JP2018052148A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車両の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018052148A
JP2018052148A JP2016186781A JP2016186781A JP2018052148A JP 2018052148 A JP2018052148 A JP 2018052148A JP 2016186781 A JP2016186781 A JP 2016186781A JP 2016186781 A JP2016186781 A JP 2016186781A JP 2018052148 A JP2018052148 A JP 2018052148A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inverter device
oil pump
engine
drive
motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016186781A
Other languages
English (en)
Inventor
公平 野畠
Kohei Nohata
公平 野畠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Subaru Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Subaru Corp filed Critical Subaru Corp
Priority to JP2016186781A priority Critical patent/JP2018052148A/ja
Publication of JP2018052148A publication Critical patent/JP2018052148A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/7072Electromobility specific charging systems or methods for batteries, ultracapacitors, supercapacitors or double-layer capacitors
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】ハイブリッド車両における騒音を低減する。【解決手段】駆動輪に伝達される動力を出力可能なエンジンと、当該動力を出力可能な駆動モータと、電動式オイルポンプと、電動式オイルポンプ及び駆動モータへ供給される電力をそれぞれPWM方式により制御可能な第1のインバータ装置及び第2のインバータ装置と、第1のインバータ装置及び第2のインバータ装置のそれぞれと接続されるバッテリと、を備えるハイブリッド車両の制御装置であって、EV走行モードを実行可能な駆動制御部と、EV走行モードの実行中において、第1のインバータ装置及び第2のインバータ装置のキャリア信号の位相差を発生させることにより、第1のインバータ装置及び第2のインバータ装置の駆動に起因して生じるリプル電流の周波数を増大させる位相差制御を実行するキャリア信号制御部と、を備える、ハイブリッド車両の制御装置が提供される。【選択図】図13

