JP2016042065A - 光の透過性・拡散性評価方法、及び、当該評価方法を実施するために用いる透過性・拡散性評価システム - Google Patents

光の透過性・拡散性評価方法、及び、当該評価方法を実施するために用いる透過性・拡散性評価システム Download PDF

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Abstract

【課題】シート状の被検物の光の透過性または拡散性を評価する新規な構成の透過性・拡散性評価方法を提供する。
【解決手段】
シート状の被検物3の光の透過性または拡散性を評価する透過性・拡散性評価方法であって、被検物3の一方側から被検物3に光を照射し、被検物3上の基準点Pを含み被検物3の面と直交する直交平面において、基準点Pから被検物3の面に対して垂直に被検物3の他方側へのびる基準線Lと、基準点Pからのびる直線との成す角度をθとして、被検物3の他方側へ透過した光の照度を、直交平面上で−90°≦θ≦90°の範囲で基準点Pから等距離dにある複数の地点で測定し、測定した複数の地点の照度に基づいて、被検物3の光の透過性および拡散性の双方またはいずれか一方を評価する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シート状の被検物を透過した光の照度に基づいて、被検物の光の透過性または拡散性を評価する透過性・拡散性評価方法及び透過性・拡散性評価システムに関する。
従来から、自然光を積極的に室内へ採り入れるために、建物の屋根に窓を配置した吹き抜け構造が多く利用されている。しかしながら、真夏の強い日差し、西日、窓への直射日光などは照度が高く、室内が部分的に明るくなりすぎるので、採り込む光としては好ましくない。とはいえ、窓からの光を遮断すると、室内は局所的には快適になるが、全体的には明るさがかなり不足してしまう。
そこで、窓周りを機能的に装飾するウィンドウ・トリートメントが注目を集めている。例えば、自然光を拡散させながら透過させる機能を有するカーテン、スクリーンなどのウィンドウ・トリートメント製品を窓に配置することで、室内が局所的に明るすぎる状態を緩和し、室内全体に適度な明るさが供給されるようにする。
このために、特許文献1では、ミー散乱または幾何学散乱を生じさせる粒子が塗布された採光ブラインドが提案されている。特許文献2では、透明材料からなる2枚の板材の間に複数の透明な屈折柱が並べて配置された構成の透過体が提案されている。また、特許文献3では、多数のフィラメントまたは棒状体が織り込まれた織物からなる透明体が提案されている。特許文献1から特許文献3などに開示されている通り、自然光を大きく拡散させるための構成は多数提案されている。
特開2013−2224号公報 特開平07−239403号公報 特開2000―17760号公報
しかしながら現在のところ、このようなウィンドウ・トリートメント製品の性能(光の透過性および拡散性)を適確に評価する方法はいまだ確立されていない。
なお、透過光の拡散性に関しては、JIS K7136等で規定されたヘーズメーターにより測定される拡散透過率を準用して評価することがある。前述から明らかな通り、ウィンドウ・トリートメント製品では、多くの光を透過させ、しかもそれを窓際から離れた室内の各所へいかに拡散させるかが重要である。しかしながら、このヘーズメーターで測定される拡散透過率は、光の入射位置から離れた複数の地点での透過光の照度がどれだけであるかといったことを考慮したものではない。即ち、このヘーズメーターを用いた評価方法は、ウィンドウ・トリートメント製品の性能を適確に評価する方法とは言えない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、シート状の被検物の光の透過性または拡散性を評価する新規な構成の透過性・拡散性評価方法を提供することを課題とする。また、本発明は、当該評価方法を実施するために用いる透過性・拡散性評価システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、シート状の被検物の光の透過性または拡散性を評価する透過性・拡散性評価方法であって、
