JP2015132063A - かご型シリンダー錠 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ピッキングが機構上できず、また、鍵違いが従来のシリンダー錠に比べて少なくとも1万倍多く、しかも、シリンダー錠使用者側における錠前の鍵違い変更操作が可能なシリンダー錠を提供する。【解決手段】 円筒形の外筒1の一端と他端とに夫々嵌装された第1及び第2受板3、4の間に、全体の形状が円筒状で、上記第1及び第2受板の間において両端部を受板の中心孔に摺動可能に嵌合させた内筒7を設け、この内筒の外周部を、第1受板の対応するピン受け穴に嵌入する方向に付勢され、母線に平行なn(n:正整数)本のタンブラーピン13、13により包囲するように卷装し、施錠時、各タンブラーピンを対応するピン受け穴に所定量係入させて内筒を第1受板に錨止し、解錠時、パイプ状の合鍵27の開口端縁に形成された突歯29により各タンブラーピンの一端を第1受板の対応する受け穴から抜去して、内筒を外筒に対し相対回動できるようにした。【選択図】 図1

Description

この発明は、新規なシリンダー錠に係り、特に、所謂ピッキングと称する不正解錠操作が機構上できず、また、鍵違いが従来のシリンダー錠に比べて少なくとも1万倍多く、しかも、所謂バリタン(バリアブル・タンブラー)と称する、シリンダー錠使用者側における錠前の鍵違い変更操作が可能なシリンダー錠に関する。
なお、このシリンダー錠は機構上ピンシリンダー錠に属すると思われるが、後述するようにこのシリンダー錠の内筒は鳥かごを思わせる形状をしているので、発明者(出願人)の権利により、このシリンダー錠をかご型シリンダー錠と命名する。
ピンシリンダー錠は、後記の特許文献1に記載されているように、内筒及び外筒の間のシアーラインを跨ぐようにして、タンブラーピン(特許文献1においては下ピン)及びドライバーピン(特許文献1においては上ピン)を内筒の中心軸線に垂直な方向に連接し、ドライバーピンに関しタンブラーピンとは反対側における外筒に弾装されたスプリングにより、各ドライバーピンがシアーラインを跨ぐように各ピンの位置を定める。
上記のように構成されたピンシリンダー錠は、内筒の鍵孔に合鍵を挿入すると、合鍵の長さ方向に沿って形成されたV字型の鍵溝とタンブラーピンとの間の楔作用によりタンブラーピンとドライバーピンとがスプリングの弾力に抗して外側に移動し、両ピンの接合部がシアーラインに揃うので内筒が回動可能になる、すなわちピンシリンダー錠が解錠される。
ちなみに、ピンシリンダー錠におけるピッキングは、合鍵を鍵孔に挿入しない状態で行う不正解錠であって、それを詳細に説明すると公序良俗に反することになるので簡単に説明すると、一対の細長い工具を用いて内筒を一方向に常時付勢すると共に、鍵孔に他方の工具を差し込んで鍵孔の入り口に近い方から各タンブラーピンの先端をスプリング方向に持ち上げていくと、タンブラーピンとドライバーピンとの連接部がシアーラインに整合したとき、コクッという手応えと共にドライバーピンが内筒の開口端縁部に乗り、この操作を全タンブラーピンに施すことによりピッキングが完成する如くである。
特開2006−077442
上記したピンシリンダー錠に限らず、ディスクタンブラー錠、レバータンブラー錠、或いは磁石タンブラー錠においてもピッキングは可能であり、換言すればピッキングに耐えうる錠前は存在しない。
そのため、例えば住戸の玄関ドアの錠前として、所謂ワンドアツーロックと称するドアに2個の錠前(ロック)を備えたものが普及している。
また、何れの型式(但し磁石タンブラー錠を除く)の錠前でも、鍵溝の傾斜端縁とタンブラーとの間に生じる楔作用を利用してタンブラーを内筒半径方向に異動させるので、タンブラーの動き量を大きくすることができず、1ロットの錠前の鍵違いは高々数千である。
そのため、例えば住戸の錠前の場合、1ロットの錠前を或る都市或いは地方に割り当てたとすると、同じロットを遠く離れた都市或いは地方に割り当て、偶然拾った鍵で他人の錠前を解錠できないように工夫しなければならない(所謂キープラン)。
更にまた、錠前の鍵違いは選択されたタンブラーの種類により一義的に定まるので、例えば鍵を紛失した場合、それを拾った他人が住戸に侵入することを防止するため、錠前全体を交換しなければならない、など従来に錠前には種々の問題点がある。
そこで、この発明は、所謂ピッキングと称する不正解錠操作が機構上できず、また、鍵違いが従来のシリンダー錠に比べて少なくとも1万倍多く、しかも、所謂バリタンと称する、シリンダー錠使用者側における錠前の鍵違い変更操作が可能なシリンダー錠を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、全体の形状が薄肉円筒状で、一端の開口を閉塞する蛇の目状の面板を有する外筒と、この外筒の内筒部一端に嵌装できる外形の厚肉リング体で、その実体部にn(n:正整数)個のピン受け穴を、一定の展開パターンで、外筒他端側に開口するように形成した第1受板と、外筒の他端開口に嵌装された厚肉リング体で、上記第1受板に対向する面にn個のピン受け穴を第1受板のピン受け穴と面対称に形成した第2受板と、全体の形状が円筒状で、上記第1及び第2受板の間において両端部を受板の中心孔に摺動可能に嵌合させた内筒と、この内筒の外周面及び外筒内周面の間の環状の空間内において内筒に担持され、一対の受板の相互に対向する一対の受け穴の中心軸線及び内筒外周面の母線に沿って延在すると共に、その長さ方向に移動可能に案内され、また、それぞれ第1及び第2受板の間隔よりやや短くその長さを設定され、更にまた、夫々第1受板方向に付勢されたn本のタンブラーピンと、外筒一端側の内筒の開口から超硬ドリル等を突っ込んで破錠することを防止するため、内筒内周面との間に横断面形状が細いリング状の鍵孔を介して内筒に同軸に装着され、その一端の端面を内筒の開口端縁とほぼ同一にした堅い材質の円柱状のブロック体と、施錠状態における各タンブラーピンの一端部の、第1受板の対応する受け穴に対する嵌入深さを規定し、これらタンブラーピン群の嵌入深さの組み合わせにより鍵違いを設定するため、各タンブラーピンの長さ方向における所定の位置に装着され、内筒の母線に沿って形成された対応するスリット及び断面リング状の鍵孔を通って上記ブロック体方向に突出する爪と、上記内筒の後端部に外筒外に突出するように装着されたテールピースとを備え、施錠時、タンブラーピンの爪と係止部との係合により対応する受け穴に所定量嵌入したタンブラーピン群を介して内筒を第1受板に錨止し、一方、パイプ状の合鍵の開口端縁の、対応するタンブラーピンに割り当てられた角度範囲の部分を所定量母線方向に切欠くと共に、内筒との間に回り止めを施した合鍵本体を、上記横断面形状が細いリング状の鍵孔に一定量挿入する解錠時、各タンブラーピンの一端を第1受板の対応する受け穴から抜去すると共に、タンブラーピン群全体を第1及び第2受板の間で円周方向に回動可能とし、内筒を外筒に対し相対回動できるようにしたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、上記第1受板における(n−1)個のピン受け穴、及びピン受け穴と同径の、受板を加工せずに残した1個の仮想のピン受け穴が、第1受板の中心軸を中心とする円上に、かつ等角度間隔で形成されており、また、上記した構成の第一受板が、ピン受け穴相互の角度間隔、或いはピン受け穴と仮想のピン受け穴との角度間隔毎に、外筒中心線の周りの角度位置を違えて外筒に固定できるようにしたことを特徴とする。
