JP2018084040A - 地盤改良方法、及び、地盤構造 - Google Patents

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秀幸 照井
Hideyuki Terui
秀幸 照井
岡本 道孝
Michitaka Okamoto
道孝 岡本
大道 三上
Hiromichi Mikami
大道 三上
健一 川野
Kenichi Kawano
健一 川野
晃 黒田
Akira Kuroda
晃 黒田
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Abstract

【課題】地盤における凍上現象の発生を抑制する。【解決手段】地盤構造1(道路構造2)は、外表面7aを有する表層7と、表層7よりも下位に位置して撥水性を有する路床5(撥水層11)とを備える。外表面7aから撥水層11までの深度L1は凍結深度以深である。撥水層11の形成に用いられる撥水剤10は、アルカリ金属珪酸塩及びアルカリ金属シリコネートを含有する。地盤改良方法は、路床5の上面5aに撥水剤10を供給して撥水層11を形成すること、及び、撥水層11の上方に撥水層11を覆うように表層7を形成することを含む。【選択図】図1

Description

本発明は地盤改良方法及び地盤構造に関し、詳しくは地盤中に撥水層を形成する技術に関する。
特許文献1は、凍上現象による舗道の破壊などを抑制することを目的として、舗装材の遮熱性及び断熱性を向上させることを開示している。ここで、凍上現象とは、寒気によって地表面が冷やされて地盤が凍結する過程で、地盤中に発生した氷晶あるいはそれが集合して形成されたレンズ状の氷層(アイスレンズ)が成長することによって地盤が***する現象である。
特許文献2には、アルカリ金属珪酸塩及びアルカリ金属シリコネートを含有する薬剤を用いて、粘土質又は砂利質の土壌物質を固化及び疎水性化することが開示されている。
特開2013−14889号公報 特許第3479007号公報
ところで、アイスレンズについては、地盤の凍結深度(凍結線)付近に地盤中の地下水が移動し、この付近で凍結してアイスレンズが形成される。ここで、地盤の凍結深度(凍結線)とは、地盤温度分布図における0℃等温線である。
この点、特許文献1に開示のような舗装材を用いたとしても、地盤の凍結深度付近に地下水が移動しかねないので、アイスレンズの形成及び成長を抑制することが難しかった。
本発明は、このような実状に鑑み、地盤における凍上現象の発生を抑制することを目的とする。
そのため本発明の第1態様では、地盤改良方法は、地表面に撥水剤を供給して撥水層を形成すること、及び、撥水層の上方に撥水層を覆うように地層を形成すること、を含む。
本発明の第2態様では、地盤改良方法は、地盤のうち地表面よりも下位の部分に撥水剤を注入することにより、当該部分に撥水層を形成することを含む。
本発明の第3態様では、地盤構造は、地表面を有する第1の層と、第1の層よりも下位に位置して撥水性を有する第2の層と、を備える。
ここで、本発明における「地盤」とは、自然にある地盤(原地盤)と、盛土などの人工的な地盤とを含む。
本発明の第1態様によれば、地表面に撥水剤を供給して形成された撥水層の上方に撥水層を覆うように地層を形成する。これにより、撥水層によって地盤中における地下水の移動が抑制され得るので、地盤中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤における凍上現象の発生を抑制することができる。
本発明の第2態様によれば、地盤のうち地表面よりも下位の部分に撥水剤を注入して撥水層を形成する。これにより、撥水層によって地盤中における地下水の移動が抑制され得るので、地盤中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤における凍上現象の発生を抑制することができる。
本発明の第3態様によれば、撥水性を有する第2の層は、地表面を有する第1の層よりも下位に位置する。これにより、撥水性を有する第2の層によって地盤中における地下水の移動が抑制され得るので、地盤中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤における凍上現象の発生を抑制することができる。
本発明の第1実施形態における地盤改良方法を示すステップ図 前記第1実施形態におけるカリウムメチルシリコネートと二酸化炭素との反応を示す図 本発明の第2実施形態における地盤改良方法を示すステップ図 本発明の第3実施形態における地盤改良方法を示すステップ図 本発明の第4実施形態における地盤改良方法を示すステップ図 本発明の第5実施形態における地盤改良方法を示すステップ図 本発明の第6実施形態における地盤改良方法を示すステップ図 本発明の第7実施形態における地盤改良方法を示すステップ図 本発明の第8実施形態における地盤改良方法を示すステップ図 本発明の第9実施形態における地盤改良方法を示すステップ図 本発明の第10実施形態における地盤改良方法を示すステップ図 本発明の第11実施形態における地盤改良方法を示すステップ図 本発明の第12実施形態における地盤改良方法を示すステップ図 本発明の第13実施形態における地盤改良方法を示すステップ図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1(A)〜(E)は、本発明の第1実施形態における地盤改良方法を示すステップ図である。
まず、図1(E)を用いて、本実施形態の地盤構造1について説明する。
本実施形態において、地盤構造1に対応する道路構造2は、地盤3と路床5と路盤6と表層7とを含む。地盤3には、その地表面3aに凹部3bが形成されている。この凹部3bは道路の長手方向に延びている。地盤3の凹部3b内には、下から上に向かって路床5、路盤6、及び表層7の順でこれらが積層されている。尚、本実施形態では、地盤3の地表面3aと表層7の外表面7aが面一となっているが、必ずしも面一となっていなくてもよい。
本実施形態において、地盤3は、自然にある地盤(原地盤)である。しかしながら、地盤3は原地盤に限らず、例えば、盛土などの人工的な地盤であってもよい。
地盤3の凹部3bの底面上に砂などの敷設材を敷設することによって路床5が形成される。すなわち、路床5は砂などの敷設材により構成される。敷設材は例えば粒状である。路床5には、後述する撥水剤10(図1(B)参照)が供給されて撥水性が付与され、その結果、路床5が撥水層11となる(図1(C)参照)。ここで、外表面7aを有する表層7が本発明の「地表面を有する第1の層」に対応する。また、路床5(撥水層11)が本発明の「第1の層よりも下位に位置して撥水性を有する第2の層」に対応する。また、撥水層11は難透水層である。
路床5の上面5a上に砕石などの敷設材を敷設することによって路盤6が形成される。すなわち、路盤6は砕石などの敷設材により構成される。敷設材は例えば粒状である。
路盤6の上面6a上にアスファルト合材などの敷設材を敷設することによって表層7が形成される。すなわち、表層7はアスファルト合材などの敷設材により構成される。敷設材は例えば粒状である。ここで表層7の外表面7aが本発明の「地層の表面」に対応しており、表層7が路盤6を介して撥水層11を覆うように撥水層11の上方に形成されている。
本実施形態では、地盤3の地表面3a及び表層7の外表面7aから路床5(撥水層11)までの深度L1は、地盤構造1(道路構造2)の凍結深度以深である。すなわち、地盤構造1(道路構造2)の凍結深度か、又は、凍結深度よりも深い位置に、路床5(撥水層11)が形成されている。ここで凍結深度(凍結線)とは、地盤構造1(道路構造2)の温度分布図における0℃等温線である。
また、本実施形態では、路床5(撥水層11)は、地下水位よりも上位に位置する。
