr、左後輪Wrlにそれぞれ設けられたプラズマアクチュエータ100に伝達される。
挙動制御ユニット30は、車両Vにオーバーステア、アンダーステア等の挙動が発生した場合に、これらの挙動を抑制する方向のヨーモーメントを発生させる挙動制御、及び、サービスブレーキによる制動時のホイールロックを防止するアンチロックブレーキ制御、駆動時に左右駆動輪の駆動力差を発生させるトルクベクタリング制御等を行う制御装置である。
挙動制御ユニット30には、右前輪車速センサ31fr、左前輪車速センサ31fl、右後輪車速センサ31rr、左後輪車速センサ31rl、ヨーレートセンサ32、横Gセンサ33、ハイドロリックコントロールユニット34等が接続されている。
右前輪車速センサ31fr、左前輪車速センサ31fl、右後輪車速センサ31rr、左後輪車速センサ31rlは、それぞれ右前輪Wfr、左前輪Wfl、右後輪Wrr、左後輪Wrlが回転可能に取り付けられるハブ部に設けられ、各車輪の回転中心軸回りにおける角度位置変化に応じたパルス信号を発生するものである。
このパルス信号の周期に基づいて、各車輪の回転速度を算出し、この回転速度及び既知のタイヤ外径から、車両の走行速度(車速)を算出することが可能である。
また、第1実施形態においては、右前輪車速センサ31fr、左前輪車速センサ31fl、右後輪車速センサ31rr、左後輪車速センサ31rlは、それぞれ右前輪Wfr、左前輪Wfl、右後輪Wrr、左後輪Wrlの回転中心軸回りにおける角度位置を検出する車輪角検出部としても機能する。
ヨーレートセンサ32は、車両Vの車体の鉛直軸回りにおける回転の角速度であるヨーレートを検出するセンサである。
横Gセンサ33は、車両Vの車体に作用する車幅方向の加速度(旋回時の求心加速度)を検出するセンサである。
ヨーレートセンサ32及び横Gセンサ33は、例えば、シリコン等の基板上に微細加工技術により形成されたMEMSセンサとして構成されている。
ハイドロリックコントロールユニット34は、各車輪に設けられた液圧式サービスブレーキに供給されるブレーキフルード液圧を個別に制御する液圧制御装置である。
ハイドロリックコントロールユニット34は、ブレーキフルードを加圧する電動ギヤポンプ、及び、各車輪のホイルシリンダに供給される液圧を制御する加圧制御弁、保持弁、減圧制御弁等を有して構成されている。
挙動制御ユニット30は、右前輪車速センサ31fr、左前輪車速センサ31fl、右後輪車速センサ31rr、左後輪車速センサ31rlが車輪Wのロックを検出した場合には、当該車輪のブレーキのホイルシリンダ液圧を減圧して回転を回復させるアンチロックブレーキ制御を行う。
また、挙動制御ユニット30は、車両の車速、前輪舵角、車体横G、路面の推定摩擦係数などから算出される目標ヨーレートと、ヨーレートセンサ31により検出される実際のヨーレート(実ヨーレート)とを比較し、実ヨーレートが目標ヨーレートに対して過少な場合には、アンダーステア状態であると認識して旋回内輪に制動力を発生させ、左右車輪の制駆動力差によりアンダーステア状態を抑制する方向のヨーモーメントを発生させる。
一方、実ヨーレートが目標ヨーレートに対して過大な場合には、オーバーステア状態であると認識して旋回外輪に制動力を発生させ、左右車輪の制駆動力差によりオーバーステア状態を抑制する方向のヨーモーメントを発生させる。
プラズマアクチュエータ制御ユニット10は、挙動制御ユニット30による制駆動力差の発生と協調してプラズマアクチュエータ100の制御を行う機能を有する。
この点について、後に詳しく説明する。
電動パワーステアリング(EPS)制御ユニット40は、電動アクチュエータ(モータ43)により車両Vの操舵系に操舵トルクを付与し、手動運転時においてドライバの操舵力、保舵力を軽減するパワーアシストや、自動運転時、車線逸脱防止制御時、車線維持支援制御時等に、各制御に応じた操舵動作を行う電動パワーステアリング装置を制御するものである。
電動パワーステアリング制御ユニット40は、トルクセンサ41、舵角センサ42の出力が入力されるとともに、モータ43に対して制御指令値を与える。
トルクセンサ41は、ステアリングホイールの回転をステアリングギアボックスに伝達するステアリングコラムに設けられ、ステアリングコラムに作用しているトルクを検出するものである。
舵角センサ42は、現在のステアリング系の舵角を、例えばステアリングコラムの角度位置等に基づいて検出するものである。
モータ43は、操舵系にアシストトルクを付与する電動アクチュエータであって、例えば、ステアリングギアボックス内のステアリングラックに推力を与えるものである。
プラズマアクチュエータ100は、各車輪の側面部に設けられ、気流Fを発生する気流発生手段である。
図3は、プラズマアクチュエータを気流の発生方向と平行な面で切って見た模式的断面図である。
プラズマアクチュエータは、可動部のない構成により気流を誘起する流体制御デバイスである。
本実施形態におけるプラズマアクチュエータ100は、例えば、誘電体バリア放電プラズマアクチュエータ(DBD−PA)である。
プラズマアクチュエータ100は、誘電体110、上部電極120、下部電極130、絶縁体140等を有して構成されている。
誘電体110は、例えばポリテトラフルオロエチレンなどのフッ化炭素樹脂などからなるシート状の部材である。
上部電極120、下部電極130は、例えば銅などの金属薄膜からなる導電テープにより構成されている。
上部電極120は、誘電体110の表面側(車輪Wに取り付けた際、外部に露出する側)に貼付されている。
下部電極130は、誘電体110の裏面側に貼付されている。
上部電極120と下部電極130とは、誘電体110の面方向にオフセットして配置されている。
絶縁体140は、プラズマアクチュエータ100の基部となるシート状の部材であって、誘電体110の裏面側に、下部電極130を覆って設けられている。
プラズマアクチュエータ100の上部電極120と下部電極130に、電源PSによって所定の波形を有する交流電圧を印加すると、電極間にプラズマ放電Pが発生する。
印加電圧は絶縁破壊が生じてプラズマ放電Pが発生する程度の高圧とする必要があり、例えば、1乃至10kV程度とすることができる。
また、印加電圧の周波数は、例えば、1乃至10kHz程度とすることができる。
このとき、プラズマアクチュエータ100の表面側の空気がプラズマ放電Pに誘引され、壁面噴流状の気流Fが発生する。