更にまた、請求項3に記載の発明は、全体の形状が薄肉円筒状で、一端の開口を閉塞する蛇の目状の面板を有する外筒と、この外筒の内筒部一端に嵌装できる外形の厚肉リング体で、その実体部にn(n:正整数)個のピン受け穴を、一定の展開パターンで、外筒他端側に開口するように形成した第1受板と、外筒の他端開口に嵌装された厚肉リング体で、上記第1受板に対向する面にn個のピン受け穴を第1受板のピン受け穴と面対称に形成した第2受板と、全体の形状が円筒状で、上記第1及び第2受板の間において両端部を受板の中心孔に摺動可能に嵌合させた内筒と、この内筒の外周面及び外筒内周面の間の環状の空間内において内筒に担持され、一対の受板の相互に対向する一対の受け穴の中心軸線及び内筒外周面の母線に沿って延在すると共に、その長さ方向に移動可能に案内され、また、それぞれ第1及び第2受板の間隔よりやや短くその長さを設定され、更にまた、夫々第1受板方向に付勢されたn本のタンブラーピンと、外筒一端側の内筒の開口から超硬ドリル等を突っ込んで破錠することを防止するため、内筒内周面との間に横断面形状が細いリング状の鍵孔を介して内筒に同軸に装着され、その一端の端面を内筒の開口端縁とほぼ同一にした堅い材質の円柱状のブロック体と、施錠状態における各タンブラーピンの一端部の、第1受板の対応する受け穴に対する嵌入深さを規定し、これらタンブラーピン群の嵌入深さの組み合わせにより鍵違いを設定するため、各タンブラーピンの長さ方向における所定の位置に装着され、内筒の母線に沿って形成された対応するスリット及び断面リング状の鍵孔を通って上記ブロック体方向に突出する爪と、上記内筒の後端部に外筒外に突出するように装着されたテールピースとを備え、施錠時、タンブラーピンの爪と内筒の係止部との係合により対応する受け穴に所定量嵌入したタンブラーピン群を介して内筒を第1受板に錨止し、一方、パイプ状の合鍵の開口端縁の、対応するタンブラーピンに割り当てられた角度範囲の部分を所定量母線方向に切欠くと共に、内筒との間に回り止めを施した合鍵本体を、上記横断面形状が細いリング状の鍵孔に一定量挿入する解錠時、各爪が合鍵の切欠部分に押動され、当該爪に対応する各タンブラーピンの一端を第1受板の対応する受け穴から抜去すると共に、タンブラーピン群全体を第1及び第2受板の間で円周方向に回動可能とし、内筒を外筒に対し相対回動できるようにしたことを特徴とするかご型シリンダー錠の合鍵であって、鍵孔に挿入される合鍵本体を円筒形に成形し、その先端の開口端縁の、対応するタンブラーピンに割り当てられた角度範囲の部分を、合鍵本体の挿入深さからタンブラーピンの受け穴への挿入深さを差し引いた分母線方向に切欠き、以て、合鍵本体を上記横断面形状が細いリング状の鍵孔に一定量挿入する解錠時、各タンブラーピンの一端が第1受板の対応する受け穴から抜去されると共に、タンブラーピン群全体を第1及び第2受板の間で円周方向に回動可能とし、内筒を外筒に対し相対回動できるようにしたことを特徴とする。
上記のように構成された請求項1に記載の発明によるかご型シリンダー錠は、前記したように機構上ピッキングが不可能である。しかしながら、その理由はこのかご型シリンダー錠の機構及び作用を説明していないこの時点においては理解ができないと思われるので、後述の実施例1において述べる。
また、請求項1に記載された発明のもう一つの効果は、従来のシリンダー錠と比較して、タンブラーをカム作用を介してではなく合鍵の動きを直接タンブラーに伝達するので、タンブラーの動きを精度良く制御できるばかりでなく、タンブラーの動き量を大きくすることができる。
例えば8本のタンブラーピンを0.5ミリ毎に10段階5ミリ動かすようにすれば、鍵違いは108=1億となる。
更にまた、請求項2に記載された発明の特徴は、かご型シリンダー錠の一部の部材を調節することにより錠前を交換することなく鍵違いを変える、すなわち、所謂バリタンになるのだが、この請求項2に記載の発明の特徴についても、上記ピッキングができない理由と同様に後述の実施例2において説明する。
加えて、請求項3に記載の発明によれば、円周方向に配設され、鍵孔から見るとリング状に配設されたn本のタンブラーの爪を、鍵孔から内筒内に挿入される円筒形の合鍵本体の開口端縁に形成された各切欠がほぼ同時に係合してこれを内方に押動するので、解錠操作が極めて短時間に、かつ、正確に行われる、という効果を奏する。
この発明の一実施例によるかご型シリンダー錠の拡大縦断面図で、図面を明瞭にするため付勢ばねの図示を省略して示す。 図1のかご型シリンダー錠の拡大正面図。 かご型シリンダー錠の部品を展開して示す図。 第1又は第2受板の正面図。 内筒の正面図。 タンブラーピンの一部断面拡大側面図。 タンブラーピンの一部断面拡大正面図。 テールピースの拡大背面図。 合鍵の一部断面拡大側面図。 合鍵の構造を示す拡大展開図。 合鍵の拡大正面図。 合鍵の拡大平面図 かご型シリンダー錠の作動を説明するための線図。 この発明の変形実施例を示す内筒の拡大背面図。 この発明の他の変形実施例を説明するための線図。 請求項2に記載の発明を説明するための第1受板の拡大正面図。
円筒形の外筒の一端と他端とに夫々嵌装された第1及び第2受板の間に、全体の形状が円筒状で、上記第1及び第2受板の間において両端部を受板の中心孔に摺動可能に嵌合させた内筒を設け、この内筒の外周部を母線に平行なn本のタンブラーピンにより包囲するように卷装すると共に、各タンブラーピンをその長さ方向に移動可能に案内し、また、各タンブラーピンを第1受板の対応する受け穴に嵌入する方向に付勢し、更にまた、各タンブラーピンの長さ方向における所定の位置に装着され、内筒の母線に沿って形成された対応するスリットを通って上記ブロック体方向に突出する爪を断面がリング状の鍵孔内に突出させ、施錠時、タンブラーピンの爪と内筒の対応するスリットの端部との係合により対応する受け穴に所定量嵌入したタンブラーピン群を介して内筒を第1受板に錨止し、他方、パイプ状の合鍵の開口端縁の、対応するタンブラーピンに割り当てられた角度範囲の部分を所定量母線方向に切欠くと共に、内筒との間に回り止めを施した合鍵本体を、上記横断面形状が細いリング状の鍵孔に一定量挿入する解錠時、各タンブラーピンの一端が第1受板の対応する受け穴から抜去されると共に、タンブラーピン群全体を第1及び第2受板の間で円周方向に回動可能とし、内筒を外筒に対し相対回動できるようにした。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
図1乃至図3において符号1は外筒を示し、この外筒1は全体の形状が薄肉円筒状で、一端の開口を閉塞する蛇の目状の面板2を有する。