撥水層11の形成に用いられる撥水剤10は強塩基性(例えばpH14)の液状であり、溶媒を構成する水と、アルカリ金属珪酸塩及びアルカリ金属シリコネートとを含有する。本実施形態では、撥水剤10として、例えば、商品名「WACKER BS (登録商標) Drysoil」(ワッカーケミー社製)、又は、商品名「SILRES(登録商標) 501 DRY SOIL」(供給者:旭化成ワッカーシリコーン株式会社)を挙げることができる。以下、これら商品を単に「DRY SOIL」と称する。
本実施形態で使用され得るアルカリ金属珪酸塩は、任意のアルカリ金属珪酸塩、例えば珪酸ナトリウム及び珪酸カリウムである。珪酸のナトリウム塩及びカリウム塩は、水ガラスとも称される。
本実施形態で使用され得るアルカリ金属珪酸塩は、SiO対アルカリ金属酸化物、殊にNaO又はKOの重量比2.3〜3.5、密度1240〜1535kg/m及び粘度5〜850mPa・s(20℃)を有するのが有利である。
本実施形態で使用され得るアルカリ金属シリコネートは、特に、式:
(RO)(MSiO(4−a−b−c)/2 (I)
[式中、Rは同一又は異なるものであってよく、1価のSiC−結合有機基を表し、Rは同一又は異なるものであってよく、1価の置換又は非置換の炭化水素基を表し、Mは同一又は異なるものであってよく、アルカリ金属イオン又はアンモニウムイオン、殊にNa又はKを表し、aは0、1、2又は3、好ましくは1であり、bは0、1、2又は3、好ましくは1又は2であり、cは0、1、2又は3、好ましくは1である(但し、a、b及びcの合計は3以下であり、分子1個当たり少なくとも1個の基(M)が存在することを前提とする)]の単位からのものである。
基Rの例としては、アルキル基、例えばメチル−、エチル−、n−プロピル−、イソ−プロピル−、n−ブチル−、イソ−ブチル、t−ブチル−、n−ペンチルー、イソ−ペンチル−、ネオ−ペンチル−、t−ペンチル−基、ヘキシル基、例えばn−ヘキシル基、ヘプチル基、例えばn−ヘプチル基、オクチル基、例えばn−オクチル基及びイソ−オクチル基、例えば2,2,4−トリメチルペンチル基、ノニル基、例えばn−ノニル基、デシル基、例えばn−デシル基、ドデシル基、例えばn−ドデシル基及びオクタデシル基、例えばn−オクタデシル基、シクロアルキル基、例えばシクロペンチル−、シクロヘキシル−、シクロヘプチル−及びメチルシクロヘキシル基、アリール基、例えばフェニル−、ナフチル−、アンスリル−及びフェナンスリル基、アルカリール基、例えばo−、m−、p−トリル基、キシリル基及びエチルフェニル基及びアラルキル基、例えばベンジル基、α−及びβ−フェニルエチル基が挙げられる。
基Rとしては、炭素原子数1〜12を有する炭化水素基が有利であり、特にメチル−、エチル−及びプロピル基、殊にメチル基が有利である。
基Rの例としては、上述の基Rの例を挙げることができる。ここで、基Rとしては水素、炭素原子数1〜6を有する炭化水素基、特に水素原子、メチル−及びエチル基、殊に水素原子が有利である。
本実施形態で使用され得るアルカリ金属シリコネートとしては、室温で水中に少なくとも部分的に溶解するものが有利である。
本実施形態で使用され得るアルカリ金属シリコネートはカリウムアルキルシリコネートの水溶液が特に有利である。カリウムアルキルシリコネートは撥水層11に疎水性(撥水性)を付与する機能を有する。尚、図2には、カリウムアルキルシリコネートの一例として、カリウムメチルシリコネート(メチルケイ酸カリウム)が示されている。撥水剤10中のアルカリ金属シリコネートとしてカリウムメチルシリコネートを用いた場合のカリウムメチルシリコネートの作用については、図2を用いて後述する。
本実施形態では、アルカリ金属珪酸塩及びアルカリ金属シリコネートが任意の割合で使用され得る。アルカリ金属珪酸塩対アルカリ金属シリコネートの重量比は10:1〜1:10が有利であり、特に1:1が好ましい。
本実施形態では、100リットルの撥水剤10(すなわち、水、アルカリ金属珪酸塩及びシリコネートの合計量100リットル)のうち、水分が10〜95リットルであることが好ましく、水分が70〜90リットルであることが更に好ましい。
撥水剤10については、SiO対アルカリ金属酸化物の重量比が2.46〜2.64(SiO 19.7〜20.7%)、密度1240〜1250kg/m及び20℃での粘度20〜40mPa・sを有するカリ水ガラス15リットル、水中の42%溶液としての平均式:CH−Si(OH)のカリウムメチルシリコネート15リットル及び水70リットルを混合して製造され得る。
又は、撥水剤10については、SiO対アルカリ金属酸化物の重量比が2.46〜2.64(SiO 19.7〜20.7%)、密度1240〜1250kg/m及び20℃での粘度20〜40mPa・sを有するカリ水ガラス10リットル、水中の42%溶液としての平均式:CH−Si(OH)のカリウムメチルシリコネート10リットル及び水80リットルを混合して製造され得る。
又は、撥水剤10については、SiO対アルカリ金属酸化物の重量比が2.46〜2.64(SiO 19.7〜20.7%)、密度1240〜1250kg/m及び20℃での粘度20〜40mPa・sを有するカリ水ガラス10リットル、水中の約40%溶液としてのカリウムメチルプロピルシリコネート5リットル及び水75リットルを混合して製造され得る。
従って、本実施形態では、撥水剤10は、溶媒を構成する水と、アルカリ金属珪酸塩及びアルカリ金属シリコネートとを含有する。アルカリ金属シリコネートは疎水基を含み得る。また、撥水剤10は、疎水基を有するシリコーンを含有し得る。また、前述の「DRY SOIL」については、20〜30重量%のメチルケイ酸カリウムと、70〜80重量%の水及びその他成分と、を含有し得る。
次に、本実施形態における地盤改良方法を図1(A)〜(E)を用いて説明する。
まず、図1(A)に示すように、地盤3の地表面3aに凹部3bを形成する。
次に、図1(B)に示すように、地盤3の凹部3bの底面上に路床5を形成する。ここで、地盤3の地表面3aから路床5の上面5aまでの深度L1は、前述の凍結深度以深である。
次に、図1(B)及び(C)に示すように、路床5の上面5aに撥水剤10を供給して撥水層11を形成する。この路床5の上面5aへの撥水剤10の供給と撥水層11の形成とが、本発明の「地表面に撥水剤を供給して撥水層を形成すること」に対応する。路床5の上面5aに撥水剤10を供給することの具体例としては、路床5の上面5aに撥水剤10を散布すること、路床5の上面5aに撥水剤10を噴霧すること、及び、路床5の上面5aに撥水剤10を吹き付けることを挙げることができる。
次に、路床5を構成する砂などの敷設材を撥水剤10と共に撹拌して混合し、締め固める。ここで、路床5を構成する砂などの敷設材が本発明の「地表面の構成材」に対応する。
路床5(撥水層11)の締め固めには、ロードローラーなどの締固め用機械(図示せず)が用いられてもよい。締固め用機械を用いる場合には、締固め用機械の排ガスを撥水層11に送気することにより、撥水層11の乾燥を促進することができる。この排ガスの温度は、撥水層11の周辺の空気の温度よりも高くなり得る。また、この排ガス中の二酸化炭素濃度は、撥水層11の周辺の空気中の二酸化炭素濃度よりも高くなり得る。また、この排ガスの湿度(相対湿度)は、撥水層11の周辺の空気の湿度(相対湿度)よりも低くなり得る。
ここで、撥水剤10中のアルカリ金属シリコネートとしてカリウムメチルシリコネートを用いた場合のカリウムメチルシリコネートの作用について図2を用いて説明する。
図2は、カリウムメチルシリコネートと二酸化炭素との反応を示す。
撥水剤10を路床5に供給すると、撥水剤10中のカリウムメチルシリコネートは、路床5の周辺の空気中の二酸化炭素と反応して、この結果、メチルシリコーンレジンと炭酸カリウムとが生成される。これにより、路床5の上面5a及び内部には、メチルシリコーンレジンによる架橋性ネットワークが形成される。
