JP2016122001A - エネルギーディグレーダ - Google Patents

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Abstract

【課題】粒子加速器から発生した荷電粒子ビームのエネルギーを減衰させるエネルギーディグレーダを提供する。【解決手段】荷電粒子ビームのエネルギーを減衰させるエネルギーディグレーダは、異なる質量を有する2つのエネルギー減衰部材AとBを備える。このエネルギーディグレーダは、さらに、第1の移動中に第1及び第2のエネルギー減衰部材をそれぞれ第1及び第2の速度で粒子ビームを横切るように同時に移動させると共に第2の移動中には2つのエネルギー減衰部材のうちの最も軽いエネルギー減衰部材を第1の速度よりも高速な第3の速度で粒子ビームを横切るように移動させるように構成した駆動ユニット10を備える。【選択図】図7

Description

この米国特許出願は、2014年12月16日に出願された欧州特許出願EP14198364.3に基づく優先権の主張を伴う。上記欧州特許出願は、それを参照することにより組み込まれる。
本開示技術は、例えば陽子加速器や炭素イオン加速器のような荷電粒子加速器に関し、特に粒子加速器から発生した荷電粒子ビームのエネルギーを減衰させるエネルギーディグレーダに関する。
荷電粒子ビームの使用を含む用途においては、粒子のエネルギーを変化させる必要がある。例えば、粒子線治療の用途において、荷電粒子のエネルギーは治療されるべき身体への粒子の浸入深さを決定する。例えば、シンクロトロンのような荷電粒子加速器は、発生する粒子ビームのエネルギーを変化させるように構成されているが、粒子がシンクロトロンから取り出された後においても粒子のエネルギーをさらに変化させることが望まれている。例えば、サイクロトロンのような他の粒子加速器では、発生した粒子ビームのエネルギーを変化させるように構成されず、従って、エネルギーを変化させるための追加の装置が必要となる。粒子加速器から取り出された粒子ビームのエネルギーを変化させる装置は、エネルギーディグレーダと称されている。従って、エネルギーディグレーダは、粒子加速器から取り出された後粒子ビームの軌道を横切るように配置した1つ又は複数の減衰物質のブロックを有する。周知の原理によれば、このような減衰物質のブロックを透過する粒子は、所定のタイプの粒子の場合、粒子が透過する材料の本質的特性及びその厚さの関数に相当するエネルギー減衰を受ける。
既知のエネルギーディグレーダは、螺旋階段の形状を有する減衰物質の単一ブロックを含んでいる。粒子ビームはエネルギーディグレーダに入射し、階段のステップに垂直に入射し、対向する側から出射し、ビームのエネルギーはステップの厚さに応じて減衰される。ディグレーダを軸線のまわりで所定の角度だけ回転させると、ビームはディグレーダの別のステップに垂直に入射し、ビームのエネルギーは、この別のステップの厚さに応じて減衰する。従って、粒子ビームに対してディグレーダの角度位置を変えることによりエネルギー減衰量を変化させることができる。
既存のエネルギーディグレーダは、ビーム軌道に対して横切るように移動可能な減衰物質の2つの楔状ブロックを含んでいる。エネルギー減衰量は、粒子ビームに対するブロックの直交方向の位置を変えることにより変化する。
開示する実施例は、既存のエネルギーディグレーダに対する改良を提供する。例えば、開示した実施例は、粒子ビームのエネルギーを既知のディグレーダよりも迅速に及び/又は一層高い精度で変化させるように構成したエネルギーディグレーダを提供する。
開示した実施例によるエネルギーディグレーダの上流側の(すなわち、入力部における)典型的なビームエネルギーはMeVのレンジであり、例えば150MeV〜300MeVの範囲にあり、下流側の(すなわち、出力部における)典型的な所望のビームエネルギーもMeVのレンジであり、例えば入力エネルギーが230MeVの場合、50MeV〜230MeVの範囲である。
本開示技術によれば、例えば陽子ビーム又は炭素イオンビームのような荷電粒子ビームのエネルギーを減衰させるエネルギーディグレーダであって、
・交差する荷電粒子のエネルギーを減衰させるように構成した第1のエネルギー減衰部材(A)と、
・交差する荷電粒子のエネルギーを減衰させるように構成した第2のエネルギー減衰部材(B)と、
・前記第1及び第2のエネルギー減衰部材に作動的に連結され、第1及び/又は第2のエネルギー減衰部材を荷電粒子ビームを横切るように移動させるように構成した駆動ユニットとを備えるエネルギーディグレーダにおいて、
・前記第1のエネルギー減衰部材(A)の質量(mA)は第2のエネルギー減衰部材(B)の質量(mB)よりも小さくされ、
・前記駆動ユニットは、第1の移動中、第1のエネルギー減衰部材(A)を第1の速度(VA1)で第2のエネルギー減衰部材(B)を第2の移動速度(VB1)で同時に荷電粒子ビームを横切るように移動させるように構成され、