上記のように構成された外筒1の両端、すなわち、図1及び図3において外筒1の内筒部左端になる一端、及び右端になる他端には、夫々第1受板3と第2受板4とが嵌装されており、外筒1を貫通するねじ5(図1及び図4参照)によって外筒1に固定されている。
上記第1及び第2受板3、4は、図1、図3及び図4に示すように、外筒1の内筒部に嵌装できる外形(図示の実施例では円形)の厚肉リング体で、その実体部に、一定の展開パターンで、n(図示の実施例では8)個のピン受け穴6、6が開口している。
上記一定の展開パターンは、図示の実施例では、図4に示すように、外筒1並びに第1及び第2受板3、4の中心軸を通る円上の、角度間隔45度の等角度間隔の8点を中心とする8個の小円群である。
また、第1及び第2受板3、4におけるピン受け穴6の開口の態様は、図示の実施例では、ピン受け穴が受板を厚さ方向、すなわち、図1及び図3で左右方向に貫通しているが、これは第1及び第2受板3、4の相互に対向する面からみて盲穴であっても良い。
また、図4に示すようなピン受け穴6、6の展開パターン、すなわち、上下左右対称のパターンは、第1及び第2受板3、4が相互に対向するとき面対称となるが、本発明におけるピン受け穴6、6の展開パターンは、相互に対向した場合面対称になればそれで良いのであって、上下左右対称のパターンである必要は無い。
一方、図1に示すように、外筒1の中心部には、全体の形状が円筒状で、上記第1及び第2受板の間において両端部を受板の中心孔に摺動可能に嵌合させた状態で、全体の形状が円筒状の内筒7が嵌装されている。
この内筒7の中心部は細長い円筒形で、その外周部面の母線方向における所定の位置に、薄い(母線方向の寸法が小さい)第1フランジ8と、厚い第2フランジ9とが一体に形成されている。
この第1及び第2フランジ8、9は前記タンブラーピンの担持及びその長さ方向への移動の案内の為に設けられている。
すなわち、図5に示すように、内筒7の第1及び第2フランジ8、9には、受板3、4におけるピン受け穴6、6と同じ展開パターンで、夫々n個のガイド穴11、11が内筒母線方向に貫通している。
そして、上記内筒7の第1及び第2フランジ8、9のガイド穴11、11を挿通するようにして、長さ方向の所定の位置に装着された爪12を有するタンブラーピン13がその長さ方向に移動可能に担持、案内されている。
ちなみに、上記タンブラーピン13、13の長さはn本とも同じ長さとし、何れも第1及び第2受板3、4の間隔よりもやや短く設定されている。この「やや」の意味については後にまた触れることにする。
また、タンブラーピン13における爪12の装着の態様は、例えば図示の実施例では、図6及び図7に示すように、爪12の基部に一体に連設された接続筒14にタンブラーピン13を挿通させ、この接続筒14の両側におけるタンブラーピン13の部分に形成された止め輪溝15、15にE型止め輪16を嵌装して固定する。
なお、爪12付のタンブラーピン13を図1に示すように内筒7に装着するには、内筒7を外筒1内に嵌装する前の単体として取り出し、爪12を装着する前のタンブラーピン13をその一端(図1で左端)を先にして第2フランジ9の後端(図1で右端)側から対応するガイド穴11に挿入する。
そして、第2フランジ9の一端側(図1で左側)の開口から左側に突出したタンブラーピン13の一端部に圧縮コイルばねとしての付勢ばね17(図3参照)を卷装する。
なお、図面を明瞭にするため、この付勢ばね17は図1においてはその図示を省略している。
次に上記のようにしてタンブラーピン13の所定の位置に爪12を装着するのだが、爪の接続筒14のタンブラーピン13周りの回り止めを施すため、接続筒14にタンブラーピン13の一端を挿入する前、爪12の先端を、内筒中央部に等角度間隔で形成されたn個の細長くかつ母線に沿ったスリット18、18(図3参照)の内対応するものに挿入する。
しかる後、E型止め輪16で爪12をタンブラーピン13の長さ方向における所定の位置に装着、係止し、そのまま手を離せば、タンブラーピン13の一端は、付勢ばね17の弾力により自動的に第2フランジ9のガイド穴11を挿通して、第1受板3のピン受け穴6に係入する(図1参照)。
このとき、図1に示すような施錠状態において、爪12のタンブラーピン13の長さ方向における装着位置により、各タンブラーピン13の第1受板3のピン受け穴6への係入深さが異なる。
ちなみに、上記したように爪12がスリット18の端部に係止される、言い換えればスリット18が爪の係止部になる場合にはスリット18の端部が第1フランジ8の平面部と内筒母線方向において一致しなければならない。
この場合加工が難しいとすれば、図6において左方の止め輪溝15の幅を大きくし、ここにリング状のスぺーサー(図示せず)とE型止め輪16とを嵌め込んで、このE型止め輪16を第1フランジ8に当接させることにより、第1フランジを係止部とすると良い(図示せず)。
いずれの場合でも、施錠状態における爪12の係止位置はタンブラーピン13の長さ方向における取付位置、或いは諸部材の加工誤差により設計値より若干ずれるが、後述する合鍵本体の鍵孔への挿入深さは一定であるから、爪12の係止位置がずれても作動には影響が無い。
本題に戻って、図1で上方のタンブラーピン13の一端は最も浅く、例えば0.5ミリ第1受板3に係入しているのみである一方、下方のタンブラーピンは最も深く、例えば5ミリ係入しているものとする。
各タンブラーピンに長さは同じであるから、図1の上方のタンブラーピン13の他端と第1受板3との間隔は約0.5ミリ、下方のタンブラーピン13の他端と第1受板3との間隔は約5ミリである。
後述するように、各爪12は円筒形の合鍵の開口端縁の対応する段部と係合し、この段部は前記したように開口端縁の、対応するタンブラーピンに割り当てられた角度範囲の部分を、合鍵本体の挿入深さからタンブラーピンの受け穴への挿入深さを差し引いた分母線方向に切欠いたものであるから、合鍵本体が上記付勢ばね17、17の弾力に抗して一定量鍵孔に挿入されると、図1の上方のタンブラーピン13は0.5ミリ右方に、下方のタンブラーピン13は5ミリ右方に移動して、何れもその一端が第1受板のピン受け穴6から抜去される。
一方、各タンブラーピンの他端も同量右方に移動するが、タンブラーピン13の長さは第1及び第2受板3、4の間隔よりもやや短いので、タンブラーピンの他端は何れも第2受板のピン受け穴6に係入するに至らず、ここにn個のタンブラーピン13、13は何れの受板からも自由になる。
したがって、合鍵を回すことにより、合鍵に従動して内筒7が外筒1に対し相対回動可能になり、すなわちこのかご型シリンダー錠が解錠される。
一方、鍵孔に挿入されたものが異鍵である場合には、第1受板3のピン受け穴6、6に挿入されたタンブラーピン13、13の内必ず一本はピン受け穴6に残るか、或いは第2受板4のピン受け穴に係入しているから、内筒を回転させたときこのタンブラーピン13がピン受け穴6に引っ掛かってしまい内筒が回転できない。すなわち、解錠できない。
なお、ここで合鍵とは所謂スペアキーを示称するものではなく、この発明によるかご型シリンダー錠を解錠すべく正規に加工された鍵を言うものとし、一方異鍵とは合鍵ではないかご型シリンダー錠の鍵であるものとする。
