JP2019080738A - 粒子線治療システム - Google Patents

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Abstract

【課題】シンクロトロンからのビーム取り出し効率を向上させることができ、治療に要する時間を短縮することができる粒子線治療システムを提供する。【解決手段】粒子線治療システム100のシンクロトロン10は、ベータトロン振動の共鳴を用いた遅い取り出し法によってシンクロトロン10中を周回する荷電粒子ビームをその外へ取り出すものであり、シンクロトロン10が有する偏向電磁石12を構成する磁極73は、荷電粒子ビームを構成する荷電粒子の水平ベータトロン振動の振幅が大きくなるほど荷電粒子の水平チューンが遅い取り出し法で用いる共鳴線に接近する磁場分布を発生させるシム構造を有している。【選択図】 図5

Description

本発明は、粒子線治療システムに関する。
本技術分野の背景技術の一つとして、特許文献1に記載の技術がある。
この特許文献1には、ビーム損失を減少して、荷電粒子ビームの出射効率の高いシンクロトロン型加速器及びそれを用いた医療用装置を提供することを目的として、加速器は、共鳴の安定限界を定める4極収束電磁石、4極発散電磁石や共鳴励起用多極電磁石、ベータトロン振動を増加して共鳴の安定限界を越えさせるためのビームの出射用の高周波印加装置、出射用の静電偏向器及び出射用偏向電磁石を備え、静電偏向器と出射用偏向電磁石の間には、2つの4極発散電磁石と偏向電磁石を設置し、偏向電磁石は2つの4極発散電磁石間に設置される、ことが記載されている。
特開平10−162999号公報
上述した特許文献1には、シンクロトロンの水平方向の位相空間上にベータトロン振動の共鳴の安定限界(セパラトリクス)を形成し、シンクロトロン中を周回するビーム(周回ビーム)に水平方向の高周波電圧を印加する事により周回ビーム粒子のベータトロン振動振幅を増加させ、セパラトリクスを越えた周回ビーム粒子を静電デフレクタとセプタム電磁石により偏向して取り出す粒子線治療システムが記載されている。
上述の特許文献1に記載の粒子線治療システムでは、取り出し用のセパラトリクスの面積をビーム取り出し期間中一定に保つ為、シンクロトロンから取り出されるビームの軌道及び電流値を安定に保つことが可能となる。
一方で、特許文献1に記載の粒子線治療システムでは、取り出し用のセパラトリクスを形成する際に水平方向ベータトロン振動の振幅が大きい周回ビーム粒子が失われるため、シンクロトロンからのビームの取り出し効率を向上させる余地がある。
この取り出し用セパラトリクス形成時のビーム損失によるビーム取り出し効率の低下の問題は、周回ビームの水平エミッタンスが十分に減衰していない低エネルギー(例えば陽子線治療であれば70MeV)での取り出し時に特に顕著である。
この問題に対しては、セパラトリクス形成時のビーム損失を低減するには取り出し用セパラトリクスの面積を拡大することが有効である。
しかし、この場合、静電デフレクタの入口において周回ビーム粒子と取り出されるビーム粒子との間の水平方向の距離(ターンセパレーション)が減少し、静電デフレクタの電極に衝突して失われるビーム粒子の割合が増加することから、同様にビーム取り出し効率を向上させる余地がある。
そこで本発明では、シンクロトロンからのビーム取り出し効率を向上させることができ、治療に要する時間を短縮することができる粒子線治療システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、荷電粒子ビームをシンクロトロンにより加速して照射対象に照射する粒子線治療システムであって、前記シンクロトロンは、ベータトロン振動の共鳴を用いた遅い取り出し法によって前記シンクロトロン中を周回する前記荷電粒子ビームを前記シンクロトロンの外へ取り出すものであり、前記シンクロトロンは前記荷電粒子ビームを偏向させる偏向電磁石を一つ以上有しており、前記偏向電磁石を構成する磁極は、前記荷電粒子ビームを構成する荷電粒子の水平ベータトロン振動の振幅が大きくなるほど前記荷電粒子の水平チューンが前記遅い取り出し法で用いる共鳴線に接近する磁場分布を発生させるシム構造を有していることを特徴とする。