・前記駆動ユニットは、第2の移動中、第1のエネルギー減衰部材(A)を第3の速度(VA2)で荷電粒子ビームを横切るように移動させるように構成され、
・前記第2の移動中における第3の速度(VA2)の平均速度は、前記第1の移動中における第2の速度(VB1)の平均速度よりも速いエネルギーディグレーダを提供する。
第2の移動中に、より軽量なエネルギー減衰部材(A)をより速い速度(VA2)で荷電粒子ビームを横切るように移動させることにより、全エネルギー減衰量を従来のエネルギーディグレーダよりも迅速に且つより高精度に変化させることができる。例えば、粒子線治療装置において、この第2の移動及びそれに伴う粒子ビームのエネルギーの変化は、例えば照射される目標物の層が変化する間に行うことができる。さらに、第1の移動中に、より軽量なエネルギー減衰部材(A)を第1の速度(VA1)で移動させると共により重いエネルギー減衰部材(B)を低速な第2の速度(VB1)で荷電粒子ビームを横切るように同時に移動させることにより、より軽量なエネルギー減衰部材(A)を粒子ビームに対して再位置決めすることができるので、より重い質量の減衰部材を迅速に移動させることなく第2の移動に対して対応することができる。さらに、好ましくは、第1及び第2のエネルギー減衰部材の形状は、第1の移動中における粒子ビームの全エネルギー減衰量が一定に維持されるように設計する。例えば、粒子線治療装置において、この第1の移動は目標物の所定の層の照射中に行うことができる。
好ましくは、第1のエネルギー減衰部材の質量(mA)は第2のエネルギー減衰部材の質量(mB)の0.5倍以下とする。より好ましくは、第1のエネルギー減衰部材の質量(mA)は第2のエネルギー減衰部材の質量(mB)の0.1倍以下とする。さらに好ましくは、第1のエネルギー減衰部材の質量(mA)は第2のエネルギー減衰部材の質量(mB)の0.02倍以下とする。
好ましくは、第1のエネルギー減衰部材は、第2のエネルギー減衰部材と同一の材料で作成する。
好ましくは、第2の移動中における第3の速度(VA2)の平均速度は、第1の移動中における第2の速度(VB1)の平均速度の2倍以上とする。より好ましくは、第2の移動中における第3の速度(VA2)の平均速度は、第1の移動中における第2の速度(VB1)の平均速度の5倍以上とする。さらに好ましくは、第2の移動中における第3の速度(VA2)の平均速度は、第1の移動中における第2の速度(VB1)の平均速度の10倍以上とする。
本開示技術によれば、荷電粒子ビームのエネルギーを減衰させるエネルギーディグレーダであって、
・交差する荷電粒子のエネルギーを減衰させるように構成されると共に第1のビーム入射面(A1)及び対向する第1のビーム出射面(A2)を有する楔形状の第1のエネルギー減衰部材(A)と、
・交差する荷電粒子のエネルギーを減衰させるように構成されると共に第2のビーム入射面(B1)及び対向する第2のビーム出射面(B2)を有する楔形状の第2のエネルギー減衰部材(B)と、
・前記第1及び第2のエネルギー減衰部材と作動的に連結され、第1及び/又は第2のエネルギー減衰部材を荷電粒子ビームを横切るように移動させるように構成した駆動ユニットとを備え、
・前記第1及び第2のビーム入射面及び第1及び第2のビーム出射面は、平坦な面としたエネルギーディグレーダにおいて、
・前記第1のエネルギー減衰部材(A)の質量(mA)は第2のエネルギー減衰部材(B)の質量(mB)よりも小さくし、
・前記駆動ユニットは、第1の並進移動中、第1のエネルギー減衰部材(A)を第1の速度(VA1)で第2のエネルギー減衰部材(B)を第2の速度(VB1)で同時に荷電粒子ビームを横切るように移動させるように構成され、
・前記駆動ユニットは、第2の並進移動中、第1のエネルギー減衰部材(A)を第3の速度(VA2)で荷電粒子ビームを横切るように移動させるように構成され、
・前記第2の移動中における第3の速度(VA2)の平均速度は、前記第1の期間中における第2の速度(VB1)の平均速度よりも高速であるエネルギーディグレーダを提供する。
このような好適な形態により、エネルギー減衰部材が他の形状を有する場合及び/又はエネルギー減衰部材が並進移動しない場合と比較して、粒子ビームのエネルギー減衰変化について一層柔軟に対応することができる。このような好適な形態において、第1のビーム入射面(A1)は好ましくは第2のビーム出射面(B2)と平行にし、第1のビーム出射面(A2)は好ましくは第2のビーム入射面(B1)と平行にし、駆動ユニットは、第1の移動中に、第1の速度(VA1)の瞬時速度が第2の速度の瞬時速度に等しくなるように構成する。これにより、エネルギーディグレーダの入射側及び出射側において、粒子ビームは第1の入射面及び最後の出射面に対して直交し、粒子ビームに対する不所望な歪みが低減される。
