JP2015183132A - 樹脂添加剤、樹脂添加剤の製造方法、樹脂組成物および樹脂成形体 - Google Patents

樹脂添加剤、樹脂添加剤の製造方法、樹脂組成物および樹脂成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた難燃性と耐衝撃性とを両立した樹脂添加剤の提供。
【解決手段】架橋構造を有する樹脂と、前記樹脂の架橋構造中に、50質量%を超え99質量%以下の濃度で含まれる、(A)液状難燃剤、並びに(B)固体難燃剤および該固体難燃剤を溶解または分散する液体からなる群より選択される少なくとも一種の難燃成分と、を含有し、ずり弾性率が1Pa以上10Pa以下である樹脂添加剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂添加剤、樹脂添加剤の製造方法、樹脂組成物および樹脂成形体に関する。
従来、樹脂組成物としては種々のものが提供され、家電製品や自動車の各種部品、筐体、事務機器、電子電気機器の筐体などの部品にも熱可塑性樹脂が使用されている。尚、該樹脂組成物に対し、難燃性等を付与する目的で、種々の添加剤を添加することが検討されている。
例えば、特許文献1には、液状のリン酸エステルおよびイオン液体から選択される少なくとも1種と、架橋高分子と、が複合した複合体粒子が開示されている。
特許文献2には、(A)主成分となる構成モノマーが炭素数1以上8未満のアルキル基がエステル結合されたアクリル酸またはメタクリル酸エステルモノマーである(メタ)アクリル酸エステル重合体、(B)ホスファゼン系難燃剤、(C)リン酸エステル系難燃剤、(D)架橋剤および(E)粘着付与樹脂を含有し、該(A)成分100質量部に対して、該(B)成分と該(C)成分を合計したものの配合量が60質量部から350質量部の範囲であり、かつ該(B)成分と該(C)成分の配合割合が質量比で25:75から75:25の範囲である難燃性粘着剤組成物が開示されている。
特開2011−201974号公報 特開2011−148863号公報
本発明の目的は、優れた難燃性と耐衝撃性とを両立した樹脂添加剤を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明によって達成される。
即ち、請求項1に係る発明は、
架橋構造を有する樹脂と、
前記樹脂の架橋構造中に、50質量%を超え99質量%以下の濃度で含まれる、(A)液状難燃剤、並びに(B)固体難燃剤および該固体難燃剤を溶解または分散する液体からなる群より選択される少なくとも一種の難燃成分と、を含有し、
ずり弾性率が1Pa以上10Pa以下である樹脂添加剤である。
請求項2に係る発明は、
架橋性基を有する樹脂前駆体と、全質量に対する量が50質量%を超え99質量%以下である、(A)液状難燃剤、並びに(B)固体難燃剤および該固体難燃剤を溶解または分散する液体からなる群より選択される少なくとも一種の難燃成分と、を混合する混合工程と、
該混合工程後に前記樹脂前駆体を架橋重合させる架橋工程と、
を備える樹脂添加剤の製造方法である。
請求項3に係る発明は、
樹脂と、請求項1に記載の樹脂添加剤と、を含有する樹脂組成物である。
請求項4に係る発明は、
樹脂と、請求項1に記載の樹脂添加剤と、を含有する樹脂成形体である。
請求項1に係る発明によれば、樹脂の架橋構造中に前記(A)および(B)の少なくとも一方を含まない場合に比べ、優れた難燃性と耐衝撃性とを両立した樹脂添加剤が提供される。
請求項2に係る発明によれば、架橋性基を有する樹脂前駆体と前記(A)および(B)の少なくとも一方とを混合した後に樹脂前駆体を架橋重合させて製造しない場合に比べ、優れた難燃性と耐衝撃性とを両立した樹脂添加剤を製造し得る樹脂添加剤の製造方法が提供される。
請求項3に係る発明によれば、樹脂の架橋構造中に前記(A)および(B)の少なくとも一方を含む樹脂添加剤を含有しない場合に比べ、成形体にした際に優れた難燃性と耐衝撃性とを両立する樹脂組成物が提供される。
請求項4に係る発明によれば、樹脂の架橋構造中に前記(A)および(B)の少なくとも一方を含む樹脂添加剤を含有しない場合に比べ、優れた難燃性と耐衝撃性とを両立した樹脂成形体が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。
≪樹脂添加剤≫
本実施形態に係る樹脂添加剤は、架橋構造を有する樹脂と、該樹脂の架橋構造中に、液状の難燃成分と、を有する。前記液状の難燃成分とは、下記(A)および(B)からなる群より選択される少なくとも一種を表す。
(A)液状難燃剤
(B)固体難燃剤および該固体難燃剤を溶解または分散する液体
尚、液状の難燃成分の樹脂添加剤中における含有率(濃度)は、50質量%を超え99質量%以下の範囲である。
また、本実施形態の樹脂添加剤は、そのずり弾性率が1Pa以上10Pa以下である。
