JP2017144585A - 複合プリフォームの製造方法および複合容器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
プラスチック材料製のプリフォームを準備する工程と、
チューブ状のプラスチック製部材を準備する工程と、
プリフォームを冷却する工程および/またはプラスチック製部材を加熱する工程と、
プリフォームをプラスチック製部材へ嵌め込む工程と、を含んでなることを特徴とする。
上記の方法により得られた複合プリフォームを加熱するとともにブロー成形金型内に挿入する工程と、
加熱後の複合プリフォームに対してブロー成形を施すことにより、プリフォームおよびプラスチック製部材を一体として膨張させる工程とを含んでなることを特徴とする。
本発明に係る複合プリフォーム70の製造方法は、
プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する工程と、
プラスチック製部材40aを準備する工程と、
プリフォーム10aを冷却する工程および/またはプラスチック製部材40aを加熱する工程と、
プリフォーム10aをプラスチック製部材40aへ嵌め込む工程と、を含んでなる。
図1に示すように、複合プリフォーム70は、プラスチック材料製のプリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に設けられた有底円筒状のプラスチック製部材40aとを備えている。
図2に示すように、複合プリフォーム70をブロー成形することにより得られる複合容器10Aは、内側に位置するプラスチック材料製の容器本体10と、容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40とを備えている。
このうち容器本体10は、口部11と、口部11下方に設けられた首部13と、首部13下方に設けられた肩部12と、肩部12の下方に設けられた胴部20と、胴部20下方に設けられた底部30とを備えている。なお、本明細書中、「上」および「下」とは、それぞれ複合容器10Aを正立させた状態(図2)における上方および下方のことをいう。
プラスチック製部材40は、容器本体10の外面に薄く延ばされた状態で密着されており、容器本体10に対して容易に移動又は回転しない状態で取付けられている。また、図3に示すように、プラスチック製部材40は、容器本体10を取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、略円形状の水平断面を有している。
プラスチック製部材40の容器本体10からの分離(剥離)の方法としては、例えば刃物等を用いてプラスチック製部材40を切除したり、プラスチック製部材40に予め切断線を設け、この切断線に沿ってプラスチック製部材40を剥離したりすることができる。上記のような方法により、プラスチック製部材40を容器本体10から分離除去することができるので、従来と同様に無色透明な容器本体10をリサイクルすることができる。
プリフォーム10aは、図1に示すように、口部11aと、口部11aに連結された胴部20aと、胴部20aに連結された底部30aとを備えている。このうち口部11aは、上述した容器本体10の口部11に対応するものであり、口部11と略同一の形状を有している。また、胴部20aは、上述した容器本体10の首部13、肩部12および胴部20に対応するものであり、略円筒形状を有している。底部30aは、上述した容器本体10の底部30に対応するものであり、略半球形状を有している。
樹脂材料としては熱可塑性樹脂、特にPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)やアイオノマー樹脂を使用することが好ましい。また、上述した各種樹脂をブレンドして用いても良い。
また、プリフォーム10aは、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の着色剤を含んでいても良いが、リサイクルのしやすさを考慮した場合、これら着色剤を含まず、無色透明であることが好ましい。
例えば、中間層をMXD6、MXD6+脂肪酸塩、PGA(ポリグリコール酸)、EVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)又はPEN(ポリエチレンナフタレート)等のガスバリア性及び遮光性を有する樹脂(中間層)を含んでなる層として、3層以上からなるプリフォーム10aを成形後、ブロー成形することによりガスバリア性及び遮光性等を有する多層成形ボトルを得ることができる。なお、中間層としては、上述した各種樹脂をブレンドした樹脂等を用いても良い。
図1に示すように、プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aの外面に接着されることなく取付けられており、プリフォーム10aに対して移動又は回転しないほどに密着されているか、又は自重で落下しない程度に密着されている。プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aを取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、円形状の水平断面を有している。
図4(a)に示すように、プラスチック製部材40aは、チューブ状(有底円筒形状)からなり、円筒状の胴部41と、胴部41に連結された底部42とを有していても良い。この場合、プラスチック製部材40aの底部42がプリフォーム10aの底部30aを覆うので、複合容器10Aの胴部20に加え、底部30に対しても様々な機能や特性を付与することができる。
また、図4(b)に示すように、プラスチック製部材40aは、全体として円管形状(無底円筒形状)からなり、円筒状の胴部41を有していても良い。
