JP2015136805A - 画像転写装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転写ヘッドにおけるシートの搬送方向に沿った振動を抑えることができる画像転写装置を提供する。【解決手段】転写シート31と受像シート32とを向かい合わせた状態で転写シート31と受像シート32とを搬送方向に沿って搬送する搬送機構と、搬送機構が搬送している転写シート31および受像シート32を加熱して、転写シート31の有する画像を受像シート32に転写する転写ヘッド23と、転写ヘッド23が搬送方向に沿って移動できる状態で、搬送機構が搬送している転写シート31と受像シート32とに対して転写ヘッド23を押し付け、かつ、転写ヘッドの移動する距離が所定の距離を超えたとき、搬送方向とは逆方向に沿って転写ヘッド23を移動させる付勢部材25と、搬送方向にて転写ヘッド23と並んで位置して、転写ヘッド23における搬送方向への移動と、逆方向への移動との繰り返しである搬送方向に沿った振動を抑える制振機構とを備える。【選択図】図2

Description

本開示の技術は、画像を被転写体に転写する画像転写装置に関する。
パスポートなどの被転写体に画像を転写する装置として、例えば特許文献1に記載のように、中間転写方式を用いた画像転写装置が広く用いられている。画像転写装置においては、被転写体に画像が転写される前に、被転写体とは異なる受像シートの上に転写シートの有する画像が転写されて、所定の画像が受像シートに形成される。そして、受像シートの画像が被転写体に転写されることによって、被転写体の上に所定の画像が形成される。
こうした画像転写装置においては、受像シートと転写シートとが向かい合う状態で、2つのシートが1つの方向である搬送方向に沿って搬送される。そして、搬送されている2つのシートのいずれかに接触する転写ヘッドが、転写シートを加熱することにより、転写シートの画像が受像シートに転写される。
特開2011−230390号公報
ところで、転写ヘッドは、搬送方向における移動が可能な状態で、搬送されている2つのシートに対して付勢部材によって所定の力で押し付けられる。この際に、2つのシートが搬送方向に沿って移動することに伴って、転写ヘッドも初期位置から搬送方向に沿って移動する。そして、転写ヘッドの移動した距離が所定の大きさ超えるとき、付勢部材の復元力によって、転写ヘッドは、搬送方向とは逆向きの方向に沿って初期位置に近付く。結果として、転写シートから受像シートに画像が転写される間にわたって、搬送方向に沿った転写ヘッドの移動と、搬送方向とは逆方向に沿った転写ヘッドの移動とが交互に繰り返されてしまう。
本開示の技術は、転写ヘッドにおけるシートの搬送方向に沿った振動を抑えることができる画像転写装置を提供することを目的とする。
本開示の技術における画像転写装置の一態様は、転写シートと受像シートとを向かい合わせた状態で前記転写シートと前記受像シートとを搬送方向に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送機構が搬送している前記転写シートおよび前記受像シートを加熱して、前記転写シートの有する画像を前記受像シートに転写する転写ヘッドと、前記転写ヘッドが前記搬送方向に沿って移動できる状態で、前記搬送機構が搬送している前記転写シートと前記受像シートとに対して前記転写ヘッドを押し付け、かつ、前記転写ヘッドの移動する距離が所定の距離を超えたとき、前記搬送方向とは逆方向に沿って前記転写ヘッドを移動させる付勢部材と、前記搬送方向にて前記転写ヘッドと並んで位置して、前記転写ヘッドにおける前記搬送方向への移動と、前記逆方向への移動との繰り返しである前記搬送方向に沿った振動を抑える制振機構と、を備える。
本開示の技術における画像転写装置の一態様によれば、転写ヘッドが搬送方向と平行な方向に沿って移動することを制振機構が抑えるため、転写ヘッドが搬送方向に沿って振動することが抑えられる。
本開示の技術における画像転写装置の他の態様は、前記制振機構が、前記転写ヘッドに接続する接続部と、前記接続部を介して前記転写ヘッドに接続する制振部とを備え、前記接続部は、前記搬送方向とは逆方向に沿った前記転写ヘッドからの力を受けて撓む可撓性を有することが好ましい。
本開示の技術における画像転写装置の他の態様によれば、接続部が可撓性を有するため、付勢部材が転写ヘッドを搬送方向とは逆方向に沿って移動させるとき、転写ヘッドの動きが妨げられにくくなる。それゆえに、2つのシートの動きによって搬送方向に沿って移動されられた転写ヘッドが、初期位置に戻りにくくなることが抑えられる。
本開示の技術における画像転写装置の他の態様は、前記転写ヘッドが、前記搬送方向と交差する方向である幅方向に沿って延び、前記接続部は、前記転写ヘッドに対して前記幅方向において複数の接続位置で接続していることが好ましい。
本開示の技術における画像転写装置の他の態様によれば、接続部が転写ヘッドと1つの接続位置で接続している構成と比べて、制振機構による転写ヘッドの振動を抑制する効果が、幅方向にて偏ることが抑えられる。そのため、搬送方向に対する転写ヘッドの傾きが、転写ヘッドが初期位置に位置しているときよりも大きくなることが抑えられる。
本開示の技術における画像転写装置の他の態様は、前記転写ヘッドが、前記搬送方向と交差する方向である幅方向に沿って延び、前記接続部は、前記転写ヘッドに対して前記幅方向における中央に位置する1つの接続位置で接続していることが好ましい。