本開示技術によれば、荷電粒子ビームを発生するように構成した粒子加速器を備えると共に、粒子加速器から出射した荷電粒子ビームのエネルギーを減衰させる本開示技術によるエネルギーディグレーダを有する粒子線治療装置を提供する。粒子加速器は、好ましくは固定エネルギー加速器とし、より好ましくは例えばシンクロサイクロトロンのようなサイクロトロンとする。
一例として記載した図面を参照して本開示技術を詳細に説明する。
図1は、開示実施例によるエネルギーディグレーダを線図的に示す図である。 図2は、例示した駆動ユニットを有する実施例によるエネルギーディグレーダを線図的に示す図である。 図3は、好適駆動ユニットを有する開示実施例によるエネルギーディグレーダを線図的に示す図である。 図4は、開示した実施例による好適エネルギーディグレーダを線図的に示す図である。 図5は、図4のエネルギーディグレーダを、その構成要素の種々の移動段階における断面として線図的に示す図である。 図6は、開示実施例によるより好適なエネルギーディグレーダを線図的に示す図である。 図7は、開示実施例によるさらに好適なエネルギーディグレーダを線図的に示す図である。 図8は、図7に示すエネルギーディグレーダであって、種々の構成要素及び移動形態を断面として線図的に示す図である。 図9は、開示実施例によるエネルギーディグレーダの変形例を線図的に示す図である。 図10は、開示実施例によるエネルギーディグレーダの別の変形例を線図的に示す図である。 図11は、粒子加速器及び開示実施例によるエネルギーディグレーダを備える粒子線治療装置の一部を線図的に示す図である。
図面はスケール通りに又は比率にそって図示されていない。図面に関して、同様な又は同一の構成要素には同一符号を付する。
図1は開示技術によるエネルギーディグレーダの3D画像を線図的に示す。このエネルギーディグレーダは、交差する荷電粒子のエネルギーを減衰させるように構成した第1のエネルギー減衰部材(A)と、交差する荷電粒子のエネルギーを減衰させるように構成した第2のエネルギー減衰部材(B)とを備える。当該技術分野において知られているように、これらの減衰部材は、例えばベリリウムやカーボングラフアイトのような固形物のブロックである。好ましくは、第1の減衰部材(A)は第2の減衰部材(B)と同一の材料で作られる。第1のエネルギー減衰部材(A)の質量(mA)は第2のエネルギー減衰部材(B)の質量(mB)よりも小さくすることが本開示技術の特有の事項である。好ましくは、mAはmBの0.5倍以下とする。より好ましくは、mAはmBの0.02倍以下とする。例示的な質量については後述する。
第1及び第2のエネルギー減衰部材の両方と交差する荷電粒子ビーム(50)を図1に示す。図1に示すように、動作中、エネルギーディグレーダは、荷電粒子ビームが第1及び第2のエネルギー減衰部材と交差すると、この荷電粒子ビーム(50)のエネルギーを減衰させる。粒子ビーム(50)のエネルギーの全減衰量は、粒子ビーム(50)の軌道と交差する第1及び第2のエネルギー減衰部材によるエネルギー減衰量の和として評価することができる。さらに、エネルギーディグレーダは、第1及び第2のエネルギー減衰部材と作動的に連結されて第1及び第2のエネルギー減衰部材を荷電粒子ビームと直交する方向に移動させる駆動ユニット(10)を備える。この駆動ユニットは、当該技術分野において既知である。駆動ユニット(10)は、第1の移動中に第1のエネルギー減衰部材(A)を第1の速度(VA1)で第2のエネルギー減衰部材を第2の速度(VB1)で荷電粒子ビーム(50)と直交する方向に移動させるように構成する。第1の移動中、エネルギー減衰部材の形状及び各移動速度に応じて、エネルギー減衰量は変化し又は変化しない。この第1の移動中に全エネルギー減衰量を一定に維持する速度及び形状の好適実施例については、後述する。
さらに、駆動ユニット(10)は、第2の移動中に第1のエネルギー減衰部材(A)を第3の速度(VA2)で荷電粒子ビーム(50)を横切るように移動させるように構成する。第2の移動中において、第2のエネルギー減衰部材(B)は、移動し又は移動しないものとする。しかしながら、第1及び第2のエネルギー減衰部材の形状及び位置は、動作中において、第1の移動中及び第2の移動中に粒子ビーム(50)が両方のエネルギー減衰部材と交差するように好ましく選択する。