Description

本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に関する。
従来、車両において、各種装置の駆動を制御するために、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)方式により当該各種装置への電力の供給を制御可能なインバータ装置が利用されている。PWM方式では、電圧指令とキャリア信号とを比較することによって、PWM制御信号が生成され、当該PWM制御信号に基づいて、インバータ装置が駆動される。それによって、インバータ装置によって、各種装置へ供給される電力の電圧及び周波数が制御される。具体的には、各種装置へ供給される電力の周波数は、キャリア信号に応じたキャリア周波数になるように制御される。PWM方式による電力の供給が行われる場合、当該キャリア周波数で脈動するリプル電流が発生することによって、比較的高周波の音が生じ得る。そこで、インバータ装置の駆動に起因して生じる比較的高周波の音を低減するための技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、低騒音化と装置の小型化を両立するために、可能な限りキャリア周波数を高く保持し、キャリア周波数が可聴周波数範囲に入らないように制御し、かつ、可能な限り冷却ファンの運転も抑えられるように制御する技術が開示されている。
特開平10−271835号公報
インバータ装置では、具体的には、スイッチング素子の駆動を制御することによって、各種装置への電力の供給が制御される。ゆえに、キャリア周波数が高いほど、単位時間あたりにスイッチング素子が駆動される回数が多くなるので、スイッチング損失が増大する。よって、スイッチング損失を抑制する観点から、キャリア周波数は、可聴域の範囲内の周波数に設定される場合がある。
ところで、近年、車両の駆動輪を駆動するための動力源として、エンジン及び駆動モータを備えるハイブリッド車両(HEV)が知られている。ハイブリッド車両では、エンジン及びモータの動作状態の組み合わせを互いに異ならせた複数の走行モードを切り替え可能に構成され得る。このような走行モードの1つとして、エンジンの駆動を停止させた状態で駆動モータの出力により駆動輪を駆動させるEV走行モードが実行され得る。EV走行モードの実行中において、エンジンの作動音が発生しないことによって、静音性が比較的高い状態が実現される。
ここで、ハイブリッド車両において、駆動モータ及び車両内の必要な油圧を確保するための電動式オイルポンプを駆動するために、駆動モータ及び電動式オイルポンプの各々について、PWM方式のインバータ装置が利用され得る。当該インバータ装置のキャリア周波数は、上述したように、可聴域の範囲内の周波数に設定され得る。それにより、EV走行モードの実行中において、駆動モータ及び電動式オイルポンプの各々についてのインバータ装置の駆動に起因して、可聴域の範囲内の周波数を有するリプル電流が発生し得る。このようなリプル電流がインバータ装置と接続されるバッテリや、当該バッテリとインバータ装置との電気的な断接を切り替え可能なシステムメインリレーへ流れることによって、比較的高周波の音が生じ得る。EV走行モードの実行中において、上述したように、静音性が比較的高い状態が実現されるので、このようなインバータ装置の駆動に起因して生じる比較的高周波の音は、ドライバによって騒音として感じとられやすい。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ハイブリッド車両における騒音を低減することが可能な、新規かつ改良された車両の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、駆動輪に伝達される動力を出力可能なエンジンと、前記駆動輪に伝達される動力を出力可能な駆動モータと、電動式オイルポンプと、前記電動式オイルポンプへ供給される電力をパルス幅変調方式により制御可能な第1のインバータ装置と、前記駆動モータへ供給される電力をパルス幅変調方式により制御可能な第2のインバータ装置と、前記第1のインバータ装置及び前記第2のインバータ装置のそれぞれと接続されるバッテリと、を備えるハイブリッド車両の制御装置であって、前記エンジンの駆動を停止させた状態で前記駆動モータの出力により前記駆動輪を駆動させるEV走行モードを実行可能な駆動制御部と、前記EV走行モードの実行中において、前記第1のインバータ装置及び前記第2のインバータ装置のキャリア信号の位相差を発生させることにより、前記第1のインバータ装置及び前記第2のインバータ装置の駆動に起因して生じるリプル電流の周波数を増大させる位相差制御を実行するキャリア信号制御部と、を備える、ハイブリッド車両の制御装置が提供される。
前記キャリア信号制御部は、前記第1のインバータ装置及び前記第2のインバータ装置のキャリア信号の位相差がキャリア周期の略半分となるように、前記位相差制御を実行してもよい。
前記ハイブリッド車両は、前記駆動輪と前記駆動モータとの間での動力伝達の可否を切り替え可能な出力側伝達クラッチを備え、前記ハイブリッド車両の停車時において、前記駆動制御部は、前記出力側伝達クラッチを開放させ、前記電動式オイルポンプ及び前記駆動モータを駆動させ、前記キャリア信号制御部は、前記位相差制御を実行してもよい。
前記ハイブリッド車両は、駆動輪の回転により駆動される機械式オイルポンプを備え、前記電動式オイルポンプが駆動されているときに、前記機械式オイルポンプにより供給可能な油圧が所定の圧力を上回った場合であっても、前記エンジンの回転数が所定の回転数を上回るまでの間において、前記駆動制御部は、前記電動式オイルポンプの駆動を継続させ、前記キャリア信号制御部は、前記位相差制御を実行してもよい。
前記駆動制御部は、前記エンジンの出力及び前記駆動モータの出力により前記駆動輪を駆動させるハイブリッド走行モードを実行可能であり、前記EV走行モードから前記ハイブリッド走行モードへの切り替えにおいて、前記機械式オイルポンプにより供給可能な油圧が前記所定の圧力を上回り、かつ、前記エンジンの回転数が前記所定の回転数を上回った場合に、前記電動式オイルポンプを停止させてもよい。
前記ハイブリッド車両は、前記エンジンに連設され前記駆動輪に伝達される動力を出力可能な第1のモータジェネレータと、前記エンジン及び前記第1のモータジェネレータのうち少なくとも一方から出力される動力を所定の変速比で変換する変速機構と、前記第1のモータジェネレータと前記変速機構との間での動力伝達の可否を切り替え可能な入力側伝達クラッチと、前記入力側伝達クラッチを開放した状態で前記駆動輪に伝達される動力を出力可能な、前記駆動モータとしての、第2のモータジェネレータと、前記第1のモータジェネレータのモータ軸に連結されて前記モータ軸の回転により駆動される連結オイルポンプと、を備え、前記電動式オイルポンプは、前記第1のモータジェネレータ及び前記連結オイルポンプを含み、前記第1のインバータ装置は、前記第1のモータジェネレータへ供給される電力をパルス幅変調方式により制御可能であってもよい。
前記ハイブリッド車両は、前記バッテリと、前記第1のインバータ装置及び前記第2のインバータ装置との電気的な断接を切り替え可能なシステムメインリレーを備えてもよい。
以上説明したように本発明によれば、ハイブリッド車両における騒音を低減することが可能となる。
本発明の実施形態に係るハイブリッド車両システムの概略構成の一例を示す模式図である。 同実施形態に係るインバータ装置及び周囲の構成の一例を示す模式図である。 シングルモータEV走行モードの実行中におけるハイブリッド車両システムの状態を示す説明図である。 ツインモータEV走行モードの実行中におけるハイブリッド車両システムの状態を示す説明図である。 ハイブリッド走行モードの実行中におけるハイブリッド車両システムの状態を示す説明図である。 エンジン走行モードの実行中におけるハイブリッド車両システムの状態を示す説明図である。 同実施形態に係るハイブリッドECUの機能構成の一例を示すブロック図である。 第1のインバータ装置及び第2のインバータ装置のキャリア信号の位相差が一致する場合における、PN間電流の電流値の一例を示す模式図である。 第1のインバータ装置及び第2のインバータ装置のキャリア信号の位相差がキャリア周期の略半分である場合における、PN間電流の電流値の一例を示す模式図である。 ハイブリッド車両の停車時におけるハイブリッド車両システムの状態を示す説明図である。 同実施形態に係るハイブリッドECUが行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。 参考例による制御が行われた場合における、各種状態量の推移の一例を示す説明図である。 同実施形態に係るハイブリッドECUによる制御が行われた場合における、各種状態量の推移の一例を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.ハイブリッド車両システム>
まず、図1〜図6を参照して、本発明の実施形態に係るハイブリッド車両システム1の概略構成及び各種走行モードについて、説明する。
[1−1.概略構成]
図1は、本実施形態に係るハイブリッド車両システム1の概略構成の一例を示す模式図である。図1に示したように、ハイブリッド車両システム1は、エンジン10と、第1のモータジェネレータ20と、第2のモータジェネレータ50とを備え、エンジン10、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ50を動力源として併用可能なシステムである。換言すると、エンジン10、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ50は、駆動輪70,75に伝達される動力をそれぞれ出力可能である。ハイブリッド車両システム1では、走行モードが、シングルモータEV走行モードと、ツインモータEV走行モードと、ハイブリッド走行モードと、エンジン走行モードと、で切り替えられながら、車両の駆動力制御が行われる。
本実施形態に係るハイブリッド車両システム1において、シングルモータEV走行モードは、第2のモータジェネレータ50の出力により車両を駆動するモードである。ツインモータEV走行モードは、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ50の出力により車両を駆動するモードである。ハイブリッド走行モードは、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ50のうちの少なくとも一方の出力と、エンジン10の出力とにより車両を駆動するモードである。エンジン走行モードは、エンジン10の出力により車両を駆動するモードである。なお、第2のモータジェネレータ50は、駆動輪に伝達される動力を出力可能な本発明に係る駆動モータに相当する。また、シングルモータEV走行モード及びツインモータEV走行モードは、エンジン10の駆動を停止させた状態で当該駆動モータの出力により駆動輪を駆動させる本発明に係るEV走行モードに相当する。
エンジン10は、ガソリン等を燃料として動力を生成する内燃機関であり、出力軸としてのクランクシャフト11を有する。クランクシャフト11は、自動変速装置5内に延設されている。また、クランクシャフト11には、ギヤ列13を介して機械式オイルポンプ15が連結されている。機械式オイルポンプ15は、エンジン10のクランクシャフト11の回転により駆動されて、自動変速装置5に向けて作動油を供給する。自動変速装置5に供給される作動油は、バルブユニット80を介して自動変速機構としての無段変速機構(CVT:Continuously Variable Transmission)30及び各クラッチに供給される。
また、機械式オイルポンプ15は、前輪側出力軸53、後輪側出力軸73、CVT30のプライマリ軸33、又はセカンダリ軸37に対して、図示しないギヤ機構を介して連結されていてもよい。機械式オイルポンプ15が前輪側出力軸53又は後輪側出力軸73に対して連結されている場合、駆動輪70,75の回転によっても機械式オイルポンプ15が駆動され得る。機械式オイルポンプ15がプライマリ軸33又はセカンダリ軸37に対して連結されている場合、出力側伝達クラッチ63が締結されている間、駆動輪70,75の回転によっても機械式オイルポンプ15が駆動され得る。以下では、ハイブリッド車両システム1において、機械式オイルポンプ15は、クランクシャフト11及び前輪側出力軸53に対して連結され、クランクシャフト11又は前輪側出力軸53のうち、回転数がより高い方の回転により駆動されるようになっている例について説明する。
自動変速装置5は、第1のモータジェネレータ20と、第2のモータジェネレータ50と、CVT30と、エンジンクラッチ61と、入力側伝達クラッチとしての前後進切替クラッチ40と、出力側伝達クラッチ63と、トランスファクラッチ65とを備える。バルブユニット80は、電磁弁等の複数の制御弁を備え、トランスミッション制御装置(トランスミッションECU)300により制御される。トランスミッションECU300が、CVT30又は各クラッチの作動要求に応じてこれらの複数の制御弁を制御することにより、各作動部へと供給される作動油の流量が調節され、油圧が調整される。
エンジン10と第1のモータジェネレータ20とはエンジンクラッチ61を介して配列される。エンジン10のクランクシャフト11と、第1のモータジェネレータ20のモータ軸21との間には、クランクシャフト11とモータ軸21との間を締結又は開放するエンジンクラッチ61が設けられている。エンジンクラッチ61が締結状態にあるときに、クランクシャフト11とモータ軸21との間で動力を伝達することができる。例えば、エンジンクラッチ61は、油圧が小さい場合に開放され、油圧の上昇時に締結されてもよい。これにより、EV走行モードの実行中において、油圧の上昇に用いられる電力を低減することができる。
ハイブリッド車両システム1では、第1のモータジェネレータ20の内部にエンジンクラッチ61が設けられ、第1のモータジェネレータ20とエンジンクラッチ61とが一体化されている。これにより、クランクシャフト11あるいはモータ軸21の軸方向に沿う方向の自動変速装置5の幅が小さくなり、省スペース化が図られている。例えば、第1のモータジェネレータ20の中央部であってロータ及びステータの内側に空間を設け、当該空間内にエンジンクラッチ61を配置することにより、上記の構成が実現され得る。
第1のモータジェネレータ20は、例えば、三相交流式のモータであり、インバータ装置90を介して高電圧バッテリ95に接続されている。第1のモータジェネレータ20は、高電圧バッテリ95の電力を用いて駆動(力行駆動)されて車両の駆動力としての動力を生成する駆動モータとしての機能と、エンジン10の出力によって駆動されて発電する発電機としての機能と、車両の減速時に回生駆動されて駆動輪70,75の運動エネルギを用いて発電する発電機としての機能とを有する。さらに、第1のモータジェネレータ20は、エンジン10を始動又は停止させるスタータモータとしての機能と、モータ軸21に連結された連結オイルポンプ25を回転駆動させる駆動モータとしての機能とを併せ持つ。
