JP2016220893A - 超音波モジュール及び超音波測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波測定の測定精度を向上させることができる超音波モジュール及び超音波測定装置を提供する。【解決手段】超音波測定装置1は、対象からの超音波を受信し、受信信号を出力する複数の超音波素子21と、各超音波素子21のそれぞれに対応して設けられ、受信信号を処理して処理信号を出力する信号処理部4と、信号処理部4から出力された複数の処理信号のそれぞれについて飽和を検知する飽和検知部5と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、超音波モジュール及び超音波測定装置に関する。
従来、超音波を送受信することにより得られた受信データに基づいて超音波画像を形成する超音波診断装置(超音波測定装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の装置は、超音波を送受信し、受信信号を出力する複数の超音波素子と、受信信号を処理して処理信号を出力する処理回路と、処理信号を整相加算し、ビームデータとして出力する加算器と、ビームデータから超音波画像を形成する画像形成部と、を備える。
これらのうち、処理回路は、可変アンプ、A/D変換器、ハイカットフィルター、及び遅延器等を備え、受信信号を増幅した後、デジタル信号に変換する。
特許文献1に記載の装置は、超音波を送受信し、受信信号を出力する複数の超音波素子と、受信信号を処理して処理信号を出力する処理回路と、処理信号を整相加算し、ビームデータとして出力する加算器と、ビームデータから超音波画像を形成する画像形成部と、を備える。
これらのうち、処理回路は、可変アンプ、A/D変換器、ハイカットフィルター、及び遅延器等を備え、受信信号を増幅した後、デジタル信号に変換する。
さらに、上記装置は、状態信号生成部を備える。この状態信号生成部は、加算器から出力されたビームデータに基づいて、処理回路の処理において信号波形が歪んだ可能性がある状態であることを示す状態信号を出力する。信号波形の歪みは、例えば、処理回路の可変アンプのゲインが大きいことによる出力信号の飽和により生じる。
上述のよう構成された装置では、複数の超音波素子のそれぞれから出力された受信信号が、処理回路によって処理された後、加算器にて整相加算され、ビームデータとされる。このビームデータに基づいて、超音波画像が形成される。また、使用者は、状態信号に基づいて、可変アンプのゲインを減少させることにより、信号の歪みを解消させる。
しかしながら、上記特許文献1に記載の装置では、加算器によって加算された後のビームデータに基づいて、処理回路における信号歪みの程度を評価している。この場合、可変アンプのゲインが調整された後では加算器による加算処理後のビームデータは正常な信号となるものの、各処理回路からの処理信号のそれぞれには依然として歪みが生じている場合がある。そのような場合でも、上記特許文献1では、当該歪みを検出することができないため、超音波画像の画質や、Mモード画像の追従性が低下している可能性がある。このように従来の装置では、測定精度の低下が発生している可能性があっても、これを検知することができず、測定精度の低下を抑制できていなかった。
本発明は、超音波測定の測定精度を向上させることができる超音波モジュール及び超音波測定装置を提供することを目的とする。
本発明の一適用例に係る超音波モジュールは、対象からの超音波を受信し、受信信号を出力する複数の超音波受信部と、各超音波受信部のそれぞれに対応して設けられ、前記受信信号を処理して処理信号を出力する信号処理部と、前記信号処理部から出力された複数の前記処理信号のそれぞれについて異常を検知する異常検知部と、を備えることを特徴とする。
なお、本実施形態における超音波受信部としては、超音波の受信を行う単一の超音波素子により構成されていてもよく、複数の超音波素子を備える超音波素子群により構成されていてもよい。
本適用例では、異常検知部によって、各信号処理部から出力された処理信号のそれぞれについて異常を検知する。
ここで、処理信号に異常が発生することにより、異常が発生した処理信号を整相加算して加算情報を生成すると、加算情報自体に異常がなくても、異常が発生した処理信号の加算によって正確な情報が反映されていないので、超音波測定の測定精度が低下する。なお、処理信号における異常とは、パルス波としての超音波を検出する際に、処理信号におけるSN比が許容値を下回る状態である場合が例示できる。
これに対して、本適用例では、処理信号が整相加算される前の各処理信号について異常が発生している場合、当該異常を検知できる。これにより、上記超音波測定の測定精度の低下の可能性を予め検知することができる。従って、検知結果に基づいて、例えば信号処理部から正常な処理信号が出力されるように信号処理部における処理条件を設定することにより、測定精度を向上させることができる。
本適用例では、異常検知部によって、各信号処理部から出力された処理信号のそれぞれについて異常を検知する。
ここで、処理信号に異常が発生することにより、異常が発生した処理信号を整相加算して加算情報を生成すると、加算情報自体に異常がなくても、異常が発生した処理信号の加算によって正確な情報が反映されていないので、超音波測定の測定精度が低下する。なお、処理信号における異常とは、パルス波としての超音波を検出する際に、処理信号におけるSN比が許容値を下回る状態である場合が例示できる。
これに対して、本適用例では、処理信号が整相加算される前の各処理信号について異常が発生している場合、当該異常を検知できる。これにより、上記超音波測定の測定精度の低下の可能性を予め検知することができる。従って、検知結果に基づいて、例えば信号処理部から正常な処理信号が出力されるように信号処理部における処理条件を設定することにより、測定精度を向上させることができる。
本適用例の超音波モジュールにおいて、前記信号処理部は、前記受信信号の信号振幅を増幅する増幅部を有し、増幅された前記受信信号に基づいて生成された前記処理信号を出力し、前記異常検知部は、前記処理信号の飽和を検知することが好ましい。
ここで、増幅部によるゲインの設定値が大きいと、信号処理部から出力される処理信号の信号レベルが、信号処理部のダイナミックレンジの上限に到達し、処理信号が飽和状態となる場合がある。この場合、処理信号におけるSN比が低下し、測定精度が低下するおそれがある。
これに対して、本適用例では、複数の増幅部のそれぞれに対応する処理信号について飽和状態を検知する。これにより、複数の増幅部のうち、ゲインが大きすぎる増幅部がある場合、これを検知することができる。
これに対して、本適用例では、複数の増幅部のそれぞれに対応する処理信号について飽和状態を検知する。これにより、複数の増幅部のうち、ゲインが大きすぎる増幅部がある場合、これを検知することができる。
本発明の一適用例に係る超音波測定装置は、対象からの超音波を受信し、受信信号を出力する複数の超音波受信部と、各超音波受信部のそれぞれに対応して設けられ、前記受信信号を処理して処理信号を出力する信号処理部と、前記信号処理部から出力された複数の前記処理信号のそれぞれについて異常を検知する異常検知部と、を備えることを特徴とする。
本適用例では、上記適用例の超音波測定装置と同様の効果を得ることができ、異常が発生していない処理信号を整相加算した加算情報に基づき、正確な測定結果を生成することができる。
本適用例の超音波測定装置において、前記信号処理部は、前記受信信号の信号振幅を増幅する増幅部を有し、増幅された前記受信信号に基づいて生成された前記処理信号を出力し、前記増幅部は、ゲインを変更可能であり、前記異常検知部による検知結果に基づいて、異常と検知された前記処理信号に対応する前記増幅部の前記ゲインを設定するゲイン設定部を備えることが好ましい。