上記のように構成された図示の実施例によるかご型シリンダー錠は、8本のタンブラーピン13は夫々0.5ミリ毎に10段階第1受板3への係入深さが変化するから、鍵違いは108=1億の鍵違いを得ることができる。
なお、図1に示すように、施錠状態におけるタンブラーピン13とピン受け穴6とは遊嵌するようにその外径及び内径が設定されているので、解錠から施錠状態への移行が確実である。
他方、内筒7の内側には、内周面との間に横断面形状が細いリング状の鍵孔19(図1参照)を介して、円柱状のブロック体21が同軸に嵌装されている。
このブロック体21は、前記したように、外筒一端側の内筒の開口から超硬ドリル等を突っ込んで破錠することを防止するために設けられたもので、焼きを入れた鋼材などの硬いに材質であることが望ましい。
そして、このブロック体21の一端面は、図1に示すように、内筒7の開口端縁とほぼ同一面上にあり、またその一端面にはスリワリ22が形成されている(図2参照)。
このスリワリ22は、後述の合鍵との間の回り止め機構を構成するために形成されたものである。
また、上記ブロック体21は他端側が大径の段付棒状体であり、その大径部の他端面に開口した取付孔23(図1及び図3参照)には、図1、図3及び図8に示すように、テールピース24、連結棒25を一体に連設したものの連結棒25が差し込まれ、ピン26によってテールピース24付のブロック体21が内筒7の他端開口部に装着されている(図1参照)。
このようにして、テールピース24が内筒7の後端部に外筒1外に突出するように装着される。
次に、かご型シリンダー錠の鍵(合鍵)について説明する。
図9及び図10において符号27はパイプ状の合鍵を、符号28は合鍵本体を夫々示す。
上記合鍵27は、図9に示すようにパイプ状の部材であり、その先端(図9で右端)には、パイプの開口端縁を例えば等角度間隔で8等分し、その一つ一つの角度範囲を例えば小径のフライスで所定の距離削り込んで、合鍵本体28が形成されている。
つまり、図10の上部に示す合鍵27を一つの母線を切断線として展開すれば10図の下方に示す板になる。
そして、上記一つの角度範囲は一本のタンブラーピンに対応しており、前記したように、合鍵本体の挿入深さからタンブラーピンの受け穴への挿入深さを差し引いた分母線方向(図9で左方)に切欠かれ、その底部が突歯29を形成している(図10参照)。
そして、図10に示す突歯29−1は図1の上方のタンブラーピン13に対応しており、この突歯29−1から4つ隔たった突歯29−2は図1の下方のタンブラーピンに対応している。
前記した、「合鍵本体の挿入深さからタンブラーピンの受け穴への挿入深さを差し引いた分母線方向に切欠く」なる記述は、合鍵本体を切欠く前の開口端縁を基準として突歯の形成を説明するための説明であるが、合鍵の構造の説明が大体終わったこの章においては、一番長い突歯29−2の図10における下端から合鍵本体の挿入深さ(上述した例では5ミリ)上方に描いた鎖線を基準線31とし、この基準線31からタンブラーピン13の受け穴への挿入深さ分図10で下方に突出させたものを突歯29として定義しても良く、この方がむしろ判り易い。
更に、図9において符号32は側面の形状が略台形の摘みを示し、この摘み32の下端には盲穴の筒部33が一体に接続されている。
そして、この盲穴の筒部33の開口から合鍵27を挿入、或いは圧入する。このとき、合鍵27の合鍵本体28とは反対側の端部から筒部33に挿入する。
そして、図9に示すように筒部32の閉塞側の端部に付番しない段部を形成しておけば、合鍵28の挿入深さはこの段部に突き当たることにより一義的に定まる。
一方、図9及び図11に示すように、パイプ状の合鍵27の内筒部には短円柱の外端面(図9で右端面)に直方体である係合片34を一体に突設したホルダー35が嵌装されており、盲穴の筒部33、合鍵27及び摘み32を上下方向に貫通する結合ピン36(図9参照)によってこれらの部材が一体的に結合されている。
このとき、図2に示す施錠状態において、水平なスリワリ22の角度位置に対応して図11に示す係合片34も水平になり、また、合鍵本体28と係合片34との間の関係角度も所定の角度関係になるように結合すべきことは勿論である。
なお、上記係合片34の図9及び図10における上下方向の寸法は、前記したブロック体21のスリワリ22の幅、すなわち図2で上下方向の寸法より若干小さく設定されており、合鍵27を鍵孔19に挿入したとき上記係合片34がスリワリ22に遊嵌、係合して回り止めが施される。
そして、図1に示す施錠状態のかご型シリンダー錠の鍵孔19に、摘み32を上にして合鍵27を挿入すると(図示せず)、例えば前記の例で言えば10ミリほど挿入した状態で合鍵本体28の仮想の先端が爪12、12に当接する。
このときには、盲穴の筒部3の接合端縁37(図9参照)と内筒7の外側開口端縁38(図1参照)との間には合鍵本体28の規定の挿入深さ(例えば5ミリ)分の間隙がある。
そこで、付勢ばね17、17の弾力に抗して合鍵27を更に押し込むと、換言すれば、合鍵の突歯29、29を所定量、すなわち全行程量の例えば5ミリ押し込むと、全タンブラーピン13、13が第1受板3のピン受け穴6、6から抜去される。
同時に、合鍵側の係合片34とブロック体21のスリワリ22(図2)とが係合し、合鍵27と内筒7との回り止めが施される。
すると、前記したように内筒7は外筒1から自由になり、合鍵27を鍵孔19に差し込んだ状態で摘み32を回すと、内筒7は外筒1に対し相対的に回動し、内筒の後端部に外筒外に突出するように装着されたテールピース24(図1参照)が図示しないロック機構を例えば解錠方向に駆動する。
上記突歯29の行程は、上記したように、上記接合端縁37(図9参照)と内筒7の外側開口端縁38(図1参照)との接合によって一義的に定まる。
これは、通常のシリンダー錠のキーガイドと鍵のショルダーの当接によって鍵溝の行程が規定されることに対応する。
ちなみに、図示の実施例では、合鍵27の内筒軸線方向の行程量は、上記接合端縁37(図9参照)と内筒7の外側開口端縁38(図1参照)との接合によって定まるが、係合片34(図11)とスリワリ22の係合以前の、合鍵27の回転軸線周りの角度ブレの検出用に、図11に示す施錠状態における合鍵27の、時計盤面に換算して12時の角度位置に、図12のように合鍵27の母線方向に濃い色の標線39を設ける。
この標線を記録するには、合鍵の外表面に例えば浅い溝線を形成し、この溝線にペイントを塗り込む。
上記標線の図12における右端は、例えば合鍵本体28の仮想の先端が爪12に当接したときの合鍵27の挿入深さを示すものとし、左端は上記接合端縁35(図9参照)と内筒7の外側開口端縁38(図1参照)との接合位置を示すものとする。
これに対応して、施錠角度位置における内筒7の外側開口端縁38の、時計盤面に換算して12時の角度位置に、上から見てV字形の切欠41を刻設し、合鍵挿入時の中盤以降これらの切欠41及び標線39との相対位置関係から、合鍵27の角度ブレを検出しながら合鍵を操作する。
次に、上記のように構成された本発明の一実施例によるかご型シリンダー錠のピッキングはできないことを以下に説明する。
