JP2016059086A - モータ駆動装置およびこれを用いた電気機器 - Google Patents

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義典 竹岡
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Abstract

【課題】小型化のために平滑用コンデンサを小容量化した際、電源インピーダンスによっては、PWMスイッチングを起因とする電圧上昇が発生していた。
【解決手段】キャリア周波数をコンデンサ103とリアクタ104の共振周波数よりも高い周波数とすることで、電源インピーダンスを含めたインダクタンス成分とコンデンサ103との共振周波数はコンデンサ103とリアクタ104との共振周波数よりも低い共振周波数となるため、キャリア周波数と一致することがなく、インバータ105のスイッチングを起因とした電圧上昇が低減される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブラシレスDCモータを駆動するモータ駆動装置およびこれを用いた電気機器に関するものである。
従来、この種のブラシレス・センサレスDCモータは、一般的には十分大きな平滑用コンデンサを有した整流回路と、インバータと、位置検出センサをなくし誘起電圧またはモータ電流から位置検出をすることより駆動されていた。位置検出センサをなくす理由は、安価になることや圧縮機などの高温雰囲気・冷媒雰囲気・オイル雰囲気などで位置センサを取り付けることが著しく困難であったためである。
また、近年この駆動装置を小型化するために、整流回路の平滑用コンデンサを大幅に小容量化する取組みもなされている(例えば特許文献1参照)。
図5は、上記特許文献1に記載された従来のモータ駆動装置を示すものである。図5に示すように、単相交流電源1、単層交流電源1を整流するダイオード全波整流回路2、整流回路の出力を平滑する従来の1/100程度の容量の平滑用の小容量のコンデンサ3、コンデンサ3の両端に接続され6個のスイッチング素子(逆向きのダイオードを含む)を3相ブリッジ接続しているPWM(パルス幅変調)インバータ4、インバータ4の出力と接続され3相巻線が施されたブラシレスDCモータ5、ブラシレスDCモータ5の位置を検出する位置検出センサ6、単相交流電源1の電圧v、直流部電流idc、インバータ4の出力電流ia、ib、ic、位置検出センサ6からの位置情報θなどの情報を入力として、最適な駆動ができるようにPWMインバータ4のゲートを駆動している制御回路7から構成されている。
特開2002−51589号公報
しかしながら、上記従来の構成では、実験室など安定化電源のような電源インピーダンスが非常に小さい電源が備わった環境下では問題とならないが、電源事情の悪い地域など電源インピーダンスにインダクタンス成分を持つ場合、小容量のコンデンサと電源インピーダンスのインダクタンス成分の共振周波数とPWMインバータのキャリア周波数が一致する状態が存在する。一致した場合に、コンデンサ容量が小容量であるため直流母線間電圧の上昇が大きくなり、耐圧破壊を防ぐため耐圧の高い高コストな部品の使用が必要という課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、平滑用のコンデンサの容量を極めて小さくした場合であっても、インバータのスイッチングを起因とした直流母線間電圧上昇の抑制を可能としたモータ駆動装置の提供を目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明のモータの駆動装置は、交流電源と、前記交流電源から入力された交流を直流に整流する整流回路と、前記整流回路の入力側もしくは出力側に接続されるリアクタと、前記整流回路の出力側に接続され両端の電圧の最大値が
最小値の2倍以上となるよう値を決定したコンデンサと、前記リアクタと前記コンデンサの共振周波数よりも高いキャリア周波数で前記コンデンサより得られる直流を交流に変換するPWM型のインバータと、前記インバータから得られる交流を入力とし負荷を駆動するモータを有するものである。
これによって、電源インピーダンスを含んだ場合であっても、回路全体のインダクタンス値が大きくなり、前記コンデンサと前記リアクタおよび電源インピーダンスを含めたインダクタンス成分との共振周波数は前記リアクタと前記コンデンサの共振周波数よりも低くなるだけなので、キャリア周波数は共振周波数よりも必ず高い周波数となり、共振周波数とキャリア周波数が一致することが無くなる。