第2の移動中における第3の速度(VA2)の平均値が、第1の移動中における第2の速度(VB1)の平均値よりも速いことは、本開示技術の特有の事項である。好ましくは、第2の移動中における第3の速度(VA2)の平均値は、第1の移動中における第2の速度(VB1)の平均値の2倍以上とする。より好ましくは、第2の移動中における第3の速度(VA2)の平均値は、第1の移動中における第2の速度(VB1)の平均値の5倍以上とする。より好ましくは、第2の移動中における第3の速度(VA2)の平均値は、第1の移動中における第2の速度(VB1)の平均値の10倍以上とする。粒子線治療の用途の場合、例えばVB1が0.02m/s〜0.2m/sの範囲(例えば、10cm/5s〜10cm/500ms)、好ましくは0.05m/s〜0.1m/sの範囲(例えば、10cm/2s〜10cm/1s)に設定し、VB2は0.02m/s〜100m/sの範囲(例えば、10cm/500ms〜10cm/1ms)、好ましくは1m/s〜2m/sの範囲(例えば、10cm/100ms〜10cm/50ms)に設定すると有益であると共に実施可能であることが見出されている。
これら全ての場合、駆動ユニット(10)は、第1の移動中のいかなる瞬時においても第1の速度(VA1)の瞬時的速度が第2の速度(VB1)の瞬時的速度と等しくなるように(この場合、両方の速度はベクトル量と考える)好ましく構成する。これにより、全エネルギー減衰量は第1及び第2のエネルギー減衰部材の形状だけに又は本質的に依存し、システム設計が簡単化される。
図2は、例示的な駆動ユニット(10)を有する本開示技術によるエネルギーディグレーダを線図的に示す。本例では、第1のモーター(M1)を作動的に連結し、例えばシャーシーのような静止部材又は粒子ビーム(50)に対して、第1のエネルギー減衰部材(A)を第1の移動中は第1の速度(VA1)で移動させ第2の移動中は第3の速度(VA2)で移動させる。第2のモーター(M2)は作動的に連結され、静止部材又は粒子ビーム(50)に対して、第2のエネルギー減衰部材(B)を第1の移動中に第2の速度(VB1)で移動させる。
図3は、好適な駆動ユニット(10)を有する本開示技術による好適エネルギーディグレーダを線図的に示す。本例では、第2のモーター(M2)を作動的に連結し、例えばシャーシーのような静止部材又は粒子ビーム(50)に対して、第1の移動中第2のエネルギー減衰部材(B)を第2の速度(VB1)で移動させる。第1のモーター(M1)のステーターは第2のエネルギー減衰部材(B)に強固に連結される。この第1のモーターは、作動的に連結されて、第2の移動中、第1のエネルギー減衰部材(A)を第2のエネルギー減衰部材に対して第3の速度(VA2)で移動させる。つまり、第2のモーター(M2)を動作させると共に第1のモーター(M1)は動作させず又は停止させることにより、第1の移動中に、第1及び第2のエネルギー減衰部材は同時に同一の速度でシャーシー又は粒子ビーム(50)に対して移動し、第1のモーター(M1)を作動させることにより、第1のエネルギー減衰部材(A)は第2の移動中にシャーシー又は粒子ビーム(50)に対して移動する。
後述する実施例において、エネルギー減衰部材は並進移動し、モーターが例えば電気モーターのような回転型モーターの場合、勿論1つ又は複数の中間変速機(図示せず)を用いて、モーターの回転移動をエネルギー減衰部材(A,B)に作用する並進移動に変換する。後述する実施例において、エネルギー減衰部材(A,B)は回転移動し、モーターが回転型モーターの場合、中間変速機を用いてエネルギー減衰部材(A,B)に作用する速度及び/又はトルクを適合させる。
図4は、本開示技術による好適エネルギーディグレーダのXYZ軸に沿う3D画像を線図的に示す。この図面から明らかなように、第1及び第2のエネルギー減衰部材はそれぞれ円柱形状(自身と平行に直線的に移動させることにより形成される形状、本例では、Y軸に平行)を有する。この場合、駆動ユニット(10)は、第1及び第2のエネルギー減衰部材をXZ面に対して平行に並進移動させる(ベクトルVA1及びVA2はXZに対して平行)。
図5A、5B、5Cは、図4に示す例示した好適なエネルギーディグレーダの第1及び第2のエネルギー減衰部材の種々の移動状態における断面を線図的に示し、断面はXZ面と平行な面とする。これらの図面において、仮想の粒子ビーム(50)は、その経路がZ軸と平行になるように図示する。この好適なエネルギーディグレーダは、後述するように、粒子線治療に特に有用である。ここでは、断面は特有なものである。これらの断面は、仮想の円柱体の表面を2本の自由に選択したライン(L1,L2)にそって分割して2つの仮想パーツ(P1,P2)を形成すると共に、図5Aの右側に破線で示すように、2つの仮想パーツが平坦になるように発展させることにより得られる。さらに、平坦な矩形の付加物(P1')を第1のパーツ(P1)の右側に付加する。P1及びP1'は一緒になって第1のエネルギー減衰部材(A)の断面を示す。第2のパーツ(P2)は第2のエネルギー減衰部材(B)の右端のパーツの断面を示し、その幅はDX1に等しい。第2のエネルギー減衰部材(B)の右端のパーツの左側に位置する2つの異なるパーツは、DX1に等しい幅をそれぞれ有する。これらは、第2のパーツの上部及び底部のプロファイルを変更することなく第2のパーツ(P2)の高さを増大すると共に対応する上部及び底部のプロファイルをそれぞれ整列させることにより得られる。駆動ユニット(10)が第1及び第2のエネルギー減衰部を移動させる方法は、より詳細に説明する。