従来から、熱可塑性樹脂の成型体に難燃性を付与するために難燃剤を配合し、また耐衝撃性を付与するためにゴム成分を配合することが行われている。しかし、耐衝撃性を獲得するためにゴム成分を多く配合すると難燃性が低下し、一方で難燃剤を多く配合すると難燃剤のブリード(樹脂成形体とした際の表面への含有成分の移行および析出)や、耐衝撃性の低下、樹脂の溶融粘度の低下などが発生していた。
これに対し本実施形態に係る樹脂添加剤は、液状の難燃成分、即ち(A)液状難燃剤、並びに(B)固体難燃剤および該固体難燃剤を溶解または分散する液体の少なくとも一方を架橋構造を有する樹脂の該架橋構造中に含ませることで、ゲル状とし得る。そのため、荷重をかけても液状の難燃成分が架橋樹脂から分離することが抑制され、難燃性と弾性とに優れた樹脂添加剤が得られる。
そして、この樹脂添加剤を熱可塑性樹脂中に添加した樹脂組成物では、優れた難燃性と耐衝撃性とが両立される。
尚、本実施形態の樹脂添加剤は、エラストマーなどのゴム弾性を有する樹脂と比べても、構成材料の50質量%を超える量が難燃成分で構成されており、優れた難燃性能が発揮される。
また、樹脂と液状の難燃成分とを含むものの、該樹脂が架橋構造を有していない化合物と比べても、例え同量の難燃成分を含んだ場合であっても、本実施形態の樹脂添加剤ではより優れた難燃性能が発揮される。
更に、本実施形態の樹脂添加剤を熱可塑性樹脂中に添加した樹脂組成物により形成された成形体は、難燃剤として機能する樹脂添加剤が熱可塑性樹脂中において島状に固まって存在し、熱可塑性樹脂が海島構造における海状に存在するため、耐熱変形性(熱に対して変形が抑制される性質)も向上される。
尚、本実施形態に係る樹脂添加剤が、難燃剤として固体難燃剤を固体状態のまま(即ち液体等に溶解されていない状態で)含む場合、架橋構造中において局所的に該固体難燃剤が凝集した高濃度の箇所が形成され、より優れた難燃性が実現される。
・濃度
樹脂添加剤中における液状の難燃成分の濃度((A)液状難燃剤と(B)固体難燃剤および該固体難燃剤を溶解または分散する液体との総量)は、50質量%を超え99質量%以下の範囲である。
上記下限値を超えると、難燃成分による優れた難燃性が得られる。一方上記上限値以下であると、ゲル状物質として混練、成形などの工程での取り扱いが容易である。
尚、液状の難燃成分として含まれる固体難燃剤を溶解または分散する前記液体として、難燃性を有しない液体を用いてもよい。この場合、液状の難燃成分には、該液状の難燃成分の総量(液状難燃剤、固体難燃剤、および難燃性を有しない液体の総量)に対して、少なくとも難燃剤(液状難燃剤および固体難燃剤)を51質量%以上含むことが好ましく、更には60質量%以上含むことがより好ましい。つまり、難燃性を有しない液体の含有量を、特定の範囲に抑制することが好ましい。
・ずり弾性率
また、本実施形態の樹脂添加剤はそのずり弾性率が1Pa以上10Pa以下であり、1×10Pa以上5×10Pa以下であることがより好ましい。
ずり弾性率が上記上限値以下であると、優れた耐衝撃性が得られる。一方上記下限値を以上であると、ゲル状物質として混練、成形などの工程での取り扱いが容易な点で有利である。
ここで、樹脂添加剤のずり弾性率は、以下の方法により測定される。RDA2RHIOSシステム Ver.4.3.2(レオメトリックス・サイエンテイフィック・エフ・イー(株)製)を用いて、周波数6.28rad/sec、温度25℃の条件にて測定される。
樹脂添加剤のずり弾性率は、架橋構造を有する樹脂における架橋の状態(架橋密度や架橋の緻密さ)、液状の難燃成分の濃度((A)液状難燃剤と(B)固体難燃剤および該固体難燃剤を溶解または分散する液体との総量)、液状の難燃成分に含まれる固体成分の量等を調整することで、上記の範囲に制御される。
尚、本実施形態の樹脂添加剤は、架橋性基を有する樹脂前駆体と、全質量に対する量が50質量%を超え99質量%以下である、(A)液状難燃剤、並びに(B)固体難燃剤および該固体難燃剤を溶解または分散する液体からなる群より選択される少なくとも一種の難燃成分と、を混合し、その後に前記樹脂前駆体を架橋重合させる方法によって製造することが好ましい。
該方法によって製造されることにより、架橋構造中に液状の難燃成分が多量に取り込まれ、その結果優れた難燃性と耐衝撃性とが両立される。また、樹脂添加剤のずり弾性率を容易に前記範囲に調整し得る。
以下、各成分について説明する。
−液状の難燃成分−
本実施形態では、液状の難燃成分として下記(A)および(B)からなる群より選択される少なくとも一種を含む。
(A)液状難燃剤
(B)固体難燃剤および該固体難燃剤を溶解または分散する液体
尚、固体難燃剤を溶解または分散する液体としては、難燃性を有する液体(即ち液状難燃剤)であっても、難燃性を有しない液体であってもよい。
・液状難燃剤
液状難燃剤とは、常温(20℃)下で液体である難燃剤をさす。
本実施形態に用いられる液状難燃剤としては、特に限定されるものではないが、液状のリン酸エステルが好ましい。
リン酸エステルは、下記一般式で表される化学構造を有する化合物である。
一般式 : (RO)PO
