JP2018133622A - 超音波デバイス、超音波探触子、及び超音波装置 - Google Patents

超音波デバイス、超音波探触子、及び超音波装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高い性能の超音波デバイス、超音波探触子、及び超音波装置を提供する。【解決手段】超音波デバイスは、第一面を有し、前記第一面において前記第一面の面方向に沿う第一方向に延設される複数の開口部と、隣り合う前記開口部を隔てる隔壁と、を有する基板と、前記第一面に設けられ、前記開口部を閉塞する振動膜と、前記振動膜の前記基板とは反対側に設けられ、前記第一方向に交差する第二方向に延設される壁部と、前記振動膜に設けられ、前記基板の厚み方向から見た平面視において、前記隔壁と前記壁部とに囲われる位置に設けられる圧電素子と、を備え、前記開口部には、隣り合う前記隔壁間を連結する仕切壁が設けられている。【選択図】図8

Description

本発明は、超音波デバイス、超音波探触子、及び超音波装置に関する。
従来、超音波の送受信を行う超音波デバイスを備えた超音波センサーが知られている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の超音波センサーは、開口部が形成された基板と、開口部を塞ぐように基板に設けられた振動板と、振動板の開口部とは反対側に積層された圧電素子とを備えている。この超音波センサーでは、1つの開口部に対向して複数の圧電素子が配置され、隣り合う圧電素子間で、かつ、振動板の基板とは反対側の面に、振動板の振動を抑制する柱状部が設けられている。このような超音波センサーでは、振動板のうち、開口部の縁と、柱状部の縁とにより囲われる領域が圧電素子によって振動される振動部となり、開口部に複数の振動部が設けられる構成となる。
特開2015−188208号公報
ところで、上記特許文献1に記載の超音波デバイスでは、振動膜の振動によって柱状部が共振するおそれがある。この柱状部の振動には、複数種の異なる振動モードの振動が含まれ、当該振動モードには、振動部の振動を阻害する不要モードが含まれる場合がある。例えば、振動部の周波数と同帯域の周波数の振動モードが含まれる場合、当該柱状部の振動の影響により、振動部に不要振動が励起されたり、振動部の振動が減衰されたりするおそれがあり、超音波デバイスにおける性能が低下するとの課題がある。
本発明は、高い性能の超音波デバイス、超音波探触子、及び超音波装置を提供することを目的とし、以下、当該目的を達成可能な適用例及び実施形態を説明する。
本発明に係る一適用例の超音波デバイスは、第一面を有し、前記第一面において前記第一面の面方向に沿う第一方向に延設される複数の開口部と、隣り合う前記開口部を隔てる隔壁と、を有する基板と、前記第一面に設けられ、前記開口部を閉塞する振動膜と、前記振動膜の前記基板とは反対側に設けられ、前記第一方向に交差する第二方向に延設される壁部と、前記振動膜に設けられ、前記基板の厚み方向から見た平面視において、前記隔壁と前記壁部とに囲われる位置に設けられる圧電素子と、を備え、前記開口部には、隣り合う前記隔壁間を連結する仕切壁が設けられていることを特徴とする超音波デバイス。
本適用例では、基板の第一面に第一方向に沿った開口部が複数設けられ、当該複数の開口部が隔壁により隔てられている。また、基板の第一面に振動膜が設けられ、この振動膜の基板とは反対側に第二方向に沿って延設される壁部が設けられている。さらに、振動膜の隔壁と壁部とに囲われる位置に圧電素子が設けられている。そして、隣り合う隔壁間を連結する仕切壁が設けられている。
ところで、上記のように、振動部の隔壁と壁部とに囲われる領域を振動部とし、圧電素子により振動部を振動させる構成では、振動部の振動によって隔壁が、複数種の振動モードで共振するおそれがある。この振動モードの数は、隔壁の第一方向における長さ寸法が長いと多くなり、振動膜の振動を阻害する不要モードが含まれる可能性も高くなる。
これに対して、本適用例では、上述のように隣り合う隔壁間を連結する仕切壁が設けられているため、隔壁が仕切壁によって、複数の部分(部分隔壁)に分割されることになる。仕切壁は、隣り合う隔壁間を連結するので、隔壁の第二方向、つまり、隔壁の振動変位方向に突出して設けられる構成となる。このため、隔壁は、仕切壁が設けられる位置において、その振動が抑制され、各部分隔壁のそれぞれで共振が発生する。このような構成では、振動部の振動によって、各部分隔壁に共振が発生するものの、各部分隔壁の第一方向の長さ寸法が、仕切壁が設けられていない場合(第一方向に沿った隔壁の全長)に対して小さくなる。よって、各部分隔壁の共振において、発生し得る振動モードが少なくなる。このため、振動部の振動に影響を与える不要モードが含まれる可能性が低減されることになり、高い性能の超音波デバイスを提供することが可能となる。
本適用例の超音波デバイスにおいて、前記開口部は、前記基板を厚み方向に貫通する貫通孔であることが好ましい。
上述したように、本適用例では、隣り合う隔壁間を連結する仕切壁を設けるため、開口部は、仕切壁により複数の部分隔壁に分割される構成となる。このような構成では、部分隔壁のうち一部は、一対の隔壁と一対の仕切壁とにより囲われる構成となり、部分開口部の振動膜とは反対側が閉塞されていると、密閉空間が形成されてしまう。この場合、振動膜の振動により当該密閉空間の内部圧力が増減し、外部空間との圧力差によって振動膜が破損したり、振動膜の振動が阻害されたりする不都合が生じる。
これに対して、本適用例では、開口部は、基板を厚み方向に貫通しているので、上述のような密閉空間が形成されることがなく、内部空間の圧力変化による振動膜の破損や振動阻害を抑制でき、超音波デバイスを高性能に駆動させることができる。
本適用例の超音波デバイスにおいて、前記開口部は、前記仕切壁により複数の部分開口部に分割され、前記隔壁の一部には、前記第二方向に隣り合う前記部分開口部を連通させる第一連通部と、前記第一連通部により連結された複数の前記部分開口部の少なくともいずれか1つに設けられる第二連通部と、を備えることが好ましい。
