JP2017536941A - 改善された固定強度を有する骨アンカー - Google Patents

Abstract

改善された固定を有する骨アンカーを説明する。骨アンカーは、アンカー本体と、骨アンカーの長手方向軸にほぼ平行に延びる放射状に突出するリブと、を含む。各リブの先頭の遠位端は、テーパー状の「ナイフエッジ状」構造で構成され得る。このようなリブは、アンカーの長さに沿ってリブと周囲の骨との間の接触を維持しながら、掘り出し影響を緩和し得る。さらに、このようなリブは、表面積を増大させ、固定強度を改善する。

Description

骨アンカーは、しばしば固定のための外科的処置において使用される。例えば、アンカーを縫合糸に取り付け、骨に埋め込むことができる。骨に埋め込まれた後、アンカーは骨に係合し、さらなる動きに抵抗して、取り付けられた縫合糸のアンカーポイントを提供する。

アンカーの骨への固定強度は、骨とアンカーとの間の接触面積およびその間に存在する垂直抗力（すなわち、摩擦摺動抵抗）によって決定される。一定の垂直抗力を仮定すると、接触面積が増加するにつれて、固定強度は通常増加し、逆もまた同様である。

しかしながら、近年、外科医は外科的再建手術においてより小さなアンカーの使用に向かって動いている。例えば、より小さいアンカーの使用は、侵襲性が低く、より迅速な患者の治癒を可能にする。より小さい縫合糸アンカーの使用者により、周囲の骨との摩擦係合のために利用可能な表面積が小さくなり、従って、より低い固定強度が観察される。

従って、縫合糸アンカーのサイズが減少するにつれて、移植された際に骨との固定強度を維持および／または増加させる改良されたアンカーデザインが必要とされている。

一実施形態では、縫合糸アンカーが提供される。縫合糸アンカーは、アンカー本体の遠位部分がテーパー状になっている、長手方向軸に沿って近位端から遠位端に延在する概して細長いアンカー本体を含む。縫合糸アンカーは、アンカー本体を貫通して形成され、長手方向軸に対して直角に延在し、縫合糸を受容するように寸法決めされたアイレットと、アンカー本体の外面内に形成され、アンカー本体の少なくとも一部分に沿って長手方向に延在する、複数の第１のチャネルと、第１のチャネルの間に画定され、アンカー本体の全長の少なくとも一部分に沿って長手方向に延在する、円周方向に離間した複数のリブであって、各リブの遠位端は、アンカー本体のテーパー状の遠位部分内で終端する、円周方向に離間した複数のリブと、をさらに含む。

さらなる実施形態では、縫合糸アンカーは、以下の１つ、または、複数の任意の組合せを含む。

縫合糸アンカーの一実施形態では、複数のリブの少なくとも２つの高さが異なる。

一実施形態では、縫合糸アンカーは、アンカー本体の表面内に形成され、アイレットから近位に延在する、複数の第２のチャネルをさらに含む。

縫合糸アンカーの一実施形態では、複数のリブそれぞれは、アイレットを過ぎて遠位方向に延在する。

縫合糸アンカーの一実施形態では、複数のリブの中心線は、約７°〜約６０°の間で選択された角度だけ離間する。

縫合糸アンカーの一実施形態では、複数のリブそれぞれの高さ対幅の比は、約１：４〜約２０：１の範囲内で選択される

縫合糸アンカーの一実施形態では、複数のリブそれぞれの高さに対するアンカー本体の直径の比は、約１：２〜約１：１０の範囲内で選択される。

縫合糸アンカーの一実施形態では、アンカー本体のテーパー状の遠位部分は、アンカー本体の全長の約１０％〜約３０％の範囲内で選択される。

縫合糸アンカーの一実施形態では、アンカー本体の遠位末端は鈍い。

縫合糸アンカーの一実施形態では、アンカー本体の遠位末端は鋭利である。

縫合糸アンカーの一実施形態では、複数のリブのそれぞれが半径方向に向かってテーパー状になる。

縫合糸アンカーの一実施形態では、複数のリブそれぞれは、頂点に向かって半径方向にテーパー状になる。

縫合糸アンカーの一実施形態では、アンカー本体は、２マイクロインチ以上の二乗平均平方根（ＲＭＳ）表面粗さを有する。

一実施形態では、キットが提供される。キットは、上述した縫合糸アンカーの実施形態と、アンカー本体の直径に略等しい直径を有する千枚通し（ａｗｌ）及びドリルの少なくとも１つを含む。