本発明によれば、シンクロトロンからのビーム取り出し効率を向上させることができ、治療に要する時間を短縮することができる粒子線治療システムを提供することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施形態1の粒子線治療システムの構成の一例を示す図である。 実施形態1の粒子線治療システムにおける取り出し用共鳴線とシンクロトロンの水平チューンとの関係を表す模式図である。 実施形態1の粒子線治療システムのシンクロトロンを構成する偏向電磁石を垂直正方向から見た模式図である。 図3のA−A断面の模式図である。 図3のB−B断面の模式図である。 実施形態1の粒子線治療システムの偏向電磁石の進行方向端部における水平方向位置とギャップ幅の変化量との関係を表す図である。 従来の粒子線治療システムの静電デフレクタ入口地点における周回ビーム粒子の水平方向位相空間分布の模式図である。 実施形態1の粒子線治療システムの静電デフレクタ入口地点における周回ビーム粒子の水平方向位相空間分布の模式図である。 実施形態1の粒子線治療システムの偏向電磁石の進行方向端部におけるギャップ幅の形状の他の一例の模式図である。 本発明の実施形態2の粒子線治療システムにおける取り出し用共鳴線とシンクロトロンの水平チューンとの関係を表す模式図である。 実施形態2の粒子線治療システムのシンクロトロンを構成する偏向電磁石の垂直正方向の断面の模式図である。 実施形態2の粒子線治療システムのシンクロトロンを構成する偏向電磁石の垂直正方向の断面の模式図である。
以下に本発明の粒子線治療システムの実施形態を、図面を用いて説明する。
<実施形態1>
本発明の粒子線治療システムの実施形態1について図1乃至図9を用いて説明する。
最初に、粒子線治療システムの全体構成について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態による粒子線治療システムの構成の一例を示す図である。
図1において、本実施形態の粒子線治療システム100は、入射器1より入射された荷電粒子ビーム(以下、ビームと呼ぶ)をシンクロトロン10により所定の運動エネルギー(以下、運動エネルギーを単にエネルギーと呼ぶ)まで加速して高エネルギービーム輸送系20へ取り出し、回転ガントリー30及び回転ガントリー30に搭載された照射野形成装置40を経由して患者50中の患部51へ照射するものである。
これら粒子線治療システム100内の各機構の各動作は制御装置90によって制御する。特には、後述するシンクロトロン10からのビームの出射制御もこの制御装置90により実施する。
入射器1には、例えば、イオン源(図示省略)で生成したビームをシンクロトロン10への入射に適したエネルギー(以下、入射エネルギーという)まで加速する線形加速器(ライナック)が用いられる。ビームは、陽子や、ヘリウムや炭素等の陽子より重い重粒子イオンから構成されるものとする。
入射器1から取り出された荷電粒子ビームは、低エネルギービーム輸送系2及び入射用インフレクタ11を経由してシンクロトロン10へ入射される。低エネルギービーム輸送系2は、ビームをシンクロトロン10へ向けて偏向する偏向電磁石3や、ビームの形状をシンクロトロン10への入射に適した形状に整える四極電磁石4などにより構成される。
シンクロトロン10は、入射用インフレクタ11と、複数の偏向電磁石12と、複数の四極電磁石13と、複数の六極電磁石14と、高周波加速空胴15と、取り出し用の高周波電圧印加装置16と、取り出し用の静電デフレクタ17と、取り出し用のセプタム電磁石18等により構成される。
偏向電磁石12はシンクロトロン10中を周回するビーム(以下、周回ビームという)を偏向して所定の周回軌道(以下、周回ビーム軌道という)を形成する。
本発明では、周回ビームの進行方向に沿った方向を進行方向(ビームが進む方向を正)、進行方向に垂直で偏向電磁石12の動径方向に沿った方向を水平方向(シンクロトロン外側方向を正)、進行方向および水平方向の両方に垂直な方向を垂直方向と呼ぶ(図面手前方向を正)。
また、シンクロトロンでは、設計上の周回ビーム軌道を中心軌道と呼ぶ。周回ビーム粒子は中心軌道の周りを水平および垂直方向に振動しており、この振動をベータトロン振動という。また、シンクロトロン一周あたりのベータトロン振動の振動数をチューンという。
四極電磁石13は、周回ビームに収束あるいは発散の力を加えて周回ビームのチューンを周回ビームが安定となる値に保つ。
高周波加速空胴15は周回ビームに進行方向の高周波電圧(以下、加速電圧という)を印加して周回ビームを進行方向の所定の位相に捕獲し(以下、高周波捕獲という)、所定のエネルギーまで加速する。
高周波捕獲された周回ビーム粒子の運動量は設計上の運動量(以下、中心運動量という)を中心として振動しており、この振動をシンクロトロン振動という。周回ビームを加速する間は、偏向電磁石12の励磁量と四極電磁石13の励磁量を周回ビームの運動量に比例して増加させるとともに加速電圧の周波数(以下、加速周波数という)を適切な値に制御し、周回ビーム軌道および周回ビームのチューンを一定に保つ。
