JP2014151989A - コンベアベルト - Google Patents

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彰二 中村
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Abstract

【課題】一方向への湾曲を受けても歪みが発生し難いコンベアベルトを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、複数の布層を有する多層芯体と、この多層芯体の表面側及び裏面側に積層される一対のカバーゴム層とを備えるコンベアベルトであって、上記多層芯体が、表面側及び裏面側の一方のみに長手方向に沿って形成される1又は複数の変形吸収スリットを有し、この変形吸収スリットの平均幅が3mm以上15mm以下であることを特徴とする。上記変形吸収スリットが、一方側の布層を貫通するよう形成されているとよい。上記複数の変形吸収スリットが、幅方向の中心を基準として対称に配設されているとよい。上記変形吸収スリットが、搬送面側と反対側に形成されているとよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンベアベルトに関する。
物品の搬送に用いられるコンベアには、一般に図3に示すように、複数の帆布製の布層102を積層した多層芯体103の両面にカバーゴム層104を積層して形成された平ベルト状のコンベアベルト101が用いられている(特開平09−048510号公報参照)。
このコンベアベルトは、搬送中の荷こぼれを防止するために、ガイド等によって搬送中(キャリア時)には搬送品を載せる面を内側に図3(b)に示すように湾曲させた状態で走行し、搬送後(リターン時)には図3(a)に示すような平坦状態で走行する。
この搬送に際しては、多層芯体103を構成する複数の布層102のうち、内面側(物品搬送側)の布層102が圧縮される一方、外面側(物品搬送側と反対側)の布層102が伸張される。そして、搬送後において、内面側の布層102及び外面側の布層102が平坦に形状復帰することでコンベアベルトが平坦状態となる。しかし、上述のような布層102の圧縮及び伸張と形状復帰とが繰り返しなされると、内面側の布層102が圧縮された状態から完全に形状復帰せず、また外面側の布層102が伸張された状態から完全に形状復帰せずに、多層芯体103に恒久的な歪みが生じるおそれがある。このような多層芯体103の恒久的な歪みにより、リターン時においてもコンベアベルトが反った状態となり、コンベアベルトとコンベアベルトの支持材との接触面積が小さくなる。そのため、トラフローラで支持されるコンベアベルトにおいては、ローラとの接触面積の低減によって走行方向の制御が不安定となって蛇行や偏り走行が発生する。また、空気浮上式コンベアベルトでは、ベルト全面で浮上することが妨げられ、ベルトの一部が支持材に接触し、走行抵抗による動力の増加、接触部の摩耗によるベルトの寿命低下等の不都合が発生する。さらに、コンベアベルトの反りが大きくなると、ベルトの湾曲が必要以上に大きくなるため搬送品積み込み時の荷こぼれが発生する。
特開平09−048510号公報
本発明の目的は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、一方向への湾曲を受けても歪みが発生し難いコンベアベルトを提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、
複数の布層を有する多層芯体と、この多層芯体の表面側及び裏面側に積層される一対のカバーゴム層とを備えるコンベアベルトであって、
上記多層芯体が、表面側及び裏面側の一方のみに長手方向に沿って形成される1又は複数の変形吸収スリットを有し、
この変形吸収スリットの平均幅が3mm以上15mm以下であることを特徴とする。
当該コンベアベルトは、多層芯体に上記範囲の幅を有しかつ長手方向に沿った変形吸収スリットを設けているため、この変形吸収スリットに充填される充填材(ゴム又は空気)によって湾曲時の多層芯体の幅方向の圧縮又は伸張が吸収され、湾曲による布層の歪みを低減することができる。その結果、当該コンベアベルトは、湾曲を繰り返し受けることによるベルトの歪み(反り)を抑制することができる。さらに、多層芯体の一方の面側のみに変形吸収スリットを設けることで、多層芯体の形状回復性を維持したまま当該コンベアベルトに歪み抑制効果を付与することができるため、当該コンベアベルトは、より効果的に歪みを抑制することができる。なお、「表面側及び裏面側の一方」とは、多層芯体の厚さ方向の中心を通る面と多層芯体の表面又は裏面とに挟まれる領域を意味する。
