JP2014179342A - 有機電界発光素子、照明装置及び照明システム - Google Patents

有機電界発光素子、照明装置及び照明システム Download PDF

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Abstract

【課題】透過像の視認性の高い有機電界発光素子、照明装置及び照明システムを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、第1電極と有機発光層と第2電極と第1配線層とを備えた有機電界発光素子が提供される。第1電極は、上面を有し光透過性である。有機発光層は、第1電極の上に設けられる。第2電極は、有機発光層の上に設けられ光透過性である。第1配線層は、第1電極と有機発光層との間に設けられ、上面に対して平行な第1方向に延び上面に対して平行で第1方向に対して交差する第2方向に並ぶ複数の第1配線部を含み、光反射性である。複数の第1配線部のそれぞれの第2方向の長さをWh1、複数の第1配線部のそれぞれのピッチをPh1とするとき、Wh1とPh1とは、Wh1≧−647(1−Wh1/Ph1)+511の関係を満たし、Wh1≦−882(1−Wh1/Ph1)+847の関係を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、有機電界発光素子、照明装置及び照明システムに関する。
光透過性の第1電極と、第2電極と、第1電極と第2電極との間に設けられた有機発光層と、を含む有機電界発光素子がある。有機電界発光素子を光源として用いた照明装置がある。複数の有機電界発光素子と、これら複数の有機電界発光素子の点灯及び消灯を制御する制御部と、を含む照明システムがある。有機電界発光素子では、複数の開口が設けられた細線状の第2電極や、光透過性の第2電極を用いることにより、光透過性を持たせることが行われている。こうした有機電界発光素子において、透過像の視認性の向上が望まれる。
特開2011−249541号公報
本発明の実施形態は、透過像の視認性の高い有機電界発光素子、照明装置及び照明システムを提供する。
本発明の実施形態によれば、第1電極と、有機発光層と、第2電極と、第1配線層と、を備えた有機電界発光素子が提供される。前記第1電極は、上面を有し、光透過性である。前記有機発光層は、前記第1電極の上に設けられる。前記第2電極は、前記有機発光層の上に設けられ、光透過性である。前記第1配線層は、前記第1電極と前記有機発光層との間に設けられ、前記上面に対して平行な第1方向に延び前記上面に対して平行で前記第1方向に対して交差する第2方向に並ぶ複数の第1配線部を含み、光反射性である。前記複数の第1配線部のそれぞれの前記第2方向の長さをWh1(マイクロメートル)とし、前記複数の第1配線部のそれぞれのピッチをPh1(マイクロメートル)とするとき、前記Wh1と前記Ph1とは、Wh1≧−647(1−Wh1/Ph1)+511の関係を満たすとともに、Wh1≦−882(1−Wh1/Ph1)+847の関係を満たす。(1−Wh1/Ph1)は、0.55以上0.85以下である。前記Wh1は、75μm以上300μm以下である。
図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る有機電界発光素子を表す模式図である。 図2(a)〜図2(d)は、実験結果の一例を示す表である。 実験結果の一例を示すグラフ図である。 図4(a)〜図4(d)は、実験結果の一例を示す表である。 実験結果の一例を示すグラフ図である。 図6(a)〜図6(d)は、実験結果の一例を示す表である。 図7(a)〜図7(c)は、実験結果の一例を示すグラフ図である。 実験結果の一例を示すグラフ図である。 図9(a)〜図9(d)は、実験結果の一例を示す表である。 図10(a)〜図10(d)は、実験結果の一例を示す表である。 図11(a)〜図11(d)は、実験結果の一例を示す表である。 図12(a)〜図12(d)は、実験結果の一例を示す表である。 図13(a)〜図13(d)は、実験結果の一例を示す表である。 図14(a)〜図14(d)は、実験結果の一例を示す表である。 図15(a)〜図15(f)は、実験結果の一例を示すグラフ図である。 実験結果の一例を示すグラフ図である。 第1の実施形態に係る有機電界発光素子の一部を表す模式的断面図である。 第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子の一部を表す模式的平面図である。 図19(a)及び図19(b)は、第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子を表す模式的断面図である。 図20(a)〜図20(c)は、第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子を表す模式図である。 図21(a)及び図21(b)は、第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子を表す模式図である。 図22(a)及び図22(b)は、第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子を表す模式図である。 図23(a)及び図23(b)は、第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子を表す模式図である。 第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子を表す模式的断面図である。 第2の実施形態に係る照明装置を表す模式図である。 図26(a)及び図26(b)は、第3の実施形態に係る照明システムを表す模式図である。
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施の形態)
図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る有機電界発光素子を表す模式図である。
図1(a)は、模式的断面図であり、図1(b)は、模式的平面図である。
図1(a)は、図1(b)のA1−A2線断面図である。これらの図は、本実施形態に係る有機電界発光素子の一部を拡大して例示している。
図1(a)及び図1(b)に表したように、有機電界発光素子110は、積層体SBを含む。積層体SBは、第1電極10と、第2電極20と、有機発光層30と、を含む。この例において、積層体SBは、絶縁層40をさらに含む。絶縁層40は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
第1電極10は、上面10aを有する。第1電極10は、光透過性を有する。第1電極10は、例えば、透明電極である。
ここで、上面10aに対して垂直な方向をZ軸方向とする。上面10aに対して平行な1つの方向をX軸方向とする。X軸方向及びZ軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。X軸方向及びY軸方向は、Z軸方向に対して垂直な方向である。Z軸方向は、第1電極10の厚さ方向に相当する。
絶縁層40は、光透過性である。絶縁層40は、例えば、透明である。絶縁層40は、第1電極10の上面10aの上に設けられる。絶縁層40は、絶縁部40aと、開口部40bと、を有する。絶縁層40は、例えば、複数の絶縁部40aと、複数の開口部40bと、を有する。複数の絶縁部40aのそれぞれは、上面10aに対して平行な第1方向に延び、上面10aに対して平行で第1方向に対して交差する第2方向に並ぶ。この例では、複数の絶縁部40aのそれぞれが、X軸方向に並び、Y軸方向に延びる。すなわち、この例において、第1方向は、Y軸方向であり、第2方向は、X軸方向である。この例では、第2方向が、第1方向に対して垂直である。第2方向は、第1方向に対して交差する任意の方向でよい。
複数の開口部40bのそれぞれは、複数の絶縁部40aのそれぞれの間に設けられる。この例では、複数の開口部40bのそれぞれが、Y軸方向に延び、X軸方向に並ぶ。すなわち、この例では、複数の開口部40bのそれぞれが、溝状である。複数の開口部40bのそれぞれは、第1電極10の一部を露呈させる。この例では、複数の開口部40bのそれぞれにより、第1電極10の複数の部分が露呈される。以下では、第1電極10のうちの開口部40bによって露呈された部分を、露呈部10pと称す。