前記被検物の一方側から前記被検物に光を照射し、
前記被検物上の基準点を含み前記被検物の面と直交する直交平面において、前記基準点から前記被検物の面に対して垂直に前記被検物の他方側へのびる基準線と、前記基準点からのびる直線との成す角度をθとして、前記被検物の前記他方側へ透過した光の照度を、前記直交平面上で−90°≦θ≦90°の範囲で前記基準点から等距離にある複数の地点で測定し、
測定した複数の地点の照度に基づいて、前記被検物の光の透過性および拡散性の双方またはいずれか一方を評価する、ことを特徴とする。
好ましくは、複数の地点の照度を角度θで積分した値を照度積分値として、前記被検物がある状態での照度に基づく照度積分値を、前記被検物がない状態での照度に基づく照度積分値で割った値を採光値として算出し、
前記採光値を前記被検物の光の透過性を評価する指標とする。
好ましくは、15°≦|θ|≦75°の範囲の一つの地点の照度か、15°≦|θ|≦75°の範囲の複数の地点の照度を統計的に処理した値かのいずれか一方を、0°≦|θ|≦5°の範囲の一つの地点の照度か、0°≦|θ|≦5°の範囲の複数の地点の照度を統計的に処理した値かのいずれか一方で割った値を、拡散値として算出し、
前記拡散値を前記被検物の光の拡散性を評価する指標とする。
好ましくは、前記被検物を透過し拡散した光だけが達する範囲の一つの地点の照度か、前記被検物を透過し拡散した光だけが達する範囲の複数の地点の照度を統計的に処理した値かのいずれか一方を、前記被検物を透過し拡散しなかった光が達する範囲の一つの地点の照度か、前記被検物を透過し拡散しなかった光が達する範囲の複数の地点の照度を統計的に処理した値かのいずれか一方で割った値を、拡散値として算出し、
前記拡散値を前記被検物の光の拡散性を評価する指標とする。
好ましくは、前記採光値と前記拡散値とを掛けた値を採光拡散値として算出し、
前記採光拡散値を、前記被検物の光の透過性と拡散性の両立性を評価する指標とする。
また、本発明は、上記透過性・拡散性評価方法を実施するために用いられる透過性・拡散性評価システムであって、
開口を有する筐体と、
前記ハウジング内に収納され、前記開口に向けて光を照射するように配置される光源と、
前記開口が前記被検物で覆われるように前記被検物を保持する保持部と、
前記筐体の外部に配置され、前記保持部により保持された前記被検物を透過した光の照度を測定する照度測定部と、
前記照度測定部により測定された複数の照度に基づいて、前記被検物の光の透過性および拡散性の双方またはいずれか一方を評価する指標となる値を算出する指標値演算部と、
を備える、ことを特徴とする。
本発明は、上記の通り、被検物上の基準点を含み被検物の面と直交する直交平面において基準点から等距離にある複数の地点で、被検物から透過した光の照度を測定する。即ち、基準位置から角度的に離れた各地点で透過光の照度が測定される。そして、これらが被検物の光の透過性および拡散性の評価に反映される。
前述の通り、ウィンドウ・トリートメント製品は、多くの光を透過させ、かつその透過光を窓際から離れた室内の各所へいかに拡散させるかが重要である。従って、上記構成の本発明に係る透過性・拡散性評価方法は、ウィンドウ・トリートメント製品の性能を適確に評価することができる方法であるといえる。しかしながら、本発明に係る方法の評価対象は、ウィンドウ・トリートメント製品に限定されるわけではない。
図1Aは、一実施形態に係る透過性・拡散性評価システムの概略的構成の側面図であり、図1Bは、図1Aの平面図である。 図1の透過性・拡散性評価システムに備えられた筐体の正面図である。 他の実施形態に係る透過性・拡散性評価システムにおける、光源及び複数の受光部の配置を説明するための平面図である。 採光値を算出する例を説明するための図である。 図5Aおよび図5Bは、拡散値を規定する例を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る透過性・拡散性評価方法のステップを示す図である。 図7Aから図7Cは、一実施形態に係る透過性・拡散性評価システムを説明する図である。 ヘーズメーターを用いた方法(比較例)で測定された各被検体の全光線透過率と拡散透過率との関係を示すデータである。 ヘーズメーターを用いた方法(比較例)で測定された各被検体の全光線透過率とHAZE値との関係を示すデータである。 本発明の一実施例に係る方法により測定された各被検体の採光値と拡散値との関係を示すデータである。 本発明の一実施例に係る方法により測定された各被検体の採光値と採光拡散値との関係を示すデータである。