〔式中、Rは脂肪族基または芳香族環を示し、該脂肪族基はOH基等の置換基を、該芳香族環はOH基やアルキル基等の置換基を有してもよい。〕
上記リン酸エステルの具体例としては、脂肪族リン酸エステル(例えば、トリメチルフォスフェート、トリエチルホスフェート等)、芳香族リン酸エステル(例えば、トリフェニルホスフェート等)、芳香族縮合リン酸エステル等が挙げられる。
中でも、特に芳香族縮合リン酸エステルが好適に用いられる。
前記芳香族縮合リン酸エステルとしては、例えば、ペンタエリスリトールジホスフェートや、下記一般式(I)、(II)で表わされるリン酸エステル化合物が挙げられる。

式(I)中、Q、Q、QおよびQはそれぞれ独立に、炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、Q、Qはそれぞれ独立に、メチル基を表し、QおよびQはそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、m1、m2、m3およびm4はそれぞれ独立に、0以上3以下の整数を示し、m5およびm6はそれぞれ独立に、0以上2以下の整数を表し、n1は、0以上10以下の整数を表す。

式(II)中、Q、Q10、Q11およびQ12はそれぞれ独立に、炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、Q13は、メチル基を表し、m7、m8、m9およびm10はそれぞれ独立に、0以上3以下の整数を表し、m11は0以上4以下の整数を表し、n2は、0以上10以下の整数を表す。
本実施形態においては、例えば、ビスフェノールA型、ビフェニレン型、イソフタル型などの芳香族縮合リン酸エステルが好適に使用される。また、芳香族縮合リン酸エステルとして、大八化学社製PX−201、PX−202、CR−733S、CR741、CR747などの市販品を用いてもよい。
・固体難燃剤
前記(B)に挙げられる固体状難燃剤としては、特に限定さることなく公知の固体難燃剤が使用される。例えば、リン系難燃剤、含窒素系難燃剤、硫酸系難燃剤、無機水酸化物系難燃剤等が挙げられる。
尚、リン系難燃剤としては、リン酸メラミン、リン酸アンモニウム、リン酸アルミニウムなどが、含窒素系難燃剤としては、メラミン化合物、トリアジン化合物などが、硫酸系難燃剤としては、硫酸メラミン、硫酸グアニジンなどが、無機水酸化物系難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。
・液体
固体難燃剤を溶解または分散する液体(溶媒または分散媒)は、難燃性を有する液体(即ち液状難燃剤)であっても、難燃性を有しない液体であってもよい。
(難燃性を有する液体)
難燃性を有する液体としては、前述の液状難燃剤が挙げられる。
前記(B)として固体難燃剤と該固体難燃剤を溶解する液状難燃剤(溶媒)とを用いる場合、液状難燃剤(溶媒)に対する固体難燃剤の比率は、1質量%以上90質量%以下が好ましく、5質量%以上80質量%以下がより好ましい。
また、前記(B)として固体難燃剤と該固体難燃剤を分散する液状難燃剤(分散媒)とを用いる場合、液状難燃剤(分散媒)に対する固体難燃剤の比率は、1質量%以上80質量%以下が好ましく、5質量%以上70質量%以下がより好ましい。
(難燃性を有しない液体)
難燃性を有しない液体としては、固体難燃剤を溶解または分散し得る液体であれば特に限定されずに用い得る。
難燃性を有しない液体としては、例えば、混基二塩基酸エステル(例えば大八化学社製のDaiffaty101など)、ポリエステルポリオール(例えばDIC社製のポリライトOD−Xシリーズ)、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチル−トリエチル、ポリプロピレングリコール、炭酸プロピレン等が挙げられる。
これらの中でも、混基二塩基酸エステル、ポリエステルポリオール(例えばDIC社製のポリライトOD−Xシリーズ)、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチル−トリエチルなどが好ましく用いられる。
前記(B)として固体難燃剤と該固体難燃剤を溶解する難燃性を有しない液体(溶媒)とを用いる場合、液体(溶媒)に対する固体難燃剤の比率は、50質量%以上90質量%以下が好ましく、60質量%以上85質量%以下がより好ましい。
また、前記(B)として固体難燃剤と該固体難燃剤を分散する難燃性を有しない液体(分散媒)とを用いる場合、液体(分散媒)に対する固体難燃剤の比率は、50質量%以上80質量%以下が好ましく、55質量%以上70質量%以下がより好ましい。
<架橋構造を有する樹脂>
架橋構造を有する樹脂(以下単に「架橋樹脂」とも称す)としては、まず、連鎖重合性基によって架橋重合を形成してなる樹脂が挙げられる。
・連鎖重合性基によって架橋構造を形成してなる樹脂