本発明のモータ駆動装置は、平滑用コンデンサの容量を極めて小さくしても、インバータのスイッチングに起因する直流母線間電圧の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態1におけるモータの駆動装置の電気回路構成を示すブロック図 同実施の形態における直流母線間の電圧波形を示すタイミング図 キャリア周波数と共振周波数が一致したときの直流母線間電圧のシミュレーション波形図 キャリア周波数を共振周波数の1.5倍にした場合の直流母線間電圧のシミュレーション波形図 従来のモータ駆動装置の電気回路構成を示すブロック図
第1の発明は、交流電源と、前記交流電源から入力された交流を直流に整流する整流回路と、前記整流回路の入力側もしくは出力側に接続されるリアクタと、前記整流回路の出力側に接続され両端の電圧の最大値が最小値の2倍以上となるよう値を決定したコンデンサと、前記リアクタと前記コンデンサの共振周波数よりも高いキャリア周波数で前記コンデンサより得られる直流を交流に変換するPWM型のインバータと、前記インバータから得られる交流を入力とし負荷を駆動するモータを有することにより、電源インピーダンスを含んだ場合であっても、回路全体のインダクタンス値が大きくなりLC共振周波数はリアクタとコンデンサのLC共振周波数よりも低くなるだけなので、前記コンデンサと前記リアクタにより共振周波数の上限を定めることとなり、キャリア周波数はLC共振周波数よりも必ず高い周波数となる。これによって、LC共振周波数とキャリア周波数が一致することが無くなるため、コンデンサが小容量であってもインバータのスイッチングに起因する直流母線間電圧の上昇を抑制できる。
第2の発明は、特に第1の発明の前記リアクタと前記コンデンサの共振周波数が前記交流電源の周波数の40倍よりも高くなるよう前記リアクタと前記コンデンサの値を決定したことにより、LC共振により発生する電流の歪が高調波規制の対象外となり、特別な高調波対策が必要ない安価なモータ駆動装置が提供できる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明のモータ駆動装置を用いた電気機器である。これにより、電気機器として冷蔵庫に用いた場合は、前記モータ駆動装置が小型化できるため一定速駆動を行っている冷蔵庫の少ないスペースに収めることができ、速度変更が可能なより効率の良い冷蔵庫を安価に提供することができる。また、電気機器として送風機に用いた場合は、送風機はイナーシャが非常に大きいため、持ち運びが容易な小型送風機を実現することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置のブロック図である。
図1において、交流電源101は、日本の場合、電圧が100[V]、周波数が50[Hz]または60[Hz]の一般的な商用の交流電源である。整流回路102は、周知の如く4個のダイオードがブリッジ接続されたものである。
コンデンサ103は整流回路102の出力側に接続される。コンデンサ103には小型化のため、小容量のコンデンサを用いており、出力電圧が交流電源周波数の略2倍周波で大きく脈動する。本実施の形態ではコンデンサの容量を3[μF]とする。
また、コンデンサ103には、整流回路102との間にコンデンサへの突入充放電電流のピーク値を下げるためのリアクタ104を接続している。コンデンサ103とリアクタ104の共振周波数fLC(LC共振周波数)が交流電源周波数の40倍以上になるように設定し、共振による電流の周波数を電源高調波規制の範囲外とすることで、高調波電流を低減することができる。本実施の形態ではリアクタのインダクタンスを0.5[mH]とする。また、コンデンサ103の容量は電圧の最大値が最小値の2倍以上となる値を設定することで交流電源101の周波数に近い電流波形となり、高調波電流が改善される。
本実施の形態のコンデンサ103の容量を3[μF]としており、負荷が大きな運転条件では直流母線間電圧の最小値はほぼ0[V]まで低下するため、最大値は最小値の2倍以上となっており、高調波電流が改善される。
なお、本実施の形態ではリアクタ104は整流回路102とコンデンサ103の間に接続しているが、交流電源101とコンデンサ103を構成するフィルムコンデンサの間に挿入すればよく、整流回路102の前後どちらでも構わない。
インバータ105はコンデンサ103からの出力電圧をモータ106の駆動のために所望の電圧値・周波数に変換する複数の半導体スイッチング素子により構成されるPWM型のインバータである。
