JP2016107467A - 色彩変化印刷物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、蒲鉾状要素に金属顔料やパール顔料等の特殊な機能性材料をインキ中に配合した光輝性インキを必要とせず、レンズの厚さに依存することなく色彩の変化が表出する印刷物を提供する。【解決手段】本発明は、反射層と異なる色彩を有する有色の色要素を所定のピッチにより万線状に配列して形成した色要素群を備えた光反射性領域上に、光透過性を有する蒲鉾状画線群を積層することによって、正反射光下で色要素群が動的変化を奏する色彩変化印刷物である。【選択図】 図1
Description
本発明は、偽造防止効果を必要とするセキュリティ印刷物である銀行券、パスポ−ト、有価証券、身分証明書、カ−ド、通行券等の貴重印刷物の分野において、正反射光下で画像の色彩が大きく変化する色彩変化印刷物に関する。
近年のスキャナ、プリンタ、カラーコピー機等のデジタル機器の進展により、貴重印刷物の精巧な複製物を容易に作製することが可能となっている。そのような複製や偽造を防止するために、偽造防止技術が必要とされている。また、前述のような偽造防止技術の中でも、すかしやホログラム等に代表される、道具を必要とせず、印刷物を手にしたすべての人が、真偽判別に利用できる偽造防止技術が特に必要とされている。
このような道具を必要とせず、万人が真偽判別に利用できる偽造防止技術のひとつとして、光を反射させることで色彩が変化する機能性顔料を含んだインキである、光学的変化インキを利用した偽造防止技術がある。これらのインキを使用して印刷した画像は、光を反射することで色彩が変化するため、判別者は、その色彩変化を確認することで印刷物の真偽判別ができる。この光学的変化インキの代表例としては、日本銀行券全券種に使用されているパールインキや二千円券に使用されているOVI(Optical Variable Ink)等がある。前者は、特定の反射角度において画像が透明からピンク色に変化し、後者は青緑色から紫色に変化する。
一方、これらの光学的変化インキの色彩変化を進化させた技術として、動的な色彩変化を有する技術が存在する。動的な色彩変化とは、従来の技術のように、ある特定の反射角度で印刷画像全体の色彩がある色彩から異なる色彩へと一気に変化する色彩変化とは異なり、特定の反射角度において、印刷画像中のある一部の領域の色彩が、ある色彩から異なる色彩へと徐々に変化し、かつ、その領域も反射角度を変えることで動いて見える色彩変化を指す。この技術は、印刷画像中に出現した色彩の異なる領域が動いて見えることから与えるインパクトが強く、より高い真偽判別性を有する。
前述の動的な色彩変化を実現した技術は、磁性層を含有する光学的変化インキを印刷した後、磁場によりインキの配向性を変化させることで、色彩を制御するものが現在の技術的主流である(特許文献1及び特許文献2参照)。これらの技術は、現在、ユーロ券等に用いられている。この他に、類似の技術として、エンボス部の上に光干渉顔料を含むカラーシフト効果層を設けた技術であって、エンボスパターンの角度を変えることで色彩を制御する技術が存在する(特許文献3参照)
また、本出願人は、前述のような動的な色彩変化を、色彩の異なる二つの印刷画像の積層構造によって実現した印刷技術をすでに出願している。この技術は、特許文献1から3までの技術のように光学的変化インキ中に含まれる機能性材料の光学特性のみに依存するものではなく、それぞれの印刷画像を構成する二つのインキの光学特性と色彩の干渉によって動的な色彩変化を実現した技術である(特許文献4及び特許文献5参照)。
また、拡散反射光下で色変化を生じさせる印刷物としては、レンチキュラーやマイクロレンズアレイを用い、レンズ効果を利用してレンチキュラーやマイクロレンズアレイの下層に配された色要素の色彩をサンプリングする形態の公知技術も存在する。
パールインキやOVI等を用いて、ただ単に図柄を印刷した画像は、その色彩変化が単純であって、比較的模倣しやすいという問題があった。一方、特許文献1や特許文献2に記載の技術は、色彩変化は複雑だが、磁気で顔料を配向させるための専用の製造装置が必要であって、コスト高であるという問題があった。
また、特許文献1から特許文献3に記載のいずれの技術においても、正反射光下で印刷物中に生じる色彩変化は、インキ中に含まれる特定の機能性顔料の光学特性によって生じる効果であり、言い換えれば、機能性材料自体が発することができる色彩以外は、印刷物中に生じさせることはできない。例えば、正反射光下で印刷物に赤から緑へ色彩が変化する効果を付与するためには、正反射光下で赤から緑へ色彩が変化する機能性顔料が必要であり、青から黄色へ色彩が変化する効果を付与するためには、青から黄へと色彩が変化する機能性顔料が必要である。いずれの技術も、正反射光下で印刷物に生じさせうる色彩は、顔料メーカが提供する機能性顔料の光学特性に完全に依存しているため、印刷物を製造する印刷メーカ側の色彩設計の自由度が極めて低いという問題があった。
特許文献4及び特許文献5に記載の技術は、正反射光下で第一の色彩を発するインキを用いて盛り上がりのある蒲鉾状の画線を形成し、その上に第二の色彩を有したインキによる有色画線を重ね合わせることで形成する技術であり、正反射光下で第一の色彩と第二の色彩が動的に変化する、色彩変化に優れた技術である。本技術は、第一の色彩を有したインキと第二の色彩を有したインキを任意に選択することによって、正反射光下の動的な色彩変化を自由に設計することができるため、機能性顔料単体で表現できない色彩変化であっても、二つの異なるインキの組合せによって実現できるという特徴を有する。しかし、この技術の色彩変化を実現するためには、第一の色彩を有したインキを用いて形成する蒲鉾状画線において、光を強く反射する、いわゆる明暗フリップフロップ性が少なくとも必要であり、加えて、より優れた色彩変化を実現するためには、正反射光下で色相が変化する、いわゆるカラーフリップフロップ性が必要であった。盛り上がりを有する蒲鉾状画線に所望の光学特性を付与することは、盛り上がりのない平坦な画線に所望の特性を付与することとは全く異なり、インキ中の顔料の挙動や配向に関する高度な知見や優れた印刷技術が必須であり、技術的な難易度が高いという問題があった。また、特に優れた色彩変化を実現するためには、蒲鉾状画線の形成にパールインキや液晶インキ、OVI(Optical Variable Ink)、CSI(Color Shifting Ink)等のカラーフリップフロップ性に優れた機能性顔料を用いる必要があり、特許文献1や特許文献2の技術で必要とする機能性顔料ほど特殊ではないが、一定以上の性能を有する機能性顔料を用いなければならないという問題があった。
