JP2015218507A - 水洗便器 - Google Patents

Abstract

【課題】浄水を吐出する水圧を高く設定せずとも、ボウルの全周に行き渡るように洗浄水を供給することができる水洗便器を提供する。
【解決手段】本発明の水洗便器は、ボウル１と、洗浄水を吐出する吐水ユニット５を具備する。ボウル１は、ボウル１の上部を凹ませた形状の通水路１０と、通水路１０に向けて開口する吐水口１１を有する。吐水ユニット５は、吐水口１１を通じて洗浄水を吐出するノズル５０を有する。ノズル５０から洗浄水を吐出する吐水方向Ｄ１を、通水路１０と平行な方向に対して、外側方に傾いた方向とする。
【選択図】図２

Description

本発明は水洗便器に関し、詳しくは、洗浄ユニットからボウル内に洗浄水を吐出するように構成した水洗便器に関する。

水洗便器が備えるボウルに付着した汚れを、洗浄水で洗浄するための構造として、ボウルの上部に案内凹部を設け、この案内凹部に向けて洗浄水を吐出する構造が提案されている（特許文献１等参照）。

案内凹部に吐出された洗浄水は、案内凹部を旋回しながら、ボウルの底側に供給される。

特開２００７−３１５０１１号公報

前記した従来の水洗便器においては、ボウルの全周に行き渡るように洗浄水を供給するためには、洗浄水を、案内凹部に向けて高い水圧で吐出することが必要であった。洗浄水を吐出する水圧を高く設定した場合、節水を図ることが困難となる。

本発明は、洗浄水を吐出する水圧を高く設定せずとも、ボウルの全周に行き渡るように洗浄水を供給することができる水洗便器を提供することを、課題とする。

前記課題を解決するために、本発明を、下記の構成を具備する水洗便器とする。

本発明は、ボウルと、洗浄水を吐出する吐水ユニットと、を具備する。前記ボウルは、前記ボウルの内周面の上部を外側方に向けて凹ませた形状を有する通水路と、前記通水路に向けて開口する吐水口とを有する。前記吐水ユニットは、前記吐水口を通じて前記通水路に前記洗浄水を吐出するように位置するノズルを有する。前記ノズルから前記洗浄水を吐出する吐水方向は、平面視において、前記通水路と平行な方向に対して外側方に傾いた方向である。

本発明は、洗浄水を吐出する水圧を高く設定せずとも、ボウルの全周に行き渡るように洗浄水を供給することができるという効果を奏する。

本発明の一実施形態の水洗便器の全体構成を概略的に示す鉛直断面図である。 本発明の一実施形態の水洗便器の要部を概略的に示す水平断面図である。 本発明の一実施形態の水洗便器が備える吐水ユニットの正面図である。 本発明の一実施形態の水洗便器が備える吐水ユニットの側面図である。 本発明の一実施形態の水洗便器の要部を示す斜視図である。

本発明を、添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。

図１には、本発明の一実施形態の水洗便器の全体構成を、概略的に示している。

以下の説明文で用いる前後方向等の各方向は、使用者が着座したときに向く方向を基準とする。

本実施形態の水洗便器は、合成樹脂製の便器９で主体が構成されている。便器９には、便座２と便蓋３を、共に回動自在に接続させている。

便器９は、上方に開口して位置するボウル１と、ボウル１の上部に設けられる通水路１０と、ボウル１の下部から後方に向けて突設される排水筒６とを備える。排水筒６には、ターントラップ方式のトラップ筒７を接続させて備える。

便器９は更に、ボウル１の後方に機器収納部４を備える。機器収納部４には、洗浄水吐出機構８を収容している。洗浄水吐出機構８は吐水ユニット５を備え、吐水ユニット５が有するノズル５０の先端に位置する先端開口５００から、通水路１０内に向けて洗浄水を吐出する。

通水路１０は、ボウル１の上部の内周面を、外側方に凹ませた形状を有する。通水路１０は、ボウル１の全周に亘って形成されている。凹溝状である通水路１０内に吐出された洗浄水は、この通水路１０内を旋回しながら、ボウル１の底側に流下していく。

図１に概略的に示すように、洗浄水吐出機構８は、洗浄水を供給する洗浄水経路８０と、洗浄水経路８０に薬剤を合流させるための薬剤供給経路８１とを備える。薬剤供給経路８１中には、タンク８２とポンプ８３を設けている。タンク８２中に貯留された薬剤は、ポンプ８３の圧力で、薬剤供給経路８１内を循環する。