また、図4(c)および図4(d)に示すように、プラスチック製部材40aは、フィルムを筒状に形成してその端部を貼り合わせることにより作製されても良い。この場合、図4(c)に示すように、プラスチック製部材40aは、胴部41を有する円管形状(無底円筒形状)に構成されていても良く、図4(d)に示すように、底部42を貼り合わせることにより有底円筒形状に構成されていても良い。
プラスチック製部材40aが多層からなるものである場合、例えば、最内面と最外面との層構成が同じであっても、異なっていてもよい。
具体的な層構成としては、最内面から、低密度PE/接着層/EVOH/接着層/低密度PEのもの、PP/接着層/EVOH/接着層/PPのもの等を挙げることができる。
この場合の接着層を構成する接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、アミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ゴム系接着剤、シリコーン系接着剤等が挙げられる。
このうちPE、PP、PET、PEN等の熱可塑性非弾性樹脂を含ませることが好ましい。
また、樹脂材料は、上記した樹脂を構成する2以上のモノマー単位が重合した共重合体を含んでいても良い。さらに、樹脂材料は上記した樹脂を2種以上を含んでなるものであってよい。
この場合、プリフォーム10aとして多層プリフォームやブレンド材料を含むプリフォーム等を用いることなく、複合容器10Aのガスバリア性を高め、容器内への酸素の侵入を防ぎ、内容液が劣化することを防止し、また、容器内から外部への水蒸気の蒸散を防ぎ、内容量が減少することを防止することができる。
例えば、容器本体10のうち、肩部12、首部13および胴部20の全域および底部30の一部にプラスチック製部材40を設け、この部分のガスバリア性を高めても良い。
このような材料としては、PE、PP、MXD−6、PGA、EVOH、PENまたはこれらの材料に脂肪酸塩等の酸素吸収材を混ぜることも考えられる。
なお、プラスチック製部材40aが多層からなる場合は、ガスバリア性を有する材料からなる層を備えていてもよい。
この場合、プリフォーム10aとして多層プリフォームやブレンド材料を含むプリフォーム等を用いることなく、複合容器10Aの光線バリア性を高め、紫外線等により内容液が劣化することを防止することができる。
例えば、容器本体10のうち、肩部12、首部13、胴部20の全域および底部の一部にプラスチック製部材40aを設け、この部分の紫外線バリア性を高めても良い。
このような材料としては、上記した樹脂を2種類以上含んでなる樹脂材料、またはPETやPE、PPに遮光性樹脂を添加した材料が考えられる。また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることにより作製された、0.5〜100μmの発泡セル径を持つ発泡部材を使用しても良い。
なお、プラスチック製部材40aが多層からなる場合は、光線バリア性を有する材料からなる層を備えていてもよい。
この場合、容器本体10そのものの厚みを厚くすることなく、内容液の温度が複合容器10Aの表面まで伝達しにくくすることが可能となる。これにより、複合容器10Aの保温性又は保冷性が高められる。
例えば、容器本体10のうち胴部20の全部又は一部にプラスチック製部材40を設け、胴部20の保温性又は保冷性を高めても良い。また、使用者が複合容器10Aを把持した際、熱すぎたり冷たすぎたりすることにより複合容器10Aを持ちにくくなることが防止される。このような材料としては、発泡化したポリウレタン、ポリスチレン、PE、PP、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、ユリア樹脂、シリコーン、ポリイミド、メラミン樹脂等が考えられる。
なお、プラスチック製部材40aが多層からなる場合は、保温性又は保冷性の高い材料(熱伝導性の低い材料)からなる層を備えていてもよい。
また、これら樹脂を含んでなる樹脂材料に、中空粒子を混合することが好ましい。中空粒子の平均粒子径は、1〜200μmであることが好ましく、5〜80μmであることがより好ましい。また、中空粒子としては、樹脂等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよいが、分散性が優れるという理由から、有機系中空粒子が好ましい。有機系中空粒子を構成する樹脂としては、例えば、架橋スチレン−アクリル樹脂等のスチレン系樹脂、アクリロニトリル−アクリル樹脂等の(メタ)アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂等を挙げることができる。また、ローペイクHP−1055、ローペイクHP−91、ローペイクOP−84J、ローペイクウルトラ、ローペイクSE、ローペイクST(ロームアンドハース(株)製)、ニポールMH−5055(日本ゼオン(株)製)、SX8782、SX866(JSR(株)製)等の市販される中空粒子を用いることも出来る。
中空粒子の含有量としては、プラスチック製部材40aが単層からなる場合、プラスチック製部材40aに含有される樹脂材料100質量部に対して、0.01〜50質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましい。また、プラスチック製部材40aが多層からなる場合、中空粒子が含まれるプラスチック製部材40aの層に含有される樹脂材料100質量部に対して、0.01〜50質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましい。