一実施形態では、縫合糸アンカーが提供される。縫合糸アンカーは、通常、長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在する細長いアンカー本体コアを含み、アンカー本体コアの少なくとも遠位端部はテーパー状になっている。縫合糸アンカーは、アンカー本体を貫通して形成され、長手方向軸に対して直角に延在し、縫合糸を受容するように寸法決めされ、アンカー本体コアから半径方向外向きに延在する、円周方向に離間した複数のリブをさらに含み、アンカー本体の全長の少なくとも一部分に沿って長手方向に延在する。各リブの近位部分は、アンカー本体コアのテーパー状の遠位端に近位して延在しており、複数のリブそれぞれの遠位部分はテーパー状であり、アンカー本体コアのテーパー状の遠位端内で終端し、複数のリブそれぞれの遠位端テーパー角度は、アンカー本体コアの遠位端のテーパー角度よりも大きい。

縫合糸アンカーの実施形態は、以下の１つ、または、任意の組み合わせで複数を含むことができる。

縫合糸アンカーの一実施形態では、複数のリブそれぞれの遠位の前縁がナイフエッジ状構造で形成される。

一実施形態では、縫合糸アンカーは、アンカー本体コアの表面上に形成され、アイレットから近位方向に延在する複数のチャネルをさらに含み、各チャネルの幅は、縫合糸を受容するように寸法決めされる。

縫合糸アンカーの一実施形態では、複数のリブそれぞれの間の円周方向の間隔は、約７°〜約６０°の範囲内で選択される。

縫合糸アンカーの一実施形態では、複数のリブそれぞれの高さ対幅の比は、約１：４〜約２０：１の範囲内で選択される。

縫合糸アンカーの一実施形態では、複数のリブそれぞれの高さに対するアンカー本体の直径の比は、約１：２〜約２０：１の範囲内で選択される。

縫合糸アンカーの一実施形態では、アンカー本体のテーパー状の遠位部分は、アンカー本体の全長の約１０％〜約３０％の範囲内で選択される。

縫合糸アンカーの一実施形態では、複数のリブそれぞれの遠位部分のテーパー角度は、約２５°〜約４５°の範囲内で選択される。

縫合糸アンカーの一実施形態では、アンカー本体コアの遠位端のテーパー角度は、長手方向軸に対して約５°〜約２５°の範囲内で選択される。

一実施形態では、キットが提供される。このキットは、上述した縫合糸アンカーの実施形態と、アンカー本体コアの直径に略等しい直径を有する千枚通し（ａｗｌ）及びドリルの少なくとも１つを含む。

前述の目的および他の目的、特徴および利点は、同様の符号が異なる図面に亘って同一の部品を意味する、添付の図面に示されている実施形態の以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。図面は必ずしも縮尺通りではなく、実施形態の原理を例示することに重点を置いている。

骨に挿入された周辺リブを含む従来の骨アンカーの概略図であり、周囲の骨材料の掘り出しを示す図である。 骨に挿入された周辺リブを含む従来の骨アンカーの概略図であり、周囲の骨材料の掘り出しを示す図である。 長手方向のリブを含む本願が開示する改良された骨アンカーの実施形態の概略図である。 長手方向のリブを含む本願が開示する改良された骨アンカーの実施形態の概略図である。 長手方向のリブを含む本願が開示する改良された骨アンカーの実施形態の概略図である。 改善された接触面積を示す、骨への挿入時の図２Ａ〜２Ｃの骨アンカーの概略図である。 改善された接触面積を示す、骨への挿入時の図２Ａ〜２Ｃの骨アンカーの概略図である。 改善された接触面積を示す、骨への挿入時の図２Ａ〜２Ｃの骨アンカーの概略図である。 改善された接触面積を示す、骨への挿入時の図２Ａ〜２Ｃの骨アンカーの概略図である。 長手方向のリブを含む本願が開示する改良された骨アンカーの別の実施形態の概略図である。 長手方向のリブを含む本願が開示する改良された骨アンカーの別の実施形態の概略図である。 改善された接触面積を示す、骨への挿入時の図４Ａ〜図４Ｂの骨アンカーの概略図である。 改善された接触面積を示す、骨への挿入時の図４Ａ〜図４Ｂの骨アンカーの概略図である。 改善された接触面積を示す、骨への挿入時の図４Ａ〜図４Ｂの骨アンカーの概略図である。 改善された接触面積を示す、骨への挿入時の図４Ａ〜図４Ｂの骨アンカーの概略図である。 図２Ａ〜図２Ｃおよび図４Ａ〜図４Ｂの骨アンカーの実施形態で使用するための表面テクスチャーの実施形態の概略図である。 図２Ａ〜図２Ｃおよび図４Ａ〜図４Ｂの骨アンカーの実施形態で使用するための表面テクスチャーの実施形態の概略図である。 図２Ａ〜図２Ｃおよび図４Ａ〜図４Ｂの骨アンカーの実施形態で使用するための表面テクスチャーの実施形態の概略図である。 図２Ａ〜図２Ｃおよび図４Ａ〜図４Ｂの骨アンカーの実施形態で使用するための表面テクスチャーの実施形態の概略図である。 本願が開示する実施形態を含む異なる骨アンカーについて測定された固定強度を表示したものである。 本願が開示する対応する骨アンカーの実施形態のためのパイロットホールを調製する際に使用するための千枚通し（ａｗｌｓ）の実施形態の概略図である。 本願が開示する対応する骨アンカーの実施形態のためのパイロットホールを調製する際に使用するための千枚通し（ａｗｌｓ）の実施形態の概略図である。 本願が開示する対応する骨アンカーの実施形態のためのパイロットホールを調製する際に使用するための千枚通し（ａｗｌｓ）の実施形態の概略図である。 本願が開示する対応する骨アンカーの実施形態のためのパイロットホールを調製する際に使用するための千枚通し（ａｗｌｓ）の実施形態の概略図である。