有機発光層30は、第1電極10の上面10aの上に設けられる。この例では、有機発光層30が、絶縁層40の上に設けられる。換言すれば、絶縁層40は、第1電極10と有機発光層30との間に設けられる。有機発光層30は、例えば、絶縁層40の全体の上に設けられる。この例において、有機発光層30は、第1電極10の複数の露呈部10pのそれぞれの上に延在する部分と、絶縁層40の複数の絶縁部40aのそれぞれの上に延在する部分と、を含む。有機発光層30は、例えば、光透過性を有する。有機発光層30は、例えば、透明である。
有機発光層30の厚さ(Z軸方向に沿う長さ)は、絶縁層40(絶縁部40a)の厚さよりも薄い。有機発光層30の露呈部10pの上に延在する部分の上面30uと第1電極10の上面10aとの間のZ軸方向の距離は、絶縁層40の絶縁部40aの上面40uと第1電極10の上面10aとの間のZ軸方向の距離よりも短い。すなわち、上面30uは、上面40uよりも下に位置する。
第2電極20は、有機発光層30の上に設けられる。第2電極20は、複数の導電部20aと、複数の開口部20bと、を有する。複数の導電部20aのそれぞれは、第1方向に延び、第2方向に並ぶ。この例では、複数の導電部20aのそれぞれが、Y軸方向に延び、X軸方向に並ぶ。複数の導電部20aのそれぞれは、上面10aに対して平行な平面(X−Y平面)に投影したときに、複数の露呈部10pのうちのいずれかと重なる位置に配置される。この例では、複数の導電部20aのそれぞれの間隔が、複数の絶縁部40aのそれぞれの間隔と異なる。この例では、X−Y平面に投影したときに、複数の導電部20aのそれぞれの間に、3つの開口部40bが配置される。X−Y平面に投影したときに、複数の導電部20aのそれぞれの間に配置される開口部40bの数は、任意である。複数の導電部20aのそれぞれの間には、開口部40bを配置しなくてもよい。すなわち、複数の導電部20aのそれぞれは、X−Y平面に投影したときに、複数の露呈部10pのそれぞれと重なってもよい。
複数の開口部20bのそれぞれは、複数の導電部20aのそれぞれの間に配置される。この例において、複数の開口部20bのそれぞれは、Y軸方向に延びる溝状である。複数の開口部20bのそれぞれは、Y軸方向に延び、X軸方向に並ぶ。この例では、第2電極20及び絶縁層40が、ストライプ状である。
第2電極20(導電部20a)は、例えば、光反射性を有する。第2電極20の光反射率は、第1電極10の光反射率よりも高い。本願明細書においては、第1電極10の光反射率よりも高い光反射率を有している状態を光反射性という。
有機発光層30は、複数の開口部40bのそれぞれを介して第1電極10と電気的に接続される。有機発光層30は、例えば、複数の開口部40bのそれぞれを介して第1電極10の複数の露呈部10pのそれぞれに接する。これにより、有機発光層30が、第1電極10と電気的に接続される。
有機発光層30は、第2電極20と電気的に接続される。有機発光層30は、例えば、複数の導電部20aのそれぞれに接する。これにより、有機発光層30が、第2電極20と電気的に接続される。なお、本願明細書において、「電気的に接続」には、直接接触する場合のほか、間に他の導電部材などが介在する場合も含む。
第1電極10と第2電極20とを用いて有機発光層30に電流を流す。これにより、有機発光層30が発光する。有機発光層30は、例えば、電流が流れた場合に、電子と正孔とを再結合させ、励起子を生成する。有機発光層30は、例えば、励起子が放射失活する際の光の放出を利用して発光する。
有機電界発光素子110では、有機発光層30のうちの露呈部10pと導電部20aとの間の部分が、発光領域EAとなる。この例において、有機発光層30は、複数の露呈部10pのそれぞれと複数の導電部20aのそれぞれとの間の複数の発光領域EAを有する。絶縁層40は、例えば、第2電極20の形成の際に、パターニング用のマスク(例えばメタルマスク)と有機発光層30の発光領域EAとなる部分との接触を抑制する接触防止層として機能する。絶縁層40を設けることにより、例えば、有機電界発光素子110の歩留まりを向上できる。
発光領域EAから発せられた発光ELは、第1電極10を介して、有機電界発光素子110の外部に出射する。発光ELの一部は、第2電極20で反射し、有機発光層30及び第1電極10を介して外部に出射する。すなわち、有機電界発光素子110は、片面発光型である。
また、有機電界発光素子110では、外部から入射する外光OLが、複数の導電部20aのそれぞれの間の部分の第1電極10、有機発光層30及び絶縁層40を透過する。このように、有機電界発光素子110は、発光ELを出射させつつ、外部から有機電界発光素子110に入射する外光OLを透過させる。このように、有機電界発光素子110は、光透過性を有する。これにより、有機電界発光素子110では、有機電界発光素子110を介して、背景の像を視認できる。すなわち、有機電界発光素子110は、シースルー可能な薄膜状または板状の光源である。
このように、実施形態の有機電界発光素子110によれば、光透過性の有機電界発光素子を提供できる。この有機電界発光素子110を照明装置に応用した場合、照明機能の他に、背景像を透過させる機能により、種々の新たな応用が可能になる。
導電部20aの幅をW1とする。各導電部20aのピッチをP1とする。幅W1は、導電部20aのX軸方向の長さである。ピッチP1は、例えば、隣り合う2つの導電部20aのX軸方向の中心間のX軸方向の距離である。
本実施形態に係る有機電界発光素子110は、各導電部20aの幅W1及びピッチP1が、W1≧−647(1−W1/P1)+511の関係を満たす。これにより、透過像の視認性を高めることができる。
光透過性の有機電界発光素子では、第2電極20を見え難くするために、導電部20aの幅を狭くすることが求められている。導電部20aの幅を狭くすると、発光領域の面積が縮小される。このため、例えば、第2電極20をストライプ状のパターン形状とした場合に、第2電極20を見え難くしつつ、適切な発光輝度を得るためには、導電部20aの幅を狭くしつつ、複数の導電部20aのピッチを狭くする必要がある。しかしながら、ピッチを狭くすると、透過像の視認性が低下してしまう。例えば、透過像が、ぼやけてしまう。これは、例えば、光の回折に起因しているものと考えられる。
そこで、本願発明者らは、導電部20aの幅やピッチと、透過像の視認性の低下と、の関係性について実験を行った。
本願発明者らは、まず、第2電極20の各導電部20aの幅とピッチとを変化させた複数の試料を作成し、各試料について各導電部20aが視認できるか否かを実験した。試料では、ガラス基板上にストライプ状の金属薄膜をパターニングした(以下、金属パターンと称す)。これにより、第2電極20をX−Y平面に投影したときの形状を模擬的に形成した。
金属パターンに含まれる1つの金属線の幅をWsとする。幅Wsは、導電部20aの幅W1に相当する。各金属線のピッチをPsとする。ピッチPsは、各導電部20aのピッチP1に相当する。実験では、幅Wsの異なる複数の試料を用意した。そして、1つの幅Wsについて、ピッチPsの異なる複数の試料を用意した。すなわち、開口率AR=(1−Ws/Ps)の異なる複数の試料を用意した。具体的には、幅Wsは、50μm、100μm、150μm、200μmとした。そして、それぞれの幅Wsについて、開口率ARを、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90とした。すなわち、実験では、幅Wsについて4種類、開口率ARについて8種類の、計32種類の試料を用意した。
実験では、各試料のそれぞれについて、試料と被験者との間の距離L1を本実施形態に係る有機電界発光素子110の利用状況から想定される最短距離の1mとして評価を行った。すなわち、照明装置は、一般的に試料から1m以上離れた位置に設けられて用いられる。実験において、被験者は、一人である。被験者の視力は、1.5である。被験者は、試料の金属パターンの設けられた面に対して、ほぼ正対させた。実験において、背景は、均一な白色とした。