本適用例では、隣り合う部分開口部間が、第一連通部により連通されているので、1つの部分開口部における内部空間の圧力を隣り合う部分開口部に逃がすことができる。また、これらの連結された部分開口部の少なくともいずれか1つが、第二連通部に連通されていることで、第二連通部に、各部分開口部の内部空間の圧力を逃がすことができる。これにより、部分開口部の内部空間の圧力変化による振動膜の破損や振動阻害を抑制でき、超音波デバイスを高性能に駆動させることができる。
本適用例の超音波デバイスにおいて、前記基板は、前記第一面とは異なる面と前記第二連通部とを連結する第三連通部と、を備えることが好ましい。
上記のような構成において、本適用例では、さらに、第二連通部と、基板の第一面とは異なる面(例えば第一面と反対側の裏面や、第一面に対して交差する側面等)とを連通する第三連通部を備える。つまり、第二連通部は、第三連通部によって外部空間に連通される。このような構成では、各部分開口部の内部圧力を、第二連通部及び第三連通部を介して外部空間に逃がすことができる。これにより、部分開口部の内部空間の圧力変化による振動膜の破損や振動阻害をより効果的に抑制でき、超音波デバイスを高性能に駆動させることができる。
本発明の一適用例に係る超音波探触子は、上述したような超音波デバイスと、前記超音波デバイスを収納する筐体と、を備えることを特徴とする。
本適用例の超音波探触子では、筐体内に上述したような超音波デバイスが収納されており、当該超音波探触子を被検体に接触させることで、被検体に対する超音波測定を実施することができる。そして、上述したように、超音波デバイスは、隔壁間に仕切壁が設けられていることで、振動部の振動により隔壁が共振した場合でも、振動部の振動を阻害する不要モードの発生が低減されている。よって、このような高性能な超音波デバイスを有する超音波探触子では、精度の高い超音波測定を実施することができる。
本発明の一適用例に係る超音波装置は、上述したような超音波デバイスと、前記超音波デバイスを制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
本適用例の超音波装置では、上述のような超音波デバイスを用いた各種超音波処理を実施できる。例えば、超音波デバイスから被検体に対して超音波の送受信を実施し、被検体の内部断層画像を形成したり、被検体の一部の状態(例えば生体の血圧や血流)を測定したりすることができる。また、被検体の患部に対して超音波を送信することで、患部を治療(超音波治療)したり、対象物に付着した除去対象を超音波により除去したりすることができる。そして、本適用例では、上述のように高い性能を有する超音波デバイスを備えているので、当該超音波デバイスを含む超音波装置においても、前記各種超音波処理を高精度に実施することができる。
第一実施形態の超音波装置の概略構成を示す図。 第一実施形態の超音波プローブの概略構成を示す断面図。 第一実施形態の超音波デバイスの素子基板の概略構成を示す平面図。 図3におけるA−A線で切断した超音波デバイスを模式的に示す断面図。 図3におけるB−B線で切断した超音波デバイスを模式的に示す断面図。 第一実施形態の素子基板の概略構成を示す斜視図。 第一実施形態の封止板の概略構成を示す斜視図。 第一実施形態の封止板の概略構成を示す平面図。 第二実施形態の封止板の概略構成を示す平面図。 第二実施形態の超音波デバイスの概略構成を示す断面図。 図9のC−C線で切断した封止板の断面図。 変形例1の封止板の概略構成を示す平面図。 変形例2の封止板の概略構成を示す平面図。 変形例3の超音波デバイスの概略構成を示す断面図。
[第一実施形態]
以下、第一実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、超音波測定装置1の概略構成を示す斜視図である。
超音波測定装置1は、超音波装置に相当し、図1に示すように、超音波プローブ2と、超音波プローブ2にケーブル3を介して電気的に接続された制御装置10と、を備える。
この超音波測定装置1は、超音波プローブ2が生体(例えば人体)の表面に接触された状態で、超音波プローブ2から生体内に超音波を送出する。また、生体内の器官にて反射された超音波を超音波プローブ2にて受信し、その受信信号に基づいて、例えば生体内の内部断層画像を取得したり、生体内の器官の状態(例えば血流等)を測定したりする。
[1.制御装置の構成]
制御装置10は、制御部に相当し、例えば、図1に示すように、ボタンやタッチパネル等を含む操作部11と、表示部12と、を備える。また、制御装置10は、図示は省略するが、メモリー等により構成された記憶部と、CPU(Central Processing Unit)等により構成された演算部と、を備える。制御装置10は、記憶部に記憶された各種プログラムを、演算部に実行させることにより、超音波測定装置1を制御する。例えば、制御装置10は、超音波プローブ2の駆動を制御するための指令を出力したり、超音波プローブ2から入力された受信信号に基づいて、生体の内部構造の画像を形成して表示部12に表示させたり、血流等の生体情報を測定して表示部12に表示させたりする。このような制御装置10としては、例えば、タブレット端末やスマートフォン、パーソナルコンピューター等の端末装置を用いることができ、超音波プローブ2を操作するための専用端末装置を用いてもよい。
[2.超音波プローブの構成]
図2は、超音波プローブ2の概略構成を示す断面図である。
超音波プローブ2は、超音波探触子に相当し、図2に示すように、筐体21と、筐体21内部に収納された超音波デバイス22と、超音波デバイス22を制御するためのドライバー回路等が設けられた回路基板23と、を備える。なお、超音波デバイス22と、回路基板23とにより超音波センサー24が構成される。
[2−1.筐体の構成]