図１Ａ及び図１Ｂを参照すると、従来の骨アンカー１００の骨１０４への挿入が示されている。骨アンカーの固定強度を向上させるために、円周リブ１０２のような突出特徴部がよく骨アンカー１００に加えられて、骨１０４への挿入時の骨アンカー１００の間の摩擦係合を向上させる。しかしながら、多孔質アンカー１００を挿入すると、骨１０４、特に外側皮質骨層１０４Ａの下に位置する軟らかい海綿質１０４Ｂの構造に起因して、海綿質１０４Ｂはアンカーを収容するために弾性的に（すなわち可逆的に）変形しない。代わりに、これらの突出特徴部１０２は、それらの後退内で骨材料を圧縮し、アンカー本体と周囲の骨との間に空隙１０６を形成する、「掘り出し」影響(plow-out effect)と呼ばれる。結果として、アンカーと骨１０４との間の接触の程度は、骨アンカー１００の表面全体ではなく、骨アンカー１００の外周における特定の接触点１１０に限定される。従って、アンカー１００のような既存の骨アンカー設計によって達成される固定強度は、所与のアンカーサイズに対して所望のレベルの固定を達成できないことがある。

本開示の実施形態は、従来の骨アンカーと比較して改善された固定を有する骨アンカーに関する。例えば、以下に詳細に説明するように、開示される骨アンカーの実施形態は、テーパー状の遠位端を有するアンカー本体と、アンカーの長さの少なくとも一部に沿って長手方向に延在するリブとを含む。複数のリブは、アンカー本体とテーパー付き遠位先端との間にさらに延在し、リブの遠位部分はテーパー付き遠位先端内で終端する。このようなリブは、アンカーの長さに沿ってリブと周囲の骨との間の接触を維持し、骨との表面積の増加した接触を提供し、固定強度を改善する、掘り出し影響を緩和する。

ある実施形態では、リブは、アンカー本体表面に形成された長手方向のチャネルによって画定される。他の実施形態では、リブは、アンカー本体表面から半径方向外側に延在する。さらなる実施形態では、リブの先頭の遠位縁部は、アンカーの遠位端が骨をより効率的に切断することを可能にするテーパー状の「ナイフエッジ状」構造で構成される。

ここで、本開示の骨アンカーの実施形態を示す図２Ａ〜図２Ｃの実施形態を説明する。第１の骨アンカーの実施形態２００の側面図および端面図がそれぞれ図２Ａ〜図２Ｂに示されている。第２の骨アンカーの実施形態２５０が、図２Ｃに、遠近法の端面図で示されている。

図２Ａ〜２Ｂを参照すると、骨アンカー２００は、長手方向軸２０４に沿って遠位端２０２Ａから近位端２０２Ｂに延在する概して細長いアンカー本体２０２を含む。アンカー２００の近位端２０２Ｂは、骨にアンカー２００を位置決めして挿入するためのものである。例えば、ある実施形態（図示せず）において、近位端は、挿入器具を受け取るための開口を含むことができる。他の実施形態では、近位端は、挿入器具内に挿入するように適合されてもよい。

アンカー本体２０２の遠位端２０２Ａは、骨に挿入するようにさらに適合されている。例えば、図２Ａに示すように、アンカー本体２０２の遠位端２０２Ａは、テーパー状の部分２０６を含む。ある実施形態では、テーパー部２０６の長さｌは、全長の約１０％〜約３０％他の実施形態では、テーパー部は、アンカー本体の長さの大部分に沿って、全長を含めて、それを含むことができる。さらなる実施形態では、アンカー本体のテーパー状の遠位部分は、選択された幾何形状で終端することができる。例としては、（例えば、長手方向軸に略垂直に延在する）概して平坦な先端、丸い先端、尖った先端、およびそれらの間の構成が挙げられるが、これらに限定されない。