上記変形吸収スリットが、一方側の布層を貫通するよう形成されているとよい。このように変形吸収スリットを一方側の布層を貫通するよう形成することで、より確実に布層の変形を吸収することができる。また、布層を形成する布を離間して配置することで容易かつ確実に変形吸収スリットを形成することができる。
上記複数の変形吸収スリットが、幅方向の中心を基準として対称に配設されているとよい。このように多層芯体に複数の変形吸収スリットを線対称に設けることで、より効果的かつ幅方向に沿って均等に多層芯体の圧縮又は伸張を吸収することができるため、当該コンベアベルトの歪みをさらに抑制することができる。
上記変形吸収スリットが、搬送面側と反対側に形成されているとよい。布層を構成する布は圧縮を受けた時よりも伸張を受けた時の方が変形が大きくなり易いため、このように変形吸収スリットを搬送面側と反対側に設けることで、湾曲による幅方向の伸張を吸収してより効果的に多層芯体の歪みを抑制することができる。
上記変形吸収スリットが、幅方向の中央部に存在しないとよい。変形吸収スリットが幅方向中央部にあると、湾曲による応力がこの中央部の変形吸収スリットに集中して多層芯体に恒久的な変形が生じるおそれがあるが、中央部以外に変形吸収スリットを設けることでこのような変形を抑制することができる。
上記多層芯体が、2本の上記変形吸収スリットを有するとよい。このように変形吸収スリットの数を2本とすることで、多層芯体の変形吸収スリットで隔てられない連続部分が広くなるため、多層芯体による補強効果と上述の変形抑制効果とをバランスよく発現させることができる。さらに発生した変形は変形吸収スリットで吸収できるため、当該コンベアベルトの歪みをより効果的に抑制することができる。
上記複数の変形吸収スリットの平均間隔としては、多層芯体の幅の25%以上50%以下が好ましい。このように変形吸収スリットの間隔を上記範囲内とすることで、多層芯体の強度を維持しつつ、多層芯体の歪みをより効果的に抑制することができる。
従って、上記変形吸収スリットが形成された側の面が内面となるように無端環状に接合された当該コンベアベルトは、高い歪み抑制効果を有する。
ここで、「変形吸収用スリット」とは、布層における細長い隙間を意味し、隙間に接着ゴム等が充填されているものも含む概念である。
以上説明したように、本発明のコンベアベルトは、一方向への湾曲を受けた際の歪みを効果的に抑制できる。従って、当該コンベアベルトは、コンベアベルトとコンベアベルトの支持材との接触面積を維持でき、その結果、走行不良、走行抵抗の増加、ベルトの摩耗等を防止することができる。
本発明の一実施形態に係るコンベアベルトを示す模式的断面図である。 図1の実施形態とは異なる実施形態に係るコンベアベルトを示す模式的断面図である。 従来のコンベアベルトを示す模式的断面図である。
以下、本発明に係るコンベアベルトの各実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
[第一実施形態]
図1(a)に示すコンベアベルト1は、3層の布層2a,2b,2cが積層されて構成される多層芯体3と、この多層芯体3の両面に積層された一対のカバーゴム層4とを備える。当該コンベアベルト1は、使用時に表面側(図中上側)が内側(搬送面)となり幅方向端部同士が近接するように湾曲される。
<多層芯体>
多層芯体3を構成する布層2a,2b,2cは、それぞれ1又は複数枚の帆布で形成することができる。この帆布の材質は特に限定されないが、例えばナイロン繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、レーヨン繊維、アラミド繊維等を織ったものを用いることができる。
布層2a,2b,2cの平均厚さとしては、0.5mm以上3.0mm以下が好ましい。また、多層芯体3の平均厚さとしては、1mm以上10mm以下が好ましい。多層芯体3の平均厚さが上記下限未満の場合、当該コンベアベルト1の強度が不足するおそれがある。逆に、多層芯体3の平均厚さが上記上限を超える場合、当該コンベアベルト1が不必要に厚くなり、使用時に湾曲させ難くなるおそれや、変形からの形状復帰後の永久歪みを抑えにくくなるおそれがある。