また、撥水剤10中のカリウムメチルシリコネートについては、その状態(不安定な状態)を維持するために、撥水剤10中の溶媒が強塩基性となっている。それゆえ、撥水剤10中の溶媒が蒸発して減少すると撥水剤10のpHが減少し、それに応じて撥水剤10中の比較的不安定なカリウムメチルシリコネートが重合して比較的安定的なメチルシリコーンレジンになる。
従って、撥水剤10中のカリウムメチルシリコネートについては、撥水剤10中の溶媒が蒸発して減少して撥水剤10のpHが減少すること、及び、カリウムメチルシリコネートが周辺の空気中の二酸化炭素と反応することにより、メチルシリコーンレジンによる架橋性ネットワークが路床5の上面5a及び内部に形成され得る。この架橋性ネットワークを構成するメチル基(疎水基)が傘のように並ぶことで、路床5に疎水性(撥水性)が付与される。すなわち、路床5が撥水層11となる。
次に、図1(D)に示すように、路床5(撥水層11)の上面5a上に路盤6を形成する。
次に、図1(E)に示すように、路盤6の上面6a上に表層7を形成する。ここで、表層7の外表面7aから路床5の上面5aまでの深度L1は、前述の凍結深度以深である。
本実施形態では以上のように地盤改良が行われる。
本実施形態によれば、地盤改良方法は、路床5の上面5a(地表面)に撥水剤10を供給して撥水層11を形成すること(図1(B)及び(C)参照)、及び、撥水層11の上方に撥水層11を覆うように表層7(地層)を形成すること(図1(E)参照)、を含む。これにより、撥水層11によって地盤構造1中(道路構造2中)における地下水の移動が抑制され得るので、地盤構造1中(道路構造2中)におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中(道路構造2中)における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、撥水層11を形成することは、路床5の上面5a(地表面)に撥水剤10を供給すること、路床5の砂などの敷設材(地表面の構成材)を、前記供給された撥水剤10と共に撹拌すること、及び、この撹拌された路床5の砂などの敷設材(地表面の構成材)を締め固めること、を含む。これにより、撥水層11における撥水性の均一化を図ることができると共に、撥水層11の強度を向上させることができる。
また本実施形態によれば、表層7の外表面7a(地層の表面、地表面)から撥水層11(第2の層)までの深度L1は凍結深度以深である。これにより、地盤構造1中(道路構造2中)における凍結深度より上位の部分への地下水の移動が撥水層11によって抑制され得るので、地盤構造1中(道路構造2中)におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中(道路構造2中)における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、撥水剤10はアルカリ金属珪酸塩及びアルカリ金属シリコネートを含有する。これにより、路床5に供給された撥水剤10中のアルカリ金属シリコネートについては、撥水剤10中の溶媒が蒸発して減少して撥水剤のpHが減少すること、及び、アルカリ金属シリコネートが路床5の周辺の空気中の二酸化炭素と反応することにより、架橋性ネットワークが路床5の上面5a及び内部に形成され得る。この架橋性ネットワークによって路床5に疎水性(撥水性)が付与され得る。すなわち、路床5を撥水層11とすることができる。
また本実施形態によれば、地盤構造1は、外表面7a(地表面)を有する表層7(第1の層)と、表層7(第1の層)よりも下位に位置して撥水性を有する撥水層11(第2の層)と、を備える。これにより、撥水層11(第2の層)によって地盤構造1中における地下水の移動が抑制され得るので、地盤構造1中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、撥水層11(第2の層)は道路の路床5を構成する。これにより、道路の路盤6及び表層7への地下水の供給が撥水層11(第2の層)によって抑制され得るので、道路構造2中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、道路構造2中における凍上現象の発生を抑制することができる。
図3(A)〜(E)は、本発明の第2実施形態における地盤改良方法を示すステップ図である。
前述の第1実施形態(図1参照)と異なる点について説明する。
本実施形態では、路盤6に撥水剤10(図3(C)参照)が供給されて撥水性が付与され、その結果、路盤6が撥水層11となっている(図3(D)参照)。ここで、路盤6(撥水層11)が本発明の「第1の層よりも下位に位置して撥水性を有する第2の層」に対応する。また、表層7の外表面7aが本発明の「地層の表面」に対応しており、表層7が撥水層11を覆うように撥水層11の上方に形成されている。
本実施形態では、地盤3の地表面3a及び表層7の外表面7aから路盤6(撥水層11)までの深度L2は、地盤構造1(道路構造2)の凍結深度以深である。すなわち、地盤構造1(道路構造2)の凍結深度か、又は、凍結深度よりも深い位置に、路盤6(撥水層11)が形成されている。
また、本実施形態では、路盤6(撥水層11)は、地下水位よりも上位に位置する。
次に、本実施形態における地盤改良方法を図3(A)〜(E)を用いて説明する。
まず、図3(A)に示すように、地盤3の地表面3aに凹部3bを形成する。
次に、図3(B)に示すように、地盤3の凹部3bの底面上に路床5を形成する。
次に、図3(C)に示すように、路床5の上面5aに路盤6を形成する。ここで、地盤3の地表面3aから路盤6の上面6aまでの深度L2は、前述の凍結深度以深である。
次に、図3(C)及び(D)に示すように、路盤6の上面6aに撥水剤10を供給して撥水層11を形成する。この路盤6の上面6aへの撥水剤10の供給と撥水層11の形成とが、本発明の「地表面に撥水剤を供給して撥水層を形成すること」に対応する。路盤6の上面6aに撥水剤10を供給することの具体例としては、路盤6の上面6aに撥水剤10を散布すること、路盤6の上面6aに撥水剤10を噴霧すること、及び、路盤6の上面6aに撥水剤10を吹き付けることを挙げることができる。本実施形態における撥水層11の形成については、前述の図2を用いた説明と同様であるので、その説明を省略する。
次に、路盤6を構成する砕石などの敷設材を撥水剤10と共に撹拌して混合し、締め固める。ここで、路盤6を構成する砕石などの敷設材が本発明の「地表面の構成材」に対応する。この締め固め時に前述のように撥水層11の乾燥を促進してもよい。
次に、図3(E)に示すように、路盤6の上面6a上に表層7を形成する。ここで、表層7の外表面7aから路盤6の上面6aまでの深度L2は、前述の凍結深度以深である。
本実施形態では以上のように地盤改良が行われる。
特に本実施形態によれば、地盤改良方法は、路盤6の上面6a(地表面)に撥水剤10を供給して撥水層11を形成すること(図3(C)及び(D)参照)、及び、撥水層11の上方に撥水層11を覆うように表層7(地層)を形成すること(図3(E)参照)、を含む。これにより、撥水層11によって地盤構造1中(道路構造2中)における地下水の移動が抑制され得るので、地盤構造1中(道路構造2中)におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中(道路構造2中)における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、撥水層11を形成することは、路盤6の上面6a(地表面)に撥水剤10を供給すること、路盤6の砕石などの敷設材(地表面の構成材)を、前記供給された撥水剤10と共に撹拌すること、及び、この撹拌された路盤6の砕石などの敷設材(地表面の構成材)を締め固めること、を含む。これにより、撥水層11における撥水性の均一化を図ることができると共に、撥水層11の強度を向上させることができる。