アンカー本体２０２は、縫合アイレット２１４をさらに含む。アイレット２１４は、アンカー本体２０２を通ってその長手方向軸２０４に対して直角に延在し、縫合糸を受容するように寸法決めされる。例えば、アンカー本体の外面に隣接して延在する自由肢を有する縫合糸（図示せず）をアイレットに通してもよい。別の実施形態では、アイレットは、そこに縫合糸を固定するためのバーまたは他の突起を含むことができる。さらに別の実施形態では、アンカー本体にカニューレを挿入し、カニューレを通って縫合糸を通し、バーまたは突起に固定することができる。

図２Ｂを参照すると、アンカー本体２０２は、アンカー本体２０２の外面２５０に形成された複数の第１のチャネル２１０をさらに含む。チャネル２１０それぞれは、チャネル根元部２５２を含む。ある実施形態では、チャネル２１０は、アンカー本体２０２の外面２５０に向かって移動する概ね湾曲したまたは直線状の側部に移行する湾曲したチャネル根元部２５２（例えば、卵形または円形）を含む

第１の複数のチャネル２１０は、その間にアンカー本体２０２の周りに円周方向に間隔を置かれた複数のリブ２１２を画定する。例えば、図２Ｂに示されるように、このように画定された複数のリブ２１２は、半径方向外方に延在して、外側表面で終端しており、第２の複数のチャネル２１０は、アンカー本体２０２。

図２Ｃに示すアンカー２００’の別の実施形態では、第１の複数のチャネル２１０ ’がアンカー本体２０２の周囲に円周方向に間隔を置いて配置された複数のリブ２１２’を画定する。例えば、複数のリブ２１２頂点は、アンカー本体の外面またはその半径方向内側の位置に配置することができる。

図２Ｃに示すさらなる実施形態では、アンカー２００’は、第２の複数のチャネル２１６’を含む。複数の第２のチャネル２１６’は、アンカー本体２００’の表面に形成され、アイレットから近位方向に延在する。各第２のチャネル２１６’の幅は、その中に縫合糸を受けるような寸法にされている。

複数のリブ２１２、２１２’のそれぞれの断面積は、それぞれチャネル２１０、２１０’によってさらに規定される。例えば、図２Ｂに示すように、複数のチャネル２１０の少なくとも一部は、湾曲した（例えば、半円形の断面を有する）。さらなる実施形態では、複数のチャネル２１０’の少なくとも一部分は、直線状の側面に移行する湾曲した直線状の側面（例えば、湾曲したまたは半円形のルート）の組み合わせを有する。そのように構成された複数のリブ２１２は、概して台形状またはメサ状の形状である。別の実施形態では、図２Ｃに示すように、複数のチャネル２１０’は、頂点２７０で終端するリブ２１２ ’を画定する、鋭利な先端２５２’を有する略直線状である。

一実施形態では、チャネル２１０、２１０’は、アンカー２００の長さの少なくとも一部分に沿って延在し、各リブ２１２、２１２’の遠位端は、テーパー状の遠位部分２０６内で終端する。例えば、図２Ａ、図２Ｃに示すように、リブ２１２、２１２’は、アンカー２０２の近位端からテーパー遠位部分２０６内に延在する。しかしながら、別の実施形態では、リブの近位端は、テーパー付き遠位部分に近接した位置にあり、リブの遠位端は、テーパー付き遠位部分内の任意の位置で終端することができる。さらに、所与の周方向位置にあるリブ２１２、２１２’それぞれは、単一の部材から形成されているように示されているが、別の実施形態では、所与のリブは、複数の個別のセグメントで形成されてもよい。

図２Ａ、２Ｃにさらに示されるように、リブ２１２、２１２’は、長手方向軸２０４に対して略平行に延在する。しかしながら、代替実施形態では、リブの少なくとも一部は、長手方向軸に対して選択された角度で延在してもよい。

ある実施形態では、複数のチャネル２１０、２１０’の少なくとも２つが異なる深さである。例えば、図２Ｂに示すように、チャネル２１０は、アンカー本体２０２の円周の周りに反復パターン（例えば、１つの深いチャネル、２つの浅いチャネル）の２つの異なる深さを採用することができる。他の実施形態では、図２Ｃに示すように、各チャネル２１０’は、略同じ深さを有することができる。さらなる実施形態では、リブを画定する各チャネルの深さは、必要に応じて独立して変化させることができる。

