JP2017154167A - はんだ組成物および電子基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】Snウィスカの発生を十分に抑制できるはんだ組成物を提供すること。【解決手段】本発明のはんだ組成物は、(A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、(C)溶剤および(D)ハイドロタルサイト化合物を含有するフラックス組成物と、(E)鉛フリーはんだ粉末とを含有し、前記フラックス組成物中における塩素濃度が900質量ppm以下であり、臭素濃度が900質量ppm以下であり、かつ、ハロゲン濃度が1500質量ppm以下であることを特徴とするものである。【選択図】なし

Description

本発明は、はんだ組成物および電子基板に関する。
近年、環境問題に配慮して、鉛(Pb)を含有しない鉛フリーはんだが広く使用されている。このような鉛フリーはんだでは、スズ(Sn)を主成分とするものが多く使用されるが、はんだ接合部にSnウィスカが発生し、電子部品や電気回路における短絡(ショート)を発生するおそれがあるという問題であった。
このような問題を解決するために、ハロゲン化合物を含有しないフラックス組成物を用いたペースト状はんだが提案されている(特許文献1参照)。
特開2011−143445号公報
前記特許文献1に記載のペースト状はんだを用いてはんだ付けした場合、Snウィスカの原因物質の一つであるハロゲン化合物を含有しないため、Snウィスカをある程度は抑制できる。しかしながら、このような場合でも、Snウィスカは、数十μm程度まで伸びてしまう。そして、電子基板は、より高密度化されていき、電子部品間やパターン間も狭ピッチ化されていく。そのため、数十μm程度のSnウィスカでもショートなどの問題が起こりうる。そこで、Snウィスカについては、更なる抑制や防止が検討されている。
本発明は、Snウィスカの発生を十分に抑制できるはんだ組成物および電子基板を提供することを目的とする。
前記課題を解決すべく、本発明は、以下のようなはんだ組成物および電子基板を提供するものである。
本発明のはんだ組成物は、(A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、(C)溶剤および(D)ハイドロタルサイト化合物を含有するフラックス組成物と、(E)鉛フリーはんだ粉末とを含有し、前記フラックス組成物中における塩素濃度が900質量ppm以下であり、臭素濃度が900質量ppm以下であり、かつ、ハロゲン濃度が1500質量ppm以下であることを特徴とするものである。
本発明のはんだ組成物においては、前記フラックス組成物が、アクリル系樹脂をさらに含有していてもよい。
本発明のはんだ組成物においては、前記(E)鉛フリーはんだ粉末が、ビスマスおよびインジウムを含有しない鉛フリーはんだ合金からなるものであってもよい。
本発明の電子基板は、前記はんだ組成物を用いて、電子部品が電子基板に実装されたことを特徴とするものである。
本発明によれば、Snウィスカの発生を十分に抑制できるはんだ組成物および電子基板を提供できる。
はんだ組成物の評価試験におけるリフロー時の時間と温度との関係を示すグラフである。 実施例1の試験片における高温高湿試験後のはんだ接合部を示す金属顕微鏡写真である。 比較例1の試験片における高温高湿試験後のはんだ接合部を示す金属顕微鏡写真である。 比較例3の試験片における高温高湿試験後のはんだ接合部を示す金属顕微鏡写真である。
本発明のはんだ組成物は、以下説明するフラックス組成物と、以下説明する(E)鉛フリーはんだ粉末とを含有するものである。
[フラックス組成物]
まず、本発明に用いるフラックス組成物について説明する。本発明に用いるフラックス組成物は、はんだ組成物におけるはんだ粉末以外の成分であり、(A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、(C)溶剤および(D)ハイドロタルサイト化合物を含有するものである。
このフラックス組成物は、塩素濃度が900質量ppm以下であり、臭素濃度が900質量ppm以下であり、かつ、ハロゲン濃度が1500質量ppm以下であるものであることが必要である。なお、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素およびアスタチンなどが挙げられる。前記フラックス組成物中の塩素濃度、臭素濃度およびハロゲン濃度の少なくともいずれかが前記上限値を超える場合には、Snウィスカの発生を抑制できない。
また、Snウィスカの更なる抑制の観点から、塩素濃度および臭素濃度は、それぞれ500質量ppm以下であることが好ましく、300質量ppm以下であることがより好ましく、100質量ppm以下であることが特に好ましい。ハロゲン濃度は、800質量ppm以下であることが好ましく、500質量ppm以下であることがより好ましく、300質量ppm以下であることが更により好ましく、100質量ppm以下であることが特に好ましい。フラックス組成物中には、不可避的不純物を除いて、ハロゲンが存在しないことが好ましい。
なお、フラックス組成物中の塩素濃度、臭素濃度およびハロゲン濃度は、JEITA ET−7304Aに記載の方法に準じて測定できる。また、簡易的には、フラックス組成物の配合成分およびその配合量から算出できる。
[(A)成分]