本開示の技術における画像転写装置の他の態様によれば、接続部が、転写ヘッドにおける幅方向の端部に位置する接続位置で接続する構成と比べて、制振機構による転写ヘッドの振動を抑制する効果が、転写ヘッドにおける幅方向の全体に伝わりやすくなる。
本開示の技術における画像転写装置の他の態様は、前記転写ヘッドは、所定の制御周期で転写を繰り返し、前記制振機構は、前記転写ヘッドの前記振動において前記制御周期とは異なる周期の振動を抑えることが好ましい。
本開示の技術における画像転写装置の他の態様は、転写ヘッドの振動に起因した画像のむらが、より効果的に抑えられる。
本開示の技術における画像転写装置の他の態様は、前記制振機構が、粘性流体の流動によって前記転写ヘッドを制振するダンパーを備えることが好ましい。
本開示の技術における画像転写装置の他の態様によれば、制振機構が備えるダンパーによって転写ヘッドの振動が適切に抑えられる。
本開示の技術における画像転写装置の他の態様は、前記制振機構が、復元力によって前記転写ヘッドを制振するばねを備えることが好ましい。
本開示の技術における画像転写装置の他の態様によれば、制振機構が備えるばねによって転写ヘッドの振動が適切に抑えられる。
本開示の画像転写装置によれば、転写ヘッドにおけるシートの搬送方向に沿った振動を抑えることができる。
本開示の画像転写装置の一実施形態の全体構成を外部演算装置とともに示す構成図である。 画像転写装置が備える転写機構の側面構造を示す側面図である。 画像転写装置にて用いられる受像シートの断面構造を示す断面図である。 画像転写装置にて用いられる転写シートの断面構造を示す断面図である。 転写シートから受像シートに画像が転写された状態を示す図である。 転写ヘッドと制振機構との接続の一例を上面視した上面図である。 転写ヘッドと制振機構との接続の一例を上面視した上面図である。 転写ヘッドと制振機構との接続の一例を上面視した上面図である。 従来の画像転写装置の一部構成の側面構造を示す側面図である。 転写ヘッドに生じる振動を説明するための図である。 転写ヘッドにおける振動の振幅と時間との関係を示すグラフである。
図1から図11を参照して、本開示の画像転写装置における一実施形態を説明する。以下では、画像転写装置の全体構成、転写機構の構成、転写シートおよび受像シートの各々の構成、制振機構、および、画像転写装置の作用を順番に説明する。
[画像転写装置の全体構成]
図1を参照して画像転写装置の全体構成を説明する。
図1が示すように、画像転写装置10は、外部演算装置Eに接続し、外部演算装置Eは、画像転写装置10が被転写体に転写するための画像データを生成して、画像転写装置10に送信する。なお、外部演算装置Eは、画像転写装置10での転写が行われやすいように、画像データの生成に際して、転写元の画像Pに対応するデータに各種の補正処理を行ってもよい。
外部演算装置Eは、画像データの形式の変更などに対応しやすいように、2次元の画像データを行ごとのデータである1次元の画像データPDに分割して、複数の画像データPDを画像転写装置10にシリアル転送する。画像転写装置10は、転写ヘッドの駆動を制御する制御信号を、外部演算装置Eから送信された1次元の画像データPDごとに生成する。そして、画像転写装置10は、転写ヘッドの発熱部を制御信号に応じて発熱させる。これにより、転写ヘッドが、受像シートの備える受像層に対して、転写シートの有する画像を転写し、1つの画像データPDに基づいて画像を転写する。転写ヘッドは、外部演算装置Eから順に送信される画像データPDの各々に基づいて同様の処理を繰り返し行うことで、2次元の画像Pの全体に対応する画像を受像シートに転写する。画像転写装置10は、受像シートに転写された画像を次の転写処理によってパスポートなどの被転写体に転写する。
なお、インクジェット方式などのように、被転写体に対して直に画像を形成する方法では、被転写体の表面が有する凹凸や、インクの吸収性などによって、被転写体の上に形成される画像の画質が変わってしまう。これに対して、上述した中間転写方式の画像転写装置10によれば、一旦、被転写体とは異なる受像シートに形成した画像を、受像シートから被転写体に転写する。そのため、被転写体に形成される画像の画質が、被転写体の表面の状態に影響されにくく、結果として、より高い画質を有する画像を被転写体の上に形成することができる。
[転写機構の構成]
図2を参照して画像転写装置が備える転写機構の構成を説明する。
図2が示すように、転写機構20は、転写ステージ21と、2つの転写側ローラー22とを備え、転写機構20は、転写ステージ21と転写側ローラー22とによって、被転写体に転写される画像を有した転写シート31を搬送する。
転写ステージ21は、1つの方向である幅方向に沿って延びる円筒形状を有し、転写ステージ21の2つの端部の各々は、転写ステージ21が中心軸を中心として回転できる状態で、画像転写装置10の筐体などに支持されている。転写ステージ21は、例えば、転写ステージ21を回転させるモーターに接続し、モーターが回転することに伴って、中心軸を中心として回転する。転写ステージ21は、転写ステージ21の回転によって、転写ステージ21のほぼ接線方向である搬送方向に沿って転写シート31を搬送する。
2つの転写側ローラー22の各々は、転写ステージ21と同様、幅方向に沿って延びる円筒形状を有し、各転写側ローラー22の直径は、例えば転写ステージ21の直径よりも小さい。各転写側ローラー22において、2つの端部の各々は、転写側ローラー22が中心軸を中心として回転できる状態で、画像転写装置10の筐体などに支持されている。2つの転写側ローラー22は、搬送方向において、転写ステージ21に対して相互に反対側に位置している。2つの転写側ローラー22の各々は、例えば、各転写側ローラー22の外周面に接触する転写シート31が搬送方向に搬送されることに伴って、中心軸を中心として回転する。