図２Ｂに示すように、端面図で見ると、アンカー本体２０２の幾何形状の追加のパラメータが定義される。このような幾何形状は図２Ｂの文脈で論じることができるが、図２Ｃの実施形態にも適用可能であることが理解されよう。例えば、各リブ２１２の高さ２６０は、リブ２１２を画定するチャネル２１０の深さによって画定される。あるいは、リブが異なる深さを有するチャネルによって画定される状況では、リブの高さは、そのそれぞれの定義するチャネルの深さのうちの１つを含む。それぞれのリブの幅は、リブの各側壁間の平均距離によって与えられる。ある実施形態では、リブの高さ２６０とリブの幅２５８との比は、約１：４〜約２０：１の範囲内で選択される。さらなる実施形態では、アンカー本体直径２６２Ａ対リブ高さ２６０は、約１：２〜約１：１０の範囲内で選択される。

リブ２１２の円周方向の間隔は、必要に応じてチャネルの位置決めによって可変である。例えば、各リブの中心線２５４は、リブ幅２５２に沿った中心点として取られる。リブ間隔は、隣接する中心線２５４の間の角度２５６によって画定される。ある実施形態では、離間角度は、約７°から約６０°の範囲で選択される。

次に、挿入中の骨と接触するアンカーの部分を概略的に示す図３Ａ〜図３Ｄについて説明する。図３Ａは、アンカー２００’の一実施形態を側面図で示している。図３Ｂ〜３Ｄは、近位端２０２Ｂに向かう断面におけるアンカー２００’の対応する部分を示す。図３Ｂ〜３Ｄの外周は、アンカー本体２０２’の外面を表す。アンカー２００が骨に挿入されると、図３Ｂ〜図３Ｄから順に移動して、アンカー２００’の骨と接触する表面積が増加することが観察され得る。しかしながら、チャネル２１０’およびリブ２１２’が、長手方向軸２０４に略平行に配向されると、リブ２１２’は、その長さの全体にわたって周囲の骨と接触したままである（すなわち、アンカー２００’が最小限の掘り出しを示す）。以下にさらに説明するように、このことは、骨におけるアンカーの固定強度を高める。同様の観察が、図２Ａ〜図２Ｂのアンカーの実施形態で成り立つ。

図４Ａ〜図４Ｂをさらに参照すると、第３の骨アンカー実施形態４００の側面図および端面図がそれぞれ示されている。骨アンカー４００は、長手方向軸４０４に沿って遠位端４０２Ａから近位端４０２Ｂに延在するコア４１０を有する概して細長いアンカー本体４０２を含む。アンカー４００の近位端４０２Ｂは、位置決めおよび挿入のためのツールアンカー４００の骨内への挿入を可能にする。例えば、ある実施形態（図示せず）において、近位端は、挿入器具を受け取るための開口を含み得る。他の実施形態では、近位端は、挿入器具内に挿入するように適合され得る。

アンカー４００は、骨に挿入するようにさらに適合されている。例えば、図４Ａに示すように、アンカーコア４１０の遠位端４０２Ａは、テーパー状の先端部分４０６を含む。ある実施形態では、テーパー状の部分４０６の長さは、テーパー状の先端部分４０６の全長の約１０％〜約３０％である。他の実施形態では、テーパーは、アンカー本体の長さの大部分に沿って、全長までまたは全長を含むように延在し得る。さらなる実施形態では、アンカー本体のテーパー状の遠位部分は、選択された幾何形状で終端し得る。例としては、（例えば、長手方向軸に略垂直に延在する）概して平坦な先端、丸い先端、尖った先端、および、これらの間の構成が挙げられるが、これらに限定されない。

アンカー本体４０２は、縫合アイレット４１４をさらに含む。アイレット４１４は、アンカー本体４０２を通って、長手方向軸４０４に対して直角に延在し、縫合糸を受容するように寸法決めされる。例えば、使用時に、アンカー本体の外面に隣接して延在する自由肢を有する縫合糸（図示せず）をアイレットに通すことができる。別の実施形態では、アイレットは、そこに縫合糸を固定するためのバーまたは他の突起を含み得る。さらに別の実施形態では、アンカー本体にカニューレを挿入し、カニューレを通って縫合糸を通し、バーまたは突起に固定し得る。

一実施形態では、また、複数のチャネル４１６（例えば、一対のチャネル）が、アンカーコア４１０の外面に形成され、長手方向軸４１２に略平行な、アイレットの近位端から近位に延在する。チャネル４１６の深さは、その中に縫合糸を受容するような寸法決めされている。別の実施形態では、チャネルを省略し得る。