モータ106はインダクションモータやブラシレスDCモータなど、インバータ駆動を行うモータであればどんなモータでも構わない。本実施の形態では、ブラシレスDCモータを用いる。ブラシレスDCモータはインダクションモータに比べ、高効率・小型で速度可変範囲も広いため、コンデンサ103の小型化とともに、モータ駆動装置全体の小型化を実現するには非常に有用である。
モータ106は、永久磁石を有する回転子と、3相巻線を有する固定子とから構成される。モータ106は、インバータ105により作られた3相交流電流がモータ106の固定子の3相巻線に流れることにより、モータ106の回転子を回転させる。モータ106の固定子には、3相スター結線された巻線が施されている。この巻き方は集中巻であっても、分布巻であっても構わない。また、モータ106の回転子には、永久磁石を配置している。その配置方法は、表面磁石型(SPM)でも磁石埋め込み型(IPM)であっても構わず、また永久磁石はフェライトでも希土類でも構わない。IPMの場合はリラクタンストルクを利用することができ、直流母線間電圧が脈動し、電圧が低下した電圧値でも進角をつけることで、出力トルクの低下を軽減することができる。
モータ106の回転子の軸に接続された圧縮要素107は、冷媒ガスを吸入し、圧縮して、吐出する。このモータ106と圧縮要素107とを同一の密閉容器に収納し、圧縮機108を構成する。つまり、本実施の形態のモータ駆動装置の負荷は圧縮機108の圧縮機構となる。圧縮機108の圧縮方式(機構形態)はロータリーやスクロールなど何であっても構わないが、今回はレシプロ型とする。レシプロ型はとくにイナーシャが大きく電圧低下時であっても回転数が低下しにくく、小容量のコンデンサでより滑らかに運転することができる。
また、冷媒ガスはR134a等何であっても構わないが、本実施の形態1においては、R600aを採用している。R600aはR134aとくらべ冷凍能力が低く、圧縮要素107の気筒容積を大きくして冷凍能力の低下を補う。その結果、圧縮機108は、イナーシャが大きくなっている。これにより、電圧低下時であっても、イナーシャによってモータ106が回転するため、速度が低下しにくく、コンデンサ103のコンデンサ容量が小容量であっても、安定した運転が可能となる。
圧縮機108で圧縮された吐出ガスは、凝縮器109、減圧器110、蒸発器111を通って圧縮機108の吸い込みに戻るような冷凍空調システムを構成する。この時、凝縮器109では放熱を、蒸発器111では吸熱を行うので、冷却や加熱を行うことができる。必要に応じて凝縮器109や蒸発器111に送風機等を使い、熱交換をさらに促進することもできる。
位置検出手段112はモータ106の回転子の磁極位置を検出する。位置を検出する手段としては、圧縮機108の中にモータ106が入っているため、センサを用いることは困難であるが、モータ106の端子電圧に現れる誘起電圧から検出する方法や、モータ106に流れる電流などから計算する方法などがある。本実施の形態では位置検出手段として、誘起電圧から位置を検出するものとする。
制御手段113は、一定周期出力するパルスのONとOFFの時間の割合を変更するPWM制御によってインバータ105のスイッチング素子を動作させ、位置検出手段112の位置情報をもとに大きく脈動する平滑電圧に対応したモータ駆動指令を与える。
PWMのキャリア周波数はLC共振周波数fLCよりも高い周波数として設定する。本実施の形態においてはキャリア周波数をLC共振周波数fLCの1.5倍以上高い8[kHz]とする。
また、高周波除去するコモンモードフィルタを構成している場合は、コモンモードフィルタのインダクタンス成分とリアクタの合成成分を考慮する。
以上のように構成されたモータの駆動装置について、以下にその動作、作用を説明するまず、コンデンサ103の両端の電圧波形について、図2および図1を用いて説明する。図2は本実施の形態1における直流母線間の電圧波形を示すタイミング図である。
図2において、縦軸には電圧を示し、横軸は時間を示す。波形Aは、非常に負荷電流が小さい(ほとんど電流は流れていない)時の状態で、コンデンサ103の充電電荷がほとんど使われず、電圧の低下はほとんどない。ただし、ここでいう負荷電流は整流回路102の出力電流、すなわちインバータ105への入力電流であるものとする。整流後の電圧の最大値が141[V]、最小値も141[V]と電圧差はほぼ0である。
次に、負荷電流を大きくしていくとコンデンサ103の充電電荷が使われ、波形Bに示
すように瞬時に最低電圧が低下してくる。
さらに負荷電流を大きくしていくと、コンデンサ103にはほとんど充電電荷が蓄えられず、波形Cに示すように瞬時最低電圧がほとんど0[V]まで低下してくる。