洗浄水経路８０には、図示略の水源から水道水が供給される。吐水ユニット５は、洗浄水経路８０の下流端に接続させている。

吐水ユニット５は、筒部５１と、筒部５１の下流側に接続されるノズル５０とを備える。筒部５１には、洗浄水経路８０を通じて水道水が供給される。

筒部５１は、空気混入部５１０と、空気混入部５１０の下流側に接続された薬剤混入部５１１とを有する。

空気混入部５１０は、筒部５１内を流れる洗浄水（水道水）に空気を混入させて、気泡入りの洗浄水を生成する部分である。空気混入部５１０には、一端を大気に開放させて設けた空気供給路８４の他端を接続させている。空気供給路８４から空気混入部５１０に向けて、エジェクタ効果によって空気を供給することで、空気混入部５１０において気泡入り洗浄水を生成する。

薬剤混入部５１１には、薬剤供給経路８１から分岐した分岐経路８５の下流端を接続させる。薬剤混入部５１１は開閉弁５１２を備えている。ポンプ８３を駆動させているときには、ポンプ８３が付与する圧力により開閉弁５１２が開弁する。

開閉弁５１２の開弁により、薬剤供給経路８１を循環する薬剤のうち、少量の薬剤が、分岐経路８５を通じて薬剤混入部５１１内に供給される。ポンプ８３を停止させたときには、開閉弁５１２は閉弁する。

図２や図５に示すように、ボウル１は、通水路１０の周方向の一部分に向けて開口する吐水口１１を有する。吐水口１１は、ボウル１のうち後側の半部に位置し、前方を向いて開口する。

ボウル１は、吐水口１１につながる吐水路１２を、後側の半部に有する。吐水路１２は、平面視において環状に形成された通水路１０の一部と隣接して位置する（図２参照）。吐水路１２と通水路１０との間には、隔壁１３を設けている。

言い換えれば、本実施形態のボウル１では、ボウル１の後部の空間を隔壁１３で仕切ることによって、通水路１０の外側方の位置に、吐水路１２を形成している。吐水路１２の前端に位置する開口が、吐水口１１である。

吐水路１２には、吐水ユニット５のノズル５０が位置する。ノズル５０の先端開口５００は、吐水口１１よりも上流側（後側）の位置にある。ノズル５０の先端開口５００と吐水口１１との間には、所定の距離をあけている。

吐水路１２に位置するノズル５０は、気泡や薬剤が混入された洗浄水を、吐水路１２及び吐水口１１を通じて、通水路１０に向けて所定の角度で吐出させる。

吐水口１１は、ノズル５０の先端開口５００と対向する箇所で、先端開口５００よりも大きく開口している。したがって、ノズル５０の先端開口５００から吐出された洗浄水は、ノズル５０の軸方向と平行な吐水方向Ｄ１に沿って、通水路１０内に吐出される。

ノズル５０の先端開口５００から洗浄水を吐出する吐水方向Ｄ１は、平面視において、通水路１０と平行な方向から外側方に角度α（図２参照）だけ傾いた方向に、設定している。

通水路１０は、内側方を向くように全周に亘って形成された内側面１００と、上方（斜め上方）を向くように全周に亘って形成された底面１０１とを有する。内側面１００は、ボウル１の内周面の他の部分よりも、外側方に位置する（図１参照）。底面１０１は、内側面１００の下端から内側方に向けて円滑に延長された形状を有する。

図２に示す角度αは、言い換えれば、平面視においてノズル５０の軸線と、通水路１０の内側面１００とが交差する角度である。角度αは、例えば１０〜２０°程度の角度である。

加えて、本実施形態の吐水方向Ｄ１は、通水路１０と平行な方向から下方に角度β（図４参照）だけ傾いた方向に、設定している。角度βは、側面視においてノズル５０の軸線と、通水路１０の底面１０１とが交差する角度である。

角度βは、言い換えれば、ノズル５０の軸線が水平面Ｓ１に対して交差する角度である。角度βは、例えば２〜５°程度の角度である。

ノズル５０の先端開口５００から、ノズル５０の軸線に沿って吐出された洗浄水は、通水路１０に対して平行に供給されるのではなく、通水路１０に対して外側方に角度αだけ傾き、且つ、通水路１０に対して下方に角度βだけ傾いた吐水方向Ｄ１で、通水路１０に供給される。

そのため、本実施形態の水洗便器の構造は、ノズル５０の先端開口５００から吐出した洗浄水を、通水路１０が有する内側面１００と底面１０１の部分でガイドし、勢いを極力保持したまま旋回させる構造となっている。

しかも、ノズル５０は僅かに下方に向けているため、ノズル５０から通水路１０に洗浄水が吐出された直後から、その洗浄水の一部が底面１０１に当たって内側方に拡がり、ボウル１の底側に流下する。