筐体21は、図1に示すように、例えば平面視矩形状の箱状に形成され、厚み方向に直交する一面(センサー面21A)には、センサー窓21Bが設けられており、超音波デバイス22の一部が露出している。また、筐体21の一部(図1に示す例では側面)には、筐体21の内部の回路基板23に接続されるケーブル3が挿通されており、当該ケーブル3により、超音波プローブ2と制御装置10とが接続される。なお、超音波プローブ2と制御装置10との接続構成としては、これに限定されず、例えば超音波プローブ2と制御装置10とが無線通信により接続されていてもよく、さらに、超音波プローブ2内に制御装置10の各種構成が設けられていてもよい。
[2−2.回路基板の構成]
回路基板23は、後述する超音波デバイス22の信号端子414P(図3参照)及び共通端子416P(図3参照)と電気的に接続され、制御装置10の制御に基づいて超音波デバイス22を制御する。
具体的には、回路基板23は、送信回路や受信回路等を備えている。送信回路は、超音波デバイス22に超音波送信させる駆動信号を出力する。受信回路は、超音波を受信した超音波デバイス22から出力された受信信号を取得し、当該受信信号の増幅処理、A−D変換処理、整相加算処理等を実施して制御装置10に出力する。
[2−3.超音波デバイスの構成]
図3は、超音波デバイス22における素子基板41を、封止板42側から見た平面図である。図4は、図3におけるA−A線で切断した超音波デバイス22の断面図である。図5は、図3におけるB−B線で切断した超音波デバイス22の断面図である。図6は、素子基板41を音響レンズ44側から見た際の概略構成を示す斜視図である。なお、図3は、説明の便宜上、超音波トランスデューサーTrの配置数を減らしているが、実際には、より多くの超音波トランスデューサーTrが配置されている。同様に、図6や、後述する図7、図8、図9、図12、図13に示す素子開口部411A及び隔壁424,424Cにおいても、説明の便宜上、配置数を減らしている。
超音波デバイス22は、図2、図4、及び図5に示すように、素子基板41と、封止板42(基板)と、音響レンズ44とを備えている。
この超音波デバイス22は、図3に示すように、互いに交差(本実施形態では、直交を例示)するX方向(スライス方向;第二方向)及びY方向(スキャン方向;第一方向)に沿って、複数の超音波トランスデューサーTrが2次元アレイ状に配置されている。本実施形態では、X方向に配置された複数の超音波トランスデューサーTrにより、1CH(チャネル)の送受信列Chが構成される。また、当該1CHの送受信列ChがY方向に沿って複数並んで配置されることで、1次元アレイ構造の超音波デバイス22が構成される。ここで、超音波トランスデューサーTrが配置される領域をアレイ領域Ar1とする。
また、1CHの送受信列ChがX方向に並ぶ1列の超音波トランスデューサーTrにより構成される例を示すが、これに限らない。例えば、X方向に並ぶ1列の超音波トランスデューサーTrを1つの素子群とし、Y方向に並ぶ所定数の素子群(例えば4列の素子群)を1つの送受信列Chとしてもよい。
[2−3−1.素子基板の構成]
素子基板41は、図4に示すように、基板本体部411と、基板本体部411の封止板42側に設けられる振動膜412と、振動膜412に設けられた圧電素子413と、を備える。
基板本体部411は、例えばSi等の半導体基板により構成されている。この基板本体部411には、平面視において、各々の送受信列Chと重なる素子開口部411Aが設けられている。つまり、本実施形態では、素子開口部411Aは、X方向に対する開口幅寸法が、Y方向に対する幅寸法に比べて大きくなり、X方向に沿って長手に形成されている。
本実施形態では、各素子開口部411Aは、基板本体部411の基板厚み方向を貫通した貫通孔であり、当該貫通孔の一端側(封止板42側)を閉塞するように振動膜412が設けられている。
ここで、基板本体部411の振動膜412と接合される部分は壁部411Bであり、素子開口部411Aは、壁部411Bにより四方(±X側、±Y側)が囲われることで形成されている。つまり、隣り合う素子開口部411Aの間のそれぞれに、X方向に延設される壁部411Bが配置されて、これらの壁部411Bにより隣り合う素子開口部411Aが隔てられる構成となる。
振動膜412は、例えばSiOや、SiO及びZrOの積層体等より構成され、基板本体部411の封止板42側の面に設けられる。この振動膜412は、上述したように、基板本体部411の壁部411Bに支持されることで、各素子開口部411Aを閉塞している。この振動膜412の厚み寸法は、基板本体部411に対して十分小さい厚み寸法となる。
また振動膜412の基板本体部411とは反対側には、封止板42が接合されている。後に詳述するが、図4及び図5に示すように、封止板42には、平面視においてY方向に延設される複数の隔壁424が設けられ、当該複数の隔壁424がX方向に対して所定間隔で配置されている。つまり、封止板42は、複数の隔壁424に挟まれ、接合面421の面方向に沿ってY方向に延設される複数の開口部425を有している。そして、素子基板41のアレイ領域Ar1において、振動膜412には、封止板42の複数の隔壁424がそれぞれ接合されている。
つまり、本実施形態では、振動膜412は、+Z側の面において、X方向に延設される複数の壁部411Bが接合され、−Z側の面において、Y方向に延設される複数の隔壁424が接合される。
ここで、振動膜412のうち、平面視において、壁部411Bの縁と、隔壁424の縁とにより四方が囲われる領域(素子開口部411Aと開口部425とが重なる領域)は、可撓部412Aを構成する。この可撓部412AのY方向の寸法は、素子開口部411AのY方向の幅寸法により規定され、X方向の寸法は、開口部425のX方向の幅寸法により規定される。
本実施形態では、1つの素子開口部411Aに対して、複数の可撓部412AがX方向に並ぶ構成となる。そして、各可撓部412Aには、それぞれ圧電素子413が設けられており、これらの可撓部412Aと圧電素子413とにより、1つの超音波トランスデューサーTrが構成される。