周回ビームの加速が完了した後、シンクロトロン10は四極電磁石13の励磁量を変更して周回ビームの水平チューンを周回ビームが不安定となる値(以下、取り出し用の共鳴線という)に接近させる。
シンクロトロン10の水平チューン、垂直チューンと取り出し用の共鳴線との関係を図2に示す。図2の横軸はシンクロトロン10の水平チューン、縦軸はシンクロトロン10の垂直チューンを表し、白丸60は加速中の水平、垂直チューンの組み合わせ(動作点)、白丸61は取り出し時の水平、垂直チューンの組み合わせを表す。
本実施形態では、加速中の水平チューンは取り出し用の共鳴線よりも高い値にある。また、取り出し中の水平チューンは四極電磁石13により取り出し用の共鳴線よりも高く、かつ加速中の水平チューンよりも低い値(取り出し用の共鳴線に接近した値)に調節される。シンクロトロン10は六極電磁石14を励磁して周回ビームに中心軌道からの距離の二乗に比例する強度の磁場(以下、六極磁場という)を印加し、周回ビーム粒子の水平方向の位置と傾きにより定義される位相空間上に水平ベータトロン振動の安定限界(以下、セパラトリクスという)を形成する。
高周波電圧印加装置16は、周回ビームに水平チューンと同期する周波数の水平方向の高周波電圧を印加し、周回ビーム粒子の水平ベータトロン振動の振幅を増大させる。水平ベータトロン振動の振幅が増大してセパラトリクスを越えた周回ビーム粒子は水平ベータトロン振動の振幅を急激に増大させ、静電デフレクタ17に入射する。
静電デフレクタ17は、入射した周回ビーム粒子を水平方向に偏向し、セプタム電磁石18に入射させる。
セプタム電磁石18は、静電デフレクタ17により偏向されたビーム粒子をさらに水平方向へ偏向し、シンクロトロン10の外へ取り出す。なお、セプタム電磁石18の替わりにビームを垂直方向に偏向するランバートソン電磁石を用いることも可能である。また、セプタム電磁石18を複数台の電磁石により構成することも可能である。
シンクロトロン10から取り出されたビーム(以下、取り出しビームという)は、高エネルギービーム輸送系20、回転ガントリー30、回転ガントリー30上の照射野形成装置40を経由した後に患部51へ照射される。
高エネルギービーム輸送系20は偏向電磁石21、四極電磁石22等により構成され、シンクロトロン10からの取り出しビームを回転ガントリー30の入口まで輸送する。
回転ガントリー30は、偏向電磁石31、四極電磁石32等により構成され、その終端部には照射野形成装置40が搭載されている。回転ガントリー30は、その全体が回転軸33を軸として回転可能となっており、高エネルギービーム輸送系20から入射したビームを複数の異なる方向から患部51へ照射することができる。
照射野形成装置40は、高エネルギービーム輸送系20、回転ガントリー30を経由して運ばれてきたビームを整形し、患部51の形状に合わせた照射線量の分布(以下、照射野という)を形成する。本実施形態の粒子線治療システムは、ビームを走査電磁石(図示省略)により患部51の形状に合わせて走査するスキャニング照射法を照射野の形成に用いる。
スキャニング照射法では、患者50の体内においてビームが到達する深さを、患者50へ照射されるビームのエネルギーを変更することにより制御する。本実施形態では、患者50へ照射されるビームのエネルギーを変更するためにシンクロトロン10から取り出されるビームのエネルギーを変更する。
なお、照射野形成装置40で用いる照射法はスキャニング照射法に限られず、様々な公知の照射法と構成を用いることができる。また、照射野形成装置40は回転させる場合に限られず、固定されたものとすることができる。更には、高エネルギービーム輸送系20は必ずしも必須ではなく、シンクロトロン10から照射野形成装置40に直接ビームを出射させることができる。
シンクロトロン10は、周回ビームの取り出しが完了した後、偏向電磁石12の励磁量、四極電磁石13の励磁量、加速周波数の設定値をシンクロトロン10へのビーム入射時の値に変更し、次のビーム入射に備える。シンクロトロン10へビームを入射してから次にシンクロトロン10へビームを入射するまでの期間をシンクロトロン10の周期と呼ぶ。
本実施形態の粒子線治療システム100は、あらかじめ治療計画装置95が定めたビームの照射が完了するまで、ビームの加速、取り出し、照射を繰り返す。
本実施形態の粒子線治療システム100において、シンクロトロン10からのビーム取り出し効率を向上する構造、制御について以下説明する。