連鎖重合性基によって架橋構造を形成してなる樹脂としては、エチレン性二重結合等の連鎖重合性基を2つ以上有するモノマーやプレポリマーを単独で重合してなる樹脂や、連鎖重合性基を2つ以上有するモノマーやプレポリマーと連鎖重合性基を1つ有するモノマーやプレポリマーとを共重合してなる樹脂、連鎖重合性基を2つ以上有するモノマーやプレポリマーを架橋剤として用い連鎖重合性基を1つ有するモノマーやプレポリマーを架橋重合してなる樹脂などが挙げられる。
前記連鎖重合性基を2つ以上有するモノマーやプレポリマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等が挙げられる。
また、前記連鎖重合性基を1つ有するモノマーやプレポリマーとしては、例えば、スチレン、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、オクタデシルアクリレート、オクタデシルメタクリレート等が挙げられる。
尚、連鎖重合性基を重合させる際には、開始剤を用いてもよい。開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ系開始剤や、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの有機過酸化物等が挙げられる。
・架橋構造を形成してなるポリエステル系樹脂
市販されるポリエステル系樹脂の水酸基や酸基と反応する架橋剤を用いて架橋構造を形成してもよい。このような架橋構造を形成してなるポリエステル樹脂としては、例えば、ポリ乳酸の酸基と反応するポリカルボジイミド(例えば日清紡ケミカル社製、カルボジライト)と水酸基と反応するブロックイソシアネート(例えばフュルス社製、ベスタゴン)を添加し180℃以上で溶融混合することで架橋構造を形成したポリ乳酸が挙げられる。
尚、反応させる際には、反応触媒を用いてもよい。反応触媒としては、例えば、錫系触媒(例えばジブチル錫ジラウリレート)、アミン系触媒(例えばトリエチレンジアミン)、カルボキシレート触媒(ナフテン酸鉛)、トリアルキルフォスフィン触媒(例えばトリエチルホスフィン)等が挙げられる。
その他、架橋樹脂としては、ポリオルガノシロキサンゴム、ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム、ポリブタジエンゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキル(メタ)アクリレートゴムとの複合ゴム、およびこれらにエチレン性不飽和結合を有する単量体をグラフト重合させてなるグラフト共重合体等が挙げられる。また、この他にも、3次元架橋高分子、難溶性の多糖類、多孔質構造を有する高分子化合物等が挙げられる。
・ポリオルガノシロキサンゴム
前記ポリオルガノシロキサンゴムとしては、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリジプロピルシロキサン、ポリジブチルシロキサン、ポリジペンチルシロキサン等のポリジアルキルシロキサンが挙げられる。
上記の中でもポリジアルキルシロキサンが望ましい。更に、前記ジアルキルシロキサンの2つのアルキル部分の炭素数は、それぞれ独立に1以上6以下が望ましい。
・ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム
前記ポリアルキル(メタ)アクリレートゴムとしては、例えば、ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸プロピル、ポリアクリル酸2−エチルヘキシル等のポリ(メタ)アクリル酸アルキルが挙げられる。
ポリ(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル部分の炭素数は、1以上6以下が望ましい。
なお、本明細書中において、「(メタ)アクリレート」はアクリレートまたはメタクリレートを表し、「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸またはメタクリル酸を表す。
・複合ゴム
前記複合ゴムとしては、前記において列挙したポリオルガノシロキサンゴムと前記において列挙したポリアルキル(メタ)アクリレートゴムとを複合したゴムが挙げられる。尚、前記ポリオルガノシロキサンゴム成分は1種のみであっても2種以上であってもよく、また前記ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分も1種のみであっても2種以上であってもよい。
また、上記複合ゴムにおける前記ポリオルガノシロキサンゴム成分の比率は、5質量%以上80質量%以下であることが好ましく、5質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
・グラフト共重合体