第1のモータジェネレータ20をスタータモータ、車両の駆動力としての動力を生成する駆動モータ、又は連結オイルポンプ25の駆動モータとして機能させる場合、インバータ装置90は、高電圧バッテリ95から供給される直流電力を交流電力に変換し、第1のモータジェネレータ20を駆動する。また、第1のモータジェネレータ20を発電機として機能させる場合、インバータ装置90は、第1のモータジェネレータ20で発電された交流電力を直流電力に変換して高電圧バッテリ95に充電する。
上述のとおり、ハイブリッド車両システム1では、トルクコンバータではなく、エンジンクラッチ61を介して、クランクシャフト11とモータ軸21との間で動力の伝達が行われる。このため、エンジン10から動力を出力させない期間において、第1のモータジェネレータ20とエンジン10とを完全に切り離すことにより、第1のモータジェネレータ20の出力がエンジン10で消費されることがなくなる。したがって、第1のモータジェネレータ20から動力を出力させる場合、あるいは、第1のモータジェネレータ20を回生駆動させる場合において、第1のモータジェネレータ20による仕事の効率の低下を抑制することができる。
第1のモータジェネレータ20のモータ軸21には、連結オイルポンプ25が組み付けられている。連結オイルポンプ25は、機械式のオイルポンプであり、エンジン10の回転又は第1のモータジェネレータ20の回転に伴ってモータ軸21が回転することによって駆動され、バルブユニット80に向けて作動油を供給する。本実施形態に係るハイブリッド車両システム1では、電動式オイルポンプ28が、第1のモータジェネレータ20と、連結オイルポンプ25と、を含んで構成される。第1のモータジェネレータ20へ電力が供給されることにより第1のモータジェネレータ20が駆動されることによって、モータ軸21が回転する。それにより、連結オイルポンプ25が駆動される。このように、第1のモータジェネレータ20へ電力が供給されることによって、電動式オイルポンプ28が駆動される。ゆえに、エンジン10が停止している状態においても、第1のモータジェネレータ20の出力によって連結オイルポンプ25が駆動されて、バルブユニット80に対して油圧を供給することができる。
第1のモータジェネレータ20のモータ軸21は、前後進切替クラッチ40を介して、CVT30のプライマリ軸33に連設されている。前後進切替クラッチ40は、プラネタリギヤ41と、前進クラッチ43と、後退ブレーキ45とを備える。前進クラッチ43及び後退ブレーキ45を制御することにより、プライマリ軸33の回転方向が切り替え可能になっている。後退ブレーキ45が開放され前進クラッチ43が締結されることにより、第1のモータジェネレータ20のモータ軸21がプライマリ軸33に対して直結される。これにより、エンジン10又は第1のモータジェネレータ20の出力が前進クラッチ43を介してプライマリ軸33に伝達され、プライマリ軸33が正転方向に回転し、車両の前進走行が可能となる。
また、前進クラッチ43が開放され後退ブレーキ45が締結されることにより、モータ軸21がプラネタリギヤ41を介してプライマリ軸33に連結される。これにより、エンジン10又は第1のモータジェネレータ20の出力がプラネタリギヤ41を介してプライマリ軸33に伝達され、プライマリ軸33が逆転方向に回転し、車両の後退走行が可能となる。さらに、前進クラッチ43及び後退ブレーキ45がともに開放されることにより、前後進切替クラッチ40はプライマリ軸33にエンジン10又は第1のモータジェネレータ20の動力を伝達しないニュートラル状態になる。なお、前後進切替クラッチ40は、第1のモータジェネレータ20とCVT30との間での動力伝達の可否を切り替え可能な本発明に係る入力側伝達クラッチに相当する。前進クラッチ43及び後退ブレーキ45は、油圧が小さい場合に開放され、油圧の上昇によって締結されてもよい。これにより、シングルモータEV走行モードの実行中において、油圧の上昇に用いられる電力を低減することができる。
CVT30は、プライマリ軸33と、当該プライマリ軸33に平行に配設されたセカンダリ軸37とを有する。プライマリ軸33にはプライマリプーリ31が固定され、セカンダリ軸37にはセカンダリプーリ35が固定されている。プライマリプーリ31及びセカンダリプーリ35には、ベルト又はチェーンからなる巻き掛け式の動力伝達部材36が卷回されている。CVT30は、プライマリプーリ31及びセカンダリプーリ35上での動力伝達部材36の巻き掛け半径を変化させてプーリ比を変化させることにより、プライマリ軸33とセカンダリ軸37との間において、車両の走行状態に応じた変速比で変換した動力を伝達する。CVT30は、エンジン10及び第1のモータジェネレータ20のうち少なくとも一方から出力される動力を所定の変速比で変換する。
セカンダリ軸37は、ギヤ列39及び出力側伝達クラッチ63を介して、前輪側出力軸53に連結されている。前輪側出力軸53は、図示しない減速ギヤ及び駆動軸を介して前輪(駆動輪)70に連設され、駆動力としての動力が、前輪側出力軸53を介して、駆動輪70,75に伝達可能になっている。
CVT30の入力側には、第2のモータジェネレータ50が接続されている。具体的には、第2のモータジェネレータ50は、CVT30のプライマリ軸33に、ギヤ列51を介して、連結されている。第2のモータジェネレータ50は、エンジンクラッチ61及び前後進切替クラッチ40を介してエンジン10に連設されている。第2のモータジェネレータ50は、入力側伝達クラッチとしての前後進切替クラッチ40が開放状態にあるときにおいても、CVT30を介して、駆動輪へ伝達される動力を出力可能である。ゆえに、第2のモータジェネレータ50は、入力側伝達クラッチを開放した状態で駆動輪に伝達される動力を出力可能である。第2のモータジェネレータ50は、第1のモータジェネレータ20と同様、三相交流式のモータであり、インバータ装置90を介して高電圧バッテリ95に接続されている。第2のモータジェネレータ50は、高電圧バッテリ95の電力を用いて駆動(力行駆動)されて車両の駆動力としての動力を生成する駆動モータとしての機能と、車両の減速時に回生駆動されて駆動輪70,75の運動エネルギを用いて発電する発電機としての機能とを有する。
第2のモータジェネレータ50を駆動モータとして機能させる場合、インバータ装置90は、高電圧バッテリ95から供給される直流電力を交流電力に変換し、第2のモータジェネレータ50を駆動する。また、第2のモータジェネレータ50を発電機として機能させる場合、インバータ装置90は、第2のモータジェネレータ50で発電された交流電力を直流電力に変換して高電圧バッテリ95に充電する。第2のモータジェネレータ50の定格出力と第1のモータジェネレータ20の定格出力とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
出力側伝達クラッチ63は、セカンダリ軸37と前輪側出力軸53との間を締結又は開放する。出力側伝達クラッチ63が締結状態にあるときに、セカンダリ軸37と前輪側出力軸53との間で動力を伝達することができる。一方、出力側伝達クラッチ63が開放状態にあるときに、CVT30と前輪側出力軸53とは切り離される。このように、出力側伝達クラッチ63は、駆動輪と第2のモータジェネレータ50との間での動力伝達の可否を切り替え可能である。出力側伝達クラッチ63が開放状態にあるときには、具体的には、エンジン10、第1のモータジェネレータ20、及び第2のモータジェネレータ50は、前輪側出力軸53から切り離される。
また、前輪側出力軸53には、ギヤ列71及びトランスファクラッチ65を介して後輪側出力軸73が連結されている。後輪側出力軸73は、図示しないプロペラシャフト、減速ギヤ及び駆動軸を介して後輪(駆動輪)75に連設され、駆動力としての動力が、後輪側出力軸73を介して、駆動輪75に伝達可能になっている。トランスファクラッチ65は、後輪側出力軸73への動力の伝達の可否を切り替える。トランスファクラッチ65が締結状態にあるときに、動力が後輪側出力軸73にも伝達され、ハイブリッド車両は4輪駆動モードとなる。また、トランスファクラッチ65が開放状態にあるときに、駆動力は前輪側出力軸53のみに伝達され、ハイブリッド車両は前輪駆動モードとなる。
また、ハイブリッド車両システム1は、回転数センサ97及び油圧センサ98を備える。各センサは、各種物理量を検出し、検出結果をハイブリッドECU100へ出力する。当該検出結果は、後述するハイブリッドECU100が行う処理に用いられる。
回転数センサ97は、エンジン10の回転数を検出する。例えば、回転数センサ97は、クランクシャフト11の近傍に設けられ、クランクシャフト11の回転数を、エンジン10の回転数として、検出してもよい。
油圧センサ98は、機械式オイルポンプ15により供給可能な油圧を検出する。例えば、油圧センサ98は、機械式オイルポンプ15の吐出口の近傍に設けられ、機械式オイルポンプ15と接続される油路における当該吐出口の近傍の油圧を、機械式オイルポンプ15により供給可能な油圧として、検出してもよい。
ハイブリッド車両システム1において、エンジン10は、エンジン制御装置(エンジンECU)200により制御される。自動変速装置5は、トランスミッション制御装置(トランスミッションECU)300により制御される。第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ50は、モータ制御装置(モータECU)400により制御される。これらのエンジンECU200、トランスミッションECU300、及び、モータECU400は、システム全体を統合的に制御するハイブリッド制御装置(ハイブリッドECU)100に接続されている。ハイブリッドECU100は、エンジンECU200、トランスミッションECU300、及び、モータECU400に制御指令を出力し、車両の走行制御、あるいは、高電圧バッテリ95の充電制御を行う。ハイブリッドECU100は、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の一例である。
各ECUは、マイクロコンピュータをはじめとして各種インタフェース又は周辺機器等を備えて構成される。各ECUは、例えばCAN(Controller Area Network)等の通信ラインを介して双方向通信可能に接続され、制御情報や制御対象に関連する各種の情報を相互に通信する。
各ECUは、具体的には、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する記憶素子であるROM(Read Only Memory)、CPUの実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)等で構成される。各ECUは、CAN通信を用いて各センサと通信を行ってもよい。なお、本実施形態に係る各ECUが有する機能は複数の制御装置により分割されてもよく、その場合、当該複数の制御装置は、CAN等の通信ラインを介して、互いに接続されてもよい。以下、各ECUの機能の概略について説明する。
エンジンECU200は、ハイブリッドECU100からの制御指令を受け、エンジン10を制御する。エンジンECU200は、例えば、エンジン10に備えられた各種センサにより検出される情報に基づいて、スロットル開度、点火時期、及び、燃料噴射量等の制御量を算出する。また、エンジンECU200は、例えば、算出された制御量に基づいてスロットル弁、点火プラグ、及び、燃料噴射弁等を駆動し、エンジン10の出力が制御指令値となるようにエンジン10を制御する。
モータECU400は、ハイブリッドECU100からの制御指令を受け、インバータ装置90を介して第1のモータジェネレータ20又は第2のモータジェネレータ50をそれぞれ制御する。モータECU400は、例えば、第1のモータジェネレータ20又は第2のモータジェネレータ50の回転数や電圧、電流等の情報に基づいて、インバータ装置90に対して電流指令や電圧指令を出力し、第1のモータジェネレータ20又は第2のモータジェネレータ50の出力が制御指令値となるように、第1のモータジェネレータ20又は第2のモータジェネレータ50をそれぞれ制御する。
ここで、本実施形態に係るインバータ装置90及び周囲の構成について、説明する。図2は、本実施形態に係るインバータ装置90及び周囲の構成の一例を示す模式図である。図2に示したように、インバータ装置90は、第1のインバータ装置91と、第2のインバータ装置92と、を含む。
第1のインバータ装置91は、高電圧バッテリ95及び電動式オイルポンプ28のそれぞれと接続される。第1のインバータ装置91は、具体的には、電動式オイルポンプ28の第1のモータジェネレータ20と接続され、第1のモータジェネレータ20への電力の供給を制御可能である。本実施形態に係る第1のインバータ装置91は、第1のモータジェネレータ20へ供給される電力をPWM方式により制御可能である。また、第2のインバータ装置92は、高電圧バッテリ95及び第2のモータジェネレータ50のそれぞれと接続される。本実施形態に係る第2のインバータ装置92は、第2のモータジェネレータ50へ供給される電力をPWM方式により制御可能である。
第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92は、モータECU400から出力されるPWM制御信号に基づいて、それぞれ駆動される。モータECU400は、具体的には、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ50の駆動を制御するために、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92へそれぞれPWM制御信号を出力する。ここで、モータECU400は、電圧指令とキャリア信号とを比較することによって、PWM制御信号を生成する。当該電圧指令は、例えば、モータECU400によって、ハイブリッドECU100からの制御指令に基づいて、生成さ得る。当該キャリア信号は、ハイブリッドECU100によって生成され、モータECU400へ出力される。ゆえに、ハイブリッドECU100は、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92の各々のキャリア信号を制御可能である。本実施形態では、ハイブリッドECU100によって、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92のキャリア信号の位相差が制御されることによって、騒音の低減が実現される。このようなハイブリッドECU100の詳細については、後述する。
なお、各インバータ装置の駆動を制御するための各信号は、いずれの制御装置によって生成されてもよく、当該各信号を生成する機能の各制御装置による分担は、特に限定されない。本明細書における当該各信号を生成する機能の各制御装置による分担の態様は、あくまでも一例に過ぎず、本発明の技術的範囲は係る例に限定されない。