シンクロトロン10を構成する偏向電磁石12を垂直正方向(鉛直上方)から見た模式図を図3に示す。
図3に示すように、偏向電磁石12は磁性体70とコイル71により構成されており、周回ビームが通過する真空ダクト72が磁性体70中を貫通している。
偏向電磁石12の進行方向中央部における進行方向に垂直な平面による断面(A−A断面)の模式図を図4に示す。
図4に示すように、磁性体70は磁極73とリターンヨーク74により構成されており、磁極73の間には真空ダクト72が通過する為の空隙(ギャップ)が形成されている。磁極73は水平面(シンクロトロン10の中心軌道が存在する平面)について対称な形状をしている。
磁極73の水平面と向かい合う面を磁極面75と呼び、垂直方向に平行な直線と磁極面75の交点間の距離、いわば水平方向の各位置における磁極面75間の距離をギャップ幅と呼ぶ。
偏向電磁石12の進行方向中央部において、偏向電磁石12のギャップ幅は、真空ダクト72が挿入される範囲、即ちビームが通過する範囲では水平方向の位置に依らず略一定となっている。
偏向電磁石12が発生する磁場の強度はギャップ幅に反比例する為、偏向電磁石12は偏向電磁石12の進行方向中央部において水平方向の位置に依らず略一定の偏向磁場が発生する。
偏向電磁石12の進行方向端部(周回ビームの出口側)における進行方向に垂直な平面による断面(B−B断面)の模式図を図5に示す。参考の為、偏向電磁石12の中央部(A−A断面部)における磁極73の形状(磁極面75の垂直方向位置)を図5中に点線で示してある。
図5に示すように、偏向電磁石12端部における磁性体70の構造は偏向電磁石12の進行方向中央部と同様であるが、偏向電磁石12端部ではギャップ幅が水平方向の位置により異なっている。
具体的には、偏向電磁石12端部では、中心軌道よりも水平方向正側(動径方向外側)の領域における磁極73の磁極面75A間の距離であるギャップ幅は中心軌道上のギャップ幅よりも広く、中心軌道よりも水平方向負側(動径方向内側)の領域におけるギャップ幅は中心軌道上のギャップ幅よりも狭くなっている。
このようなシム構造は、ギャップ幅が偏向電磁石12の進行方向中央部(図3のA−A断面付近)のギャップ幅より小さくなることが無い様に形成されている。これにより、本実施形態では真空ダクト72の垂直方向のサイズがシム構造を設けたことにより減少することを防止し、周回ビームの制御をより容易にするとともに、真空ダクト72の製造を容易にすることができる。
偏向電磁石12端部における水平方向位置とギャップ幅の中心軌道上のギャップ幅からの変化量との関係を図6に示す。
図6に示すように、ビームが通過する範囲におけるギャップ幅の変化量は三次関数状であり、ギャップ幅の変化量は中心軌道からの水平方向距離の3乗に比例している。偏向電磁石12が発生する磁場の強度はギャップ幅に反比例する為、偏向電磁石12端部では本来の偏向磁場に加えて中心軌道からの水平方向距離の3乗に比例するような強度の磁場、いわゆる八極磁場が発生する。
このような周回ビームの出口側における、偏向電磁石12端部における水平方向位置に応じたギャップ幅の変化の様に偏向磁場に多極磁場を重畳するような磁極73の構造を偏向電磁石12のシム構造と呼ぶ。
シム構造が発生する八極磁場の方向は、中心軌道よりも水平方向正側の領域ではビームを水平方向正側に偏向する(偏向磁場を弱める)方向、中心軌道よりも水平方向負側の領域ではビームを水平方向負側に偏向する(偏向磁場を強める)方向となる。従って、偏向電磁石12のシム構造は周回ビームを水平方向に発散するような八極磁場を発生させる。
このようなシム構造によって発生する八極磁場から周回ビーム粒子が受ける発散力は周回ビーム粒子の水平ベータトロン振動振幅の2乗に凡そ比例する。
周回ビーム粒子に水平方向の発散力が加わった場合、周回ビーム粒子の水平チューンは発散力に比例した量だけ減少する。従って、本実施形態のシンクロトロン10では、偏向電磁石12のシム構造が発生する八極磁場により水平ベータトロン振動の振幅が大きい周回ビーム粒子ほど水平チューンが減少することになる。
上述のように、本実施形態のシンクロトロン10では、ビーム取り出し時の水平チューンが取り出し用の共鳴線よりも高い値である為、偏向電磁石12のシム構造は周回ビーム粒子の水平ベータトロン振動の振幅が大きくなるほど周回ビーム粒子の水平チューンを取り出し用の共鳴線に接近させるような磁場分布を発生させることになる。