また、プラズマアクチュエータ100は、印加される交流電圧の波形を制御することにより、気流Fの方向を逆転することも可能となっている。
図4は、第1実施形態の整流装置における車輪を回転中心軸方向から見た図である。
図5は、図4のV−V部矢視断面図である。
第1実施形態の車両Vに設けられる右前輪Wfr、左前輪Wfl、右後輪Wrr、左後輪Wrlは、いずれも以下説明する車輪Wと実質的に同様の構成を有する。
車輪Wは、タイヤ410、リム420、ディスク430等を有して構成されている。
タイヤ410は、例えば、空気入りゴムタイヤであって、スチールベルテッドラジアルタイヤである。
タイヤ410は、トレッド411、サイドウォール412を有する。
トレッド411は、実質的に車輪Wの回転中心軸と同心の円筒状に形成された部分であり、車両の走行時に転動するとともに、下端部において路面と接触する踏面部である。
サイドウォール412は、トレッド411の軸方向における両端部から内径側に張り出して形成されたタイヤ410の側面部である。
サイドウォール412の内周縁部には、リム420により保持されるビード部413(図5参照)が設けられる。
リム420は、タイヤ410の内径側に設けられ、ビード部413を保持するとともに、タイヤ410と協働してタイヤ410の内圧を保持する金属製の部材である。
ディスク430は、リム420の内径側に設けられる円盤状の部分であり、中央部には車輪Wを車両の図示しないハブ部に締結するためのボルト穴431が設けられている。
ディスク430の外径側の領域は、放射状に配列された複数のスポーク432によって構成され、車輪Wの周方向における各スポーク432の間隔は、軽量化及びブレーキの冷却等のため開口部となっている。
リム420及びディスク430は、例えば、アルミニウム系合金等の金属材料により、一体に形成されている。
プラズマアクチュエータ100は、車幅方向外側のサイドウォール412の表面部に、外部に露出するように貼付されている。
プラズマアクチュエータ100は、複数(一例として図4の場合には36個)が車輪Wの周方向に実質的に等間隔に分散して配置されている。
プラズマアクチュエータ100は、車輪Wの回転中心軸方向から見た平面形が実質的に矩形状となっており、その長手方向(長辺方向)と直交する方向(短辺方向)に沿った気流Fを発生する機能を有する。
第1実施形態においては、各プラズマアクチュエータ100は、長手方向が車輪Wの径方向に沿って配置されるとともに、径方向と直交する方向に気流を発生するようになっている。
以下、第1実施形態の整流装置の動作について説明する。
第1実施形態の整流装置においては、車両の運転状態、走行状態に応じて、各車輪に設けられたプラズマアクチュエータ100の駆動、停止、及び、駆動する場合の気流発生方向を切り換えて、空気抵抗の低減や操縦安定性の向上を図っている。
図6は、第1実施形態の整流装置の動作を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:車両運転状態検出>
プラズマアクチュエータ制御ユニット10は、車両Vの運転状態(走行状態)に関する情報を各センサ等から取得する。
車両の運転状態に関する情報として、例えば、車速、舵角、ヨーレート、横Gや、図示しないエンジン制御ユニットから提供されるエンジンの推定出力トルク、図示しないトランスミッション制御ユニットから提供される変速機の変速比(変速段)などに関する情報が含まれる。
その後、ステップS02に進む。
<ステップS02:旋回状態検出>
プラズマアクチュエータ制御ユニット10は、ステップS01において取得した情報に基づいて、車両Vが旋回状態にあるか否かを判別する。
旋回状態が検出された場合はステップS04に進み、旋回状態が検出されない場合(直進状態である場合)はステップS03に進む。
<ステップS03:ドラッグ低減制御>
プラズマアクチュエータ制御ユニット10は、右前輪Wfr、左前輪Wfl、右後輪Wrr,左後輪Wrlにおいて、回転中心軸よりも上方の領域にあるプラズマアクチュエータ100から車両後方側への流速成分を有する気流を発生させ、車両Vの空気抵抗(ドラッグ)を低減するドラッグ低減制御を実行する。
図7は、第1実施形態の整流装置におけるドラッグ低減制御時のプラズマアクチュエータの駆動状態を示す図である。
車輪Wは、図7において、反時計回りに回転しつつ左側に進行する。
ドラッグ低減制御の実行時に、プラズマアクチュエータ制御ユニット10は、車輪Wの回転中心軸Oを通る鉛直線に対して、回転中心O回りに前方及び後方それぞれ45°以内の領域に存在するプラズマアクチュエータ100に、車両後方側への速度成分を含む気流F(図中黒色の矢印により図示する)を発生させる。
このとき、各プラズマアクチュエータ100が発生する気流Fの強さ(流速)は、車両Vの車速の増加に応じて大きくなるように設定される。
ドラッグ低減制御においては、全ての車輪W(右前輪Wfr、左前輪Wfl、右後輪Wrr,左後輪Wrl)において、図7に示すパターンでの気流Fの発生を行う。
これにより、各車輪Wの周囲、特に側面部において、車両前方側からの走行風を後方側へスムースに案内することが可能となり、渦の発生を伴う乱流が発生することを抑制し、車両Vの空気抵抗を抑制することができる。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS04:ヨー抑制制御介入要否判断>
プラズマアクチュエータ制御ユニット10は、ステップS01において取得した情報に基づいて、車両Vの車体にヨーイングを抑制する方向のヨーモーメントを与えるヨー抑制制御を行う必要があるか否かを判別する。
例えば、車両Vの目標ヨーレートに対して実ヨーレートが過大である場合(これらの差分が所定の閾値以上であった場合)に、車両Vがオーバーステア状態にあるものとしてヨー抑制制御を行う必要があると判断する。
また、車両Vの定常旋回時に車両Vの安定性を向上する必要がある場合にも、ヨー抑制制御を行う必要があると判断する。
ヨー抑制制御を行う必要があると判断された場合はステップS08に進み、ヨー抑制制御を行う必要がないと判断された場合はステップS05に進む。
<ステップS05:ヨー促進制御介入要否判断>
プラズマアクチュエータ制御ユニット10は、ステップS01において取得した情報に基づいて、車両Vの車体にヨーイングを促進する方向のヨーモーメントを与えるヨー促進制御を行う必要があるか否かを判別する。
