JP2015200036A - 布帛、布帛を有するシートベルトウェビング、及び布帛を備えた車両用シート - Google Patents

布帛、布帛を有するシートベルトウェビング、及び布帛を備えた車両用シート Download PDF

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Abstract

【課題】導電性の繊維をより機能的に用いた布帛、布帛を有するシートベルトウェビング、及び布帛を備えた車両用シートを提供する。
【解決手段】シートベルトウェビング7は、経糸3及び緯糸5で形成された織り組織を有する。そして、経糸3の少なくとも1つには、給電により変形する導電糸3Aが用いられている。導電糸以外の経糸3Bには、熱可塑性樹脂からなるフィラメントが用いられる。緯糸5には、熱可塑性樹脂からなるフィラメントが用いられる。導電糸3Aと、導電糸3Aとの間には、導電糸以外の経糸3Bを挟むような形態の織り組織とされている。各導電糸3Aに、断続的に電気を流すと、シートベルトウェビング7が振動する。
【選択図】図2

Description

本発明は、布帛、布帛を有するシートベルトウェビング、及び布帛を備えた車両用シートに関し、さらに詳しくは、導電性の繊維を機能的に用いた布帛、布帛を有するシートベルトウェビング、及び布帛を備えた車両用シートに関する。
従来から、導電性の繊維(導電糸)を織り込んだ布帛が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この布帛は、車両のシートベルトとして用いられるものであり、導電性の繊維がその表面や内部に配置されている。
この技術では、シートベルトに帯電する静電気を、導電性の繊維を用いて、車体から車輪などの接地部に至るアース回路により除電している。
しかしながら、この技術は、導電性の繊維が織り込まれていることにより、帯電を低減するものに過ぎなかった。
特開2006−213075号公報
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、導電性の繊維をより機能的に用いた布帛、布帛を有するシートベルトウェビング、及び布帛を備えた車両用シートを提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
経糸及び緯糸で形成された織り組織を有する布帛であって、
前記経糸の少なくとも1つには、給電することで変形する導電糸が用いられていることを特徴とすることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載において、
前記導電糸は複数の前記経糸に用いられており、
前記複数の導電糸は、予め定められた順に給電されることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載において、
前記導電糸には放熱性の表面処理が施されていることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の布帛を有するシートベルトウェビングであることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の布帛を備えた車両用シートであることを要旨とする。
本発明の布帛によると、経糸の少なくとも1つに、給電により変形する導電糸が用いられている。このものでは、導電糸に給電することによって、布帛を変形させることができるから、従来のものよりも、より機能的な布帛となる。
また、導電糸が複数の経糸に用いられており、それら複数の導電糸が予め定められた順に給電される場合は、次の作用効果を奏する。すなわち、全ての導電糸に同時に給電する場合と比較して、布帛の動作をより高度に制御することができる。
また、導電糸に放熱性の表面処理が施されている場合には、次の作用効果を奏する。すなわち、一般的に、導電糸に給電すると、導電糸は発熱して、熱を帯びた状態となる。導電糸に放熱性の表面処理を施すと、熱を帯びた導電糸は放熱して初期状態に戻りやすくなる。
本発明のシートベルトウェビングによると、上述の機能性を有する布帛を備えている。よって、導電糸に給電することによって、シートベルトウェビングを変形させることができる。従って、例えば、このような形状変化を着座者に伝達することより異常等の情報を報知することができる。