前記ポリオルガノシロキサンゴムや前記ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム、前記複合ゴムに対しエチレン性不飽和結合を有する単量体をグラフト重合させてなるグラフト共重合体において、該エチレン性不飽和結合を有する単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物等が挙げられる。
上記の中でも、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレンが好ましい。更に、前記メタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルのアルキル部分の炭素数は、それぞれ独立に1以上6以下が好ましい。
前記エチレン性不飽和結合を有する単量体は、1種のみであっても2種以上であってもよい。
上記グラフト共重合体は、特に限定されることなく従来公知の方法によって製造し得る。例えば、前記複合ゴムのコアに対し前記エチレン性不飽和結合を有する単量体をグラフト重合してシェルとして形成したコア−シェル構造を有するグラフト共重合体である場合には、以下のごとく製造される。
ポリオルガノシロキサン成分のラテックス中にポリアルキル(メタ)アクリレート成分を含む混合液を仕込み、この混合液をラジカル重合反応させることによって、複合ゴム成分(コア)を得る。次いで、この複合ゴム成分に、前記エチレン性不飽和結合を有する単量体を含む混合液を一括、あるいは滴下により添加し、複合ゴム成分にグラフト重合反応させてシェルを形成することによりグラフト共重合体が得られる。
尚、前記グラフト共重合体としては市販品を用いてもよく、例えば、「EXL2603」,「KM−330」(ローム&ハース社製、商品名)、「MR−01」,「MR−02」(カネカ社製、商品名)、「メタブレンS−2001」,「S−2006」,「S−2030」,「S−2100」,「SRK−200」,「SX−006」,「SX−005」,「W−300A」,「W−450A」,「W−341」,「E−901」,「C−223A」,「C−323A」,「C−215A」,「C−201A」,「C−202」,「C−102」,「C−140A」,「C−132」,「F−410」,「H−602」(いずれも三菱レイヨン社製、商品名)等が挙げられる。
・3次元架橋高分子
3次元の架橋構造を有する高分子化合物としては、1種または2種以上のモノマーと、架橋剤とからなる(共)重合体が挙げられ、上記モノマーとしては下記一般式(1)で示されるものが挙げられる。

〔上記一般式(1)におけるR、R、R、およびRは、水素原子または一価の有機基を表す。尚、R、R、R、およびRは全て同一の構造であっても異なる構造であってもよい。〕
上記一般式(1)では、付加重合により高分子化合物が得られやすいことから、特にR、R、R、およびRの内、少なくとも2個以上は水素原子であることが好ましく、また水素原子以外の構造の場合は、同一の炭素原子と結合している方が好ましい。
上記一般式(1)で示される構造を有するモノマーとしては、エチレン、プロピレン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−tert−ブチルメタクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のアクリルアミド類、N−ビニルアセトアミド等のビニルアミド類、N,N−ジエチルアリルアミン等のアリルアミン類、2,4−ジメチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等の脂肪族不飽和炭化水素類、スチレン、1,1−ジフェニルエチレン、ベンジルメタクリレート等の芳香族類を側鎖に有する不飽和炭化水素類、n−酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、ビニルヘキサネート、ビニルオクタネート、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、オクタデシルアクリレート、オクタデシルメタクリレート、等が挙げられる。これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いられる。
また架橋剤としては、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(MBAAm)やエチレングリコールジメタクリレート(EDMA)等が挙げられ、開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)や過酸化ベンゾイル(BPO)、過硫酸塩などが挙げられる。
・難溶性の多糖類
難溶性の多糖類としては、セルロース、セルロースファイバー、セルロースパウダー、キチン、キトサンなどが挙げられる。具体例としては、旭化成せんい(株)製セルロース粒子や東亜化成(株)製VIVAPUR、VITACEL、ARBOCELなどが挙げられる。
・多孔質構造を有する高分子化合物