図13に示す(a)〜(d)は第1受板3におけるピン受け穴6、6とタンブラーピン13、13の係合状態を示す線図で、上記の説明ではこれらは円形に配列されているが、図13では図面を明瞭にするため直線的に表示してある。
そもそもこのかご型シリンダー錠はそのものが新規であるため、当然そのピッキング方法も知られていない。
そこで、皮肉なことながら、発明者が敢えてかご型シリンダー錠のピッキングの方法を案出しなければならないが、結論を先に述べれば、このかご型シリンダー錠のピッキングは、ブロック体21のスリワリ22(図2参照)に例えばマイナスドライバーの先を係合させて、ブロック体を介して内筒7を時計方向あるいは反時計方向に軽く付勢しつつ、リング状の鍵孔19から覗く爪12を細いピンなどの金具で静かに押していく。
すると、細いピンは爪12を介してタンブラーピン13を図1で右方に、すなわちタンブラーピン13を第1受板3のピン受け穴6から抜くように移動させる。
なお、このとき注意すべきことは、最初にピッキングを仕掛けるタンブラーピンは必ず後述の止めピンであるべきで、止めピンであるか否かは、上記細いピンで爪を押す時ピン受け穴6及びガイド穴11に挟まれた止めピンはこれらの穴の内周面と摺接するので抵抗があるからすぐ判る。
この場合、この細いピンに駆動されるタンブラーピン13が後述する止めピンで、他のタンブラーピン13が全部浮きピンである場合に限り、止めピンがわずかの量でも付勢方向に移動してピン受け穴6の開口端縁部に乗り上がる。
すなわち、ピンは第1受板3の表面に乗り上がるから、以降第1受板3からの拘束を逃れる。この操作を他の(n−2)本のタンブラーピンに施すことにより(最後に残ったタンブラーピンは必ずピッキングができる)、このかご型シリンダー錠のピッキングは可能である。
しかしながら、実際には以下に述べる理由により、かご型シリンダー錠のピッキングは理論上不可能である。そしてその理由の説明を容易にするため、用語を次のように定義する。
すなわち、図13において大径の円を穴(ピン受け穴6)、小径の円をピン(タンブラーピン13)とし、図13に示すように各ピンの穴との係合の態様により、ピンを止めピン、浮きピン及び乗り上げピンの3種類に分ける。
上記止めピンは、固定された第1受板(穴)に対し、内筒を介して矢印方向に付勢されたピンの内、穴の付勢方向における内壁に接しているピンで、図13(a)の一番左側、及び図13(b)の左から2番目のピン、浮きピンは例えば図13(a)の左側から2番目〜8番目のピンで、穴の内壁に接触していないピン、乗り上げピンは例えば図13(b)の一番左側のピン、或いは図13(d)の左側7個のピンのように穴の開口縁に乗り上がっているピンである。
また、内筒が一定方向に付勢されて少なくとも1本のピンが止めピンとなったとき、各ピンと対応する穴の内周面との環状の隙間の内、図13において左側のものを隙間と定義する。図13(a)で一番左の止めピンの隙間は0(ゼロ)である。
なお、図13においてはこの隙間量は誇張されている。図1においては、例えばピンの直径を2ミリ、ピン受け穴6の内径を3ミリとして描かれているが、上記したように内筒が一定方向に付勢されて少なくとも1本のピンが止めピンとなっているときには、全部のピンが同方向に寄せられているから、実際には全部のピンが外観上止めピンのように見える。
上記したかご型シリンダー錠のピッキングを理想的なモデルについて詳細に説明すると、
イ.内筒を図13で左方に付勢することにより、8本のピンは同時に付勢されて左方に移動する。
ロ.すると、必ず1本のピン(図13(a)では一番左のピン)が穴の内周面に接触して止めピンとなる。
全部のピンが浮きピンである場合には、ピン群はさらに左方への移動が可能であり、8本のピンの何れかが対応する穴の内周面に接触して止めピンとなる迄移動する。
ハ.図13(a)において一番最初にピッキングされる1番目のピンを図13における左端のタンブラーピンとし、これを上方に少しずつ引き上げていくと、換言すれば鍵孔内に差し入れた上記細いピンで爪を押していくと、タンブラーピンの下端が穴から外れたとき、他のピンが全部浮きピンである場合に限り、全部(8本)のピンが左方に移動し、図13(b)に示すように一番左のピンが穴の縁に乗り上がると共に、例えば2番目のピンが止めピンとなる。つまり、一番左のピンのピッキングが完了する。
二.なお、止めピンとなるピンは2番目のピンでなくとも、他の任意の序数番目のピンでも良いが、ここでは説明を簡単にするため、左から順番に止めピンとなる場合について説明する。
ちなみに、以下の説明は、止めピンが左側から順番に止めピンにならない場合についても成り立つ。
ホ.次に、図13(b)に示す左側から2番目の止めピンを上記ハのようにしてピッキングし、以下同様にして3〜7番のピンをピッキングする。
ヘ.ちなみに、図13(c)に示すように止めピンが2本ある場合(左端及び左側から4番目のピン)、1本の止めピンを抜いても他の止めピンが内筒を第1受板3に錨止するのでピッキングはできず、したがってこの時点で以降のピッキングは不可能になる。
ト.上記イ〜ホの操作を演繹すると、各ピンのピッキングに際し、ピッキングの対象になっているピンは止めピンでなければならないし、また、ピッキングの対象になっているピン以降のピンは全部浮きピンでなければならない。
更に、各浮きピンは、それより以前(番号が若いピン)のピッキング毎に隙間がε(微小の一定量と仮定する)ずつ減っていく。同時に、各乗り上がりピンはεずつ左方に移動する。
チ.結局、図13(a)に示す7本(繰り返すが最後の1本は必ずピッキングできるから7本のピンをピッキングすればピッキングは完了する)のピンをピッキングするために各ピンの隙間の量は、2番目のピンはε、3番目のピンは2ε、同様にして3ε、4ε、5ε、6εのように等差数をなすべきである。
リ.一方、上記のようにして7本のピンをピッキングした後のピン受け穴6とピン13、13との位置関係を隙間を誇張して示したものが図13(d)である。
図13(d)において、Lは図13(a)における1番目のピンと8番目のピンの当初の間隔であるとすると、上記のようにして7回のピッキングの成功後1番目のピンが穴の左方に7εだけはみ出る筈である。
ヌ.しかしながら、図1及び図4から明らかなように、ピンが穴6から抜き出たとしても、各ピンはその長さの大部分を第1及び第2フランジ8、9に拘束されていて図13(d)のように大きく左方にはみ出ることはできない。
ル.すなわち、図13(d)の7εは第1又は第2フランジ8、9のガイド穴11におけるピン13の半径方向の遊動量を超えることはできない。
ヲ.するとεの値は比較的簡単に計算ができる。すなわち、図示の実施例では上記ガイド穴11及びピン13の径を2ミリとしてあるから、比較的精度の良い嵌め合いの穴H8、軸h8の嵌め合いを適用すると、JIS規格の嵌めあい公差表によれば、径が3ミリまでのH8の穴の公差は+14μ(ミクロン)、−0μ、h8の軸の公差は+0μ、−14μであるから、穴の中で軸を一方に片寄せたときの隙間の最大量は28μ、そしてεは平均して4μである。
ワ.発明者らの簡単な模型による実験によれば、ピッキング毎に隙間εが加わっていくのではなく、最初のピッキングにより各ピンがいっぺんに最大量28μ動くので、以降隙間はほとんど0に近くなる。換言すれば、最初のピッキングによりタンブラーピン列が伸び切ってしまう如くである。
