JP2014151989A - コンベアベルト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、複数の布層を有する多層芯体と、この多層芯体の表面側及び裏面側に積層される一対のカバーゴム層とを備えるコンベアベルトであって、上記多層芯体が、表面側及び裏面側の一方のみに長手方向に沿って形成される1又は複数の変形吸収スリットを有し、この変形吸収スリットの平均幅が3mm以上15mm以下であることを特徴とする。上記変形吸収スリットが、一方側の布層を貫通するよう形成されているとよい。上記複数の変形吸収スリットが、幅方向の中心を基準として対称に配設されているとよい。上記変形吸収スリットが、搬送面側と反対側に形成されているとよい。
【選択図】図1
Description
複数の布層を有する多層芯体と、この多層芯体の表面側及び裏面側に積層される一対のカバーゴム層とを備えるコンベアベルトであって、
上記多層芯体が、表面側及び裏面側の一方のみに長手方向に沿って形成される1又は複数の変形吸収スリットを有し、
この変形吸収スリットの平均幅が3mm以上15mm以下であることを特徴とする。
図1(a)に示すコンベアベルト1は、3層の布層2a,2b,2cが積層されて構成される多層芯体3と、この多層芯体3の両面に積層された一対のカバーゴム層4とを備える。当該コンベアベルト1は、使用時に表面側(図中上側)が内側(搬送面)となり幅方向端部同士が近接するように湾曲される。
多層芯体3を構成する布層2a,2b,2cは、それぞれ1又は複数枚の帆布で形成することができる。この帆布の材質は特に限定されないが、例えばナイロン繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、レーヨン繊維、アラミド繊維等を織ったものを用いることができる。
カバーゴム層4は、上記多層芯体3の表面及び裏面に積層される。カバーゴム層4を形成するゴム組成物のベースゴムとしては、例えば天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM、EPDM)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム(NBR、NIR等)等が挙げられる。
当該コンベアベルト1の幅としては、例えば100mm以上3000mm以下とすることができる。また、当該コンベアベルト1の厚さとしては、例えば5mm以上20mm以下とすることができる。
当該コンベアベルト1の製造方法は、以下の工程を有する製造方法により得ることができる。
(1)布層2a,2b,2cの積層体から構成される多層芯体3を形成する工程
(2)多層芯体3の表面及び裏面にカバーゴム層4を積層する工程
多層芯体形成工程において、まず中間の布層2bの裏面に最も裏面側にある布層2cを複数の帯状の帆布を用いて形成する。具体的には、帆布の両面に未加硫の接着ゴムを塗布又は貼り付け後に裁断し、最も幅広の帆布を基準として略平行に中間の布層2bの裏面に裁断した帆布を並置し、最裏面側の布層2cを形成する。このとき変形吸収スリット5を形成する個所における帆布の間隔としては、3mm以上15mm以下であり、4mm以上12mm以下がより好ましく、5mm以上10mm以下がさらに好ましい。なお、変形吸収スリット5を形成しない領域を複数の帆布から形成する場合、3mm未満の間隔で各帆布を略平行に並置する。その後、中間の布層2bの表面に最表面側の布層2aを積層することで多層芯体3を形成する。なお、中間の布層2b及び最表面側の布層2aは、1枚の帆布で構成されていてもよいし、複数の帆布から構成されていてもよい。中間の布層2b又は最表面側の布層2aを複数の帆布で形成する場合、上述のように各帆布を3mm未満の間隔で並置して布層を形成する。また、中間の布層2bの表面に最表面側の布層2aを積層してから、中間の布層2bの裏面に最も裏面側にある布層2cを形成してもよい。
カバーゴム層形成工程において、上記多層芯体3の表面及び裏面に、カバーゴム層4を形成するゴム組成物を塗工積層し、このゴム組成物を加硫することによってカバーゴム層4を形成する。このとき上述の各布層に貼り付けた接着ゴムも加硫される。これにより当該コンベアベルト1が得られる。なお、カバーゴム層4を多層構造とする場合、異なるゴム組成物を重ねて塗工することで多層状のカバーゴム層4を形成することができる。
当該コンベアベルト1は、多層芯体3の最裏面側の布層2cに長手方向に沿って形成される変形吸収スリット5を設けているため、この変形吸収スリット5に充填される充填材(ゴム)によって湾曲時の多層芯体3の幅方向の圧縮又は伸張を吸収することができる。その結果、当該コンベアベルト1は、湾曲を繰り返し受けることによるベルトの歪み(反り)を抑制することができる。さらに、3層の布層2a,2b,2cのうち、最裏面側(湾曲時の外面側)の布層2cのみに変形吸収スリット5を設けていることで、つまり、上記多層芯体3の裏面側のみに変形吸収スリット5を設けていることで、多層芯体3の形状回復性を維持したまま当該コンベアベルト1に多層芯体3の伸張吸収効果を付与することができるため、当該コンベアベルト1は、より効果的に湾曲による歪みを抑制することができる。