図2(a)〜図2(d)は、実験結果の一例を示す表である。
図2(a)は、金属線の幅Wsを50μmとした各試料の評価結果を表す。図2(b)は、金属線の幅Wsを100μmとした各試料の評価結果を表す。図2(c)は、金属線の幅Wsを150μmとした各試料の評価結果を表す。図2(d)は、金属線の幅Wsを200μmとした各試料の評価結果を表す。図2(a)〜図2(d)では、金属パターンが視認できなかった試料に「○」を付し、視認できた試料に「×」を付している。
ここで、金属線(導電部20a)が「視認できない」とは、人間の視覚によって完全に認識できないもののほか、例えば、隣り合う線の像と重なって1本の線として認識できない場合なども含む。すなわち、本願明細書において、「視認できない」とは、各金属線(導電部20a)のパターン形状を実質的に認識できない状態である。
図3は、実験結果の一例を示すグラフ図である。
図3は、図2(a)〜図2(d)の結果から得られた開口率ARと金属線幅Wsとの関係をプロットしたグラフ図である。なお、被験者の視力は1.5であるが、標準的な視力は1.0である。人間の視覚特性より配線の視認性は視角により定まるものであることから、図3のプロットでは標準的な視力1.0を想定して、金属線幅Wsは図2の値の1.5倍としている。開口率は比Ws/Psによるものなので不変である。視力1.0は、換言すれば、20/20(twenty-twenty)である。
金属線(導電部20a)の視認性は、金属線の幅Ws、または、金属線の間隔(Ps−Ws)だけでは決まらず、図3に表したように金属線の幅Wsと陰極開口率AR=(1−Ws/Ps)の両方に依存する。図より、例えば、開口率AR=0.95では、金属線が視認できなくなる条件が得られないことがわかる。
図3に表したように、開口率ARと金属線の幅Wsとの関係は、一次関数DF1で表すことができる。一次関数DF1は、具体的には、Ws=−882AR+847である。図3において、一次関数DF1よりも左側の領域が、金属線の視認できない領域である。そして、一次関数DF1よりも右側の領域が、金属線の視認できる領域である。すなわち、幅Ws及びピッチPsが、Ws≦−882AR+847の関係を満たすようにする。これにより、金属線を視認できなくすることができる。
第2電極20において、各導電部20aの幅W1及びピッチP1が、W1≦−882AR+847の関係を満たすようにする。より具体的には、W1≦−882(1−W1/P1)+847の関係を満たすようにする。これにより、本実施形態の利用状況から想定される最短距離の1mでは、第2電極20において、各導電部20aを視認できなくすることができる。但し、上記の各関係式において、Ws、Ps、W1、及び、P1の単位は、それぞれマイクロメートルである。
本願発明者らは、各導電部20aが視認できるか否かについて、さらに実験を行った。実験では、被験者の人数を3人とした。被験者Aの視力は、矯正視力で1.5である。被験者Bの視力は、裸眼視力で1.5である。被験者Cの視力は、矯正視力で1.5である。そして、距離L1を、1.0mとして評価を行った。その他の実験条件は、上記と実質的に同じである。
図4(a)〜図4(d)は、実験結果の一例を示す表である。
図4(a)は、金属線の幅Wsを50μmとした各試料の評価結果を表す。図4(b)は、金属線の幅Wsを100μmとした各試料の評価結果を表す。図4(c)は、金属線の幅Wsを150μmとした各試料の評価結果を表す。図4(d)は、金属線の幅Wsを200μmとした各試料の評価結果を表す。
図4(a)〜図4(d)において、Ws1.5は、各被験者の視力を1.0に換算したときの金属線の幅である。また、実験では、各試料のそれぞれについて、各被験者の評価の平均を求めた。図4(a)〜図4(d)では、2人以上の被験者が「○」と判定した試料の平均を「○」とし、「○」と判定した被験者が1人以下の試料の平均を「×」としている。
図5は、実験結果の一例を示すグラフ図である。
図5は、図4(a)〜図4(d)の結果から得られた開口率ARと金属線幅Wsとの関係をプロットしたグラフ図である。図5では、各被験者の評価の平均をまとめている。また、図5において、金属線の幅Wsには、図4(a)〜図4(d)のWs1.5の値を用いている。
図5に表したように、開口率ARと金属線の幅Wsとの関係は、一次関数DF11で表すことができる。一次関数DF11は、具体的には、Ws=−882AR+847である。すなわち、一次関数DF11は、一次関数DF1と実質的に同じである。
このように、被験者の人数を3人に増やした実験においても、1人の被験者で、距離L1=1mとした場合の実験と実質的に同じ結果が得られた。従って、第2電極20において、各導電部20aの幅W1及びピッチP1が、W1≦−882AR+847の関係を満たすようにする。より具体的には、W1≦−882(1−W1/P1)+847の関係を満たすようにする。これにより、各導電部20aを視認できなくすることができる。但し、上記の各関係式において、Ws、Ps、W1、及び、P1の単位は、それぞれマイクロメートルである。
次に、本願発明者らは、上記の実験と同じ複数の試料を用い、各試料について透過像がぼけるか否かを実験した。実験では、観察対象物と被験者との間に試料を配置した。観察対象物と試料と被験者とは、ほぼ直線状に並べた。被験者は、試料の金属パターンの設けられた面に対して、ほぼ正対させた。観察対象物には、文字“ABC”を用いた。試料と被験者との間の距離L1は、1mとした。実験では、各試料のそれぞれについて、観察対象物と試料との間の距離L2を変化させ、複数の距離L2で評価を行った。具体的には、距離L2を、0.6m、1.2m、10mに変化させて評価を行った。実験において、被験者は、一人である。被験者の視力は、1.5である。透過像のぼけは、視力に関係しないので、金属線の視認性の実験とは異なり、以下では視力による補正は行っていない。
また、観察対象物には、フォントサイズの異なる複数の文字列“ABC”を並べて設けた。フォントサイズは、25Pt(ポイント)、32Pt、36Pt、40Pt、48Pt、54Pt、60Pt、72Pt、88Pt、及び、700Ptに変化させた。被験者の視力で適切に視認できる大きさの文字列では、フォントサイズの違いによって、透過像のぼけの具合は、実質的に変化しなかった。距離L2が遠い場合(例えば10m)には、700Ptの文字列で評価を行った。なお、「透過像のぼけ」とは、例えば、ヘイズ(光の拡散)や回折などによって観察対象物が多重に見えることをいう。透過像のぼけが生じている状態とは、例えば、試料(有機電界発光素子)を介して観察対象物を見た場合と、試料を介さずに観察対象物を見た場合と、で、観察対象物の見え方に違いがある状態である。
図6(a)〜図6(d)は、実験結果の一例を示す表である。
図6(a)は、金属線の幅Wsを50μmとした各試料の評価結果を表す。図6(b)は、金属線の幅Wsを100μmとした各試料の評価結果を表す。図6(c)は、金属線の幅Wsを150μmとした各試料の評価結果を表す。図6(d)は、金属線の幅Wsを200μmとした各試料の評価結果を表す。
図6(a)〜図6(d)では、透過像のぼけが気にならなかった(ぼけが認識されなかった)試料に「◎」を付し、透過像のぼけが許容できる程度に認識された試料に「○」を付し、透過像のぼけが許容できない試料に「×」を付している。
図7(a)〜図7(c)は、実験結果の一例を示すグラフ図である。
図7(a)は、距離L2=0.6mの実験結果をまとめたグラフ図である。
図7(b)は、距離L2=1.2mの実験結果をまとめたグラフ図である。
図7(c)は、距離L2=10mの実験結果をまとめたグラフ図である。
図7(a)〜図7(c)に表したように、本願発明者らは、金属線の幅Wsと開口率AR=(1−Ws/Ps)との関係を用いて透過像のぼける範囲を表すことができることを実験により見出した。