例えば、車両Vの目標ヨーレートに対して実ヨーレートが過小である場合(これらの差分が所定の閾値以上であった場合)に、車両Vがアンダーステア状態にあるものとしてヨー促進制御を行う必要があると判断する。
また、車両Vの旋回初期(ターンイン)時に、車体ヨーイングの立ち上がりを迅速化する必要がある場合にも、ヨー促進制御を行う必要があると判断する。
ヨー促進制御を行う必要があると判断された場合はステップS07に進み、ヨー促進制御を行う必要がないと判断された場合はステップS06に進む。
<ステップS06:ロール抑制制御実行>
プラズマアクチュエータ制御ユニット10は、以下説明するロール抑制制御を実行する。
図8は、第1実施形態の整流装置におけるロール抑制制御を実行中の車両の状態の一例を示す図である。
図8においては、車両が左カーブ路を走行中の状態を示しており、右前輪Wfr、右後輪Wrrが旋回外輪側となり、左前輪Wfl、左後輪Wrlが旋回内輪側となる。(以下説明する図11乃至15において同じ)
また、定常旋回時においては、車両Vの車体は、上方から見て反時計回り方向に回動するヨーイング(ヨー挙動)を示す。
図8に示す状態においては、旋回外輪である右前輪Wfr、右後輪Wrrに設けられたプラズマアクチュエータ100のみを、上述したドラッグ低減制御と実質的に同様に駆動している。
これによって、車体の右側側面部周辺においては、渦を伴う乱流の発生が抑制され、こうした乱流に起因して発生する負圧が抑制される。
一方、車体の左側側面部周辺においては、このようなプラズマアクチュエータ100による乱流抑制効果が得られないことから、車輪の周囲で渦を伴う乱流が発生し、車体側面部近傍において、右側に対して強い負圧となる領域が形成される。
その結果、車体左右の側面部が空気から受ける圧力に差が生じ、この圧力差により車体が旋回内輪側に引き寄せられる力が発生する。
このような力は、通常は車両のロールセンターよりも上方側において作用することから、車体のロールを抑制する方向のロールモーメントが発生し、ロール角が低減する。
なお、操舵により前輪Wfr,Wflが転舵された場合には、プラズマアクチュエータ制御ユニット10は、図7に示した車輪の回転方向におけるプラズマアクチュエータが作動する範囲を、舵角に応じて補正する機能を有する。
図9は、第1実施形態の整流装置が設けられる車両における直進時の左前輪の状態を示す模式図である。
図9(a)は車両前方側から見た状態(図9(b)のa−a矢視図)を示し、図9(b)は車両左側方から見た状態(図9(a)のb−b矢視図)を示している。(図10において同じ)
図9に示すように、左前輪Wflの転舵中心軸線である仮想キングピン軸KPは、図9(a)に示す前面視においては、上方が下方に対して車幅方向内側となるように、所定のキングピン傾斜角だけ内傾しており、図9(b)に示す側面視においては、上方が下方に対して車両後方側となるように、所定のキャスター角だけ後傾している。
仮想キングピン軸KPは、例えば、前輪用サスペンション装置がマクファーソンストラット式である場合には、ストラットトップマウントの中心部と、ハブベアリングハウジング下端部のボールジョイントの中心とを結ぶ直線と実質的に一致する。
図10は、第1実施形態の整流装置が設けられる車両における右転舵時の左前輪の状態を示す模式図である。
図10に示すように、左前輪Wflが転舵され舵角が付与されると、上述したキングピン傾斜角及びキャスター角に起因して、左前輪車速センサ31flによって直進時に検出されるタイヤ上端部の位置と、転舵時における実際のタイヤ上端部の位置との間に偏差Δθが生じる。
プラズマアクチュエータ制御ユニット10は、舵角が発生している場合には、このような偏差Δθの影響を考慮して、タイヤ周上の各プラズマアクチュエータ100が気流を発生する動作範囲(回転中心軸回りにおける角度範囲)を補正するようにしている。
なお、偏差Δθは、前輪用サスペンションのジオメトリ(幾何学的配置)が既知であれば、舵角センサ42が検出する舵角から算出可能である。
なお、このような舵角に応じた補正は、ロール抑制制御に限らず、後述するヨー促進制御、ヨー抑制制御においても同様に行われる。
また、旋回中に車体に作用する求心加速度が大きく、ロール抑制効果をより高める必要がある場合には、以下説明する制御が行われる。
図11は、第1実施形態の整流装置におけるロール抑制制御を実行中の車両の状態の他の例を示す図である。
図11に示す状態においては、図8に示す制御と同様の制御に加えて、旋回内輪である左前輪Wfl、左後輪Wrlに設けられたプラズマアクチュエータ100を、上述したドラッグ低減制御とは逆方向の気流(車体に対して車両前方側へ流れる気流)を発生するよう駆動している。
これによって、車体の左側側面部周辺においては、渦を伴う乱流の発生が促進され、こうした乱流に起因して発生する負圧が促進(圧力低下)される。
その結果、車体左右の側面部が空気から受ける圧力差が拡大し、車体が旋回内輪側へ引き寄せられる力が図8の状態に対して増大する。
これによって、より強力なロール抑制効果を得ることができる。
以上説明したロール抑制制御の実行後、一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS07:ヨー促進制御>
プラズマアクチュエータ制御ユニット10は、以下説明するヨー促進制御を実行する。
図12は、第1実施形態の整流装置におけるヨー促進制御を実行中の車両の状態の一例を示す図である。
図12に示す状態においては、旋回外輪側の前輪である右前輪Wfrと、旋回内輪側の後輪である左後輪Wrlに設けられたプラズマアクチュエータ100のみを、上述したドラッグ低減制御と実質的に同様に駆動している。
これによって、車体前部の右側側面部周辺、及び、車体後部の左側側面部周辺においては、渦を伴う乱流の発生が抑制され、こうした乱流に起因して発生する負圧が抑制される。
一方、車体前部の左側側面部周辺、及び、車体後部の右側側面部周辺においては、このようなプラズマアクチュエータ100による乱流抑制効果が得られないことから、車輪の周囲で渦を伴う乱流が発生し、車体側面部近傍において負圧となる領域が形成される。
その結果、車体左右の側面部が空気から受ける圧力に差が生じ、この圧力差により車体前部が旋回内輪側、車体後部が旋回外輪側に引き寄せられる力が発生する。