本適用例では、ゲイン設定部が、飽和状態の検知結果に基づいて、各増幅部のゲインを設定する。これによれば、検知結果に基づいて、各処理信号の信号レベルが飽和となることがないようにゲインを設定することができる。従って、正確な処理信号を出力でき、処理信号を整相加算して測定結果を求める場合に、測定精度の低下を抑制できる。
本適用例の超音波測定装置において、前記ゲイン設定部は、前記対象の周期動作に同期して前記ゲインを設定することが好ましい。
ここで、対象の周期動作としては、例えば血管を対象とする場合、心臓の拍動に応じて拡大及び収縮を繰り返す血管の収縮周期等が例示でき、この場合では、例えば外径が最大となる血管の拡張期(心臓の収縮期)と同期してゲイン設定を行う。また、血管を測定対象とする場合、超音波受光部から血管までの距離は、拡張期における、血管の前壁にて最も短くなる。このため、通常、拡張期における、前壁からの反射波の強度が最大となるため、反射波の強度を検出することで容易に拡張期を検出できる。
本適用例では、ゲイン設定部は、対象の周期動作に同期してゲインを設定する。これにより、対象と超音波受光部との距離が最も短くなる(処理信号の信号レベルが最大となる)タイミングを同期タイミングとして、ゲインの設定を行うことで、処理信号の飽和をより確実に抑制できる。
本適用例では、ゲイン設定部は、対象の周期動作に同期してゲインを設定する。これにより、対象と超音波受光部との距離が最も短くなる(処理信号の信号レベルが最大となる)タイミングを同期タイミングとして、ゲインの設定を行うことで、処理信号の飽和をより確実に抑制できる。
本適用例の超音波測定装置において、前記異常検知部による前記異常の検知回数に基づいて、前記ゲインの設定エラーを検知するエラー検知部を備えることが好ましい。
本適用例では、エラー検知部は、異常検知部により処理信号における異常の検知回数に基づいてゲインの設定エラーを検知する。例えば、超音波測定時において異常と検知された回数が所定回数以上となったか否かにより設定エラーを検知する。
これにより、例えば、対象に対する本測定に先立って、予備測定を行い各増幅部のゲインを設定し、本測定において設定したゲインに基づいて、超音波測定を行う場合に、予備測定で設定されたゲインが適正であるか否かを判定することができる。
これにより、例えば、対象に対する本測定に先立って、予備測定を行い各増幅部のゲインを設定し、本測定において設定したゲインに基づいて、超音波測定を行う場合に、予備測定で設定されたゲインが適正であるか否かを判定することができる。
本適用例の超音波測定装置において、各超音波受信部からの前記処理信号を整相加算して加算情報を出力する整相加算部と、前記加算情報を用いて、位相差トラッキングにより前記対象の変位を算出するトラッキング部と、を備えることが好ましい。
本適用例では、トラッキング部は、整相加算部によって加算された加算情報を用いて、位相差トラッキングにより対象の変位を算出する。ここで、位相差トラッキングでは、直交検波した際に、前後して取得された加算情報の間の位相差に基づいて、対象の微小変位を算出し、当該微小変位を積算することにより、対象の変位(軌跡)を算出する。このような処理では、処理信号に異常が発生して加算情報に誤差が発生した場合、当該誤差が蓄積されることとなり、変位の算出精度が低下する。
これに対して、本適用例では、上述のように、各処理信号の異常を予め検知することにより、測定精度の低下の抑制を図ることができる。従って、位相差トラッキングにより変位を算出する際の算出精度の向上を図ることができる。
これに対して、本適用例では、上述のように、各処理信号の異常を予め検知することにより、測定精度の低下の抑制を図ることができる。従って、位相差トラッキングにより変位を算出する際の算出精度の向上を図ることができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
[超音波測定装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る超音波測定装置を模式的に示すブロック図である。
超音波測定装置1は、図1に示すように、超音波プローブ2と、装置本体3と、を備える。この超音波測定装置1は、超音波プローブ2を用いて、対象に対して送信した超音波の反射波を受信し、装置本体3を用いて、受信結果に基づく測定結果を生成する。
なお、本実施形態では、超音波測定装置1として、頸動脈を測定対象の一例とし、当該頸動脈のBモード画像及びMモード画像や、位置情報を測定結果として取得する構成を例示する。
[超音波測定装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る超音波測定装置を模式的に示すブロック図である。
超音波測定装置1は、図1に示すように、超音波プローブ2と、装置本体3と、を備える。この超音波測定装置1は、超音波プローブ2を用いて、対象に対して送信した超音波の反射波を受信し、装置本体3を用いて、受信結果に基づく測定結果を生成する。
なお、本実施形態では、超音波測定装置1として、頸動脈を測定対象の一例とし、当該頸動脈のBモード画像及びMモード画像や、位置情報を測定結果として取得する構成を例示する。
[超音波プローブの構成]
超音波プローブ2は、複数の超音波素子21を含む超音波センサー20と、当該超音波センサー20を収納する筐体(図示省略)と、を備え、ケーブルを介して装置本体3と有線接続される。なお、超音波素子21は、本発明の超音波受信部に相当する。
この超音波プローブ2は、測定時に生体に密着され、装置本体3からの制御信号に基づいて、超音波を送受信し、受信信号を装置本体3に出力する。
超音波プローブ2は、複数の超音波素子21を含む超音波センサー20と、当該超音波センサー20を収納する筐体(図示省略)と、を備え、ケーブルを介して装置本体3と有線接続される。なお、超音波素子21は、本発明の超音波受信部に相当する。
この超音波プローブ2は、測定時に生体に密着され、装置本体3からの制御信号に基づいて、超音波を送受信し、受信信号を装置本体3に出力する。
図2は、超音波センサー20を模式的に示す、拡大平面図(図2(A))及び拡大断面図(図2(B))である。
超音波センサー20は、図2に示すように、上述の複数の超音波素子21と、これら複数の超音波素子21が設けられる基板24と、を備える。複数の超音波素子21は、一方向に沿って配置され超音波アレイ(1次元アレイ)20Aを構成する。各超音波素子21が、超音波アレイ20Aの各チャンネルに対応する。この超音波素子21は、後に詳述するが、ダイアフラム22と、圧電素子23とを備える。
超音波センサー20は、図2に示すように、上述の複数の超音波素子21と、これら複数の超音波素子21が設けられる基板24と、を備える。複数の超音波素子21は、一方向に沿って配置され超音波アレイ(1次元アレイ)20Aを構成する。各超音波素子21が、超音波アレイ20Aの各チャンネルに対応する。この超音波素子21は、後に詳述するが、ダイアフラム22と、圧電素子23とを備える。
基板24は、長辺に沿う方向に平面視円形状の複数の開口部241が形成される。また、基板24には、支持膜25が積層されて、開口部241が支持膜25により閉塞されている。
支持膜25は、例えばSiO2層とZrO2層との2層構造により構成される。ここで、SiO2層は、基板24がSi基板である場合、基板表面を熱酸化処理することで成膜することができる。また、ZrO2層は、SiO2層上に例えばスパッタリングなどの手法により成膜される。
超音波素子21は、上述のように、ダイアフラム22と、ダイアフラム22上に形成される圧電素子23とを備える。
ダイアフラム22は、支持膜25のうち、開口部241を閉塞する領域により構成される。そして、ダイアフラム22は、開口部241から、超音波素子21の超音波出力方向(図2(B)中、紙面下方向)の空間に対して露出している。
ダイアフラム22は、支持膜25のうち、開口部241を閉塞する領域により構成される。そして、ダイアフラム22は、開口部241から、超音波素子21の超音波出力方向(図2(B)中、紙面下方向)の空間に対して露出している。