転写ステージ21と、各転写側ローラー22とによって搬送される転写シート31は、搬送方向に沿って延びる帯形状を有している。
転写機構20は、さらに、転写ヘッド23、複数の受像側ローラー26、および、制振部27を備え、転写機構20は、複数の受像側ローラー26によって、転写シート31の有する画像が転写される受像シート32を搬送方向に沿って搬送する。
転写ヘッド23は、搬送方向において転写ステージ21と重なっている。転写ヘッド23は、幅方向に沿って延びる略矩形板形状を有し、転写ヘッド23の有する面のうち、転写ステージ21と対向する面である発熱面に、受像シート32と、受像シート32と重なる転写シート31とを加熱するための発熱部24が位置している。発熱部24は複数の発熱体から構成され、複数の発熱体は発熱面において幅方向、および、搬送方向に沿って並んでいる。
発熱部24は、外部演算装置Eから画像転写装置10に転送された画像データPDに応じたエネルギーが供給されることによって加熱される。例えば、発熱部24においては、画像データPDに応じて、複数の発熱体の一部にのみエネルギーが供給されたり、複数の発熱体の一部と、残りの部分とで相互に異なる大きさのエネルギーが供給されたりする。例えば、画像転写装置10の備える制御部が、制御信号によって発熱部24に供給されるエネルギーの大きさを制御している。
転写ヘッド23は、例えば、ばねなどの付勢部材25を介して画像転写装置10の筐体などに接続し、付勢部材25は、付勢部材25の延びる方向において、転写ヘッド23を付勢部材25の接続先から転写ステージ21に向かう方向に付勢している。これにより、転写ヘッド23の発熱面と、転写ステージ21の外周面とが密着することで、転写シート31から受像シート32への画像の転写における均一性が高められる。
付勢部材25が転写ヘッド23に加える付勢力は、転写シート31から受像シート32への画像の転写を可能にする大きさである。また、付勢部材25が転写ヘッド23に加える付勢力は、受像シート32の搬送に伴って転写ヘッド23が搬送方向に沿って移動することを所定の移動量内で許容する大きさであり、かつ、搬送方向に沿って移動した転写ヘッド23を搬送方向とは反対の逆方向に沿って引き戻す大きさである。すなわち、付勢部材25は、搬送方向に沿って引っ張られる転写ヘッド23の搬送方向に沿った移動を許容する一方で、搬送方向に沿って移動した転写ヘッド23の位置を戻すための復元力を有している。
なお、転写ステージ21に対する転写ヘッド23の位置が固定された構成では、転写ステージ21の外周面と、転写ヘッド23の発熱面とが密着するためには、転写ステージ21と転写ヘッド23との各々は、画像転写装置10に対する位置の精度が高い必要がある。これに対して、転写ヘッド23が付勢部材25によって画像転写装置10の筐体などに接続する構成であれば、付勢部材25の付勢力によって、転写ヘッド23の発熱面が、転写ステージ21の外周面に所定の力で押し付けられている。そのため、転写ステージ21に対する転写ヘッド23の位置が固定された構成と比べて、転写ステージ21および転写ヘッド23の各々は、画像転写装置10に対する位置の自由度を高めることができる。
複数の受像側ローラー26の各々は、幅方向に沿って延びる円筒形状を有し、受像側ローラー26の直径は、例えば、転写側ローラー22の直径に略等しい。各受像側ローラー26においては、2つの端部の各々が、受像側ローラー26が中心軸を中心として回転できる状態で、画像転写装置10の筐体などに支持されている。複数の受像側ローラー26のうちの一部は、搬送方向において、転写ヘッド23に対する一方側に位置し、複数の受像側ローラー26の残りは、転写ヘッド23に対する他方側に位置している。複数の受像側ローラー26の各々は、例えば、各受像側ローラー26の外周面に接触する受像シート32が搬送方向に沿って搬送されることに伴って、中心軸を中心として回転する。
転写機構20においては、転写ステージ21、転写側ローラー22、および、受像側ローラー26が、搬送機構の一例である。
制振部27は、搬送方向に沿って延びる接続部28によって、転写ヘッド23に接続し、転写ヘッド23における搬送方向に沿った振動を抑える。接続部28は、転写ヘッド23の有する面のうち、幅方向に延びる1つの面に接続している。また、制振部27は、例えば画像転写装置10の筐体に接続している。
こうした画像転写装置10においては、転写シート31の画像が受像シート32に転写されるとき、転写側ローラー22および転写ステージ21が、搬送方向に沿って転写シート31を搬送すると同時に、受像側ローラー26が、搬送方向に沿って受像シート32を搬送する。このとき、転写ステージ21と転写ヘッド23とが、転写シート31および受像シート32を所定の圧力で挟み込むことで、転写シート31に対する受像シート32の相対速度がゼロになるように、転写シート31および受像シート32が搬送される。
画像転写装置10においては、外部演算装置Eから転送された画像データPDに応じて発熱部24にエネルギーが供給されることにより、搬送されている転写シート31に熱が供給され、転写シート31に接触している受像シート32にも熱が供給される。これにより、転写シート31の有する画像が、受像シート32に転写される。
