JP2018194092A - 双方向トルクリミッタ - Google Patents

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Abstract

【課題】内輪部材の外周面に固定されている双方向コイルバネの状態を安定化させ、安定した制限トルクが得られる双方向トルクリミッタを提供する。
【解決手段】双方向トルクリミッタ1は、直線状に延出する一端部と、この一端部と反対方向に直線状に延出する他端部とを備えた双方向コイルバネ70を外周面に固定した内輪部材10と、内輪部材10の径方向外側を覆うように内輪部材と係合するとともに、双方向コイルバネ70の径方向の膨らみをガイドするガイド面37a,38aと、双方向コイルバネ70の両端部を固定する固定部35a,35bとが形成された外輪部材30と、内輪部材10と外輪部材30との係合部分に配設され、双方向コイルバネ70のガイド面への乗り上げを阻止する環状溝12aが形成されたフランジ12と、を有する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、双方向に伝達される回転に伴う負荷トルクを所定値以下に制限する双方向トルクリミッタに関する。
一般的にトルクリミッタは、回転伝達機構において、ある一定値を超える大きなトルクが作用したときに、そのトルクの伝達を遮断するものであり、例えば、プリンタや複写機等の電子情報機器の用紙搬送機構のローラ部分に設置されている。このようなトルクリミッタは、機械的な摩擦によって回転トルクを得る接触式のものがあり、例えば、特許文献1に開示されているように、回転軸と共に一体回転する内輪部材と、この内輪部材の外周に締まり嵌めされるコイルバネと、コイルバネの一端部を固定し、前記内輪部材を覆う外輪部材(ケース部材)とを備えたものが知られている。
また、トルクリミッタには、一方向に伝達される回転に伴う負荷トルクを制限する以外にも、例えば、特許文献2,3に開示されているように、両方向に回転駆動される部位に設置されて回転を制限するもの(双方向に伝達される回転に伴う負荷トルクを制限するもの)が知られている。この双方向トルクリミッタは、内輪部材に締まり嵌めされるバネ部材の両端を屈曲してフック部を形成し(このようなバネ部材を、双方向コイルバネとも称する)、この屈曲されたフック部を外輪部材の内面に形成された切欠凹所に係止させるようにしている。
特開2014−145380号 特許第3315603号 特開2000−19597号
上記した双方向トルクリミッタは、外輪部材と内輪部材が円筒形状を成しており、両者の間に双方向コイルバネが介在された状態で所定のトルクを生じさせるようになっている(一定以上のトルクが作用した際に両者が滑る)。すなわち、内輪部材の円周壁に固定されている双方向コイルバネの締め付け力が強い状態では、内輪部材又は外輪部材がいずれの方向に回転しても、内輪部材と外輪部材は、一体回転することが可能(動力伝達はON状態)となるが、双方向コイルバネの締め付け力よりも強い回転トルクが発生する(所定の回転トルクを超える)と、双方向コイルバネは、その端部からの回転力によって径方向に膨らむ状態(緩む状態)となり、内輪部材の円周壁とそこに固定されている双方向コイルバネの内面との間でスリップが生じて動力伝達はOFF状態となる。このため、外輪部材の内面には、双方向コイルバネが膨らんだ際、それをガイドするガイド面が形成されている。
ところで、双方向ルクリミッタが配設される機器(コピー機等)が小型化すると、双方向トルクリミッタも軸方向の薄肉厚化及び低トルク型が必要となり、このような双方向トルクリミッタでは、双方向コイルバネも細径のものが用いられるようになる。双方向トルクリミッタは、正転・逆転時のリミッター動作ごとに、双方向コイルバネに大きな負荷が作用するのであり、特に、端部では負荷が大きく、それを径方向に拡げようとするとともに、双方向コイルバネ自体も軸方向に上昇・下降の変化を繰り返すようになる。
そして、このような状態では、特に、外輪部材の開口端側において、双方向コイルバネは径方向外側に膨らみ易く、内輪部材の外周面から外れて外輪部材のガイド面を乗り越えてしまい、そのまま外輪部材との当接部分に入り込む等、双方向コイルバネの状態が安定しなくなり、制限トルクの発生も不安定になる可能性がある。