本発明の車両用シートによると、上述の機能性の布帛を備えている。よって、導電糸に給電することによって、車両用シートを変形させることができる。従って、例えば、このような形状変化を着座者に伝達することより異常等の情報を報知することができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
実施例1に係るシートベルトウェビングを適用したシートの概略図である。 実施例1に係るシートベルトウェビングの織り組織である。 実施例1に係るシートベルトウェビングの導電糸の配置を示す説明図である。 実施例3に係るシートベルトウェビングの導電糸の配置を示す説明図である。 実施例4に係るシートベルトウェビングの導電糸の配置を示す説明図である。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
1.布帛(織物)
本実施形態に係る布帛(1)は、経糸(3)及び緯糸(5)で形成された織り組織を有する布帛である。そして、経糸(3)の少なくとも1つには、給電により変形する導電糸(3A)が用いられている。
織り組織は特に限定されず、例えば、平織り、綾織り、朱子織り等の種々の織り組織を採用することができる。
導電糸(3A)は、給電により変形するものである。導電糸(3A)としては、人工筋肉を用いることができる。人工筋肉としては、特に限定されず、形状記憶材料を用いたアクチュエータ(形状記憶アクチュエータ)、高分子材料を用いたアクチュエータ(ポリマーアクチュエータ)等を例示することができる。
形状記憶材料とは、事前にその材料に対して特定の形状を記憶させる処理を行っておけば、外力による変形を加えても、ある温度に加熱(又は冷却)すると自ら元の記憶形状に戻ることのできる機能性材料である。このような作用効果は金属のみならず、高分子材料、セラミック等においても発現される。
形状記憶アクチュエータとしては、金属のアクチュエータ素子として知られるトキ・コーポレーション社のバイオメタル・ファイバー(登録商標)を例示することができる。
バイオメタルは、電気エネルギーを付与すると、金属内部のイオンの作用により伸縮する。生物のように柔軟で、静かな動作が特長で、通常はナイロンの糸のように柔らかく、しなやかであるが、電流を流すと発熱して収縮作用が発生し、ピアノ線のように硬くなって収縮する。一方、電流を止めれば、再び柔らかくなって元の長さまで伸張する。
また、バイオメタルは、外部からの加熱による温度変化によって動かすことも可能である。約70℃に加熱すると収縮し、冷却すると伸張する。
バイオメタルは、Ti−Ni系の形状記憶合金を原料にし、繊維長手方向に伸縮特性を引き出せるように異方性組織化された繊維状のアクチュエータである。
ポリマーアクチュエータとは、電気的刺激により変形を起こす高分子である。ポリマーアクチュエータとしては、電気的刺激により変形するものであれば、特に限定されないが、例えば、電圧印加によりポリマー中のイオンが移動してポリマーが変形するICPFアクチュエータ(イオン導電性高分子ゲル膜アクチュエータ)、ポリマーが誘電分極されて逆圧電効果により変形する圧電ポリマーアクチュエータ等が挙げられる。
また、導電糸(3A)には放熱性の表面処理が施されていてもよい。
この放熱性の表面処理としては、例えば、輻射率を向上させるためのコーティングやメッキ等の皮膜を形成する処理や、表面積を増加させるための凹凸等を形成する処理等を挙げることができる。
例えば、アクリル酸エステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を含むコーティングや、これらの樹脂内に金属、セラミック等の熱伝導性の良好なるものを混合したコーティングが挙げられる。コーティング方法は、特に限定されない。例えば、ナイフコート法、浸漬法、スプレー法、ロールコート法等が用いられる。
導電糸(3A)の径は、特に限定されず、適宜選択することができる。
また、導電糸として、バイオメタルを用いる場合には、バイオメタルのマイクロ・コイルを用いてもよい。
導電糸以外の経糸(3B)は特に限定されず、モノフィラメントやマルチフィラメントを用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。更に、経糸は、捲縮加工や嵩高加工等をした加工糸でもよく、非加工糸であってもよい。