圧電素子23は、支持膜25の上層に積層される下部電極231と、下部電極231上に形成される圧電膜232と、圧電膜232上に形成される上部電極233とを備える。
下部電極231には、図2(A)に示すように、支持膜25上で走査方向Aに対して直交する方向に沿って延出する下部電極線231Aが接続されている。この下部電極線231Aは、各超音波素子21に対して、それぞれ独立して設けられている。
上部電極233には、支持膜25上の走査方向Aに沿って延出する上部電極線233Aが接続されている。この上部電極線233Aは、超音波アレイ20Aにおいて共通電極線となる。すなわち、上部電極線233Aは、図2に示すように、隣り合う超音波素子21の上部電極233に接続されており、端部において、例えばGNDに接続される。
下部電極231には、図2(A)に示すように、支持膜25上で走査方向Aに対して直交する方向に沿って延出する下部電極線231Aが接続されている。この下部電極線231Aは、各超音波素子21に対して、それぞれ独立して設けられている。
上部電極233には、支持膜25上の走査方向Aに沿って延出する上部電極線233Aが接続されている。この上部電極線233Aは、超音波アレイ20Aにおいて共通電極線となる。すなわち、上部電極線233Aは、図2に示すように、隣り合う超音波素子21の上部電極233に接続されており、端部において、例えばGNDに接続される。
圧電膜232は、例えばPZT(ジルコン酸チタン酸鉛:lead zirconate titanate)を膜状に成膜することで形成される。なお、本実施形態では、圧電膜232としてPZTを用いるが、電圧を印加することで、面内方向に収縮することが可能な素材であれば、いかなる素材を用いてもよく、例えばチタン酸鉛(PbTiO3)、ジルコン酸鉛(PbZrO3)、チタン酸鉛ランタン((Pb、La)TiO3)などを用いてもよい。
このような超音波素子21では、下部電極231と、上部電極233とに電圧を印加することで、圧電膜232が面内方向に伸縮する。このとき、圧電膜232の一方の面は、下部電極231を介して支持膜25に接合されるが、他方の面には、上部電極233が形成されるものの、この上部電極233上には他の層が積層形成されないため、圧電膜232の支持膜25側が伸縮しにくく、上部電極233側が伸縮し易くなる。このため、圧電膜232に電圧を印加すると、開口部241側に凸となる撓みが生じ、ダイアフラム22を撓ませる。従って、圧電膜232に交流電圧を印加することで、ダイアフラム22が膜厚方向に対して振動し、このダイアフラム22の振動により超音波が発信される。
また、超音波素子21で超音波を受信する場合、超音波がダイアフラム22に入力されると、ダイアフラム22が膜厚方向に振動する。超音波素子21では、このダイアフラム22の振動により、圧電膜232の下部電極231側の面と上部電極233側の面とで電位差が発生し、上部電極233及び下部電極231から圧電膜232の変位量に応じた受信信号(電流)が出力される。
また、超音波素子21で超音波を受信する場合、超音波がダイアフラム22に入力されると、ダイアフラム22が膜厚方向に振動する。超音波素子21では、このダイアフラム22の振動により、圧電膜232の下部電極231側の面と上部電極233側の面とで電位差が発生し、上部電極233及び下部電極231から圧電膜232の変位量に応じた受信信号(電流)が出力される。
[装置本体の構成]
装置本体3は、超音波プローブ2に超音波を送受信させ、受信された超音波に応じた受信信号を処理して、測定対象の測定結果として、頸動脈の超音波画像を生成する。
この装置本体3は、図1に示すように、信号処理部4と、本発明の異常検知部に相当する飽和検知部5と、制御部6と、操作部7と、表示部8と、記憶部9とを備える。なお、本発明の超音波プローブは、超音波素子21と、信号処理部4と、飽和検知部5とを含み構成される。
装置本体3は、超音波プローブ2に超音波を送受信させ、受信された超音波に応じた受信信号を処理して、測定対象の測定結果として、頸動脈の超音波画像を生成する。
この装置本体3は、図1に示すように、信号処理部4と、本発明の異常検知部に相当する飽和検知部5と、制御部6と、操作部7と、表示部8と、記憶部9とを備える。なお、本発明の超音波プローブは、超音波素子21と、信号処理部4と、飽和検知部5とを含み構成される。
[操作部、表示部、及び記憶部の構成]
操作部7は、例えばボタンスイッチやタッチパネル等の入力装置を有して構成され、使用者の入力操作を受け付ける。
表示部8は、液晶表示装置等の表示装置を有して構成され、超音波画像等の各種画像を表示する。
記憶部9は、ROM(Read Only Memory)、フラッシュROM、及びRAM(Random Access Memory)等の記憶装置を有して構成される。この記憶部9は、超音波測定装置1を制御する各種プログラムや、データを記憶する。
操作部7は、例えばボタンスイッチやタッチパネル等の入力装置を有して構成され、使用者の入力操作を受け付ける。
表示部8は、液晶表示装置等の表示装置を有して構成され、超音波画像等の各種画像を表示する。
記憶部9は、ROM(Read Only Memory)、フラッシュROM、及びRAM(Random Access Memory)等の記憶装置を有して構成される。この記憶部9は、超音波測定装置1を制御する各種プログラムや、データを記憶する。
[信号処理部の構成]
信号処理部4は、超音波素子21からの受信信号を、設定された処理条件に応じて処理し、処理信号を出力する。
この信号処理部4は、図1に示すように、受信信号を増幅する増幅器41と、増幅された受信信号をデジタル信号に変換するADC(Analog to Digital Converter)42と、を備える。これら増幅器41及びADC42は、超音波素子21(超音波アレイ20Aの各チャンネル)のそれぞれに設けられる。
なお、信号処理部4は、図示を省略するが、上記以外にもカットフィルターや検波器等の各種回路を適宜含み構成される。
信号処理部4は、超音波素子21からの受信信号を、設定された処理条件に応じて処理し、処理信号を出力する。
この信号処理部4は、図1に示すように、受信信号を増幅する増幅器41と、増幅された受信信号をデジタル信号に変換するADC(Analog to Digital Converter)42と、を備える。これら増幅器41及びADC42は、超音波素子21(超音波アレイ20Aの各チャンネル)のそれぞれに設けられる。
なお、信号処理部4は、図示を省略するが、上記以外にもカットフィルターや検波器等の各種回路を適宜含み構成される。
増幅器41は、本発明の増幅部に相当し、受信信号(アナログ電気信号)の信号レベルを、設定されたゲイン(利得)に応じて増幅させる。この増幅器41は、ゲインを調整可能に構成され、制御部6の制御に応じてゲインが設定される。このゲインが、信号処理部4における処理条件に相当する。制御部6によるゲイン設定処理については後述する。
ADC42は、増幅器41によって増幅され、入力された受信信号(アナログ電気信号)を、デジタル電気信号に変換し、処理信号を出力する。処理信号は、飽和検知部5と制御部6とのそれぞれに入力される。
なお、ADC42は、許容される信号レベルの範囲(ダイナミックレンジ)を有する。従って、ADC42に、当該ダイナミックレンジを超える信号レベルの受信信号が入力されると、処理信号の信号レベルが、当該処理信号の信号レベルの最大値に達する。以下の説明では、ADC42から出力される処理信号が、最大値に達する状態を、飽和状態とも称する。この飽和状態では、ADC42のダイナミックレンジの上限値を超える信号レベルの受信信号が入力されるため、処理信号のSN比が低下する。