この図5に示すようなシム構造は、偏向電磁石12の周回ビームの入口側の端部にも設けられている。このように周回ビームの入口側および出口側のいずれにもシム構造が設けられていることにより、いずれか一方に設ける場合に比べてギャップ幅の変化量を小さくすることができ、シム構造を設けることによって真空ダクト72の垂直方向の幅が周回ビームの進行方向で変化させる必要が生じることを抑制することができる。また、後述するように周回ビームの進行方向に一様にシム構造を設ける場合に比べて加工が容易であり、より高い精度のシム構造を形成することができる。
なお、偏向電磁石12のシム構造は、周回ビームの入口側および出口側のいずれにも設けることが望ましいが、入口側と出口側のいずれか一方のみに設けることができる。この場合の動径方向におけるギャップ幅の変化量は、入口側および出口側のいずれにもシム構造を設ける場合の倍の量とすることが望ましい。
これらのように偏向電磁石12の周回ビームの入口側および出口側にシム構造を設ける場合やいずれか一方にシム構造を設ける場合、シム構造が設けられる領域は、磁束分布を一様にするための処理、いわゆるロゴスキーカットが施される領域内であることが望ましい。なお、ロゴスキーカットは曲線状でも階段状でも良く、その形状は特に限定されない。
また、入口側や出口側にのみシム構造を設ける場合に限定されず、周回ビームの進行方向に一様にシム構造を設けることができる。この場合の動径方向におけるギャップ幅の変化量は周回ビームの進行方向距離で均等にすることが望ましい。
更に、本実施形態のシンクロトロン10では、シンクロトロン10内の全ての偏向電磁石12の入口側および出口側に同一構造のシム構造が設けられている。このように、シンクロトロン10に設けられている偏向電磁石12が全て同じ形状のシム構造を有していることで、特に、偏向電磁石12以外に複数設けられている四極電磁石13や六極電磁石14の制御パラメータを個々に変更する必要が生じなくなることから、周回ビームの制御がより容易になる、との効果が得られる。
なお、全ての偏向電磁石12に設けられているシム構造の周回ビームの進行方向における位置や形状は全て同じである場合に限られず、適宜変更することが可能である。
周回ビーム粒子の水平チューンが水平ベータトロン振動の振幅が大きくなるほど取り出し用の共鳴線に接近することによる効果について図7および図8を用いて以下説明する。
図7に、偏向電磁石12のシム構造による影響を考慮しない場合、すなわち比較のための従来の静電デフレクタ入口地点における周回ビーム粒子の水平方向位相空間分布の模式図を示す。図7の横軸は水平方向の位置、縦軸はビーム進行方向に沿った水平方向位置の変化率(以下、水平方向勾配という)である。
図7中の楕円80は、加速終了時点における周回ビーム粒子の存在範囲を示す。三角形81は六極電磁石により形成されるベータトロン振動の安定領域と不安定領域の境界(セパラトリクス)を示す。
取り出し期間中にセパラトリクスの外へ移動した周回ビーム粒子は水平ベータトロン振動の振幅が急激に増大して静電デフレクタに入射し、シンクロトロンの外へ取り出される。セパラトリクスから延びる直線(セパラトリクスの枝)は、セパラトリクスを越えた周回ビーム粒子が静電デフレクタに入射するまでにビーム粒子が位相空間上で通過する点の集合を表している。
白丸82はセパラトリクスを越えたある周回ビーム粒子が静電デフレクタへ入射する3周前のビーム粒子の位相空間上の位置、白丸83は白丸82の位置にあるビーム粒子がシンクロトロン中を3周した後に到達する位相空間上の位置を表す。白丸82と白丸83の間の水平方向距離の最大値をターンセパレーションと呼ぶ。
シンクロトロンから取り出されるビーム粒子の軌跡はセパラトリクスの枝上に連続的に分布する為、一部のビーム粒子については取り出しの課程で静電デフレクタの電極に衝突して失われることになる。シンクロトロンからの取り出し効率を向上させるためには、ターンセパレーションを静電デフレクタの電極間隔と同程度の値とする必要がある。
加速終了時点でセパラトリクスの外側に位置する周回ビーム粒子は、セパラトリクス形成中に水平ベータトロン振動の振幅が急激に増大して失われる。
なお、加速終了時点では取り出し用のセパラトリクスが形成されていない為、厳密には加速終了時点の周回ビーム粒子についてセパラトリクスの外側に位置するか否かの判定を行うことはできない。ここでは、加速終了時点における周回ビーム粒子の水平ベータトロン振動振幅が取り出し用セパラトリクスの内側に存在する周回ビーム粒子のベータトロン振動振幅よりも大きいことをセパラトリクスの外側に位置すると表現している。
セパラトリクス形成中、即ちセパラトリクスの形状が変化している最中はセパラトリクスを越えるビーム粒子の軌道と電流値が安定しない為、特にスキャニング照射法を適用する場合セパラトリクス形成中に失われるビーム粒子を治療に用いることはできない。