[受像シートおよび転写シートの各々の構成]
図3から図5を参照して受像シート32、および、転写シート31の各々の構成の一例を説明する。
図3が示すように、受像シート32は、受像側基板41、受像側剥離層42、および、受像層43を備えている。受像シート32においては、受像側基板41の有する1つの面に受像側剥離層42が積み重なり、かつ、受像側剥離層42が有する1つの面であって、受像側基板41と接触する面と向かい合う面に受像層43が積み重なっている。
受像側基板41は、例えば樹脂製フィルムであり、樹脂製フィルムの形成材料は、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどの耐熱性を有する材料であることが好ましい。受像側剥離層42は、受像側剥離層42と受像層43との積層体が受像側基板41から剥離することを可能にする層であり、受像側剥離層42の形成材料は、例えば熱可塑性樹脂である。受像層43は、転写シート31の有する層の一部が接着される層であり、受像層43の形成材料は、例えば、転写シート31を構成する層が付着しやすい樹脂である。
図4が示すように、転写シート31は、転写側基板51、転写側剥離層52、画像形成層53、および、接着層54を備えている。転写シート31においては、転写側基板51が有する1つの面に転写側剥離層52が積み重なり、かつ、転写側剥離層52が有する1つの面であって、転写側基板51と接触する面と向かい合う面に、画像形成層53が積み重なっている。そして、転写シート31においては、画像形成層53が有する1つの面であって、転写側剥離層52と接触する面と向かい合う面に、接着層54が積み重なっている。
転写側基板51は、受像側基板41と同様、例えば樹脂製フィルムである。転写側剥離層52は、転写側剥離層52、画像形成層53、および、接着層54の積層体が転写側基板51から剥離することを可能にする層であり、受像側剥離層42の形成材料と同様の材料から形成されている。
画像形成層53は、被転写体に転写される画像を形成するための層であって、画像形成層53の形成材料は、例えば、インクなどの着色剤を含む樹脂である。あるいは、画像形成層53は、ホログラムや回折構造などの微小な凹凸構造を有する樹脂製フィルムである。画像形成層53は、着色剤を含む樹脂から構成される部分と、凹凸構造を有する樹脂製フィルムから構成される部分との両方を有してもよい。
接着層54は、転写シート31が転写ヘッド23によって加熱されたとき、受像シート32の受像層43に画像形成層53を接着する一方、転写側剥離層52と転写側基板51との剥離を可能にする層であって、接着層54の形成材料は、例えば熱可塑性樹脂である。
図5が示すように、画像転写装置10においては、転写シート31の接着層54と、受像シート32の受像層43とが向かい合う状態で、転写シート31と受像シート32の各々が搬送される。そして、転写シート31と受像シート32とが、転写ヘッド23と転写ステージ21とに挟まれるとき、転写シート31のうち、転写ヘッド23の発熱部24によって加熱された部分において、接着層54、画像形成層53、および、転写側剥離層52の積層体が、受像層43に転写される。
ここで、上述した転写シート31の画像形成層53には、インクなどの色を表現するための要素が広く用いられている。一方で、近年では、被転写体の意匠性を高める目的や、被転写体の機密性を高める目的などから、画像形成層53には、ホログラムのような光学的な要素が好んで用いられてもいる。
ところで、光学的な要素を有する画像形成層53を備えた転写シート31は高価であり、かつ、光学的な要素を用いた画像は、被転写体の全体ではなく、被写体の局所に形成されることが多い。そのため、幅方向における転写シート31の長さが、転写ヘッド23の長さよりも小さいことが多い。これに対して、受像シート32の有する受像側剥離層42と受像層43との積層体は、被転写体の全体を覆う大きさであることが多い。そのため、幅方向における受像シート32の長さが、転写シート31の長さよりも大きいことも多い。このとき、受像シート32の備える受像層43が、転写ヘッド23の発熱面に直に接触する可能性がある。
転写ヘッド23と接触する転写側基板51の有する面のうち、転写側剥離層52が積み重なる面と向かい合う面には、転写側基板51に対して転写ヘッド23をすべりやすくするための処理をすることが可能ではある。一方、受像シート32の有する受像層43は、転写シート31の接着層54を転写されやすくする特性、例えば、接着層54に対する高い密着性を有する必要がある。そのため、受像層43に対して転写ヘッド23を滑りやすくするための処理が行われると、受像層43に対して接着層54が転写されにくくなることから、受像層43に対して転写ヘッド23を滑りやすくするための処理を行うことは難しい。結局のところ、幅方向における転写シート31の長さが、転写ヘッド23の長さよりも小さい構成では、転写ヘッド23が受像層43に対して滑りにくいために、転写ヘッド23が受像シート32の搬送に引きずられて、搬送方向に沿って移動しやすくなる。
そして、転写ヘッド23が搬送方向に沿って移動する距離が所定の大きさを超えると、付勢部材25が、転写ヘッド23を搬送方向とは逆方向に沿って移動させることで、転写ヘッド23を転写ヘッド23の初期位置に近付ける。結果として、転写ヘッド23に搬送方向に沿った振動が発生する可能性が高くなる。なお、転写ヘッド23の初期位置とは、転写機構20による画像の転写が行われる前であって、転写シート31および受像シート32が搬送されていないときの転写ヘッド23の位置である。