なお、ADC42は、許容される信号レベルの範囲(ダイナミックレンジ)を有する。従って、ADC42に、当該ダイナミックレンジを超える信号レベルの受信信号が入力されると、処理信号の信号レベルが、当該処理信号の信号レベルの最大値に達する。以下の説明では、ADC42から出力される処理信号が、最大値に達する状態を、飽和状態とも称する。この飽和状態では、ADC42のダイナミックレンジの上限値を超える信号レベルの受信信号が入力されるため、処理信号のSN比が低下する。
[飽和検知部の構成]
飽和検知部5は、ADC42から出力された処理信号が飽和状態である場合、これを検知し、検知信号を制御部6に出力する。飽和検知部5は、各超音波素子21(超音波アレイ20Aの各チャンネル)に個別に設けられる。これにより、各超音波素子21に対応する処理信号の飽和状態を、それぞれ個別に検知可能である。
この飽和検知部5は、例えば、入力される処理信号の信号レベルが、ADC42によって処理可能な信号レベルの最大値に達している場合に、飽和状態であることを検知する。
飽和検知部5は、ADC42から出力された処理信号が飽和状態である場合、これを検知し、検知信号を制御部6に出力する。飽和検知部5は、各超音波素子21(超音波アレイ20Aの各チャンネル)に個別に設けられる。これにより、各超音波素子21に対応する処理信号の飽和状態を、それぞれ個別に検知可能である。
この飽和検知部5は、例えば、入力される処理信号の信号レベルが、ADC42によって処理可能な信号レベルの最大値に達している場合に、飽和状態であることを検知する。
[制御部の構成]
制御部6は、送受信制御部61と、整相加算部62、測定結果生成部63と、ゲイン設定部64と、エラー検知部65と、表示制御部66として機能し、超音波測定装置1を制御する。なお、制御部6における各機能は、CPUが、記憶部9に記憶されているプログラムやデータを読み込み、当該プログラムを実行することにより実現される。
制御部6は、送受信制御部61と、整相加算部62、測定結果生成部63と、ゲイン設定部64と、エラー検知部65と、表示制御部66として機能し、超音波測定装置1を制御する。なお、制御部6における各機能は、CPUが、記憶部9に記憶されているプログラムやデータを読み込み、当該プログラムを実行することにより実現される。
送受信制御部61は、超音波の送信及び受信を制御する。送受信制御部61は、例えば、パルスエコー法を用いる場合、所定の周期にて超音波のパルス波を送信させる。そして、送信タイミング間において受信した反射波を、信号処理部4に処理させ、処理信号を出力させる。
整相加算部62は、対称における同一の位置にて発生した反射波を各チャンネルで受信した際の、各チャンネルに対応する処理信号を整相加算する。整相加算部62は、深さ方向における測定位置と各超音波素子21との間の距離や、超音波の送信タイミング等に応じて、処理信号の位相を適宜調整して加算する。これにより、複数の超音波素子21のそれぞれに対応する複数の処理信号を加算して、測定位置における受信データ(加算情報)を生成する。
測定結果生成部63は、各超音波素子21の受信信号に対応する受信データを用いて、超音波測定の測定結果を生成する。この測定結果としては、例えば、超音波画像を表示するための超音波画像データや、位置が変化する血管等の測定対象の位置情報等の各種データである。この測定結果生成部63は、演算部631、及びトラッキング部632を有する。
演算部631は、整相加算部62によって生成された受信データを用いて、測定結果の取得に係る各種演算を実施する。例えば、演算部631は、超音波画像(Bモード画像やMモード画像)を生成する。また、演算部631は、後述するゲイン設定処理において用いる血管の拡張期を算出する。
トラッキング部632は、位相差トラッキング法を利用し、整相加算された受信データを用いて、測定対象(例えば血管壁)の変位を高精度に算出する。位相差トラッキング法を用いた変位の算出方法としては、例えば、測定対象(例えば、血管壁の外面)からの反射波を直交検波した際に、続けて検波された2つのパルス間の伝搬距離の差による位相遅れに基づいて、2つのパルス間での距離変化を算出する。複数のパルス間において距離変化を算出し、算出された距離変化を加算することにより、測定対象の変位(軌跡)を算出することができる。このようにして、対象の変位を高精度に算出することにより、例えば、血管壁の外面と内面との変位の差を用いて、血管壁の厚みを高精度に算出することもできる。
ゲイン設定部64は、飽和検知部5の飽和状態の検知結果に基づいて、増幅器41のゲインを設定する。例えば、ゲイン設定部64は、飽和検知部5が飽和状態を検知した場合には、増幅器41のゲインを減少させる。
なお、ゲイン設定部64は、全ての増幅器41のゲインを共通の値として、全ての飽和検知部5によって検知されないように設定してもよい。
また、ゲイン設定部64は、各増幅器41のゲインを個別に設定してもよい。例えば、ゲイン設定部64は、複数の飽和検知部5のうち、飽和状態が検出された飽和検知部5に対応する増幅器41のゲインを減少させることにより、超音波アレイ20Aのチャンネル毎にゲインを設定してもよい。
なお、ゲイン設定部64は、全ての増幅器41のゲインを共通の値として、全ての飽和検知部5によって検知されないように設定してもよい。
また、ゲイン設定部64は、各増幅器41のゲインを個別に設定してもよい。例えば、ゲイン設定部64は、複数の飽和検知部5のうち、飽和状態が検出された飽和検知部5に対応する増幅器41のゲインを減少させることにより、超音波アレイ20Aのチャンネル毎にゲインを設定してもよい。
なお、深さ方向におけるごく浅い領域(例えば、表皮近傍の領域)からの反射波は、通常、強度が大きく、当該反射波の受信信号は、飽和状態となりやすい。このため、浅い領域に対応する処理信号の飽和状態の検知を示す検知信号が入力された場合でも、ゲイン設定部64は、当該検知信号を用いないように構成される。すなわち、ゲイン設定部64は、超音波(パルス波)の送信タイミングに基づき、浅い領域からの反射波が受信される所定期間(例えば数十から数百μ秒)以外の期間における検知信号を用いる。
ここで、本実施形態のように位相差トラッキング法を用いて、血管の変位を測定する場合、上述の浅い領域は、例えば、超音波プローブ2から血管の前壁までの間の非測定領域である。
ここで、本実施形態のように位相差トラッキング法を用いて、血管の変位を測定する場合、上述の浅い領域は、例えば、超音波プローブ2から血管の前壁までの間の非測定領域である。
エラー検知部65は、測定時において、飽和検知部による飽和状態の検知回数が所定回数を超えた場合に、ゲインが大きすぎる可能性があり、ゲインの設定エラーが発生していることを検知する。なお、エラー検知部65は、エラーを検知したことを示す検知結果を記憶部9に記憶する。なお、エラー検知部65は、ゲイン設定部64と同様に、上記所定期間において、検知信号を無視するように構成される。
表示制御部66は、表示部8に各種画像を表示させる。各種画像としては、例えば、測定結果生成部63によって生成された超音波画像や、対象の変位データや、エラー検知部65によって検知されたエラーの報知情報等である。すなわち、表示制御部66は、エラーが検知された検知結果が記憶部9に記憶されている場合、超音波測定の開始前に、ゲインの再設定を促す報知情報を表示部8に表示させる。
[超音波測定装置における処理]
次に、本実施形態の超音波測定装置1における処理について図面に基づいて説明する。
図3は、超音波測定装置1によって血管Vを測定した際の測定結果であるBモード画像を模式的に示す図である。図3において紙面の上側が、超音波プローブ2が配置される表皮側である。また、矢印Dは、深さ方向を示す。また、以下の説明では、血管Vの血管壁のうち表皮側を前壁W1、深さ方向Dにおいて前壁W1とは反対側の血管壁を後壁W2とする。
次に、本実施形態の超音波測定装置1における処理について図面に基づいて説明する。