図7(a)に表したように、距離L2=0.6mにおいて、評価値「○」を許容する場合の透過像のぼけの閾値は、一次関数DF2で表すことができる。一次関数DF2は、具体的には、Ws=−647AR+479である。図7(a)において、一次関数DF2よりも左側の領域が、透過像のぼける領域である。そして、一次関数DF2よりも右側の領域が、透過像のぼけない領域である。すなわち、幅Ws及びピッチPsが、Ws≧−647AR+479の関係を満たすようにする。これにより、距離L2=0.6mの場合において、透過像のぼけを抑制することができる。
また、距離L2=0.6mにおいて、評価値「○」を許容しない場合の透過像のぼけの閾値は、一次関数DF3で表すことができる。一次関数DF3は、具体的には、Ws=−647AR+544である。すなわち、幅Ws及びピッチPsが、Ws≧−647AR+544の関係を満たすようにする。これにより、距離L2=0.6mの場合において、透過像のぼけをより適切に抑制することができる。
図7(b)に表したように、距離L2=1.2mにおいて、評価値「○」を許容する場合の透過像のぼけの閾値は、一次関数DF4で表すことができる。一次関数DF4は、具体的には、Ws=−647AR+511である。図7(b)において、一次関数DF4よりも左側の領域が、透過像のぼける領域である。そして、一次関数DF4よりも右側の領域が、透過像のぼけない領域である。すなわち、幅Ws及びピッチPsが、Ws≧−647AR+511の関係を満たすようにする。これにより、距離L2=1.2mの場合において、透過像のぼけを抑制することができる。
また、距離L2=1.2mにおいて、評価値「○」を許容しない場合の透過像のぼけの閾値は、一次関数DF5で表すことができる。一次関数DF5は、具体的には、Ws=−647AR+557である。すなわち、幅Ws及びピッチPsが、Ws≧−647AR+557の関係を満たすようにする。これにより、距離L2=1.2mの場合において、透過像のぼけをより適切に抑制することができる。
図7(c)に表したように、距離L2=10mにおいて、評価値「○」を許容する場合の透過像のぼけの閾値は、一次関数DF6で表すことができる。一次関数DF6は、具体的には、Ws=−647AR+498である。図7(c)において、一次関数DF6よりも左側の領域が、透過像のぼける領域である。そして、一次関数DF6よりも右側の領域が、透過像のぼけない領域である。すなわち、幅Ws及びピッチPsが、Ws≧−647AR+498の関係を満たすようにする。これにより、距離L2=10mの場合において、透過像のぼけを抑制することができる。
また、距離L2=10mにおいて、評価値「○」を許容しない場合の透過像のぼけの閾値は、一次関数DF7で表すことができる。一次関数DF7は、具体的には、Ws=−647AR+550である。すなわち、幅Ws及びピッチPsが、Ws≧−647AR+550の関係を満たすようにする。これにより、距離L2=10mの場合において、透過像のぼけをより適切に抑制することができる。
図8は、実験結果の一例を示すグラフ図である。
図8では、図7(a)〜図7(c)から得られた一次関数DF2〜DF7をまとめて示している。
図8に表したように、透過像がぼけるか否かの閾値の境界線は、開口率ARと金属線の幅Wsとがなす平面において、おおよそ一次関数で表すことができる。例えば、開口率ARを大きくすることにより、透過像をぼけ難くすることができる。距離L2に対する依存性は、比較的小さく、境界線が開口率ARの大小方向に僅かに変化する程度である。
距離L2の3つの結果のうちでは、距離L2=1.2mのときに、最も厳しい評価結果が得られた。そこで、第2電極20においては、距離L2=1.2mのときの結果を採用する。
第2電極20において、各導電部20aの幅W1及びピッチP1が、W1≧−647AR+511の関係を満たすようにする。より具体的には、W1≧−647(1−W1/P1)+511の関係を満たすようにする。これにより、第2電極20において、透過像のぼけを抑制することができる。
第2電極20において、好ましくは、各導電部20aの幅W1及びピッチP1が、W1≧−647AR+557の関係を満たすようにする。より具体的には、W1≧−647(1−W1/P1)+557の関係を満たすようにする。これにより、第2電極20において、透過像のぼけをより適切に抑制することができる。上記の各関係式においても、Ws、Ps、W1、及び、P1の単位は、それぞれマイクロメートルである。
本実施形態に係る有機電界発光素子110では、各導電部20aの幅W1及びピッチP1が、W1≧−647(1−W1/P1)+511の関係を満たす。これにより、透過像のぼけを抑制できる。従って、透過像の視認性を高めることができる。そして、幅W1及びピッチP1が、W1≧−647(1−W1/P1)+557の関係を満たす。これにより、透過像の視認性をより高めることができる。
なお、各導電部20aの幅W1、及び、各導電部20aのピッチP1は、各導電部20aのそれぞれについて、必ずしも同じでなくてもよい。各導電部20aの幅W1及びピッチP1は、上記の関係を満足する範囲において、異なっていてもよい。
本願発明者らは、透過像がぼけるか否かについて、さらに実験を行った。実験では、被験者の人数を3人とした。被験者Dの視力は、裸眼視力で1.5である。被験者Eの視力は、矯正視力で1.5である。被験者Fの視力は、矯正視力で0.8である。そして、距離L2を、0.6m、1.2m、2.4m、4.8m、6m、及び、10mに変化させて評価を行った。その他の実験条件は、上記と実質的に同じである。
図9(a)〜図9(d)、図10(a)〜図10(d)、図11(a)〜図11(d)、図12(a)〜図12(d)、図13(a)〜図13(d)、及び、図14(a)〜図14(d)は、実験結果の一例を示す表である。
図9(a)〜図9(d)は、L2=0.6mのときの各試料の評価結果を表す。
図10(a)〜図10(d)は、L2=1.2mのときの各試料の評価結果を表す。
図11(a)〜図11(d)は、L2=2.4mのときの各試料の評価結果を表す。
図12(a)〜図12(d)は、L2=4.8mのときの各試料の評価結果を表す。
図13(a)〜図13(d)は、L2=6mのときの各試料の評価結果を表す。
図14(a)〜図14(d)は、L2=10mのときの各試料の評価結果を表す。
また、図9〜図14において、(a)は、幅Ws=50μmの各試料の評価結果であり、(b)は、幅Ws=100μmの各試料の評価結果であり、(c)は、幅Ws=150μmの各試料の評価結果であり、(d)は、幅Ws=200μmの各試料の評価結果である。
実験では、各試料のそれぞれについて、各被験者の評価の平均を求めた。図9〜図14では、被験者全員が、「◎」と判定した試料の平均を「◎」とし、各被験者のいずれか1人でも「○」と判定した試料の平均を「○」とし、被験者全員が、「×」と判定した試料の平均を「×」としている。図9〜図14に表したように、実験において、透過像のぼけの評価は、被験者の視力や矯正の有無などによって、大きく変化することはなかった。
図15(a)〜図15(f)は、実験結果の一例を示すグラフ図である。
図15(a)は、距離L2=0.6mの実験結果をまとめたグラフ図である。
図15(b)は、距離L2=1.2mの実験結果をまとめたグラフ図である。
図15(c)は、距離L2=2.4mの実験結果をまとめたグラフ図である。
図15(d)は、距離L2=4.8mの実験結果をまとめたグラフ図である。
図15(e)は、距離L2=6.0mの実験結果をまとめたグラフ図である。
図15(f)は、距離L2=10.0mの実験結果をまとめたグラフ図である。
図15(a)〜図15(f)では、各被験者の評価の平均をまとめている。
図15(a)に表したように、距離L2=0.6mにおいて、評価値「○」を許容する場合の透過像のぼけの閾値は、一次関数DF21で表すことができる。一次関数DF21は、具体的には、Ws=−647AR+459である。また、距離L2=0.6mにおいて、評価値「○」を許容しない場合の透過像のぼけの閾値は、一次関数DF22で表すことができる。一次関数DF22は、具体的には、Ws=−647AR+595である。
図15(b)に表したように、距離L2=1.2mにおいて、評価値「○」を許容する場合の透過像のぼけの閾値は、一次関数DF23で表すことができる。一次関数DF23は、具体的には、Ws=−647AR+511である。また、距離L2=1.2mにおいて、評価値「○」を許容しない場合の透過像のぼけの閾値は、一次関数DF24で表すことができる。一次関数DF24は、具体的には、Ws=−647AR+595である。