圧電素子413は、上述のように、各可撓部412Aの封止板42側の面に対して、それぞれ設けられている。この圧電素子413は、例えば、振動膜412側から下部電極414、圧電膜415、及び上部電極416を積層した積層体により構成されている。
このような超音波トランスデューサーTrでは、下部電極414及び上部電極416の間に所定周波数の矩形波電圧(駆動信号)が印加されることで、圧電膜415が撓んで可撓部412Aが振動し、超音波が送出される。また、生体から反射された超音波により可撓部412Aが振動されると、圧電膜415の上下で電位差が発生する。これにより、下部電極414及び上部電極416の間に発生する電位差を検出することで、受信した超音波を検出することが可能となる。
下部電極414は、図3に示すように、X方向に沿って直線状に形成され、1CHの送受信列Chを構成する。この下部電極414の両端部(±X側端部)は、アレイ領域Ar1の±X側に設けられた端子領域Ar2まで延設し、当該端子領域Ar2において、回路基板23に電気接続される信号端子414Pが設けられる。
また、上部電極416は、図3に示すように、Y方向に沿って直線状に形成されており、Y方向に並ぶ送受信列Chを接続する。そして、上部電極416の±Y側端部は共通電極線416Aに接続される。この共通電極線416Aは、X方向に対して複数配置された上部電極416同士を結線する。共通電極線416Aの両端部(±X側端部)は、端子領域Ar2まで延設され、当該端子領域Ar2において、回路基板23に電気接続される共通端子416Pが設けられている。共通端子416Pは、回路基板23の基準電位回路(図示省略)に接続され、基準電位に設定される。
[2−3−2.音響層及び音響レンズの構成]
音響層43は、図4及び図5に示すように、素子基板41の+Z側の面に、素子開口部411Aの内部を充填するように設けられる。
音響レンズ44は、図1に示すように、筐体21のセンサー窓21Bから外部に露出し、測定対象である生体の表面に接触される。この音響レンズ44は、ZX面における断面がシリンドリカル形状であり(図5参照)、超音波デバイス22から送信された超音波を収束させる。
音響層43及び音響レンズ44は、粘弾性体、エラストマーで形成され、例えば、シリコーンゴム、ブタジエンゴムを用いて形成できる。また、音響層43及び音響レンズ44は、測定対象である生体の音響インピーダンスに近い音響インピーダンス(例えば1.5MRayls)である。これにより、音響層43及び音響レンズ44は、超音波トランスデューサーTrから送信された超音波を測定対象である生体に効率良く伝播させ、また、生体内で反射した超音波を効率良く超音波トランスデューサーTrに伝播させる。
[2−4.封止板の構成]
図7は、封止板42を素子基板41側から見た際の概略構成を示す斜視図である。図8は、封止板42を素子基板41側から見た平面図である。なお、図8において、平面視において、素子基板41の素子開口部411Aが重なり合う位置を破線にて示している。
封止板42は、基板に相当し、厚み方向から見た際の平面形状が例えば素子基板41と同形状に形成される。封止板42の+Z側の面(接合面421)は、基板の第一面に相当し、素子基板41(振動膜412)の−Z側の面に、例えば樹脂部材等(図示略)によって接合される。この封止板42は、Si等の半導体基板や、絶縁体基板により構成され、素子基板41を補強する。なお、封止板42の材質や厚みは、超音波トランスデューサーTrの周波数特性に影響を及ぼすため、超音波トランスデューサーTrにて送受信する超音波の中心周波数に基づいて設定することが好ましい。
封止板42は、図7及び図8に示すように、配線部422と、アレイ対向開口423と、を含んで構成されている。
配線部422は、素子基板41の端子領域Ar2に対向する位置に設けられ、Z方向に貫通する貫通穴である。各端子414P,416Pは、−Z側から見て、配線部422と重なる位置に配置され、配線部422に挿通されたFPC(Flexible printed circuits)等の配線部材(図示略)を介して回路基板23に接続される。
アレイ対向開口423は、図8に示すように、平面視において、例えば略矩形状に形成され、素子基板41のアレイ領域Ar1に対向する領域に設けられている。このアレイ対向開口423には、封止板42の接合面421から、接合面421の裏面421Aを貫通する開口である。
アレイ対向開口423の±Y側の開口側面423Aは、素子基板41の各素子開口部411Aの±Y端面と同一位置、若しくは、素子基板41の各素子開口部411Aの±Y端面よりも外側(アレイ領域Ar1から離れる側)に位置する。また、アレイ対向開口423の±X側の開口側面423Bは、素子基板41の各素子開口部411Aの±X端面と同一位置、若しくは、素子基板41の各素子開口部411Aの±X端面よりも外側(アレイ領域Ar1から離れる側)に位置する。
なお、本実施形態では、X方向の両端部に位置する可撓部412Aは、3辺が素子開口部411A(壁部411B)により、1辺が隔壁424により、その形状が規定される。したがって、上述したように、アレイ対向開口423の±X側の溝壁面を、素子基板41の各素子開口部411Aの±X端面と同一位置に配置すればよい。これに対して、各可撓部412Aの特性を同一にするため、他の可撓部412Aと同様に、±X側端部の可撓部412Aにおいても、一対の隔壁424と、一対の壁部411Bとにより囲われる構成としてもよい。この場合では、アレイ対向開口423の±X側の開口側面423Bを、素子基板41の各素子開口部411Aの±X端面よりも外側(平面視でアレイ領域Ar1から離れる側)に配置することが好ましい。
そして、アレイ対向開口423には、+Y側の開口側面423Aから−Y側の開口側面423Aに亘って架橋され、Y方向に延設される隔壁424が複数設けられている。これらの隔壁424は、X方向に所定間隔で配置されている。