導電糸以外の経糸を構成する材料は特に限定されないが、通常、樹脂が用いられ、樹脂の中でも熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、特に限定されず、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリアミド系樹脂としては、具体的には、脂肪族ポリアミド樹脂(ナイロン等)、芳香族ポリアミド樹脂(パラフェニレンジアミンとテレフタル酸との重合体等)が挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。
ビニル系樹脂としては、具体的には、疎水化ポリビニルアルコール樹脂等、特にビニロンが挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂等が挙げられる。
また、経糸(3)には、無機フィラー及び/又は有機フィラーが含有されてもよい。
導電糸以外の経糸(3B)のフィラメントの繊度は特に限定されず、適宜の繊度のマルチフィラメント等を用いることが好ましい。繊度は、例えば、1000〜2000デシテックスであることができる。この場合、シートベルト用ウェビングとしての十分な強度を有するため好ましい。また、マルチフィラメントの場合、このマルチフィラメントを構成するフィラメント数は特に限定されず、その繊度等によって設定することができるが、48〜192本、特に96〜144本であることが好ましい。
緯糸(5)は特に限定されず、モノフィラメントやマルチフィラメントを用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。更に、緯糸(5)は、捲縮加工や嵩高加工等を加工糸でもよく、非加工糸であってもよい。
緯糸(5)を構成する材料は特に限定されないが、通常、樹脂が用いられ、樹脂の中でも熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、特に限定されず、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリアミド系樹脂としては、具体的には、脂肪族ポリアミド樹脂(ナイロン等)、芳香族ポリアミド樹脂(パラフェニレンジアミンとテレフタル酸との重合体等)が挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。
ビニル系樹脂としては、具体的には、疎水化ポリビニルアルコール樹脂等、特にビニロンが挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂等が挙げられる。
また、緯糸(5)には、無機フィラー及び/又は有機フィラーが含有されてもよい。
緯糸(5)のフィラメントの繊度は特に限定されず、適宜の繊度のマルチフィラメント等を用いることが好ましい。繊度は、500〜1700デシテックスであることが好ましい。このような繊度であれば、シートベルト用ウェビングとしての十分な強度を有するため好ましい。また、マルチフィラメントの場合、このマルチフィラメントを構成するフィラメント数は特に限定されず、その繊度等によって設定することができるが、48〜192本、特に96〜144本であることが好ましい。
布帛(1)には、導電糸(3A)が複数の経糸(3)に用いられていてもよい。この場合において、導電糸からなる経糸(3A)と、導電糸以外の経糸(3B)との配列は、特に限定されず、種々の配列とすることができる。
例えば、導電糸からなる経糸(3A)と、導電糸からなる経糸(3A)との間に導電糸以外の経糸(3B)を複数配置してもよい(図2参照)。
また、導電糸からなる経糸(3A)が連続して隣り合うように配されていてもよい。この場合に、導電糸からなる経糸(3A)が連続して隣り合うように配された導電糸のブロックを複数形成し、複数のブロックの間には、導電糸以外の経糸(3B)を単数又は複数で配置してもよい。
また、例えば、導電糸からなる経糸(3A)と、導電糸以外の経糸(3B)とが、交互に配置されていてもよい。
複数の導電糸への給電形態は、特に限定されない。例えば、複数の導電糸に略同時に給電する形態を挙げることができる。さらに、導電糸へ電気を断続的に流すことにより、布帛の伸縮を繰り返させて、布帛を振動させることができる。この振動により、異常等の情報を着座者等に効果的に報知することができる。
また、複数の導電糸が予め定められた順に給電する形態が挙げられる。
複数の導電糸が予め定められた順に給電する形態としては、特に限定されない。
例えば、複数の導電糸の配列順に給電する形態が挙げられる。具体的には、図2、図3に示すように、経糸(3A)、経糸(3A)、経糸(3A)、経糸(3A)…、経糸(3A)の順に給電する形態が挙げられる。