図3は、超音波測定装置1によって血管Vを測定した際の測定結果であるBモード画像を模式的に示す図である。図3において紙面の上側が、超音波プローブ2が配置される表皮側である。また、矢印Dは、深さ方向を示す。また、以下の説明では、血管Vの血管壁のうち表皮側を前壁W1、深さ方向Dにおいて前壁W1とは反対側の血管壁を後壁W2とする。
超音波測定装置1は、超音波プローブ2を用いて超音波を送受信し、深さ方向Dにスキャンした際の反射波の受信結果に基づいて、図3に示すような、Bモード画像等の超音波画像を生成して表示部8に表示可能である。すなわち、超音波プローブ2から出力された受信信号が、信号処理部4によって増幅され、デジタル信号(処理信号)に変換される。整相加算部62は、処理信号を適宜遅延させて位相を調整した上で加算し、受信データを生成する。そして、演算部631は、受信データを用いて超音波画像を生成する。
また、超音波測定装置1は、位相差トラッキング法を用いて、測定対象の変位を高精度に算出可能に構成されている。すなわち、トラッキング部632は、直交検波した際に、整相加算部62によって生成された受信データを用いて、測定対象(例えば、血管Vの前壁W1や後壁W2)の変位を算出する。
ここで、位相差トラッキング法を用いる際に、整相加算される前の各処理信号にSN比が許容値未満である信号が含まれる場合、各処理信号を整相加算して得られた受信データを用いて変位を算出するため、変位の算出精度が低下するおそれがある。特に、位相差トラッキング法では、上述のように距離変化を積算して変位を算出するため、受信データに含まれる誤差が積算されることとなり、精度が低下しやすい。従って、各処理信号について、SN比が許容値であることが望ましい。
しかしながら、反射波の強度に対して、増幅器41のゲインが大きすぎると、ADC42に入力される信号の信号レベルがADC42のダイナミックレンジを超えてしまう場合がある。この場合、ADC42から出力される処理信号が飽和状態となり、SN比が低下する。なお、増幅器41のゲインが小さすぎる場合もやはりSN比が低下する。
従って、超音波測定装置1では、後述するように、実際の測定の前に、増幅器41のゲインの設定を行い、SN比の低下を抑制する(ゲイン設定処理)。
従って、超音波測定装置1では、後述するように、実際の測定の前に、増幅器41のゲインの設定を行い、SN比の低下を抑制する(ゲイン設定処理)。
[ゲイン設定処理]
次に、本実施形態の超音波測定装置1におけるゲイン設定処理について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、超音波測定装置1を用いて血管Vを測定する前に予備測定を実施してゲインを設定する際のゲイン設定処理について説明する。
ここで、深さ方向Dにスキャンする際に、反射波の強度は、通常、超音波プローブ2からの距離が短いほど大きく、長いほど小さくなる。本実施形態のように血管Vを測定する場合、反射波の強度は、前壁W1において大きく、後壁W2において小さくなる。このため、超音波測定装置1では、前壁W1に対するゲインが最小となり、後壁W2に対するゲインが最大となるように、増幅器41のゲインを深さ方向Dに応じて設定する。
次に、本実施形態の超音波測定装置1におけるゲイン設定処理について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、超音波測定装置1を用いて血管Vを測定する前に予備測定を実施してゲインを設定する際のゲイン設定処理について説明する。
ここで、深さ方向Dにスキャンする際に、反射波の強度は、通常、超音波プローブ2からの距離が短いほど大きく、長いほど小さくなる。本実施形態のように血管Vを測定する場合、反射波の強度は、前壁W1において大きく、後壁W2において小さくなる。このため、超音波測定装置1では、前壁W1に対するゲインが最小となり、後壁W2に対するゲインが最大となるように、増幅器41のゲインを深さ方向Dに応じて設定する。
図4は、超音波測定装置1におけるゲイン設定処理を示すフローチャートである。
超音波プローブ2が体表に当接された状態で、送受信制御部61は、超音波プローブ2に超音波の送受信を開始させる(ステップS1)。
そして、超音波の反射波の計測を開始する(ステップS2)。すなわち、超音波プローブ2を用いて超音波を送受信して、測定対象を深さ方向Dにスキャンした際に取得された受信信号が、信号処理部4によって処理信号に変換され、制御部6に入力される。制御部6の整相加算部62は、入力された処理信号を整相加算して受信データを生成する。生成された受信データは、記憶部9に記憶される。
超音波プローブ2が体表に当接された状態で、送受信制御部61は、超音波プローブ2に超音波の送受信を開始させる(ステップS1)。
そして、超音波の反射波の計測を開始する(ステップS2)。すなわち、超音波プローブ2を用いて超音波を送受信して、測定対象を深さ方向Dにスキャンした際に取得された受信信号が、信号処理部4によって処理信号に変換され、制御部6に入力される。制御部6の整相加算部62は、入力された処理信号を整相加算して受信データを生成する。生成された受信データは、記憶部9に記憶される。
次に、演算部631は、心臓の拍動に応じて拡張と収縮を繰り返す血管Vの外径が最大となる拡張期(心臓の収縮期)を検出する(ステップS3)。
拡張期は、例えば数秒間にわたって超音波測定を実施し、取得された測定データを用いて、血管Vの径が最大となるタイミングを概算することにより取得される。なお、拡張期は、外部機器(例えば脈拍計等)から取得してもよい。
拡張期は、例えば数秒間にわたって超音波測定を実施し、取得された測定データを用いて、血管Vの径が最大となるタイミングを概算することにより取得される。なお、拡張期は、外部機器(例えば脈拍計等)から取得してもよい。
そして、ゲイン設定部64は、拡張期において、前壁W1のゲイン設定を行う(ステップS4)。
本実施形態では、上述のように超音波プローブ2の距離が最も短い前壁W1からの反射波の強度が最も大きく、当該距離が最も長い後壁W2からの反射波の強度が最も小さくなり、信号が飽和しやすい前壁W1でのゲインを最初に設定する。
本実施形態では、上述のように超音波プローブ2の距離が最も短い前壁W1からの反射波の強度が最も大きく、当該距離が最も長い後壁W2からの反射波の強度が最も小さくなり、信号が飽和しやすい前壁W1でのゲインを最初に設定する。
図5は、設定されたゲインの一例を示す図である。また、図6は、ゲイン設定部64によるゲイン設定の手順の一例を示すフローチャートである。なお、図5では、ゲインは、g1が適値であり、g2において飽和状態が検出されるものとする。なお、本実施形態では、ゲインは、初期状態において、適値g1よりも小さいg3に設定されているとする。
ゲイン設定部64は、図6に示すように、拡張期を含む数フレーム分の反射波の測定データに対応する処理信号のうち、飽和状態である処理信号が検出されたか否かを判定する(ステップS4A)。
ゲイン設定部64は、図6に示すように、拡張期を含む数フレーム分の反射波の測定データに対応する処理信号のうち、飽和状態である処理信号が検出されたか否かを判定する(ステップS4A)。
上述のようにゲインがg3に設定されている場合、飽和状態が検知されない(ステップS4A:NO)。この場合、ゲイン設定部64は、ゲインをg2に増大させる(ステップS4B)。なお、本実施形態では、ゲインの増大量を、ゲインの減少量Δg(Δg=g2−g1)よりも大きい値とする。
その後、再度、ステップS41の処理を実施する。なお、ステップS4Aにて飽和状態が検出されない場合は、飽和状態が検知されるまでステップS4Bの処理を実施してゲインを増大させる。
その後、再度、ステップS41の処理を実施する。なお、ステップS4Aにて飽和状態が検出されない場合は、飽和状態が検知されるまでステップS4Bの処理を実施してゲインを増大させる。
ステップS4Bにおいてゲインをg2に設定した場合、ステップS4Aにて飽和状態が検出される(ステップS4A:YES)。