図４Ｂを参照すると、アンカー本体４０２は、アンカーコア４１０から半径方向外側に延在し、アンカーコア４１０の周りに円周方向に間隔を置いて配置された複数のリブ４１２をさらに含む。複数のリブ４１２それぞれは、リブの遠位部分４１２Ａおよびリブの近位部分４１２Ｂを含む。複数のリブ４１２それぞれの遠位部分４１２Ａは、テーパー状であり、アンカー本体コア４１０のテーパー状の遠位端４０６内で終端する。リブの近位部分４１２Ｂは、テーパー状の遠位端４１２Ｂに近接して延在し、かつ、コア４１０に向かってテーパー状になっていない。しかしながら、別の実施形態では、リブの近位部分は、必要に応じて、選択されたテーパーを有し得る。

図４Ａの実施形態に示されるように、リブ４１２は、アンカー４０２の近位端の周りからテーパー付き遠位部分４０６内に延在する。しかしながら、別の実施形態では、リブの近位端は、テーパー付き遠位部分の近位の任意の位置に配置することができ、リブの遠位端は、テーパー付き遠位部分内の任意の位置で終端することができる。

図４Ａにさらに示されるように、複数のリブ４１２は、長手方向軸４０４と略平行なアンカーコア４１０の長さの少なくとも一部分に沿って延在する。しかしながら、別の実施形態では、リブの少なくとも一部は、長手方向軸線に対して選択された角度で延在し得る。さらに、所与の周方向位置にあるリブ２１２、２１２’それぞれは、単一の部材から形成されているように示されているが、別の実施形態では、所与のリブは、複数の個別のセグメントにおいて形成され得る。

さらなる実施形態では、リブの遠位部分４１２Ａのリブのテーパー角度は、コア４１０のテーパー角度よりも大きい。例えば、リブのテーパー角度は、約２５°〜約４５°の範囲内で選択され、コアテーパー角度は、約５°〜約２５°の範囲内で選択され得る。

さらなる実施形態では、リブ４１２のテーパー状の部分４１２Ａの先導する遠位縁部は、側方へのテーパー面を含むことができる。「ナイフエッジ状」構造とも称されるこの側方テーパーは、骨と接触する各リブの表面積を徐々に増加させることによって、骨へのリブ４１２の挿入を容易にする。その結果、アンカーを取り囲む構造的に無傷の骨は、挿入されたアンカーの表面に対してより大きな反作用を発生させることができる。この大きな反作用力は接触圧力の増加につながり、アンカー固定強度の増大につながる。

図４Ｂに示すように、端面で見ると、アンカー本体２０２の幾何形状の追加のパラメータが定義される。例えば、それぞれのリブの高さ４６０は、リブがアンカーコア４１０を越えて延在する半径方向距離によって画定される。それぞれのリブの幅４６２は、リブのそれぞれの側壁間の平均距離によって得られる。ある実施形態では、リブの高さ４６０とリブの幅４６２との比は、約１：４〜約２０：１の範囲内で選択することができる。さらなる実施形態では、アンカーコア直径４５２対リブ高さ４６０は、約１：２〜約１：１０の範囲内で選択することができる。

リブ４１２の円周方向の間隔も必要に応じて可変である。例えば、各リブの中心線４５４は、リブ幅４６２に沿った中心点として取ることができる。リブ間隔は、隣接する中心線４５４の間の角度４５６によって画定することができる。ある実施形態では、離間角度は、約７°〜約６０°である

ここで、挿入中の骨と接触しているアンカー４００の部分を概略的に示す、図５Ａ〜図５Ｄを参照して説明する。図５Ａは、アンカー４００の実施形態を側面図で示す。図５Ｂ〜図５Ｄは、近位端４０２Ｂに向かう断面におけるアンカー４００の対応する部分を示す。図５Ｂ〜図５Ｄの外周は、アンカー本体２０２の外面を表す。アンカー４００が骨に挿入されると、図５Ｂ〜図５Ｄから順に動くと、アンカー４００の表面積は骨との接触が徐々に増加する。しかしながら、チャネル４１０およびリブ４１２が長手方向軸４０４と略平行に配向されると、リブ４１２は、それらの長さの全体にわたって周囲の骨と接触したままである（すなわち、アンカー４００は最小限の掘り出しを示す）。以下にさらに説明するように、これは骨におけるアンカーの固定強度を高める。

さらなる実施形態では、開示されるアンカー（例えば、２００、２００’、４００）の実施形態の固定強度は、外面をテクスチャー加工することによって高められる。例えば、図６Ａ〜図６Ｄに示すように、表面のテクスチャーは、サンドブラスト（図６Ａ）、ブラッシング（図６Ｂ）、バニシング（図６Ｃ）、およびディンプリング（図６Ｄ）を含むが、これらに限定されない技術によって達成され得る。ある実施形態では、このようなテクスチャー加工は、約２マイクロインチ以上の二乗平均平方根（ＲＭＳ）値を有する表面粗さを有するアンカーの実施形態を提供することができる。