加えて、特許文献4及び特許文献5に記載の技術は、いずれも盛り上がりを有する蒲鉾状画線を複数配置した画像の上に、有色画線を複数配置して形成する技術であり、蒲鉾状画線はスクリーン印刷機で、潜像画像はオフセット印刷機やフレキソ印刷機で形成するのが一般的であった。このため、それぞれの印刷物を形成するにあたっては、スクリーン印刷を行った後、オフセット印刷を行う必要があり、これは、一般の印刷工程の常識的な印刷物の製造時の流れとは正反対であることから、従来技術の製造にあたって、通常の印刷ラインをそのまま適用することができず、専用の特別な印刷ラインを設計する必要があった。また、複数の印刷工程を経ず、一台の印刷機で製造することを考えた場合、スクリーン印刷やオフセット印刷等の印刷方式の異なる印刷ユニットを一台の印刷機中に具備したコンビネーション印刷機と称される印刷機であっても、通常、オフセット印刷やフレキソ印刷ユニットは、前刷りユニットとして備え、スクリーン印刷は、最終胴に後刷りユニットとして設置されているため、これらの技術を一台の印刷機で製造するためには、スクリーン印刷ユニットの後にオフセット印刷ユニットを備えた、専用の特別なコンビネーション印刷機が必要であるという問題があった。
レンチキュラーやマイクロレンズアレイを用いた技術は、レンズ効果を利用するために印刷物の厚みが、一般に紙媒体として流通させられる厚みを越えてしまう(約200μm)ことに加え、多くの場合、その基材は、プラスティックのみかプラスティックと紙の複合体に限定されるという問題があった。また、色彩変化は、拡散反射光下で生じることから、正反射光下で色彩変化が生じる技術群と比較して色彩変化や視認性に乏しいという問題があった。また構造が単純で、すでに商業印刷で広く用いられているため、偽造が容易であるという問題があった。
本発明は、上記課題の解決を目的とするものであり、従来の技術のように、蒲鉾状要素の形成にあたって、金属顔料やパール顔料等の特殊な機能性材料をインキ中に配合した光輝性インキを必要とせず、色彩変化の視認性と色彩のチェンジ効果や色彩の動画効果(グラデーションやモアレも含む。)を両立することが可能で、オフセット印刷を行った後にスクリーン印刷を重ねる一般的印刷物の製造工程の中で製造可能であり、レンチキュラーを用いた印刷物のように厚みが必要なく、ホログラムより安価で容易に製造可能であることを特徴とする。
本発明は、基材上の少なくとも一部に、印刷画像領域を備え、
印刷画像領域は、明暗フリップフロップ性及びカラーフリップフロップ性の少なくともいずれか一方の光学特性を有する光反射性領域と、前記光反射性領域上に積層された蒲鉾状要素群から成り、
光反射性領域は、
i)光学特性を有する基材自体上又は、基材上に形成した光学特性を有する反射層上に、正反射光下で基材自体又は反射層と異なる色彩を有する有色の色要素を所定のピッチにより万線状に配列して形成した色要素群、
又は、反射層の一部を除去して形成した有色の色要素を所定のピッチにより万線状に配列して形成した色要素群、又は、
ii)基材上に光学特性を有する有色の色要素を所定のピッチにより万線状に配列して形成した色要素群から成り、
蒲鉾状要素群は、光透過性、かつ、盛り上がりを有する蒲鉾状要素を、所定のピッチと同一又は異なるピッチにより、万線状に配列して形成されたことを特徴とする色彩変化印刷物である。
印刷画像領域は、明暗フリップフロップ性及びカラーフリップフロップ性の少なくともいずれか一方の光学特性を有する光反射性領域と、前記光反射性領域上に積層された蒲鉾状要素群から成り、
光反射性領域は、
i)光学特性を有する基材自体上又は、基材上に形成した光学特性を有する反射層上に、正反射光下で基材自体又は反射層と異なる色彩を有する有色の色要素を所定のピッチにより万線状に配列して形成した色要素群、
又は、反射層の一部を除去して形成した有色の色要素を所定のピッチにより万線状に配列して形成した色要素群、又は、
ii)基材上に光学特性を有する有色の色要素を所定のピッチにより万線状に配列して形成した色要素群から成り、
蒲鉾状要素群は、光透過性、かつ、盛り上がりを有する蒲鉾状要素を、所定のピッチと同一又は異なるピッチにより、万線状に配列して形成されたことを特徴とする色彩変化印刷物である。
本発明は、印刷画像領域が、異なる色彩から成る複数の色要素群を有することを特徴とする色彩変化印刷物である。
本発明は、色要素の所定のピッチと蒲鉾状要素の前記所定のピッチが異なる場合において、色要素の前記所定のピッチを100%として、蒲鉾状要素の所定のピッチが100%を除く、80%から120%の大きさであって、正反射光下における特定の観察角度において、印刷画像領域の色彩が動的に変化することを特徴とする色彩変化印刷物である。
本発明は、色要素群又は蒲鉾状要素群は、色要素又は蒲鉾状要素の一部の位相が異なることによって、有意情報を構成するポジ画線群とネガ画線群に区分けされ、正反射光下における特定の観察角度において、印刷画像領域の色彩が変化しながら、有意情報が出現することを特徴とする色彩変化印刷物である。
本発明の色彩変化印刷物においても、従来技術同様に、明暗フリップフロップ性やカラーフリップフロップ性が必要となるが、この特性は、基材や反射層、色要素群がその役割を担う構造であるため、スクリーン印刷で形成する蒲鉾状要素には、この特性が必要ない。このため、蒲鉾状要素は、透過性さえ有すれば良く、従来の技術のように特殊な光学特性をスクリーンインキが備える必要がなく、製造が容易である。
本発明の色彩変化印刷物では、オフセット印刷を行った後にスクリーン印刷を重ねる一般的印刷物の製造工程の中で製造可能であるため、通常の印刷ラインを流用して製造することが可能となった。
本発明の色彩変化印刷物において、生じる色彩変化は、色要素群の色彩に由来するため、特定の機能性材料の光学特性に依存しない。そのため、顔料メーカがその効果を実現できる機能性材料を販売していない色彩変化であっても、本色彩変化印刷物の色要素群の色彩を任意に選択することで容易に実現できるため、色彩設計の自由度が格段に向上した。
本発明の色彩変化印刷物は、基材自体の厚みを除くと、従来のレンチキュラーやマイクロレンズアレイを用いた技術の厚さの100分の1から10分の1程度の厚さで効果が生じるため、紙幣や商品券等の一般に流通する紙製品の厚さに容易に収まる。また、色彩変化は、正反射光下で生じる効果であり、レンチキュラーやマイクロレンズアレイを用いた技術と比較して色彩変化や視認性に優れる。
以上の手法で形成した色彩変化印刷物は、最新のデジタル機器を用いたとしても、色彩変化の再現は不可能であることから、偽造防止効果に優れる。
(第一の実施の形態)
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
図1に、第一の実施の形態における色彩変化印刷物(1)を示す。図1(a)に示すのは、色彩変化印刷物(1)の正面図であり、図1(b)に示すのは、色彩変化印刷物(1)のAA´ラインにおける断面図である。色彩変化印刷物(1)は、基材(2)の上に、印刷画像領域(3)が形成されて成る。基材(2)は、印刷画像領域(3)が形成できれば、紙であってもプラスティックであっても、金属等であってもよく、その材質は問わない。印刷画像領域(3)は、基材(2)と異なる色彩を有して成る。また、基材(2)の中に収まる限り、その大きさにも制限はない。
第一の実施の形態においては、主として、三層構造で構成した色彩変化印刷物(1)について説明するが、反射層(4)が存在せず、色要素群(5)自体が明暗フリップフロップ性やカラーフリップフロップ性を備えた形態や、基材(2)自体が明暗フリップフロップ性やカラーフリップフロップ性を備えた形態では、二層構造の形態となる。基材(2)自体が明暗フリップフロップ性やカラーフリップフロップ性を備えた形態では、基材(2)は、金属やプラスティックであることが望ましい。