高電圧バッテリ95は、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92のそれぞれと接続される本発明に係るバッテリに相当する。例えば、図2に示したように、高電圧バッテリ95のP側(正極側)に接続される電線は、インバータ装置90側において、分岐して、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92にそれぞれ接続される。また、高電圧バッテリ95のN側(負極側)に接続される電線は、同様に、インバータ装置90側において、分岐して、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92にそれぞれ接続される。なお、図2では、P側の電線が実線によって示されており、N側の電線が一点鎖線によって示されている。高電圧バッテリ95と、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92のそれぞれとを接続する電線には、高電圧バッテリ95と、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92との電気的な断接を切り替え可能なシステムメインリレー93が設けられる。例えば、システムメインリレー93は、P側の電線において、高電圧バッテリ95とインバータ装置90との間に設けられ得る。
また、第1のモータジェネレータ20とモータ軸21を介して連結される連結オイルポンプ25及び駆動輪70,75の回転により駆動される機械式オイルポンプ15は、例えば、図2に示したように、共通する油路に接続されてもよい。具体的には、各オイルポンプの吐出口及び吸入口が、当該油路に接続される。当該油路は、図1に示したバルブユニット80に接続される。
トランスミッションECU300は、ハイブリッドECU100からの制御指令を受けてCVT30の変速比を決定し、運転状態に応じた適切な変速比に制御する。トランスミッションECU300は、例えば、プライマリプーリ31及びセカンダリプーリ35に設けられた図示しない油圧室内の圧力を制御し、可動シーブの位置を調整してシーブ幅を調節することにより、CVT30の変速比を制御する。また、トランスミッションECU300は、ハイブリッドECU100からの制御指令を受けて、エンジンクラッチ61、前後進切替クラッチ40、及び、出力側伝達クラッチ63の断接の制御を行うことで、走行モードの切り替えを行う。トランスミッションECU300は、例えば、各クラッチに供給される油圧を制御することにより、各クラッチの断接を制御する。
ハイブリッド車両システム1において、トランスミッションECU300は、バルブユニット80に備えられた制御弁を制御することによって、CVT30又は各クラッチに供給される油圧を調節する。なお、CVT30及び各クラッチに供給する油圧を調節するための制御弁は、バルブユニット80にまとめて備えられていなくてもよく、例えば、ギャラリ室から各作動部へと分配される作動油の油路の途中にそれぞれ制御弁が設けられていてもよい。
[1−2.走行モード]
続いて、図3〜図6を参照して、本実施形態に係るハイブリッド車両システム1における各種走行モードについて、より詳細に説明する。図3〜図6は、シングルモータEV走行モード、ツインモータEV走行モード、ハイブリッド走行モード、及びエンジン走行モードの実行中におけるハイブリッド車両システム1の状態をそれぞれ示す説明図である。図3〜図6において、破線は電力の流れを示し、一点鎖線は動力の流れを示す。なお、以下の説明中、前後進切替クラッチ40を入力側伝達クラッチ40と呼ぶ。また、以下の説明は、トランスファクラッチ65が締結された4輪駆動モードで車両が制御される場合の例であり、前輪駆動モードの場合には、後輪75への駆動力又は回生ブレーキ力の伝達は行われない。
本実施形態に係るハイブリッド車両システム1では、ハイブリッドECU100によって、走行モードが選択される。そして、各装置を駆動させるための制御指令が、ハイブリッドECU100によって、選択された走行モードに応じて、エンジンECU200、トランスミッションECU300、及びモータECU400へ出力される。それにより、選択された走行モードの実行が実現される。
ハイブリッドECU100は、例えば、車両の走行に必要な馬力(車速×要求駆動力)に応じて、走行モードを選択してもよい。具体的には、必要な馬力が比較的小さい場合には、シングルモータEV走行モードが選択される。また、必要な馬力が大きくなるにしたがって、ツインモータEV走行モード、ハイブリッド走行モードへと順次切り替えられる。なお、ハイブリッドECU100は、アクセル開度、車速、及び高電圧バッテリ95の残存容量SOC等に基づいて、走行モードを選択してもよい。また、ハイブリッドECU100は、燃費を向上させるように、車両の走行モードを選択してもよい。
なお、ハイブリッド車両システム1では、エンジン10の駆動に用いられる燃料の消費量を抑制するために、エンジン走行モードは、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ50を力行制御させることができない場合にのみ選択され得る。
(シングルモータEV走行モード)
シングルモータEV走行モードの実行中において、トランスミッションECU300は、エンジンクラッチ61及び入力側伝達クラッチ40を開放させ、かつ、出力側伝達クラッチ63を締結させる。
モータECU400は、第2のモータジェネレータ50を駆動させ、トルクを出力させる。それにより、図3に示したように、高電圧バッテリ95からインバータ装置90を介して第2のモータジェネレータ50へ電力が供給される。そして、第2のモータジェネレータ50から出力されるトルクが、CVT30を介して前輪側出力軸53に伝達され、駆動輪70,75を駆動するための駆動力として、駆動輪70,75に伝達される。
また、モータECU400は、第1のモータジェネレータ20を駆動させ、トルクを出力させる。それにより、図3に示したように、高電圧バッテリ95からインバータ装置90を介して第1のモータジェネレータ20へ電力が供給される。そして、第1のモータジェネレータ20から出力されるトルクが、モータ軸21を介して、連結オイルポンプ25を駆動するための駆動力として、連結オイルポンプ25に伝達される。ゆえに、連結オイルポンプ25が駆動されて、自動変速装置5内の油圧が確保される。
(ツインモータEV走行モード)
ツインモータEV走行モードの実行中において、トランスミッションECU300は、エンジンクラッチ61を開放させ、かつ、入力側伝達クラッチ40及び出力側伝達クラッチ63を締結させる。
モータECU400は、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ50の出力を調停しつつ、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ50をそれぞれ駆動させ、トルクを出力させる。それにより、図4に示したように、高電圧バッテリ95からインバータ装置90を介して第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ50へ電力が供給される。そして、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ50から出力されるトルクが、CVT30を介して前輪側出力軸53に伝達され、駆動輪70,75を駆動するための駆動力として、駆動輪70,75に伝達される。また、連結オイルポンプ25が第1のモータジェネレータ20の出力によって駆動されて、自動変速装置5内の油圧が確保される。
(ハイブリッド走行モード)
ハイブリッド走行モードの実行中において、トランスミッションECU300は、エンジンクラッチ61、入力側伝達クラッチ40及び出力側伝達クラッチ63をすべて締結させる。
エンジンECU200は、エンジン10を駆動させ、トルクを出力させる。また、モータECU400は、第2のモータジェネレータ50を駆動させ、トルクを出力させる。それにより、図5に示したように、高電圧バッテリ95からインバータ装置90を介して第2のモータジェネレータ50へ電力が供給される。そして、エンジン10及び第2のモータジェネレータ50から出力されるトルクが、CVT30を介して前輪側出力軸53に伝達され、駆動輪70,75を駆動するための駆動力として、駆動輪70,75に伝達される。
ハイブリッド走行モードは、必要な馬力が比較的大きい場合に選択され得る。そのような場合には、車速が比較的高いので、駆動輪の回転により機械式オイルポンプ15が駆動され得る。ゆえに、機械式オイルポンプ15によって自動変速装置5内の油圧が確保さ得る。なお、エンジン10の出力によって連結オイルポンプ25が駆動されるので、連結オイルポンプ25によっても、バルブユニット80へ油圧が供給される。
以下では、ハイブリッド走行モードの実行中において、エンジン10の出力及び駆動モータとしての第2のモータジェネレータ50の出力により駆動輪70,75が駆動される例を主として説明する。なお、ハイブリッド走行モードでは、必要な馬力や第2のモータジェネレータ50における故障の発生の有無に応じて、第1のモータジェネレータ20が駆動されてもよく、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ50の双方が駆動されてもよい。
(エンジン走行モード)
エンジン走行モードの実行中において、トランスミッションECU300は、エンジンクラッチ61、入力側伝達クラッチ40及び出力側伝達クラッチ63をすべて締結させる。
エンジンECU200は、エンジン10を駆動させ、トルクを出力させる。それにより、図6に示したように、エンジン10から出力されるトルクが、CVT30を介して前輪側出力軸53に伝達され、駆動輪70,75を駆動するための駆動力として、駆動輪70,75に伝達される。また、車速が比較的高い場合には、駆動輪の回転により機械式オイルポンプ15が駆動され、車速が比較的低い場合には、エンジン10の出力によって機械式オイルポンプ15が駆動され得る。それにより、自動変速装置5内の油圧が確保される。なお、エンジン10の出力によって連結オイルポンプ25が駆動されるので、連結オイルポンプ25によっても、バルブユニット80へ油圧が供給される。
また、本実施形態に係るハイブリッド車両システム1では、すべての走行モードにおいて、車両の減速時に、第2のモータジェネレータ50に駆動輪70,75の運動エネルギを回生させることによって、発電させることができる。また、ツインモータEV走行モード、ハイブリッド走行モード、及びエンジン走行モードにおいて、車両の減速時に、第1のモータジェネレータ20に駆動輪70,75の運動エネルギを回生させることによって、発電させることができる。また、ハイブリッド走行モードにおいて、エンジン10の動力の一部又は全部により第1のモータジェネレータ20に発電させることができる。さらに、エンジン走行モードにおいて、エンジン10の動力の一部により第1のモータジェネレータ20に発電させることができる。
また、本実施形態に係るハイブリッド車両システム1では、エンジン10を始動させる際に、トランスミッションECU300は、エンジンクラッチ61を締結させる。また、モータECU400は、インバータ装置90を介して第1のモータジェネレータ20を駆動させ、第1のモータジェネレータ20の動力によりエンジン10をクランキングさせる。このとき、エンジン10と第1のモータジェネレータ20との差回転により車両の前後振動が発生しないように、トランスミッションECU300は、エンジンクラッチ61を締結させる前に、入力側伝達クラッチ40を開放させる。
このように、本実施形態に係るハイブリッド車両システム1では、第1のモータジェネレータ20が、エンジン10のスタータモータとしての機能を有する。したがって、エンジン10の始動時又は停止時にしか使用されていなかった従来のスタータモータを省略することができる。また、第1のモータジェネレータ20と、連結オイルポンプ25とを含んで、電動式オイルポンプ28が構成される。従って、エンジン10又は駆動輪70,75が停止し、機械式オイルポンプ15により作動油圧を生成できない場合にしか使用されていなかった従来の電動式オイルポンプを省略することができる。
また、本実施形態に係るハイブリッド車両システム1では、第1のモータジェネレータ20が、入力側伝達クラッチ40を介して、CVT30のプライマリプーリ31に連設されており、走行中において、第1のモータジェネレータ20を駆動モータとして機能させることができる。従って、車両の動力性能を向上させることができる。さらに、エンジン10により車両の駆動力としての動力を発生させている間、エンジン10の出力に余剰分がある場合には、第1のモータジェネレータ20を発電機として機能させることができる。したがって、車両の燃費性能を向上させることができる。
<2.ハイブリッドECUの機能構成>
続いて、図7〜図10を参照して、本実施形態に係るハイブリッドECU100の機能構成について説明する。
図7は、本実施形態に係るハイブリッドECU100の機能構成の一例を示すブロック図である。図7に示したように、ハイブリッドECU100は、駆動制御部102と、キャリア信号制御部104と、を含む。なお、図7に示した機能構成は、ハイブリッドECU100の一部であってもよい。例えば、ハイブリッドECU100は、エンジンECU200、トランスミッションECU300、及びモータECU400に対して、制御指令値に関連する制御指令等の各装置をより詳細に制御するための情報を出力する機能を有し得る。
駆動制御部102は、走行モードが選択する。また、駆動制御部102は、ハイブリッド車両システム1の各装置を駆動させるための制御指令を、選択された走行モードに応じて、エンジンECU200、トランスミッションECU300、及びモータECU400へ出力する。具体的には、駆動制御部102は、エンジンECU200へエンジン10を駆動させ、又は停止させる旨の制御指令を出力する。また、駆動制御部102は、トランスミッションECU300へ自動変速装置5内の各クラッチを締結させ、又は開放させる旨の制御指令を出力する。また、駆動制御部102は、モータECU400へ第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ50の各々を駆動させ、又は発電させる旨の制御指令を出力する。駆動制御部102は、このように制御指令を各ECUへ出力することにより、各種走行モードを実行可能である。走行モードの選択は、上述したように、必要な馬力等に基づいて、適宜行われ得る。また、駆動制御部102は、選択された走行モードを示す情報をキャリア信号制御部104へ出力する。