本発明は、上記した問題に基づいて成されたものであり、内輪部材の外周面に固定されている双方向コイルバネの状態を安定化させ、安定した制限トルクが得られる双方向トルクリミッタを提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明に係る双方向トルクリミッタは、直線状に延出する一端部と、この一端部と反対方向に直線状に延出する他端部とを備えた双方向コイルバネを外周面に固定した内輪部材と、前記内輪部材の径方向外側を覆うように前記内輪部材と係合するとともに、前記双方向コイルバネの径方向の膨らみをガイドするガイド面と、前記双方向コイルバネの両端部を固定する固定部とが形成された外輪部材と、前記内輪部材と外輪部材との係合部分に配設され、前記双方向コイルバネの前記ガイド面への乗り上げを阻止する外れ防止構造と、を有することを特徴とする。
上記した構成の双方向トルクリミッタでは、内輪部材に対して双方向コイルバネが締まり嵌め固定される。この双方向コイルバネは、一端部から他端部に向けて多数巻、リング状に巻回されたものであり、軸方向から見た場合、一端部側と他端部側が直線状に延出する構成となっている。この内輪部材は、外輪部材に対して、軸方向から挿入されて一体化され、一体化した状態では、双方向コイルバネは、外輪部材に形成されたガイド面によってその膨らみがガイドされて所定の制限トルクが発生する。このような構成において、両者が一体化した状態では、内輪部材と外輪部材との係合部分に、双方向コイルバネのガイド面への乗り上げを阻止する外れ防止構造が設けられているため、動作時において、双方向コイルバネの挙動が安定し、安定した制限トルクを発生することが可能となる。
本発明によれば、内輪部材の外周面に固定されている双方向コイルバネの状態を安定化させ、安定した制限トルクが得られる双方向トルクリミッタが得られる。
本発明の双方向トルクリミッタの一実施形態を示す図であり、(A)は全体構成を示す分解斜視図、(B)は双方向コイルバネを軸方向から見た図。 内輪部材の構成を示す図であり、(A)は裏面図、(B)は側面図、(C)は平面図。 内輪部材の構成を示す図であり、(A)は図2(A)のA−A線に沿った断面図、(B)は斜視図。 外輪部材の構成を示す図であり、(A)は裏面図、(B)は側面図、(C)は平面図。 外輪部材の構成を示す図であり、(A)は図4(A)のB−B線に沿った断面図、(B)は斜視図。 双方向コイルバネを組み込んだ状態を示す図であり、(A)は裏面図、(B)は図(A)のC−C線に沿った断面図、(C)は図(B)のD−D線に沿った断面図。
以下、本発明に係る双方向トルクリミッタの一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1(A)は双方向トルクリミッタの全体構成を示した分解斜視図、図1(B)は双方向コイルバネを軸方向から見た図である。図に示すように、本実施形態の双方向トルクリミッタ1は、円筒状に形成された内輪部材10と、内輪部材10を覆うようにして装着されるキャップ状に形成された外輪部材30と、内輪部材10の円周壁10bの外周面10aに締まり嵌め固定される双方向コイルバネ70と、を備えている。
前記双方向コイルバネ70は、一端部70aから他端部70bに向けて多数巻、リング状に巻回されており、軸方向から見た場合、一端部70aが直線状に延出するとともに、他端部70bが一端部と反対方向に向けて直線状に延出しており、相互に略直線状に離反した構成となっている。このような双方向コイルバネ70は、内輪部材10を外輪部材30内に組み込むと、後述するように、両端部70a,70bの夫々が外輪部材30の内面30cに形成された係合凹所35a,35bの内面に当て付けられて外輪部材30に対して固定される。なお、双方向コイルバネは、右巻き・左巻きのいずれであっても良い。
前記双方向コイルバネ70は、内輪部材10又は外輪部材30から所定の回転トルク(矢印D1,D2のいずれの方向の回転に伴う回転トルク)が発生した場合、両者を滑らせる(内輪部材10と外輪部材30との間で動力伝達をOFFにする)機能を果たす。具体的には、双方向コイルバネ70の締め付け力が強い状態では、内輪部材10又は外輪部材30が矢印D1,D2のいずれの方向に回転しても、内輪部材10と外輪部材30は、一体回転することが可能(動力伝達はON状態)となるが、双方向コイルバネ70の締め付け力よりも強い回転トルクが発生する(所定の回転トルクを超える)と、双方向コイルバネ70は、その端部からの回転力によって径方向に膨らむ状態(緩む状態)となり、内輪部材10の外周面10aとそこに装着されている双方向コイルバネ70の内面との間でスリップが生じて動力伝達はOFF状態となる。