これにより、封止板42の接合面421には、隣り合う隔壁424により挟まれた開口部425が形成される。つまり、封止板42は、接合面421において開口し、かつY方向に延設された開口部425が、X方向に複数配置される構成となり、隣り合う開口部425が隔壁424により隔てられている。そして、開口部425は、平面視において、X方向に沿う送受信列Chに交差し、送受信列Chを構成する各超音波トランスデューサーTrと重なる位置に形成される。すなわち、圧電素子413は、開口部425及び素子開口部411Aと重なる位置であり、隔壁424及び壁部411Bと重なる位置に設けられる。
各隔壁424の素子基板41側の面は、接合面421と同一平面となり、接合面421に連続して、アレイ領域Ar1において振動膜412に接合されている。つまり、振動膜412は、封止板42における開口部425を覆って閉塞する。また、隔壁424の素子基板41とは反対側の面は、裏面421Aと同一平面となる。つまり、隔壁424のZ方向の寸法(高さ寸法)は、封止板42の厚み寸法と同一になる。なお、本実施形態では、隔壁424の素子基板41とは反対側の面は、裏面421Aと同一平面とするが、これに限定されず、例えば、裏面421Aよりも素子基板41側に位置してもよく、裏面421Aから突出していてもよい。
また、隔壁424には、隣り合う隔壁424との間を連結し、開口部425を複数の部分開口部425Aに分割する仕切壁424Aが設けられている。つまり、隔壁424は、仕切壁424Aによって、複数の部分隔壁424Bに分割される。本実施形態では、部分開口部425Aは、平面視で、1つの素子開口部411A、又は2つの素子開口部411Aに跨って重なり合う。
この仕切壁424Aは、隔壁424と同一又は略同一の高さ寸法に形成されており、隔壁424と同様に、アレイ領域Ar1において振動膜412に接合されている。また、仕切壁424AのY方向の幅寸法は、壁部411BのY方向の幅寸法と同一である。
仕切壁424Aが設けられる位置は、平面視において、素子基板41のX方向に延設された壁部411Bが設けられる位置である。よって、部分隔壁424Bは、素子開口部411Aと重なる位置に配置されることになる。
また、±X側端部に配置される隔壁424に対しては、アレイ対向開口423の±X側の開口側面423Bとの間を連結する仕切壁424Aが配置される。
より具体的には、本実施形態では、図8に示すように、X方向に隣り合う隔壁424において、仕切壁424Aは、それぞれ異なる位置に配置されている。つまり、X方向から隣り合う2つの隔壁424を見た投影視において、仕切壁424Aが互いに重なり合わない。
図8に示す例では、X方向に対して奇数番目に配置される隔壁424は、−X側に隣り合う隔壁との間で、Y方向に対して(2n−1)番目に配置された素子開口部411Aと(2n)番目の素子開口部411Aの間の壁部411B(奇数番目の壁部411B)と重なる位置に仕切壁424Aを有する(但し、nは1以上の整数)。また、X方向に対して奇数番目に配置される隔壁424は、+X側に隣り合う隔壁424との間で、Y方向に対して(2n)番目に配置された素子開口部411Aと(2n+1)番目の素子開口部411Aの間の壁部411B(偶数番目の壁部411B)と重なる位置に仕切壁424Aを有する。
[3.第一実施形態の作用効果]
本実施形態の超音波測定装置1は、筐体21内に超音波デバイス22を収納した超音波プローブ2と、超音波デバイス22を制御する制御装置10とを備える。
超音波デバイス22は、素子基板41と、素子基板41に接合される封止板42を有する。素子基板41は、基板本体部411にX方向に延設され、Y方向に対して複数配置された素子開口部411Aと、素子開口部411Aを隔てる壁部411Bとを有し、壁部411Bに素子開口部411Aを閉塞する振動膜412が接合される。一方、封止板42は、接合面421においてY方向に延設される開口部425と、隣り合う開口部425を隔てる隔壁424を備え、接合面421が振動膜412に接合される。また、振動膜412のうち、平面視において、素子開口部411Aと開口部425とが重なる領域(隔壁424と壁部411Bとに囲われる領域)により可撓部412Aが構成され、各可撓部412Aに圧電素子413が配置されることで超音波トランスデューサーTrが構成されている。そして、封止板42の各隔壁424には、隣り合う隔壁424に連結される仕切壁424Aを備えている。
このような構成とすることで、超音波トランスデューサーTrが駆動し、可撓部412Aが振動した際に、隔壁424が共振した場合でも、可撓部412Aの振動が阻害される不都合を抑制でき、超音波デバイス22の性能を高めることができる。
つまり、隔壁424に仕切壁424Aが設けられない場合、可撓部412Aの振動によって隔壁424が共振した際、隔壁424が複数の振動モードで共振する。この場合、当該振動モードに、可撓部412Aの正常な振動を阻害する不要な振動モード(不要モード)が含まれる可能性が高く、超音波デバイス22を精度よく駆動させることが困難となる。これに対して、本実施形態のように、隣り合う隔壁424間に仕切壁424Aを設ける構成とすることで、隔壁424が複数の部分隔壁424Bに分割されることになる。部分隔壁424Bも、可撓部412Aの振動により共振することがあるが、隔壁424に対して、Y方向の長さ寸法が小さいので、周波数が小さくなる方に共振周波数がシフトし、かつ、発生する振動モードも少なくなる。したがって、可撓部412Aの正常な振動を阻害する不要モードが発生する可能性が低くなる。
これにより、超音波デバイス22を高い性能で駆動させることが可能となる。したがって、当該超音波デバイス22を用いた超音波プローブ2により、被検体に対する超音波測定を実施する場合においても、精度の高い超音波測定を実施することが可能となり、制御装置10において、超音波測定結果に基づいた各種処理(例えば、生体の内部断層画像の生成及び表示)を行う際においても、精度の高い測定結果に基づいた、精度の高い処理を実施することができる。
本実施形態では、各開口部425は、封止板42の接合面421から裏面421Aまでを貫通する貫通孔であり、その一端側が素子基板41の振動膜412により閉塞されている。