カ.この4μという長さは、髪の毛(直径が約50ミクロン)の太さの約1/10である。したがって、ピンの穴の縁にかかる量が4μで足りるかという問題に加え、止めピンが穴から抜かれた瞬間、一方向に付勢されている浮ピン(と一体の内筒)が図13で左方に駆動される量4μを手指が検知できるかという問題がある。
ヨ.一般に人間の手指は敏感で、50μの段差を検出できるといわれているが、それは段差を直接人間の手指で触った場合であって、現在検討しているピッキングのようにピンの爪を細い工具で押しながら内筒を片手で付勢する作業においては、4μの移動量を内筒の回動(0.03度)によって検知しなければならず、結論としてそれば不可能である。
タ.また、上記チ.において述べたように、隙間が等差数列になるか如何かの問題であるが、例えば同じ工程で作られる多数の製品の寸法、測定の誤差等変量が多くの互いに無関係な小原因の総合によって生じるとき、その分布は正規分布となる(百科事典)。
レ.つまり、各ピンの隙間の分布は正規分布となり、等差数列をなさず、隙間量の平均値付近に大多数が集まる。
例えば似通った隙間量の2本のピンがピッキングにより同時に移動して止めピンになった場合、一方の隙間は0、他方の隙間は2次の微小になり、実質上2本の止めピンができる。
ソ.この場合、前記したように、一方のピンをピッキングしても他方の止めピンによって内筒が係止され、一方のピンが移動できないので以降ピッキングが止まる。故に、このかご型シリンダー錠のピッキングは不可能である。
次に、従来のシリンダー錠のピッキングと比較しての、かご型シリンダー錠のピッキングについて説明する。
上記したように、この発明によるかご型シリンダー錠のピッキングの方法は非常に簡単であり、修錬や技術を必要としない。
すなわち、片方の手で内筒を一方向に常時付勢すると共に、他方の手で細い金具を環状の鍵孔に突っ込み、止めピンから順に爪を押していく。止めピンがピン受け穴6から抜き出た瞬間は明確に検知できないかも知れないが、大体抜き出たと思うタイミングで手を離せば、付勢ばね17の弾力でタンブラーピンの一端が第1受板3のピン受け穴6の開口端縁に少し乗り上がった状態でこれに引っ掛かる、から、これを繰り返せばピッキングが容易にできるのではないかと推定される。
一方、従来のシリンダー錠のピッキングは、内筒を一方向に付勢するのは共通しているが、他方の手で細い金具を鍵孔内に突っ込み、直接タンブラーを動かしてこれを解錠位置に持っていく点がかご型シリンダー錠と異なっている。
そのため、従来のピッキングにおいては、タンブラーを直接動かして解錠位置に持って行く過程において内筒とタンブラーとの間に一定の係合が生じ、その後内筒を一方向に付勢することによってタンブラーをピッキング位置に固定することができる(図示せず)。
この操作を続けることにより、複数のタンブラーを安定にピッキング位置に固定することができ、ついには短時間の内にピッキングが完成するのである。
これに対し、かご型シリンダー錠のピッキングにおいては、ピンを穴から抜き出してこれを固定するための、ミクロン単位のεの乗り上がり代にピンの端を弱いばねで弾接するという固定手段は非常に不安定である。
すなわち、かご型シリンダー錠のピッキングと、従来のシリンダー錠のそれとは、ピンをピッキング位置にロックする手段があるか否かの大きな相違がある。
そのため、かご型シリンダー錠のピッキングを検証するための、前記本発明者らが設計した簡単な装置による実験によれば、最初の止めピンのピッキングは兎も角も、2本目以降のピッキングにおいては、タンブラーピンの一端を穴の縁に乗せようとしても乗らず、ピンが元の穴に、それも開口端縁付近の浅いところに乗っかるように戻ってしまう。
それは、前記したタンブラーピン列のミクロン単位の伸び量が伸び切ってしまうのと、ミクロン単位のεの乗り上がり代に乗っても滑って元の穴に戻るからである。
その結果、錠の内側から第1受板の内面を見れば、複数本の元止めピンが一端を浅く穴に係入した状態で残り、残りは浮ピンとして残る。結局、このかご型シリンダー錠のピッキングは不可能である。
図14はこの発明の他の実施例を示し、この実施例は、内筒7の外周部におけるタンブラーピン13、13の案内機構を改良し、内筒7の組み立てを容易にしたものである。
すなわち、第2フランジ9の背面を示す図14において第2フランジ9は縮径されており、その縮径された第2フランジの外周面の所定の角度位置、すなわち前記した第2フランジにおけるタンブラーピン13、13の貫通位置と同じ8ヶ所の角度位置に、母線方向に沿って8条の断面矩形のガイド溝42、42が形成されている。
このガイド溝42は、例えば丸鋸状のフライス工具によって形成するものとし、その断面形状は例えばタンブラーピン13に三方から所定の間隙を保って外接するように、その幅、及び底面の位置を規定する。
また、上記ガイド溝42の長さは第2フランジ9の内筒母線方向の長さと同じに、すなわち、第2フランジの厚さと同じに設定されている。
一方、第2フランジより薄い第1フランジ8においては、このガイド溝42は形成されておらず、図1と同様にタンブラーピン13が貫通する丸穴が開口している。
上記のように構成された第2フランジの各ガイド溝42に、所定の位置に装着された爪12を内筒中心軸線方向に向け、かつ付勢ばね17(図3参照)を卷装したタンブラーピン13を嵌め込む。
このとき、タンブラーピン13の一端は第1フランジ8の穴には通さず、また、付勢ばね17は第2フランジ9の図1における左端面より左に置く。
すると、各タンブラーピン13の一端は、付勢ばね17の弾力により自動的に第1フランジ8の対応する穴に入ってこの状態を安定的に保つ。
この状態で、縮径された第2フランジ9、及び外筒1の内周面と所定の間隙を保って嵌合する筒状のホルダー筒43を第2フランジ9に嵌め込み、ねじ5、5止めする。
上記のように構成された内筒アセンブリーは、前記したタンブラーピン13に対する爪12の装着が簡単になり、かつ、組み立てが容易になる。
図15は解錠時におけるタンブラーピン13と第1及び第2受板3、4の相対位置関係の一例を示し、図15におけるタンブラーピンの位置は、設計上その両端と受板との間にδ(デルタ)の隙間を想定しているものとする。
上記δの値は、第1及び第2受板3、4の間隔と、タンブラーピン13の長さとの差の1/2であるが、上記隙間及びタンブラーの長さは構造上、また、加工上精度を出し易い。
一方、タンブラーピン13の図15における左右のブレ(位置の変化)は、タンブラーピン13への爪12の取付誤差、及び前記合鍵の突歯29(図10参照)の高さの誤差によって変化するが、最大のブレは左右に0及び2δのブレである。
ところで、前記したようにタンブラーピン13の一段階の動きを0.5ミリとしたから、δが0.2ミリ、すなわち2δが0.4ミリでもこのかご型シリンダー錠は作動する。
つまり、合鍵を解錠のため鍵孔19に差し込んだとき、タンブラーピン13が基準位置からδ狂っても解錠できる。