セパラトリクス形成中に失われるビーム粒子については、セプタム電磁石をセパラトリクス形成後に励磁する、高エネルギービーム輸送系にビーム遮断用の電磁石を設置してセパラトリクス形成中に取り出されたビーム粒子を遮断するといった様々な手法により患者への到達を妨げる。
周回ビーム粒子が水平方向の位相空間に占める面積、即ち周回ビームの水平エミッタンスは周回ビームの加速中に周回ビームの運動量に反比例して減衰していく。
このため、シンクロトロンからの取り出しビームのエネルギーが低い(例えば陽子線治療では70MeV)場合、水平エミッタンスの減衰が十分でなく、セパラトリクス形成時に失われるビーム粒子の割合が高エネルギー(例えば陽子線治療では220MeV)の場合に比べて増大する傾向がある。
シンクロトロンから低エネルギーのビームを取り出す際にセパラトリクス形成時のビーム損失を低減する為には、セパラトリクスの面積(セパラトリクスサイズ)を拡大し、加速終了時点でセパラトリクスの外側に存在する周回ビーム粒子の割合を低減する必要がある。
取り出し用セパラトリクスのサイズを拡大した場合の周回ビーム粒子の水平方向位相空間分布の模式図を図8に示す。三角形84は拡大された取り出し用のセパラトリクスを表す。白丸85,86は、図7中の白丸82,83と同様であり、偏向電磁石のシム構造による影響を考慮しない場合、すなわち比較用の取り出しビーム粒子の軌道を表す。
セパラトリクスのサイズを拡大するには、六極電磁石の励磁量を低減するか、ビーム取り出し時の水平チューンを共鳴線から遠ざければ良い。セパラトリクスサイズの拡大により、特に低エネルギー領域においてセパラトリクス形成時に失われる周回ビーム粒子の割合が低下する。
一方で、遅い取り出し法ではターンセパレーションとセパラトリクスサイズとの間に負の相関がある。ここで、遅い取り出し法とは、出射ビームのパルス幅を数百ミリ秒から数秒以上に広くとることで長期間に渡って少しずつ荷電粒子ビームを取り出す方法である。このビーム出射制御方法は、従来から種々の方法が試みられているが、代表的な方法は、共鳴出射法と呼ばれる方法である。これは、閉軌道を中心として運動するビーム粒子のベータトロン振動の周期が、ビームの安定周回に深く関わっていることを利用するものである。
セパラトリクスサイズを拡大した条件では取り出しビームのターンセパレーションが減少し、静電デフレクタ17の内側(中心軌道側)電極に衝突して失われるビーム粒子の割合が増加し、結果としてシンクロトロン10からのビーム取り出し効率が減少する恐れがある。
ここで、偏向電磁石12のシム構造が発生する八極磁場が取り出し中の周回ビーム粒子の水平方向位相空間分布に与える影響について考える。
八極磁場の影響により周回ビーム粒子の水平チューンは水平ベータトロン振動振幅が大きくなるほど取り出し用の共鳴線に接近する為、静電デフレクタ17へ入射するビーム粒子の水平チューンはセパラトリクス辺縁部の周回ビーム粒子の水平チューンに比べて取り出し用の共鳴線に近い値となる。
周回ビーム粒子の水平チューンの取り出し用共鳴線からの距離とターンセパレーションとの間には負の相関がある為、八極磁場存在下でのターンセパレーションは八極磁場を考慮しない場合に比べて大きな値となり、静電デフレクタ17入口におけるビーム損失が軽減される。
白丸87,88は、本実施形態のような偏向電磁石12のシム構造による影響を考慮した場合の取り出しビーム粒子の軌道を表す。
この場合、セパラトリクス辺縁部のベータトロン振動振幅は静電デフレクタ17へ入射するビーム粒子に比べて小さい為、セパラトリクス辺縁部に存在する周回ビーム粒子の水平チューンは八極磁場を考慮しない場合からあまり変化しない。
このため、偏向電磁石12のシム構造による八極磁場の存在下では、セパラトリクス形成時のビーム損失と静電デフレクタ17入口におけるビーム損失の両方が低減され、シンクロトロン10からのビームの取り出し効率を向上することが可能である。シンクロトロン10からのビーム取り出し効率の向上は粒子線治療で利用できるビーム電流の向上に直結する為、本実施形態の粒子線治療システム100では患者50へのビームの照射時間を短縮し、治療に要する時間を短縮することが可能である。
また、本実施形態では、周回ビームに印加する八極磁場を偏向電磁石12のシム構造により発生させるため、シンクロトロン中に八極磁場印加用の追加の電磁石(八極電磁石)を設置する必要がない。これにより、本実施形態ではシンクロトロン10の直線部を八極電磁石を設置する場合に比べて短縮することができ、シンクロトロン10を小型化することが可能である、との効果が得られる。