多孔質構造を有する高分子化合物としては、上記架橋高分子を架橋剤にて架橋することなく、多孔質化した汎用メンブレンおよびフィルムが挙げられ、具体的には住友電工ファインポリマー(株)製ポアフロンメンブレン(PTFE)、日東電工(株)製TEMISHシリーズ、三菱樹脂(株)製ダイアラミー、三菱樹脂(株)製ダイアホイル、日本合成化学工業(株)製ニチゴーポリエスター、アルケマ社製Kynar、アルケマ社製Kynar Flex、Westran製PVDFメンブレンなどが挙げられる。
≪樹脂組成物≫
本実施形態に係る樹脂組成物は、本実施形態に係る樹脂添加剤を樹脂中に混合し分散させて得られる。
尚、本実施形態に係る樹脂組成物において、上記樹脂添加剤の含有率は10質量%以上50質量%以下であることが望ましく、更には15質量%以上40質量%以下であることがより望ましい。
<樹脂>
本実施形態に係る樹脂組成物における樹脂(いわゆるマトリクス樹脂)としては、従来公知の熱可塑性樹脂が用いられる。
具体的には、ポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリアリーレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリールケトン樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、液晶樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリパラバン酸樹脂、芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルおよびシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体樹脂、ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、シアン化ビニル−ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、芳香族アルケニル化合物−ジエン−シアン化ビニル−N−フェニルマレイミド共重合体樹脂、シアン化ビニル−(エチレン−ジエン−プロピレン(EPDM))−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、ポリオレフィン、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂等が挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂やポリ乳酸樹脂が望ましい。
ここで、ポリカーボネート(以下「PC」ともいう)系樹脂としては、例えば、芳香族ポリカーボネート、ポリオルガノシロキサン含有芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、脂環式ポリカーボネートなどが挙げられる。上記の中でも、芳香族ポリカーボネートが望ましい。
また、上記ポリカーボネート系樹脂は、ポリカーボネート系樹脂の少なくとも1種と、スチレン系樹脂の少なくとも1種と、を組み合わせたアロイ樹脂として用いてもよい。
上記スチレン系樹脂としては、例えば、GPPS樹脂(一般ポリスチレン樹脂)、HIPS樹脂(耐衝撃性ポリスチレン)、SBR樹脂(スチレンブタジエンゴム)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、MS樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体)などが挙げられる。上記の中でも、HIPS樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等が望ましい。
ポリカーボネート/スチレン系アロイ樹脂の市販品としては、帝人化成社製のPC/ABSアロイ樹脂である「TN7300」、出光興産社製のPC/HIPSアロイ樹脂である「NN2710AS」、UMGABS社製のPC/ABSアロイ樹脂である「ZFJ61」、SABIC社製のPC/ABSアロイ樹脂である「C6600」等が挙げられる。
・生分解性樹脂
上記熱可塑性樹脂の中でも生分解性樹脂が好適に用いられる。生分解性樹脂としては、生分解性を有している樹脂であればよく、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリエチレンサクシネート、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース、デンプン変性樹脂、セルロース変性樹脂等が用いられる。中でも、ポリ乳酸、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸との共重合体、ポリブチレンサクシネートから選択される1種が望ましく、更にはポリ乳酸がより望ましい。
・セルロース樹脂