布層2a,2b,2cは、接着ゴムで被覆することが好ましい。この接着ゴムに用いるゴム組成物としては、後述するカバーゴム層4に用いるゴム組成物と同様のものを用いることができる。
多層芯体3を形成する3層の布層2a,2b,2cのうち、最も裏面側に配設される布層2cには、長手方向に沿って変形吸収スリット5が幅方向の2か所に形成されている。これらの変形吸収スリット5は、布層2cの幅方向の中心に対し対称に形成されている。また、これらの変形吸収スリット5は、最裏面側の布層2cを貫通するように形成されている。なお、最裏面側の布層2c以外の2層の布層2a,2bには変形吸収スリット5は設けられていない。このように、当該コンベアベルト1には多層芯体3の裏面側のみに変形吸収スリット5が設けられている。
上記変形吸収スリット5の幅の下限としては、3mmであり、4mmが好ましく、5mmがより好ましい。一方、変形吸収スリット5の幅の上限としては、15mmであり、12mmが好ましく、10mmがより好ましい。変形吸収スリット5の幅が上記下限未満の場合、湾曲時の多層芯体3の幅方向の圧縮を吸収することができないおそれがある。逆に、変形吸収スリット5の幅が上記上限を超える場合、当該コンベアベルト1の強度が低下するおそれがある。
上記2つの変形吸収スリット5の間隔の下限としては、多層芯体3の幅の25%が好ましく、30%がより好ましい。一方、2つの変形吸収スリット5の間隔の上限としては、多層芯体3の幅の50%が好ましく、40%がより好ましい。2つの変形吸収スリット5の間隔が上記下限未満の場合、変形吸収スリット5を設けた最裏面側の布層2cのうち、変形吸収スリット5の幅方向外方にある部分の幅が大きくなるため、この部分の圧縮を十分吸収できないおそれがある。逆に、2つの変形吸収スリット5の間隔が上記上限を超える場合、最裏面側の布層2cのうち、変形吸収スリット5に挟まれる部分の幅が大きくなるため、この部分の圧縮を十分吸収できないおそれがある。
変形吸収スリット5を最裏面側の布層2cに設ける方法としては、例えば2つの変形吸収スリット5で分断される布層2cの3つの分断領域を形成する帯状の帆布をそれぞれ用意し、これらの帆布を変形吸収スリット5の幅に等しい間隔を空けて幅方向に並置する方法を挙げることができる。なお、各分断領域を形成する帆布は、一枚の帆布を裁断して形成してもよいし、複数の帆布を用いて形成してもよい。また、最裏面側以外(最表面側及び中間)の布層2a,2bについても複数の帆布を繋いで形成してもよいし、一枚の帆布から形成してもよい。複数の帆布を用いて分断領域又は布層を形成する場合、強度を保つために帆布は幅3mm未満の間隔で近接させて並置される。
(カバーゴム層)
カバーゴム層4は、上記多層芯体3の表面及び裏面に積層される。カバーゴム層4を形成するゴム組成物のベースゴムとしては、例えば天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM、EPDM)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム(NBR、NIR等)等が挙げられる。
上記カバーゴム層4を形成するゴム組成物には、硫黄系、有機過酸化物系、金属酸化物系、フェノール樹脂、キノンジオキシム等の加硫剤が添加される。硫黄系の加硫剤としては、例えば粉末硫黄、沈降性硫黄、高分散性硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄、ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等が挙げられる。有機過酸化物系の加硫剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ(パーオキシルベンゾエート)等が挙げられる。金属酸化物系の加硫剤としては、例えば亜鉛華、酸化マグネシウム等が挙げられる。
カバーゴム層4を形成するゴム組成物には、加硫剤の他に、例えば加硫促進剤、加硫助剤、加硫遅延剤等を含有させることができる。
上記加硫促進剤としては、例えばアルデヒド・アンモニア系、グアニジン系、チオウレア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系、ジチオカルバミン酸塩系等の加硫促進剤が挙げられる。
上記加硫助剤としては、例えば酸化亜鉛、ステアリン酸やオレイン酸及びこれらの亜鉛塩等が挙げられる。