本発明に用いる(A)ロジン系樹脂としては、ロジン類およびロジン系変性樹脂が挙げられる。ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、水素添加ロジンおよびこれらの誘導体などが挙げられる。ロジン系変性樹脂としては、ディールス・アルダー反応の反応成分となり得る前記ロジン類の不飽和有機酸変性樹脂((メタ)アクリル酸などの脂肪族の不飽和一塩基酸、フマル酸、マレイン酸などのα,β−不飽和カルボン酸などの脂肪族不飽和二塩基酸、桂皮酸などの芳香族環を有する不飽和カルボン酸などの変性樹脂)およびアビエチン酸の変性樹脂、並びに、これらの変性物を主成分とするものなどが挙げられる。これらのロジン系樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(A)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、5質量%以上60質量%以下であることが好ましく、7質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上30質量%以下であることが特に好ましい。(A)成分の配合量が前記下限未満では、はんだ付ランドの銅箔面の酸化を防止してその表面に溶融はんだを濡れやすくする、いわゆるはんだ付性が低下し、はんだボールが生じやすくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、フラックス残さ量が多くなる傾向にある。
[(B)成分]
本発明に用いる(B)活性剤としては、有機酸、アミン系活性剤などが挙げられる。これらの活性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、これらの中でも、フラックス組成物中の塩素濃度、臭素濃度およびハロゲン濃度を少なくするという観点からは、有機酸、アミン系活性剤(ハロゲンを含有しないもの)を用いることが好ましい。
前記有機酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸などの他に、その他の有機酸が挙げられる。
モノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチリック酸、バレリック酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、グリコール酸などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、ジグリコール酸などが挙げられる。
その他の有機酸としては、ダイマー酸、レブリン酸、乳酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、アニス酸、クエン酸、ピコリン酸などが挙げられる。
前記アミン系活性剤としては、アミン類(エチレンジアミンなどのポリアミンなど)、アミン塩類(トリメチロールアミン、シクロヘキシルアミン、ジエチルアミンなどのアミンやアミノアルコールなどの有機酸塩や無機酸塩(塩酸、硫酸、臭化水素酸など))、アミノ酸類(グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、バリンなど)、アミド系化合物などが挙げられる。具体的には、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン塩(塩酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩、セバシン酸塩など)、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、これらのアミンの臭化水素酸塩などが挙げられる。
前記(B)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、0.5質量%以上15質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上7質量%以下であることが特に好ましい。配合量が前記下限未満では、はんだボールが生じやすくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、絶縁性が低下する傾向にある。
[(C)成分]
本発明に用いる(C)溶剤としては、公知の溶剤を適宜用いることができる。
このような溶剤としては、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ヘキシルジグリコール、1,5−ペンタンジオール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、2−エチルヘキシルジグリコール、オクタンジオール、フェニルグリコール、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(C)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、20質量%以上50質量%以下であることが好ましく、25質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。溶剤の配合量が前記範囲内であれば、得られるはんだ組成物の粘度を適正な範囲に適宜調整できる。
[(D)成分]
本発明に用いる(D)ハイドロタルサイト化合物は、公知のものを適宜用いることができる。
このハイドロタルサイト化合物としては、Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO、Zn4.5Al(OH)13CO・3.5HO、Ni4.5Al(OH)13CO・3.5HO、Mg4.5Fe(OH)13CO・3.5HO、および、MgAl1.5(OH)12.5CO・3.5HO、MgAl(OH)16CO・4HO、Mg4.3Al(OH)12.6CO・4HOなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(D)成分は、前記ハイドロタルサイト化合物、前記ハイドロタルサイト化合物の焼成物、或いは、前記ハイドロタルサイト化合物に他の金属酸化物が担持されたものであってもよい。