図5Aは、例えば第1及び第2のエネルギー減衰部の粒子ビーム(50)に対する初期状態における位置を示す。第2のエネルギー減衰部材(B)の右端パーツの左側は、第1のエネルギー減衰部材(A)左側に垂直方向において整列する。駆動ユニット(10)は、第1の移動中に第1のエネルギー減衰部材を第1の速度(VA1)で且つ第2のエネルギー減衰部材を第2の速度(VB1)で荷電粒子ビームを横切るように同時に移動させるように構成する。特有な技術的事項として、第1の移動中において、第1の速度(VA1)の瞬時速度の水平成分(X)は第2の速度(VB1)の瞬時速度の水平成分(X)に等しい。これは、駆動ユニット(10)を図3のように使用すると共に第1の移動中に第1のモーター(M1)を静止させ、第1のエネルギー減衰部材(A)を第2のエネルギー減衰部材(B)に対して移動させないことにより簡単に得ることができる。上述したように第1及び第2のエネルギー減衰部材の特別な断面(パーツP1+P1'及びP2)により及びX方向の等しい瞬時速度を確保することにより、粒子ビーム(50)の粒子が第1のエネルギー減衰部材及び第2のエネルギー減衰部材を通過する距離全体が等しくなり、従って、第1の移動中におけるエネルギーディグレーダによる粒子ビーム中の粒子の全エネルギー減衰量が一定になることは容易に理解される。
図5Bは、第1の移動期間の終端、すなわち第1及び第2のエネルギー減衰部材が距離Dx1よりも僅かに短い水平方向距離(X)まで移動した際における粒子ビーム(50)に対する第1及び第2のエネルギー減衰部材の位置を示す。尚、第1の移動期間の終端において、粒子ビーム(50)は依然として第1及び第2のエネルギー減衰部材の両方と交差する。
さらに、駆動ユニット(10)は、第2の移動期間中第1のエネルギー減衰部材(A)を第3の速度(VA2)で荷電粒子ビーム(50)を横切るように移動させるように構成する。第2の移動期間中の第3の速度(VA2)の平均速度は、第1の移動期間中の第2の速度(VB1)の平均速度よりも高速にする。この実施例では、第2の移動は、第1の移動に対して反対方向とする。
図5Cは、第2の移動期間の終端、すなわち第1のエネルギー減衰部材(A)が水平距離Dx1だけ左側に移動した際の第1及び第2のエネルギー減衰部材の粒子ビーム(50)に対する位置を示す。尚、第2の移動期間の終端において、第1のエネルギー減衰部材(A)は再び第2のエネルギー減衰部材(B)の接合部の前面に位置する。この時点において、第1及び第2のエネルギー減衰部材を通過する粒子ビームの距離全体、すなわち粒子ビーム(50)の全エネルギー減衰量は第1の移動期間中の減衰量よりも大きくなる(図5A及び図5B)。
この時点より、勿論第2のエネルギー減衰部材(B)の全幅(X)を超えない場合、図5A及び図5Bと関連して説明した一連の第1及び第2の移動を必要に応じて多数回繰り返すことができる。
この構成は粒子線治療装置において特に有用である。粒子線治療装置では、例えば腫瘍のような目標物(200)は、層ごとに粒子線(50)が照射され、これらの層は患者の身体の異なる深さに位置する。このような場合、治療装置が1つの層から他の層へ通過する際、粒子ビーム(50)のエネルギーを極めて迅速に及び/又は極めて高精度に切り換えできることが望ましい。図5A、図5B及び図5Cの構成は、この作用を以下の方法で達成できる。第1に、図5Aに示すように、エネルギーディグレーダを粒子ビーム(50)に対して位置決めする。次に、粒子ビーム(50)がオンに切り換わり、腫瘍の第1の層(例えば、一番深い層)を照射する。この層を照射しながら、駆動ユニット(10)は、第1及び第2のエネルギー減衰部材の第1の移動を比較的低速度で(VA1x=VA2x)で行う。説明したように、全エネルギー減衰量、すなわちエネルギーディグレーダの出力部における粒子ビームのエネルギーはこの第1の移動期間中一定に維持される。第1の移動期間の終端において(図5B)、好ましくは粒子ビームはオフに切り換わる。粒子ビームがオフの期間中、駆動ユニット(10)は、第1のエネルギー減衰部材(A)の第2の移動を相対的に高速(VA2)で行う。第2の移動期間の終端において(図5C)、粒子ビームは再びオンに切り換わる。この時点において、全エネルギー減衰、すなわちエネルギーディグレーダの出力部における粒子ビームのエネルギーは第1の移動中におけるよりも低くなり、腫瘍の第1の層よりも浅い別の層について照射を開始することができる。第1のエネルギー減衰部材(A)の質量(mA)は第2のエネルギー減衰部材(B)の質量(mB)よりも小さいので、第2の移動は極めて迅速に且つ高精度に行うことができる。これにより、2つの層間で粒子ビームのエネルギーを切り換えるために必要な時間を短縮することができ、処理時間を一層短縮することができる。