また、同じ突歯が一段階0.5ミリ前後すれば、2δすなわち0.4ミリの隙間を0.5ミリの突歯の動きがカバーし、受板のピン受け穴6とタンブラーピンとの間に0.1ミリの引っ掛かりが生じて内筒7を係止し、施錠状態を保つ。
換言すれば、この発明によるかご型シリンダー錠はタンブラーの動きが0.2ミリ狂っても作動に影響が無く、この特性は他の型式のシリンダー錠、例えばピンタンブラー錠、レバータンブラー錠或いはディスクタンブラー錠では考えられない特性である。
逆に言えば、各部材の加工精度を上げればタンブラーピンの一段階の動きを小さくしても作動する。
例えば、加工精度及び組み立て精度を向上させ、上記2δの値を0.3ミリに抑えることができれば、かご型シリンダー錠の上記した一段階0.5ミリの動きを0.4ミリにすることができ、5ミリのタンブラーピンのストロークで12段階の動きが取れるから、この場合鍵違いは128≒4.3億である。
上記したピンタンブラー錠などの従来の型式のシリンダー錠は、鍵孔に合鍵を差し込んで解錠したのち解錠方向に内筒を回動させると、タンブラー或いはロッキングバー(レバータンブラー錠の場合)がシアーラインに拘束されるので、合鍵が内筒に拘束されて鍵孔から抜けなくなる。
この特性は、通常、錠前の操作に利益を与えないのだが、例えば自動販売機のハンドル錠では鍵孔に合鍵を差し込んだまま扉を閉めると、内筒が回って自動的に施錠ができる場合がある。
一方、かご型シリンダー錠の場合には、合鍵を鍵孔に差し込んで解錠方向に内筒を回しても、合鍵がタンブラーピンに拘束されないので、解錠位置で合鍵から手を離すと付勢ばね17、17の弾力によって合鍵が少し押し戻され、施錠状態に戻ることがある。
この場合再び合鍵を押し込むことによって解錠状態に戻るから問題は無いのだが、上記自動販売機の施解錠操作の場合には、通常のシリンダー錠と比較して違和感が生じるかも知れない。
この場合には、前記ブロック体21(図1参照)の材質を鋼鉄とし、ホルダー35(図9参照)を磁石とすれば、磁力によってタンブラーピンを押し込むことにより自動販売機のハンドル錠と同じ操作感を得ることができる。
図16は請求項2に記載のかご型シリンダー錠における第1受板3の外筒他端開口部側からみた正面図で、この第1受板3には、(n−1)個のピン受け穴6、6、及びピン受け穴6と同径の、受板を加工せずに残した1個の仮想のピン受け穴44が、第1受板3の中心軸を中心とする円上に、かつ等角度間隔で形成されている。
また、上記した構成の第一受板3が、ピン受け穴6、6相互の角度間隔、或いはピン受け穴6と仮想のピン受け穴44との角度間隔毎に、外筒中心線の周りの角度位置を違えて外筒に固定できるように構成されている。
すなわち、図示の実施例における第1受板3には、外筒の中心軸線を含み、隣接するピン受け穴6、6から等距離の平面、或いはピン受け穴6と仮想のピン受け穴44から等距離の平面と、第1受板3を等厚に切断する平面との交点に沿い、第1受板3の外周面に開口する8個の盲穴の雌ねじ孔(図示せず)が形成されている。
一方、外筒1の外周面には、内筒内に装着された第1受板3の、上記盲穴の雌ねじ孔と母線方向において整合する位置で、内筒中心軸線に関し対称の角度位置に一対のねじ孔(図示せず)が開口している。
上記した構成により、上記ねじ孔を通して第1受板3の外周部にねじ込まれている一対のねじ5、5(図16参照)を外筒の外側からねじ外し、後述するように2種の合鍵を使用して第1受板3の角度位置を変えれば、この発明によるかご型シリンダー錠は前述した所謂バリタンとなる。
すなわち、図16に示す第1受板3の、時計盤面に換算して12時の角度位置のピン受け穴6の角度位置を基準として、このピン受け穴の角度位置を1の角度位置とする。
そして、上記の角度位置をサフィックスとし、ピン受け穴をPi(i=1〜8)と表示して一のピン受け穴を他のものと区別する。すると、図16における仮想のピン受け穴44はP5である。
また、各ピン受け穴Piの施錠状態におけるタンブラーピン13の係入深さをJ(前記の実施例ではJは0.5ミリ、1ミリ、・・・4.5ミリ、5ミリの何れか)と定義すると、図16において時計盤面に換算して12時の角度位置におけるピン受け穴6における、鍵違いに関係するタンブラーピン13の係入深さはJ1である。
同様にして、図16における鍵違いを[J1,J2,J3,J4,J5,J6,J7,J8]と定義できる。但し、P5は前記したように仮装のピン受け穴であり、穴は開いていないから、J1〜J8とは異なるX(例えば−0.5ミリ)を割り当てる。
すると、図16における第1受板3における鍵違いは、[J1,J2,J3,J4,X,J6,J7,J8]となる。
図16に示す鍵違いを、次に説明する操作により、仮想のピン受け穴P5を時計の盤面12時の角度位置に動かすことにする。
すると、仮想のピン受け穴を12時の角度位置に動かした後の鍵違いは、[X,J6,J7,J8,J1,J2,J3,J4]となる。この鍵違いを新しい鍵違いと定義し、また、上記し、図16に示す鍵違いを古い鍵違いと定義する。
鍵違いを変更するには、新しい鍵違いの合鍵(Knとする)を予め用意し、今まで使用していた古い鍵違いの合鍵(Koとする)と共に、錠前のメーカーではなく、ユーザー自らがドライバーを用いて簡単に鍵違いを変更できる。
すなわち、まず新しい合鍵Knを鍵孔19(図1参照)に差し込みこれを解錠方向に回そうとすると、図16に示す第1受板3の鍵違いは古い鍵違いであるから当然解錠されず内筒7は回らない。
そこで、外筒1の外側から、第1受板3を外筒1に固定している前記一対のねじ5、5をねじ外すと、第1受板3及び内筒7は外筒1から解放されて一体的に自由回転できるようになる。
ちなみに、この状態では図16に示す[J1,J2,J3,J4,X,J6,J7,J8]の鍵違いの内Xに相当するタンブラーピン13は第1受板3の他端側の面に当接しているし、他のタンブラーピンは第1受板のピン受け穴6に係入しているから、第1受板3及び内筒7は第2受板4からも自由である。
そこで、合鍵Knを回して仮想のピン受け穴44を図16の時計盤面に換算して12の角度位置に迄移動させる。
なお、このときタンブラーピンを表示する符号又は数字を第1受板3の外周面又は外端面に表記し(図示せず)、外筒の面板2(図1参照)又は外筒の一端寄りの外周面に表示窓を開口させて(図示せず)、この窓からタンブラーピンを表示する符号又は数字をこの表示窓を通して確認することにより上記仮想のピン受け穴44の移動が容易になる。
仮想の受け穴44を図16の時計盤面に換算して12時の角度位置に移動させたら、その角度位置を固定するため前記一対のねじ5、5を占めて第1受板3を外筒1に固定する。
この状態では、図16の仮想の受け穴44は時計盤面に換算して12時の角度位置に移動しており、合鍵27の標線39(図12参照)は時計盤面に換算して6時の角度位置に移動している。
次いで、新しい鍵違いの合鍵Knを抜き、古い鍵違いの合鍵Koを鍵孔19に挿入する。ただし、このときには標線39を6時の角度位置、すなわち、180度ずらせて鍵孔に挿入する。
この場合には合鍵Koの挿入によりこのかご型シリンダー錠は解錠されるから、合鍵Koを時計方向、或いは反時計方向に回してそれまで6時の角度位置にあったJ1のタンブラーピンを12時の角度位置に戻し、合鍵Koを抜く。