このような力は、車体の前後で逆方向に作用することから、車体のヨーイングを促進する方向のヨーモーメントMが発生し、ヨーイングが促進される。
また、例えばアンダーステアの程度が大きい場合のように、車両Vの挙動制御のために必要とされるヨーモーメントMが大きい場合には、以下説明する制御が行われる。
図13は、第1実施形態の整流装置におけるヨー促進制御を実行中の車両の状態の他の例を示す図である。
図13に示す状態においては、図12に示す制御と同様の制御に加えて、旋回内輪側の前輪である左前輪Wflと、旋回外輪側の後輪である右後輪Wrrに設けられたプラズマアクチュエータ100を、上述したドラッグ低減制御とは逆方向の気流(車体に対して車両前方側へ流れる気流)を発生するよう駆動している。
これによって、車体前部の左側側面部周辺、及び、車体後部の右側側面部周辺においては、渦を伴う乱流の発生が促進され、こうした乱流に起因して発生する負圧が促進(増大)される。
その結果、車体左右の側面部が空気から受ける圧力差が拡大し、発生するヨーモーメントMが図12の状態に対して増大する。
これによって、より強力なヨー促進効果を得ることができる。
以上説明したヨー促進制御の実行後、一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS08:ヨー抑制制御>
プラズマアクチュエータ制御ユニット10は、以下説明するヨー抑制制御を実行する。
図14は、第1実施形態の整流装置におけるヨー抑制制御を実行中の車両の状態の一例を示す図である。
図14に示す状態においては、旋回内輪側の前輪である左前輪Wflと、旋回外輪側の後輪である右後輪Wrrに設けられたプラズマアクチュエータ100のみを、上述したドラッグ低減制御と実質的に同様に駆動している。
これによって、車体前部の左側側面部周辺、及び、車体後部の右側側面部周辺においては、渦を伴う乱流の発生が抑制され、こうした乱流に起因して発生する負圧が抑制される。
一方、車体前部の右側側面部周辺、及び、車体後部の左側側面部周辺においては、このようなプラズマアクチュエータ100による乱流抑制効果が得られないことから、車輪の周囲で渦を伴う乱流が発生し、車体側面部近傍において負圧となる領域が形成される。
その結果、車体左右の側面部が空気から受ける圧力に差が生じ、この圧力差により車体前部が旋回外輪側、車体後部が旋回内輪側に引き寄せられる力が発生する。
このような力は、車体の前後で逆方向に作用することから、車体のヨーイングを抑制する方向のヨーモーメントMが発生し、ヨーイングが抑制される。
また、例えばオーバーステアの程度が大きい場合のように、車両Vの挙動制御のために必要とされるヨーモーメントMが大きい場合には、以下説明する制御が行われる。
図15は、第1実施形態の整流装置におけるヨー抑制制御を実行中の車両の状態の他の例を示す図である。
図15に示す状態においては、図14に示す制御と同様の制御に加えて、旋回外輪側の前輪である右前輪Wfrと、旋回内輪側の後輪である左後輪Wrlに設けられたプラズマアクチュエータ100を、上述したドラッグ低減制御とは逆方向の気流(車体に対して車両前方側へ流れる気流)を発生するよう駆動している。
これによって、車体前部の右側側面部周辺、及び、車体後部の左側側面部周辺においては、渦を伴う乱流の発生が促進され、こうした乱流に起因して発生する負圧が促進(増大)される。
その結果、車体左右の側面部が空気から受ける圧力差が拡大し、発生するヨーモーメントMが図14の状態に対して増大する。
これによって、より強力なヨー抑制効果を得ることができる。
以上説明したヨー抑制制御の実行後、一連の処理を終了(リターン)する。
以上説明した第1実施形態によれば、以下説明する効果を得ることができる。
(1)ドラッグ低減制御において、車輪Wにおける車両Vの前方からの走行風に対して向かい風となる領域において、車両Vの後方側への流速成分を有する気流Fを発生させることによって、走行風を車両後方側へスムースに案内して車輪Wの周囲に渦を伴う乱流が発生することを防止できる。
これによって、車体側面に形成される気流を整流し、車両Vの空気抵抗を低減することができる。
また、空力騒音(風切音)を抑制して車両Vの快適性、質感を向上することができる。
(2)ロール抑制制御において、旋回外輪側における車輪Wにおける車両Vの前方からの走行風に対して向かい風となる領域において、車両Vの後方側への流速成分を有する気流Fを発生させることによって、走行風を車両後方側へスムースに案内して車輪Wの周囲に渦を伴う乱流が発生することを防止し、乱流の発生に起因する負圧を抑制することができる。
このため、旋回外輪側の車体側面部が受ける空気の圧力が旋回内輪側に対して相対的に高くなり、旋回時のロール挙動を抑制する方向のロールモーメントを発生し、車体のロール角を低減して操縦安定性を向上することができる。
(3)ロール抑制制御において、旋回内輪側においては旋回外輪側と逆方向の気流を発生させることによって、車輪Wの周辺における乱流の発生を促進し、より強力な負圧を形成することができる。
このため、旋回外輪側、内輪側の車体側面部が受ける空気の圧力の差を拡大してロール挙動を抑制する方向のロールモーメントを強化し、車体のロール角をより低減して操縦安定性をいっそう向上することができる。
(4)ヨー促進制御において、旋回外輪側の前輪及び旋回内輪側の後輪の車両Vの前方からの走行風に対して向かい風となる領域において、車両のV後方側への流速成分を有する気流Fを発生させることによって、走行風を車両後方側へスムースに案内して車輪の周囲に渦を伴う乱流が発生することを防止し、乱流の発生に起因する負圧を抑制することができる。
このため、旋回外輪側の前輪及び旋回内輪側の後輪の周辺部における車体側面部が受ける空気の圧力がその他の箇所に対して相対的に高くなり、車体のヨーイングを促進する方向のヨーモーメントを発生させ、アンダーステア挙動の抑制や旋回初期の応答性向上を図ることができ、車両Vの操縦安定性を向上することができる。
(5)ヨー促進制御において、旋回内輪側の前輪及び旋回外輪側の後輪においては、旋回外輪側の前輪及び旋回内輪側の後輪と逆方向の気流を発生させることによって、旋回内輪側の前輪及び旋回外輪側の後輪の周辺における乱流の発生を促進し、より強力な負圧を形成することができる。