[制振機構]
図6から図8を参照して、転写機構20の備える制振部27をより詳しく説明する。
一般に、転写ヘッド23による画像の転写は、数百Hz程度の周期性を有する制御信号に基づいて行われる。そのため、例えば数十Hz程度の振動が転写ヘッド23において生じると、転写ステージ21に対する転写ヘッド23の位置が、制御信号の周期とは同期せずに動くため、受像シート32に転写された画像においては、複数の転写位置の間における距離にばらつきが生じる。結果として、被転写体に転写された画像の視認性が低くなる。そこで、制振部27が、制御周期とは異なる周期の転写ヘッド23の振動を抑えることにより、複数の転写位置の間における距離のばらつきを抑えることができ、視認性の高い画像が被転写体に形成される。
制振部27は、転写ヘッド23と画像転写装置10の筐体とに接続し、搬送方向に沿った転写ヘッド23の振動を抑える。制振部27は、例えば、流体の粘性を用いて転写ヘッド23の振動を抑制する機構でもよいし、制振部27にて生じる摩擦を用いて転写ヘッド23の振動を抑制する機構でもよいし、所定の形状に復元する復元力を有した機構でもよい。
制振部27が流体の粘性を用いて振動を抑制する機構であるとき、制振部27は、例えば、各種の気体や液体などの粘性流体を内部に収容し、粘性流体の流動によって転写ヘッドを制振するダンパーであればよい。流体は、気体であってもよいし、液状体であってもよく、流体が液状体であるとき、液状体は、例えば、水であってもよいし、各種のオイルであってもよい。制振部27が摩擦を用いて振動を抑制する機構であるとき、制振部27は、例えば、シリンダーとピストンとから構成されるピストン機構であればよい。制振部27が復元力を有する機構であるとき、制振部27は、例えば、復元力によって転写ヘッドを制振するばねであればよい。なお、制振部27が復元力を有する機構であるとき、制振部27における復元力の定数は、非線形性を有することが好ましい。復元力の定数が非線形性を有するとき、復元力の定数が線形性を有するときと比べて、制振部27が転写ヘッド23に生じた振動を抑えることのできる状況がより多くなる。
また、制振部27は、流体の粘性を用いて振動を抑制する機構、摩擦を用いて振動を抑制する機構、および、復元力を用いて振動を抑える機構のうちの少なくとも2つを組み合わせた構成であってもよい。
接続部28は、転写ヘッド23に対して搬送方向に沿って作用する力を制振部27に伝えて制振部27に制振機能を発揮させる。一方で、接続部28は、付勢部材25が転写ヘッド23を搬送方向とは逆方向に沿って移動させることを妨げない程度の可撓性を有している。接続部28は、可撓性を有することで、搬送方向とは逆方向に沿った転写ヘッド23からの力を受けて撓むことが可能である。接続部28は、例えばワイヤーであり、接続部28がワイヤーであるとき、ワイヤーの形成材料は、例えば、各種の金属であればよい。
これら制振部27と接続部28とが、画像転写装置10における制振機構を構成している。制振部27と接続部28と転写ヘッド23との接続には、下記の形態が挙げられる。
図6が示すように、例えば、制振部27は、転写ヘッド23が有する1つの面である接続面に接続部28を介して接続し、かつ、接続部28は、接続面の幅方向における中央に位置する1つの接続位置にて転写ヘッド23に接続している。ある対象に対して、搬送方向における搬送元に近い位置が搬送方向における上流であり、搬送先に近い位置が搬送方向における下流であるとき、制振部27は、搬送方向において転写ヘッド23の下流に位置している。
あるいは、図7が示すように、制振部27は、搬送方向において転写ヘッド23の上流に位置している。このとき、接続部28は、接続面の幅方向における中央に位置する1つの接続位置にて転写ヘッド23に接続している。制振部27は、搬送方向において転写ヘッド23の上流に位置する場合であれ、下流に位置する場合であれ、転写ヘッド23の振動を抑えることができる。
こうした転写機構20においては、接続部28が、幅方向における中央に位置する1つの接続位置にて転写ヘッド23に接続している。そのため、接続部28が、転写ヘッド23における幅方向の端部に位置する接続位置で接続する構成と比べて、制振部27による転写ヘッド23の振動を抑制する作用が、転写ヘッド23における幅方向の全体に伝わりやすくなる。
またあるいは、図8が示すように、制振部27は、搬送方向において転写ヘッド23の下流に位置している。そして、接続部28は、転写ヘッド23の接続面にて、幅方向において相互に異なる2つの接続位置で接続する一方、制振部27には、1つの接続位置で接続している。制振部27が、幅方向において相互に異なる2つの接続位置で転写ヘッド23に接続するとき、2つの接続位置のうち、一方は、転写ヘッド23の接続面における幅方向の一端に近く、かつ、他方は、転写ヘッド23の接続面における幅方向の他端に近いことが好ましい。
制振部27が、幅方向において相互に異なる2つの接続位置で転写ヘッド23に接続する構成であれば、制振部27の制振作用によって、転写ヘッド23が、初期位置よりも幅方向に対して傾くことが抑えられる。しかも、制振部27が転写ヘッド23に接続する2つの位置の間の距離が大きいほど、転写ヘッド23が、初期位置よりも幅方向に対して傾くことがより抑えられる。
なお、接続部28が、幅方向において相互に異なる2つの接続位置で転写ヘッド23に接続するときにも、制振部27は、搬送方向における転写ヘッド23の下流に限らず、転写ヘッド23の上流に位置してもよい。いずれの構成であっても、受像シート32に対して画像が転写されるとき、制振部27は転写ヘッド23の振動を抑える。