また、前記(D)成分は、Snウィスカの抑制の観点から、ジルコニウム、マグネシウムおよびアルミニウムを含有することが好ましい。
前記(D)成分の平均一次粒子径は、5μm以下であることが好ましく、100nm以上600nmであることがより好ましい。平均一次粒子径が前記上限を超えると、Snウィスカの抑制効果が不十分となる傾向にある。なお、平均一次粒子径は、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定できる。
前(D)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、0.001質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上3質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上2質量%以下であることが特に好ましい。配合量が前記下限未満では、Snウィスカが発生しやすくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、はんだの溶融性が低下する傾向にある。
[他の成分]
本発明のフラックス組成物においては、さらにアクリル系樹脂を含有していてもよい。ここで用いるアクリル系樹脂は、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを主な原料とする重合体のことをいう。
このアクリル系樹脂により、前記(A)成分のバインダーとしての機能を代用できる。ただし、前記(A)成分の配合量が少なくなると、はんだ付け性の観点から、前記(B)成分の配合量を多くしなければならない。このように、前記(B)成分の配合量が多い場合には、Snウィスカが発生しやすくなる。そこで、このアクリル系樹脂を用いる場合、前記(A)成分に対するアクリル系樹脂の質量比(アクリル系樹脂/(A)成分)は、0.2以上5以下であることが好ましく、1以上4以下であることがより好ましく、2以上3以下であることが特に好ましい。
このアクリル系樹脂の重量平均分子量は、樹脂の流動性の観点から、0.2万以上50万以下であることが好ましく、0.3万以上25万以下であることがより好ましく、0.5万以上5万以下であることが特に好ましい。なお、本明細書において、重量平均分子量とは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値を示す。
前記アクリル系樹脂を用いる場合、その配合量は、フラックス100質量%に対して、5質量%以上60質量%以下であることが好ましく、10質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上40質量%以下であることが特に好ましい。配合量が前記下限未満では、フラックス残さが脆くなり、クラックが入り易くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、印刷性が悪化したり、はんだの溶融性が低下する傾向にある。
本発明のフラックス組成物においては、印刷性などの観点から、さらにチクソ剤を含有していてもよい。ここで用いるチクソ剤としては、硬化ひまし油、アミド類、カオリン、コロイダルシリカ、有機ベントナイト、ガラスフリットなどが挙げられる。これらのチクソ剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記チクソ剤を用いる場合、その配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、2質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。配合量が前記下限未満では、チクソ性が得られず、ダレが生じやすくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、チクソ性が高すぎて、印刷不良となりやすい傾向にある。
本発明に用いるフラックス組成物には、前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分、前記(D)成分、アクリル系樹脂およびチクソ剤の他に、必要に応じて、その他の添加剤を加えることができる。その他の添加剤としては、消泡剤、酸化防止剤、改質剤、つや消し剤、および発泡剤などが挙げられる。
[はんだ組成物]
次に、本発明のはんだ組成物について説明する。本発明のはんだ組成物は、前記本発明のフラックス組成物と、以下説明する(E)鉛フリーはんだ粉末とを含有するものである。
前記フラックス組成物の配合量は、はんだ組成物100質量%に対して、5質量%以上35質量%以下であることが好ましく、7質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、8質量%以上12質量%以下であることが特に好ましい。フラックス組成物の配合量が5質量%未満の場合(はんだ粉末の配合量が95質量%を超える場合)には、バインダーとしてのフラックス組成物が足りないため、フラックス組成物とはんだ粉末とを混合しにくくなる傾向にあり、他方、フラックス組成物の配合量が35質量%を超える場合(はんだ粉末の配合量が65質量%未満の場合)には、得られるはんだ組成物を用いた場合に、十分なはんだ接合を形成できにくくなる傾向にある。