別の方法も行うことができることは明らかであり、すなわち、初めに第1のエネルギー減衰部材(A)を第2のエネルギー減衰部材(B)の最も厚いパーツの整合部分(図5Aの左側)の右上方に位置決めし、第1の移動期間中に第1及び第2のエネルギー減衰部材を左側に移動させ、続いて第2の移動期間中に第1のエネルギー減衰部材(A)を右側に移動させることにより行うことができる。
図6は、本開示技術によるより好適なエネルギーディグレーダの3D画像を線図的に示す。このエネルギーディグレーダは、第1のエネルギー減衰部材(A)が第1のビーム入射面(A1)及び対向する第1のビーム出射面(A2)を有する楔形状を有し、第2のエネルギー減衰部材(B)が第2のビーム入射面(B1)及び対向する第2のビーム出射面(B2)を有する楔形状を有する点を除き、上述したエネルギーディグレーダと同一である。第1及び第2のビーム入射面は平坦な面とする。第1及び第2のビーム出射面も平坦な面とする。さらに、駆動ユニット(10)は、第1及び第2のエネルギー減衰部材を粒子ビーム(50)を横切るように直線的に移動させる。設計及び製造が容易になる利点を超える利点として、楔状の減衰部材の利点は、減衰量をより自由に且つ一層高精度に変えることができることである。2つの楔の傾斜が同一ではない場合、第1の移動中における第1及び第2の速度は相違させ、全エネルギー減衰量を一定に維持することができる。
図7は、本開示技術によるより好適なエネルギーディグレーダの3D画像を線図的に示す。このエネルギーディグレーダは、第1のビーム入射面(A1)が第2のビーム出射面(B2)と平行とされ、第1のビーム出射面(A2)第2のビーム入射面(B1)と平行とされ、第1の移動期間中の第1の速度(VA1)の瞬時速度の水平成分(X)は第2の速度(VB1)の瞬時速度の水平成分(X)と等しくする。これは、例えば図3に示す駆動ユニット(10)を用い、第1の移動期間中第1のモーター(M1)を停止させ、第1のエネルギー減衰部材(A)を第2のエネルギー減衰部材(B)に対して移動させないことにより容易に達成される。このような構成において、以下の事項は容易に理解される。すなわち、粒子ビーム(50)が第1及び第2のエネルギー減衰部材を通過する全体の距離、すなわちエネルギーディグレーダによる粒子ビーム(50)の全エネルギー減衰量は第1の移動期間中一定に維持され、粒子ビーム(50)の全エネルギー減衰は続く第2の移動期間において迅速に変化する。
図8A、8B、8C、及び8Dは、図7のエネルギーディグレーダについて、第1及び第2のエネルギー減衰部材の構成及び各移動期間の移動形態をXZ面に平行な断面図として線図的に示す。駆動ユニット(10)は存在するが、図面を明瞭にするため図示していない。図8B及び8Cは、粒子ビームがエネルギーディグレーダに対して、その入射面及び出射面と直交するように入射及び出射するので、より好適な構成を示す。図8Cは、2つの楔間のギヤップが図8Bの場合よりも一層小さくできるので、さらに好適な構成を示す。図8Dは、楔の一方の先端が切り落とされたケースを示す。楔の横面(YZ面と対向する面)は、好ましくは平坦とし互いに平行とすべきことを明記する。ただし、これは必須の事項ではない。
図9は本開示技術によるエネルギーディグレーダの変形例を線図的に示す。第1のエネルギー減衰部材(A)が機械的に相互連結した第1のサブ部材(Ai)に副分割され、第2のエネルギー減衰部材(B)が機械的に相互連結した第2のサブ部材(Bi)に副分割されている点を除き、上述したエネルギーディグレーダと同一である。本例では、楔状のサブ部材として図示したが、他のいかなる形状のサブ部材も用いることもできる。
図7及び図8に示すように、エネルギー減衰部材がビーム入射面とビーム出射面とが互いに平行な楔形状を有する場合、エネルギー減衰部材は、ビームエネルギーがエネルギーディグレーダの入射部における例えば230MeVから出射部において50MeVと230MeVとの間の範囲のエネルギーレベルに減衰する粒子線治療システムの構成において、例えば以下の特性値を有することができる。
Figure 2016122001
上述した第1及び第2のエネルギー減衰部材は、粒子ビーム(50)がエネルギーディグレーダと交差する位置でビーム軌道にそって粒子ビーム(50)と平行な中心軸線(Z1)の周りに巻きつくように構成することもできる。この場合、駆動ユニット(10)は、第1(A)及び第2(B)のエネルギー減衰部材を中心軸線(Z1)の周りでそれぞれ上述した速度(VA1,VB1,VA2)で回転するように駆動する。勿論、本例の場合これらの速度は回転速度である。