すなわち、このような双方向トルクリミッタ1は、いずれの回転方向でも、その回転力が小さい場合は常に動力伝達状態となり、回転力が双方向コイルバネ70の締め付け力(設定トルク)を超えると、内輪部材10と外輪部材30との間で滑りが生じ、動力伝達はOFF状態となる。このため、動力伝達をOFFにするトルクについては、双方向コイルバネ70の緊締力によって調整可能である。
前記内輪部材10の構成について、図2及び図3を参照して説明する。
内輪部材10は、中空で略円筒形状に形成されており、その内部通路10Aに駆動軸(図示せず)が挿通される。駆動軸には、軸方向と直交する方向に係止ピン80(図6(B)参照)が設けられており、内輪部材10の一端側には、係止ピンと係合する切欠凹部11が径方向に形成されている。これにより、駆動軸の回転駆動と共に内輪部材10が回転駆動されて、その回転駆動力は外輪部材側に伝達される。
前記内輪部材10は、円周壁10bを備えており、その表面(外周面10a)に、前記双方向コイルバネ70が締まり嵌め固定される。前記円周壁10bには、フランジ12が一体形成されており、円周壁の表面に固定される双方向コイルバネ70の移動を規制している。このフランジ12には、双方向コイルバネが固定される側に環状の凹溝(環状溝)12aが形成されており、その径方向内側には、成型時の肉逃用に、リブ12cを介して円弧状の凹溝12bが形成されている。また、環状の凹溝12aよりも径方向内側は、多少肉厚に形成されており、双方向コイルバネ70が軸方向に変位しても、その端面が肉厚の端面(規制面)12dに当て付いて径方向に膨らみ難くしている。なお、環状溝12a及び端面12dの機能(双方向コイルバネのガイド面への乗り上げを阻止する機能;外れ防止構造)については後述する。
前記外輪部材30の構成について、図4及び図5を参照して説明する。
外輪部材30は、キャップ状に形成されており、天板壁30a、及び、内輪部材10の円周壁10bを覆う円周壁30bを備えている。前記天板壁30aには、その中央領域に前記内輪部材10の円周壁10bが嵌入される円形開口31が形成されている(図6(B)参照)。前記天板壁30aには、軸方向外方に向けて、直径方向に沿うように突起32が形成されており、この突起32に駆動部材(図示せず)が係合できるように構成されている。すなわち、本実施形態の双方向トルクリミッタ1は、内輪部材10に形成された切欠凹部11に駆動軸の係止ピン80(図6(B)参照)が係合することで、内輪部材側から外輪部材側に駆動力が伝達可能であり、また、外輪部材30に形成された突起32に駆動部材(図示せず)が係合することで、外輪部材側から内輪部材側に駆動力が伝達可能に構成されている。
前記外輪部材30の円周壁30bの内面には、内輪部材10が挿入された際、内輪部材の外周面10aに巻回された双方向コイルバネ70が固定されるように構成されている。
以下、外輪部材30の内面の構成について説明する。
外輪部材30の円周壁30bの内面30cには、内輪部材10を軸方向から挿入した状態で、双方向コイルバネ70の径方向の変形を防止するように軸方向に延出するガイド面が複数個所形成されている。この場合、ガイド面は、双方向コイルバネ70が360°全周に亘って当接できるように構成されるのが好ましいが、型による成型性・型抜き、熱ヒケ等を考慮すると、全面に亘って形成することは困難であり、周方向に沿って切欠きを形成して、できるだけ当接領域が多くなるように構成されている。具体的に、本実施形態のガイド面は、軸方向に延びた一対の円弧状の湾曲面(ガイド面又は当接壁とも称する)37a,38aが直径方向で対向するように2箇所形成されており(図4(A)では上下の2箇所)、周方向に沿って、合計4箇所の円弧状のガイド面37a,38aが周方向に沿って形成されている。更に、内面30cには、所定間隔をおいて軸方向に延出する断面略半円形状のガイド面39a,40aを具備した一対のガイド壁39,40が前記直径方向と直交する方向(図4(A)では左右の2箇所)で対向するように2箇所形成されている(合計4箇所のガイド壁39,40が形成されている)。
この結果、内輪部材10の外周面10aに固定された双方向コイルバネ70は、周方向に沿って、4箇所形成された円弧状のガイド面37a,38aで面当たりするとともに、4箇所形成されたガイド面39a,40aで点当たりすることで径方向の変形が防止されるようになっている。この場合、ガイド面37a,38a及び39a,40aは、中心軸Cを中心として、点対称となるように配設されており、双方向コイルバネ70の変形をバランスよく押え付けて安定した制限トルクが発生できるようになっている。