また本実施形態によれば、表層7の外表面7a(地層の表面、地表面)から撥水層11(第2の層)までの深度L2は凍結深度以深である。これにより、地盤構造1中(道路構造2中)における凍結深度より上位の部分への地下水の移動が撥水層11によって抑制され得るので、地盤構造1中(道路構造2中)におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中(道路構造2中)における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、撥水剤10はアルカリ金属珪酸塩及びアルカリ金属シリコネートを含有する。これにより、路盤6に供給された撥水剤10中のアルカリ金属シリコネートについては、撥水剤10中の溶媒が蒸発して減少して撥水剤のpHが減少すること、及び、アルカリ金属シリコネートが路盤6の周辺の空気中の二酸化炭素と反応することにより、架橋性ネットワークが路盤6の上面6a及び内部に形成され得る。この架橋性ネットワークによって路盤6に疎水性(撥水性)が付与され得る。すなわち、路盤6を撥水層11とすることができる。
また本実施形態によれば、撥水層11(第2の層)は道路の路盤6を構成する。これにより、道路の表層7への地下水の供給が撥水層11(第2の層)によって抑制され得るので、道路構造2中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、道路構造2中における凍上現象の発生を抑制することができる。
尚、本実施形態では、撥水層11が道路の路盤6を構成する例を説明したが、これに加えて、前述の第1実施形態のように、撥水層11が道路の路床5を構成してもよい。換言すれば、路床5及び路盤6の双方を撥水層11としてもよい。
図4(A)〜(D)は、本発明の第3実施形態における地盤改良方法を示すステップ図である。
前述の第1実施形態(図1参照)と異なる点について説明する。
本実施形態における地盤改良方法では、まず、図4(A)に示すように、地盤3の地表面3aに凹部3bを形成する。
次に、図4(B)に示すように、地盤3の凹部3bの底面上に撥水性を有する路床5(撥水層11)を形成する。ここで、地盤3の地表面3aから路床5の上面5aまでの深度L1は、前述の凍結深度以深である。
ここで、路床5(撥水層11)の形成方法について説明する。
まず、地盤3の凹部3bの底面上に砂などの敷設材を敷設するに先立って、敷設材に撥水剤10を混合して撥水改良材(図示せず)を形成する。この撥水改良材の形成時に、敷設材と撥水剤10とを混合するに先立って、敷設材の含水比を測定し、この測定した敷設材の含水比に基づいて、敷設材と撥水剤10との混合比を設定した上で、敷設材と撥水剤10とを混合してもよい。
次に、前述の撥水改良材を地盤3の凹部3bの底面に敷設する。これにより、地盤3の凹部3bの底面上に撥水剤10が供給される。ここで、地盤3の凹部3bの底面に敷設される撥水改良材については、撥水改良材を構成する撥水剤10中の溶媒が十分に存在する状態で(すなわち、撥水改良材が湿った状態で)地盤3の凹部3bの底面に敷設される。ゆえに、撥水層11については、撥水改良材が敷設された直後においては、撥水剤10中の溶媒によって湿った状態である。
このようにして、地盤3の凹部3bの底面上に路床5(撥水層11)が形成される。
次に、路床5(撥水層11)を締め固める。この締め固め時に前述のように撥水層11の乾燥を促進してもよい。
次に、図4(C)に示すように、路床5(撥水層11)の上面5a上に路盤6を形成する。
次に、図4(D)に示すように、路盤6の上面6a上に表層7を形成する。ここで、表層7の外表面7aから路床5の上面5aまでの深度L1は、前述の凍結深度以深である。
本実施形態では以上のように地盤改良が行われる。
特に本実施形態によれば、地盤改良方法は、地盤3の凹部3bの底面(地表面)に撥水剤10を砂などの敷設材と共に供給して撥水層11を形成すること(図4(B)参照)、及び、撥水層11の上方に撥水層11を覆うように表層7(地層)を形成すること(図4(D)参照)、を含む。これにより、撥水層11によって地盤構造1中(道路構造2中)における地下水の移動が抑制され得るので、地盤構造1中(道路構造2中)におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中(道路構造2中)における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、撥水層11を形成することは、地盤3の凹部3bの底面(地表面)に撥水剤10を供給するに先立って撥水剤10を砂などの敷設材に混合すること、及び、撥水剤10が混合された敷設材(撥水改良材)を地盤3の凹部3bの底面(地表面)に敷設することにより、地盤3の凹部3bの底面(地表面)に撥水剤10を供給すること、を含む。それゆえ、撥水改良材のpHは撥水剤10自体のpHよりも小さい。従って、本実施形態では、撥水改良材を地盤3の凹部3bの底面(地表面)に敷設することによって撥水層11を地盤3の凹部3bの底面(地表面)に形成することにより、地盤3の凹部3bの底面(地表面)に撥水剤10自体を直接散布するのに比べて撥水剤10の塩基性を実質的に下げた状態で撥水剤10を地盤3の凹部3bの底面(地表面)に供給することができ、ひいては作業性を改善することができる。尚、前述したように、撥水剤10中のアルカリ金属シリコネートについては、その状態(不安定な状態)を維持するために撥水剤10中の溶媒が強塩基性になっているので、撥水剤10を大量の水などで希釈して塩基性を下げることが難しい。ゆえに、本実施形態における地盤改良方法については、強塩基性の撥水剤10を用いるときに特に効果大である。
図5(A)〜(D)は、本発明の第4実施形態における地盤改良方法を示すステップ図である。
前述の第2実施形態(図3参照)と異なる点について説明する。
本実施形態における地盤改良方法では、まず、図5(A)に示すように、地盤3の地表面3aに凹部3bを形成する。
次に、図5(B)に示すように、地盤3の凹部3bの底面上に路床5を形成する。
次に、図5(C)に示すように、路床5の上面5a上に撥水性を有する路盤6(撥水層11)を形成する。ここで、路床5の上面5aから路盤6の上面6aまでの深度L2は、前述の凍結深度以深である。
ここで、路盤6(撥水層11)の形成方法について説明する。
まず、路床5の上面5a上に砕石などの敷設材を敷設するに先立って、敷設材に撥水剤10を混合して撥水改良材を形成する。この撥水改良材の形成時に、敷設材と撥水剤10とを混合するに先立って、敷設材の含水比を測定し、この測定した敷設材の含水比に基づいて、敷設材と撥水剤10との混合比を設定した上で、敷設材と撥水剤10とを混合してもよい。
次に、前述の撥水改良材を路床5の上面5aに敷設する。これにより、路床5の上面5a上に撥水剤10が供給される。ここで、路床5の上面5aに敷設される撥水改良材については、撥水改良材を構成する撥水剤10中の溶媒が十分に存在する状態で(すなわち、撥水改良材が湿った状態で)路床5の上面5aに敷設される。ゆえに、撥水層11については、撥水改良材が敷設された直後においては、撥水剤10中の溶媒によって湿った状態である。
このようにして、路床5の上面5a上に路盤6(撥水層11)が形成される。
次に、路盤6(撥水層11)を締め固める。この締め固め時に前述のように撥水層11の乾燥を促進してもよい。
次に、図5(D)に示すように、路盤6の上面6a上に表層7を形成する。ここで、表層7の外表面7aから路盤6の上面6aまでの深度L2は、前述の凍結深度以深である。