図10は、この方法により粒子ビーム(50)に対する位置及び向きと共に得られる例示的で好適なエネルギーディグレーダを線図的に示す。本例では、第1のエネルギー減衰部材(A)は第1の螺旋条ランプの部分形状を有する第1のビーム入射面(A1)及び平坦リングの部分形状を有する対向する第1のビーム出射面(A2)を有する。第2のエネルギー減衰部材(B)は、平坦リングの部分形状を有する第2のビーム入射面(B1)及び第2の螺旋条ランプの形状を有する対向する第2のビーム出射面(B2)を有する。第1の螺旋条ランプは第2の螺旋条ランプと同軸である。好ましくは、第1の螺旋条ランプは第2の螺旋条ランプと整合し、第1のビーム出射面(A2)は第2のビーム入射面(B1)と平行になり、第1の移動期間中において瞬時的な第1の回転速度(VA1)は瞬時速度な第2の回転速度(VB1)と等しくする。この好適な構成は、図7の構成と回転的なものとして均等である。
上述した構成において、駆動ユニット(10)並びに第1及び第2の減衰部材は適切に構成され、第1及び第2の移動中における第1の減衰部材と第2の減衰部材との間の最大ギヤップは、5cm以下、好ましくは1cm以下、好ましくは100mm以下、好ましくは10mm以下、好ましくは1mm以下とする。
図11に線図的に示すように、本開示技術は、目標物(200)に荷電粒子ビーム(50)を照射するように構成した粒子線治療装置にも関する。この粒子線治療装置は、例えば陽子ビームや炭素イオンビームのような荷電粒子ビーム(50)を放出するように構成した粒子加速器(100)、及び荷電粒子ビーム(50)のエネルギーを目標物(200)に到達する前に減衰させる前述したエネルギーディグレーダを備える。図11の実施例において、エネルギーディグレーダの第1及び第2のエネルギー減衰部材は楔形状とするが、上述した他の形状の用いることもできる。好ましくは、粒子加速器(100)は、固定エネルギー加速器とする。より好ましくは、粒子加速器(100)はサイクロトロン、例えばシンクロサイクロトロンとする。
この開示は、特有の実施例として説明したが、これら実施例は単に例示したものであり、これらに限定されない。さらに、開示された実施例は、個々に図示され及び/又は記述された事項に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載した参照符号は、保護範囲を限定するものではない。「備える」、「含む」、「構成する」又はこれらの変形語並びにこれらの活用形の使用は、これら以外の他の部材の存在を除外するものではない。構成要素の前に記載する冠詞「a」、「an」又は「the」の使用は、これら構成要素の複数の存在を除外するものではない。
開示した実施例は、以下のように記述することもできる。荷電粒子ビーム(50)のエネルギーを減衰させ、異なる質量を有する2つのエネルギー減衰部材(A,B)を備えるエネルギーディグレーダ。このエネルギーディグレーダは、さらに、第1の移動中に2つのエネルギー減衰部材をそれぞれ第1及び第2の速度で粒子ビーム(50)を横切るように同時に移動させると共に、第2の移動中に2つのエネルギー減衰部材のうちの軽量の方のエネルギー減衰部材を第1の速度よりも高速の第3の速度で粒子ビームを横切るように移動させるように構成した駆動ユニット(10)を備える。

Claims (15)

  1. 荷電粒子ビーム(50)のエネルギーを減衰させるエネルギーディグレーダであって、
    交差する荷電粒子のエネルギーを減衰させるように構成した第1のエネルギー減衰部材(A)と、
    交差する荷電粒子のエネルギーを減衰させるように構成した第2のエネルギー減衰部材(B)と、
    前記第1及び第2のエネルギー減衰部材と作動的に連結され、第1及び/又は第2のエネルギー減衰部材を荷電粒子ビーム(50)を横切るように移動させるように構成した駆動ユニット(10)と
    を備えるエネルギーディグレーダにおいて、
    前記第1のエネルギー減衰部材(A)の質量(mA)は第2のエネルギー減衰部材(B)の質量(mB)よりも小さくされ、
    前記駆動ユニット(10)は、第1の移動中、第1のエネルギー減衰部材(A)を第1の速度(VA1)で第2のエネルギー減衰部材(B)を第2の移動速度(VB1)で同時に荷電粒子ビーム(50)を横切るように移動させるように構成され、
    前記駆動ユニット(10)は、第2の移動中、第1のエネルギー減衰部材(A)を第3の速度(VA2)で荷電粒子ビーム(50)を横切るように移動させるように構成され、
    前記第2の移動中における第3の速度(VA2)の平均速度は、前記第1の移動中における第2の速度(VB1)の平均速度よりも高速である
    ことを特徴とするエネルギーディグレーダ。
  2. 請求項1に記載のエネルギーディグレーダにおいて、
    前記第1のエネルギー減衰部材(A)の質量(mA)は第2のエネルギー減衰部材(B)の質量(mB)の0.5倍以下とした
    ことを特徴とするエネルギーディグレーダ。
  3. 先行する請求項のいずれか1項に記載のエネルギーディグレーダにおいて、