本発明の印刷画像領域(3)の構成の概要を図2に示す。図2は、光反射性領域(図示せず。)を反射層(4)で形成した一例であり、光反射性領域(図示せず。)は、反射層(4)のみならず、基材(2)自体、又は色要素群(5)であってもよく、基材(2)自体又は色要素群(5)が光反射性領域(図示せず。)を有する場合については、後述する。第一の実施の形態における、色彩変化印刷物(1)の印刷画像領域(3)は、三つの層から成る。すなわち、反射層(4)の上に、色要素群(5)が重なり、色要素群(5)の上に蒲鉾状要素群(6)が重ね合さって成る。本発明の色彩変化印刷物(1)の印刷画像領域(3)は、反射層(4)と色要素群(5)、蒲鉾状要素群(6)の全ての層が重なり合った領域がそれにあたる。このため、本実施の形態における印刷画像領域(3)とは、数字の「10」を表した領域であり、反射層(4)に含まれる数字の「10」以外の領域は、必須ではない、単なる付加的要素、もしくはデザイン上の修飾要素であると見なす。
まず、反射層(4)に要求される特性について説明する。反射層(4)は、任意の形状を取りうる。反射層(4)は、正反射光下で強く光を反射して明度が上がる、いわゆる明暗フリップフロップ性か、あるいは正反射光下で色相が変化する、いわゆるカラーフリップフロップ性の少なくともいずれか一方の光学特性を備える必要がある。明暗カラーフリップフロップ性は、透明フィルムや金属フィルム、金属箔、OVD、金属テープ、樹脂、プラスティック、金属インキやグロス系インキ等が備える。
一方のカラーフリップフロップ性を備えた材料としては、干渉フィルム、回折フィルム、ホログラムフィルム等が存在し、印刷で用いるインキとしては、パールインキや液晶インキ、OVI、CSI(Color Shifting Ink)等が存在する。多くのインキは、物体色を有するが、虹彩色パールインキは、無色透明である。例えば、赤色の虹彩色パールインキは、拡散反射光下では無色透明だが、正反射光下では赤色の干渉色を発する。このように、カラーフリップフロップ性を備えた反射層(4)は、正反射光下で色相自体が変化する。また、反射層(4)は、光を拡散することなく、入射した光の角度と逆方向の同じ角度近傍の極めて狭い角度範囲のみに光を反射する光学特性を有することが望ましい。反射層(4)を一般的な印刷インキで形成する場合、フィルム等で形成された反射層(4)と比較して、反射光が拡散して正反射角度が広い角度にワイドに広がりやすい傾向にあり、この場合には、本発明の効果は、低下するため、用いるインキの光学特性には、注意して選定する必要である。
図3(a)に、色要素群(5)を示す。色要素群(5)は、反射層(4)が正反射光下で発する色彩とは、異なる色彩を有する任意の要素幅(W1)の色要素(7)を、特定のピッチ(P1)で第一の方向(図中S1方向)に規則的に複数配されて成る。この色要素(7)の色彩は、着色されて物体色を有する必要があり、透明であってはならない。要素幅(W1)は、一定の値である必要はなく、それぞれの色要素(7)間で異なっていても良い。また、第一の方向(S1)とは、直線方向ではなく、特開2014−151557号記載のように、画線方向が連続的に変化するような曲線状に方向が変化していても良い。色要素(7)は、盛り上がりの高さが要ないため、印刷方式については、任意の方式を用い得る。一般的には、コストパフォーマンスの高いオフセット印刷や凸版印刷等の印刷方式で形成すれば良い。また、IJPやレーザプリンタ等で形成しても良い。また、色要素(7)の形状は、直線に限るものではなく、曲線や破線、波線等であってもよく、あるいは画素であってもよい。画素は、特定の文字や数字、マーク、記号等を表した微小画素で形成しても良い。
図3(b)に、蒲鉾状要素群(6)を示す。蒲鉾状要素群(6)は、盛り上がりを有した、任意の要素幅(W2)の蒲鉾状要素(8)が特定のピッチ(P2)で第二の方向(図中S2方向)に規則的に複数配されて成る。この蒲鉾状要素(8)は、光透過性を有する必要がある。完全に光を遮断してしまう程度の物体色を有してはならない。透明、もしくは半透明であることが望ましい。また、要素幅(W2)は、一定の値である必要はなく、それぞれの蒲鉾状要素(8)間で異なっていても良い。また、第二の方向(S2)とは、直線方向ではなく、色要素(7)と同じ曲線状に方向が変化していても良い。蒲鉾状要素(8)の盛り上がり高さの下限は、3μm程度から本発明の効果は生じる。高さの上限の制限は、特にないが、大量に積載した場合の安定性や耐摩擦性、流通適性等を考慮して1mm以下とする。特に効果の高い盛り上がり高さは、10μmから30μmである。また、蒲鉾状要素(8)の表面は、滑らかであることが望ましい。
また、蒲鉾状要素(8)の形状は、色要素(7)同様に直線に限るものではなく、曲線や破線、波線等であってもよく、あるいは画素であってもよい。より具体的には、立体的な曲面形状、すなわち盛り上がりを有する構造であって、かつ、少なくとも第二の方向(図中S2方向)と直交する方向を軸として左右対称な形状であれば、如何なる形状であっても良い。盛り上がりを有する円形の画素、半楕円球、蒲鉾形状等の一定の曲率を持った左右対称な形状、三角柱、五角柱、六角柱等の多角柱などの立体的な曲面形状を有し、平面形状が円形状や楕円状等の曲線を有する形状、三角形、五角形及び六角形等の多角形等であっても良い。よって、本発明の効果は、色要素(7)及び蒲鉾状要素(8)のいずれの形状にもこだわることなく、光反射性領域と蒲鉾状要素群(6)との層構成により実現される。なお、本発明において、「万線状」とは、複数の要素が規則的に所定のピッチで配列されている状態をいう。
以上のような構成の蒲鉾状要素群(6)を、印刷画線に盛りあがりを形成できる印刷方式によって形成する。充分な盛り上がり高さを確保するために、スクリーン印刷や凹版印刷等で形成することが望ましいが、グラビア印刷やフレキソ印刷、凸版印刷、IJP等であっても、この程度の画線の盛りあがり高さを形成することは可能である。
なお、色要素群(5)の特定のピッチ(P1)と、蒲鉾状要素群(6)の特定のピッチ(P2)とは、同じでも異なっていても良い。同じ場合には、色変化は、特定の角度で、印刷画像領域(3)全体で一気に生じる形態であり、異なっている場合には、色要素(7)と蒲鉾状要素(8)の二つの要素が干渉してモアレが生じ、徐々に動いて視認される効果が生じる形態となる。色要素群(5)の特定のピッチ(P1)と、蒲鉾状要素群(6)の特定のピッチ(P2)が異なる場合、二つのピッチが近ければ近いほど、出現するモアレの数は、少なく、動きは、早くなり、大きく異なっていれば、出現するモアレの数は多く、動きは遅くなる。認証性を考慮すると、色要素群(5)のピッチ(P1)が、蒲鉾状要素群(6)のピッチ(P2)の100%を除く、80%から120%の大きさであることが望ましい。
また、第一の方向(S1)と第二の方向(S2)は、同じであっても異なっていても良い。同じ場合には、ピッチの場合と同様に、特定の角度で、印刷画像領域(3)全体で色変化が一気に生じる形態となり、異なっている場合には、色要素(7)と蒲鉾状要素(8)の二つの要素が干渉してモアレが生じ、徐々に動いて視認される効果が生じる形態となる。第一の方向(S1)と第二の方向(S2)の角度差は、10°以内に留めるのが、色彩変化を効果的に見せる上で望ましい。なお、第一の実施の形態では、ピッチ(P1)とピッチ(P2)とが異なる値であり、第一の方向(S1)と第二の方向(S2)が、同じ方向である例について説明する。