本実施形態では以上のように地盤改良が行われる。
特に本実施形態によれば、地盤改良方法は、路床5の上面5a(地表面)に撥水剤10を砕石などの敷設材と共に供給して撥水層11を形成すること(図5(C)参照)、及び、撥水層11の上方に撥水層11を覆うように表層7(地層)を形成すること(図5(D)参照)、を含む。これにより、撥水層11によって地盤構造1中(道路構造2中)における地下水の移動が抑制され得るので、地盤構造1中(道路構造2中)におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中(道路構造2中)における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、撥水層11を形成することは、路床5の上面5a(地表面)に撥水剤10を供給するに先立って撥水剤10を砕石などの敷設材に混合すること、及び、撥水剤10が混合された敷設材(撥水改良材)を路床5の上面5a(地表面)に敷設することにより、路床5の上面5a(地表面)に撥水剤10を供給すること、を含む。それゆえ、撥水改良材のpHは撥水剤10自体のpHよりも小さい。従って、本実施形態では、撥水改良材を路床5の上面5a(地表面)に敷設することによって撥水層11を路床5の上面5a(地表面)に形成することにより、路床5の上面5a(地表面)に撥水剤10自体を直接散布するのに比べて撥水剤10の塩基性を実質的に下げた状態で撥水剤10を路床5の上面5a(地表面)に供給することができ、ひいては作業性を改善することができる。尚、前述したように、撥水剤10中のアルカリ金属シリコネートについては、その状態(不安定な状態)を維持するために撥水剤10中の溶媒が強塩基性になっているので、撥水剤10を大量の水などで希釈して塩基性を下げることが難しい。ゆえに、本実施形態における地盤改良方法については、強塩基性の撥水剤10を用いるときに特に効果大である。
図6(A)〜(C)は、本発明の第5実施形態における地盤改良方法を示すステップ図である。
前述の第1実施形態(図1参照)と異なる点について説明する。
本実施形態では、図6(A)に示す既存の地盤構造1(道路構造2)について、路床5に撥水性を付与して撥水層11を形成する。
本実施形態における地盤改良方法では、まず、図6(B)に示すように、表層7の外表面7a側から表層7及び路盤6を経て路床5内に至るようにボーリング孔(図示せず)を穿孔して、このボーリング孔に注入管15を挿入する。尚、この注入管15の下端部には複数の孔(図示せず)が予め形成されている。
次に、図6(B)に示すように、注入管15の上部開口から撥水剤10を注入管15内に供給して注入管15の下端部の複数の孔から路床5内に撥水剤10を注入する。これにより、撥水剤10が路床5に供給されて、撥水層11が形成される(図6(C)参照)。
本実施形態では以上のように地盤改良が行われる。
特に本実施形態によれば、地盤改良方法は、地盤構造1(地盤)のうち表層7の外表面7a(地表面)よりも下位の部分(路床5)に撥水剤10を注入することにより、当該部分(路床5)に撥水層11を形成することを含む。これにより、撥水層11によって地盤構造1中における地下水の移動が抑制され得るので、地盤構造1中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、表層7の外表面7a(地表面)から撥水層11までの深度L1は凍結深度以深である。これにより、地盤構造1中における凍結深度より上位の部分への地下水の移動が撥水層11によって抑制され得るので、地盤構造1中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中における凍上現象の発生を抑制することができる。
図7(A)〜(C)は、本発明の第6実施形態における地盤改良方法を示すステップ図である。
前述の第2実施形態(図3参照)と異なる点について説明する。
本実施形態では、図7(A)に示す既存の地盤構造1(道路構造2)について、路盤6に撥水性を付与して撥水層11を形成する。
本実施形態における地盤改良方法では、まず、図7(B)に示すように、表層7の外表面7a側から表層7を経て路盤6内に至るようにボーリング孔(図示せず)を穿孔して、このボーリング孔に注入管15を挿入する。尚、この注入管15の下端部には複数の孔(図示せず)が予め形成されている。
次に、図7(B)に示すように、注入管15の上部開口から撥水剤10を注入管15内に供給して注入管15の下端部の複数の孔から路盤6内に撥水剤10を注入する。これにより、撥水剤10が路盤6に供給されて、撥水層11が形成される(図7(C)参照)。
本実施形態では以上のように地盤改良が行われる。
特に本実施形態によれば、地盤改良方法は、地盤構造1(地盤)のうち表層7の外表面7a(地表面)よりも下位の部分(路盤6)に撥水剤10を注入することにより、当該部分(路盤6)に撥水層11を形成することを含む。これにより、撥水層11によって地盤構造1中における地下水の移動が抑制され得るので、地盤構造1中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、表層7の外表面7a(地表面)から撥水層11までの深度L2は凍結深度以深である。これにより、地盤構造1中における凍結深度より上位の部分への地下水の移動が撥水層11によって抑制され得るので、地盤構造1中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中における凍上現象の発生を抑制することができる。
図8(A)〜(D)は、本発明の第7実施形態における地盤改良方法を示すステップ図である。
前述の第1実施形態(図1参照)と異なる点について説明する。
本実施形態における地盤改良方法では、まず、図8(A)及び(B)に示すように、路面である地盤3の地表面3aに撥水剤10を供給して撥水層11を形成する。この地盤3の地表面3aへの撥水剤10の供給と撥水層11の形成とが、本発明の「地表面に撥水剤を供給して撥水層を形成すること」に対応する。地盤3の地表面3aに撥水剤10を供給することの具体例としては、地盤3の地表面3aに撥水剤10を散布すること、地盤3の地表面3aに撥水剤10を噴霧すること、及び、地盤3の地表面3aに撥水剤10を吹き付けることを挙げることができる。
次に、地盤3の地表面3aを構成する土砂を撥水剤10と共に撹拌して混合し、締め固める。ここで、地表面3aを構成する土砂が本発明の「地表面の構成材」に対応する。
地盤3の地表面3a(撥水層11)の締め固めには、ロードローラーなどの締固め用機械(図示せず)が用いられてもよい。締固め用機械を用いる場合には、締固め用機械の排ガスを撥水層11に送気することにより、撥水層11の乾燥を促進することができる。この排ガスの温度は、撥水層11の周辺の空気の温度よりも高くなり得る。また、この排ガス中の二酸化炭素濃度は、撥水層11の周辺の空気中の二酸化炭素濃度よりも高くなり得る。また、この排ガスの湿度(相対湿度)は、撥水層11の周辺の空気の湿度(相対湿度)よりも低くなり得る。
次に、図8(C)に示すように、地盤3の地表面3a上(撥水層11上)に路盤6を形成する。
次に、図8(D)に示すように、路盤6の上面6a上に表層7を形成する。ここで、表層7の外表面7aから撥水層11までの深度L3は、前述の凍結深度以深である。また、本実施形態では、撥水層11は、地下水位よりも上位に位置する。
本実施形態では以上のように地盤改良が行われる。