キャリア信号制御部104は、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92の各々のキャリア信号を制御する。具体的には、本実施形態に係るキャリア信号制御部104は、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92のキャリア信号の位相差を制御する。キャリア信号制御部104は、各インバータ装置のキャリア信号を位相差が生じるように生成し、モータECU400へ出力する。そして、モータECU400によって、当該各キャリア信号に基づいて、PWM制御信号がそれぞれ生成され、各インバータ装置へそれぞれ出力される。第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92は、モータECU400から出力されるPWM制御信号に基づいて、それぞれ駆動される。それにより、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92のキャリア信号の位相差の制御が実現される。
より具体的には、本実施形態に係るキャリア信号制御部104は、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92のキャリア信号の位相差を発生させることにより、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92の駆動に起因して生じるリプル電流の周波数を増大させる位相差制御を実行する。本実施形態に係るハイブリッドECU100によれば、各走行状態において、当該位相差制御が実行されることによって、騒音の低減が実現される。以下、各走行状態における、ハイブリッドECU100によって実行される駆動制御及び位相差制御について、説明する。
[2−1.EV走行モードの実行中]
まず、EV走行モードの実行中における駆動制御及び位相差制御について、説明する。
駆動制御部102は、上述したように、エンジン10の駆動を停止させた状態で駆動モータとしての第2のモータジェネレータ50の出力により駆動輪70,75を駆動させるEV走行モードを実行可能である。また、駆動制御部102は、EV走行モードの実行中において、上述したように、電動式オイルポンプ28及び第2のモータジェネレータ50を駆動させる。EV走行モードの実行中には、エンジン10の駆動は停止しているので、エンジン10の作動音は発生しない。ゆえに、静音性が比較的高い状態が実現される。
ここで、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92のキャリア周波数は、スイッチング損失を抑制する観点から、可聴域の範囲内の周波数に設定され得る。例えば、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92のキャリア周波数は、10[kHz]に設定され得る。電動式オイルポンプ28及び第2のモータジェネレータ50が駆動されている状態で、仮に位相差制御が実行されない場合には、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92のキャリア信号の位相差が一致する場合がある。
図8は、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92のキャリア信号の位相差が一致する場合における、PN間電流の電流値の一例を示す模式図である。当該PN間電流は、図2に示した高電圧バッテリ95のP側からN側へ流れる電流を意味する。第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92のキャリア信号の位相差が一致する場合、図8に示したように、PN間電流の周波数は、キャリア周波数と一致するので、10[kHz]となる。ゆえに、高電圧バッテリ95及びシステムメインリレー93へ10[kHz]の周波数で脈動するリプル電流が流れる。それにより、可聴域の範囲内の周波数を有する比較的高周波の音が発生する。このような比較的高周波の音は、静音性が比較的高いEV走行モードの実行中において、ドライバによって騒音として感じとられやすい。
本実施形態に係るキャリア信号制御部104は、EV走行モードの実行中において、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92のキャリア信号の位相差を発生させることにより、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92の駆動に起因して生じるリプル電流の周波数を増大させる位相差制御を実行する。具体的には、キャリア信号制御部104は、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92のキャリア信号の位相差がキャリア周期の略半分となるように、位相差制御を実行する。
図9は、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92のキャリア信号の位相差がキャリア周期の略半分である場合における、PN間電流の電流値の一例を示す模式図である。ここで、高電圧バッテリ95は、図2に示したように、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92のそれぞれと接続される。ゆえに、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92のキャリア信号の位相差がキャリア周期の略半分となるように、位相差制御が実行されることによって、図9に示したように、PN間電流の周波数は、キャリア周波数の略2倍となるので、20[kHz]となる。ゆえに、高電圧バッテリ95及びシステムメインリレー93へ20[kHz]の周波数で脈動するリプル電流が流れる。よって、リプル電流の周波数を可聴域より高い周波数にすることができる。それにより、インバータ装置90の駆動に起因して生じる比較的高周波の音の周波数を可聴域より高くすることができる。従って、ハイブリッド車両における騒音を低減することができる。
[2−2.停車時]
続いて、停車時における駆動制御及び位相差制御について、説明する。
駆動制御部102は、ハイブリッド車両の停車時において、電動式オイルポンプ28を駆動させてもよい。停車時において、自動変速装置5内のCVT30及び各クラッチの駆動や各装置の潤滑等のために、自動変速装置5内の油圧を確保する必要が生じ得る。例えば、停車時において、発進直後において用いられる油圧を予め確保する必要が生じ得る。また、停車時には、駆動輪70,75の回転を利用可能な機械式オイルポンプ15によっては、自動変速装置5内の油圧を確保することができない。ゆえに、このような停車時において、電動式オイルポンプ28を駆動させることによって、必要な油圧を確保することができる。
駆動制御部102は、ハイブリッド車両の停車時において、出力側伝達クラッチ63を開放させ、第2のモータジェネレータ50を駆動させてもよい。さらに、キャリア信号制御部104は、ハイブリッド車両の停車時において、位相差制御を実行してもよい。ハイブリッド車両の停車時には、EV走行モードの実行中と同様に、エンジン10の駆動は停止しているので、エンジン10の作動音は発生しない。ゆえに、静音性が比較的高い状態が実現される。よって、電動式オイルポンプ28への電力の供給を制御する第1のインバータ装置91の駆動に起因して生じる比較的高周波の音は、ドライバによって騒音として感じとられやすい。
ここで、出力側伝達クラッチ63を開放させ、かつ、第2のモータジェネレータ50を駆動させることによって、第2のモータジェネレータ50の出力が駆動輪70,75へ伝達されることを防止しつつ、第2のインバータ装置92が駆動される状態を実現することができる。このような状態で位相差制御が実行されることによって、インバータ装置90の駆動に起因して生じる比較的高周波の音の周波数を可聴域より高くすることができる。従って、騒音を低減することができる。
このように、駆動制御部102は、ハイブリッド車両の停車時において、出力側伝達クラッチ63を開放させ、電動式オイルポンプ28及び第2のモータジェネレータ50を駆動させてもよい。また、キャリア信号制御部104は、ハイブリッド車両の停車時において、位相差制御を実行してもよい。それにより、上述したように、停車時において必要な油圧を確保しつつ、騒音を低減することができる。
図10は、ハイブリッド車両の停車時におけるハイブリッド車両システム1の状態を示す説明図である。図10において、図3〜図6と同様に、破線は電力の流れを示し、一点鎖線は動力の流れを示す。駆動制御部102は、ハイブリッド車両の停車時において、ハイブリッド車両システム1の各装置を駆動させるための制御指令を、エンジンECU200、トランスミッションECU300、及びモータECU400へ適宜出力する。以下、ハイブリッド車両の停車時における、駆動制御部102から出力される制御指令に基づいて、各ECUによって、実行される制御について説明する。
図10に示したように、ハイブリッド車両の停車時において、トランスミッションECU300は、例えば、エンジンクラッチ61、入力側伝達クラッチ40、及び出力側伝達クラッチ63をすべて開放させる。
モータECU400は、第2のモータジェネレータ50を駆動させ、トルクを出力させる。それにより、図10に示したように、高電圧バッテリ95からインバータ装置90を介して第2のモータジェネレータ50へ電力が供給される。ここで、ハイブリッド車両の停車時において、出力側伝達クラッチ63は開放されているので、第2のモータジェネレータ50から出力されるトルクが前輪側出力軸53へ伝達されることを防止することができる。
また、モータECU400は、第1のモータジェネレータ20を駆動させ、トルクを出力させる。それにより、図10に示したように、高電圧バッテリ95からインバータ装置90を介して第1のモータジェネレータ20へ電力が供給される。そして、第1のモータジェネレータ20から出力されるトルクが、モータ軸21を介して、連結オイルポンプ25を駆動するための駆動力として、連結オイルポンプ25に伝達される。ゆえに、連結オイルポンプ25が駆動されて、自動変速装置5内の油圧が確保される。
また、ハイブリッド車両の停車時には、上述したように、キャリア信号制御部104によって、位相差制御が行われることによって、インバータ装置90の駆動に起因して生じる比較的高周波の音の周波数を可聴域より高くすることができる。従って、騒音を低減することができる。
[2−3.高速走行時]
続いて、車速が比較的高いハイブリッド車両の高速走行時における駆動制御及び位相差制御について、説明する。
駆動制御部102は、電動式オイルポンプ28が駆動されているときに、機械式オイルポンプ15により供給可能な油圧が所定の圧力P_Thを上回った場合であっても、エンジン10の回転数が所定の回転数R_Thを上回るまでの間において、電動式オイルポンプ28の駆動を継続させてもよい。さらに、このように電動式オイルポンプ28の駆動が、駆動制御部102によって、継続している間において、キャリア信号制御部104は、位相差制御を実行してもよい。当該所定の圧力P_Thは、自動変速装置5内のCVT30及び各クラッチの駆動や各装置の潤滑等のために必要な油圧に相当する圧力であり、車両の設計仕様等に応じて適宜設定され得る。また、当該所定の回転数R_Thは、エンジン10の回転数が上昇する過程において、インバータ装置90の駆動に起因して生じ得る比較的高周波の音が、エンジン10の作動音が増大することによって、ドライバに騒音として感じとられにくくなり始める回転数である。当該所定の回転数R_Thは、車両の設計仕様等に応じて適宜設定され得る。
ハイブリッド車両システム1には、上述したように、駆動輪70,75の回転により駆動される機械式オイルポンプ15が設けられ得る。機械式オイルポンプ15によって供給可能な油圧は、車速が高いほど、高い。車速が比較的高い速度まで上昇し、機械式オイルポンプ15によって供給可能な油圧が所定の圧力P_Thを上回った場合、電動式オイルポンプ28が駆動しているか否かによらず、機械式オイルポンプ15によって、自動変速装置5内の必要な油圧を確保することができる。ゆえに、このような場合には、燃費を向上させる観点から、電動式オイルポンプ28の駆動を停止させることが考えられる。
しかしながら、エンジン10の回転数が所定の回転数R_Th以下である場合には、第2のモータジェネレータ50への電力の供給を制御する第2のインバータ装置92の駆動に起因して生じ得る比較的高周波の音が、ドライバに騒音として感じとられやすい。ここで、電動式オイルポンプ28の駆動を継続させることによって、第1のインバータ装置91が駆動される状態を継続させることができる。このような状態で位相差制御が実行されることによって、インバータ装置90の駆動に起因して生じる比較的高周波の音の周波数を可聴域より高くすることができる。従って、機械式オイルポンプ15により供給可能な油圧が所定の圧力P_Thを上回った場合において、騒音を低減することができる。
なお、ハイブリッド車両システム1では、エンジン10が駆動されている場合には、エンジン10の出力が連結オイルポンプ25へ伝達されることによって、連結オイルポンプ25は駆動される。本明細書において、電動式オイルポンプ28の駆動の停止は、第1のモータジェネレータ20の出力によって連結オイルポンプ25が駆動される状態が停止することを意味する。
駆動制御部102は、上述したように、エンジン10の出力及び駆動モータとしての第2のモータジェネレータ50の出力により駆動輪70,75を駆動させるハイブリッド走行モードを実行可能であってもよい。駆動制御部102は、EV走行モードからハイブリッド走行モードへの切り替えにおいて、機械式オイルポンプ15により供給可能な油圧が所定の圧力P_Thを上回り、かつ、エンジン10の回転数が所定の回転数R_Thを上回った場合に、電動式オイルポンプ28を停止させてもよい。
駆動制御部102は、必要な馬力等に基づいて、走行モードを選択し得る。ゆえに、走行モードの切り替えを開始する時期は、各種パラメータに基づいて、適宜決定され得る。例えば、機械式オイルポンプ15により供給可能な油圧が所定の圧力P_Thを上回った後に、EV走行モードからハイブリッド走行モードへの切り替えが開始されることに伴って、エンジン10が始動され得る。エンジン10が始動された直後において、エンジン10の回転数は所定の回転数R_Th以下であるので、駆動制御部102は、電動式オイルポンプ28の駆動を継続する。
ここで、電動式オイルポンプ28の駆動が、駆動制御部102によって、継続している間において、キャリア信号制御部104によって位相差制御が実行される。それにより、機械式オイルポンプ15により供給可能な油圧が所定の圧力P_Thを上回った時点で電動式オイルポンプ28の駆動を停止させた場合に生じ得る騒音の発生を防止することができる。そして、エンジン10の回転数が上昇し、所定の回転数R_Thを上回った場合に、電動式オイルポンプ28を停止させる。それに伴い、第1のモータジェネレータ20への電力の供給が停止する。それにより、ハイブリッド走行モードへの切り替えが完了する。このように、EV走行モードからハイブリッド走行モードへの切り替えにおいて、上記のように電動式オイルポンプ28の駆動を制御することによって、騒音を低減しつつ、適切に走行モードの切り替えを行うことができる。