既存の縫合糸アンカーと比較して、本明細書で説明するアンカーの実施形態の固定強度を評価ために、引き抜き試験を行った。各アンカーの直径は５．５ｍｍであった。円周リブを有する第１比較縫合アンカーを５回試験した。横に突出した翼を有する第２の比較縫合アンカーを５回試験した。螺旋糸を有する第３の比較縫合アンカーを２０回試験した。図４Ａ〜４Ｂの縫合糸アンカー４００の実施形態をさらに５回試験した。各アンカーの直径は５．５ｍｍであった。

図７のプロットから、本明細書に開示されたアンカー４００の実施形態は、引き抜き時に測定されるように著しく改善された固定強度を示すことが観察され得る。例えば、開示されたアンカーの実施形態は、０．８の標準偏差を有する２８．８ｌｂｆの引き抜き強度を有するように測定されたが、比較アンカー１〜３について測定された引き抜き強度は、約５．７ｌｂｆ〜約１９．１ｌｂｆの範囲であった。

図８Ａ〜８Ｂは、上述した縫合糸アンカー（例えば、２００、２００’、４００）の実施形態と組み合わせて使用するための穴準備装置８００、８０２の実施形態を示す。穴準備装置８００、８０２（例えば、千枚通しまたはドリル）の外形は、アンカー本体またはアンカーコアの直径（必要に応じて）と適合する。これは、硬骨にアンカーを首尾よく挿入するのに必要な最小サイズの外形を有する穴準備装置を使用する既存のアプローチとは対照的である。対照的に、アンカー直径の大きさに適合した穴準備装置８００、８０２を使用することにより、アンカーを骨に挿入するのに必要な力の量は、準備された骨穴内のコア。

この力の減少は、挿入中、アンカーに隣接する骨の構造的完全性が維持される可能性を改善する。固定されたアンカーに隣接する骨の完全性が維持され、アンカーと骨との間の接触面積の増大と組み合わせて、固定強度がさらに改善される。

当業者であれば、本発明の精神または本質的な特徴から逸脱することなく、本発明を他の特定の形態で具体化できることを理解するであろう。従って、前述の実施形態は、本明細書に記載された本発明を限定するのではなく例示的なものであるとみなされるべきである。従って、本発明の範囲は、上記の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内に入るすべての変更は、その中に包含されることが意図される。

１００ 骨アンカー
１０２ 円周リブ
１０４ 骨
１０６ 空隙
１１０ 接触点
２００ 骨アンカー
２０２Ａ 遠位端
２０２Ｂ 近位端
２０２ アンカー本体
２０４ 長手方向軸
２０６ 遠位部分
２１０ 第１のチャネル
２１２ リブ
２１４ アイレット
２１６’ 第２のチャネル
２５０ 外面
２５２ リブ幅、チャネル根元部
２５４ 中心線
２７０ 頂点
４００ 骨アンカー
４０２Ａ 遠位端
４０２Ｂ 近位端
４０２ アンカー本体
４０４ 長手方向軸
４０６ 遠位部分
４１０ チャネル、コア
４１２ リブ
４１２Ａ 遠位部分
４１２Ｂ 近位部分
４１４ アイレット
４１６ チャネル
８００ 穴準備装置
８０２ 穴準備装置

Claims (24)