以下、図面を参照して、本発明に係る透過性・拡散性評価方法および透過性・拡散性評価システムについて説明する。透過性・拡散性評価方法は、シート状の被検物の光の透過性または拡散性の双方またはいずれか一方を評価する方法であり、透過性・拡散性評価システムは、当該評価方法を実施するために用いられるシステムである。
[透過性・拡散性評価システム]
まず、透過性・拡散性評価システム(以下、単に評価システムとする)の基本構成について説明する。
図1A、図1Bを参照して、評価システムは、筐体1と、筐体1に収容された光源2とを備えている。筐体1は直方体形状を有しており、その1つの側面10の中央には矩形状の開口11が形成されている(図2参照)。筐体1の内壁全体は黒色であり、光源2から照射される光が筐体1内で反射することが極力抑えられている。これは、例えば、筐体1の内壁に艶消しの黒色塗料が塗布される、または黒色紙が貼られるなどによって行われる。
光源2は可視光を照射する。光源2は、例えばLED、蛍光灯、白熱灯、HIDなどである。光源2の形状、消費電力、波長、指向性の有無、単色光か白色光かなどについては問われない。本実施形態では、光源2は、その放射光軸20が側面10と直交し、かつ開口11の中心を通るように筐体1内に配置され、開口11全体に向けて光を照射する。
評価システムは、開口11がシート状の被検物3で覆われるように被検物3を筐体1の側面10に保持する保持部4を備えている。保持部4は、図2の通り、側面10の開口11より上方の位置と下方の位置とにそれぞれ配置されている。保持部4は、被検物3の上下の端を把持することで被検物3を鉛直に保持する。保持部4は、例えば、マグネット、クリップなどである。被検物3が保持部4によって保持されると、光源2から照射された光は、被検物3の一方側から開口11の大きさで被検物3に照射され、被検物3の他方側へ透過する。このような構成によって、光が窓に差し込み、カーテン、スクリーンなどに照射され、これを透過するような状況が作り出される。
なお、被検物3を保持する構成及び方法は、上記したものに限定されない。被検物3を保持するときの被検物3の向きや裏表も、縦向き、横向き、斜め向きのいずれでもよく、表面または裏面のいずれの面を光源2に向けてもよく、限定されない。
評価システムでは、被検物3が保持される領域に基準点Pが規定されている。本実施形態では、基準点Pは光源2の放射光軸20上に規定されている。この保持された被検物3上の基準点Pを含み被検物3の面と直交する直交平面(本実施形態では水平平面が選定されている)が規定されている。さらに、この直交平面において基準点Pから被検物3の面に対して垂直に被検物の他方側(透過側)へのびる基準線Lが規定されている。
図1Bの通り、評価システムは、直交平面上において上記基準線Lと基準点Pからのびる直線との成す角度をθとして、直交平面上で−90°≦θ≦90°の範囲で基準点Pから等距離にある複数の地点で被検物3を透過した光の照度を測定する照度測定部5を、筐体1の外部に備える。
照度測定部5は、直交平面上で−90°≦θ≦90°の範囲で基準点Pから距離dだけ離れた位置において互いに角度間隔をあけて配置された、光を受光して電気信号に変換する複数の受光部50と、受光部50からの電気信号に基づいて光の照度を算出する照度演算部51とからなる。照度測定部5は、この構成によって、直交平面上の基準点Pから等しい距離dにある複数の地点で、透過光の照度を測定することができる。