また、複数の導電糸からなるグループ(21,23)を複数形成し、グループに属する導電糸には略同時に給電し、その給電後に、他のグループに属する導電糸に略同時に給電する形態も例示される。具体的には、例えば、図4に示すように、符号3Aを付した複数の導電糸からなる第1グループ、符号3Aを付した複数の導電糸からなる第2グループ、符号3Aを付した複数の導電糸からなる第3グループを形成して、まず、第1グループに属する導電糸(3A)には略同時に給電し、その給電後に、第2グループに属する導電糸(3A)に略同時に給電し、続いて、第3グループに属する導電糸(3A)に略同時に給電する形態が挙げられる。
導電糸へ給電するタイミングは、特に限定されない。具体的には、乗員に警告する時、例えば、車両の衝突予知時、すなわち、車両走行中に車両の前方に障害物が存在し、車両から障害物までの距離が基準値以下になる時や、燃料が所定の基準値以下になる時等が挙げられる。
2.シートベルトウェビング
本実施形態に係るシートベルトウェビングは、上記実施形態1.の布帛を備えたことを特徴とする。このようなシートベルトウェビングの場合、例えば、衝突被害軽減システムの作動時や、燃料の残量の不足時等の種々の状態異常時において、給電によりシートベルトウェビングを振動させて、乗員に警告することができる。
3.車両用シート
本実施形態に係る車両用シートは、上記実施形態1.の布帛を備えたことを特徴とする。この場合、布帛は、例えば、着座者に接触するシート表皮等の構成要素や、シート表皮よりも内側の構成要素に用いてもよい。
4.本実施形態の作用効果
本実施形態の布帛(1)によると、経糸の少なくとも1つに、給電により変形する導電糸(3A)が用いられている。このものでは、導電糸(3A)に給電することによって、布帛を変形させることができるから、従来のものよりも、より機能的な布帛(1)にできる。よって、この機能を利用して、人に対して情報を伝達できる。
また、導電糸(3A)が複数の経糸(3)に用いられており、それら複数の導電糸(3)に予め定められた順に給電する場合は、次の作用効果を奏する。すなわち、全ての導電糸に同時に給電する場合と比較して、布帛(1)の動作をより高度に制御することができる。例えば、導電糸(3A)へ電気を断続的に流すことにより、布帛(1)を伸縮させて、布帛(1)を振動させることができる。
また、導電糸(3A)に放熱性の表面処理を施すと、熱を帯びた導電糸(3A)が放熱し易くなり、初期状態に迅速に戻すことができる。すなわち、熱を帯びて縮んだ導電糸(3A)を、伸びた状態に速やかに戻すことができる。
本実施形態のシートベルトウェビングによると、上述の機能性を有する布帛を備えている。よって、導電糸(3A)に給電することによって、シートベルトウェビングを変形させることができる。従って、例えば、このような形状変化を着座者に伝達することより、車両の異常等の情報を報知できる。
本実施形態の車両用シートは、上述の機能性の布帛を備えている。よって、導電糸(3A)に給電することによって、車両用シートを変形させることができる。従って、例えば、このような形状変化を着座者に伝達することより異常等の情報を報知できる。
なお、上記実施形態で記載した各構成の括弧内の符号は、後述する実施例に記載の具体的構成との対応関係を示すものである。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
<実施例1>
(1)シートベルトウェビングの構成
本発明の布帛1をシートベルトウェビング7に適用した例を実施例1として説明する。
図1には、シートベルトウェビング7が適用された車両用のシート9の説明図が示されている。
シート9には、図1に示されるように、シートクッション11と、シートバック13と、シートベルト装置15と、が備えられている。シートベルト装置15には、シートベルトウェビング7と、タングプレート17と、バックル19が備えられている。
シートベルトウェビング7は、図2に示される布帛1からなるもので、経糸3及び緯糸5で形成された織り組織を有する。そして、経糸3の少なくとも1つには、給電により変形する導電糸3Aが用いられている。導電糸3Aとしては、トキ・コーポレーション社のバイオメタル・ファイバー(登録商標)が用いられている。
導電糸以外の経糸3Bには、熱可塑性樹脂からなるフィラメントが用いられている。
緯糸5には、熱可塑性樹脂からなるフィラメントが用いられている。
図3には、図2のシートベルトウェビング7において、緯糸5を省略し、経糸3のみを表した模式図を示す。この図に示されるように、織り組織は、導電糸3Aと、導電糸3Aとの間に、導電糸以外の経糸3Bを挟む組織とされている。