このような構成では、超音波トランスデューサーTr(可撓部412A)の封止板42側の面は、開口部425から外部に露出する構成となり、超音波トランスデューサーTrの封止板42側の面に係る圧力は、超音波デバイス22の周囲環境の外部圧力と同じになる(例えば大気圧)。これにより、超音波トランスデューサーTrが駆動した際でも、圧力変化による影響を抑制できる。つまり、超音波トランスデューサーTrと封止板42との間に密閉空間が形成されている場合、超音波トランスデューサーTrの駆動等によって振動膜412が振動すると、当該密閉空間内の内部圧力が変化し、超音波デバイス22の外部空間との圧力差が発生する。この場合、当該圧力差の影響により、振動膜412の振動阻害や、圧電素子413の破損や性能低下が起こりうる。これに対し、本実施形態では、開口部425内の内部圧力の変化が抑制され、上記の様な不都合を抑制できる。
本実施形態では、隔壁424及び仕切壁424AのZ方向の高さ寸法は、封止板42の厚み寸法と同じとなる。このため、封止板42に対してエッチングを実施して、開口部425を形成する場合等において、隔壁424及び仕切壁424Aをマスクして1回のエッチングを行うだけの簡単な工程にて、封止板42を形成することができ、製造コストの低減を図ることができる。
[第二実施形態]
以下、第二実施形態について説明する。
第一実施形態では、封止板42の厚み方向を貫通する開口部425が設けられる構成とした。これに対して、第二実施形態では、開口部425が凹溝となる点で第一実施形態と相違する。
図9は、第二実施形態における封止板42を素子基板側から見た際の平面図である。図10は、第二実施形態における超音波デバイス22の概略構成を示す断面図であり、図9のC−C線に対応する超音波デバイス22の断面を示している。図11は、図9におけるD−D線で切断した封止板42の断面図である。なお、以降の説明にあたり、既に説明した構成については同符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
図9に示すように、本実施形態の超音波デバイス22の封止板42は、配線部422と、アレイ対向溝426と、連結路427(第二連通部)と、連通路428(第三連通部)と、を含んで構成されている。
アレイ対向溝426は、平面視において、例えば略矩形状に形成され、素子基板41のアレイ領域Ar1に対向する領域に設けられた凹溝である。このアレイ対向溝426の溝底面426Aからは、図10に示すように、複数の隔壁424Cが素子基板41側に向かって立設されている。また、第一実施形態と同様に、これらの隔壁424Cには、隣り合う隔壁424Cを連結する仕切壁424Dが設けられている。図示は省略するが、これらの仕切壁424Dも、隔壁424Cと同様、アレイ対向溝426の溝底面426Aから立設されている。したがって、本実施形態では、開口部425も、アレイ対向溝426と同じ深さ寸法の凹溝となる。
ここで、本実施形態において、仕切壁424Dが設けられる位置は、Y方向に対して3つの可撓部412Aが設けられることとなる。また、隣り合う隔壁424Cにおいて、仕切壁424Dは、Y方向に1つの可撓部412A分だけずれて配置される。
具体的には、X方向に順に隣り合う3つの隔壁(第一隔壁424C1、第二隔壁424C2、及び第三隔壁424C3)を1つの組とし、X方向に当該組が複数並ぶ構成を例示する。
この場合、第一隔壁424C1は、Y方向に対して、(3n+1)番目に配置された壁部411Bと重なる位置に、第二隔壁424C2と連結される仕切壁424Dが配置される(但し、nは0以上の整数であり、−X側端部の素子開口部411Aの−X側を規定する壁部411Bを1番目の壁部411Bとする)。
また、第二隔壁424C2は、Y方向に対して、(3n+2)番目に配置された壁部411Bと重なる位置に、第三隔壁424C3と連結される仕切壁424Dが配置される。
さらに、第三隔壁424C3は、Y方向に対して、(3n)番目に配置された壁部411Bと重なる位置に、X方向に並ぶ次の組の第一隔壁424C1と連結される仕切壁424Dが配置される。
なお、本実施形態では、X方向の端部に設けられた仕切壁424Aは、アレイ対向溝426の溝側面に接続されず、所定の寸法を介して配置されている。
そして、本実施形態では、各隔壁424Cの壁部411Bと重なり、仕切壁424Dが設けられていない位置に、隣り合う開口部425間を連通する連通溝425B(第一連通部)を備えている。
具体的には、第一隔壁424C1には(3n+2)番目に配置された壁部411Bと重なる位置、第二隔壁424C2には(3n)番目に配置された壁部411Bと重なる位置、第三隔壁424C3には、(3n+1)番目に配置された壁部411Bと重なる位置、にそれぞれ連通溝425Bが設けられる。
つまり、各隔壁424Cは、Y方向に沿って壁部411Bと重なる位置を順に見た際に、−X側に隣り合う隔壁424Cと連結される仕切壁424D、+X側に隣り合う隔壁424Cと連結される仕切壁424D、連通溝425Bの順に配置される。
本実施形態では、上記第一実施形態と同様、開口部425は、仕切壁424Dにより複数の部分開口部425Aに分割される。そして、これらの各部分開口部425Aには、それぞれ連通溝425Bが設けられており、X方向に隣り合う他の部分開口部425Aと連通する。つまり、アレイ対向溝426内に設けられる全ての部分開口部425Aは、アレイ領域Ar1の最外周に位置する部分開口部425Aの何れかに連通される構成となる。
また、隔壁424Cは、仕切壁424Dと連通溝425Bとにより複数の部分隔壁424Eに分割される。各部分隔壁424EのY方向の長さ寸法は、第一実施形態と同様であり、1つの可撓部412Aに相当する長さ寸法となる。
この連通溝425Bは、例えば、溝深さ寸法が開口部425と同一となり、Y方向の幅寸法が壁部411BのY方向の幅寸法以下となる凹溝である。このような連通溝425Bは、例えば、封止板42をエッチングして開口部425を形成する際に、同時に形成することができる。