カバーゴム層4を形成するゴム組成物には、その他、カーボンブラック、シリカなどの補強剤、炭酸カルシウム、タルクなどの充填剤(フィラー)、マイクロクリスタリンワックス等のワックス類、アロマオイル等のオイル類、ポリマー類、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変成付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、溶剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、防錆剤、接着付与剤、帯電防止剤、加工助剤等の配合剤を一種又は複数種配合することができる。
上記カーボンブラックとしては、例えばFEF系、ISAF系、HAF系等のゴム用カーボンブラックが挙げられる。
中間カバーゴム層4を形成するゴム組成物には、加硫剤の他に、例えば加硫促進剤、アミン系やフェノール系の老化防止剤、カーボンブラック等の補強剤、炭酸カルシウム、タルク、珪藻土等の充填剤、シリカ等の増強剤、ジアルキルアジペート、ジアルキルセバケート等の可塑剤、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイル等の加工助剤、安定剤、着色剤などの配合剤を一種又は複数種配合することができる。
カバーゴム層4の平均厚さとしては特に限定されず、例えば1mm以上10mm以下とすることができる。なお、カバーゴム層4は多層構造としてもよい。
<コンベアベルト>
当該コンベアベルト1の幅としては、例えば100mm以上3000mm以下とすることができる。また、当該コンベアベルト1の厚さとしては、例えば5mm以上20mm以下とすることができる。
<コンベアベルトの製造方法>
当該コンベアベルト1の製造方法は、以下の工程を有する製造方法により得ることができる。
(1)布層2a,2b,2cの積層体から構成される多層芯体3を形成する工程
(2)多層芯体3の表面及び裏面にカバーゴム層4を積層する工程
<(1)多層芯体形成工程>
多層芯体形成工程において、まず中間の布層2bの裏面に最も裏面側にある布層2cを複数の帯状の帆布を用いて形成する。具体的には、帆布の両面に未加硫の接着ゴムを塗布又は貼り付け後に裁断し、最も幅広の帆布を基準として略平行に中間の布層2bの裏面に裁断した帆布を並置し、最裏面側の布層2cを形成する。このとき変形吸収スリット5を形成する個所における帆布の間隔としては、3mm以上15mm以下であり、4mm以上12mm以下がより好ましく、5mm以上10mm以下がさらに好ましい。なお、変形吸収スリット5を形成しない領域を複数の帆布から形成する場合、3mm未満の間隔で各帆布を略平行に並置する。その後、中間の布層2bの表面に最表面側の布層2aを積層することで多層芯体3を形成する。なお、中間の布層2b及び最表面側の布層2aは、1枚の帆布で構成されていてもよいし、複数の帆布から構成されていてもよい。中間の布層2b又は最表面側の布層2aを複数の帆布で形成する場合、上述のように各帆布を3mm未満の間隔で並置して布層を形成する。また、中間の布層2bの表面に最表面側の布層2aを積層してから、中間の布層2bの裏面に最も裏面側にある布層2cを形成してもよい。
<(2)カバーゴム層形成工程>
カバーゴム層形成工程において、上記多層芯体3の表面及び裏面に、カバーゴム層4を形成するゴム組成物を塗工積層し、このゴム組成物を加硫することによってカバーゴム層4を形成する。このとき上述の各布層に貼り付けた接着ゴムも加硫される。これにより当該コンベアベルト1が得られる。なお、カバーゴム層4を多層構造とする場合、異なるゴム組成物を重ねて塗工することで多層状のカバーゴム層4を形成することができる。
<利点>
当該コンベアベルト1は、多層芯体3の最裏面側の布層2cに長手方向に沿って形成される変形吸収スリット5を設けているため、この変形吸収スリット5に充填される充填材(ゴム)によって湾曲時の多層芯体3の幅方向の圧縮又は伸張を吸収することができる。その結果、当該コンベアベルト1は、湾曲を繰り返し受けることによるベルトの歪み(反り)を抑制することができる。さらに、3層の布層2a,2b,2cのうち、最裏面側(湾曲時の外面側)の布層2cのみに変形吸収スリット5を設けていることで、つまり、上記多層芯体3の裏面側のみに変形吸収スリット5を設けていることで、多層芯体3の形状回復性を維持したまま当該コンベアベルト1に多層芯体3の伸張吸収効果を付与することができるため、当該コンベアベルト1は、より効果的に湾曲による歪みを抑制することができる。