<3.動作>
続いて、図11〜図13を参照して、本実施形態に係るハイブリッドECU100が行う処理の流れについて説明する。
[3−1.制御フロー]
まず、図11に示すフローチャートを参照して、本実施形態に係るハイブリッドECU100による制御フローについて説明する。図11は、本実施形態に係るハイブリッドECU100が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。図11に示した処理は、車両の制御システムが起動した後において、常時実行され得る。なお、図11では、電動式オイルポンプ28をEOP(Electric Oil Pump)と呼び、機械式オイルポンプ15をMOP(Mechanical Oil Pump)と呼ぶ。
図11に示したように、まず、ハイブリッドECU100は、電動式オイルポンプ28の駆動要求があるか否かを判定する(ステップS503)。ここで、電動式オイルポンプ28の駆動要求の有無は、ハイブリッドECU100自体によって生成されてもよく、他の制御装置によって生成され、ハイブリッドECU100へ送信されてもよい。電動式オイルポンプ28の駆動要求は、例えば、車両の制御システムが起動した場合に生成されてもよく、走行モードとしてEV走行モードが選択された場合に生成されてもよい。電動式オイルポンプ28の駆動要求があると判定されなかった場合(ステップS503/NO)、図11に示した処理は終了する。一方、電動式オイルポンプ28の駆動要求があると判定された場合(ステップS503/YES)、基本的に、車両の停車時又はEV走行モードの実行中であるので、駆動制御部102は、電動式オイルポンプ28を駆動させ、キャリア信号制御部104は、位相差制御を実行する(ステップS505)。
次に、ハイブリッドECU100は、機械式オイルポンプ15により供給可能な油圧が所定の圧力P_Thを上回り、かつ、エンジン10の回転数が所定の回転数R_Thを上回っているか否かを判定する(ステップS507)。機械式オイルポンプ15により供給可能な油圧が所定の圧力P_Thを上回り、かつ、エンジン10の回転数が所定の回転数R_Thを上回っていると判定されなかった場合(ステップS507/NO)、ステップS503の判定処理へ戻る。一方、機械式オイルポンプ15により供給可能な油圧が所定の圧力P_Thを上回り、かつ、エンジン10の回転数が所定の回転数R_Thを上回っていると判定された場合(ステップS507/YES)、駆動制御部102は、電動式オイルポンプ28を停止させ(ステップS509)、図11に示した処理は終了する。
[3−2.各種状態量の推移]
続いて、図12及び図13を参照して、参考例及び本実施形態に係るハイブリッドECU100による制御が行われる場合における、各種状態量の推移について説明する。図12及び図13では、具体的には、車両が停車している状態から発進した後において、車速が上昇することに伴って、走行モードが、EV走行モードからハイブリッド走行モードへ切り替えられる場合の各種状態量の推移が示されている。
まず、図12を参照して、参考例による制御が行われる場合における、各種状態量の推移について説明する。参考例に係るハイブリッド車両は、動力源としてのエンジン及び駆動モータと、電動式オイルポンプと、駆動輪の回転により駆動される機械式オイルポンプと、を備える。また、駆動モータ及び電動式オイルポンプへの電力の供給は、PWM方式により供給される電力を制御可能な第1のインバータ装置及び第2のインバータ装置によってそれぞれ制御される。参考例では、本実施形態に係るハイブリッドECU100が行う制御と異なり、位相差制御は実行されない。
図12に示したように、時刻T91より前の時刻において、車両が停車している場合には、車速が0となるので、機械式オイルポンプによって供給可能な油圧は0となる。ゆえに、自動変速装置内の必要な油圧を確保する目的で、電動式オイルポンプが駆動される。よって、図12に示したように、時刻T91より前の時刻において、電動式オイルポンプへ電力の供給が行われる。ここで、時刻T91より前の時刻において、エンジンの駆動は停止しているので、エンジンの作動音は発生しない。ゆえに、静音性が比較的高い状態が実現される。よって、電動式オイルポンプへの電力の供給を制御する第1のインバータ装置の駆動に起因して生じる比較的高周波の音は、ドライバによって騒音として感じとられやすい。
また、ハイブリッド車両が発進した時刻T91において、走行モードとしてEV走行モードが選択された場合、図12に示したように、時刻T91以後において、駆動モータが駆動されることによって、ハイブリッド車両が走行する。図12に示したように、時刻T91以後におけるEV走行モードの実行中には、エンジン10の駆動は停止しているので、エンジンの作動音は発生しない。ここで、参考例では、位相差制御が実行されないので、第1のインバータ装置及び第2のインバータ装置のキャリア信号の位相差が一致する。それにより、可聴域の範囲内の周波数で脈動するリプル電流が生じ得る。ゆえに、可聴域の範囲内の周波数を有する比較的高周波の音が発生し得る。このような比較的高周波の音は、静音性が比較的高いEV走行モードの実行中において、ドライバによって騒音として感じとられやすい。
機械式オイルポンプによって供給可能な油圧は、時刻T91以後において、車速の上昇に伴って上昇し、時刻T92において、所定の圧力P_Thを上回る。ゆえに、機械式オイルポンプのみによって、自動変速装置内の必要な油圧を確保することができるので、時刻T92において、燃費を向上させる観点から、電動式オイルポンプの駆動を停止させる制御が行われる。
時刻T92より後の時刻T93において、エンジンが始動されることによって、EV走行モードからハイブリッド走行モードへの切り替えが行われる。エンジンの回転数は、時刻T93以後において、上昇し、時刻T94において、所定の回転数R_Thを上回る。ゆえに、時刻T94以後においては、エンジンの作動音が比較的大きいので、第2のインバータ装置の駆動に起因して生じ得る比較的高周波の音はドライバに騒音として感じとられにくくなる。しかしながら、時刻T93から時刻T94の間の時刻では、エンジンは駆動しているものの、エンジンの作動音が比較的小さいので、第2のインバータ装置の駆動に起因して生じる比較的高周波の音がドライバに騒音として感じとられやすい。
続いて、図13を参照して、本実施形態に係るハイブリッドECU100による制御が行われる場合における、各種状態量の推移について説明する。
図13に示したように、時刻T11より前の時刻において、車両が停車している場合には、車速が0となるので、機械式オイルポンプ15によって供給可能な油圧は0となる。ゆえに、自動変速装置5内の必要な油圧を確保する目的で、駆動制御部102によって、電動式オイルポンプ28が駆動される。よって、図13に示したように、時刻T11より前の時刻において、電動式オイルポンプ28へ電力の供給が行われる。
本実施形態では、時刻T11より前の時刻において、図13に示したように、駆動制御部102によって、第2のモータジェネレータ50が駆動される。さらに、キャリア信号制御部104は、位相差制御を実行する。具体的には、キャリア信号制御部104は、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92のキャリア信号の位相差がキャリア周期の略半分となるように、位相差制御を実行する。それにより、インバータ装置90の駆動に起因して生じるリプル電流の周波数を可聴域より高い周波数にすることができる。ゆえに、静音性が比較的高い状態が実現される車両の停車時である時刻T11より前の時刻において、騒音を低減することができる。なお、図13では、時刻T11より前の時刻におけるリプル電流の周波数が、図12における時刻T91より前の時刻と比較して、略2倍となっている様子が示されている。
時刻T11より前の時刻において、駆動制御部102は、出力側伝達クラッチ63を開放させる。それにより、第2のモータジェネレータ50の出力が駆動輪70,75へ伝達されることを防止することができる。また、ハイブリッド車両が発進した時刻T11において、走行モードとしてEV走行モードが選択された場合、駆動制御部102は、出力側伝達クラッチ63を締結させる。それにより、第2のモータジェネレータ50の出力が駆動輪70,75へ伝達されることによって、ハイブリッド車両が走行する。なお、時刻T11以後の時刻において、EV走行モードとして、シングルモータEV走行モード又はツインモータEV走行モードが選択され得る。
本実施形態では、キャリア信号制御部104によって、EV走行モードの実行中である時刻T11以後の時刻において、位相差制御が実行される。それにより、インバータ装置90の駆動に起因して生じるリプル電流の周波数を可聴域より高い周波数にすることができる。ゆえに、静音性が比較的高い状態が実現されるEV走行モードの実行中である時刻T11以後の時刻において、騒音を低減することができる。なお、図13では、時刻T11〜時刻T12の間の時刻におけるリプル電流の周波数が、図12における時刻T91〜時刻T92の間の時刻と比較して、略2倍となっている様子が示されている。
機械式オイルポンプ15によって供給可能な油圧は、時刻T11以後において、車速の上昇に伴って上昇し、時刻T12において、所定の圧力P_Thを上回る。本実施形態では、機械式オイルポンプ15によって供給可能な油圧が所定の圧力P_Thを上回った時刻T12以後において、エンジン10の回転数が所定の回転数R_Thを上回るまでの間、駆動制御部102によって、電動式オイルポンプ28の駆動が継続される。ゆえに、時刻T12において、エンジン10の駆動は停止しているので、電動式オイルポンプ28の駆動は継続される。
時刻T12以後において、駆動制御部102によってEV走行モードからハイブリッド走行モードへの切り替えを開始すると判定された場合、図13に示したように、時刻T12より後の時刻T13において、エンジン10が始動される。エンジン10の回転数は、時刻T13以後において、上昇し、時刻T14において、所定の回転数R_Thを上回る。ゆえに、時刻T14までの間において、エンジン10の回転数は所定の回転数R_Th以下であるので、駆動制御部102によって、電動式オイルポンプ28の駆動が継続される。ここで、このように電動式オイルポンプ28の駆動が、駆動制御部102によって、継続されている間において、キャリア信号制御部104によって位相差制御が実行される。それにより、機械式オイルポンプ15により供給可能な油圧が所定の圧力P_Thを上回った時刻T12において電動式オイルポンプ28の駆動を停止させた場合に生じ得る騒音の発生を防止することができる。なお、図13では、時刻T12〜時刻T14の間の時刻におけるリプル電流の周波数が、図12における時刻T92〜時刻T94の間の時刻と比較して、略2倍となっている様子が示されている。
そして、図13に示したように、時刻T14において、駆動制御部102は、電動式オイルポンプ28を停止させる。それに伴い、時刻T14において、第1のモータジェネレータ20への電力の供給が停止する。それにより、ハイブリッド走行モードへの切り替えが完了する。なお、時刻T14以後においては、エンジンの作動音が比較的大きいので、第2のインバータ装置92の駆動に起因して生じ得る比較的高周波の音はドライバに騒音として感じとられにくくなる。また、ハイブリッド車両システム1では、時刻T14以後においては、エンジン10の出力が連結オイルポンプ25へ伝達されることによって、連結オイルポンプ25は駆動される。
<4.むすび>
以上説明したように、本実施形態によれば、EV走行モードの実行中において、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92のキャリア信号の位相差を発生させることにより、第1のインバータ装置91及び第2のインバータ装置92の駆動に起因して生じるリプル電流の周波数を増大させる位相差制御が実行される。ゆえに、リプル電流の周波数を可聴域より高い周波数にすることができる。それにより、インバータ装置90の駆動に起因して生じる比較的高周波の音の周波数を可聴域より高くすることができる。従って、ハイブリッド車両における騒音を低減することができる。
上記では、電動式オイルポンプ28に含まれるモータとしての第1のモータジェネレータ20が複数の機能を併せ持つ例について説明したが、本発明の技術的範囲は係る例に限定されない。電動式オイルポンプ28に含まれるモータは、車両の駆動力としての動力を生成する駆動モータとしての機能、エンジン10の出力によって駆動されて発電する発電機としての機能、車両の減速時に回生駆動されて駆動輪70,75の運動エネルギを用いて発電する発電機としての機能、及びスタータモータとしての機能の一部又は全部を有さなくともよい。また、電動式オイルポンプ28に含まれるモータは、エンジン10又は第2のモータジェネレータ50の出力が伝達される部材と接続されなくともよい。換言すると、本発明は、動力源として、エンジン10及び第2のモータジェネレータ50のみを有するハイブリッド車両に対しても適用され得る。
また、上記では、CVT30の入力側に、第2のモータジェネレータ50が接続される例について説明したが、本発明の技術的範囲は係る例に限定されない。例えば、本発明は、CVT30の出力側に、第2のモータジェネレータ50が接続されるハイブリッド車両についても適用され得る。
また、上記では、ハイブリッド車両システム1がモータジェネレータを2つ備える例について説明したが、本発明の技術的範囲は係る例に限定されない。例えば、本発明は、モータジェネレータを3つ以上備えるハイブリッド車両についても適用され得る。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は応用例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 ハイブリッド車両システム
5 自動変速装置
11 クランクシャフト
15 機械式オイルポンプ
20 第1のモータジェネレータ
21 モータ軸
25 連結オイルポンプ
28 電動式オイルポンプ
30 無段変速機構(CVT)
31 プライマリプーリ
33 プライマリ軸
35 セカンダリプーリ
36 動力伝達部材
37 セカンダリ軸
40 前後進切替クラッチ(入力側伝達クラッチ)
41 プラネタリギヤ
43 前進クラッチ
45 後退ブレーキ
50 第2のモータジェネレータ
53 前輪側出力軸
61 エンジンクラッチ
63 出力側伝達クラッチ
65 トランスファクラッチ
70 前輪(駆動輪)
73 後輪側出力軸
75 後輪(駆動輪)
80 バルブユニット
90 インバータ装置
91 第1のインバータ装置
92 第2のインバータ装置
93 システムメインリレー
95 高電圧バッテリ
97 回転数センサ
98 油圧センサ
100 ハイブリッド制御装置(ハイブリッドECU)
102 駆動制御部
104 キャリア信号制御部
200 エンジン制御装置(エンジンECU)
300 トランスミッション制御装置(トランスミッションECU)
400 モータ制御装置(モータECU)