なお、本実施形態では偏向電磁石12のシム構造が八極磁場を発生させる場合について説明したが、シム構造が発生する多極磁場は八極磁場以外であっても構わない。水平方向ベータトロン振動の振幅が大きい周回ビーム粒子の水平チューンを取り出し用の共鳴線に接近させるような多極磁場であれば、本実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
また、本実施形態では偏向電磁石12端部のギャップ幅を水平方向について三次関数状に変化させる場合を説明したが、偏向電磁石12端部のギャップ幅は図9に示すように階段状に変化させることができる。以下、階段状に変化せる場合について図9を用いて説明する。図9は偏向電磁石12の進行方向端部におけるシム構造の他の一例の模式図である。
図9に示すように、磁性体70Bでは、磁極73Bの磁極面75Bのギャップ幅を階段状に変化させる。この場合、垂直方向の段幅を一定とし、水平方向の段幅を中心軌道上で広く(例えば周回ビームの水平方向通過範囲の半分程度)取る。
これにより周回ビームに奇数次の多極磁場を印加する事が可能となり、上述の三次曲線状にギャップ幅を変化させる場合と同様の効果が得られる。
<実施形態2>
本発明の実施形態2の粒子線治療システムについて図10乃至図12を用いて説明する。実施形態1と同じ構成には同一の符号を示し、説明は省略する。
図10は本実施形態の粒子線治療システムにおける取り出し用共鳴線とシンクロトロンの水平チューンとの関係を表す模式図である。図11および図12は本実施形態の偏向電磁石の垂直正方向の断面の模式図である。
本実施形態の粒子線治療システムのシンクロトロンの水平チューン、垂直チューンと取り出し用の共鳴線との関係を図10に示す。図10の横軸はシンクロトロンの水平チューン、縦軸はシンクロトロンの垂直チューンを表し、白丸60Cは加速中の水平、垂直チューンの組み合わせ(動作点)、白丸61Cは取り出し時の水平、垂直チューンの組み合わせを表す。
本実施形態のシンクロトロンでは、加速中の水平チューンは取り出し用の共鳴線よりも低い値にある。また、取り出し中の水平チューンは四極電磁石13により取り出し用の共鳴線よりも低く、かつ加速中の水平チューンよりも高い値(取り出し用の共鳴線に接近した値)に調節される。
本実施形態の粒子線治療システムにおいて、シンクロトロンからのビーム取り出し効率を向上する構造、制御について以下説明する。
本実施形態のシンクロトロンを構成する偏向電磁石についても、実施形態1の偏向電磁石12と同様に、周回ビームの入口側および出口側のロゴスキーカットが施される、磁極73Bの端部の領域にシム構造が設けられる。
シム構造は、図11に示すように、磁性体70Cの構造は実施形態1の偏向電磁石12の磁性体70進行方向中央部と同様であるが、偏向電磁石端部ではギャップ幅が水平方向の位置により異なっている。
具体的には、偏向電磁石12端部では、中心軌道よりも水平方向正側(動径方向外側)の領域における磁極73Cの磁極面75C間のギャップ幅は中心軌道上のギャップ幅よりも狭く、中心軌道よりも水平方向負側(動径方向内側)の領域におけるギャップ幅は中心軌道上のギャップ幅よりも広くなっている。
なお、図11に示すようにビームが通過する範囲におけるギャップ幅の変化量は三次関数状とすることができるとともに、図12に示すように磁性体70Dの磁極73Dの磁極面75Dのギャップ幅を階段状に変化させることができる。
このような本実施形態のシンクロトロンにおいても、ビーム取り出し時の水平チューンが取り出し用の共鳴線よりも低い値である為、偏向電磁石のシム構造は周回ビーム粒子の水平ベータトロン振動の振幅が大きくなるほど周回ビーム粒子の水平チューンを取り出し用の共鳴線に接近させるような磁場分布を発生させることになる。
その他の構成・動作は前述した実施形態1の粒子線治療システム100と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施形態2の粒子線治療システムにおいても、前述した実施形態1の粒子線治療システム100とほぼ同様な効果が得られる。
<その他>
なお、本発明は上記の実施形態に限られず、種々の変形、応用が可能なものである。上述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。
10…シンクロトロン
12…偏向電磁石
20…高エネルギービーム輸送系
30…回転ガントリー
40…照射野形成装置
50…患者
51…患部(照射対象)
60,60C…加速中の水平、垂直チューン
61,61C…ビーム取り出し中の水平、垂直チューン
70,70B,70C,70D…磁性体