さらに、当該コンベアベルト1は、最裏面側の布層2cが幅方向の中心に対し対称に形成された2つの変形吸収スリット5を有しているため、より効果的かつ等方的に多層芯体3の幅方向の圧縮又は伸張を吸収することができる。
[第二実施形態]
図2(a)に示すコンベアベルト11は、3層の布層12a,12b,12cが積層されて形成される多層芯体13と、この多層芯体13の両面に積層された一対のカバーゴム層4とを備える。当該コンベアベルト11は、使用時に表面側(図中上側)が内側(搬送面)となり幅方向端部同士が近接するように湾曲される。上記カバーゴム層4は、上記第一実施形態のコンベアベルト1と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
上記多層芯体13を構成する布層12a,12b,12cは、それぞれ1又は複数枚の帆布を用いて形成されている。この帆布の材質は上記第一実施形態のコンベアベルト1の布層2a,2b,2cと同様とすることができる。また、布層12a,12b,12c及び多層芯体13の平均厚さも上記第一実施形態のコンベアベルト1の布層2a,2b,2c及び多層芯体3と同様とすることができる。
多層芯体13を形成する3層の布層12a,12b,12cのうち、最も裏面側に配設される布層12cには、長手方向に沿って変形吸収スリット15が幅方向の3か所に形成されている。この複数の変形吸収スリット15は、布層12cの幅方向の略中心と、この中心の変形吸収スリット15に対し対称となる2か所の位置とに形成され、略等間隔に配設されている。また、これらの変形吸収スリット15は、最裏面側の布層12cを貫通するように形成されている。なお、最裏面側の布層12c以外の2層の布層12a,12bには変形吸収スリット15は設けられていない。このように、当該コンベアベルト11には多層芯体13の裏面側のみに変形吸収スリット15が設けられている。
上記変形吸収スリット15の幅の下限としては、3mmであり、4mmが好ましく、5mmがより好ましい。一方、変形吸収スリット15の幅の上限としては、15mmであり、12mmが好ましく、10mmがより好ましい。変形吸収スリット15の幅が上記下限未満の場合、湾曲時の多層芯体13の幅方向の圧縮を吸収することができないおそれがある。逆に、変形吸収スリット15の幅が上記上限を超える場合、当該コンベアベルト11の強度が低下するおそれがある。
上記3つの変形吸収スリット15の平均間隔の下限としては、多層芯体13の幅の25%が好ましく、30%がより好ましい。一方、3つの変形吸収スリット15の平均間隔の上限としては、多層芯体13の幅の50%が好ましく、40%がより好ましい。3つの変形吸収スリット15の平均間隔が上記下限未満の場合、変形吸収スリット15を設けた最裏面側の布層12cのうち、変形吸収スリット15の幅方向外方にある部分の幅が大きくなるため、この部分の圧縮を十分吸収できないおそれがある。逆に、3つの変形吸収スリット15の平均間隔が上記上限を超える場合、最裏面側の布層12cのうち、変形吸収スリット15に挟まれる部分の幅が大きくなるため、この部分の圧縮を十分吸収できないおそれがある。
当該コンベアベルト11は、上記第一実施形態のコンベアベルト1と同様に、長手方向に沿って形成される変形吸収スリット15に充填される充填材(ゴム)によって湾曲時の多層芯体13の幅方向の圧縮又は伸張が吸収され、湾曲による多層芯体13の変形を効果的に低減することができる。また、当該コンベアベルト11は、変形吸収スリット15が略等間隔で配設されているため、幅方向に沿ってより均等に多層芯体13の圧縮又は伸張を吸収することができる。
[その他の実施形態]
本発明のコンベアベルトは、上述の実施形態に限定されるものではなく、以下のような実施形態とすることもできる。
上記実施形態では、多層芯体を形成する布層のうち、最も裏面側に配設される布層に変形吸収スリットを設けたが、本発明はこのような実施形態に限定されない。すなわち、図1(b)及び図2(b)に示すように、多層芯体を形成する布層のうち、最も表面側(搬送面側)の布層に変形吸収スリットを設けてもよい。この場合、当該コンベアベルトの湾曲によって変形吸収スリットの幅が小さくなる方向に変形が生じるため、当該コンベアベルトの強度を高めることができる。
また、布層には帆布以外の織布を用いてもよい。
さらに、上記実施形態では、芯材層を構成する布層の層数を3としたが、布層の層数としては2以上であれば特に限定されず、2層や4層以上であってもよい。この層数は要求される強度等に応じて適宜決定することができる。