Claims (7)

  1. 駆動輪に伝達される動力を出力可能なエンジンと、
    前記駆動輪に伝達される動力を出力可能な駆動モータと、
    電動式オイルポンプと、
    前記電動式オイルポンプへ供給される電力をパルス幅変調方式により制御可能な第1のインバータ装置と、
    前記駆動モータへ供給される電力をパルス幅変調方式により制御可能な第2のインバータ装置と、
    前記第1のインバータ装置及び前記第2のインバータ装置のそれぞれと接続されるバッテリと、
    を備えるハイブリッド車両の制御装置であって、
    前記エンジンの駆動を停止させた状態で前記駆動モータの出力により前記駆動輪を駆動させるEV走行モードを実行可能な駆動制御部と、
    前記EV走行モードの実行中において、前記第1のインバータ装置及び前記第2のインバータ装置のキャリア信号の位相差を発生させることにより、前記第1のインバータ装置及び前記第2のインバータ装置の駆動に起因して生じるリプル電流の周波数を増大させる位相差制御を実行するキャリア信号制御部と、
    を備える、ハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記キャリア信号制御部は、前記第1のインバータ装置及び前記第2のインバータ装置のキャリア信号の位相差がキャリア周期の略半分となるように、前記位相差制御を実行する、請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記ハイブリッド車両は、前記駆動輪と前記駆動モータとの間での動力伝達の可否を切り替え可能な出力側伝達クラッチを備え、
    前記ハイブリッド車両の停車時において、
    前記駆動制御部は、前記出力側伝達クラッチを開放させ、前記電動式オイルポンプ及び前記駆動モータを駆動させ、
    前記キャリア信号制御部は、前記位相差制御を実行する、
    請求項1又は2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  4. 前記ハイブリッド車両は、駆動輪の回転により駆動される機械式オイルポンプを備え、
    前記電動式オイルポンプが駆動されているときに、前記機械式オイルポンプにより供給可能な油圧が所定の圧力を上回った場合であっても、前記エンジンの回転数が所定の回転数を上回るまでの間において、
    前記駆動制御部は、前記電動式オイルポンプの駆動を継続させ、
    前記キャリア信号制御部は、前記位相差制御を実行する、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  5. 前記駆動制御部は、前記エンジンの出力及び前記駆動モータの出力により前記駆動輪を駆動させるハイブリッド走行モードを実行可能であり、前記EV走行モードから前記ハイブリッド走行モードへの切り替えにおいて、前記機械式オイルポンプにより供給可能な油圧が前記所定の圧力を上回り、かつ、前記エンジンの回転数が前記所定の回転数を上回った場合に、前記電動式オイルポンプを停止させる、請求項4に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  6. 前記ハイブリッド車両は、
    前記エンジンに連設され前記駆動輪に伝達される動力を出力可能な第1のモータジェネレータと、
    前記エンジン及び前記第1のモータジェネレータのうち少なくとも一方から出力される動力を所定の変速比で変換する変速機構と、
    前記第1のモータジェネレータと前記変速機構との間での動力伝達の可否を切り替え可能な入力側伝達クラッチと、
    前記入力側伝達クラッチを開放した状態で前記駆動輪に伝達される動力を出力可能な、前記駆動モータとしての、第2のモータジェネレータと、
    前記第1のモータジェネレータのモータ軸に連結されて前記モータ軸の回転により駆動される連結オイルポンプと、
    を備え、
    前記電動式オイルポンプは、前記第1のモータジェネレータ及び前記連結オイルポンプを含み、
    前記第1のインバータ装置は、前記第1のモータジェネレータへ供給される電力をパルス幅変調方式により制御可能である、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  7. 前記ハイブリッド車両は、前記バッテリと、前記第1のインバータ装置及び前記第2のインバータ装置との電気的な断接を切り替え可能なシステムメインリレーを備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
JP2016186781A 2016-09-26 2016-09-26 ハイブリッド車両の制御装置 Pending JP2018052148A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016186781A JP2018052148A (ja) 2016-09-26 2016-09-26 ハイブリッド車両の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016186781A JP2018052148A (ja) 2016-09-26 2016-09-26 ハイブリッド車両の制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018052148A true JP2018052148A (ja) 2018-04-05