このため、車体左右側面が受ける空気の圧力差を拡大し、車体のヨーイングを促進する方向のより強力なヨーモーメントを発生させることができる。
(6)ヨー抑制制御において、旋回内輪側の前輪及び旋回外輪側の後輪の車両Vの前方からの走行風に対して向かい風となる領域において、車両のV後方側への流速成分を有する気流Fを発生させることによって、走行風を車両後方側へスムースに案内して車輪の周囲に渦を伴う乱流が発生することを防止し、乱流の発生に起因する負圧を抑制することができる。
このため、旋回内輪側の前輪及び旋回外輪側の後輪の周辺部における車体側面部が受ける空気の圧力がその他の箇所に対して相対的に高くなり、車体のヨーイングを抑制する方向のヨーモーメントを発生させ、オーバーステア挙動の抑制や定常旋回時の安定性向上を図ることができ、車両Vの操縦安定性を向上することができる。
(7)ヨー抑制制御において、旋回外輪側の前輪及び旋回内輪側の後輪においては、旋回内輪側の前輪及び旋回外輪側の後輪と逆方向の気流を発生させることによって、旋回外輪側の前輪及び旋回内輪側の後輪の周辺における乱流の発生を促進し、より強力な負圧を形成することができる。
このため、車体左右側面が受ける空気の圧力差を拡大し、車体のヨーイングを抑制する方向のより強力なヨーモーメントを発生させることができる。
(8)気流発生部としてプラズマアクチュエータ100を用いることにより、可動部分を持たないシンプルな構成により応答性良く気流を発生させることが可能であり、上述した効果を確実に得ることができる。
(9)車輪Wの回転中心軸回りにおける角度位置が、車輪Wの上端部から前後方向に45°の範囲内に存在するプラズマアクチュエータ100を作動させることにより、プラズマアクチュエータ100が気流Fを発生する角度位置を最適化し、上述した効果を確実に得ることができる。
(10)前輪Wfr,Wflに設けられたプラズマアクチュエータ100が作動する回転中心軸回りにおける角度位置の範囲を、舵角及び仮想キングピンの幾何学的配置に基づいて補正することによって、仮想キングピンの傾斜に起因する前輪の角度位置のずれの影響を補正し、転舵時であっても上述した効果を適切に得ることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明を適用した整流装置の第2実施形態について説明する。
第2実施形態において、第1実施形態と実質的に同様の箇所は同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
第2実施形態の整流装置は、以下説明するプラズマアクチュエータ100の配置パターン及びその駆動に特徴を有する。
図16は、本発明を適用した整流装置の第2実施形態における車輪を回転中心軸方向から見た図である。
第2実施形態の整流装置においては、3つのプラズマアクチュエータからなるプラズマアクチュエータ群200を、タイヤ410のサイドウォール412に周方向に、実質的に等間隔に分散させて配列したことを特徴とする。
一つのプラズマアクチュエータ群200は、プラズマアクチュエータ100c、100f、100bからなる。
プラズマアクチュエータ100c、100f、100bは、第1実施形態のプラズマアクチュエータ100と実質的に同様の構成を有する。
プラズマアクチュエータ100cは、長手方向を車輪Wの径方向と実質的に揃えて配置されている。
プラズマアクチュエータ100fは、同じプラズマアクチュエータ群200に属するプラズマアクチュエータ100cに対して、進行方向(回転方向)前方側に隣接して配置されている。
プラズマアクチュエータ100fは、車輪Wの外径側の端部がプラズマアクチュエータ100cの外径側の端部に対して離間する方向に、長手方向が車輪Wの径方向に対して傾斜して配置されている。
プラズマアクチュエータ100bは、同じプラズマアクチュエータ群200に属するプラズマアクチュエータ100cに対して、進行方向後方側に隣接して配置されている。
プラズマアクチュエータ100bは、車輪Wの外径側の端部がプラズマアクチュエータ100cの外径側の端部に対して離間する方向に、長手方向が車輪Wの径方向に対して、プラズマアクチュエータ100fとは逆方向に傾斜して配置されている。
プラズマアクチュエータ群200の内部において、プラズマアクチュエータ100c、100f、100bは、その長手方向(気流Fの発生方向と直交する方向)が、車輪Wの外径側が開いた放射状となるように配置されている。
図17は、第2実施形態の整流装置におけるプラズマアクチュエータの駆動パターンを示す図である。
図17に示すように、プラズマアクチュエータが作動する車輪Wの回転中心回りにおける角度範囲を、車輪Wの上端部を含む範囲R2と、範囲R2よりもドラッグ低減制御時における車両後方側の範囲R1と、車両前方側の範囲R3とに分割して以下説明する。
車輪Wの回転に伴い、プラズマアクチュエータ群200は、範囲R1,R2,R3を順次通過することになる。
各プラズマアクチュエータ群200は、図17における右側の領域から、車輪Wの回転に伴って範囲R1内に入ると、先ず、進行方向前方側に配置されたプラズマアクチュエータ100fが駆動されて気流Fを発生する。
次に、プラズマアクチュエータ群200が範囲R2内に入ると、プラズマアクチュエータ100fの駆動は停止され、プラズマアクチュエータ100cが駆動されて気流Fを発生する。
次に、プラズマアクチュエータ群200が範囲R3内に入ると、プラズマアクチュエータ100cの駆動は停止され、プラズマアクチュエータ100bが駆動されて気流Fを発生する。
また、プラズマアクチュエータ群200は、上述した範囲R1,R2、R3以外の領域においては、各プラズマアクチュエータの駆動を停止されている。
以上説明した第2実施形態によれば、上述した第1実施形態の効果と実質的に同様の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(1)相互に傾斜して配置された複数のプラズマアクチュエータ100c、100f、100bのなかから、車両の後方側への流速成分が大きいものを優先して駆動することにより、気流による整流効果を高め、効率的な整流を行うことができる。