また、各導電糸3A、3A、3A、3A…3Aには、それぞれ別個に通電可能とされている。
また、車両には、前方に障害物が存在し、車両から障害物までの距離が基準値以下になったこと検知するセンサと、センサに電気的に接続されたECU(Electric Control Unit)が備えられている。センサは、車両の衝突を予測又は検出して検出信号を出力するように構成されている。
ECUに検出信号が入力されると、ECUは、左端部寄りの導電糸3Aを所定時間通電状態とした後に非通電状態とし、次に導電糸3Aを所定時間通電状態とした後に非通電状態とし、次に導電糸3Aを所定時間通電状態とした後に非通電状態とするように、導電糸3Aを図面左から順に通電状態とする。そして、最も右端部寄りの導電糸3Aの通電が終了した後には、再び左端部寄りの導電糸3Aから右側向かって順に通電状態とするように構成されている。
(2)シートベルトウェビングの作用効果
実施例1のシートベルトウェビング7によれば、以下の作用効果を奏する。
センサが、車両の前方に障害物が存在し、車両から障害物までの距離が基準値以下になったこと検知する。すると、センサは、車両の衝突を予測又は検出して検出信号をECUに出力する。
ECUに検出信号が入力されると、ECUは、左端部寄りの導電糸3Aから、導電糸3A、導電糸3A…導電糸3Aと順に右に向かって、各導電糸に対して、あらかじめ定められた所定の時間分だけ通電状態とする。そして、最も右端部寄りの導電糸3Anの通電が終了した後には、再び左端部寄りの導電糸3Aから右側向かって順に通電状態とするようにする。
本実施例1では、各導電糸3A、3A、3A、3A4、…3Aに、断続的に電気が流れるから、シートベルトウェビング7を振動させることができる。この振動により、車両が衝突する危険を着座者に報知できる
また、導電糸3Aに対して順に、所定時間通電させるから、一度、通電状態となった後に次に通電状態とされるまでには、導電糸3Aを一巡する時間を稼ぐことができる。例えば、3Aを通電状態とした後に、再び3Aを通電状態とするまでには、3A、3A、3A4、…3Aに順に通電する。よって、3A、3A、3A4、…3Aに順に通電している間は、3Aの冷却時間を稼ぐことができる。
本実施例1に用いるバイオメタル・ファイバー(登録商標)は、通電により収縮する際に発熱する。そして、発熱したものを冷却すると再び伸張する。従って、電気を流せば収縮するので、収縮する方向への応答性には優れる。一方、発熱したものを急冷することは難しいから、伸張する方向への応答性は比較的低い。
本実施例1のシートベルトウェビング7によれば、一度、通電状態となって発熱した後に、次に通電状態となるまでには、導電糸3Aを一巡する間の冷却時間を稼げるから、伸張する方向への応答性も向上させることができる。従って、本実施例1のシートベルトウェビング7は高周波数で振動させることも可能となる。
<実施例2>
次に、実施例2に係るシートベルトウェビング7を説明する。なお、実施例2のシートベルトウェビング7において、上記実施例1のシートベルトウェビング7と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。実施例2では、次の点が、実施例1と相違している。すなわち、実施例2では、車両には、燃料が所定の基準値以下になったこと検知するセンサと、センサに電気的に接続されたECUを備えている。センサは、燃料が所定の基準値以下になったことを検出して検出信号を出力するように構成されている。
その他の構成は、実施例1と同様に図1〜3に示されたものと同様である。
ECUに検出信号が入力されると、ECUは、各導電糸3Aに対して、実施例1と同様の通電を行う。
本実施例では、シートベルトウェビング7を振動により、燃料が所定の基準値以下になったことを着座者に報知できる。
<実施例3>
次に、実施例3に係るシートベルトウェビング7を、図4を参照しつつ説明する。なお、実施例3のシートベルトウェビング7において、上記実施例1のシートベルトウェビング7と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。
実施例3では、次の点が、実施例1と相違している。すなわち、実施例3では、導電糸3Aに対する通電の仕方が実施例1と異なっている。