飽和状態が検出されると、次に、ゲイン設定部64は、ゲインをΔg減少させる(ステップS4C)。すなわち、ゲイン設定部64は、ゲインをg2からΔg減少させてg1に設定する。
飽和状態が検出されると、次に、ゲイン設定部64は、ゲインをΔg減少させる(ステップS4C)。すなわち、ゲイン設定部64は、ゲインをg2からΔg減少させてg1に設定する。
そして、ゲイン設定部64は、ゲインをg1に設定した状態で、数フレームにわたって超音波測定を実施し、飽和状態が検知されたか否かを判定する(ステップS4D)。
ゲインg2に設定されている場合、飽和状態が検知されないため(ステップS4D:NO)、ゲインg2が適値であると判定され、前壁W1におけるゲインの設定が終了する。
一方、飽和状態が検知される場合(ステップS4D:YES)、飽和状態が検知されなくなるまで、ステップS4C及びステップS4Dの処理を実施する。
ゲインg2に設定されている場合、飽和状態が検知されないため(ステップS4D:NO)、ゲインg2が適値であると判定され、前壁W1におけるゲインの設定が終了する。
一方、飽和状態が検知される場合(ステップS4D:YES)、飽和状態が検知されなくなるまで、ステップS4C及びステップS4Dの処理を実施する。
このようにして前壁W1でのゲインが設定された後、後述する後壁W2でのゲイン及び深さ方向のゲインが設定される。
図4に戻り、ゲイン設定部64は、前壁W1でのゲインを設定したら、前壁W1と同様に後壁W2のゲインを設定する(ステップS5)。
図7は、深さ方向におけるゲインの設定値の一例を示す図である。図7では、ゲインは、g4が適値であり、g5において飽和状態が検出されるものとする。すなわち、後壁W2のゲインをg5とすると飽和状態が検出され、ゲインをg6とするとSN比が低下するため、上述と同様の方法によりゲインをg4に設定する。
図4に戻り、ゲイン設定部64は、前壁W1でのゲインを設定したら、前壁W1と同様に後壁W2のゲインを設定する(ステップS5)。
図7は、深さ方向におけるゲインの設定値の一例を示す図である。図7では、ゲインは、g4が適値であり、g5において飽和状態が検出されるものとする。すなわち、後壁W2のゲインをg5とすると飽和状態が検出され、ゲインをg6とするとSN比が低下するため、上述と同様の方法によりゲインをg4に設定する。
このようにして前壁W1と後壁W2とのゲインに設定することにより、各深さ位置におけるゲインが設定される。すなわち、前壁W1と後壁W2とのゲインを設定することにより、g1及びg4を通過する直線が決まる。この直線は、深さ位置に対するゲインの値を示す。ゲイン設定部64は、深さ位置に応じた値に増幅部のゲインを設定する。
[エラー検出処理]
次に、本実施形態の超音波測定装置1におけるエラー検出処理について、図面に基づいて説明する。
超音波測定装置1は、上述のようにして設定されたゲインに基づいて測定を実施し、測定結果として、超音波画像や、位相差トラッキング法による測定対象の位置情報を取得する。このような超音波測定装置1は、超音波測定時に、後述するようにゲインの設定エラーを検知する。
次に、本実施形態の超音波測定装置1におけるエラー検出処理について、図面に基づいて説明する。
超音波測定装置1は、上述のようにして設定されたゲインに基づいて測定を実施し、測定結果として、超音波画像や、位相差トラッキング法による測定対象の位置情報を取得する。このような超音波測定装置1は、超音波測定時に、後述するようにゲインの設定エラーを検知する。
図8は、超音波測定装置1におけるゲイン設定エラーを検出するエラー検出処理を示すフローチャートである。
エラー検知部65は、図8に示すように、飽和検知されたか否かを判定する(ステップS11)。エラー検知部65は、飽和検知部5から飽和状態を検知したことを示す検知信号を入力されると、飽和状態が検知されたと判定する(ステップS11:YES)。一方、エラー検知部65は、飽和検知部5から検知信号が入力されるまで、飽和状態が検知されていないと判定し(ステップS11:NO)、ステップS11の処理を繰り返す。
エラー検知部65は、図8に示すように、飽和検知されたか否かを判定する(ステップS11)。エラー検知部65は、飽和検知部5から飽和状態を検知したことを示す検知信号を入力されると、飽和状態が検知されたと判定する(ステップS11:YES)。一方、エラー検知部65は、飽和検知部5から検知信号が入力されるまで、飽和状態が検知されていないと判定し(ステップS11:NO)、ステップS11の処理を繰り返す。
エラー検知部65は、飽和が検知されると、変数Nに1を加算する(ステップS12)。
そして、エラー検知部65は、変数Nの値が、閾値Nth以上か否かを判定する(ステップS13)。
変数Nの値が、閾値Nth以上である場合(ステップS13:YES)は、ゲインの設定値が大きすぎるため、飽和状態となる処理信号が許容数を超えている可能性があり、測定精度が許容範囲を超えて低下している可能性がある。
この場合、エラー検知部65は、ゲイン設定エラーが発生している可能性があることを検知する(ステップS14)。エラー検知部65は、検知結果を記憶部9に記憶して、処理を終了する。
一方、変数Nの値が、閾値Nth未満である場合(ステップS13:NO)、エラー検知部65は、ステップS11に戻り以下の処理を実行する。
そして、エラー検知部65は、変数Nの値が、閾値Nth以上か否かを判定する(ステップS13)。
変数Nの値が、閾値Nth以上である場合(ステップS13:YES)は、ゲインの設定値が大きすぎるため、飽和状態となる処理信号が許容数を超えている可能性があり、測定精度が許容範囲を超えて低下している可能性がある。
この場合、エラー検知部65は、ゲイン設定エラーが発生している可能性があることを検知する(ステップS14)。エラー検知部65は、検知結果を記憶部9に記憶して、処理を終了する。
一方、変数Nの値が、閾値Nth未満である場合(ステップS13:NO)、エラー検知部65は、ステップS11に戻り以下の処理を実行する。
なお、表示制御部66は、エラー検知部65によって検知された検知結果に基づいて、例えば、次回の測定時において、ゲインの再設定を推奨する旨を使用者に報知するための報知情報を、表示部8に表示させる。また、例えば、図示しない、音声出力部を用いて音声として報知情報を出力してもよい。
[実施形態の作用効果]
本実施形態の超音波測定装置1では、飽和検知部5によって、各信号処理部4から出力された処理信号のそれぞれについて飽和を検知する。
ここで、増幅器41によるゲインの設定値が大きいと、処理信号の信号レベルが、信号処理部4を構成するADC42のダイナミックレンジの上限に到達し、処理信号が飽和状態となる場合がある。この場合、処理信号におけるSN比が低下する。ここで、処理信号におけるSN比が許容値を下回ると、当該処理信号を整相加算して得られた受信データから生成される超音波画像に顕著な異常がなくても、飽和した処理信号の加算によって正確な情報が反映されていないので、当該超音波画像の画質が低下する。このように、複数の処理信号の一部が飽和状態となることにより、測定精度が低下することがある。
これに対して、本実施形態では、飽和検知部5によって、整相加算部62によって整相加算される前の各処理信号について飽和状態にあることを検知できる。従って、複数の処理信号の一部が飽和状態となることにより、測定精度が低下する可能性があることを予め検知することができ、測定精度低下の抑制を図ることができる。
本実施形態の超音波測定装置1では、飽和検知部5によって、各信号処理部4から出力された処理信号のそれぞれについて飽和を検知する。
ここで、増幅器41によるゲインの設定値が大きいと、処理信号の信号レベルが、信号処理部4を構成するADC42のダイナミックレンジの上限に到達し、処理信号が飽和状態となる場合がある。この場合、処理信号におけるSN比が低下する。ここで、処理信号におけるSN比が許容値を下回ると、当該処理信号を整相加算して得られた受信データから生成される超音波画像に顕著な異常がなくても、飽和した処理信号の加算によって正確な情報が反映されていないので、当該超音波画像の画質が低下する。このように、複数の処理信号の一部が飽和状態となることにより、測定精度が低下することがある。