以上の構成で形成した色彩変化印刷物(1)の効果を、図4に示す。この効果の説明では、色彩変化印刷物(1)の反射層(4)は、蒸着アルミフィルムを貼付して形成し、色要素群(5)を赤色の物体色の着色インキで形成し、蒲鉾状要素群(6)は、透明なインキで形成したと仮定する。拡散反射光下では、反射層(4)の銀色の色彩と色要素群(5)の赤色の色彩とが合成された、暗い赤色で視認される(図示せず)。図4(a)に示すように、色彩変化印刷物(1)のA´辺側にある光源(10)から光が入射し、色彩変化印刷物(1)から生じる正反射光を観察者(9)が観察した場合、反射層(4)が強く光を反射することで、全体として極めて明るい白色に変化した印刷画像領域(3)のややA´端よりに、暗い赤色から淡い赤色までの美しいグラデーションを伴った大きな干渉縞(11)(モアレ:以後、赤色の干渉縞と記載する)が視認できる。また、図4(b)に示すように、色彩変化印刷物(1)の直上に光源(10)が移動し、色彩変化印刷物(1)から生じる正反射光を観察者(9)が観察した場合、白色の印刷画像領域(3)の中に生じる赤色の干渉縞(11)が上端へと移動し、かつ、下端にも別の赤色の干渉縞(11)が現れる。続いて、図4(c)に示すように、色彩変化印刷物(1)のA辺側に光源(10)が移動し、色彩変化印刷物(1)から生じる正反射光を観察者(9)が観察した場合、白色の印刷画像領域(3)の中の赤色の干渉縞(11)が、下から上へと移動する。本明細書における効果の図は、効果を把握しやすいように、色彩変化印刷物(1)と光源(10)の角度をデフォルメして記載しているが、実際の図4(a)から図4(c)の角度の差は、大きくとも10度以下であり、実際には、光源(10)から入射する光に対して、色彩変化印刷物(1)の角度をわずかに変えるだけで、前述の図4(a)から図4(c)までの効果が生じる。以上のように、わずかな観察角度の変化で、強く光を反射して変化した白色の印刷画像領域(3)の中に、彩度の高い赤色の美しいグラデーションを伴った干渉縞(11)が、ゆるやかに動いて見える動的な色彩変化が生じる。
以上のような効果が生じる原理について説明する。まず、拡散反射光下における印刷画像領域(3)の色彩について説明する。拡散反射光下において、印刷画像領域(3)が強い正反射光を発することがないことから、反射層(4)と色要素群(5)と蒲鉾状要素群(6)、それぞれの物体色の減法混色による合成色で視認される。本実施例において、反射層(4)は、銀色(灰色)であり、色要素群(5)は、赤色であり、蒲鉾状要素群(6)は、透明であることから、印刷画像領域(3)は、灰色と赤色と透明の合成色である暗い赤色として視認される。
次に、正反射光下のある特定の観察角度において、赤色の縞(11)が出現し、また、異なる観察角度において、赤色の縞(11)が移動する原理について、図5を用いて説明する。図5(a)は、入射した光が反射層(4)で正反射した状態を示し、図5(b)は、入射した光が色要素(7)の一つで正反射した状態を示す。
図5(a)に示すように、光源(10)から照射された光のうち、蒲鉾状要素(8)の表面の角度と直角に近い入射角度を成す光(10A)は、蒲鉾状要素(8)内部に侵入することができるが、それ以外の入射角度の光(10B、10C)は、蒲鉾状要素(8)の表面で反射されて蒲鉾状要素(8)内部に侵入できない。このように光源(10)から照射された光のうち、蒲鉾状要素(8)内部に侵入できる光が、まず、特定の入射角度の光(10A)に制限される。
なお、蒲鉾状要素(8)内部に侵入できた光は、わずかな屈折が生じて角度が変化するものの、もともと蒲鉾状要素(8)の厚さは、数μm程度である場合もあり、この光の屈性の影響は、ほとんどない。図5(a)のように入射した光が、反射層(4)で反射した場合、入射した光の角度と逆の同じ角度に対して極めて強い正反射光(12S)を生じ、それ以外の角度に対しては、弱い拡散反射光(12D)を生じる。この拡散反射光(12D)は、正反射光(12S)と比較すると光量が相対的に著しく小さいため、観察者(9)には、この拡散反射光(12D)の存在は認識できず、正反射光(12S)のみが視認される。この場合、生じた強い正反射光は、反射層(4)の光学特性に依存するため、反射層(4)の正反射光下の色彩が支配的となる。第一の実施の形態の例で言えば、白色の反射光となる。
一方、図5(b)のように、入射した光が反射層(4)ではなく、色要素(7)で反射した場合、入射した光の角度と逆の同じ角度に対して正反射光(12S´)を生じ、それ以外の角度に対しては、弱い拡散反射光(12D´)を生じる。この拡散反射光(12D´)は、正反射光(12S´)と比較すると光量が相対的に著しく小さいため、観察者(9´)には、この拡散反射光(12D´)の存在は認識できず、正反射光(12S´)のみが視認される。この場合、生じた強い正反射光(12S´)は、反射層(4)よりも色要素(7)の正反射光下の光学特性に依存するため、色要素(7)の正反射光下の色彩が支配的となる。第一の実施の形態の例で言えば、色要素(7)は、赤色の物体色で形成されているため、赤色の反射光となる。
以上のように、拡散反射光である(12D)と(12D´)は、それぞれの光の量や色彩に大きな差異はなく、正反射光である(12S)と(12S´)と比較して著しく小さいため、正反射光下では、その存在をほぼ認識できない。一方、正反射光である(12S)と(12S´)の光量や光の色彩の差異は、反射層(4)と色要素(7)の光学特性によって異なるが、基本的には、色要素(7)によって、光の吸収、減衰が生じるために、(12S´)は、(12S)よりも光量が小さくなるとともに、(12S)の色彩は、反射層(4)の正反射光下の色彩が支配的となる一方、(12S´)の色彩は、色要素(7)の色彩が支配的となる。すなわち、印刷画像領域(3)に光が入射した場合、蒲鉾状要素(8)内部に侵入した光が反射層(4)で反射されたか、色要素(7)で反射されたかによって、反射光の色相が変化する。第一の実施の形態で言えば、反射層(4)で反射された正反射光は、白色となり、色要素(7)で反射された正反射光は、赤色となる。
入射する光は、それぞれの蒲鉾状要素(8)の画線表面の角度と直交する角度でしか蒲鉾状要素(8)内部に入射できないため、それぞれの蒲鉾状要素(8)内部に入射して反射層(4)や色要素群(5)まで達する光は、蒲鉾状要素(8)と平行で、かつ蒲鉾状要素(8)の配置ピッチ(P2)と略等しい間隔で並ぶこととなる。第一の実施の形態において、色要素(7)の配置ピッチ(P1)と蒲鉾状要素(8)のピッチ(P2)は、異なるため、色要素(7)の配置ピッチ(P1)と、蒲鉾状要素(8)内部に入射した光のピッチ(P2)も異なり、それぞれがわずかにずれた状態で干渉することとなる。このため、それぞれの蒲鉾状要素(8)に入射した光は、色要素(7)との位置関係のずれに応じて、色要素(7)との干渉の強さが連続的に変化する。すなわち、入射光と色要素(7)のピッチのずれによって、その干渉に連続的な強弱の変化が生じ、二つの異なる色相の干渉縞(モアレ)が生じる。これが、正反射光下のある特定の観察角度において赤色の縞(11)が出現する原理である。第一の実施の形態とは異なるが、仮に、色要素(7)の配置ピッチ(P1)と蒲鉾状要素(8)のピッチ(P2)が同じであれば、干渉縞は出現せず、正反射光下のある特定の観察角度では、印刷画像領域(3)全体が白色となり、異なる観察角度では、印刷画像領域(3)全体が赤色へと変化する。すなわち、色相変化が、特定の角度で、印刷画像領域(3)全体で一気に生じる効果となる。