なお、本実施形態の評価システムは、対称性の観点から、複数の受光部50は0°≦θ≦90°の範囲に渡ってだけ設けられている。例えば、図3の他の実施形態に示される通り、基準線Lが放射光軸20上にないように光源2が配置される場合もあり、このような場合、複数の受光部50が−90°≦θ≦90°の範囲に渡って設けられることが好ましい。
さらに、評価システムは、照度測定部5により測定された複数の地点の照度に基づいて、被検物3の光の透過性および拡散性を評価するための指標となる値を算出する指標値演算部6を備えている。なお、算出する際に用いる各地点の照度は、その地点で一回だけ測定した値でも、その地点で複数回測定した値の平均のどちらでもよい。
指標値演算部6は、被検物3の光の透過性を評価する指標として採光値を算出する。
採光値は、複数の地点で測定した照度を角度θで積分した値を照度積分値として、被検物3がある状態での照度に基づく照度積分値を、被検物3がないブランクの状態での照度に基づく照度積分値で割った値と規定される。
従って、指標値演算部6は、被検物3がある状態で照度測定部5によって測定された各地点の照度を用いて、被検物3がある状態での照度積分値を算出し、ブランクの状態で照度測定部5によって測定された各地点の照度を用いて、ブランク状態での積分照度値を算出する。そして、指標値演算部6は、算出した2つの照度積分値を用いて採光値を算出する。
一例として、図4の通り、横軸を角度(θ)とし縦軸を照度(lx)としたグラフ上で、測定した複数の照度をプロットし、これらを結ぶ線を描き、この描いた線と横軸間の面積を算出することで積分照度値を求める。即ち、被検物3が有る場合の面積とブランクの場合の面積とをそれぞれ算出して、算出した2つの面積から採光値を算出する。
なお、測定された照度を角度θで積分する際の積分範囲は、最大で−90°≦θ≦90°の範囲であるが、その範囲は測定地点の数や、測定地点の角度などの条件によって適宜決定されるものである。また、図1の評価システムでは、対象性の観点から、θ=α°の地点で測定した照度を、θ=−α°の地点の照度として用いて、照度積分値を算出してもよい。また、θ=−90°、90°の地点に受光部50を設けず、この地点の照度を0としてもよい。
指標値演算部6は、被検物3の光の拡散性を評価する指標として拡散値を算出する。
拡散値は、本実施形態のように放射光軸20上に基準線Lがある場合、15°≦|θ|≦75°の範囲の一つの地点の照度か、15°≦|θ|≦75°の範囲の複数の地点の照度を統計的に処理した値かのいずれか一方を、0°≦|θ|≦5°の範囲の一つの地点の照度か、0°≦|θ|≦5°の範囲の複数の地点の照度を統計的に処理した値かのいずれかのいずれか一方で割った値として規定される。なお、「複数の地点の照度を統計的に処理した値」とは、各地点の照度の和、各地点の照度の平均などである。これは、以下でも同じである。
指標値演算部6は、照度測定部5によって測定された15°≦|θ|≦75°の範囲及び0°≦|θ|≦5°の範囲の各地点の照度を用いて、規定された通りに拡散値を算出する。
拡散値の算出に用いる被除数側の照度は、15°≦|θ|≦75°の範囲としている。この範囲は、光源2の種類、開口11の大きさ等の条件にもよるが、θの絶対値が15°より小さい角度の地点の照度は、0°≦|θ|≦5°の地点の照度とほとんど差がなく、θの絶対値が75°より大きい角度の地点の照度は非常に小さすぎて、拡散性を適切に評価できないと経験的にわかっていることに基づいている。そして、より好ましくは、この範囲は35°≦|θ|≦65°である。
また、拡散値の算出に用いる除数側の照度は、0°≦|θ|≦5°の範囲としているが、一番照度が高くなる放射光軸20上にある地点、即ちθ=0°の地点の照度を用いることが好ましい。
従って、上記事項及び測定の利便性の観点から、拡散値が、15°≦|θ|≦75°(好ましくは35°≦|θ|≦65°)の範囲の一つの地点の照度を、θ=0°の地点の照度で割った値と規定されることがより好ましい。