特に本実施形態によれば、地盤改良方法は、地盤3の地表面3aに撥水剤10を供給して撥水層11を形成すること(図8(A)及び(B)参照)、及び、撥水層11の上方に撥水層11を覆うように表層7(地層)を形成すること(図8(D)参照)、を含む。これにより、撥水層11によって地盤構造1中(道路構造2中)における地下水の移動が抑制され得るので、地盤構造1中(道路構造2中)におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中(道路構造2中)における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、撥水層11を形成することは、地盤3の地表面3aに撥水剤10を供給すること、地盤3の地表面3aを構成する土砂(地表面の構成材)を、前記供給された撥水剤10と共に撹拌すること、及び、この撹拌された土砂(地表面の構成材)を締め固めること、を含む。これにより、撥水層11における撥水性の均一化を図ることができると共に、撥水層11の強度を向上させることができる。
また本実施形態によれば、表層7の外表面7a(地層の表面、地表面)から撥水層11(第2の層)までの深度L3は凍結深度以深である。これにより、地盤構造1中(道路構造2中)における凍結深度より上位の部分への地下水の移動が撥水層11によって抑制され得るので、地盤構造1中(道路構造2中)におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中(道路構造2中)における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、撥水剤10はアルカリ金属珪酸塩及びアルカリ金属シリコネートを含有する。これにより、地盤3の地表面3aに供給された撥水剤10中のアルカリ金属シリコネートについては、撥水剤10中の溶媒が蒸発して減少して撥水剤のpHが減少すること、及び、アルカリ金属シリコネートが地盤3の地表面3aの周辺の空気中の二酸化炭素と反応することにより、架橋性ネットワークが地盤3の地表面3a及び内部に形成され得る。この架橋性ネットワークによって地盤3の地表面3aに疎水性(撥水性)が付与され得る。すなわち、地盤3の地表面3a側部分を撥水層11とすることができる。
図9(A)〜(C)は、本発明の第8実施形態における地盤改良方法を示すステップ図である。
前述の第3実施形態(図4参照)と異なる点について説明する。
本実施形態における地盤改良方法では、まず、図9(A)に示すように、路面である地盤3の地表面3aに撥水性を有する路床5(撥水層11)を形成する。
ここで、路床5(撥水層11)の形成方法について説明する。
まず、地盤3の地表面3a上に砂などの敷設材を敷設するに先立って、敷設材に撥水剤10を混合して撥水改良材(図示せず)を形成する。この撥水改良材の形成時に、敷設材と撥水剤10とを混合するに先立って、敷設材の含水比を測定し、この測定した敷設材の含水比に基づいて、敷設材と撥水剤10との混合比を設定した上で、敷設材と撥水剤10とを混合してもよい。
次に、前述の撥水改良材を地盤3の地表面3aに敷設する。これにより、地盤3の地表面3a上に撥水剤10が供給される。ここで、地盤3の地表面3aに敷設される撥水改良材については、撥水改良材を構成する撥水剤10中の溶媒が十分に存在する状態で(すなわち、撥水改良材が湿った状態で)地盤3の地表面3aに敷設される。ゆえに、撥水層11については、撥水改良材が敷設された直後においては、撥水剤10中の溶媒によって湿った状態である。
このようにして、地盤3の地表面3a上に路床5(撥水層11)が形成される。
次に、路床5(撥水層11)を締め固める。この締め固め時に前述のように撥水層11の乾燥を促進してもよい。
次に、図9(B)に示すように、路床5(撥水層11)の上面5a上に路盤6を形成する。
次に、図9(C)に示すように、路盤6の上面6a上に表層7を形成する。ここで、表層7の外表面7aから路床5の上面5aまでの深度L4は、前述の凍結深度以深である。また、本実施形態では、撥水層11は、地下水位よりも上位に位置する。
本実施形態では以上のように地盤改良が行われる。
特に本実施形態によれば、地盤改良方法は、地盤3の地表面3aに撥水剤10を砂などの敷設材と共に供給して撥水層11を形成すること(図9(A)参照)、及び、撥水層11の上方に撥水層11を覆うように表層7(地層)を形成すること(図9(C)参照)、を含む。これにより、撥水層11によって地盤構造1中(道路構造2中)における地下水の移動が抑制され得るので、地盤構造1中(道路構造2中)におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中(道路構造2中)における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、撥水層11を形成することは、地盤3の地表面3aに撥水剤10を供給するに先立って撥水剤10を砂などの敷設材に混合すること、及び、撥水剤10が混合された敷設材(撥水改良材)を地盤3の地表面3aに敷設することにより、地盤3の地表面3aに撥水剤10を供給すること、を含む。それゆえ、撥水改良材のpHは撥水剤10自体のpHよりも小さい。従って、本実施形態では、撥水改良材を地盤3の地表面3aに敷設することによって撥水層11を地盤3の地表面3aに形成することにより、地盤3の地表面3aに撥水剤10自体を直接散布するのに比べて撥水剤10の塩基性を実質的に下げた状態で撥水剤10を地盤3の地表面3aに供給することができ、ひいては作業性を改善することができる。尚、前述したように、撥水剤10中のアルカリ金属シリコネートについては、その状態(不安定な状態)を維持するために撥水剤10中の溶媒が強塩基性になっているので、撥水剤10を大量の水などで希釈して塩基性を下げることが難しい。ゆえに、本実施形態における地盤改良方法については、強塩基性の撥水剤10を用いるときに特に効果大である。
また本実施形態によれば、表層7の外表面7a(地層の表面、地表面)から撥水層11(第2の層)までの深度L4は凍結深度以深である。これにより、地盤構造1中(道路構造2中)における凍結深度より上位の部分への地下水の移動が撥水層11によって抑制され得るので、地盤構造1中(道路構造2中)におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中(道路構造2中)における凍上現象の発生を抑制することができる。
図10(A)〜(C)は、本発明の第9実施形態における地盤改良方法を示すステップ図である。
前述の第7実施形態(図8参照)と異なる点について説明する。
本実施形態において、地盤構造1は、地盤3と盛土8を含む。撥水層11は地盤3に形成される。
本実施形態における地盤改良方法では、まず、図10(A)及び(B)に示すように、前述の第7実施形態と同様に、地盤3の地表面3aに撥水剤10を供給して撥水層11を形成する。
次に、前述の第7実施形態と同様に、地盤3の地表面3aを構成する土砂を撥水剤10と共に撹拌して混合し、締め固める。この締め固め時に前述のように撥水層11の乾燥を促進してもよい。
次に、図10(C)に示すように、地盤3の地表面3a上(撥水層11上)に盛土8を形成する。ここで盛土8の上面8aが本発明の「地層の表面」に対応しており、盛土8が撥水層11を覆うように撥水層11の上方に形成されている。また、上面8aを有する盛土8が本発明の「地表面を有する第1の層」に対応する。また、撥水層11が本発明の「第1の層よりも下位に位置して撥水性を有する第2の層」に対応する。
盛土8の上面8aから撥水層11までの深度L5は、前述の凍結深度以深である。また、本実施形態では、撥水層11は、地下水位よりも上位に位置する。
本実施形態では以上のように地盤改良が行われる。