また、観察角度が変わることで、印刷画像領域(3)に入射する光の角度が変化した場合、蒲鉾状要素(8)の画線表面の角度と直交して内部に侵入する光の入射角度が変化する。光の入射角度が変化することで、入射光と色要素(7)との位置関係が変化して干渉が強い位置、弱い位置の位相も変化する。これによって、光と色要素(7)との干渉が、色相の違いとなって、現れた干渉縞(モアレ)の位相が変化する。これが、第一の実施の形態において、異なる観察角度において赤色の縞(11)が移動した原理である。
以上が、本発明の効果が生じる原理であり、すなわち、正反射光下で生じる動的な色彩変化は、入射光と、色要素(7)及び反射層(4)との干渉によって生じる。色彩を大きく変化させるために、反射層(4)の正反射光下の色彩と色要素(7)の色彩は、補色か、それに近い関係とすることが望ましい。印刷画像領域(3)中に現れる色彩は、反射層(4)の色彩と色要素(7)の色彩を合成した色彩に限定されるが、干渉の強弱によって、反射層(4)の色彩が強い部分や色要素(7)の色彩が強い部分、完全な中間色となる部分等が存在することから、印刷画像領域(3)全体に、繊細で鮮やかなグラデーションを生じさせることができる。
第一の実施の形態では、干渉によって生じた干渉縞(11)は、印刷画像領域(3)の水平方向に生じたが、干渉縞(11)の方向とその動きの方向は、これに限定されるものではなく、任意に変えることができる。色要素(7)と蒲鉾状要素(8)のいずれか、あるいは、両方の要素の角度を傾けることで、生じる干渉縞(11)の方向と動きの方向を変えることができる。仮に、干渉縞(11)を90度回転させて、垂直方向に伸びた縦方向の縞として、動きの方法を水平方向に変えたい場合には、色要素(7)と蒲鉾状要素(8)の両方を90度回転させれば良い。この場合、縦方向の伸びる縦縞は、色彩変化印刷物(1)を傾けた場合に左右方向に移動するため、縦縞に両眼視差を用いた遠近感を付与することができ、より多彩な表現が可能となる。この両眼視差を用いた干渉縞(11)の遠近感の制御については、W2009/139396号公報に記載のモアレの構成を準用すればよい。
第一の実施の形態では、正反射光下で白から赤へ色彩が変化する効果を、アルミ箔の反射層と赤色の着色インキを用いて実現したが、同じ効果は、赤色の干渉色を発する薄膜干渉フィルム等で作製した反射層と白色の着色インキを用いても同様に実現できる。また、本発明の効果は、この色彩に限定されるものではなく、紫から黄や、青から橙等の様々な色彩変化を実現できる。また、正反射光下で生じる色彩は、二つに限定されるものではなく、三つ以上の色彩を表現することもできる。三つの色彩を表現する例については、第三の実施の形態で具体的に説明する。
本発明の色彩変化印刷物(1)で生じる色彩変化とは、正反射光下で生じる効果であり、正反射光下のある特定の角度で観察した場合と、正反射光下の異なる角度で観察した場合とで色彩が変わる効果である。従来の色変化を特徴とした印刷物の多くは、拡散反射光下で見える色彩と、正反射光下で見える色彩が異なることを特徴とするものが多いが、本発明の色彩変化印刷物(1)は、これらの従来の色変化を特徴とした印刷物とは、この変化が生じる条件が大きく異なる。従来の技術のように、拡散反射光下で見える色彩と、正反射光下で見える色彩とを変えるのは容易であり、最も単純な方法としては、例えば緑色で印刷したベタ画像に、赤色の干渉色を発する虹彩色パールインキで印刷したベタ画像を重ねればよい。また、同じインキの中に、緑色の着色顔料と赤色の干渉色を発する虹彩色パールインキを配合して、ベタで印刷しても同様な効果が得られる。以上のような手法で形成した印刷画像は、拡散反射光時には、緑色で見え、正反射光下では、赤色で見える。このように、拡散反射光下の色彩と正反射光下の色彩を変えることは容易であり、従来の技術によって、すでに実現されてきた効果であって、本発明の色彩変化印刷物(1)のように、正反射光下のわずかな角度の変化で生じる色彩変化とは、大きく異なる。
反射層(4)と、色要素群(5)及び蒲鉾状要素群(6)の形状が異なった形態であった第一の実施の形態と異なり、図6に反射層(4a)及び色要素群(5a)、蒲鉾状要素群(6a)が、すべて同じ形状と大きさで形成した形態を示す。このような形態の場合、反射層(4a)の上に完全に重なるように、色要素群(5a)及び蒲鉾状要素群(6a)の位置を合わせる必要があるものの、第一の実施の形態のように、色要素群(5a)及び蒲鉾状要素群(6a)が重なっていない反射層(4a)が、視認されることがないことから、印刷画像領域(3a)の層構造や構成を把握しづらいため、偽造抵抗力に優れた構成である。
また、第一の実施の形態においては、反射層(4)を設けたうえで、その上に色要素群(5)を重ね、その上に蒲鉾状要素群(6)を重ねて構成する、三層構造の形態について説明したが、図7に、反射層(4)を有しない二層構造の形態を示す。本例は、色要素群又は基材自体が光反射性領域(図示せず。)である一例であり、この形態には、色要素群(5b)が、明暗フリップフロップ性か、カラーフリップフロップ性を備える形態と、基材自体(2)が、明暗フリップフロップ性か、カラーフリップフロップ性を備える形態とが存在する。明暗フリップフロップ性か、カラーフリップフロップ性が、色要素群(5b)によって担保されるか、基材自体(2)によって担保されるかが異なるが、いずれも簡潔な層構造となり、製造が容易であるという特徴がある。
第一の実施の形態では、反射層(4)上に印刷インキやプリンタインキ等の色材によって有色の色要素群(5)を形成する形態について説明したが、反射層(4)と異なる色相の色要素群(5)を形成できるのであれば、反射層(4)自体をレーザーで切削したり、元々反射層に空白を設ける等の構成を用いることによって、本発明の色彩変化印刷物(1)を形成しても良い。この場合、色彩変化印刷物(1)の層構造は、二層構造となる。このような形態でも、本発明の色彩変化印刷物(1)は、形成可能である。
なお、本明細書中でいう正反射とは、物質にある入射角度で光が入射した場合に、入射した光の角度と略等しい角度に強い反射光が生じる現象を指し、拡散反射とは、物質にある入射角度で光が入射した場合に、入射した光の角度と異なる角度に弱い反射光が生じる現象を指す。正反射光下で観察するとは、印刷物に入射した光の角度と略等しい反射角度に視点をおいて観察する状態を指し、拡散反射光下で観察するとは、印刷物に入射した光の角度と大きく異なる角度で観察する状態を指す。