例えば、図5Aの本実施形態、図5Bの他の実施形態のそれぞれに示されるように、被検物3を透過した光は、透過し拡散しなかった光および透過し拡散した光の双方が達する範囲T1と、透過し拡散した光だけが達する範囲T2との2つの範囲に分けることができる。そこで、拡散値を、範囲T2の一つの地点の照度か、範囲T2の複数の地点の照度を統計的に処理した値かのいずれか一方を、範囲T1の一つの地点の照度か、範囲T1の複数の地点の照度を統計的に処理した値かのいずれか一方で割った値、と規定してもよい。例えば、図3、図5Bの他の実施形態では、拡散値をこのように規定することが、被検物3の光の拡散性を適切に評価するために非常に好ましい。
なお、この場合においては、測定の利便性の観点から、拡散値が、範囲T2の一つの地点の照度を範囲T1の一つの地点の照度で割った値と規定されることが好ましい。
指標値演算部6は、透過性と拡散性とを同時に評価する指標として採光拡散値を算出する。採光拡散値は、採光値と拡散値とを掛け合わせた値として規定される。従って、指標値演算部6は、算出した採光値と拡散値とを用いて採光拡散値を算出する。透過性と拡散性とは基本的にはトレードオフの関係にあることが経験的にわかっている。即ち、採光値と拡散値との積である採光拡散値は、このトレードオフの関係にあるとされている透過性と拡散性の両立性を示す指標となる。
以上が、評価システムの基本構成である。以下で、評価システムの詳細について説明する。
開口11の形状に関しては、円形、矩形等、特に限定されない。開口11の大きさに関しては、開口11が小さすぎると、即ち、被検物3への光の照射範囲が小さすぎると、ファブリック等の繊維柄や、織物柄、印捺柄、またオパール加工等による透け柄、更には塗料等の塗膜柄等を有するためにその光の透過密度が一様でない場合、測定値にムラが生じ得る。従って、開口11をカーテン等の1リピートよりも大きくしておけば測定値のムラは抑えられる。その一方で、開口11が大きすぎると測定の利便性に欠く。以上の観点から、筐体1の開口11の面積は、例えば0.0025m以上1m以下が好ましく、0.008m以上0.25m以下がより好ましい。
また、基準点Pからの距離dは、測定の利便性の観点から、例えば5cm以上200cm以下であることが好ましい。また、被検物3がないブランク状態で、図5A、図5Bに示される範囲T1における照度が、50lx以上3000lx以下になるように筐体1のサイズ、光源2の性能、基準点Pからの距離d等が選択されることが好ましい。しかし、これらは例示であって、各構成物品のサイズ及び性能、構成物品の間隔などは、評価システム全体を考慮して適宜選択されるものであることはいうまでもない。
[透過性・拡散性評価方法]
次に、図6を参照して、本実施形態に係る透過性・拡散性評価方法(以下、単に評価方法とする)のステップを説明する。
まず、評価システムを準備する(ステップS1)。ステップS1では、筐体1、光源2などを準備し、前述の評価システムを設置する。
評価対象となるシート状の被検物3を配置する(ステップS2)。ステップS2では、開口11よりも一回り大きいシート状の被検物3を準備し、保持部4によって開口11を覆うように被検物3を筐体1の側面10に鉛直に保持する。なお、測定対象となるシート状の被検物3は、例えば、カーテン、スクリーンなどのウィンドウ・トリートメント製品の素材となるものであるが、これに限定されるものではない。
被検物3へ光を照射する(ステップS3)。ステップS3では、筐体1内の光源2によって光を被検物3の一方側から被検物3へ照射する。
複数の地点で被検物3を透過した光を測定する(ステップS4)。ステップS4では、被検物3の他方側へ透過した光の照度を、照度測定部5によって、基準点Pを含み被検物3の面と直交する直交平面(本実施形態では、水平平面)上で−90°≦θ≦90°の範囲で基準点Pから等距離dだけ離れた複数の地点で測定する。
なお、本実施形態のように複数の地点に受光部50を配置して各地点の照度を一斉に測定するのではなく、1つの受光部50で各地点の照度を順次測定してもよい。なお、被検物3が複数ある場合にはステップS2からステップS4を繰り返して、被検物3毎に各地点の照度を測定する。