前記ガイド面37a,38aは、それぞれ連結リブ43を介して内面30cに対して一体形成されている。また、前記連結リブ43の表面及び裏面には、成型時の熱ヒケや型の抜き性を考慮して、軸方向両側に凹所43aが形成されている。
上記したように、内輪部材10を外輪部材30内に挿入、固定するに際しては、内輪部材10の外周面10aに巻回された双方向コイルバネ70の両端部70a,70bを係合状態に保持する必要があり、外輪部材30には、両端部70a,70bが入り込んで双方向コイルバネ70を固定する固定部(係合凹所)35a,35bが設けられている。本実施形態では、係合凹所35a,35bは、上記した円弧状のガイド面(当接壁)を利用して、その端部に形成されており、図4(A)に示すように、ガイド面37a,38aの側面と、これを内面30cに連結する連結壁43の側面を、両端部70a,70bの延出方向に沿って面一状にすることで形成されている。
この結果、内輪部材10と外輪部材30の組み付け作業時においては、双方向コイルバネ70の一端部70aをガイド面38aの側面の係合凹所35aに位置合わせしながら内輪部材10を外輪部材30に挿入すると、最終的な組み付け時には、他端部70bがガイド面37aの側面の係合凹所35bに入り込んで双方向コイルバネ70は外輪部材30に対して固定された状態となる。
なお、外輪部材30の内面30cには、係合凹所35a,35bが形成される位置に応じて、内側に抉るようにして切欠部30eを形成しておくことが好ましい。このような切欠部30eを形成しておくことにより、内輪部材の挿入時に、双方向コイルバネの端部70a,70bが内面30cに干渉することが無くなり、挿入作業をスムースに行なうことが可能となる。また、内輪部材10の挿入作業時において、作業者が適切な挿入位置を目視できるように、外輪部材30の開口端縁にマーキング47を付与しておくことが好ましい。
本実施形態の外輪部材30は、内面30cに形成されているガイド面37a,38a及び39a,40aは、中心軸Cを中心として、点対称となるように配設されていることから、係合凹所35a,35bが形成される位置と対向する位置にも、同様な凹所35a´,35b´が形成されてしまう。前記マーキング47を付したことにより、ある程度の誤挿入は防止できるものの、マーキング47は小さいことから見え難く、誤って凹所35b´に端部70aを挿入しようとするケースがあり得る。
このため、本実施形態では、このような誤挿入が防止できるように、凹所35a´,35b´への双方向コイルバネの端部70a,70bの挿入ができないように規制部を設けている。具体的に本実施形態では、円弧状のガイド面(当接壁)37a,38aを利用して係合凹所35a,35bを形成していることから、ガイド面37a,38aの端部を突出させることで規制部50を形成しており、この規制部50によって、双方向コイルバネ70の端部70a,70bの端部が差し込めないようにしている。
すなわち、規制部50は、双方向コイルバネの端部の侵入方向に干渉する(挿入を阻止する)ように形成されており、これにより、内輪部材10を外輪部材30に挿入して両者を一体的に組み付ける際、誤挿入を確実に防止することが可能となる。
また、前記外輪部材30の天板壁30aの裏面には、係合凹所35a,35bと対向する側に軸方向に突出する突起54を形成しておくことが好ましい。突起54は、内輪部材10を外輪部材30に組み込んで一体化した場合、双方向コイルバネ70に当て付くように形成されており、螺旋状に巻回されている双方向コイルバネ70の露出面に当て付くことで、双方向コイルバネ70の座りを良くする機能を果たす。具体的には、巻回される双方向コイルバネ70のバネ径の半分程度を持ち上げる厚さがあればよく、これにより、内輪部材に巻回される双方向コイルバネ70の状態が安定し、安定した制限トルクを発生させることができる。
また、前記外輪部材30の開口端には、径方向内側に突出する係止突起56が形成されている。この係止突起56は、内輪部材10を外輪部材30に挿入し、両者が所定位置になったときに内輪部材10の軸方向の移動を規制するために設けられるものであり、内輪部材10に形成されたフランジ12の外周縁12eと係合することで、内輪部材10は外輪部材30に対して、位置決めされた状態で抜け止め固定される(図3,図6(B)参照)。
本発明では、内輪部材10を外輪部材に組み付けた状態において、双方向コイルバネ70が内輪部材10から外れないように構成している。特に、双方向ルクリミッタが配設される機器(コピー機等)の小型化により、双方向トルクリミッタも軸方向の薄肉厚化、低トルク型(例えば、制限トルクが400g・cm以下)が要求されており、このような双方向トルクリミッタでは、巻回される双方向コイルバネも細径のものが用いられるようになる。