また、本明細書中でいう明度とは、色の明るさを指し、高い場合には明るく、低い場合には暗い。また、彩度とは、色の鮮やかさの度合いを指す。加えて、本発明における「色彩」とは、色相、彩度及び明度の概念を含んで色を表したものであり、また、「色相」とは、赤、青、黄といった色の様相のことであり、具体的には、可視光領域(400〜700nm)の特定の波長の強弱の分布を示すものである。本明細書中では、特に、白や黒も一つの色相とする。本発明における「色相が同じ」とは、二つの色において赤、青、黄といった色の様相が一致し、可視光領域の波長の強弱の分布が二つの色において相関を有することである。
(第二の実施の形態)
第一の実施の形態では、正反射光下で印刷画像領域中の一部の領域の色彩が徐々に変化する、いわゆる動的な色彩変化を実現するための構成について説明したが、第二の実施の形態では、正反射光下で観察角度の変化に応じて、印刷画像領域(3´)中の一部の領域ではなく、印刷画像領域(3´)画像全体の色彩が一気に変化し、かつ隠蔽されていた有意情報が出現する構成について説明する。
第一の実施の形態では、正反射光下で印刷画像領域中の一部の領域の色彩が徐々に変化する、いわゆる動的な色彩変化を実現するための構成について説明したが、第二の実施の形態では、正反射光下で観察角度の変化に応じて、印刷画像領域(3´)中の一部の領域ではなく、印刷画像領域(3´)画像全体の色彩が一気に変化し、かつ隠蔽されていた有意情報が出現する構成について説明する。
図8に、第二の実施の形態における色彩変化印刷物(1´)を示す。本明細書においては、説明を明瞭にすることを目的に画線構成を簡易化したため、本来隠蔽されるべきアルファベットの「NPB」の文字がわずかに視認されているが、実際の印刷物では、「NPB」の文字は拡散反射光下で不可視である。色彩変化印刷物(1´)は、基材(2´)と異なる色彩で形成されて成る。
図9に、第二の実施の形態における色彩変化印刷物(1´)の印刷画像領域(3´)の構成の概要を示す。印刷画像領域(3´)は、反射層(4´)と、色要素群(5´)、蒲鉾状要素群(6´)の三層構造から成る。また、色要素群(5´)は、特定の有意情報をポジの状態で表したポジ色要素群(5P´)と、ネガの状態で表したネガ色要素群(5N´)とから成る。
反射層(4´)は、第一の実施の形態と同じく任意の形状を取りうる。反射層(4´)は、正反射下で強く光を反射して明度が上がる、いわゆる明暗フリップフロップ性か、あるいは正反射下で色相が変化する、いわゆるカラーフリップフロップ性の少なくともいずれか一方の光学特性を備える必要があることも、第一の実施の形態と同じである。
図10に、色要素群(5´)を示す。第二の実施の形態の色要素群(5´)は、反射層(4´)とは、異なる色相を有して着色されて成り、また、色要素群(5´)中に特定の有意情報を備えて成る。本例における有意情報は、アルファベットの「NPB」の文字である。第二の実施の形態の色要素群(5´)は、アルファベットの「NPB」の文字をポジの状態で表したポジ色要素群(5P´)と、アルファベットの「NPB」の文字をネガの状態で表したネガ色要素群(5N´)とから成る。
ポジ色要素群(5P´)は、特定の画線幅(W1)のポジ色要素(7P´)が第一の方向(図中S1方向)に、特定のピッチ(P1)により規則的に複数配置されて成る。また、ネガ色要素群(5N´)は、特定の画線幅(W1)のネガ色要素(7N´)が第一の方向(図中S1方向)に、特定のピッチ(P1)により規則的に複数配置されて成る。ポジ色要素(7P´)とネガ色要素(7N´)は、同じ画線幅(W1)を有し、同じ方向(S1方向)に、同じピッチ(P1)で配置されることで、ポジ色要素(7P´)とネガ色要素(7N´)を嵌め合わさった場合に、アルファベットの「NPB」の文字が不可視となる構成を有する。ポジ色要素(7P´)とネガ色要素(7N´)の位相は、第一の方向(S1方向)に一定の位相だけずれて配されて、色要素群(5´)を構成して成る。色要素(7´)に要求される特性は、第一の実施の形態と同様であることから、説明を省略する。
図11に、第二の実施の形態における蒲鉾状要素群(6´)を示す。特定の要素幅(W2)を有し、盛り上がりを有した蒲鉾状要素(8´)が、第二の方向(図中S2方向)に特定のピッチ(P1)で、規則的に複数配置されて成る。第二の実施の形態においては、蒲鉾状要素(8´)と色要素(7´)の配置ピッチが、それぞれ特定のピッチ(P1)で同じ値である形態について説明する。なお、蒲鉾状要素(8´)に要求される特性は、第一の実施の形態と同様であることから説明を省略する。
図12に、ポジ色要素(7P´)及びネガ色要素(7N´)、蒲鉾状要素(8´)の適切な重なり合いの位置関係について示す。それぞれのポジ色要素(7P´)及びネガ色要素(7N´)は、少なくとも一部が蒲鉾状要素(8´)と重なって形成される必要がある。いずれかが重なっていない場合、正反射光下の色彩変化の効果が生じないためである。
以上の構成で形成した色彩変化印刷物(1´)の効果を図13に示す。第一の実施の形態の例と同様に、色彩変化印刷物(1´)の反射層(4´)を、明暗フリップフロップ性を有する蒸着アルミ箔で形成し、色要素群(5´)を赤色の物体色の着色インキで形成し、蒲鉾状要素群(6´)を透明インキで形成したと仮定する。図13(a)に示すように、色彩変化印刷物(1´)のA´辺側にある光源(10´)から光が入射し、色彩変化印刷物(1´)から生じる正反射光を観察者(9´)が観察した場合、印刷画像領域(3´)中の「NPB」の文字全体が赤色の色彩で視認され、印刷画像領域(3´)のその他の領域は、白色に視認される。また、図13(b)に示すように、色彩変化印刷物(1´)の直上に光源(10´)が移動し、色彩変化印刷物(1´)から生じる正反射光を観察者(9´)が観察した場合、「NPB」の文字が消失し、印刷画像領域(3´)全体が、淡い赤色の色彩で見える。図13(c)に示すように、色彩変化印刷物(1´)のA辺側に光源(10´)が移動し、色彩変化印刷物(1´)から生じる正反射光を観察者(9´)が観察した場合、「NPB」の文字全体が白色の色彩で視認され、印刷画像領域(3´)のその他の領域は、赤色に視認される。すなわち、正反射光下のわずかな観察角度の変化で、印刷画像領域(3´)の中に、色要素群(5´)が備えた有意情報である「NPB」の文字が出現し、色彩が赤色から白色へと変化する。
第二の実施の形態では、特定の有意情報をネガポジ状態で表したポジ色要素群(5P´)とネガ色要素群(5N´)を嵌め合わせて色要素群(5´)を構成することで、拡散反射光下で隠蔽されていた有意情報が正反射光下の特定の角度で出現する、潜像としての効果が生じる。また、第二の実施の形態において、蒲鉾状要素群(6´)のピッチを色要素群(5´)のピッチと同じ値とすることで、第一の実施の形態のように干渉縞(11)が出現して動いて見える動的な効果が生じるのではなく、印刷画像領域(3´)全体の色彩が、入射する光の角度に応じて、色相が一気に変化する効果が生じる。以上のように、第二の実施の形態の色彩変化印刷物(1´)は、正反射光下で角度を変化させることで、特定の有意情報を出現させたり、色彩を一気に変化させることが可能である。なお、当然のことながら、第一の実施の形態のように色要素群(5´)と蒲鉾状要素群(6´)のピッチを異なるピッチとすることで、「NPB」の文字と背景に動的な色彩変化を生じさせることもできることは、いうまでもない。
(第三の実施の形態)