以降、新しい鍵違いの合鍵Knによる施解錠が可能になり、このようにしてバリタン操作が完了する。
ちなみに、前記[J1,J2,J3,J4,J5,J6,J7,J8]の鍵違いと、[J1,J2,J3,J4,X,J6,J7,J8]の鍵違いは相互に異なり、J5をXに置き換えることにより鍵違いが減少するわけではないから、上記バリタン操作によって全体の鍵違いの数、すなわち108は変わらない。
1 外筒
2 面板
3 第1受板
4 第2受板
5 ねじ
6 ピン受け穴
7 内筒
8 第1フランジ
9 第2フランジ
11 ガイド穴
12 爪
13 タンブラーピン
14 接続筒
15 止め輪溝
16 Eリング
17 付勢ばね
18 スリット
19 鍵孔
21 ブロック体
22 スリワリ
23 取付孔
24 テールピース
25 連結棒
26 ピン
27 合鍵
28 合鍵本体
29 突歯
31 基準線
32 摘み
33 盲穴の筒部
34 係合片
35 ホルダー
36 結合ピン
37 接合端縁
38 外側開口端縁
39 標線
41 切欠
42 ガイド溝
43 ホルダー筒
44 仮想のピン受け穴

Claims (3)

  1. 全体の形状が薄肉円筒状で、一端の開口を閉塞する蛇の目状の面板を有する外筒と、この外筒の内筒部一端に嵌装できる外形の厚肉リング体で、その実体部にn(n:正整数)個のピン受け穴を、一定の展開パターンで、外筒他端側に開口するように形成した第1受板と、外筒の他端開口に嵌装された厚肉リング体で、上記第1受板に対向する面にn個のピン受け穴を第1受板のピン受け穴と面対称に形成した第2受板と、全体の形状が円筒状で、上記第1及び第2受板の間において両端部を受板の中心孔に摺動可能に嵌合させた内筒と、この内筒の外周面及び外筒内周面の間の環状の空間内において内筒に担持され、一対の受板の相互に対向する一対の受け穴の中心軸線及び内筒外周面の母線に沿って延在すると共に、その長さ方向に移動可能に案内され、また、それぞれ第1及び第2受板の間隔よりやや短くその長さを設定され、更にまた、夫々第1受板方向に付勢されたn本のタンブラーピンと、外筒一端側の内筒の開口から超硬ドリル等を突っ込んで破錠することを防止するため、内筒内周面との間に横断面形状が細いリング状の鍵孔を介して内筒に同軸に装着され、その一端の端面を内筒の開口端縁とほぼ同一にした堅い材質の円柱状のブロック体と、施錠状態における各タンブラーピンの一端部の、第1受板の対応する受け穴に対する嵌入深さを規定し、これらタンブラーピン群の嵌入深さの組み合わせにより鍵違いを設定するため、各タンブラーピンの長さ方向における所定の位置に装着され、内筒の母線に沿って形成された対応するスリット及び断面リング状の鍵孔を通って上記ブロック体方向に突出する爪と、上記内筒の後端部に外筒外に突出するように装着されたテールピースとを備え、施錠時、タンブラーピンの爪と内筒の係止部との係合により対応する受け穴に所定量嵌入したタンブラーピン群を介して内筒を第1受板に錨止し、一方、パイプ状の合鍵の開口端縁の、対応するタンブラーピンに割り当てられた角度範囲の部分を所定量母線方向に切欠くと共に、内筒との間に回り止めを施した合鍵本体を、上記横断面形状が細いリング状の鍵孔に一定量挿入する解錠時、各タンブラーピンの一端を第1受板の対応する受け穴から抜去すると共に、タンブラーピン群全体を第1及び第2受板の間で円周方向に回動可能とし、内筒を外筒に対し相対回動できるようにしたことを特徴とするかご型シリンダー錠。
  2. 上記第1受板における(n−1)個のピン受け穴、及びピン受け穴と同径の、受板を加工せずに残した1個の仮想のピン受け穴が、第1受板の中心軸を中心とする円上に、かつ等角度間隔で形成されており、また、上記した構成の第一受板が、ピン受け穴相互の角度間隔、或いはピン受け穴と仮想のピン受け穴との角度間隔毎に、外筒中心線の周りの角度位置を違えて外筒に固定できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のかご型シリンダー錠。
  3. 全体の形状が薄肉円筒状で、一端の開口を閉塞する蛇の目状の面板を有する外筒と、この外筒の内筒部一端に嵌装できる外形の厚肉リング体で、その実体部にn(n:正整数)個のピン受け穴を、一定の展開パターンで、外筒他端側に開口するように形成した第1受板と、外筒の他端開口に嵌装された厚肉リング体で、上記第1受板に対向する面にn個のピン受け穴を第1受板のピン受け穴と面対称に形成した第2受板と、全体の形状が円筒状で、上記第1及び第2受板の間において両端部を受板の中心孔に摺動可能に嵌合させた内筒と、この内筒の外周面及び外筒内周面の間の環状の空間内において内筒に担持され、一対の受板の相互に対向する一対の受け穴の中心軸線及び内筒外周面の母線に沿って延在すると共に、その長さ方向に移動可能に案内され、また、それぞれ第1及び第2受板の間隔よりやや短くその長さを設定され、更にまた、夫々第1受板方向に付勢されたn本のタンブラーピンと、外筒一端側の内筒の開口から超硬ドリル等を突っ込んで破錠することを防止するため、内筒内周面との間に横断面形状が細いリング状の鍵孔を介して内筒に同軸に装着され、その一端の端面を内筒の開口端縁とほぼ同一にした堅い材質の円柱状のブロック体と、施錠状態における各タンブラーピンの一端部の、第1受板の対応する受け穴に対する嵌入深さを規定し、これらタンブラーピン群の嵌入深さの組み合わせにより鍵違いを設定するため、各タンブラーピンの長さ方向における所定の位置に装着され、内筒の母線に沿って形成された対応するスリット及び断面リング状の鍵孔を通って上記ブロック体方向に突出する爪と、上記内筒の後端部に外筒外に突出するように装着されたテールピースとを備え、施錠時、タンブラーピンの爪と内筒の係止部との係合により対応する受け穴に所定量嵌入したタンブラーピン群を介して内筒を第1受板に錨止し、一方、パイプ状の合鍵の開口端縁の、対応するタンブラーピンに割り当てられた角度範囲の部分を所定量母線方向に切欠くと共に、内筒との間に回り止めを施した合鍵本体を、上記横断面形状が細いリング状の鍵孔に一定量挿入する解錠時、各爪が合鍵の切欠部分に押動され、当該爪に対応する各タンブラーピンの一端を第1受板の対応する受け穴から抜去すると共に、タンブラーピン群全体を第1及び第2受板の間で円周方向に回動可能とし、内筒を外筒に対し相対回動できるようにしたことを特徴とするかご型シリンダー錠の合鍵であって、鍵孔に挿入される合鍵本体を円筒形に成形し、その先端の開口端縁の、対応するタンブラーピンに割り当てられた角度範囲の部分を、合鍵本体の挿入深さからタンブラーピンの受け穴への挿入深さを差し引いた分母線方向に切欠き、以て、合鍵本体を上記横断面形状が細いリング状の鍵孔に一定量挿入する解錠時、各タンブラーピンの一端を第1受板の対応する受け穴から抜去すると共に、タンブラーピン群全体を第1及び第2受板の間で円周方向に回動可能とし、内筒を外筒に対し相対回動できるようにしたことを特徴とするかご型シリンダー錠の合鍵。
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