このようにコンデンサ103のコンデンサが小容量の場合、負荷電流を取り出すとほとんど平滑されずに入力の交流電源101を全波整流した波形に近づき、交流電源電流の高調波成分を抑制できるとともに、力率が改善されるため交流電源101が出力する電流実行値と電流ピークが低下するため、効率向上や部品温度上昇の低減などが可能となる。その結果、部品定格が低くより安価な部品の採用が可能となる。
さらに、交流電源電流の高調波成分を抑制してIEC規格を遵守するために、小容量コンデンサと小容量リアクタとの共振周波数であるLC共振周波数fLCを交流電源周波数fsの40倍よりも大きくなるように小容量コンデンサと小容量リアクタの組み合わせを決定する。
ここで、小容量コンデンサの容量をC[F]、小容量リアクタのインダクタンス値をL[H]とすると、LC共振周波数fLCは数1のように表される。
即ち、fLC>40×fsを満たすように小容量コンデンサと小容量リアクタの組み合わせを決定するものである。(IEC規格では交流電源電流の高調波成分において第40次高調波まで規定されているため)。
以上により、小容量コンデンサおよび小容量リアクタの組み合わせを決定することで、交流電源電流の高調波成分を抑制して、IEC規格を遵守することが可能となる。
本実施の形態では、コンデンサ103の容量が3[μF]、リアクタのインダクタンス値が0.5[mH]となっているので、LC共振周波数fLCが約4109[Hz]となり、交流電源101の電源周波数が60[Hz]であったとしても40倍は2400[Hz]となり十分高い共振周波数となっている。
次に、キャリア周波数の決定に関して説明する。1キャリア周期で見た場合、コンデンサ103に流れ込む電流のピークとスイッチングのOFFが一致し、リアクタが流す電流が0になるタイミングでスイッチング素子がONした時に、リアクタ104からコンデンサ103に流れる電流量が最大となるため直流母線間電圧の上昇が最大となる。
交流電源101の電圧が120[V]に変動し、キャリア周波数とLC共振周波数fLCが一致したときの直流母線間電圧のシミュレーション波形を図3に示す。図3の縦軸は電圧を示し、横軸は時間を示している。
交流電源101の電圧ピークは170[V]となるが、キャリア周波数とLC共振周波数fLCが一致した場合は図3のように電圧ピーク値が大きく跳ね上がる。また、LC共振周波数fLCを分周した周波数とキャリア周波数が一致しても同様に電圧が上昇する。
このような電流の変化が発生する周期はコンデンサ103とリアクタ104の共振周波数となるため、キャリア周期がLC共振周波数fLC以上とすることで電圧上昇が最大となる条件を回避することができる。
また、同じ共振周波数を持つLCの組合せであっても、コンデンサの容量が小さく、インダクタンス値が大きい程、電圧の上昇が大きくなるため、直流母線間電圧の最大が最小の2倍以上となるような小容量のコンデンサを直流母線間に配した回路構成では特に問題となる。
回路上のLC共振周波数fLCとキャリア周波数の一致を避けるだけであれば、キャリア周波数をLC共振周波数fLCよりも低い値に設定することでも可能となる。しかしながら、このようなキャリア周波数がLC共振周波数fLCよりも低い条件は、実験室など安定化電源を使用しているような電源間環境の良い条件では問題とならないが、電源環境が悪く電源インピーダンスにインダクタンス成分を持つような環境ではスイッチングが起因となる電圧上昇が発生してしまう。電源にインダクタンス成分を持つ場合、共振周波数は電源のインダクタンス成分を加算した値で計算する必要があるため、コンデンサ103とリアクタに電源インピーダンスのインダクタンス成分を加算した値とのLC共振周波数fLCZはコンデンサ103とリアクタ104の共振周波数であるLC共振周波数fLCより低くなる。また、電源インピーダンスのインダクタンス成分は不定であるため、LC共振周波数fLCZの上限はコンデンサ103とリアクタ104の共振周波数で定められるが、下限は定まらず、上限より低い全ての周波数をとりうる。
つまり、LC共振周波数fLCよりも低いキャリア周波数を設定した場合、キャリア周波数とLC共振周波数fLCZが一致する可能性があるため、スイッチングを起因とした電圧上昇が発生する可能性がある。一方、LC共振周波数fLCよりも高いキャリア周波数とした場合、LC共振周波数fLCZと一致する可能性がないため、どのような電源環境であっても、スイッチングを起因とした電圧上昇を抑制することができる。