図15(c)に表したように、距離L2=2.4mにおいて、評価値「○」を許容する場合の透過像のぼけの閾値は、一次関数DF25で表すことができる。一次関数DF25は、具体的には、Ws=−647AR+492である。また、距離L2=2.4mにおいて、評価値「○」を許容しない場合の透過像のぼけの閾値は、一次関数DF26で表すことができる。一次関数DF26は、具体的には、Ws=−647AR+563である。
図15(d)に表したように、距離L2=4.8mにおいて、評価値「○」を許容する場合の透過像のぼけの閾値は、一次関数DF27で表すことができる。一次関数DF27は、具体的には、Ws=−647AR+479である。また、距離L2=4.8mにおいて、評価値「○」を許容しない場合の透過像のぼけの閾値は、一次関数DF28で表すことができる。一次関数DF28は、具体的には、Ws=−647AR+595である。
図15(e)に表したように、距離L2=6.0mにおいて、評価値「○」を許容する場合の透過像のぼけの閾値は、一次関数DF29で表すことができる。一次関数DF29は、具体的には、Ws=−647AR+459である。また、距離L2=6.0mにおいて、評価値「○」を許容しない場合の透過像のぼけの閾値は、一次関数DF30で表すことができる。一次関数DF30は、具体的には、Ws=−647AR+595である。
図15(f)に表したように、距離L2=10.0mにおいて、評価値「○」を許容する場合の透過像のぼけの閾値は、一次関数DF31で表すことができる。一次関数DF31は、具体的には、Ws=−647AR+459である。また、距離L2=10.0mにおいて、評価値「○」を許容しない場合の透過像のぼけの閾値は、一次関数DF32で表すことができる。一次関数DF32は、具体的には、Ws=−647AR+595である。
図16は、実験結果の一例を示すグラフ図である。
図16では、図15(a)〜図15(f)から得られた一次関数DF21〜DF32をまとめて示している。
図16に表したように、評価値「○」を許容する場合の最も厳しい評価結果は、DF23である。また、評価値「○」を許容しない場合の最も厳しい評価結果は、DF22、DF24、DF28、DF30及びDF32である。すなわち、この実験においても、距離L2=1.2mのときに、最も厳しい評価結果が得られた。
第2電極20において、各導電部20aの幅W1及びピッチP1が、W1≧−647AR+511の関係を満たすようにする。より具体的には、W1≧−647(1−W1/P1)+511の関係を満たすようにする。これにより、第2電極20において、透過像のぼけを抑制することができる。
第2電極20において、好ましくは、各導電部20aの幅W1及びピッチP1が、W1≧−647AR+595の関係を満たすようにする。より具体的には、W1≧−647(1−W1/P1)+595の関係を満たすようにする。これにより、第2電極20において、透過像のぼけをより適切に抑制することができる。上記の各関係式においても、Ws、Ps、W1、及び、P1の単位は、それぞれマイクロメートルである。
本実施形態に係る有機電界発光素子110では、各導電部20aの幅W1及びピッチP1が、W1≧−647(1−W1/P1)+511の関係を満たす。これにより、透過像のぼけを抑制できる。従って、透過像の視認性を高めることができる。そして、幅W1及びピッチP1が、W1≧−647(1−W1/P1)+595の関係を満たす。これにより、透過像の視認性をより高めることができる。
図17は、第1の実施形態に係る有機電界発光素子の一部を表す模式的断面図である。 図17に表したように、有機発光層30は、第1層31を含む。有機発光層30は、必要に応じて、第2層32及び第3層33の少なくともいずれかをさらに含むことができる。第1層31は、可視光の波長を含む光を放出する。第2層32は、第1層31と第1電極10との間に設けられる。第3層33は、第1層31と第2電極20との間に設けられる。
第1層31には、例えば、Alq(トリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム)、F8BT(ポリ(9,9-ジオクチルフルオレン-co-ベンゾチアジアゾール)及びPPV(ポリパラフェニレンビニレン)などの材料を用いることができる。第1層31には、ホスト材料と、ホスト材料に添加されるドーパントと、の混合材料を用いることができる。ホスト材料としては、例えばCBP(4,4'−N,N'-ビスジカルバゾリルール−ビフェニル)、BCP(2,9−ジメチル-4,7 ジフェニル−1,10−フェナントロリン)、TPD(4,4'−ビス−N−3メチルフェニル−N−フェニルアミノビフェニル)、PVK(ポリビニルカルバゾール)及びPPT(ポリ(3−フェニルチオフェン))などを用いることができる。ドーパント材料としては、例えば、Flrpic(イリジウム(III)ビス(4,6-ジ-フルオロフェニル)-ピリジネート-N,C2'-ピコリネート)、Ir(ppy)(トリス (2−フェニルピリジン)イリジウム)及びFlr6(ビス(2,4−ジフルオロフェニルピリジナト)−テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート−イリジウム(III))などを用いることができる。
第2層32は、例えば、正孔注入層として機能する。正孔注入層は、例えば、PEDPOT:PPS(ポリ(3,4- エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸))、CuPc(銅フタロシアニン)、及び、MoO(三酸化モリブデン)などの少なくともいずれかを含む。第2層32は、例えば正孔輸送層として機能する。正孔輸送層は、例えば、α−NPD(4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル)、TAPC(1,1-ビス[4-[N,N-ジ(p-トリル)アミノ]フェニル]シクロヘキサン)、m−MTDATA(4,4',4''-トリス[フェニル(m-トリル)アミノ]トリフェニルアミン)、TPD(ビス(3-メチルフェニル)-N,N'-ジフェニルベンジジン)、及び、TCTA(4,4',4"−トリ(N− カルバゾリル)トリフェニルアミン)などの少なくともいずれかを含む。第2層32は、例えば、正孔注入層として機能する層と、正孔輸送層として機能する層と、の積層構造を有しても良い。第2層32は、正孔注入層として機能する層及び正孔輸送層として機能する層とは別の層を含んでも良い。
第3層33は、例えば電子注入層として機能する層を含むことができる。電子注入層は、例えば、フッ化リチウム、フッ化セシウム、及び、リチウムキノリン錯体などの少なくともいずれかを含む。第3層33は、例えば、電子輸送層として機能する層を含むことができる。電子輸送層は、例えば、Alq3(トリス(8キノリノラト)アルミニウム(III))、BAlq(ビス(2−メチル−8− キノリラト)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム)、Bphen(バソフェナントロリン)、及び、3TPYMB(トリス[3−(3−ピリジル)−メシチル]ボラン)などの少なくともいずれかを含む。第3層33は、例えば、電子注入層として機能する層と、電子輸送層として機能する層と、の積層構造を有しても良い。第3層33は、電子注入層として機能する層及び電子輸送層として機能する層とは別の層を含んでも良い。
例えば、有機発光層30から放出される光は、実質的に白色光である。すなわち、有機電界発光素子110から出射する光は白色光である。ここで、「白色光」は、実質的に白色であり、例えば、赤色系、黄色系、緑色系、青色系及び紫色系などの白色の光も含む。
第1電極10は、例えば、In、Sn、Zn及びTiよりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む酸化物を含む。第1電極10には、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)膜、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、インジウム亜鉛酸化物を含む導電性ガラスを用いて作製された膜(例えばNESAなど)、金、白金、銀、及び、銅などを用いることができる。第1電極10は、例えば、陽極として機能する。