Family

ID=61832811

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016186781A Pending JP2018052148A (ja) 2016-09-26 2016-09-26 ハイブリッド車両の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018052148A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021035121A (ja) * 2019-08-21 2021-03-01 株式会社デンソー 電力制御装置

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002206634A (ja) * 2000-12-28 2002-07-26 Aisin Aw Co Ltd オイルポンプの駆動制御装置
JP2003134605A (ja) * 2001-10-16 2003-05-09 Nissan Motor Co Ltd モータ制御装置
JP2004048844A (ja) * 2002-07-09 2004-02-12 Toyota Motor Corp 車両の制御装置、制御方法、その方法を実現するプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
JP2006076566A (ja) * 2004-09-09 2006-03-23 Zahnradfab Friedrichshafen Ag 自動車のハイブリッドパワートレインの構成要素を制御し調節するための装置および方法
JP2007278463A (ja) * 2006-04-11 2007-10-25 Mitsubishi Electric Corp 変速機制御装置
JP2008109727A (ja) * 2006-10-23 2008-05-08 Nippon Soken Inc インバータ装置
JP2009095169A (ja) * 2007-10-10 2009-04-30 Denso Corp 回転電機装置
JP2013068313A (ja) * 2011-09-26 2013-04-18 Aisin Aw Co Ltd 車両用駆動装置
JP2014043164A (ja) * 2012-08-27 2014-03-13 Toyota Motor Corp 車両制御システム
JP2014518056A (ja) * 2011-03-16 2014-07-24 ディーア・アンド・カンパニー 回転電気機械を制御して直流バス上の電流リプルを小さくするためのシステム
WO2014148376A1 (ja) * 2013-03-21 2014-09-25 日産自動車株式会社 ハイブリッド車両

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002206634A (ja) * 2000-12-28 2002-07-26 Aisin Aw Co Ltd オイルポンプの駆動制御装置
JP2003134605A (ja) * 2001-10-16 2003-05-09 Nissan Motor Co Ltd モータ制御装置
JP2004048844A (ja) * 2002-07-09 2004-02-12 Toyota Motor Corp 車両の制御装置、制御方法、その方法を実現するプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
JP2006076566A (ja) * 2004-09-09 2006-03-23 Zahnradfab Friedrichshafen Ag 自動車のハイブリッドパワートレインの構成要素を制御し調節するための装置および方法
JP2007278463A (ja) * 2006-04-11 2007-10-25 Mitsubishi Electric Corp 変速機制御装置
JP2008109727A (ja) * 2006-10-23 2008-05-08 Nippon Soken Inc インバータ装置
JP2009095169A (ja) * 2007-10-10 2009-04-30 Denso Corp 回転電機装置
JP2014518056A (ja) * 2011-03-16 2014-07-24 ディーア・アンド・カンパニー 回転電気機械を制御して直流バス上の電流リプルを小さくするためのシステム
JP2013068313A (ja) * 2011-09-26 2013-04-18 Aisin Aw Co Ltd 車両用駆動装置
JP2014043164A (ja) * 2012-08-27 2014-03-13 Toyota Motor Corp 車両制御システム
WO2014148376A1 (ja) * 2013-03-21 2014-09-25 日産自動車株式会社 ハイブリッド車両

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021035121A (ja) * 2019-08-21 2021-03-01 株式会社デンソー 電力制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6301991B2 (ja) ハイブリッド車両システム
JP4274282B1 (ja) 車両用駆動装置の制御装置およびプラグインハイブリッド車両
JP6374431B2 (ja) 駆動制御機構および駆動制御装置
WO2012059998A1 (ja) 車両用ハイブリッド駆動装置
US20140121867A1 (en) Method of controlling a hybrid powertrain with multiple electric motors to reduce electrical power losses and hybrid powertrain configured for same
JP6817767B2 (ja) ハイブリッド車両システムの制御装置及び制御方法
JP2010195313A (ja) ハイブリッド車両
JP2011195102A (ja) ハイブリッド車における自動変速機のオイルポンプ制御装置
US9216735B2 (en) Hybrid vehicle control device and hybrid vehicle control method
JP5807379B2 (ja) ハイブリッド車両のエンジン停止制御装置
JP2010143308A (ja) 車両の駆動トルク制御装置
JP2008094238A (ja) ハイブリッド車の制御装置
JP6636840B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置及びハイブリッド車両システム
JP2001211506A (ja) パラレル・ハイブリッド車両の駆動制御装置
JP6829770B2 (ja) 車両の制御装置及び制御方法
JP2018052148A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2007168679A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP6606453B2 (ja) ハイブリッド車両の制御システム及びモータ制御ユニット
JP4051827B2 (ja) 車両の駆動制御装置
JP4253937B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
CN111497816B (zh) 混合动力车辆的驱动力控制装置
JP7232092B2 (ja) 車両の制御装置
US11208095B2 (en) Control device and control method for vehicle
JP2004142590A (ja) 動力出力装置及びその制御方法並びにハイブリッド車両
JP5445709B2 (ja) 車両用ハイブリッド駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190208

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20190214

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190222

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190403

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190404

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190610

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200319

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200501

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200602