    前記第2の移動中における第3の速度(VA2)の平均速度は、前記第1の移動中における第2の速度(VB1)の平均速度の2倍以上とした
    ことを特徴とするエネルギーディグレーダ。
  4. 先行する請求項のいずれか1項に記載のエネルギーディグレーダにおいて、
    前記第1の移動中、前記第1の速度(VA1)の瞬時速度の直交成分(X)は、前記第2の速度(VB1)の瞬時速度の直交成分(X)に等しい
    ことを特徴とするエネルギーディグレーダ。
  5. 先行する請求項のいずれか1項に記載のエネルギーディグレーダにおいて、
    前記駆動ユニット(10)は、
    第1のエネルギー減衰部材(A)を第1の移動中は第1の速度で移動させ第2の移動中は第3の速度で移動させるように構成した第1のモーター(M1)と、
    第2のエネルギー減衰部材(B)を第1の移動中第2の速度で移動させるように構成した第2のモーター(M2)と
    を備えることを特徴とするエネルギーディグレーダ。
  6. 請求項5に記載のエネルギーディグレーダにおいて、
    前記第1のモーター(M1)の固定子は、第2のエネルギー減衰部材(B)に剛固に固定されている
    ことを特徴とするエネルギーディグレーダ。
  7. 先行する請求項のいずれか1項に記載のエネルギーディグレーダにおいて、
    前記第1のエネルギー減衰部材(A)は、第1のビーム入射面(A1)及び第1のビーム出射面(A2)を形成する楔形状を有し、
    第2のエネルギー減衰部材(B)は、第2のビーム入射面(B1)及び第2のビーム出射面(B2)を形成する楔形状を有し、
    前記第1及び第2のビーム入射面は平坦な面とし、
    前記第1及び第2のビーム出射面は平坦な面とし、
    前記第1及び第2の移動は、粒子ビーム(50)を横切る並進移動とした
    ことを特徴とするエネルギーディグレーダ。
  8. 請求項7に記載のエネルギーディグレーダにおいて、
    前記第1のビーム入射面は第2のビーム出射面と平行にされ、
    前記第1のビーム出射面は第2のビーム入射面と平行にされ、
    前記第1の移動中、第1の速度(VA1)の瞬時速度は第2の速度(VB1)の瞬時速度に等しい
    ことを特徴とするエネルギーディグレーダ。
  9. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のエネルギーディグレーダにおいて、
    前記第1のエネルギー減衰部材(A)は、第1の螺旋状ランプの部分形状を有する第1のビーム入射面(A1)、及び平坦なリングの部分形状を有し対向する第1のビーム出射面(A2)を有し、
    前記第2のエネルギー減衰部材(B)は、平坦なリングの部分形状を有し対向する第2のビーム入射面(B1)、及び第2の螺旋状ランプの部分形状を有し対向する第2のビーム出射面(B2)を有し、
    前記第1の螺旋状ランプは第2の螺旋状ランプに対して同軸にされ、
    前記第1及び第2の移動は、中心軸線(Z1)を中心とする回転移動とした
    ことを特徴とするエネルギーディグレーダ。
  10. 請求項9に記載のエネルギーディグレーダにおいて、
    前記第1の螺旋状ランプは第2の螺旋状ランプに対して整合し、
    前記第1のビーム出射面(A2)は、第2のビーム入射面(B1)と平行にされ、
    第1の移動中、第1の回転速度(VA1)の瞬時速度は第2の回転速度(VB1)の瞬時速度に等しい
    ことを特徴とするエネルギーディグレーダ。
  11. 先行する請求項のいずれか1項に記載のエネルギーディグレーダにおいて、
    前記駆動ユニット(10)並びに第1及び第2のエネルギー減衰部材は、前記第1及び第2の移動において、第1の減衰部材と第2の減衰部材との間の最大ギヤップが1cm以下となるように構成した
    ことを特徴とするエネルギーディグレーダ。
  12. 荷電粒子ビーム(50)を発生するように構成した粒子加速器(100)と、
    前記荷電粒子ビーム(50)のエネルギーを減衰させる、先行する請求項のいずれか1項に記載のエネルギーディグレーダと
    を備えることを特徴とする粒子線治療装置。
  13. 請求項12記載の粒子線治療装置において、
    前記粒子加速器(100)は、固定エネルギー加速器とした
    ことを特徴とする粒子線治療装置。
  14. 請求項12又は13記載の粒子線治療装置において、
    前記粒子加速器(100)は、サイクロトロンとした
    ことを特徴とする粒子線治療装置。
  15. 請求項14記載の粒子線治療装置において、
    前記粒子加速器(100)は、シンクロサイクロトロンとした
    ことを特徴とする粒子線治療装置。
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