この場合、容器本体10の材料を変更することなく、使用者が複合容器10Aを把持しやすくすることができる。例えば、容器本体10のうち胴部20の全部又は一部にプラスチック製部材40を設け、胴部20を持ちやすくしても良い。
なお、プラスチック製部材40aが多層からなる場合は、プリフォーム10aを構成するプラスチック材料よりも滑りにくい材料からなる層を備えていてもよい。この場合、該層は、プラスチック製部材40aの最外の層であることが好ましい。
例えば、容器本体10のうち胴部20の全部又は一部にプラスチック製部材40を設け、胴部20に画像や文字を表示しても良い。
印刷は、例えばインクジェット法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷法により行うことができる。例えば、インクジェット法を用いる場合、プラスチック製部材40a(40)にUV硬化型インクを塗布し、これにUV照射を行い、硬化することにより印刷層を形成させることができる。この印刷は、プリフォーム10aに嵌め込む前のプラスチック製部材40aに対して施されても良く、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けた状態で施されても良い。さらに、ブロー成形後の複合容器10Aのプラスチック製部材40に印刷が施されても良い。
成形方法としては、例えば、深絞り成形、または樹脂シートをチューブ状に成形し、その端部を融着、または接着する方法等が挙げられる。
また、多層からなるプラスチック製部材40aは、2以上の樹脂シートを、上記した接着剤を介して積層させた積層樹脂シートを成形することにより得ることができる。
上記樹脂シートは、市販品を用いてもよいし、従来公知の方法により製造することができる。本発明においては、押出成形により製造することが好ましく、押出成形が、Tダイ法またはインフレーション法により行われることが好ましい。
(1)まず樹脂材料51を加熱溶融し、ダイ52からチューブ状に押し出し、チューブ状パリソン53を形成させ、
(2)次いで、図5(b)に示すように、例えば2分割の金型54によりチューブ状パリソン53を挟み込み、
(3)次いで、図5(c)に示すように、吹き込みノズル55よりチューブ状パリソン53内に空気を吹き込み、チューブ状パリソン53を金型54に合わせて成形し、冷却、型開き、取り出しを順次行うことにより、図5(d)に示すような有底円筒形状のプラスチック製部材40aを得ることができる(ダイレクトブロー成形)。
本方法によれば、金型の設計を変更することにより、得られるプラスチック製部材40aの設計を変更することができ、プリフォーム10aとの密着性の高いプラスチック製部材40aを作製することができる。
プリフォーム10aの外径Aと、プラスチック製部材40aの内径Bは以下の関係式を満たすことが好ましい。
−0.05mm≦A−B≦0.05mm
本発明の方法は、プリフォーム10aを冷却する工程および/またはプラスチック製部材40aを加熱する工程を含んでなり、好ましくは、プリフォーム10aを冷却する工程およびプラスチック製部材40aを加熱する工程を含んでなる。
プリフォーム10aを冷却することにより、プリフォーム10aが収縮することとなるため、プラスチック製部材40aへの嵌め込みが容易となる。また、プラスチック製部材40aを加熱することにより、プラスチック製部材40aが膨張することとなるため、プリフォーム10aを嵌め込むことが容易となる。
冷却および/または加熱は、プリフォーム10aの外側表面とプラスチック製部材40aの温度差が5℃以上となるように行われることが好ましく、10℃以上となるように行われることがより好ましい。
プリフォーム10aの冷却方法としては、特に限定されず、冷風を当てて冷却する方法や冷水に浸けて冷却する方法等が挙げられる。なおプリフォーム10aを冷却することによる結露を防ぐために、乾燥した冷風を当てることが特に望ましい。
プラスチック製部材40aの加熱方法としては、ヒーター等の加熱装置を用いて熱を与える方法や、熱風を当てて加熱する方法等が挙げられる。
本発明の方法は、プリフォーム10aをプラスチック製部材40aへ嵌め込む工程を含んでなる。
本発明に係る複合容器10Aの製造方法は、
上記のようにして製造した複合プリフォーム70を加熱するとともにブロー成形金型内に挿入する工程と、
加熱後の複合プリフォーム70に対してブロー成形を施すことにより、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを一体として膨張させる工程とを含んでなる。
Claims (4)
- プラスチック材料製のプリフォームを準備する工程と、
チューブ状のプラスチック製部材を準備する工程と、
前記プリフォームを冷却する工程および/または前記プラスチック製部材を加熱する工程と、
前記プリフォームを前記プラスチック製部材へ嵌め込む工程と、を含んでなることを特徴とする、複合プリフォームの製造方法。 - 前記プリフォームを冷却する工程および/または前記プラスチック製部材を加熱する工程を含んでなり、
前記プリフォームの外側表面とプラスチック製部材の温度差が、5℃以上である、請求項1に記載の方法。 - 前記プリフォームaの外径Aと、前記プラスチック製部材の内径Bの関係式A−Bの値が、−0.05mm以上、0.05mm以下である、請求項1〜2のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法により得られた複合プリフォームを加熱するとともにブロー成形金型内に挿入する工程と、
加熱後の前記複合プリフォームに対してブロー成形を施すことにより、プリフォームおよびプラスチック製部材を一体として膨張させる工程とを含んでなることを特徴とする、複合容器の製造方法。
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