1. 縫合糸アンカーであって、
   近位端部から遠位端部まで長手方向軸に沿って延在し、アンカー本体の遠位部分がテーパー状になっている、概して細長いアンカー本体と、
   前記アンカー本体を貫通して形成され、前記長手方向軸に対して直角に延在し、縫合糸を受容するように寸法決めされたアイレットと、
   前記アンカー本体の外面内に形成され、前記アンカー本体の少なくとも一部分に沿って長手方向に延在する複数の第１のチャネルと、
   前記複数の第１のチャネルの間に画定され、前記アンカー本体の長さの少なくとも一部分に沿って長手方向に延在する、円周方向に間隔を置かれた複数のリブであって、各リブの遠位端は、アンカー本体のテーパー状の遠位部分内で終端する、複数のリブと、
   を備えることを特徴とする縫合糸アンカー。
2. 前記複数のリブの少なくとも２つの高さが異なる、請求項１に記載の縫合糸アンカー。
3. 前記アンカー本体の表面内に形成され、前記アイレットから近位方向に延在する複数の第２のチャネルをさらに備える、請求項１に記載の縫合糸アンカー。
4. 前記複数のリブそれぞれが、前記アイレットを過ぎて遠位方向に延在する、請求項１に記載の縫合糸アンカー。
5. 前記複数のリブそれぞれの中心線は、約７°から約６０°までの間で選択された角度だけ離間している、請求項１に記載の縫合糸アンカー。
6. 前記複数のリブそれぞれの高さ対幅の比が、約１：４〜約２０：１の範囲内で選択されている、請求項１に記載の縫合糸アンカー。
7. 前記アンカー本体の直径と前記複数のリブのそれぞれの高さとの比が、約１：２〜約１：１０の範囲内で選択されている、請求項１に記載の縫合糸アンカー。
8. 前記アンカー本体のテーパー状の遠位部分が、前記アンカー本体の全長の約１０％〜約３０％の範囲内で選択されている、請求項１に記載の縫合糸アンカー。
9. 前記アンカー本体の遠位末端が鈍い、請求項１に記載の縫合糸アンカー。
10. 前記アンカー本体の遠位末端が鋭利である、請求項１に記載の縫合糸アンカー。
11. 前記複数のリブそれぞれは、半径方向に向かってテーパー状になっている、請求項１に記載の縫合糸アンカー。
12. 前記複数のリブそれぞれは、頂点に向かって半径方向にテーパー状になっている、請求項１に記載の縫合糸アンカー。
13. 前記アンカー本体が、２マイクロインチ以上の二乗平均平方根（ＲＭＳ）表面粗さを有する、請求項１に記載の縫合糸アンカー。
14. キットであって、
    請求項１に記載の前記縫合糸アンカーと；
    前記アンカー本体の直径に略等しい直径を有する、千枚通しとドリルのうちの少なくとも１つと、を備えることを特徴とするキット。
15. 縫合糸アンカーであって、前記縫合糸アンカーは、
    近位端部から遠位端部まで長手方向軸に沿って延在する概ね細長いアンカー本体コアであって、前記アンカー本体コアの少なくとも遠位端部がテーパー状になっている、アンカー本体コアと；
    前記アンカー本体コアを貫通して形成され、前記長手方向軸に対して直角に延在し、縫合糸を受容するように寸法決めされたアイレットと；
    アンカー本体コアから半径方向外向きに延在する、円周方向に離間した複数のリブであって、前記複数のリブそれぞれは、前記アンカー本体コアの長さの少なくとも一部分に沿って長手方向に延在している、複数のリブと；
    を備え、
    各リブの近位部分は、アンカー本体コアのテーパー状の遠位端に近接して延在しており、
    前記複数のリブそれぞれの遠位部分はテーパー状であり、前記アンカー本体コアのテーパー状の遠位端内で終端しており、
    前記複数のリブそれぞれの前記遠位端のテーパー角は、前記アンカー本体コアの前記遠位端のテーパー角よりも大きい、ことを特徴とする縫合糸アンカー。
16. 前記複数のリブそれぞれの遠位の前縁がナイフエッジ状構造で形成される、請求項１５に記載の縫合糸アンカー。
17. 前記アンカー本体コアの表面に形成され、前記アイレットから近位方向に延在する複数のチャネルをさらに備え、各チャネルの幅は、縫合糸を受容するように寸法決めされる、請求項１５に記載の縫合糸アンカー。
18. 前記複数のリブそれぞれの間の円周方向の間隔は、約７°〜約６０°の範囲内で選択されている、請求項１５に記載の縫合糸アンカー。
19. 前記複数のリブそれぞれの高さ対幅の比が、約１：４〜約２０：１の範囲内で選択されている、請求項１５に記載の縫合糸アンカー。
20. 前記アンカー本体コアの直径と複数のリブそれぞれの高さとの比が、約１：２〜約２０：１の範囲内で選択されている、請求項１５に記載の縫合糸アンカー。
21. 前記アンカー本体コアのテーパー状の遠位部分が、前記アンカー本体コアの全長の約１０％〜約３０％の範囲内で選択されている、請求項１５に記載の縫合糸アンカー。
22. 前記複数のリブそれぞれの遠位部分のテーパー角度は、約２５°〜約４５°の範囲内で選択されている、請求項１５に記載の縫合糸アンカー。
23. 前記アンカー本体コアの遠位端のテーパー角度は、前記長手方向軸に対して約５°から約２５°の範囲内で選択されている、請求項２２に記載の縫合糸アンカー。
24. 請求項１５に記載の前記縫合糸アンカーと；
    前記アンカー本体コアの直径に略等しい直径を有する、千枚通しおよびドリルの少なくとも１つと、
    を備えるキット。