図2(a)に示すコンベアベルト11は、3層の布層12a,12b,12cが積層されて形成される多層芯体13と、この多層芯体13の両面に積層された一対のカバーゴム層4とを備える。当該コンベアベルト11は、使用時に表面側(図中上側)が内側(搬送面)となり幅方向端部同士が近接するように湾曲される。上記カバーゴム層4は、上記第一実施形態のコンベアベルト1と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
本発明のコンベアベルトは、上述の実施形態に限定されるものではなく、以下のような実施形態とすることもできる。
当該コンベアベルトは上述のように高い歪み抑制効果を有するため、上記変形吸収スリットが形成された側の面を内面となるように当該コンベアベルトを無端環状に接合することで、搬送面(環の外面)が内側となる湾曲を受けても歪みが発生し難い無端コンベアベルトを得ることができる。
帆布(経糸:ポリエステル、緯糸:ナイロン)及び接着ゴム(ゴム組成物:天然ゴム及びスチレンブタジエンゴム)を用いて、布層(幅:620mm、長さ:100mm、平均厚さ:1.3mm)3層からなり、最裏面側の布層に幅5mmの変形吸収スリットを布層の幅を3分割する位置(幅方向端からそれぞれ約200mmの位置)2か所に設けた多層芯体を試験体として作成した。次に、この試験体を直径230mmの円筒に表面(変形吸収スリットを設けた側と反対側の面)が内側になるように円筒の内周面に沿って丸めて挿入し、70℃の温度下で1週間静置した。その後、円筒から取り出した試験体を表面が上になる向きに台の上に静置し、上から試験体全体が平坦状態となるように10分間押圧した後、押圧を解除して試験体の幅方向両端の台表面からの浮き量(mm)を計測した。なお、この浮き量は左右両端の浮き量の平均値である。
実施例1と同様の試験体を用いて、裏面(変形吸収スリットを設けた側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
実施例1と同様の布層を3層積層し、最裏面側の布層に幅5mmの変形吸収スリットを、布層の幅方向中央1か所、及びこの幅方向中央と両端部との距離をそれぞれ1:2に分割する2か所(幅方向端からそれぞれ約103mmの位置)の計3か所に設けた多層芯体を試験体として作成した。この試験体を用いて、表面(変形吸収スリットを設けた側と反対側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
実施例3と同様の試験体を用いて、裏面(変形吸収スリットを設けた側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
実施例1と同様の布層を3層積層し、変形吸収スリットを設けずに試験体(多層芯体)を作成した。この試験体を直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
実施例1と同様の布層を3層積層し、最表面側の布層に幅5mmの変形吸収スリットを、布層の幅方向中央1か所、及びこの幅方向中央と両端部との距離をそれぞれ1:2に分割する2か所(幅方向端からそれぞれ約103mmの位置)の計3か所に設け、さらに最裏面側の布層に幅5mmの変形吸収スリットを布層の幅を3分割する位置(幅方向端からそれぞれ約207mmの位置)2か所に設けた多層芯体を試験体として作成した。この試験体を用いて、表面(3か所の変形吸収スリットを設けた側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
比較例2と同様の試験体を用いて、裏面(2か所の変形吸収スリットを設けた側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
実施例1と同様の布層を2層積層し、裏面側の布層に幅5mmの変形吸収スリットを布層の幅を3分割する位置(幅方向端からそれぞれ約207mmの位置)2か所に設けた多層芯体を試験体として作成した。この試験体を用いて、表面(変形吸収スリットを設けた側と反対側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
実施例5と同様の試験体を用いて、裏面(変形吸収スリットを設けた側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