[画像転写装置の作用]
図9から図11を参照して画像転写装置10の作用を説明する。なお、以下では、本実施形態の画像転写装置10の作用の説明に先立ち、従来の画像転写装置の備える転写機構の構成と、転写ヘッド23の振動が発生する原理とを順番に説明する。また、図9では、図1によって説明された転写機構20と同等の構成に対して、同一の符号が付されている。そして、図11は、転写ヘッドの振動における振幅と時間との関係を示すグラフであって、従来の画像転写装置における転写ヘッドの振動と、その振動が制振機能によって減衰する過程の初期段階を示す図である。
図9が示すように、従来の画像転写装置の備える転写機構60は、上述した転写機構20と同様、転写シート31を搬送する転写ステージ21、および、2つの転写側ローラー22を備えている。転写機構60は、これも転写機構20と同様、転写ステージ21に向かい合う転写ヘッド23と、転写ヘッド23を付勢する付勢部材25、および、受像シート32を搬送する複数の受像側ローラー26を備えている。つまり、画像転写装置は、制振部27、および、制振部27を転写ヘッド23に接続する接続部28を備えていない点で、上述した画像転写装置10と異なっている。
そのため、こうした転写機構60においては、受像シート32に対する画像の転写が行われるとき、二点鎖線で示される転写ヘッド23Aのように、転写ステージ21に対する転写ヘッド23の位置が大きく変わってしまう。
図10が示すように、転写機構60の有する転写ヘッド23が質量Mのおもり71であると見なされるとき、おもり71は、ばね定数がkであるばね72を介して、例えば、画像転写装置10の筐体に接続している。なお、ばね72は、転写機構60における付勢部材25に相当する。
そして、おもり71は、帯形状を有して等速で移動する移動体73の上に位置すると見なすことができ、移動体73は、転写機構60によって搬送されている受像シート32に相当する。移動体73においては、移動速度がv、おもり71との間の静止摩擦係数がμ0、および、おもり71との間の動摩擦係数がμ1であり、静止摩擦係数μ0が動摩擦係数μ1よりも大きい。
さらに、おもり71は、移動体73の移動方向に直交する高さ方向に沿った力74で、移動体73に押し付けられている。なお、力74は、転写機構60の備える付勢部材25の付勢力に相当し、力の大きさはNである。
移動体73が等速で移動するとき、おもり71は、移動体73との間の静止摩擦力に引きずられて移動体73の移動方向に沿って等速運動する。おもり71が、移動方向に沿って移動すると、ばね72も移動方向に沿って伸びる。そして、ばね72の延びた距離が所定の距離に達すると、おもり71と移動体73との間の静止摩擦力と、ばね72の復元力とが等しくなる。静止摩擦力と復元力とが等しくなるまでにばね72の伸びた距離が距離x0であるとき、距離x0は、以下の式1で表される。
x0=μ0・N/k … (式1)
そして、ばね72の延びた距離が、静止摩擦力と復元力とが等しくなる距離x0を超えると、おもり71においては、移動体73との間の静止摩擦力よりもばね72の復元力が大きくなるため、おもり71は、ばね72の復元力に引っ張られて、移動体73の移動方向とは逆方向に向けて移動する。このとき、おもり71が移動方向とは逆方向の移動を開始した直後においては、おもり71は、ばね72の復元力によって加速運動をする。おもり71が、移動体73の移動方向とは逆方向に向けて移動している間は、おもり71と移動体73との間に動摩擦力が生じる。そして、ばね72の復元力と、おもり71と移動体73との間の動摩擦力とが等しくなった後、おもり71の運動は減速運動となり、さらには、おもり71と移動体73との間の静止摩擦力がばね72の復元力を超えると、おもり71が、再び移動体73の移動方向に沿って移動し始める。
おもり71の移動する方向が反転した後は、おもり71は、移動体73との間の静止摩擦力に引きずられて、移動体73の移動方向に沿って等速運動する。このように、おもり71は、移動体73との間の静止摩擦力によって移動方向に沿って移動するときと、ばね72の復元力によって移動方向と逆方向に移動するときとを交互に繰り返すため、おもり71において振動が生じることになる。
つまり、図11が示すように、タイミングT1にて、受像シート32への画像の転写が開始されて以降は、おもり71が搬送方向に沿って振動する。そして、二点鎖線で示されるおもり71における振動の1つの周期Cは、おもり71が、移動体73との静止摩擦力によって引きずられて搬送方向に沿って移動する第1部分P1と、おもり71が、ばね72の復元力によって引っ張られることで、搬送方向とは逆方向に沿って移動する第2部分P2との2つ部分を含む。
そして、移動体73の移動速度vは、例えば、数十mm/sec程度であり、かつ、おもり71における搬送方向に沿った振幅は、0.1mm程度である。そのため、振動の1つの周期Cにおいては、第1部分P1の占める割合が第2部分P2の占める割合よりも高くなり、振動の周期Cは、数十msec程度になる。
これに対して、上述した転写機構20のように、おもり71に制振機構が接続するとき、おもり71における移動方向に沿った振動を制振機構が抑える。つまり、図11にて実線で示されるように、1つの周期Cが含む第1部分P1および第2部分P2の双方において、搬送方向に沿った振幅が小さくなる。