(2)プラズマアクチュエータ群200は、複数のプラズマアクチュエータ100c、100f、100bを、その長手方向が車輪Wの外径側に開いた放射状に配置して構成されることにより、プラズマアクチュエータ群200を車輪Wの周方向に高い密度で配置することが可能となる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)整流装置及びこれが設けられる車両の構成は、上述した実施形態に限定されず、適宜変更することができる。
例えば、プラズマアクチュエータの配置や駆動順序、車輪周上における作動範囲などは、適宜変更することが可能である。
(2)実施形態においては、タイヤのサイドウォールに気流発生部であるプラズマアクチュエータを設けているが、これに限らず、あるいは、これとともに、リムやディスク部に気流発生部(プラズマアクチュエータ)を設けてもよい。
(3)実施形態においては、プラズマアクチュエータの駆動電力は車体からスリップリングを用いて車輪Wに供給しているが、これに限らず、例えば無線給電としたり、車輪Wの内部に電源及び制御装置を設ける構成としてもよい。
車輪Wに設ける電源として、例えば、バッテリー等の蓄電手段や、タイヤの回転を利用して発電を行う発電手段を用いることができる。
(4)実施形態においては、プラズマアクチュエータ100に印加される電圧波形を変化させることによって気流Fの発生方向を逆転させているが、これに代えて、設置方向を反転させたプラズマアクチュエータ100を予め設けて、反対方向の気流Fが必要な場合にはこれを用いるようにしてもよい。
(5)第2実施形態においては、プラズマアクチュエータ群200を例えば3つのプラズマアクチュエータ100f,100c,100bによって構成したが、プラズマアクチュエータ群に含まれるプラズマアクチュエータの個数は適宜変更することができる。
また、同一のプラズマアクチュエータ群に含まれる複数のプラズマアクチュエータを同時に駆動するようにしてもよい。
さらに、プラズマアクチュエータ群内における各プラズマアクチュエータの配置パターンも特に限定されない。
1 整流装置
10 プラズマアクチュエータ制御ユニット
20fr 右前輪駆動ユニット 20fl 左前輪駆動ユニット
20rr 右後輪駆動ユニット 20rl 左後輪駆動ユニット
30 挙動制御ユニット
31fr 右前輪車速センサ 31fl 左前輪車速センサ
31rr 右後輪車速センサ 31rl 左後輪車速センサ
32 ヨーレートセンサ 33 横Gセンサ
34 ハイドロリックコントロールユニット(HCU)
40 電動パワーステアリング(EPS)制御ユニット
41 トルクセンサ 42 舵角センサ
43 モータ
100,100f,100c,100b プラズマアクチュエータ
110 誘電体 120 上部電極
130 下部電極 140 絶縁体
PS 電源
P プラズマ F 気流
200 プラズマアクチュエータ群
310 キャビン 320 エンジンコンパートメント
330 ラゲッジスペース
W 車輪
Wfr 右前輪 Wfl 左前輪
Wrr 右後輪 Wrl 左後輪
410 タイヤ 411 トレッド
412 サイドウォール 413 ビード部
420 リム 430 ディスク
431 ボルト穴 432 スポーク

Claims (12)

  1. 車両の車輪に設けられる整流装置であって、
    前記車輪の側面部に周方向に分布して複数設けられ気流を発生する気流発生部と、
    前記車輪の回転角度位置を検出する車輪角検出部と、
    前記車輪の回転中心軸よりも上方の領域に存在する前記気流発生手段を作動させて前記車両の後方側への流速成分を有する気流を発生させる制御部と
    を備えることを特徴とする整流装置。
  2. 車両の車輪に設けられる整流装置であって、
    前記車輪の側面部に周方向に分布して複数設けられ気流を発生する気流発生部と、
    前記車輪の回転角度位置を検出する車輪角検出部と、
    前記車両の旋回状態を検出する旋回状態検出部と、
    前記車両の旋回時に、旋回外輪側の前記車輪の回転中心軸よりも上方の領域に存在する前記気流発生手段を作動させて前記車両の後方側への流速成分を有する気流を発生させる制御部と
    を備えることを特徴とする整流装置。
  3. 前記制御部は、前記車両の旋回時に、旋回内輪側の前記車輪の回転中心軸よりも上方の領域に存在する気流発生手段を作動させて前記車両の前方側への流速成分を有する気流を発生させること
    を特徴とする請求項2に記載の整流装置。
  4. 車両の車輪に設けられる整流装置であって、
    前記車輪の側面部に周方向に分布して複数設けられ気流を発生する気流発生部と、
    前記車輪の回転角度位置を検出する車輪角検出部と、
    前記車両の旋回状態を検出する旋回状態検出部と、
    前記車両の旋回時に、旋回外輪側の前輪と旋回内輪側の後輪との少なくとも一方の前記車輪の回転中心軸よりも上方の領域に存在する前記気流発生手段を作動させて前記車両の後方側への流速成分を有する気流を発生させる制御部と
    を備えることを特徴とする整流装置。
  5. 前記制御部は、前記車両の旋回時に、旋回内輪側の前輪と旋回外輪側の後輪との少なくとも一方の前記車輪の回転中心軸よりも上方の領域に存在する前記気流発生手段を作動させて前記車両の前方側への流速成分を有する気流を発生させること
    を特徴とする請求項4に記載の整流装置。
  6. 車両の車輪に設けられる整流装置であって、
    前記車輪の側面部に周方向に分布して複数設けられ気流を発生する気流発生部と、
    前記車輪の回転角度位置を検出する車輪角検出部と、
    前記車両の旋回状態を検出する旋回状態検出部と、
    前記車両の旋回時に、旋回内輪側の前輪と旋回外輪側の後輪との少なくとも一方の前記車輪の回転中心軸よりも上方の領域に存在する前記気流発生手段を作動させて前記車両の後方側への流速成分を有する気流を発生させる制御部と
    を備えることを特徴とする整流装置。
  7. 前記制御部は、前記車両の旋回時に、旋回外輪側の前輪と旋回内輪側の後輪との少なくとも一方の前記車輪の回転中心軸よりも上方の領域に存在する前記気流発生手段を作動させて前記車両の前方側への流速成分を有する気流を発生させること
    を特徴とする請求項6に記載の整流装置。
  8. 前記気流発生部は、誘電体を挟んで配置された一対の電極及び前記電力に交流電圧を印加する電源を有するプラズマアクチュエータであること
    を特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の整流装置。