双方向トルクリミッタは、正転・逆転時のリミッター動作ごとに、双方向コイルバネには大きな負荷が作用するのであり、特に、端部では負荷が大きく、それを径方向に拡げようとするとともに、双方向コイルバネ自体も軸方向に上昇・下降の変化を繰り返すようになる。このような状態において、線径が細い双方向コイルバネは、係止側(係止突起56側)で、内輪部材10の外周面から外れて外輪部材30のガイド面37a,38aを乗り越えてしまい、そのまま外輪部材との当接部分に入り込む等、双方向コイルバネ70の状態が安定しなくなり、制限トルクの発生も不安定になる可能性がある。
このため、双方向コイルバネ70の外れ防止構造を設けており、双方向コイルバネ70が内輪部材10の外周面10aから外れないように構成されている。
以下、本実施形態の外れ防止構造について具体的に説明する。
図2及び図3に示したように、内輪部材10の外周面10aには、フランジ12が一体形成されており、円周壁10bの表面に固定される双方向コイルバネ70の移動を規制している。このフランジ12には、双方向コイルバネ70が巻回される面側に環状溝12aが形成されている。また、上記したように、外輪部材30の内面30cには、連結リブ43を介して円弧状のガイド面(当接壁)37a,38aが一体形成されている。
そして、前記ガイド面(当接壁)37a,38aの係止突起56側の端面60は、連結リブ43の係止突起56側の端面61よりも高くなるように形成されており(図5参照)、高くなった部分のガイド面37a,38aが前記環状溝12aに嵌まり込むように構成されている(図6(B)参照)。この結果、内輪部材10を外輪部材30に組み付けて両者が係止突起56によって固定状態になると、周方向に沿って形成されている外輪部材のガイド面37a,38aが内輪部材のフランジ12に形成されている環状溝12aに嵌まり込んで固定されることから、図6(B)に示すように、ガイド面37a,38aの内側に巻回されている双方向コイルバネ70は、環状溝12aの径方向内側の規制面12dによって軸方向の移動が規制されるとともに、ガイド面37a,38aの端縁側が環状溝12aに入り込んだ状態となるため、ガイド面37a,38aを乗り越える(外れる)ことができなくなり、動作状態では、常に安定した制限トルクを発生させることが可能となる。
なお、このような外れ防止構造については、双方向コイルバネ70を案内する外輪部材側の当接壁(ガイド面)の端面において、双方向コイルバネ70の端部が乗り上げないように、内輪部材10との間で係合関係が構築されていれば良く、その構成については適宜変形することが可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。例えば、外輪部材30に形成される当接壁(ガイド面)の内輪部材に対する係合構造については、環状の凹溝以外にも、円弧状の溝にする等、適宜変形することができる。
1 双方向トルクリミッタ
10 内輪部材
12 フランジ
12a 環状溝
30 外輪部材
35a,35b 固定部(係合凹所)
37a,38a ガイド面
43 連結リブ
70 双方向コイルバネ

Claims (3)

  1. 直線状に延出する一端部と、この一端部と反対方向に直線状に延出する他端部とを備えた双方向コイルバネを外周面に固定した内輪部材と、
    前記内輪部材の径方向外側を覆うように前記内輪部材と係合するとともに、前記双方向コイルバネの径方向の膨らみをガイドするガイド面と、前記双方向コイルバネの両端部を固定する固定部とが形成された外輪部材と、
    前記内輪部材と外輪部材との係合部分に配設され、前記双方向コイルバネの前記ガイド面への乗り上げを阻止する外れ防止構造と、
    を有することを特徴とする双方向トルクリミッタ。
  2. 前記外れ防止構造は、前記内輪部材の外周面に設けられ、前記外輪部材のガイド面を具備するガイド壁の端縁を嵌合させる環状溝が形成されたフランジを有することを特徴とする請求項1に記載の双方向トルクリミッタ。
  3. 前記フランジには、前記環状溝の径方向内側が、軸方向に肉厚となって双方向コイルバネの軸方向の変位を規制する規制面が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の双方向トルクリミッタ。
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