測定した複数の照度に基づいて指標値を算出する(ステップS5)。ステップS5では、照度測定部5によって測定した各地点の照度を用いて、前述のように規定された採光値、拡散値、および採光拡散値の少なくともいずれか一つを、指標値演算部6(演算装置)に算出させる。なお、本実施形態のように指標値演算部6に演算させるのではなく、人が照度測定部5によって測定した複数の照度から採光値、拡散値、および採光拡散値を算出してもよい。
なお、指標値演算部6が採光値を算出するにあたり、被検物3がないブランク状態での各地点の照度が必要となるが、これは、例えば、ステップS1とステップS2との間に予め測定する。また、被検物3が複数ある場合には、被検物3毎に指標値を算出する。
算出した指標値に基づいて被検物3の光の透過性・拡散性を評価する(ステップS6)。このステップS6では、算出した採光値によって被検物3の光の透過性を評価すること、算出した拡散値によって被検物3の光の拡散性を評価すること、及び、算出した採光拡散値によって被検物3の光の透過性および拡散性の両立性を評価することの少なくともいずれか1つを行う。
被検物3が複数ある場合は、複数の被検物3を比較評価してもよい。例えば、複数の被検物3同士を比較できるように、各被検物3の採光値を表示した表やグラフ、各被検物3の拡散値を表示した表やグラフ、または各被検物3の採光拡散値を表示した表やグラフを作成してもよい。さらに、例えば、各被検物3の採光値、拡散値または採光拡散値を所定の基準でランク分けした表やグラフを作成したりしてもよい。
採光拡散値による評価に関して、採光拡散値は、前述の通り透過性と拡散性の両立性を示す指標である。もし新たに開発した製品の採光拡散値が高ければ、その製品は多くの光を透過し、しかも多くの透過光を拡散しているということである。従って、この採光拡散値は、多くの光を透過し、しかもその透過光を窓際から離れた室内の各所へいかに拡散させるかを重要とするウィンドウ・トリートメント製品の開発やその性能評価に貢献するものであるといえる。
[実施例]
図7A〜図7Cに示される評価システムを用いて、任意に選んだ12点の市販の薄地のカーテンを被検物とし、前述の本発明に係る評価方法によって、被検物の採光値、拡散値、および採光拡散値を測定した。
筐体の内壁は黒色に塗装した。光源としてLED電球(東芝製LEL−SL2N−E17S)を用い、保持部としてマグネットを用いた。
照度測定部として機能する照度計は、受光部として機能する4つの受光センサー(KONICAMINOLTA製T−10MA)と、照度演算部として機能する照度計本体(KONICAMINOLTA製T−10A)とからなる。そして、4つの受光センサーをθ=0°、15°、30°、60°の各地点に配置した。
照度計本体を、指標値演算部として機能するPCに接続し、このPCに採光値、拡散値、採光拡散値を算出させた。なお、この実施例では、拡散値を、θ=60°地点の照度/θ=0°地点の照度、と規定している
また、実際に光が窓に差し込むような状況を作り出すために、LED電球と開口の間に開口より一回り大きいフロートガラスを配置した。被検物であるカーテン布帛をその丈(長さ)方向が横向きになるように装着し、カーテン布帛を透過した光が室内の上下方向にいかに拡散されるかを評価できるようにした。各構成物品のサイズや、配置間隔などは、図7に記載の通りである。
また、同じ12点の薄地のカーテンを被検物として、ヘーズメーター(スガ試験機(株)製HGM−2B)を用いてJIS K7105−1981法により、全光線透過率、拡散透過率、及び、拡散透過率を全光線透過率で割った値であるHAZE値を測定した。
そして、本発明の一実施例に係る評価方法とヘーズメーターを用いた方法との比較を行った。これらの測定データが図8〜図11に示されている。
図8はヘーズメーターを用いた方法で測定された全光線透過率と拡散透過率との関係を示しているが、両者に相関が全く見られない。全光線透過率とHAZE値との関係を示す図9では、両者に一次関数の相関があるかもしれないことが明確ではないが見られた。