連結路427は、アレイ対向溝426の外周を囲って設けられる。すなわち、アレイ対向溝426の±Y側の溝側面と各隔壁424Cの±Y側端部との間、アレイ対向溝426の±X側の溝側面と±X側端部に設けられた仕切壁424Dの溝側面に対向する端部との間に設けられた所定寸法の隙間により連結路427が構成される。連結路427における深さ寸法は、アレイ対向溝426と同一である。
ここで、本実施形態では、上述のように、隔壁424Cの一部に連通溝425Bが設けられる。これにより、各超音波トランスデューサーTrと封止板42(アレイ対向溝426の溝底面426A)との間の空間(以降、駆動空間と称す)が、連通溝425Bにより連通され、さらに、アレイ領域Ar1の最外周に対向する連結路427に連通されている。これにより、各超音波トランスデューサーTrのそれぞれに対応する駆動空間が密閉されておらず、内部圧力を連結路427に逃がすことが可能となる。
連通路428は、平面視において、アレイ対向溝426から離れる方向に、例えば−Y側に配置された連結路427から延伸されており、連結路427とは反対側の端部にて孔部428Aを介して外部に連通される。本実施形態では、連通路428は、図10及び図11に示すように、Y方向に沿って形成され、+Y側の端部にて連結路427に連通し、−Y側の端部にて孔部428Aに連通する。
連通路428の深さ寸法(Z方向の寸法)は、図11に示すように、開口部425及び連結路427よりも小さい。また、連通路428の幅寸法(X方向の寸法)は、連結路427の寸法と略同じである。よって、連通路428の断面積は、連結路427の延伸方向(X方向)に交差する面(YZ面に平行な面)の断面積よりも小さい。
なお、連通路428の構成は、上記に限定されず、例えば、±Y側の双方に設けられていてもよく、連通路428がアレイ対向溝426から離れる方向に蛇行して延設されていてもよい。また、孔部428Aにて、封止板42の接合面421とは反対の裏面に連通される構成を例示しているが、例えば、裏面や接合面421に交差する側面に連通する孔部428Aが設けられてもよい。
[第二実施形態の作用効果]
本実施形態では、封止板42に設けられる開口部425は、接合面421に開口する凹溝となる。このような構成では、各超音波トランスデューサーTrが外部に露出されないので、水滴や異物による破損や性能低下を抑制することが可能となる。
また、X方向に隣り合う部分開口部425Aが連通溝425Bにより連通され、連結路427に連通し、さらに、連通路428を介して外部空間に連通されている。これにより、超音波トランスデューサーTrを、凹溝状の開口部425を有する封止板42で覆い、かつ、開口部425を複数の仕切壁424Dにより分割して部分開口部425Aとした場合でも、超音波トランスデューサーTrの駆動空間における内部圧力を外部に逃がすことができ、超音波トランスデューサーTrの破損や性能低下を抑制できる。
さらに、連通路428がアレイ対向溝426から離れる方向に延設され、連通路428の断面積が連結路427の断面積よりも小さい。これにより、連結路427よりも連通路428の流路抵抗を増大させることができ、外部空間からの異物の流入をより効果的に抑制できる。
[変形例]
なお、本発明は上述の各実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
(変形例1)
図12は、変形例1に係る封止板42を素子基板41側から見た概略構成を示す平面図である。
上記第一実施形態では、仕切壁424Aにより、開口部425が、2つの素子開口部411Aに跨って重なり合う部分開口部425Aに分割する例を示したが、部分開口部425Aの長さはこれに限定されない。例えば図12に示すように、仕切壁424Aは、平面視において、壁部411Bと重なる位置毎に設けられる構成としてもよい。この場合、開口部425は、仕切壁424Aによって、素子開口部411AのY方向の長さ寸法と略同一寸法となる部分開口部425Aに分割され、それぞれが素子開口部411Aと重なる。
このような構成においても、部分隔壁424BのY方向の長さ寸法が第一実施形態と同一となり、隔壁424が共振した際に不要モードの振動が含まれる可能性を低減することができる。
また、隔壁424は、壁部411Bと重なる位置毎に±X側に突出する仕切壁424Aにより保持されるので、隔壁424のX方向への変位(振動)をより抑制することができ、隔壁424の共振による影響をより低減できる。
(変形例2)
第二実施形態において、Y方向に沿って、−X側の隔壁424Cと連結される仕切壁424D、+X側の隔壁424Cと連結される仕切壁424D、連通溝425Bの順に配置される隔壁424Cを例示したが、各超音波トランスデューサーTrに対応する駆動空間を、それぞれ、連通路428から外部に連通させる構成であれば如何なる構成であってもよい。
図13は、変形例2に係る封止板の概略構成を示す平面図である。
図13に示す例では、封止板42は、X方向に対して、(4n−3)番目に配置される隔壁424C(第一隔壁424C4)と、(4n−2)番目に配置される隔壁424C(第二隔壁424C5)とにおいて、Y方向に奇数番目に配置される壁部411Bと重なる位置で隔壁424C間を連結する仕切壁424Dが設けられている(但し、nは1以上の整数)。また、Y方向に偶数番目に配置される壁部411Bと重なる位置で、連通溝425Bが設けられている。
一方、X方向に対して、(4n−1)番目に配置される隔壁424C(第三隔壁424C6)と、(4n)番目に配置される隔壁424C(第四隔壁424C7)とにおいて、Y方向に偶数番目に配置される壁部411Bと重なる位置で隔壁424C間を連結する仕切壁424Dが設けられている。また、Y方向に奇数番目に配置される壁部411Bと重なる位置で、連通溝425Bが設けられている。
このような構成では、各超音波トランスデューサーTrに対応する駆動空間から、連結路427や連通路428に至るまでの経路が複数設けられる構成となり、駆動空間と外部圧力との圧力差の発生をより効果的に抑制できる。
(変形例3)