71…コイル
72…真空ダクト
73,73B,73C,73D…磁極
74…リターンヨーク
75,75A,75B,75C,75D…磁極面
80…加速終了時点における周回ビーム粒子の水平方向位相空間分布
84…拡大されたセパラトリクス
87…静電デフレクタに入射する3周前のビーム粒子の水平方向位相空間上の位置
88…静電デフレクタに入射するビーム粒子の水平方向位相空間上の位置
90…制御装置
100…粒子線治療システム

Claims (10)

  1. 荷電粒子ビームをシンクロトロンにより加速して照射対象に照射する粒子線治療システムであって、
    前記シンクロトロンは、ベータトロン振動の共鳴を用いた遅い取り出し法によって前記シンクロトロン中を周回する前記荷電粒子ビームを前記シンクロトロンの外へ取り出すものであり、
    前記シンクロトロンは前記荷電粒子ビームを偏向させる偏向電磁石を一つ以上有しており、
    前記偏向電磁石を構成する磁極は、前記荷電粒子ビームを構成する荷電粒子の水平ベータトロン振動の振幅が大きくなるほど前記荷電粒子の水平チューンが前記遅い取り出し法で用いる共鳴線に接近する磁場分布を発生させるシム構造を有している
    ことを特徴とする粒子線治療システム。
  2. 請求項1に記載の粒子線治療システムにおいて、
    前記シンクロトロンからビームを取り出す際の前記シンクロトロンの水平チューンが前記共鳴線の水平チューンよりも高い値であり、
    前記シム構造は、前記荷電粒子ビームを構成する荷電粒子の水平ベータトロン振動の振幅が大きくなるほど前記荷電粒子の水平チューンが低い値となる磁場分布を発生させるものである
    ことを特徴とする粒子線治療システム。
  3. 請求項2に記載の粒子線治療システムにおいて、
    前記シム構造は、前記偏向電磁石の中心軌道より動径方向外側における磁極間隔が前記偏向電磁石の中心軌道上の磁極間隔よりも広く、前記偏向電磁石の中心軌道より動径方向内側における磁極間隔が前記偏向電磁石の中心軌道上の磁極間隔よりも狭い形状である
    ことを特徴とする粒子線治療システム。
  4. 請求項1に記載の粒子線治療システムにおいて、
    前記シンクロトロンからビームを取り出す際の前記シンクロトロンの水平チューンが前記共鳴線の水平チューンよりも低い値であり、
    前記シム構造は、前記荷電粒子ビームを構成する荷電粒子の水平ベータトロン振動の振幅が大きくなるほど前記荷電粒子の水平チューンが高い値となる磁場分布を発生させるものである
    ことを特徴とする粒子線治療システム。
  5. 請求項4に記載の粒子線治療システムにおいて、
    前記シム構造は、前記偏向電磁石の中心軌道より動径方向外側における磁極間隔が前記偏向電磁石の中心軌道上の磁極間隔よりも狭く、前記偏向電磁石の中心軌道より動径方向内側における磁極間隔が前記偏向電磁石の中心軌道上の磁極間隔よりも広い形状である
    ことを特徴とする粒子線治療システム。
  6. 請求項3に記載の粒子線治療システムにおいて、
    前記シム構造は、階段形状である
    ことを特徴とする粒子線治療システム。
  7. 請求項1に記載の粒子線治療システムにおいて、
    前記偏向電磁石の前記荷電粒子ビームの入口側および出口側に前記シム構造が設けられている
    ことを特徴とする粒子線治療システム。
  8. 請求項1に記載の粒子線治療システムにおいて、
    前記シンクロトロンに設けられている偏向電磁石が全て同じ形状のシム構造を有している
    ことを特徴とする粒子線治療システム。
  9. 請求項1に記載の粒子線治療システムにおいて、
    前記シム構造は、前記シンクロトロン中の真空ダクトの前記磁極間方向のサイズを一定とするように前記磁極の対向面の表面に形成されている
    ことを特徴とする粒子線治療システム。
  10. 荷電粒子ビームをシンクロトロンにより加速して照射対象に照射する粒子線治療システムであって、
    前記シンクロトロンは前記荷電粒子ビームを偏向させる偏向電磁石を一つ以上有しており、
    前記偏向電磁石の中心軌道より動径方向外側における磁極間隔が前記偏向電磁石の中心軌道上の磁極間隔よりも広く、前記偏向電磁石の中心軌道より動径方向内側における磁極間隔が前記偏向電磁石の中心軌道上の磁極間隔よりも狭い形状のシム構造を有し、
    前記シム構造は、前記偏向電磁石の端部に設けられている
    ことを特徴とする粒子線治療システム。
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