第2電極20は、例えば、アルミニウム及び銀の少なくともいずれかを含む。例えば、第2電極20には、アルミニウム膜が用いられる。さらに、第2電極20として、銀とマグネシウムとの合金を用いても良い。この合金にカルシウムを添加しても良い。第2電極20は、例えば、陰極として機能する。
または、第1電極10を光反射性の電極と光透過性の電極(例えば透明電極)との積層構造とし、ストライプ状または、格子状にパターニングし、第2電極20を光透過性の電極(例えば透明電極)としてもよい。これにより、トップエミッション型の有機電界発光素子110とすることが可能となる。
なお、第1電極10を陰極とし、第2電極20を陽極とし、第2層32を電子注入層または電子輸送層として機能させ、第3層33を正孔注入層または正孔輸送層として機能させてもよい。
絶縁層40には、例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂などの絶縁性の樹脂材料や、シリコン酸化膜(例えばSiO)、シリコン窒化膜(例えばSiN)、または、シリコン酸窒化膜などの絶縁性の無機材料が用いられる。
第1電極10の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、10nm以上500nm以下である。より好ましくは、50nm以上200nm以下である。絶縁部40aの厚さは、例えば、1μm以上100μm以下である。有機発光層30の厚さは、例えば、50nm以上500nm以下である。第2電極20(導電部20a)の厚さは、例えば、10nm以上300nm以下である。導電部20aの幅W1(X軸方向の長さ)は、例えば、1μm以上500μm以下である。複数の導電部20aのピッチP1は、例えば、2μm以上2000μm以下である。より好ましくは、2μm以上200μm以下である。絶縁部40aの幅W2は、例えば、1μm以上1500μm以下である。絶縁部40aのピッチPt2は、例えば、2μm以上2000μm以下である。
上記の数値範囲において、各導電部20aの幅W1及びピッチP1が、W1≧−647(1−W1/P1)+511の関係を満たすようにする。これにより、透過像の高い視認性を得ることができる。
図18は、第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子の一部を表す模式的平面図である。
図18に表したように、第2電極20のパターン形状は、櫛刃状でもよい。すなわち、第2電極20は、Y軸方向に延びX軸方向に並ぶ複数の導電部20aと、各導電部20aをつなぐ部分と、を含んでもよい。このように、導電部20aは、第2電極20のうちの一部分でよい。
図19(a)及び図19(b)は、第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子を表す模式的断面図である。
図19(a)に表したように、有機電界発光素子111では、有機発光層30が、第1電極10の上面10aの上に設けられている。すなわち、絶縁層40が省略されている。有機発光層30は、例えば、上面10aに接する。このように、絶縁層40は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
図19(b)に表したように、有機電界発光素子112では、有機発光層30が、複数の発光部30eを含む。複数の発光部30eのそれぞれは、複数の導電部20aのそれぞれと第1電極10とのそれぞれの間に設けられる。このように、有機発光層30は、第1電極10の全体の上に設けられていなくてもよい。有機発光層30は、第1電極10と導電部20aとの間に設けられた部分を少なくとも含んでいればよい。すなわち、有機発光層30は、発光領域EAとなる部分を少なくとも含んでいればよい。
図20(a)〜図20(c)は、第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子を表す模式図である。
図20(a)は、有機電界発光素子113の模式的断面図であり、図20(b)は、有機電界発光素子113の模式的平面図である。図20(a)は、図20(b)のB1−B2線断面を模式的に表す。図20(c)は、有機電界発光素子113の一部をX−Y平面に投影したときの投影像PIM1を表す。
図20(a)〜図20(c)に表したように、有機電界発光素子113の積層体SBは、第1配線層51(配線層)を、さらに含む。
第1配線層51は、上面10aに対して平行な平面に沿って延在する。すなわち、第1配線層51は、X−Y平面内に延在する。この例において、第1配線層51は、第1電極10の上面10aの上に設けられる。第1配線層51は、例えば、第1電極10と絶縁層40との間に設けられる。第1配線層51は、第1電極10の上面10aと反対側の面に設けてもよい。
第1配線層51は、導電性の第1配線部51a(配線部)を含む。第1配線層51は、例えば、複数の第1配線部51aを含む。第1配線部51aは、第1電極10と絶縁部40aとの間に設けられる。複数の第1配線部51aのそれぞれは、例えば、Y軸方向に延び、X軸方向に並ぶ。複数の第1配線部51aのそれぞれの間隔は、例えば、一定である。また、複数の第1配線部51aのそれぞれの間隔は、例えば、複数の導電部20aのそれぞれの間隔よりも広い。この例において、第1配線層51のパターン形状は、ストライプ状である。第1配線層51のパターン形状は、櫛刃状などでもよい。第1配線層51は、第1電極10の一部を露出させる。換言すれば、第1配線層51は、第1電極10の一部を露出させる1つまたは複数の開口部を有する。
第1配線層51は、第1電極10と電気的に接続される。第1配線層51は、例えば、第1電極10に接する。第1配線層51の導電率は、第1電極10の導電率よりも高い。第1配線層51は、光反射性を有する。第1配線層51の光反射率は、第1電極10の光反射率よりも高い。第1配線層51は、例えば、金属配線である。第1配線層51は、例えば、第1電極10に流れる電流を伝達する補助電極として機能する。これにより、有機電界発光素子113では、例えば、第1電極10の上面10aと平行な方向に流れる電流量を、有機電界発光素子110に比べて均一にできる。例えば、面内の発光輝度をより均一にできる。
図20(c)に表したように、有機電界発光素子113において、第2電極20及び第1配線層51をX−Y平面に投影したときの投影像PIM1は、複数の導電部20aのそれぞれの複数の投影像20pと、複数の第1配線部51aのそれぞれの複数の投影像51pと、を含む。投影像PIM1は、すなわち、有機電界発光素子113の光反射性の部分の形状である。
第1配線部51aの幅をWh1(Wh)とする。導電部20aの投影像20pと第1配線部51aの投影像51pとのピッチをPp1(Pp)とする。幅Wh1は、例えば、第1配線部51aのX軸方向の長さである。ピッチPp1は、例えば、導電部20aのX軸方向の中心と第1配線部51aのX軸方向の中心との間のX軸方向の距離である。
有機電界発光素子113は、導電部20aの幅W1と投影像のピッチPp1とが、W1≧−647(1−W1/Pp1)+511の関係を満たす。さらに、第1配線部51aの幅Wh1と投影像のピッチPp1とが、Wh1≧−647(1−Wh1/Pp1)+511の関係を満たす。すなわち、有機電界発光素子113の光反射性の部分の形状において、有機電界発光素子110に関して説明した幅及びピッチの関係を満足するようにする。
これにより、有機電界発光素子113においても、透過像の高い視認性を得ることができる。但し、上記の関係式において、W1、Wh1及びPp1のそれぞれの単位は、マイクロメートルである。
第1配線層51は、例えば、Mo、Ta、Nb、Al、Ni及びTiよりなる群から選択された、少なくともいずれかの元素を含む。第1配線層51は、例えば、この群から選択された元素を含む混合膜とすることができる。第1配線層51は、それらの元素を含む積層膜とすることができる。第1配線層51には、例えばNb/Mo/Al/Mo/Nbの積層膜を用いることができる。第1配線層51は、例えば、第1電極10の電位降下を抑制する補助電極として機能する。第1配線層51は、電流供給のためのリード電極として機能することができる。