特に本実施形態によれば、地盤改良方法は、地盤3の地表面3aに撥水剤10を供給して撥水層11を形成すること(図10(A)及び(B)参照)、及び、撥水層11の上方に撥水層11を覆うように盛土8(地層)を形成すること(図10(C)参照)、を含む。これにより、撥水層11によって地盤構造1中における地下水の移動が抑制され得るので、地盤構造1中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、盛土8の上面8a(地層の表面、地表面)から撥水層11(第2の層)までの深度L5は凍結深度以深である。これにより、地盤構造1中における凍結深度より上位の部分への地下水の移動が撥水層11によって抑制され得るので、地盤構造1中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、地盤構造1は、上面8a(地表面)を有する盛土8(第1の層)と、盛土8(第1の層)よりも下位に位置して撥水性を有する撥水層11(第2の層)と、を備える。これにより、撥水層11(第2の層)によって地盤構造1中における地下水の移動が抑制され得るので、地盤構造1中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、盛土8の下方に撥水層11が形成されている。これにより、地盤3側から盛土8への地下水の供給が撥水層11によって抑制されるので、盛土8中の水分量の増加を抑制することができ、ひいては、盛土8の法面(図示せず)の崩壊を抑制することができる。
図11(A)及び(B)は、本発明の第10実施形態における地盤改良方法を示すステップ図である。
前述の第8実施形態(図9参照)と異なる点について説明する。
本実施形態において、地盤構造1は、地盤3と撥水層11と盛土8を含む。
本実施形態における地盤改良方法では、まず、図11(A)に示すように、前述の第8実施形態と同様に、地盤3の地表面3a上に前述の撥水改良材を敷設して、地盤3の地表面3a上に撥水層11を形成する。
次に、前述の第8実施形態と同様に、撥水層11を締め固める。この締め固め時に前述のように撥水層11の乾燥を促進してもよい。
次に、図11(B)に示すように、撥水層11上に盛土8を形成する。ここで盛土8の上面8aが本発明の「地層の表面」に対応しており、盛土8が撥水層11を覆うように撥水層11の上方に形成されている。また、上面8aを有する盛土8が本発明の「地表面を有する第1の層」に対応する。また、撥水層11が本発明の「第1の層よりも下位に位置して撥水性を有する第2の層」に対応する。
盛土8の上面8aから撥水層11までの深度L6は、前述の凍結深度以深である。また、本実施形態では、撥水層11は、地下水位よりも上位に位置する。
本実施形態では以上のように地盤改良が行われる。
特に本実施形態によれば、地盤改良方法は、地盤3の地表面3aに撥水剤10を敷設材と共に供給して撥水層11を形成すること(図11(A)参照)、及び、撥水層11の上方に撥水層11を覆うように盛土8(地層)を形成すること(図11(B)参照)、を含む。これにより、撥水層11によって地盤構造1中における地下水の移動が抑制され得るので、地盤構造1中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、盛土8の上面8a(地層の表面、地表面)から撥水層11(第2の層)までの深度L6は凍結深度以深である。これにより、地盤構造1中における凍結深度より上位の部分への地下水の移動が撥水層11によって抑制され得るので、地盤構造1中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、地盤構造1は、上面8a(地表面)を有する盛土8(第1の層)と、盛土8(第1の層)よりも下位に位置して撥水性を有する撥水層11(第2の層)と、を備える。これにより、撥水層11(第2の層)によって地盤構造1中における地下水の移動が抑制され得るので、地盤構造1中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、盛土8の下方に撥水層11が形成されている。これにより、地盤3側から盛土8への地下水の供給が撥水層11によって抑制されるので、盛土8中の水分量の増加を抑制することができ、ひいては、盛土8の法面(図示せず)の崩壊を抑制することができる。
図12(A)及び(B)は、本発明の第11実施形態における地盤改良方法を示すステップ図である。
前述の第9実施形態(図10参照)と異なる点について説明する。
本実施形態では、地盤3と盛土8とを含む既存の地盤構造1について、地盤3内に撥水層11を形成する。
本実施形態における地盤改良方法では、まず、図12(A)に示すように、盛土8の上面8a側から盛土8を経て地盤3内に至るようにボーリング孔(図示せず)を穿孔して、このボーリング孔に注入管15を挿入する。尚、この注入管15の下端部には複数の孔(図示せず)が予め形成されている。
次に、図12(A)に示すように、注入管15の上部開口から撥水剤10を注入管15内に供給して注入管15の下端部の複数の孔から地盤3内に撥水剤10を注入する。ここでは、図12(A)に示す撥水層形成予定領域18内に撥水剤10を行き渡らせるように地盤3内に撥水剤10を注入する。この結果、撥水層形成予定領域18に撥水層11が形成される(図12(B)参照)。このように撥水剤10が地盤3に供給されて、撥水層11が形成される(図12(B)参照)。
ここで、盛土8の上面8aから撥水層形成予定領域18及び撥水層11までの深度L7は、前述の凍結深度以深である。また、本実施形態では、撥水層11は、地下水位よりも上位に位置する。
本実施形態では以上のように地盤改良が行われる。
特に本実施形態によれば、地盤改良方法は、地盤構造1(地盤)のうち盛土8の上面8a(地表面)よりも下位の部分(地盤3)に撥水剤10を注入することにより、当該部分(地盤3)に撥水層11を形成することを含む。これにより、撥水層11によって地盤構造1中における地下水の移動が抑制され得るので、地盤構造1中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、盛土8の上面8a(地表面)から撥水層11までの深度L7は凍結深度以深である。これにより、地盤構造1中における凍結深度より上位の部分への地下水の移動が撥水層11によって抑制され得るので、地盤構造1中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、盛土8の下方に撥水層11が形成されている。これにより、地盤3側から盛土8への地下水の供給が撥水層11によって抑制されるので、盛土8中の水分量の増加を抑制することができ、ひいては、盛土8の法面(図示せず)の崩壊を抑制することができる。
図13(A)及び(B)は、本発明の第12実施形態における地盤改良方法を示すステップ図である。
前述の第11実施形態(図12参照)と異なる点について説明する。
本実施形態では、地盤3と盛土8とを含む既存の地盤構造1について、盛土8内に撥水層11を形成する。
本実施形態における地盤改良方法では、まず、図13(A)に示すように、盛土8の上面8a側から盛土8内に至るようにボーリング孔(図示せず)を穿孔して、このボーリング孔に注入管15を挿入する。尚、この注入管15の下端部には複数の孔(図示せず)が予め形成されている。
次に、図13(A)に示すように、注入管15の上部開口から撥水剤10を注入管15内に供給して注入管15の下端部の複数の孔から盛土8内に撥水剤10を注入する。ここでは、図13(A)に示す撥水層形成予定領域19内に撥水剤10を行き渡らせるように盛土8内に撥水剤10を注入する。この結果、撥水層形成予定領域19に撥水層11が形成される(図13(B)参照)。このように撥水剤10が盛土8に供給されて、撥水層11が形成される(図13(B)参照)。ここで、撥水層11は盛土8の一部である。
盛土8の上面8aから撥水層形成予定領域19及び撥水層11までの深度L8は、前述の凍結深度以深である。また、本実施形態では、撥水層11は、地下水位よりも上位に位置する。