こうした振動の生じる原理は、転写ヘッド23にも当てはまるため、転写シート31の画像が受像シート32に転写されるとき、転写ヘッド23が、搬送方向に沿って振動してしまう。そして、転写ヘッド23が搬送方向に沿って振動すると、受像シート32に対する転写ヘッド23の相対速度が一定でなくなる。そのため、受像シート32に対する画像形成層53の転写における均一性が低くなる。結果として、被転写体に転写された画像においては、画像Pとは異なる部分であるむらが生じてしまう。
これに対して、上述した転写機構20によれば、制振部27が、転写ヘッド23における搬送方向に沿った振動を抑えるため、受像シート32に対する転写ヘッド23の相対速度が変わることが抑えられる。そのため、受像シート32に対する画像形成層53の転写における均一性が高められる。
なお、転写ヘッド23の振動の周期は、上述したように、受像シート32の移動速度、および、転写ヘッド23が受像シート32に押し付けられる力などを用いて算出することができる。そして、算出した振動周期に応じて制振部27による制振の条件が選択されることにより、転写ヘッド23の振動が適切に抑えられる。
例えば、制振部27が、流体の粘性を用いて振動を抑える機構であって、かつ、制振部27が、粘性を有する流体を内部に収容したダンパーであるときの作用を説明する。
まず、減衰振動の運動方程式は、以下の式2で表される。
m・(d/dt)^2・x+γ・(d/dt)x+k・x−μ・N=0 … (式2)
なお、式2のうち、(d/dt)は、時間による1回の微分を表し、(d/dt)^2は、時間による2回の微分を表している。また、mは転写ヘッド23の質量であり、γは減衰係数であり、kはばね定数である。
上述した式2のうち、γ・(d/dt)xを除く以下の式3が、転写ヘッド23に生じる振動を表す。
m・(d/dt)^2・x+k・x−μ・N=0 … (式3)
そして、振動の基本周期がω0であって、γ/(2・m・ω0)=Γであるとき、減衰振動の挙動は、Γの値によって異なる。すなわち、Γ>1であるとき、減衰振動の挙動は、減衰の程度が大きく、かつ、ほぼ指数関数に近くなる。一方、Γ<1であるとき、減衰振動の挙動は、複数の振動を含み、かつ、振幅が次第に小さくなる挙動を示す。
制振部27において、ピストンの長さがLであり、ピストンの外径がSnであり、ピストンの内部に形成されたオリフィスにおける、ピストンの長さ方向と直交する方向に沿った断面積がSpであり、シリンダーの内部に収容された流体の粘度がμであるとき、減衰係数γは、以下の式4で表される。
γ=8π・μ・L(Sp/Sn)^2 … (式4)
例えば、シリンダーの内部に収容された流体が、粘度μが1000程度のシリコンオイルであり、かつ、転写ヘッド23の振幅が0.1mmであるとき、ピストンの外径Snに対するオリフィスの断面積Spの比、すなわち、Sp/Snの値が30程度であるとき、Γ=1になる。そのため、Sp/Snの値が30近傍の値に設定されることで、Γ>1とすることも、Γ<1とすることも、いずれも可能である。それゆえに、制振部27としてダンパーが用いられることにより、指数関数的に振動を減衰させることも、振動の振幅を次第に小さくすることによって振動を減衰させることも、いずれも実現することができる。
以上説明したように、上述した実施形態の画像転写装置によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)転写ヘッド23が搬送方向と平行な方向に沿って移動することを制振機構が抑えるため、転写ヘッド23が搬送方向に沿って振動することが抑えられる。
(2)接続部28が可撓性を有するため、付勢部材25が転写ヘッド23を搬送方向とは逆方向に沿って移動させるとき、転写ヘッド23の動きが妨げられにくくなる。それゆえに、2つのシートの動きによって搬送方向に沿って移動されられた転写ヘッド23が、初期位置に戻りにくくなることが抑えられる。
(3)接続部28が転写ヘッド23と2つの接続位置で接続するとき、接続部28が転写ヘッド23と1つの接続位置で接続している構成と比べて、制振機構による転写ヘッド23の振動を抑制する効果が、幅方向にて偏ることが抑えられる。そのため、搬送方向に対する転写ヘッド23の傾きが、転写ヘッド23が初期位置に位置しているときよりも大きくなることが抑えられる。
(4)接続部28が転写ヘッド23に対して幅方向における中央に位置する1つの接続位置で接続するとき、制振機構による転写ヘッド23の振動を抑制する効果が、転写ヘッド23における幅方向の全体に伝わりやすくなる。
(5)制振機構が転写ヘッド23の振動において制御周期とは異なる周期の振動を抑えるため、転写ヘッド23の振動に起因した画像のむらが、より効果的に抑えられる。
(6)制振部27がダンパーであるとき、制振機構が備えるダンパーによって転写ヘッドの振動が適切に抑えられる。
(7)制振部27がばねであるとき、制振機構が備えるばねによって転写ヘッドの振動が適切に抑えられる。
なお、上述した実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・制振機構は、転写ヘッド23による画像の転写を妨げず、かつ、転写シート31および受像シート32の搬送に伴う転写ヘッド23の振動の周期が制御周期と等しい場合には、転写ヘッド23の振動において制御周期とは等しい周期の振動を抑える構成でもよい。
・接続部28が、転写ヘッドに対して1つの接続位置で接続する構成においては、接続位置が、幅方向における中央以外の位置であってもよい。こうした構成であっても、転写ヘッド23に制振部27が接続する以上は、転写ヘッド23における搬送方向に沿った振動が少なからず抑えられる。