これに対して、本実施形態では、飽和検知部5によって、整相加算部62によって整相加算される前の各処理信号について飽和状態にあることを検知できる。従って、複数の処理信号の一部が飽和状態となることにより、測定精度が低下する可能性があることを予め検知することができ、測定精度低下の抑制を図ることができる。
また、ゲイン設定部64が、飽和状態の検知結果に基づいて、各増幅器41のゲインを設定することにより、測定精度を向上させることができる。例えば、全処理信号が測定時に飽和状態となることがないように、各増幅器41のゲインを設定することができる。これにより測定精度の低下を抑制できる。
ゲイン設定部64は、血管Vを測定対象とする場合、心臓の拍動(周期動作)に基づく血管の拡張期と同期してゲインを設定する。
ここで、拡張期では、血管Vの外径が最大となり、超音波プローブ2と前壁W1との距離が最も短くなり、前壁W1からの反射波の強度が最大となる。本実施形態では、拡張期において前壁W1のゲインを設定することにより、より確実に各処理信号が飽和状態となることがないようにゲインを設定することができる。
また、拡張期において、超音波プローブ2と後壁W2との距離が最も長くなり、後壁W2からの反射波の強度が最小となる。本実施形態では、拡張期において後壁W2のゲインを設定することにより、各処理信号の信号レベルの低下をより確実に抑制できる。
以上のように、拡張期にて前壁W1と後壁W2とのゲインを設定することにより、処理信号のSN比の低下を抑制できる。
ここで、拡張期では、血管Vの外径が最大となり、超音波プローブ2と前壁W1との距離が最も短くなり、前壁W1からの反射波の強度が最大となる。本実施形態では、拡張期において前壁W1のゲインを設定することにより、より確実に各処理信号が飽和状態となることがないようにゲインを設定することができる。
また、拡張期において、超音波プローブ2と後壁W2との距離が最も長くなり、後壁W2からの反射波の強度が最小となる。本実施形態では、拡張期において後壁W2のゲインを設定することにより、各処理信号の信号レベルの低下をより確実に抑制できる。
以上のように、拡張期にて前壁W1と後壁W2とのゲインを設定することにより、処理信号のSN比の低下を抑制できる。
また、本実施形態では、測定結果として、位相差トラッキング法を用いて、血管の変位を算出する。ここで、位相差トラッキング法では、上述のように、測定値の誤差が蓄積される。このため、処理信号のSN比が許容値未満であり、適切な受信データを得ることができずに、受信データに誤差が含まれると位置の算出精度が低下する。
これに対して、本実施形態では、上述のように、全ての処理信号のそれぞれについて飽和状態の検知を行うことできる。また、飽和状態とならないように各増幅器41のゲインを設定することができる。従って、位相差トラッキング法を用いて、対象の位置変化を算出する際に、高精度な算出結果を取得することができる。
これに対して、本実施形態では、上述のように、全ての処理信号のそれぞれについて飽和状態の検知を行うことできる。また、飽和状態とならないように各増幅器41のゲインを設定することができる。従って、位相差トラッキング法を用いて、対象の位置変化を算出する際に、高精度な算出結果を取得することができる。
エラー検知部65は、超音波測定時において処理信号の飽和の検知回数に基づいてゲイン設定エラーを検知する。これにより、ゲイン設定処理において予めゲインを設定して、超音波測定を行う場合に、設定されたゲインが適性であるか否かを判定することができる。すなわち、処理信号の飽和の検知回数が許容範囲を超えた場合に、測定精度が低下している可能性があることを検知できる。この場合、次回の測定時にゲインを再設定することにより、測定精度の低下を抑制できる。
[実施形態の変形]
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
上記実施形態では、飽和検知部5によって各処理信号の飽和状態を検知する構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。飽和検知部5が、例えば、処理信号の異常を検知するように構成してもよい。
ここで、処理信号の異常の検知は、例えば、処理信号のSN比が所定値未満であることを検知することにより行う。このような構成では、例えば、ゲインが大きすぎることによるゲイン設定エラー以外にも、例えば、ゲインが小さすぎることによるSN比の低下も検知できる。また、信号処理部を構成する各部品に不具合が発生した場合でも、処理信号のSN比が低下する。従って、上記不具合が発生した可能性があることを、チャンネル毎に検知できる。
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
上記実施形態では、飽和検知部5によって各処理信号の飽和状態を検知する構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。飽和検知部5が、例えば、処理信号の異常を検知するように構成してもよい。
ここで、処理信号の異常の検知は、例えば、処理信号のSN比が所定値未満であることを検知することにより行う。このような構成では、例えば、ゲインが大きすぎることによるゲイン設定エラー以外にも、例えば、ゲインが小さすぎることによるSN比の低下も検知できる。また、信号処理部を構成する各部品に不具合が発生した場合でも、処理信号のSN比が低下する。従って、上記不具合が発生した可能性があることを、チャンネル毎に検知できる。
上記実施形態では、超音波アレイ20Aの各チャンネルが1つの超音波素子21で構成された1次アレイ構造を例示したが、本発明はこれに限定されず、各チャンネル複数の超音波素子21で構成されてもよい。
また、上記実施形態では、超音波アレイ20Aは、1次アレイ構造を有する構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、2次アレイ構造を有する構成でもよい。
また、上記実施形態では、超音波アレイ20Aは、1次アレイ構造を有する構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、2次アレイ構造を有する構成でもよい。
上記実施形態では、1つの超音波素子21によって本発明の超音波受信部が構成されるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、上記実施形態では、1つの超音波素子21に対して、1つの信号処理部4が設けられていたが、本発明はこれに限定されず、複数の超音波素子21に対して1つの信号処理部4が設けられてもよい。
例えば、1次アレイ構造を有する超音波アレイ20Aの各チャンネルが複数の超音波素子21に構成される場合、各チャンネルに信号処理部4を設けてもよい。
例えば、1次アレイ構造を有する超音波アレイ20Aの各チャンネルが複数の超音波素子21に構成される場合、各チャンネルに信号処理部4を設けてもよい。
上記実施形態では、ゲイン設定部64が、ゲイン設定処理において、全処理信号が飽和しないようにゲインを設定する。しかしながら、本発明はこれに限定されず、飽和状態の検知回数が、所定回数(所定の頻度)以下の場合、信号の飽和を許容し、飽和状態が検知されなかったとしてゲインを設定してもよい。
上記実施形態では、制御部6は、表皮近傍等の浅い領域からの反射波については、強度が比較的に大きいため、飽和状態を検知したとしてもこれを用いない構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、飽和検知部5が、浅い領域からの反射波を受信している所定期間において検知信号を出力しない構成としてもよい。例えば、飽和検知部5は、制御部6から超音波の送信タイミングを取得し、当該送信タイミングと検波タイミングとに基づいて取得される超音波の反射位置が、超音波プローブ2と血管Vとの間の非測定領域である場合、検知信号を出力せず、測定位置が測定領域である場合、検知信号を出力する。