実施例1と同様の布層を2層積層し、裏面側の布層に幅5mmの変形吸収スリットを、布層の幅方向中央1か所、及びこの幅方向中央と両端部との距離をそれぞれ1:2に分割する2か所(幅方向端からそれぞれ約103mmの位置)の計3か所に設けた多層芯体を試験体として作成した。この試験体を用いて、表面(変形吸収スリットを設けた側と反対側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
実施例7と同様の試験体を用いて、裏面(変形吸収スリットを設けた側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
実施例1と同様の布層を2層積層し、変形吸収スリットを設けずに試験体(多層芯体)を作成した。この試験体を直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
実施例1と同様の布層を2層積層し、表面側の布層に幅5mmの変形吸収スリットを、布層の幅方向中央1か所、及びこの幅方向中央と両端部との距離をそれぞれ1:2に分割する2か所(幅方向端からそれぞれ約103mmの位置)の計3か所に設け、さらに裏面側の布層に幅5mmの変形吸収スリットを布層の幅を3分割する位置(幅方向端からそれぞれ約207mmの位置)2か所に設けた多層芯体を試験体として作成した。この試験体を用いて、表面(3か所の変形吸収スリットを設けた側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
比較例5と同様の試験体を用いて、裏面(2か所の変形吸収スリットを設けた側の面)が内側になるように直径230mmの円筒に挿入し、実施例1と同様の手順で浮き量を計測した。
2a、2b、2c、12a、12b、12c 布層
3、13 多層芯体
4 カバーゴム層
5、15 変形吸収スリット
Claims (8)
- 複数の布層を有する多層芯体と、この多層芯体の表面側及び裏面側に積層される一対のカバーゴム層とを備えるコンベアベルトであって、
上記多層芯体が、表面側及び裏面側の一方のみに長手方向に沿って形成される1又は複数の変形吸収スリットを有し、
この変形吸収スリットの平均幅が3mm以上15mm以下であることを特徴とするコンベアベルト。 - 上記変形吸収スリットが、一方側の布層を貫通するよう形成されている請求項1に記載のコンベアベルト。
- 上記複数の変形吸収スリットが、幅方向の中心を基準として対称に配設されている請求項1又は請求項2に記載のコンベアベルト。
- 上記変形吸収スリットが、搬送面側と反対側に形成されている請求項1、請求項2又は請求項3に記載のコンベアベルト。
- 上記変形吸収スリットが、幅方向の中央部に存在しない請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコンベアベルト。
- 上記多層芯体が、2本の上記変形吸収スリットを有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコンベアベルト。
- 上記複数の変形吸収スリットの平均間隔が、多層芯体の幅の25%以上50%以下である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のコンベアベルト。
- 上記変形吸収スリットが形成された側の面が内面となるように無端環状に接合された請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のコンベアベルト。
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JP2013021134A JP2014151989A (ja) | 2013-02-06 | 2013-02-06 | コンベアベルト |
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2195309A (en) * | 1986-09-30 | 1988-04-07 | Okazaki Haruo | A belt for a tubular belt conveyor |
JPH03502916A (ja) * | 1987-12-18 | 1991-07-04 | ティングスコグ,レナート | ベルト・コンベアおよびそのコンベア・ベルト |
JP2006264947A (ja) * | 2005-03-25 | 2006-10-05 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気浮上式コンベヤベルト |
-
2013
- 2013-02-06 JP JP2013021134A patent/JP2014151989A/ja active Pending
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