また、上記熱可塑性樹脂として、セルロース樹脂も好適に用いられる。
セルロース樹脂とは、多数のβ−グルコース分子がグリコシド結合により直鎖状に重合した天然高分子化合物を指し、構成単位であるグルコースとは異なる性質を示す高分子化合物である。尚、セルロースは修飾されていてもよく、水酸基が修飾されてエステル化されていたり、エーテル化されていてもよい。
セルロース樹脂は、天然素材由来のセルロース、または該セルロースを原料として生物的または化学的に官能基を導入して得られるセルロース骨格を有する樹脂をさす。
本実施形態に係る樹脂組成物中における上記樹脂(マトリクス樹脂)の含有量は、全樹脂組成物に対して3質量%以上90質量%以下であることが望ましい。
<その他の成分>
本実施形態に係る樹脂組成物は、必要に応じて、さらに、上述した以外のその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、例えば、相溶化剤、可塑剤、酸化防止剤、離型剤、耐光剤、耐候剤、着色剤、顔料、改質剤、ドリップ防止剤、帯電防止剤、耐加水分解防止剤、充填剤、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミナ、ボロンナイトライド等)などが挙げられる。
これらの成分の含有量は、樹脂組成物全体に対してそれぞれ、0質量%以上5質量%以下であることが望ましい。ここで、「0質量%」とはその他の成分を含まないことを意味する。
<樹脂組成物の製造方法>
本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、上記成分の混合物を溶融混練することにより製造される。ほかに、本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、上記成分を溶剤に溶解することにより製造される。溶融混練の手段としては公知の手段が挙げられ、具体的には、二軸押出機、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
<樹脂成形体>
本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物からなる。つまり、本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物と同じ組成で構成されている。
具体的には、本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物を成形して得られる。成形方法は、例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形、カレンダ成形、コーティング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形などを適用してよい。
本実施形態に係る樹脂成形体の成形方法は、形状の自由度が高い点で、射出成形が望ましい。本実施形態に係る樹脂組成物は、流動性が高く射出成形を適用し得る。射出成形は、例えば、日精樹脂工業製NEX150、日精樹脂工業製NEX70000、東芝機械製SE50D等の市販の装置を用いて行ってもよい。
樹脂成形体を成形する際の成形温度(例えば射出成形であればシリンダ温度)は、180℃以上350℃以下が好ましく、より好ましくは200℃以上300℃以下である。尚、射出成形による場合の金型温度は、例えば40℃以上150℃以下であり、50℃以上120℃以下がより望ましい。
本実施形態に係る樹脂成形体は、電子・電気機器、事務機器、家電製品、自動車内装材、容器などの用途に好適に用いられる。より具体的には、電子・電気機器や家電製品の筐体;電子・電気機器や家電製品の各種部品;自動車の内装部品;CD−ROMやDVD等の収納ケース;食器;飲料ボトル;食品トレイ;ラップ材;フィルム;シート;などである。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
(樹脂添加剤1)
・スチレン:29.86質量部
・ジビニルベンゼン:0.04質量部
・液状難燃剤(縮合リン酸エステル、大八化学社製、CR741):70質量部
・開始剤(和光純薬工業社製、商品名:V−60):0.1質量部
重合温度80℃で6時間懸濁重合させ、液状難燃剤(CR741)を70質量%含むゴム弾性を有する15μmの樹脂添加剤を得た。
尚、ずり弾性率を前述の方法により測定したところ、8×10Paであった。
(樹脂添加剤2)
・スチレン:19.86質量部
・ジビニルベンゼン:0.04質量部
・液状難燃剤(縮合リン酸エステル、大八化学社製、CR741):50質量部
・固体難燃剤(水酸化マグネシウム):30質量部
・開始剤(和光純薬工業社製、商品名:V−60):0.1質量部
重合温度80℃で6時間懸濁重合させ、液状難燃剤(CR741)と固体難燃剤(水酸化マグネシウム)を80質量%含むゴム弾性を有する15μmの樹脂添加剤を得た。
尚、ずり弾性率を前述の方法により測定したところ、2×10Paであった。