つまり、本実施形態の水洗便器の構造は、ボウル１の全周に亘って、ノズル５０から吐出した洗浄水を通水路１０内で勢いよく旋回させ、且つ、洗浄水を通水路１０に吐出した直後から、ボウル１の底側に洗浄水を徐々に流下させることのできる構造である。

以上、添付図面に基づいて説明したように、本実施形態の水洗便器は、ボウル１と、洗浄水を吐出する吐水ユニット５とを具備する。ボウル１は、ボウル１の内周面の上部を外側方に向けて凹ませた形状を有する通水路１０と、通水路１０に向けて開口する吐水口１１とを有する。

吐水ユニット５は、吐水口１１を通じて通水路１０に洗浄水を吐出するように位置するノズル５０を有する。ノズル５０から洗浄水を吐出する吐水方向Ｄ１は、平面視において、通水路１０と平行な方向に対して外側方に傾いた方向である。

本実施形態の水洗便器によれば、高い水圧で洗浄水を吐出しなくても、吐水方向Ｄ１に沿って吐出した洗浄水を、通水路１０にガイドさせながら勢いよく旋回させることができる。そのため、ノズル５０から洗浄水を吐出する水圧を低く設定して節水を図ったうえで、ボウル１の全周に行き渡るように洗浄水を供給することが可能となる。

加えて、本実施形態の水洗便器において、吐水方向Ｄ１は、側面視において、通水路１０と平行な方向に対して下方に傾いた方向である。

したがって、本実施形態の水洗便器によれば、洗浄水を通水路１０にガイドさせて勢いよく旋回させることに加えて、通水路１０に洗浄水を吐出した直後から、洗浄水をボウル１の底側に徐々に供給していくことが可能となる。

更に、本実施形態の水洗便器において、ボウル１は、吐水口１１が下流端に位置するように設けた吐水路１２と、吐水路１２と通水路１０を仕切る隔壁１３とを有する。ノズル５０は、吐水口１１との間に距離をあけて吐水路１２内に位置する。

したがって、本実施形態の水洗便器では、ノズル５０に汚れが付着することを隔壁１３で抑制したうえで、ノズル５０から通水路１０に向けて、洗浄水を勢いよく吐出することが可能となる。

更に、本実施形態の水栓便器において、ノズル５０は、洗浄水を吐出する先端開口５００を有し、吐水口１１は、先端開口５００よりも大きな開口縁を有する。

したがって、本実施形態の水洗便器では、ノズル５０の先端開口５００から吐出する洗浄水を、大きな開口縁を有する吐水口１１を通じて、その吐出方向Ｄ１や勢いを保ちながら通水路１０に供給することができる。そのため、吐水路１２内でのノズル５０の設置位置や姿勢を調整することで、どの程度の洗浄性能や節水性能を発揮させるのかを、環境に応じてコントロールすることができる。また、ノズル５０の先端開口５００の寸法形状を選択することでも、どの程度の洗浄性能や節水性能を発揮させるのかを、環境に応じてコントロールすることができる。

以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されない。本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更を行うことが可能である。

１ ボウル
１０ 通水路
１１ 吐水口
１２ 吐水路
１３ 隔壁
５ 吐水ユニット
５０ ノズル
５００ 先端開口
Ｄ１ 吐水方向

Claims (4)

1. ボウルと、
   洗浄水を吐出する吐水ユニットと、を具備し、
   前記ボウルは、
   前記ボウルの内周面の上部を外側方に向けて凹ませた形状を有する通水路と、
   前記通水路に向けて開口する吐水口と、を有し、
   前記吐水ユニットは、
   前記吐水口を通じて前記通水路に前記洗浄水を吐出するように位置するノズルを有し、
   前記ノズルから前記洗浄水を吐出する吐水方向は、
   平面視において、前記通水路と平行な方向に対して外側方に傾いた方向であることを特徴とする水洗便器。
2. 前記吐水方向は、
   側面視において、前記通水路と平行な方向に対して下方に傾いた方向であることを特徴とする請求項１に記載の水洗便器。
3. 前記ボウルは、
   前記吐水口が下流端に位置するように設けた吐水路と、
   前記吐水路と前記通水路を仕切る隔壁と、を有し、
   前記ノズルは、
   前記吐水口との間に距離をあけて前記吐水路内に位置することを特徴とする請求項１又は２に記載の水洗便器。
4. 前記ノズルは、
   前記洗浄水を吐出する先端開口を有し、
   前記吐水口は、
   前記先端開口よりも大きな開口縁を有することを特徴とする請求項３に記載の水洗便器。
   

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