  9. 前記制御部は、前記車輪の回転中心軸回りにおける角度位置が、前記車輪の上端部から前後方向に45°の範囲内に存在する前記気流発生部を作動させること
    を特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の整流装置。
  10. 発生する気流の方向と前記車輪の周方向とがなす角度が相互に異なるよう相互に傾斜して配置された複数の前記気流発生部からなる気流発生部群が前記車輪の周方向に分布して複数配置され、
    前記制御部は、前記車輪の回転に応じて、前記気流発生部群に属する前記気流発生部のうち駆動される気流発生部を、前記車両の後方側への流速成分が大きいものを優先して設定すること
    を特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の整流装置。
  11. 前記気流発生部は、前記車輪の回転中心軸方向から見たときに長手方向と実質的に直交する方向に気流を発生し、
    前記気流発生部群は、複数の気流発生部をその長手方向が前記車輪の外径側に開いた放射状に配置して構成されること
    を特徴とする請求項10に記載の整流装置。
  12. 前記制御部は、前輪の前記車輪に設けられた前記気流発生部が作動する前記回転中心軸回りにおける角度位置の範囲を、前記前輪の舵角及び仮想キングピンの幾何学的配置に基づいて補正すること
    を特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の整流装置。
JP2017247722A 2017-12-25 2017-12-25 整流装置 Active JP7037933B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017247722A JP7037933B2 (ja) 2017-12-25 2017-12-25 整流装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017247722A JP7037933B2 (ja) 2017-12-25 2017-12-25 整流装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019111966A true JP2019111966A (ja) 2019-07-11
JP7037933B2 JP7037933B2 (ja) 2022-03-17

Family

ID=67221155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017247722A Active JP7037933B2 (ja) 2017-12-25 2017-12-25 整流装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7037933B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021054226A (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 株式会社Subaru 整流装置
JP2021054230A (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 株式会社Subaru 整流装置
JP2021054229A (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 株式会社Subaru 整流装置
KR20220104379A (ko) * 2021-01-18 2022-07-26 한국타이어앤테크놀로지 주식회사 날개를 포함하는 비공기입 타이어
JP7502133B2 (ja) 2020-09-24 2024-06-18 株式会社Subaru 車両

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007126088A (ja) * 2005-11-07 2007-05-24 Toyota Motor Corp 車両用空気流制御装置
JP2014004875A (ja) * 2012-06-22 2014-01-16 Japan Aerospace Exploration Agency 回転体の騒音低減方法および騒音低減装置
WO2014010297A1 (ja) * 2012-07-11 2014-01-16 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
US20150069822A1 (en) * 2013-09-10 2015-03-12 Honda Motor Co., Ltd. Method and apparatus for a passive vehicle wheel shutter system
WO2015098878A1 (ja) * 2013-12-25 2015-07-02 横浜ゴム株式会社 車両
WO2016181928A1 (ja) * 2015-05-14 2016-11-17 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
EP3112205A1 (en) * 2015-07-02 2017-01-04 Nissan Motor Manufacturing (UK) Ltd. Vehicle comprising wheel assembly
JP2017171267A (ja) * 2016-03-18 2017-09-28 晴光 松下 ホイールリム内側用整流板

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007126088A (ja) * 2005-11-07 2007-05-24 Toyota Motor Corp 車両用空気流制御装置
JP2014004875A (ja) * 2012-06-22 2014-01-16 Japan Aerospace Exploration Agency 回転体の騒音低減方法および騒音低減装置