また、変形吸収スリットは、多層芯体を形成する布層を貫通することなく布層の厚さ方向に部分的に(溝状に)設けられていてもよい。逆に、多層芯体を構成する布層が4層以上の場合、一方の面側に配設される2層以上の層に連続して変形吸収スリットを設けてもよい。
[無端コンベアベルト]
当該コンベアベルトは上述のように高い歪み抑制効果を有するため、上記変形吸収スリットが形成された側の面を内面となるように当該コンベアベルトを無端環状に接合することで、搬送面(環の外面)が内側となる湾曲を受けても歪みが発生し難い無端コンベアベルトを得ることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
帆布(経糸:ポリエステル、緯糸:ナイロン)及び接着ゴム(ゴム組成物:天然ゴム及びスチレンブタジエンゴム)を用いて、布層(幅:620mm、長さ:100mm、平均厚さ:1.3mm)3層からなり、最裏面側の布層に幅5mmの変形吸収スリットを布層の幅を3分割する位置(幅方向端からそれぞれ約200mmの位置)2か所に設けた多層芯体を試験体として作成した。次に、この試験体を直径230mmの円筒に表面(変形吸収スリットを設けた側と反対側の面)が内側になるように円筒の内周面に沿って丸めて挿入し、70℃の温度下で1週間静置した。その後、円筒から取り出した試験体を表面が上になる向きに台の上に静置し、上から試験体全体が平坦状態となるように10分間押圧した後、押圧を解除して試験体の幅方向両端の台表面からの浮き量(mm)を計測した。なお、この浮き量は左右両端の浮き量の平均値である。
[実施例2]
実施例1と同様の試験体を用いて、裏面(変形吸収スリットを設けた側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
[実施例3]
実施例1と同様の布層を3層積層し、最裏面側の布層に幅5mmの変形吸収スリットを、布層の幅方向中央1か所、及びこの幅方向中央と両端部との距離をそれぞれ1:2に分割する2か所(幅方向端からそれぞれ約103mmの位置)の計3か所に設けた多層芯体を試験体として作成した。この試験体を用いて、表面(変形吸収スリットを設けた側と反対側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
[実施例4]
実施例3と同様の試験体を用いて、裏面(変形吸収スリットを設けた側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
[比較例1]
実施例1と同様の布層を3層積層し、変形吸収スリットを設けずに試験体(多層芯体)を作成した。この試験体を直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
[比較例2]
実施例1と同様の布層を3層積層し、最表面側の布層に幅5mmの変形吸収スリットを、布層の幅方向中央1か所、及びこの幅方向中央と両端部との距離をそれぞれ1:2に分割する2か所(幅方向端からそれぞれ約103mmの位置)の計3か所に設け、さらに最裏面側の布層に幅5mmの変形吸収スリットを布層の幅を3分割する位置(幅方向端からそれぞれ約207mmの位置)2か所に設けた多層芯体を試験体として作成した。この試験体を用いて、表面(3か所の変形吸収スリットを設けた側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
[比較例3]
比較例2と同様の試験体を用いて、裏面(2か所の変形吸収スリットを設けた側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
[実施例5]
実施例1と同様の布層を2層積層し、裏面側の布層に幅5mmの変形吸収スリットを布層の幅を3分割する位置(幅方向端からそれぞれ約207mmの位置)2か所に設けた多層芯体を試験体として作成した。この試験体を用いて、表面(変形吸収スリットを設けた側と反対側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
[実施例6]
実施例5と同様の試験体を用いて、裏面(変形吸収スリットを設けた側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
[実施例7]