本実施形態では以上のように地盤改良が行われる。
本実施形態おいて、盛土8のうち上面8aと撥水層11との間の部分が本発明の「地表面を有する第1の層」に対応する。また、撥水層11が本発明の「第1の層よりも下位に位置して撥水性を有する第2の層」に対応する。
特に本実施形態によれば、地盤改良方法は、地盤構造1(地盤)のうち盛土8の上面8a(地表面)よりも下位の部分(撥水層形成予定領域19)に撥水剤10を注入することにより、当該部分(撥水層形成予定領域19)に撥水層11を形成することを含む。これにより、撥水層11によって地盤構造1中における地下水の移動が抑制され得るので、地盤構造1中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、盛土8の上面8a(地表面)から撥水層11までの深度L8は凍結深度以深である。これにより、地盤構造1中における凍結深度より上位の部分への地下水の移動が撥水層11によって抑制され得るので、地盤構造1中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤構造1中における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、撥水層11(第2の層)は盛土8の一部である。これにより、盛土8における撥水層11より上側の部分への地下水の供給が撥水層11によって抑制されるので、盛土8における撥水層11より上側の部分中の水分量の増加を抑制することができ、ひいては、盛土8の法面(図示せず)の崩壊を抑制することができる。
図14(A)及び(B)は、本発明の第13実施形態における地盤改良方法を示すステップ図である。
前述の第11実施形態(図12参照)と異なる点について説明する。
本実施形態では、宅地などの敷地の地盤構造1について、地盤構造1を構成する地盤3内に撥水層11を形成する。
本実施形態における地盤改良方法では、まず、図14(A)に示すように、地表面3a側から地盤3内に至るようにボーリング孔(図示せず)を穿孔して、このボーリング孔に注入管15を挿入する。尚、この注入管15の下端部には複数の孔(図示せず)が予め形成されている。
次に、図14(A)に示すように、注入管15の上部開口から撥水剤10を注入管15内に供給して注入管15の下端部の複数の孔から地盤3内に撥水剤10を注入する。ここでは、図14(A)に示す撥水層形成予定領域18内に撥水剤10を行き渡らせるように地盤3内に撥水剤10を注入する。この結果、撥水層形成予定領域18に撥水層11が形成される(図14(B)参照)。このように撥水剤10が地盤3に供給されて、撥水層11が形成される(図14(B)参照)。
ここで、地表面3aから撥水層形成予定領域18及び撥水層11までの深度L9は、前述の凍結深度以深である。また、本実施形態では、撥水層11は、地下水位よりも上位に位置する。
本実施形態では以上のように地盤改良が行われる。
本実施形態において、地盤3のうち撥水層11と地表面3aとの間の部分が本発明の「地表面を有する第1の層」に対応する。また、撥水層11が本発明の「第1の層よりも下位に位置して撥水性を有する第2の層」に対応する。
特に本実施形態によれば、地盤改良方法は、地盤3のうち地表面3aよりも下位の部分(撥水層形成予定領域18)に撥水剤10を注入することにより、当該部分(撥水層形成予定領域18)に撥水層11を形成することを含む。これにより、撥水層11によって地盤3中における地下水の移動が抑制され得るので、地盤3中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤3中における凍上現象の発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、地表面3aから撥水層11までの深度L9は凍結深度以深である。これにより、地盤3中における凍結深度より上位の部分への地下水の移動が撥水層11によって抑制され得るので、地盤3中におけるアイスレンズの形成及び成長が抑制され、ひいては、地盤3中における凍上現象の発生を抑制することができる。
尚、前述の実施形態のうち撥水改良材を用いて撥水層11を形成するものにおいて、撥水改良材を構成する敷設材として粘土及び/又は砂を用いてもよい。ここで、粘土は、例えば、粒径が5μm以下である粒子によって構成される。砂は、例えば、粒径が62.5μm以上かつ2mm以下である粒子によって構成される。
また、撥水改良材を構成する敷設材として土砂を用いてもよい。敷設材として土砂を用いる場合には、当該土砂に撥水剤10を混合して撥水改良材を形成するに先立って、土砂を構成する粒子(土粒子)の粒径が所定値以下となるように当該土砂のスクリーニングが行われ得る。この所定値は、好ましくは40mmであり、更に好ましくは9.5mmである。このスクリーニングにより、当該土砂を構成する粒子の粒径が前述の所定値以下となる。このスクリーニングには、「JIS A 1204 土の粒度試験方法」で用いられる金属製網ふるいを用いてもよい。また、当該土砂は現地発生土であってもよい。
また、図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
1 地盤構造
2 道路構造
3 地盤
3a 地表面
3b 凹部
5 路床
5a 上面
6 路盤
6a 上面
7 表層
7a 外表面
8 盛土
8a 上面
10 撥水剤
11 撥水層
15 注入管
18,19 撥水層形成予定領域

Claims (12)

  1. 地表面に撥水剤を供給して撥水層を形成すること、及び、
    前記撥水層の上方に前記撥水層を覆うように地層を形成すること、
    を含む、地盤改良方法。
  2. 前記撥水層を形成することは、
    前記地表面に撥水剤を供給すること、
    前記地表面の構成材を、前記供給された前記撥水剤と共に撹拌すること、及び、
    前記撹拌された前記地表面の構成材を締め固めること、
    を含む、請求項1に記載の地盤改良方法。
  3. 前記撥水層を形成することは、
    前記地表面に前記撥水剤を供給するに先立って前記撥水剤を敷設材に混合すること、及び、
    前記撥水剤が混合された前記敷設材を前記地表面に敷設することにより、前記地表面に前記撥水剤を供給すること、
    を含む、請求項1に記載の地盤改良方法。
  4. 前記地層の表面から前記撥水層までの深度は凍結深度以深である、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の地盤改良方法。
  5. 地盤のうち地表面よりも下位の部分に撥水剤を注入することにより、前記部分に撥水層を形成することを含む、地盤改良方法。
  6. 前記地表面から前記撥水層までの深度は凍結深度以深である、請求項5に記載の地盤改良方法。
  7. 前記撥水剤はアルカリ金属珪酸塩及びアルカリ金属シリコネートを含有する、請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の地盤改良方法。
  8. 地表面を有する第1の層と、
    前記第1の層よりも下位に位置して撥水性を有する第2の層と、
    を備える、地盤構造。
  9. 前記第2の層は道路の路床及び/又は路盤を構成する、請求項8に記載の地盤構造。
  10. 前記第2の層は盛土の一部である、請求項8に記載の地盤構造。
  11. 前記地表面から前記第2の層までの深度は凍結深度以深である、請求項8〜請求項10のいずれか1つに記載の地盤構造。
  12. 前記第2の層の形成に用いられる撥水剤は、アルカリ金属珪酸塩及びアルカリ金属シリコネートを含有する、請求項8〜請求項11のいずれか1つに記載の地盤構造。
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