上記実施形態では、測定対象としての血管の拡張期に同期してゲインを設定する構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、周期動作を行う測定対象であれば、当該周期動作に基づいてゲインを設定する本発明を好適に用いることができる。このような周期動作としては、例えば、心臓の心拍が例示できる。
上記実施形態では、測定時において、飽和検知部5によって飽和状態を検知し、当該飽和状態の検知回数が所定回数以上となった場合に、エラーを検知する構成を例示した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、飽和状態を検知した際に、当該飽和状態を検知した処理信号を用いずに、測定結果を生成するように構成してもよい。
上記実施形態では、超音波プローブ2に設けられた超音波素子21と、装置本体3に設けられた信号処理部4及び飽和検知部5によって、本発明の超音波モジュールが構成されたが、本発明は、これに限定されない。超音波素子21、信号処理部4及び飽和検知部5が、超音波プローブ2に設けられていてもよい。また、超音波素子21、信号処理部4及び飽和検知部5が、装置本体3に一体的に設けられてもよい。
上記実施形態では、制御部6の各機能について、CPUが、記憶部9に記憶されているプログラムやデータを読み込み、当該プログラムを実行することにより実現されるとしたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、制御部6の機能の少なくとも一部が、例えがICなどの集積回路により、ハードウェアとして構成されてもよい。具体的には、整相加算部62の代りに、整相加算処理を行う加算器を備える構成としてもよい。
上記実施形態では、飽和検知部5が、制御部6とは別に設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、飽和検知部5が、制御部6の一機能部として実現されてもよい。このような構成では、制御部6が、整相加算処理を実施する前の各処理信号の飽和を検知し、検知結果に基づいて、ゲインを設定する等の各種処理を実施する。
上記実施形態では、血管を測定対象とする場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、肝臓、心臓、筋肉等の生体を構成する各器官を測定対象としてもよい。
上記実施形態では、生体の一部を測定対象とする超音波測定装置を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、各種構造物を測定対象として、当該構造物の欠陥の検出や老朽化の検査を行う超音波測定装置に、本発明を適用することができる。また、例えば、半導体パッケージやウェハ等を測定対象として、当該測定対象の欠陥を検出する超音波測定装置にも本発明を適用することができる。
上記実施形態では、生体の一部を測定対象とする超音波測定装置を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、各種構造物を測定対象として、当該構造物の欠陥の検出や老朽化の検査を行う超音波測定装置に、本発明を適用することができる。また、例えば、半導体パッケージやウェハ等を測定対象として、当該測定対象の欠陥を検出する超音波測定装置にも本発明を適用することができる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で上記各実施形態及び変形例を適宜組み合わせることで構成してもよく、また他の構造などに適宜変更してもよい。
1…超音波測定装置、4…信号処理部、5…飽和検知部(異常検知部)、21…超音波素子、41…増幅器(増幅部)、62…整相加算部、64…ゲイン設定部、65…エラー検知部、632…トラッキング部。
Claims (7)
- 対象からの超音波を受信し、受信信号を出力する複数の超音波受信部と、
各超音波受信部のそれぞれに対応して設けられ、前記受信信号を処理して処理信号を出力する信号処理部と、
前記信号処理部から出力された複数の前記処理信号のそれぞれについて異常を検知する異常検知部と、を備える
ことを特徴とする超音波モジュール。 - 請求項1に記載の超音波モジュールにおいて、
前記信号処理部は、前記受信信号の信号振幅を増幅する増幅部を有し、増幅された前記受信信号に基づいて生成された前記処理信号を出力し、
前記異常検知部は、前記処理信号の飽和を検知する
ことを特徴とする超音波モジュール。 - 対象からの超音波を受信し、受信信号を出力する複数の超音波受信部と、
各超音波受信部のそれぞれに対応して設けられ、前記受信信号を処理して処理信号を出力する信号処理部と、
前記信号処理部から出力された複数の前記処理信号のそれぞれについて異常を検知する異常検知部と、を備える
ことを特徴とする超音波測定装置。 - 請求項3に記載の超音波測定装置において、
前記信号処理部は、前記受信信号の信号振幅を増幅する増幅部を有し、増幅された前記受信信号に基づいて生成された前記処理信号を出力し、
前記増幅部は、ゲインを変更可能であり、
前記異常検知部による検知結果に基づいて、異常と検知された前記処理信号に対応する前記増幅部の前記ゲインを設定するゲイン設定部を備える
ことを特徴とする超音波測定装置。 - 請求項4に記載の超音波測定装置において、
前記ゲイン設定部は、前記対象の周期動作に同期して前記ゲインを設定する
ことを特徴とする超音波測定装置。 - 請求項4又は請求項5に記載の超音波測定装置において、
前記異常検知部による前記異常の検知回数に基づいて、前記ゲインの設定エラーを検知するエラー検知部を備える
ことを特徴とする超音波測定装置。 - 請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の超音波測定装置において、
各超音波受信部からの前記処理信号を整相加算して加算情報を出力する整相加算部と、
前記加算情報を用いて、位相差トラッキングにより前記対象の変位を算出するトラッキング部と、を備える
ことを特徴とする超音波測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015109531A JP2016220893A (ja) | 2015-05-29 | 2015-05-29 | 超音波モジュール及び超音波測定装置 |
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ID=57746717
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017055845A (ja) * | 2015-09-14 | 2017-03-23 | 東芝メディカルシステムズ株式会社 | 超音波診断装置及び信号処理装置 |
KR102014947B1 (ko) * | 2018-11-19 | 2019-10-21 | 한국수력원자력 주식회사 | 위상배열초음파 탐촉자의 불용소자 영향 평가 장치 및 방법 |
JP2022096256A (ja) * | 2020-12-17 | 2022-06-29 | 株式会社東芝 | 故障検知装置、方法およびプログラム |
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2015
- 2015-05-29 JP JP2015109531A patent/JP2016220893A/ja active Pending
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