実施例1と同様の布層を2層積層し、裏面側の布層に幅5mmの変形吸収スリットを、布層の幅方向中央1か所、及びこの幅方向中央と両端部との距離をそれぞれ1:2に分割する2か所(幅方向端からそれぞれ約103mmの位置)の計3か所に設けた多層芯体を試験体として作成した。この試験体を用いて、表面(変形吸収スリットを設けた側と反対側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
[実施例8]
実施例7と同様の試験体を用いて、裏面(変形吸収スリットを設けた側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
[比較例4]
実施例1と同様の布層を2層積層し、変形吸収スリットを設けずに試験体(多層芯体)を作成した。この試験体を直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
[比較例5]
実施例1と同様の布層を2層積層し、表面側の布層に幅5mmの変形吸収スリットを、布層の幅方向中央1か所、及びこの幅方向中央と両端部との距離をそれぞれ1:2に分割する2か所(幅方向端からそれぞれ約103mmの位置)の計3か所に設け、さらに裏面側の布層に幅5mmの変形吸収スリットを布層の幅を3分割する位置(幅方向端からそれぞれ約207mmの位置)2か所に設けた多層芯体を試験体として作成した。この試験体を用いて、表面(3か所の変形吸収スリットを設けた側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
[比較例6]
比較例5と同様の試験体を用いて、裏面(2か所の変形吸収スリットを設けた側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
実施例1〜8及び比較例1〜6における上記浮き量の測定結果を表1に示す。
Figure 2014151989
表1に示されるように、実施例1〜4及び実施例5〜8は、変形吸収スリットを設けていない比較例1及び4、並びに変形吸収スリットを多層芯体の表面側及び裏面側に設けた比較例2、3、5、6に対して浮き量が小さく、変形抑制効果を有することがわかる。言い換えれば、実施例1〜4及び実施例5〜8は、湾曲による歪みが発生しにくいことがわかる。
本発明のコンベアベルトは、一方向に湾曲を受けても歪みが発生し難いため、搬送品の輸送等に好適に用いることができる。
1、11 コンベアベルト
2a、2b、2c、12a、12b、12c 布層
3、13 多層芯体
4 カバーゴム層
5、15 変形吸収スリット

Claims (8)

  1. 複数の布層を有する多層芯体と、この多層芯体の表面側及び裏面側に積層される一対のカバーゴム層とを備えるコンベアベルトであって、
    上記多層芯体が、表面側及び裏面側の一方のみに長手方向に沿って形成される1又は複数の変形吸収スリットを有し、
    この変形吸収スリットの平均幅が3mm以上15mm以下であることを特徴とするコンベアベルト。
  2. 上記変形吸収スリットが、一方側の布層を貫通するよう形成されている請求項1に記載のコンベアベルト。
  3. 上記複数の変形吸収スリットが、幅方向の中心を基準として対称に配設されている請求項1又は請求項2に記載のコンベアベルト。
  4. 上記変形吸収スリットが、搬送面側と反対側に形成されている請求項1、請求項2又は請求項3に記載のコンベアベルト。
  5. 上記変形吸収スリットが、幅方向の中央部に存在しない請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコンベアベルト。
  6. 上記多層芯体が、2本の上記変形吸収スリットを有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコンベアベルト。
  7. 上記複数の変形吸収スリットの平均間隔が、多層芯体の幅の25%以上50%以下である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のコンベアベルト。
  8. 上記変形吸収スリットが形成された側の面が内面となるように無端環状に接合された請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のコンベアベルト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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