図21(a)及び図21(b)は、第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子を表す模式図である。
図21(a)は、有機電界発光素子121の模式的断面図であり、図21(b)は、有機電界発光素子121の模式的平面図である。図21(a)は、図21(b)のC1−C2線断面である。
図21(a)及び図21(b)に表したように、有機電界発光素子121では、第2電極20が、有機発光層30の上に設けられる。例えば、第2電極20が、有機発光層30の全体の上に設けられる。この例において、第2電極20は、光透過性を有する。第2電極20は、例えば、透明である。
これにより、有機電界発光素子121では、第1電極10と第2電極20とを用いて有機発光層30に電流を流すと、発光領域EAから発せられた発光ELが、第1電極10を介して有機電界発光素子121の外部に出射するとともに、第2電極20を介して有機電界発光素子121の外部に出射する。すなわち、有機電界発光素子121は、両面発光型である。
有機電界発光素子121において、積層体SBは、第1配線層51を含む。第1配線層51は、第1電極10と絶縁層40との間に設けられる。第1配線層51は、複数の第1配線部51aを含む。この例では、複数の第1配線部51aのそれぞれが、例えば、X−Y平面に投影したときに、複数の絶縁部40aのそれぞれと重なる位置に配置される。複数の第1配線部51aのそれぞれは、必ずしも複数の絶縁部40aのそれぞれと重ならなくてもよい。
第1配線部51aの幅をWh1とする。複数の第1配線部51aのそれぞれのピッチをPh1とする。ピッチPh1は、例えば、隣り合う2つの第1配線部51aのX軸方向の中心間のX軸方向の距離である。
有機電界発光素子121は、幅Wh1とピッチPh1とが、Wh1≧−647(1−Wh1/Ph1)+511の関係を満たす。
これにより、有機電界発光素子121においても、透過像の高い視認性を得ることができる。但し、上記の関係式において、Wh1及びPh1のそれぞれの単位は、マイクロメートルである。
光透過性の第2電極20には、例えば、第1電極10に関して説明した材料を用いることができる。また、光透過性の第2電極20は、例えば、MgAgなどの金属材料でもよい。金属材料において、第2電極20の厚さを5nm以上20nm以下とする。これにより、適切な光透過性を得ることができる。
図22(a)及び図22(b)は、第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子を表す模式図である。
図22(a)は、有機電界発光素子122の模式的断面図であり、図22(b)は、有機電界発光素子122の模式的平面図である。図22(a)は、図22(b)のD1−D2線断面である。
図22(a)及び図22(b)に表したように、有機電界発光素子122では、積層体SBが、第2配線層52(配線層)をさらに含む。第2配線層52は、第2電極20の上に設けられる。第2配線層52は、複数の第2配線部52a(配線部)を有する。複数の第2配線部52aのそれぞれは、Y軸方向に延び、X軸方向に並ぶ。第2配線層52は、第2電極20の一部を露呈させる。第2配線層52は、例えば、複数の第2配線部52aのそれぞれの間において、第2電極20の一部を露呈させる。この例において、第2配線層52は、ストライプ状のパターン形状である。第2配線層52のパターン形状は、例えば、櫛刃状などでもよい。
この例において、複数の第2配線部52aのそれぞれは、X−Y平面に投影したときに、複数の絶縁部40aのそれぞれと重ならない位置に配置される。複数の第2配線部52aのそれぞれは、例えば、X−Y平面に投影したときに、複数の絶縁部40aのそれぞれと重なる位置に配置してもよい。
第2配線層52は、第2電極20と電気的に接続される。第2配線層52は、例えば、第2電極20に接する。第2配線層52の導電率は、第2電極20の導電率よりも高い。第2配線層52は、光反射性を有する。第2配線層52の光反射率は、第2電極20の光反射率よりも高い。第2配線層52は、例えば、金属配線である。第2配線層52は、例えば、第2電極20に流れる電流を伝達する補助電極として機能する。これにより、有機電界発光素子122では、例えば、第2電極20のX−Y平面方向に流れる電流量をより均一にできる。例えば、面内の発光輝度をより均一にできる。
第2配線部52aの幅をWh2(Wh)とする。複数の第2配線部52aのそれぞれのピッチをPh2(Ph)とする。幅Wh2は、例えば、第2配線部52aのX軸方向の長さである。ピッチPh2は、例えば、隣り合う2つの第1配線部51aのX軸方向の中心間のX軸方向の距離である。
有機電界発光素子122は、幅Wh2とピッチPh2とが、Wh2≧−647(1−Wh2/Ph2)+511の関係を満たす。
これにより、有機電界発光素子122においても、透過像の高い視認性を得ることができる。但し、上記の関係式において、Wh2及びPh2のそれぞれの単位は、マイクロメートルである。
第2配線層52は、例えば、第2電極20と有機発光層30との間に設けてもよい。第2配線層52には、例えば、第1配線層51に関して説明した材料を用いることができる。
図23(a)及び図23(b)は、第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子を表す模式図である。
図23(a)は、有機電界発光素子123の模式的断面図である。図23(b)は、有機電界発光素子123の一部をX−Y平面に投影したときの投影像PIM2を表す。
図23(a)及び図23(b)に表したように、有機電界発光素子123の積層体SBは、第1配線層51及び第2配線層52を、含む。
各第1配線部51aは、例えば、X−Y平面に投影したときに、各絶縁部40aと重なる位置に配置される。各第1配線部51aは、例えば、各絶縁部40aと重ならない位置に配置してもよい。各第1配線部51aの第1電極10上の位置は、任意である。各第2配線部52aは、例えば、X−Y平面に投影したときに、各絶縁部40aと重ならない位置に配置される。各第2配線部52aは、例えば、X−Y平面に投影したときに、各絶縁部40aと重なる位置に配置してもよい。各第2配線部52aの第2電極20上の位置は、任意である。
図23(b)に表したように、有機電界発光素子123において、第1配線層51及び第2配線層52をX−Y平面に投影したときの投影像PIM2は、複数の第1配線部51aのそれぞれの複数の投影像51pと、複数の第2配線部52aのそれぞれの複数の投影像52pと、を含む。
第1配線部51aの幅をWh1(Wh)とする。第1配線部51aの投影像51pと第2配線部52aの投影像52pとのピッチをPp2(Pp)とする。ピッチPp2は、例えば、第1配線部51aのX軸方向の中心と第2配線部52aのX軸方向の中心との間のX軸方向の距離である。
有機電界発光素子123は、第1配線部51aの幅Wh1と投影像のピッチPp2とが、Wh1≧−647(1−Wh1/Pp2)+511の関係を満たす。さらに、第2配線部52aの幅Wh2と投影像のピッチPp2とが、Wh2≧−647(1−Wh2/Pp2)+511の関係を満たす。
これにより、有機電界発光素子123においても、透過像の高い視認性を得ることができる。但し、上記の関係式において、Wh1、Wh2及びPp1のそれぞれの単位は、マイクロメートルである。
図24は、第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子を表す模式的断面図である。
図24に表したように、有機電界発光素子130は、第1基板81と、第2基板82と、シール部85と、をさらに含む。
第1電極10は、第1基板81の上に設けられる。積層体SBは、第1基板81の上に設けられる。第1基板81は、光透過性を有する。第2基板82は、積層体SBの上に設けられ、第1基板81と対向する。第2基板82は、光透過性を有する。この例において、積層体SBの構成は、有機電界発光素子110に関して説明した構成と同じである。積層体SBの構成は、有機電界発光素子111〜113、121〜123に関して説明した構成でもよい。