・接続部28が転写ヘッドに対して幅方向において並ぶ2つの接続位置で接続するとき、接続部28は、1つの制振部に並列接続する2つの接続部構成部から構成されてもよい。そして、2つの接続部構成部の各々においては、一方の端部が制振部27に接続し、他方の端部が転写ヘッド23に接続していればよい。こうした構成であっても、接続部28が、2つの接続位置で転写ヘッド23に接続する以上は、上述した転写機構20によって得られる効果と同等の効果を得ることができる。
・接続部28は、転写ヘッド23に対して幅方向において3つ以上の接続位置で並列接続してもよい。このとき、接続部28は、制振部27には1つの接続位置で接続し、かつ、制振部27から転写ヘッド23に向けて延びる途中で3つ以上に分岐する構成でもよい。あるいは、接続部28は、3つ以上の接続部構成部から構成されてもよい。
・接続部28は可撓性を有しない剛体であってもよい。こうした構成であっても、付勢部材25の力によって、転写ヘッド23が、搬送方向とは逆方向に沿って移動することで、初期位置に位置することが可能であればよい。また、接続部28が割愛されて、制振部27は、転写ヘッド23に直接接続してもよい。
・転写ヘッド23には、2つ以上の制振部27が、相互に異なる接続部28を介して並列接続してもよい。このとき、2つ以上の制振部27においては、振動を抑える作用が相互に同じであることが好ましい。
・転写ヘッド23は、受像シート32に対して転写シート31の画像を転写するときのみ、受像シート32に押し付けられる構成であってもよく、これ以外のときに、転写ステージ21の外周面に位置する受像シート32から離れている構成でもよい。こうした構成であれば、転写機構20は、接続部28の張力を調節する調節機構を備えることが好ましい。そして、転写ヘッド23が受像シート32から離れているとき、調節機構は、接続部28が撓むように接続部28の張力を調節することが好ましい。一方で、転写ヘッド23が受像シート32に押し付けられるとき、調節機構は、接続部28の張力を高めて、接続部28が制振部27と転写ヘッド23との間に張った状態にすることが好ましい。
・制振部27がダンパーであるとき、制振部27は、上述した式2から式4を満たすものでなくともよい。こうした構成であっても、制振部27が搬送方向にて転写ヘッド23と並んで位置していれば、転写ヘッド23における搬送方向に沿った振動は、少なからず抑えられる。
・転写ヘッド23は、中間転写以外の転写に用いられる転写ヘッドでもよく、要は、転写シートと受像シートとの間の転写を行う転写ヘッド23であればよい。
10…画像転写装置、20,60…転写機構、21…転写ステージ、22…転写側ローラー、23…転写ヘッド、24…発熱部、25…付勢部材、26…受像側ローラー、27…制振部、28…接続部、31…転写シート、32…受像シート、41…受像側基板、42…受像側剥離層、43…受像層、51…転写側基板、52…転写側剥離層、53…画像形成層、54…接着層、71…おもり、72…ばね、73…移動体、74…力、E…外部演算装置、P…画像、PD…画像データ。

Claims (7)

  1. 転写シートと受像シートとを向かい合わせた状態で前記転写シートと前記受像シートとを搬送方向に沿って搬送する搬送機構と、
    前記搬送機構が搬送している前記転写シートおよび前記受像シートを加熱して、前記転写シートの有する画像を前記受像シートに転写する転写ヘッドと、
    前記転写ヘッドが前記搬送方向に沿って移動できる状態で、前記搬送機構が搬送している前記転写シートと前記受像シートとに対して前記転写ヘッドを押し付け、かつ、前記転写ヘッドの移動する距離が所定の距離を超えたとき、前記搬送方向とは逆方向に沿って前記転写ヘッドを移動させる付勢部材と、
    前記搬送方向にて前記転写ヘッドと並んで位置して、前記転写ヘッドにおける前記搬送方向への移動と、前記逆方向への移動との繰り返しである前記搬送方向に沿った振動を抑える制振機構と、を備える
    画像転写装置。
  2. 前記制振機構は、前記転写ヘッドに接続する接続部と、前記接続部を介して前記転写ヘッドに接続する制振部とを備え、
    前記接続部は、前記搬送方向とは逆方向に沿った前記転写ヘッドからの力を受けて撓む可撓性を有する
    請求項1記載の画像転写装置。
  3. 前記転写ヘッドは、前記搬送方向と交差する方向である幅方向に沿って延び、
    前記接続部は、前記転写ヘッドに対して前記幅方向において複数の接続位置で接続している
    請求項2に記載の画像転写装置。
  4. 前記転写ヘッドは、前記搬送方向と交差する方向である幅方向に沿って延び、
    前記接続部は、前記転写ヘッドに対して前記幅方向における中央に位置する1つの接続位置で接続している
    請求項2記載の画像転写装置。
  5. 前記転写ヘッドは、所定の制御周期で転写を繰り返し、
    前記制振機構は、前記転写ヘッドの前記振動において前記制御周期とは異なる周期の振動を抑える
    請求項1から4のいずれか一項に記載の画像転写装置。
  6. 前記制振機構は、粘性流体の流動によって前記転写ヘッドを制振するダンパーを備える
    請求項1から5のいずれか一項に記載の画像転写装置。
  7. 前記制振機構は、復元力によって前記転写ヘッドを制振するばねを備える
    請求項1から6のいずれか一項に記載の画像転写装置。
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