具体的には、LC共振周波数fLCZとキャリア周波数の差が大きい程電圧上昇は抑制されるため、直流母線間の電圧が印加される部品の耐圧を考慮した、キャリア周波数の設定を行う。
例えば、交流電源101のバラツキの最大値が120[V]であれば、整流後の最大値は170[V]となる。部品耐圧200[V]のものを使用する場合は、マージンを見て直流母線間電圧の上昇を190[V]以下に抑えることを設計目標とすると、インバータ105のスイッチングを起因とした電圧上昇が20[V]以下になるようキャリアを高くすることで、200[V]耐圧の部品の使用が可能となる。
キャリア周波数をLC共振周波数fLCの1.5倍にした場合の直流母線間電圧のシミュレーション波形を図4に示す。図4において、縦軸は電圧をあらわし、横軸は時間を表している。キャリア周波数がLC共振周波数fLCの1.5倍にするとスイッチングを起因とした電圧上昇は、図3と比較しても分かるように、約3割に低下することとなるため、目安としてキャリア周波数はLC共振周波数fLCの1.5倍以上にすることで電圧上昇を大きく改善することができる。
以上のように、本実施の形態において、交流電源101と、交流電源101から出力された交流を直流に整流する整流回路と、前記整流回路の入力側もしくは出力側に接続されるリアクタ104と、整流回路102の出力側に接続され両端の電圧の最大値が最小値の2倍以上となるよう値を決定したコンデンサ103と、リアクタ104とコンデンサ10
3の共振周波数よりも高いキャリア周波数でコンデンサ103より得られる直流を交流に変換するPWM型のインバータ105と、インバータ105から得られる交流を入力とし負荷を駆動するモータ106を有したことにより、電源インピーダンスを含んだ場合であっても、回路全体のインダクタンス値が大きくなりLC共振周波数fLCZはリアクタとコンデンサのLC共振周波数fLCよりも低くなるだけなので、キャリア周波数はLC共振周波数fLCZよりも必ず高い周波数となり、LC共振周波数fLCZとキャリア周波数が一致することが無くなるため、コンデンサが小容量であってもインバータのスイッチングに起因する直流母線間電圧の上昇を抑制できる。
また、本実施の形態で、リアクタ104とコンデンサ103の共振周波数が交流電源101の周波数の40倍よりも高くなるようリアクタ104とコンデンサ103の値を決定したことにより、IEC高調波規格範囲内の次数の電源高調波電流が抑制されるため、IEC規格を遵守することが可能となる。さらに、高調波対策として、特別な部品を使用しないため、安価なモータ駆動装置が提供できる。
また、本実施の形態のモータ駆動装置を用いた電気機器であることにより、電気機器として冷蔵庫に用いた場合は、前記モータ駆動装置が小型化できるため一定速駆動を行っている冷蔵庫の少ないスペースに収めることができ、速度変更が可能なより効率の良い冷蔵庫を安価に提供することができる。
以上のように、本発明にかかるモータの駆動装置は、平滑コンデンサを大幅に小容量化した大きなリプル電圧がある場合でも、位置検出センサを用いることなく、効率を維持しつつ安定した電流供給が可能となり、しかもモータが停止する際の電圧上昇を抑え信頼性が向上しているため、請求項記載のもののみならず、小型のモータ駆動装置を必要とするAV機器(特に小型機器)等にも広く用いることができる。
101 交流電源
102 整流回路
103 コンデンサ
104 リアクタ
105 インバータ
106 モータ
107 圧縮要素
108 圧縮機
109 凝縮器
110 減圧器
111 蒸発器
112 位置検出手段
113 制御手段

Claims (3)

  1. 交流電源と、前記交流電源から出力された交流を直流に整流する整流回路と、前記整流回路の入力側もしくは出力側に接続されるリアクタと、前記整流回路の出力側に接続され両端の電圧の最大値が最小値の2倍以上となるよう値を決定したコンデンサと、前記リアクタと前記コンデンサの共振周波数よりも高いキャリア周波数で前記コンデンサより得られる直流を交流に変換するPWM型のインバータと、前記インバータから得られる交流を入力とし負荷を駆動するモータを有するモータ駆動装置。
  2. 前記リアクタと前記コンデンサの共振周波数が前記交流電源の周波数の40倍よりも高くなるよう前記リアクタと前記コンデンサの値を決定した請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 請求項1または2のいずれか1項に記載のモータ駆動装置により駆動されるブラシレスDCモータを備えた電気機器。
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