一方、本発明に係る評価方法で測定された採光値と拡散値との関係を示す図10では、両者に反比例の相関が、即ちトレードオフの関係があることが明確に見て取れる。従って、図11に示される採光値と拡散値との積である採光拡散値は、トレードオフの関係にある透過性と拡散性の両立性を評価できる指標であるということである。
よって、本発明に係る方法は、高い透過性及び高い拡散性を必要とするウィンドウ・トリートメント製品の性能を適確に評価できる方法である。
1 筐体
10 側面
11 側面に形成された開口
2 光源
20 光源の放射光軸
3 シート状の被検体
4 保持部
5 照度測定部
50 受光部
51 照度演算部
6 指標値演算部
P 基準点
L 基準線
θ 基準線との成す角度
d 基準点からの距離

Claims (6)

  1. シート状の被検物の光の透過性または拡散性を評価する透過性・拡散性評価方法であって、
    前記被検物の一方側から前記被検物に光を照射し、
    前記被検物上の基準点を含み前記被検物の面と直交する直交平面において、前記基準点から前記被検物の面に対して垂直に前記被検物の他方側へのびる基準線と、前記基準点からのびる直線との成す角度をθとして、前記被検物の前記他方側へ透過した光の照度を、前記直交平面上で−90°≦θ≦90°の範囲で前記基準点から等距離にある複数の地点で測定し、
    測定した複数の地点の照度に基づいて、前記被検物の光の透過性および拡散性の双方またはいずれか一方を評価する、ことを特徴とする透過性・拡散性評価方法。
  2. 複数の地点の照度を角度θで積分した値を照度積分値として、前記被検物がある状態での照度に基づく照度積分値を、前記被検物がない状態での照度に基づく照度積分値で割った値を採光値として算出し、
    前記採光値を前記被検物の光の透過性を評価する指標とする、ことを特徴する請求項1に記載の透過性・拡散性評価方法。
  3. 15°≦|θ|≦75°の範囲の一つの地点の照度か、15°≦|θ|≦75°の範囲の複数の地点の照度を統計的に処理した値かのいずれか一方を、0°≦|θ|≦5°の範囲の一つの地点の照度か、0°≦|θ|≦5°の範囲の複数の地点の照度を統計的に処理した値かのいずれか一方で割った値を、拡散値として算出し、
    前記拡散値を前記被検物の光の拡散性を評価する指標とする、ことを特徴とする請求項2に記載の透過性・拡散性評価方法。
  4. 前記被検物を透過し拡散した光だけが達する範囲の一つの地点の照度か、前記被検物を透過し拡散した光だけが達する範囲の複数の地点の照度を統計的に処理した値かのいずれか一方を、前記被検物を透過し拡散しなかった光が達する範囲の一つの地点の照度か、前記被検物を透過し拡散しなかった光が達する範囲の複数の地点の照度を統計的に処理した値かのいずれか一方で割った値を、拡散値として算出し、
    前記拡散値を前記被検物の光の拡散性を評価する指標とする、ことを特徴とする請求項2に記載の透過性・拡散性評価方法。
  5. 前記採光値と前記拡散値とを掛けた値を採光拡散値として算出し、
    前記採光拡散値を、前記被検物の光の透過性と拡散性の両立性を評価する指標とする、ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の透過性・拡散性評価方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載された透過性・拡散性評価方法を実施するために用いられる透過性・拡散性評価システムであって、
    開口を有する筐体と、
    前記ハウジング内に収納され、前記開口に向けて光を照射するように配置される光源と、
    前記開口が前記被検物で覆われるように前記被検物を保持する保持部と、
    前記筐体の外部に配置され、前記保持部により保持された前記被検物を透過した光の照度を測定する照度測定部と、
    前記照度測定部により測定された複数の照度に基づいて、前記被検物の光の透過性および拡散性の双方またはいずれか一方を評価する指標となる値を算出する指標値演算部と、
    を備える、ことを特徴とする透過性・拡散性評価システム。
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