第二実施形態において、開口部425が凹溝となる場合に、アレイ対向溝426の外周に沿って連結路427を設け、連結路427を連通路428から外部に連通させる構成を例示した。
これに対して、図14に示すような構成としてもよい。
つまり、アレイ対向溝426の溝底面426Aに、各部分開口部425Aに対して少なくとも1つの貫通孔426Bを設けてもよい。この場合、仕切壁424Dの配置位置としては、例えば第一実施形態や、図12に示す変形例1のように、部分隔壁424Bと仕切壁424Aとにより、部分開口部425Aを囲う構成としてもよい。
(変形例4)
上記各実施形態において、仕切壁424A,424DのY方向の幅寸法を、壁部411BのY方向の幅寸法と同一にしたが、これに限定されない。すなわち、仕切壁424A,424Dが素子開口部411Aと重ならなければよく、例えば、仕切壁424A,424DのY方向の幅寸法を、壁部411BのY方向の幅寸法よりも小さくしてもよい。
(変形例5)
上記第二実施形態において、第一連通部として、封止板42の接合面側に設けられる凹状の連通溝425Bを例示したが、これに限定されない。
例えば、隔壁424CをX方向に貫通する貫通孔等であってもよい。
また、仕切壁424DをY方向に貫通する貫通孔であってもよい。この場合、Y方向に並ぶ各部分開口部425Aをそれぞれ連通することができる。
(変形例6)
上記第一実施形態において、隔壁424の±Y側端部がアレイ対向開口423の±Y側の開口側面423Aに接続され、+X側端部に配置された仕切壁424Aの+X側の端部がアレイ対向開口423の+X側の開口側面423Bに接続され、−X側端部に配置された仕切壁424Aの−X側の端部がアレイ対向開口423の+X側の開口側面423Bに接続されたが、これに限定されない。例えば、隔壁424の±Y側の端部のいずれか一方が開口側面423Aに接続されている場合、他方は開口側面423Aに接していなくてもよく、±X側端部に設けられた仕切壁424Aも開口側面423Bに接していなくてもよい。同様に、±X端部に設けられた仕切壁424Aの端部のいずれかが開口側面423Bに接続されている場合、その他は開口側面423A,423Bに接していなくてもよい。
(変形例7)
上記各実施形態では、超音波装置として、生体内の器官を測定対象とする超音波測定装置1を例示したが、これに限定されない。例えば、各種構造物を測定対象として、当該構造物の欠陥の検出や老朽化の検査を行う測定機に、上記実施形態及び各変形例の構成を適用できる。また、例えば、半導体パッケージやウェハ等を測定対象として、当該測定対象の欠陥を検出する測定機についても同様である。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で上記各実施形態及び変形例を適宜組み合わせることで構成してもよく、また他の構造などに適宜変更してもよい。
1…超音波測定装置(超音波装置)、2…超音波プローブ(超音波探触子)、10…制御装置(制御部)、21…筐体、22…超音波デバイス、41…素子基板、42…封止板(基板)、411…基板本体部、411A…素子開口部、411B…壁部、412…振動膜、412A…可撓部、413…圧電素子、421…接合面(第一面)、422…配線部、423…アレイ対向開口、423A…開口側面、423B…開口側面、424,424C…隔壁、424A,424D…仕切壁、424B,424E…部分隔壁、424C1…第一隔壁、424C2…第二隔壁、424C3…第三隔壁、424C4…第一隔壁、424C5…第二隔壁、424C6…第三隔壁、424C7…第四隔壁、425…開口部、425A…部分開口部、425B…連通溝(第一連通部)、426…アレイ対向溝、426A…溝底面、426B…貫通孔、427…連結路(第二連通部)、428…連通路(第三連通部)、428A…孔部、Ar1…アレイ領域、Ar2…端子領域、Tr…超音波トランスデューサー。

Claims (6)

  1. 第一面を有し、前記第一面において前記第一面の面方向に沿う第一方向に延設される複数の開口部と、隣り合う前記開口部を隔てる隔壁と、を有する基板と、
    前記第一面に設けられ、前記開口部を閉塞する振動膜と、
    前記振動膜の前記基板とは反対側に設けられ、前記第一方向に交差する第二方向に延設される壁部と、
    前記振動膜に設けられ、前記基板の厚み方向から見た平面視において、前記隔壁と前記壁部とに囲われる位置に設けられる圧電素子と、を備え、
    前記開口部には、隣り合う前記隔壁間を連結する仕切壁が設けられている
    ことを特徴とする超音波デバイス。
  2. 請求項1に記載の超音波デバイスにおいて、
    前記開口部は、前記基板を厚み方向に貫通する貫通孔である
    ことを特徴とする超音波デバイス。
  3. 請求項1に記載の超音波デバイスにおいて、
    前記開口部は、前記仕切壁により複数の部分開口部に分割され、
    前記隔壁の一部には、前記第二方向に隣り合う前記部分開口部を連通させる第一連通部と、
    前記第一連通部により連結された複数の前記部分開口部の少なくともいずれか1つに設けられる第二連通部と、を備える
    ことを特徴とする超音波デバイス。
  4. 請求項3に記載の超音波デバイスにおいて、
    前記基板は、前記第一面とは異なる面と前記第二連通部とを連結する第三連通部と、
    を備える
    ことを特徴とする超音波デバイス。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の超音波デバイスと、
    前記超音波デバイスを収納する筐体と、
    を備えることを特徴とする超音波探触子。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の超音波デバイスと、
    前記超音波デバイスを制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする超音波装置。
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