具体的には、図4に示されるように、通電する導電糸3Aの組が、第1番目の導電糸の組21、第2番目の導電糸の組23と複数存在している。そして、第1番目の導電糸の組21の導電糸3Aと、第2番目の導電糸の組23の導電糸3Aと、は、略同時に通電するようにされている。同様に、第1番目の導電糸の組21の導電糸3Aと、第2番目の導電糸の組23の導電糸3Aと、は、略同時に通電し、第1番目の導電糸の組21の導電糸3Aと、第2番目の導電糸の組23の導電糸3Aと、は、略同時に通電するようにされている。
本実施例のように、導電糸3Aの組が複数存在している場合には、シートベルトウェビング7に対して、より複雑な動作をさせることができる。
なお、本実施例のように、導電糸3Aの組が、複数存在している場合には、その組の数は特に限定されない。3以上の組であってもよい。
<実施例4>
次に、実施例4に係るシートベルトウェビング7を、図5を参照しつつ説明する。なお、実施例3のシートベルトウェビング7において、上記実施例1のシートベルトウェビング7と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。
実施例4では、次の点が、実施例1と相違している。すなわち、実施例4では、複数の導電糸3Aが隣に並んで配置されている。
本実施例のように、複数の導電糸3Aが隣に並んで配置されている場合には、その数は特に限定されない。3以上であってもよい。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
上記実施例では、本発明の布帛1をシートベルトウェビング7に適用した例を挙げて説明したが、着座者に接触するシート表皮等の構成要素や、シート表皮よりも内側の構成要素に用いてもよく、布帛の用途は、目的に応じて適宜選択できる。
上記実施例では、導電糸からなる経糸3A、導電糸以外の経糸3B、及び緯糸5、がそれぞれ特定の本数で配置された組織からなる布帛1を例示して説明したが、組織は特に限定されず、目的に応じて適宜選択できる。
上記実施例では、複数の導電糸からなる経糸3Aに対して、左から順に通電状態となるようにしたが、複数の導電糸からなる経糸3Aに通電する順は特に限定されない。例えば、全ての導電糸からなる経糸を略同時に通電状態としてもよいし、右から順に通電状態となるようにしてもよいし、任意の順番で通電状態としてもよい。
上記実施例では、導電糸をバイオメタル・ファイバー(登録商標)として説明したが、導電糸は、給電により変形する糸であれば特に限定されず、他の素材のものを用いることができる。
上記実施例では、導電糸に給電することにより、車両の衝突予知時や、燃料が所定の基準値以下になる時に、乗員に報知する例を挙げて説明したが、報知するタイミングは、目的に応じて適宜選択できる。
上記実施例では、導電糸の表面処理については記載しなかったが、導電糸に放熱性の表面処理が施されていてもよい。このような表面処理を行うと、通電により発熱した導電糸が冷却しやすい。よって、導電糸の伸張する方向への応答性も向上させることができる。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
導電性の繊維をより機能的に用いた布帛、車両用シートベルト、車両用シート等に関する技術として広く利用される。
1;布帛
3;経糸
3A;経糸(導電糸)
3B;経糸(導電糸以外)
5;緯糸
7;シートベルトウェビング
9;シート
11;シートクッション
13;シートバック
15;シートベルト装置
17;タングプレート
19;バックル
21;第1番目の導電糸の組
23;第2番目の導電糸の組

Claims (5)

  1. 経糸及び緯糸で形成された織り組織を有する布帛であって、
    前記経糸の少なくとも1つには、給電することで変形する導電糸が用いられていることを特徴とする布帛。
  2. 前記導電糸は複数の前記経糸に用いられており、
    前記複数の導電糸は、予め定められた順に給電されることを特徴とする請求項1記載の布帛。
  3. 前記導電糸には放熱性の表面処理が施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の布帛。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の布帛を有することを特徴とするシートベルトウェビング。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の布帛を備えたことを特徴とする車両用シート。
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