[(E)成分]
本発明に用いる(E)鉛フリーはんだ粉末とは、鉛を添加しないはんだ金属または合金の粉末のことをいう。ただし、鉛フリーはんだ粉末中に、不可避的不純物として鉛が存在することは許容されるが、この場合に、鉛の量は、100質量ppm以下であることが好ましい。
なお、本発明においては、前記(E)成分が、ビスマスおよびインジウムを含有しない鉛フリーはんだ合金からなるものであってもよい。ビスマスやインジウムを含有する鉛フリーはんだ合金を用いる場合、Snウィスカは発生しにくくなるが、ビスマスおよびインジウムを含有しない鉛フリーはんだ合金を用いる場合、Snウィスカは発生しやすくなる。しかし、本発明においては、前述の通り、Snウィスカの発生を十分に抑制できるフラックス組成物を用いているので、前記(E)成分が、ビスマスおよびインジウムを含有しない鉛フリーはんだ合金からなるものであっても、Snウィスカの発生を十分に抑制できる。
前記(E)成分は、スズ(Sn)、銅(Cu)、銀(Ag)、アンチモン(Sb)、亜鉛(Zn)、およびチタン(Ti)からなる群から選択される少なくとも1種の金属からなる金属または合金であることが好ましい。例えば、スズ基のはんだとしては、Sn−0.7Cuなどのスズ−銅系;Sn−3.5Agなどのスズ−銀系;Sn−3.0Ag−0.5Cu、Sn−3.5Ag−0.7Cu、Sn−1.0Ag−0.7Cu、Sn−0.3Ag−0.7Cuなどのスズ−銀−銅系;Sn−5.0Sbなどのスズーアンチモン系;Sn−9Znなどのスズ−亜鉛系;Sn−3.5Ag−4Tiなどのスズ−銀−チタン系などが挙げられる。また、上記金属、合金には更に微量成分として、上記の金属以外にも、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、リン(P)、セリウム(Ce)、ゲルマニウム(Ge)、シリコン(Si)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)、金(Au)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、鉛(Pb)などを含有していてもよい。これらの中でも、はんだ接合の強度の観点からは、スズ−銀−銅系、スズ−銀系などが好ましい。
前記(E)成分の平均粒子径は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上35μm以下であることがより好ましく、15μm以上30μm以下であることが特に好ましい。なお、平均粒子径は、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定できる。
[はんだ組成物の製造方法]
本発明のはんだ組成物は、上記説明したフラックス組成物と上記説明した(E)はんだ粉末とを上記所定の割合で配合し、撹拌混合することで製造できる。
[電子基板]
次に、本発明の電子基板について説明する。本発明の電子基板は、以上説明したはんだ組成物を用いて電子部品を電子基板(プリント配線基板など)に実装したことを特徴とするものである。
ここで用いる塗布装置としては、スクリーン印刷機、メタルマスク印刷機、ディスペンサー、ジェットディスペンサーなどが挙げられる。
また、前記塗布装置にて塗布したはんだ組成物上に電子部品を配置し、リフロー炉により所定条件にて加熱して、前記電子部品をプリント配線基板に実装するリフロー工程により、電子部品を電子基板に実装できる。
リフロー工程においては、前記はんだ組成物上に前記電子部品を配置し、リフロー炉により所定条件にて加熱する。このリフロー工程により、電子部品およびプリント配線基板の間に十分なはんだ接合を行うことができる。その結果、前記電子部品を前記プリント配線基板に実装することができる。
リフロー条件は、はんだの融点に応じて適宜設定すればよい。例えば、Sn−Ag−Cu系のはんだ合金を用いる場合には、プリヒートを温度150〜200℃で60〜120秒行い、ピーク温度を230〜270℃に設定すればよい。
また、本発明のはんだ組成物および電子基板は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
例えば、前記電子基板では、リフロー工程により、プリント配線基板と電子部品とを接着しているが、これに限定されない。例えば、リフロー工程に代えて、レーザー光を用いてはんだ組成物を加熱する工程(レーザー加熱工程)により、プリント配線基板と電子部品とを接着してもよい。この場合、レーザー光源としては、特に限定されず、金属の吸収帯に合わせた波長に応じて適宜採用できる。レーザー光源としては、例えば、固体レーザー(ルビー、ガラス、YAGなど)、半導体レーザー(GaAs、InGaAsPなど)、液体レーザー(色素など)、気体レーザー(He−Ne、Ar、CO、エキシマーなど)が挙げられる。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例および比較例にて用いた材料を以下に示す。
((A)成分)
ロジン系樹脂A:水添酸変性ロジン、商品名「パインクリスタルKE−604」、荒川化学工業社製
ロジン系樹脂B:商品名「中国重合ロジン」、荒川化学工業社製
((B)成分)
活性剤A:スベリン酸
活性剤B:ジブロモブテンジオール
((C)成分)
溶剤:ヘキシルジグリコール
((D)成分)
ハイドロタルサイト化合物:Zr、MgおよびAlを含有するハイドロタルサイト化合物、一次粒子径は500nm、商品名「IXEPLUS A1」、東亞合成社製
((E)成分)
鉛フリーはんだ粉末:合金組成はSn−3.0Ag−0.5Cu、粒子径分布は20〜35μm、はんだ融点は217〜220℃