第一の実施の形態及び第二の実施の形態では、印刷画像領域(3、3´)中に出現する色相が二つの色相に限定された形態について説明したが、第三の実施の形態では、正反射光下で観察角度の変化に応じて、印刷画像領域(3´´)中の色彩が三つの異なる色相に変化する、より色彩表現豊かな形態について説明する。
第一の実施の形態及び第二の実施の形態では、印刷画像領域(3、3´)中に出現する色相が二つの色相に限定された形態について説明したが、第三の実施の形態では、正反射光下で観察角度の変化に応じて、印刷画像領域(3´´)中の色彩が三つの異なる色相に変化する、より色彩表現豊かな形態について説明する。
図14に、第三の実施の形態における色彩変化印刷物(1´´)を示す。本例では、画線構成を簡易化したため、本来隠蔽されるべきアルファベットの「NPB」の文字がわずかに視認されているが、実際の印刷物では、「NPB」の文字は拡散反射光下で不可視である。色彩変化印刷物(1´´)は、基材(2´´)と異なる色彩で形成されて成る。
図15に、第三の実施の形態における色彩変化印刷物(1´´)の印刷画像領域(3´´)の構成の概要を示す。印刷画像領域(3´´)は、反射層(4´´)と、第一の色要素群(5a´´)及び第二の色要素群(5b´´)、並びに蒲鉾状要素群(6´´)の三層構造から成る。なお、この場合、第一の色要素群(5a´´)及び第二の色要素群(5b´´)は、同じ層に形成されていると考える。第二の実施の形態と同様に、第一の色要素群(5a´´)は、アルファベットの「NPB」の文字をポジの状態で表したポジ色要素群(5P´´)と、アルファベットの「NPB」の文字をネガの状態で表したネガ色要素群(5N´´)とから成る。第一の色要素群(5a´´)と第二の色要素群(5b´´)とは、それぞれ異なる色相の物体色で形成されて成る。
第一の色要素群(5a´´)及び蒲鉾状要素群(6´´)、反射層(4´´)の構成は、第二の実施の形態の例と同じであるため、説明を省略する。図16に、第二の色要素群(5b´´)を示す。第二の色要素群(5b´´)は、反射層(4´´)の正反射下における色彩とは異なる色相で、かつ、第一の色要素群(5a´´)の色彩とも異なる色彩を有して着色されて成る。第一の色要素群(5a´´)の色彩と第二の色要素群(5b´´)の色彩は、補色関係か、それに近い関係にあることが、本発明の色彩変化を効果的に見せる上で好ましい。
第二の色要素群(5b´´)は、特定の画線幅(W3)の第二の色要素(13´´)が第三の方向(図中S3方向)に、特定のピッチ(P3)により規則的に複数配置されて成る。第三の方向(S3)は、第一の方向(S1)や第二の方向(S2)と同じであっても、異なっていても良い。異なっている場合は、それぞれの方向との角度差は、10°以内に留めるのが、色彩変化を効果的に見せる上で望ましい。また、第二の色要素群(5b´´)のピッチ(P3)についても、第一の色要素群(5a´´)のピッチや蒲鉾状要素群(6´´)のピッチと同じであっても、異なっていても良い。異なっている場合、認証性を考慮すると、色要素(5)のピッチ(P1)が、蒲鉾状要素群(6´´)のピッチ(P2)の100%を除く、80%から120%の大きさであることが望ましい。
図17に、ポジ色要素(7P´´)及びネガ色要素(7N´´)、第二の色要素(13´´)、蒲鉾状要素(8´´)の適切な重なり合いの位置関係について示す。それぞれのポジ色要素(7P´´)及びネガ色要素群(7N´´)、第二の色要素(13´´)は、少なくとも一部が蒲鉾状要素(8´´)と重なって形成される必要がある。いずれかが重なっていない場合、正反射光下の色彩変化の効果が損なわれるためである。
以上の構成で形成した色彩変化印刷物(1´´)の効果を図18に示す。第二の実施の形態の例と同様に、色彩変化印刷物(1´´)の反射層(4´´)を優れた明暗フリップフロップ性を有する蒸着アルミ箔で形成し、第一の色要素群(5´´)を赤色の物体色の着色インキで形成し、第二の色要素群(5b´´)を緑色の物体色を有する着色インキで形成し、蒲鉾状要素群(6´´)を透明インキで形成したと仮定する。図18(a)に示すように、色彩変化印刷物(1´´)のA´辺側にある光源(10´´)から光が入射し、色彩変化印刷物(1´´)から生じる正反射光を観察者(9´´)が観察した場合、印刷画像領域(3´´)中の「NPB」の文字全体が赤色の色彩で視認され、印刷画像領域(3´´)のその他の領域は、白色に視認され、その中に縦方向に緑色の干渉縞が重なって見える。また、図18(b)に示すように、色彩変化印刷物(1´´)の直上に光源(10´´)が移動し、色彩変化印刷物(1´´)から生じる正反射光を観察者(9´´)が観察した場合、「NPB」の文字が消失し、印刷画像領域(3´´)全体が、淡い赤色の色彩となり、その中に縦方向に緑色の干渉縞が重なって見える。図18(c)に示すように、色彩変化印刷物(1´´)のA辺側に光源(10´´)が移動し、色彩変化印刷物(1´´)から生じる正反射光を観察者(9´´)が観察した場合、「NPB」の文字全体が白色の色彩で視認され、印刷画像領域(3´´)のその他の領域は、赤色に視認され、その中に縦方向に緑色の干渉縞が重なって見える。すなわち、正反射光下のわずかな観察角度の変化で、印刷画像領域(3´´)の中に色要素群(5´´)が備えた有意情報である「NPB」の文字が出現し、色彩が赤色から白色へと変化するともに、縦方向に緑色の干渉縞が動きながら重なって見える。
以上のように、第三の実施の形態では、印刷画像領域(3´´)の中に色相の異なる三つの色彩が生じ、色彩が変化しながら有意情報が出現する効果を有する。なお、色要素群(5´´)は、第一の色要素群(5a´´)と第二の色要素群(5b´´)のような二つの色相に限定されるものではなく、三つ以上の色要素群を用いて、三つ以上の色相を用いても良い。また、第二の実施の形態や第三の実施の形態のように、有意情報を潜像のように特定に角度で出現させる構成を用いずに、単に印刷画像領域(3´´)中に複数の色相による色変化を生じさせる形態としても良い。
以下、前述の発明を実施するための形態にしたがって、具体的に作製した色彩変化印刷物の実施例について詳細に説明するが、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
図19に、色彩変化印刷物(1−1)を示す。説明を明瞭とするために、画線構成を簡易化したため、本来隠蔽されるべきアルファベットの「NPB」の文字がわずかに視認されているが、実際の印刷物では、「NPB」の文字は拡散反射光下で不可視である。図19(a)に示すのは、色彩変化印刷物(1−1)の正面図であり、図19(b)に示すのは、色彩変化印刷物(1−1)のAA´ラインにおける断面図である。色彩変化印刷物(1−1)は、基材(2−1)の上に、印刷画像領域(3−1)が暗い赤色で形成した。基材(2−1)は、白色コート紙(エスプリコートFM 日本製紙製)を用いた。
本発明の印刷画像領域(3−1)の構成の概要を、図20に示す。印刷画像領域(3−1)は、反射層(4−1)の上に色要素群(5−1)が重なり、更に色要素群(5−1)の上に蒲鉾状要素群(6−1)を重ね合わせて形成した。また、色要素群(5−1)は、アルファベットの「NPB」の文字をポジの状態で表したポジ色要素群(5P−1)と、アルファベットの「NPB」の文字をネガの状態で表したネガ色要素群(5N−1)から構成した。
