JP2018152238A - 組電池 - Google Patents
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Abstract
Description
このような応力による接続部分の破損を防止する手段の一つとして、上記した特許文献1、2や図3に示すような凸部132を有するバスバー130を使用し、各々の単電池10が相対的に移動した際にバスバー130の凸部132を撓ませることによって、バスバー130と電極端子160、161との接続部分に掛かる応力を緩和させるという手段が考えられる。
具体的には、適切な電池性能を保証するという観点から、組電池100を構成する各単電池110の間隔y3は自由に変更できないため、配列方向Yにおける凸部132の長さy2を自由に変更することは困難である。一方、凸部132の高さh2については、寸法変更の余地が残されているが、十分な効果を発揮させるために凸部132の高さh2を高くしすぎると、作製後の組電池100を車両等へ搭載することが困難になる。
そして、ここで開示される組電池では、隣接して配置された単電池の電極端子間が、配列方向に延びる長尺の板状部材であるバスバーによって電気的に接続されており、バスバーの長手方向の中央部近傍に、配列方向に向かって突出する凸部を複数有する蛇腹状の可撓部が形成されている。
そして、ここで開示される組電池では、可撓部を構成する凸部が単電池の配列方向に向かって突出しており、当該凸部の配列方向における長さを長くしても、組電池の高さ寸法が大きく変化することがないため、従来の技術に比べて可撓部の寸法を自由に変更することができる。
以上のように、ここで開示される組電池によれば、設計上の制約が少ない構造によって、バスバーと電極端子との接続部分の破損を適切に防止することができる。
図1は本実施形態に係る組電池を模式的に示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態に係る組電池1は、扁平な角型の電池ケース50を有する単電池10を複数(図1では4個)備えている。本実施形態に係る組電池1では、電池ケース50の幅広面(扁平面)50aが相互に対向するように、各々の単電池10が配列方向Yに沿って配列されており、隣接して配置された各単電池10の電極端子60間がバスバー30によって接続されている。
また、図示は省略するが、電池ケース50内に収容された電極体は、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な正極および負極を備えている。なお、電極体を構成する材料や部材(例えば正極および負極に用いられる電極活物質など)は、従来の一般的なリチウムイオン二次電池に用いられるものと同様のものを制限なく使用可能であり、本発明を特徴づけるものではないため詳細な説明を省略する。
また、電池ケース50内には、上記した電極体以外に電解質が収容されているが、当該電解質についても、従来からリチウムイオン二次電池に用いられるものと同様のものを特に制限なく使用することができるため詳細な説明を省略する。
以下、本実施形態に係る組電池1におけるバスバー30の具体的な構造について説明する。図2は本実施形態に係る組電池におけるバスバー近傍を模式的に示す側面図である。
かかるバスバー30の両端部の各々には、単電池10の電極端子60、62と接続される接続部31、33が形成されている。本実施形態におけるバスバー30の接続部31、33は、それぞれ平坦な板状に成形されており、当該接続部31、33の底面が電極端子60、62の上面に溶接されている。なお、バスバーの接続部の構造は、電極端子の構造に応じて適宜変更することができ、上記した構造に限定されない。例えば、電極端子として高さ方向に突出した棒状の電極端子を用いた場合には、当該棒状の電極端子を挿通させるための挿通孔をバスバーの接続部に形成すると好ましい。
なお、かかる蛇腹状の可撓部32を有するバスバー30を作製する方法は、特に限定されない。例えば、高さ方向Zに突出する凸部を有したバスバーを作製し、当該凸部を配列方向Yに向かって折り曲げることによって、図2に示すような蛇腹状の可撓部32を形成することができる。また、かかる可撓部32は、平板状のバスバー30を折り曲げる以外の方法で形成することができる。例えば、バスバー30を成形する際に蛇腹状の可撓部32が形成されるような成形鋳型を用いてもよい。
さらに、本実施形態におけるバスバー30の可撓部32は、従来のバスバー130の凸部132(図3参照)よりも多くの屈曲点を有しているため、図1に示す単電池の幅方向X、配列方向Y、高さ方向Zの何れの方向に単電池10が相対的に移動した場合でも、当該単電池10の移動に対応して可撓部32を適切に撓ませることができる。
このように、本実施形態に係る組電池1によれば、単電池10の相対的な移動によって生じる応力を適切に緩和することができるため、バスバー30と電極端子60、62との接続部分が破損することを好適に防止できる。
以上のように、本実施形態に係る組電池1によれば、設計上の制約が少ない構造によって、バスバー30と電極端子60、62との接続部分の破損を防止することができる。
また、本実施形態において、可撓部32の下側の凸部32aの突出長さを長くし過ぎると、単電池10の間隔を広くする必要が生じたり、下側の凸部32aが傾斜部34と接触して可撓部32が十分に撓まなくなったりする虞がある。このため、可撓部32の長さy1を長くする場合には、上側の凸部32bの突出長さを長くする方が好ましい。
以下、本発明に関係する試験を説明するが、以下の説明は本発明を限定することを意図したものではない。
(1)試験例1
試験例1では、各単電池を接続するバスバーとして、図2に示すような、配列方向Yに向かって突出する2個の凸部32a、32bから構成された可撓部32が形成されたバスバー30を使用した。なお、可撓部32の高さh1は5mmに設定し、配列方向Yにおける長さy1は9mmに設定した。
試験例2においては、各単電池を接続するバスバーとして、平板状のバスバーを用いたことを除いて試験例1と同じ条件で組電池を構築した。
上記した各試験例の組電池について、バスバーによって接続された一対の電極端子の内、一方の電極端子との接続部分を支点として組電池を2mm変位させた際に、他方の電極端子との接続部分に掛かる応力を、応力解析ソフト(Abaqus/CAE)を使用して解析した。解析結果を表1に示す。
10、110 単電池
30、130 バスバー
31、33 接続部
32 可撓部
32a、32b 凸部
34 傾斜部
50 電池ケース
50a 電池ケースの扁平面
52 ケース本体
54 蓋体
60、62、160、161 電極端子
132 凸部
X 単電池の幅方向
Y 単電池の配列方向
Z 単電池の高さ方向
h1 可撓部の高さ
h2 凸部の高さ
y1 配列方向における可撓部の長さ
y2 配列方向における凸部の長さ
y3 単電池の間隔
Claims (1)
- 正極および負極の電極端子を有する単電池を複数備え、当該複数の単電池の各々が所定の配列方向に沿って配列された組電池であって、
隣接して配置された前記単電池の電極端子間が、前記配列方向に延びる長尺の板状部材であるバスバーによって電気的に接続されており、
前記バスバーの長手方向の中央部近傍に、前記配列方向に向かって突出する凸部を複数有する蛇腹状の可撓部が形成されている、組電池。
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