(他の成分)
アクリル系樹脂:下記調製例1で得られたアクリル系樹脂
チクソ剤:ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アマイド
酸化防止剤:ヒンダーフェノール系酸化防止剤
[調製例1]
メタクリル酸4.6重量%、下記構造式(1)で表される化合物35.4重量%、および下記構造式(2)で表される化合物60重量%を混合した溶液(合計300g)を作製した。
撹拌機、還流管と窒素導入管を備えた500mLの4つ口フラスコにジエチルヘキシルグリコールを200g仕込み、これを110℃に加熱した。その後、上記溶液(合計300g)に、アゾ系ラジカル開始剤(ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、商品名:V−601、和光純薬社製)を0.2重量%〜5重量%の範囲で加えて溶解させた。この溶液を1.5時間かけて滴下し、滴下後110℃で1時間撹拌後、反応を終了してアクリル系樹脂を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は15,000であり、酸価は0mgKOH/gであった。
[実施例1]
ロジン系樹脂A15質量%、アクリル系樹脂37質量、および溶剤32.5質量%を容器に投入し、撹拌しながら160℃まで加熱して、樹脂溶液を作製した。この樹脂溶液の温度を保ちながら、活性剤A5質量%、酸化防止剤2質量%およびチクソ剤8質量%を容器に投入し、密封状態で冷却した後に、ハイドロタルサイト化合物0.5質量%を投入し、回転速度1200rpmにて40秒間撹拌し混合してフラックス組成物を得た。
その後、得られたフラックス組成物11質量%、および鉛フリーはんだ粉末89質量%を容器に投入し、混練機にて、回転速度500rpmで10分間混合することではんだ組成物を得た。
なお、得られたフラックス組成物中の塩素濃度、臭素濃度およびハロゲン濃度を表1に示す。
[実施例2および比較例1〜6]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、フラックス組成物およびはんだ組成物を得た。
なお、得られたフラックス組成物中の塩素濃度、臭素濃度およびハロゲン濃度を表1に示す。
<はんだ組成物の評価>
はんだ組成物の特性(Snウィスカ、はんだ広がり)を以下のような方法で評価した。得られた結果を表1に示す。
(1)Snウィスカ
0.5mmピッチのQFPを実装可能な電極を有する配線基板に、メタルマスク(電極パターンに合わせてスリット状に加工したもの、厚み:150μm)を用いてはんだ組成物を印刷して印刷基板を得た。この印刷基板に、QFP(0.5mmピッチ、電極の材質は母材CuでSnめっき)を搭載し、リフロー炉(商品名「TNP40−577PH」、タムラ製作所社製)に投入し、はんだを溶融させて試験片を得た。なお、このときの炉内の酸素濃度は1000ppmであり、温度条件は図1に示す通りであった。
この試験片を、温度85℃、相対湿度85%に設定した高温高湿試験機に投入し、1000時間の高温高湿試験を施した。そして、高温高湿試験後のはんだ接合部を金属顕微鏡にて観察し、Snウィスカの発生の有無を評価した。なお、Snウィスカの発生があった場合には、最大のSnウィスカの長さ(長軸方向の長さ)を測定した。
また、実施例1、比較例1および比較例3の試験片については、高温高湿試験後のはんだ接合部を示す金属顕微鏡写真を、それぞれ、図2、図3および図4に示す。
(2)はんだ広がり
JIS Z 3284(2014)に記載のはんだ広がり法に準じた方法により、銅板(清浄Cu)上のはんだ広がり(単位:%)を評価した。
表1に示す結果からも明らかなように、本発明のはんだ組成物を用いた場合(実施例1および2)には、Snウィスカの発生を防止でき、かつはんだ広がりも良好であることが確認された。
これに対し、ハイドロタルサイト化合物を含有していないはんだ組成物を用いた場合、或いは、臭素濃度が高すぎるはんだ組成物を用いた場合(比較例1〜6)には、Snウィスカの発生を抑制できないことが分かった。
本発明のはんだ組成物は、電子機器のプリント配線基板などの電子基板に電子部品を実装するための技術として好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. (A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、(C)溶剤および(D)ハイドロタルサイト化合物を含有するフラックス組成物と、(E)鉛フリーはんだ粉末とを含有し、
    前記フラックス組成物中における塩素濃度が900質量ppm以下であり、臭素濃度が900質量ppm以下であり、かつ、ハロゲン濃度が1500質量ppm以下である
    ことを特徴とするはんだ組成物。
  2. 請求項1に記載のはんだ組成物において、
    前記フラックス組成物が、アクリル系樹脂をさらに含有する
    ことを特徴とするはんだ組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載のはんだ組成物において、
    前記(E)鉛フリーはんだ粉末が、ビスマスおよびインジウムを含有しない鉛フリーはんだ合金からなる
    ことを特徴とするはんだ組成物。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のはんだ組成物を用いて、電子部品が電子基板に実装されたことを特徴とする電子基板。
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