反射層(4−1)は、正反射光下で強く光を反射して明度が上がる明暗フリップフロップ性を備えた銀箔を箔プリンタ(オンデマンド箔工房Pro 株式会社Seed製)でプリントして基材(2−1)上に形成した。本銀箔は、拡散反射光下では、灰色で、正反射光下では、強く光を反射して白色に変化する。
図21に、色要素群(5−1)を示す。色要素群(5−1)は、通常の赤色のUVオフセットインキ(ベストキュア UV161 紅S 株式会社T&K TOKA製)でウェットオフセット印刷機を用いて印刷した。色要素群(5−1)は、アルファベットの「NPB」の文字をポジの状態で表したポジ色要素群(5P−1)と、アルファベットの「NPB」の文字をネガの状態で表したネガ色要素群(5N−1)とから成る。
ポジ色要素群(5P−1)は、画線幅0.2mmのポジ色要素(7P−1)を第一の方向(図中S1方向)に0.4mmピッチにより規則的に複数配置して構成した。また、ネガ色要素群(5N−1)は、0.2mm画線幅のネガ色要素(7N−1)を第一の方向(図中S1方向)に0.4mmピッチにより規則的に複数配置して構成した。ポジ色要素(7P−1)とネガ色要素(7N−1)の位相を第一の方向(S1方向)に0.2mmだけずらして配置して、色要素群(5−1)を構成した。
図22に、蒲鉾状要素群(6−1)を示す。0.3mmの要素幅を有し、約15μmの盛り上がりを有した蒲鉾状要素(8−1)を第二の方向(図中S2方向)に0.4mmピッチで規則的に複数配置して印刷で形成した。印刷にあたっては、透明なスクリーンインキ(UV TUB−000帝国インキ製造株式会社製)を用い、UV乾燥方式のスクリーン印刷機を用いた。
図23に、ポジ色要素(7P−1)及びネガ色要素(7N−1)、蒲鉾状要素(8−1)の適切な重なり合いの位置関係について示す。形成にあたっては、それぞれのポジ色要素(7P−1)及びネガ色要素(7N−1)は、少なくとも一部が蒲鉾状要素(8−1)と重なるように形成した。
以上の構成で形成した色彩変化印刷物(1−1)の効果を、図24に示す。図24(a)に示すように、色彩変化印刷物(1−1)のA´辺側にある光源(10−1)から光が入射し、色彩変化印刷物(1−1)から生じる正反射光を観察者(9−1)が観察した場合、印刷画像領域(3−1)中の「NPB」の文字全体が赤色の色彩で視認され、印刷画像領域(3−1)のその他の領域は、白色に視認された。また、図24(b)に示すように、色彩変化印刷物(1−1)の直上に光源(10−1)が移動し、色彩変化印刷物(1−1)から生じる正反射光を観察者(9−1)が観察した場合、「NPB」の文字が消失し、印刷画像領域(3−1)全体が、淡い赤色の色彩で見えた。図24(c)に示すように、色彩変化印刷物(1−1)のA辺側に光源(10−1)が移動し、色彩変化印刷物(1−1)から生じる正反射光を観察者(9−1)が観察した場合、「NPB」の文字全体が白色の色彩で視認され、印刷画像領域(3−1)のその他の領域は赤色に視認された。以上のように、正反射光下のわずかな観察角度の変化で、印刷画像領域(3−1)の中に色要素群(5−1)が備えた有意情報である「NPB」の文字が出現し、色彩が赤色から白色へと変化する効果が確認できた。
1、1´、1´´、1−1 色彩変化印刷物
2、2´、2´´、2−1 基材
3、3a、3b、3´、3´´、3−1 印刷画像領域
4、4a、4b、4´、4´´、4−1 反射層
5、5´5a、5b、5−1 色要素群
5a´´ 第一の色要素群
5b´´ 第二の色要素群
5P´、5P´´、5P−1 ポジ色要素群
5N´、5N´´、5N−1 ネガ色要素群
6、6a、6b、6´、6´´、6−1 蒲鉾状要素群
7 色要素
7P´、7P´´、7P−1 ポジ色要素
7N´、7N´´、7N−1 ネガ色要素
8、8´、8´´、8−1 蒲鉾状要素
9、9´、9´´、9−1 観察者の視点
10、10´、10´´、10−1 光源
11 干渉縞(モアレ)
10A、10B、10C 入射光
12D、12D´ 拡散反射光
12S、12S´ 正反射光
13´´ 第二の色要素
2、2´、2´´、2−1 基材
3、3a、3b、3´、3´´、3−1 印刷画像領域
4、4a、4b、4´、4´´、4−1 反射層
5、5´5a、5b、5−1 色要素群
5a´´ 第一の色要素群
5b´´ 第二の色要素群
5P´、5P´´、5P−1 ポジ色要素群
5N´、5N´´、5N−1 ネガ色要素群
6、6a、6b、6´、6´´、6−1 蒲鉾状要素群
7 色要素
7P´、7P´´、7P−1 ポジ色要素
7N´、7N´´、7N−1 ネガ色要素
8、8´、8´´、8−1 蒲鉾状要素
9、9´、9´´、9−1 観察者の視点
10、10´、10´´、10−1 光源
11 干渉縞(モアレ)
10A、10B、10C 入射光
12D、12D´ 拡散反射光
12S、12S´ 正反射光
13´´ 第二の色要素
Claims (4)
- 基材上の少なくとも一部に、印刷画像領域を備え、
前記印刷画像領域は、明暗フリップフロップ性及びカラーフリップフロップ性の少なくともいずれか一方の光学特性を有する光反射性領域と、前記光反射性領域上に積層された蒲鉾状要素群から成り、
前記光反射性領域は、
i)前記光学特性を有する前記基材自体上又は、前記基材上に形成した前記光学特性を有する反射層上に、正反射光下で前記基材自体又は前記反射層と異なる色彩を有する有色の色要素を所定のピッチにより万線状に配列して形成した色要素群、
又は、前記反射層の一部を除去して形成した有色の色要素を所定のピッチにより万線状に配列して形成した色要素群、又は、
ii)前記基材上に前記光学特性を有する有色の色要素を所定のピッチにより万線状に配列して形成した色要素群から成り、
前記蒲鉾状要素群は、光透過性、かつ、盛り上がりを有する蒲鉾状要素を、前記所定のピッチと同一又は異なるピッチにより、万線状に配列して形成されたことを特徴とする色彩変化印刷物。 - 前記印刷画像領域は、異なる色彩から成る複数の前記色要素群を有することを特徴とする請求項1記載の色彩変化印刷物。
- 前記色要素の前記所定のピッチと前記蒲鉾状要素の前記所定のピッチが異なる場合において、前記色要素の前記所定のピッチを100%として、前記蒲鉾状要素の前記所定のピッチが100%を除く、80%から120%の大きさであって、正反射光下における特定の観察角度において、前記印刷画像領域の色彩が動的に変化することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の色彩変化印刷物。
- 前記色要素群又は前記蒲鉾状要素群は、前記色要素又は前記蒲鉾状要素の一部の位相が異なることによって、有意情報を構成するポジ画線群とネガ画線群に区分けされ、正反射光下における特定の観察角度において、前記印刷画像領域の色彩が変化しながら、前記有意情報が出現することを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の色彩変化印刷物。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2014-12-04 JP JP2014245747A patent/JP2016107467A/ja active Pending
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