WO2014010297A1 (ja) * 2012-07-11 2014-01-16 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
US20150069822A1 (en) * 2013-09-10 2015-03-12 Honda Motor Co., Ltd. Method and apparatus for a passive vehicle wheel shutter system
WO2015098878A1 (ja) * 2013-12-25 2015-07-02 横浜ゴム株式会社 車両
WO2016181928A1 (ja) * 2015-05-14 2016-11-17 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
EP3112205A1 (en) * 2015-07-02 2017-01-04 Nissan Motor Manufacturing (UK) Ltd. Vehicle comprising wheel assembly
JP2017171267A (ja) * 2016-03-18 2017-09-28 晴光 松下 ホイールリム内側用整流板

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021054226A (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 株式会社Subaru 整流装置
JP2021054230A (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 株式会社Subaru 整流装置
JP2021054229A (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 株式会社Subaru 整流装置
JP7348791B2 (ja) 2019-09-30 2023-09-21 株式会社Subaru 整流装置
JP7390147B2 (ja) 2019-09-30 2023-12-01 株式会社Subaru 整流装置
JP7393171B2 (ja) 2019-09-30 2023-12-06 株式会社Subaru 整流装置
US11840288B2 (en) 2019-09-30 2023-12-12 Subaru Corporation Airflow adjusting apparatus
JP7502133B2 (ja) 2020-09-24 2024-06-18 株式会社Subaru 車両
KR20220104379A (ko) * 2021-01-18 2022-07-26 한국타이어앤테크놀로지 주식회사 날개를 포함하는 비공기입 타이어
KR102495966B1 (ko) 2021-01-18 2023-02-06 한국타이어앤테크놀로지 주식회사 날개를 포함하는 비공기입 타이어

Also Published As

Publication number Publication date
JP7037933B2 (ja) 2022-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7037933B2 (ja) 整流装置
CN106467111B (zh) 车身稳定控制方法、***及汽车
EP3694766B1 (en) Method for controlling a steering system of a vehicle
US10093308B2 (en) Electronic stability control system for vehicle
US9963224B2 (en) Method for maximizing powered aircraft drive wheel traction
WO2012128128A1 (ja) 走行装置
CN108248454B (zh) 车身稳定控制***、方法及汽车
CN110901635B (zh) 用于碰撞避免的方法和***
JP2008094393A (ja) 移動手段のタイヤを現在の走行状況に適応させるための方法および装置
CN110254420B (zh) 一种四轮驱动电动汽车转向稳定控制方法
JP7348791B2 (ja) 整流装置
CN1328099C (zh) 车辆的倾翻抑制控制装置
JP2010143530A (ja) 車両用空力制御装置
JP2010119204A (ja) 電気自動車の車両制御装置
JP2007126088A (ja) 車両用空気流制御装置
JP2006327335A (ja) 車両のトルク配分制御装置
CN113844437B (zh) 一种基于车车通讯的分布式驱动车辆爆胎控制方法
JP6076727B2 (ja) アライメント制御装置
US20230278625A1 (en) Method for controlling steering of a vehicle arrangement
EP2567873B1 (en) Systems and methods for improved aircraft braking
JP2008167640A (ja) 電気自動車の車両制御装置、及び電気自動車の駆動システム
JP2004249788A (ja) ダウンフォース発生装置
Shibazaki et al. Effect of Inner and Outer Wheels Driving Force Control on Small Electric Vehicle
JP2011161957A (ja) 中央制御装置
JP2009035211A (ja) 自動車の車両制御装置、及び自動車の制動システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210916

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211012

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220307

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7037933

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150