(樹脂添加剤3)
・ポリ乳酸:11質量部
・固体難燃剤の溶媒(大八化学社製、Daiffaty101):30質量部
・固体難燃剤(縮合リン酸エステル、大八化学社製、PX200):50質量部
・架橋剤(ブロックイソシアネート、ヒュルス社製、ベスタゴンB−1530):7質量部
・架橋剤(ポリカルボジイミド、日清紡ケミカル社製、カルボジライトLA−1):2質量部
温度200℃で3時間反応後、凍結粉砕することにより固体難燃剤(PX200)と溶媒(Daiffaty101)とを80質量%含むゴム弾性を有する10μmの樹脂添加剤を得た。
尚、ずり弾性率を前述の方法により測定したところ、7×10Paであった。
(樹脂添加剤4)
・スチレン:19.86質量部
・ジビニルベンゼン:0.04質量部
・液状難燃剤(リン酸エステル、大八化学社製、PX110):50質量部
・固体難燃剤(水酸化アルミニウム):30質量部
・開始剤(和光純薬工業社製、商品名:V−60):0.1質量部
重合温度80℃で6時間懸濁重合させ、液状難燃剤(PX110)と固体難燃剤(水酸化マグネシウム)を80質量%含むゴム弾性を有する15μmの樹脂添加剤を得た。
尚、ずり弾性率を前述の方法により測定したところ、3×10Paであった。
(比較用樹脂添加剤1〜4)
樹脂添加剤1〜4において、架橋を形成させない添加剤を作製した。具体的には、開始剤を添加せず且つ重合工程を行わず、又は、架橋剤を添加せず且つ反応工程を行わずに各成分を混練して添加剤を作製した。
得られた樹脂添加剤は、粘調な化合物となったため、ずり弾性率の測定は実施しなかった。
<実施例1〜5、比較例1〜6、参考例1〜5>
得られた樹脂添加剤および比較用樹脂添加剤を、以下の樹脂に各々混練し各評価試験片を成形し、実施例1〜5および比較例1〜6として下記評価を行った。結果を表1に示す。
尚、得られた樹脂添加剤および比較用樹脂添加剤を加えずに、他の難燃剤(縮合リン酸エステル、大八化学社製、PX200)を加えて以下の樹脂を成形して評価した場合を参考例1〜5とし、結果を表1に合わせて示した。
・セルロース樹脂(DAC):(ダイセル社製、商品名:L−50)
・セルロース樹脂(CAP):(イーストマンケミカル社製、商品名:EASTMANCAP)
・ポリスチレン(PSt):(PSジャパン社製、商品名:GPPS−HF77)
・ポリカーボネート(PC):(帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Y)
・ポリ乳酸(PLA):(ユニチカ社製、商品名:テラマックTE−2000)
尚、セルロース樹脂(DAC)を使用する際は、可塑剤としてDaiffaty101(大八化学社製)を併用した。
<評価試験>
−難燃性−
UL試験片を用いて、UL−94規格のVテストに従い、難燃性を評価した。判定基準は、難燃性が優れる順にV−0、V−1、V−2、延焼である。
−耐面衝撃性−
60mm×60mm、厚さ2mmの試験片を成形し、これを用い、重さ500gの鋼球を800mmの高さから落下させ、以下の評価基準により評価した。
(評価基準)
A:変化なし
B:ヒビが入る
C:割れる
−ブリード性−
試験片を温度65℃/湿度85%RHの恒温槽に入れ、500時間放置し、試験片表面のブリード発生の有無の影響を肉眼で確認し、以下の評価基準により評価した。
(評価基準)
A:油性マジックで記載した記号の変化なし
B:油性マジックで記載した記号が滲んでいるが読み取れる
C:油性マジックで記載した記号が滲んで読み取れない
−耐熱性−
以下の試験により、耐熱性を評価した。
JIS K7191−2(1996年)に準拠し、試験片(板厚4mm)について加重たわみ温度を測定し、以下の評価基準により評価した。
(評価基準)
A:加重たわみ温度が、ベースとなる樹脂の温度同等以上
B:加重たわみ温度が、ベースとなる樹脂の温度未満

Claims (4)

  1. 架橋構造を有する樹脂と、
    前記樹脂の架橋構造中に、50質量%を超え99質量%以下の濃度で含まれる、(A)液状難燃剤、並びに(B)固体難燃剤および該固体難燃剤を溶解または分散する液体からなる群より選択される少なくとも一種の難燃成分と、を含有し、
    ずり弾性率が1Pa以上10Pa以下である樹脂添加剤。
  2. 架橋性基を有する樹脂前駆体と、全質量に対する量が50質量%を超え99質量%以下である、(A)液状難燃剤、並びに(B)固体難燃剤および該固体難燃剤を溶解または分散する液体からなる群より選択される少なくとも一種の難燃成分と、を混合する混合工程と、
    該混合工程後に前記樹脂前駆体を架橋重合させる架橋工程と、
    を備える樹脂添加剤の製造方法。
  3. 樹脂と、請求項1に記載の樹脂添加剤と、を含有する樹脂組成物。
  4. 樹脂と、請求項1に記載の樹脂添加剤と、を含有する樹脂成形体。
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