シール部85は、例えば、第1基板81及び第2基板82の外縁に沿って環状に設けられ、第1基板81と第2基板82とを接着する。これにより、第1基板81と第2基板82とによって、積層体SBが封止される。有機電界発光素子130では、第1基板81と第2基板82との間のZ軸方向の距離をシール部85によって規定している。この構成は、例えば、シール部85に粒状のスペーサ(図示は省略)を含めることによって実現できる。例えば、シール部85に粒状の複数のスペーサを分散させ、複数のスペーサの径によって、第1基板81と第2基板82との間の距離が規定される。
有機電界発光素子130において、シール部85の厚さ(Z軸方向に沿う長さ)は、例えば、1μm以上100μm以下である。より好ましくは、例えば、5μm以上20μm以下である。これにより、例えば、水分の浸入などを抑えることができる。シール部85の厚さは、例えば、シール部85に分散させるスペーサの径と実質的に同じである。
有機電界発光素子において、第2基板82に積層体SBを収容する凹部を設ける構成がある。この構成では、第2基板82の形成が難しくなる。例えば、有機電界発光素子のコストアップを招く。
これに対して、本実施形態に係る有機電界発光素子130では、第1基板81と第2基板82との間の距離をシール部85で規定している。これにより、例えば、平板状の第2基板82を用いることができる。例えば、第2基板82の形成を容易にできる。有機電界発光素子130のコストアップを抑えることができる。
積層体SBと第2基板82との間の空間には、例えば、不活性ガスなどが充填される。積層体SBと第2基板82との間に、乾燥剤などを設けてもよい。積層体SBと第2基板82との間の空間は、例えば、空気層でもよい。積層体SBと第2基板82との間の空間には、例えば、液状のアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂などを充填してもよい。アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂には乾燥材として酸化カルシウムや酸化バリウムを添加させてもよい。
第1基板81及び第2基板82には、例えば、ガラス基板、または、樹脂基板などが用いられる。シール部85には、例えば、紫外線硬化樹脂などが用いられる。
(第2の実施形態)
図25は、第2の実施形態に係る照明装置を表す模式図である。
図25に表したように、本実施形態に係る照明装置210は、第1の実施形態に係る有機電界発光素子(例えば有機電界発光素子130)と、電源部201と、を備える。
電源部201は、第1電極10と第2電極20とに電気的に接続される。電源部201は、第1電極10及び第2電極20を介して有機発光層30に電流を供給する。
本実施形態に係る照明装置210によれば、透過像の視認性の高い照明装置を提供できる。
(第3の実施形態)
図26(a)及び図26(b)は、第3の実施形態に係る照明システムを表す模式図である。
図26(a)に表したように、本実施形態に係る照明システム311は、第1の実施形態に係る複数の有機電界発光素子(例えば有機電界発光素子130)と、制御部301と、を備える。
制御部301は、複数の有機電界発光素子130のそれぞれと電気的に接続され、複数の有機電界発光素子130のそれぞれの点灯・消灯を制御する。制御部301は、例えば、複数の有機電界発光素子130のそれぞれの第1電極10及び第2電極20と電気的に接続される。これにより、制御部301は、複数の有機電界発光素子130のそれぞれの点灯・消灯を個別に制御する。
図26(b)に表したように、照明システム312では、複数の有機電界発光素子130のそれぞれが、直列に接続されている。制御部301は、複数の有機電界発光素子130のうちの1つの有機電界発光素子130の第1電極10と電気的に接続される。そして、制御部301は、複数の有機電界発光素子130のうちの別の1つの有機電界発光素子130の第2電極20と電気的に接続される。これにより、制御部301は、複数の有機電界発光素子130のそれぞれの点灯・消灯をまとめて制御する。このように、制御部301は、複数の有機電界発光素子130のそれぞれの点灯・消灯を個別に制御してもよいし、まとめて制御してもよい。
本実施形態に係る照明システム311、312によれば、透過像の視認性の高い照明システムを提供できる。
実施形態によれば、透過像の視認性の高い有機電界発光素子、照明装置及び照明システムが提供される。
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、有機電界発光素子に含まれる、第1電極、第2電極、有機発光層、第1配線層、第2配線層、並びに、照明装置に含まれる電源部、照明システムに含まれる制御部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した有機電界発光素子、照明装置及び照明システムを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての有機電界発光素子、照明装置及び照明システムも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…第1電極、 10a…上面、 20…第2電極、 20a…導電部、 20b…開口部、 30…有機発光層、 40…絶縁層、 40a…絶縁部、 40b…開口部、 51…第1配線層、 51a…第1配線部、 52…第2配線層、 52a…第2配線部、 81…第1基板、 82…第2基板、 85…シール部、 110〜113、121〜123、130…有機電界発光素子、 201…電源部、 210…照明装置、 301…制御部、 311、312…照明システム、 SB…積層体

Claims (4)

  1. 上面を有する光透過性の第1電極と、
    前記第1電極の上に設けられた有機発光層と、
    前記有機発光層の上に設けられた光透過性の第2電極と、
    前記第1電極と前記有機発光層との間に設けられ、前記上面に対して平行な第1方向に延び前記上面に対して平行で前記第1方向に対して交差する第2方向に並ぶ複数の第1配線部を含む光反射性の第1配線層と、
    を備え、
    前記複数の第1配線部のそれぞれの前記第2方向の長さをWh1(マイクロメートル)とし、
    前記複数の第1配線部のそれぞれのピッチをPh1(マイクロメートル)とするとき、
    前記Wh1と前記Ph1とが、Wh1≧−647(1−Wh1/Ph1)+511の関係を満たすとともに、Wh1≦−882(1−Wh1/Ph1)+847の関係を満たし、
    (1−Wh1/Ph1)は、0.55以上0.85以下であり、
    前記Wh1は、75μm以上300μm以下である有機電界発光素子。
  2. 前記第2電極の上に設けられ、前記第1方向に延び前記第2方向に並ぶ複数の第2配線部を含む光反射性の第2配線層を、さらに備え、
    前記複数の第2配線部のそれぞれの前記第2方向の長さをWh2(マイクロメートル)とし、
    前記上面に対して平行な平面に投影したときの前記第1配線部の投影像と前記第2配線部の投影像とのピッチをPp(マイクロメートル)とするとき、
    前記Wh1と前記Ppとが、Wh1≧−647(1−Wh1/Pp)+511の関係を満たし、
    前記Wh2と前記Ppとが、Wh2≧−647(1−Wh2/Pp)+511の関係を満たす請求項1記載の有機電界発光素子。
  3. 請求項1または2に記載の有機電界発光素子と、
    前記第1電極と前記第2電極とに電気的に接続され、前記第1電極及び前記第2電極を介して前記有機発光層に電流を供給する電源部と、
    を備えた照明装置。
  4. 請求項1または2に記載の複数の有機電界発光素子と、
    前記複数の有機電界発光素子のそれぞれと電気的に接続され、前記複数の有機電界発光素子のそれぞれの点灯・消灯を制御する制御部と、
    を備えた照明システム。
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