JP2014049644A - アンテナ構造体、データ受送信体及び通信機器 - Google Patents

アンテナ構造体、データ受送信体及び通信機器 Download PDF

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Abstract

【課題】基材との密着性及び導電性の低下が抑制され、且つ薄層化された導電層を備えたアンテナ構造体、並びに前記アンテナ構造体を用いたデータ受送信体及び通信機器の提供。
【解決手段】基材2と、前記基材上に設けられた導電層4と、を備えたアンテナ構造体1であって、前記導電層4は、厚さが9μm未満で、且つ前記基材2と対向する面の表面粗さが0.3μm未満であり、JISK5600−5−6に準拠した、前記基材及び導電層の密着性試験において、25/25分類0を満たすことを特徴とするアンテナ構造体1;かかるアンテナ構造体1を用いたことを特徴とするデータ受送信体及び通信機器。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンテナ構造体、並びに前記アンテナ構造体を用いたデータ受送信体及び通信機器に関する。
近年、各種無線装置や移動体通信機器等の通信機器が普及し、その電波を送受信するためのアンテナ構造体も種々の形態のものが採用されるようになってきている。その一例としては、軽量化及び薄層化されたものとして、例えば、絶縁フィルム製の基材上にパターニングされた導体層を備え、その導体層の一部がアンテナ素子部に形成されたフィルムアンテナが知られている。また、これらのアンテナには、特に高周波用途において、信号の伝送損失の低減が求められるようになってきている。
このようなフィルムアンテナにおいて、基材及び導体層の積層構造は、一種の回路とみなすことができ、例えば、基材上に金属箔を積層し、ウェットエッチングにより金属箔をパターニングして、導体層を形成する方法で製造される。そしてこのときに、金属箔の基材との接触面の表面粗さを所定の範囲とすることで、基材及び導体層の密着性に優れ、導電性にも優れる回路が得られることが開示されている(特許文献1参照)。
特開2011−216598号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、導体層として金属箔を用いるために、十分に薄層化された導電層を形成できないという問題点があった。この問題点により、通信機器のさらなる軽量化及び薄層化が困難になっている。薄層化された導電層を形成し得る方法として、金属銀が配合されてなる銀ペーストを用いる方法が知られているが、この方法で形成された導電層は、基材との密着性及び導電性が必ずしも十分ではない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、基材との密着性及び導電性の低下が抑制され、且つ薄層化された導電層を備えたアンテナ構造体、並びに前記アンテナ構造体を用いたデータ受送信体及び通信機器を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
本発明は、基材と、前記基材上に設けられた導電層と、を備えたアンテナ構造体であって、前記導電層は、厚さが9μm未満で、且つ前記基材と対向する面の表面粗さが0.3μm未満であり、JIS K 5600−5−6に準拠した、前記基材及び導電層の密着性試験において、25/25 分類0を満たすことを特徴とするアンテナ構造体を提供する。
本発明のアンテナ構造体は、前記基材及び導電層間に、さらに受容層を備え、JIS K 5600−5−4に準拠した、前記導電層の硬度試験において、鉛筆硬度>5Hを満たすものが好ましい。
本発明のアンテナ構造体は、前記受容層が、下記一般式(3)で表される化合物を用いて形成されたものであることが好ましい。
Figure 2014049644
(式中、R11は炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシアルキル基又はアルキルカルボニル基であり;R12は炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であり;R13は炭素数1〜10のアルキレン基であり;R14は炭素数1〜5のアルキレン基であり、該アルキレン基中の1個以上のメチレン基はカルボニル基で置換されていてもよく;Zはアミノ基、メルカプト基又は炭素数6〜12のアリール基であり;m1は2又は3であり、複数個のR11は互いに同一でも異なっていてもよく;m2及びm3はそれぞれ独立に0又は1であり、ただし、Zがアミノ基である場合には、m2及びm3の少なくとも一方は1である。)
また、本発明は、上記本発明のアンテナ構造体を用いたことを特徴とするデータ受送信体を提供する。
また、本発明は、上記本発明のアンテナ構造体を用いたことを特徴とする通信機器を提供する。
本発明によれば、基材との密着性及び導電性の低下が抑制され、且つ薄層化された導電層を備えたアンテナ構造体、並びに前記アンテナ構造体を用いたデータ受送信体及び通信機器が提供される。
本発明のアンテナ構造体を例示する概略断面図である。 実施例1及び比較例1のアンテナ構造体の、周波数の変化に対するインピーダンス|Z|の変化の測定結果を示すグラフである。 実施例1及び比較例1のアンテナ構造体の、周波数の変化に対する位相角θzの変化の測定結果を示すグラフである。
<アンテナ構造体>
本発明のアンテナ構造体は、基材と、前記基材上に設けられた導電層(アンテナ)と、を備えたアンテナ構造体であって、前記導電層は、厚さが9μm未満で、且つ前記基材と対向する面の表面粗さが0.3μm未満であり、JIS K 5600−5−6に準拠した、前記基材及び導電層の密着性試験において、25/25 分類0を満たすことを特徴とする。
かかるアンテナ構造体は、導電層の基材との密着性が高いことにより、構造の安定性に優れ、また、導電性が高く、特に高周波用途において、信号の伝送損失が低減されるので、アンテナ性能にも優れる。
図1は、本発明のアンテナ構造体を例示する概略断面図である。
ここに示すアンテナ構造体1は、基材2上に受容層3を介して導電層4を備える。すなわち、アンテナ構造体1は、基材2上に受容層3及び導電層4がこの順に積層されたものである。
[基材]
基材2は、公知のものでよく、特に限定されないが、絶縁性を有するものが好ましい。
基材2の好ましい材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のポリフッ化エチレン系樹脂;ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のポリ(メタ)アクリル樹脂;ポリスチレン;ポリカーボネート(PC);ポリアリレート;ポリイミド;ガラスエポキシ樹脂;上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙類が例示できる。
基材2の厚さは、目的に応じて適宜調節すればよいが、2〜5mmであることが好ましく、50〜250μmであることがより好ましい。
基材2は、単層からなるものでもよいし、二層以上の複数層からなるものでもよい。基材2が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが異なっていてもよい。そして、複数層が互いに異なる場合、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。ここで、複数層が互いに異なるとは、各層の材質及び厚さの少なくとも一方が互いに異なることを意味する。
なお、基材2が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい基材2の厚さとなるようにするとよい。
[導電層]
導電層4は、導電性を有していればよく、各種金属を導電性材料とするものが好ましく、銀(金属銀、Ag)を導電性材料とするもの(以下、「銀層」と略記することがある)がより好ましい。
導電層4を上方から見下ろすように、積層体1を平面視したときの、導電層4の形状は、アンテナ構造体1に求められる性能を考慮して、任意に設定できる。
導電層4の厚さは9μm未満であり、2μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましい。導電層4の厚さの下限値は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、構造の安定性の点から、0.2μmであることが好ましい。
導電層4は、基材2と対向する面42の表面粗さが0.3μm未満であり、0.1μm以下であることが好ましく、0.06μm以下であることがより好ましい。上限値以下とすることで、特に高周波用途において、信号の伝送損失が低減される。導電層4の基材2と対向する面42の表面粗さの下限値は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、基材2との密着性がより向上する点から、0.01μmであることが好ましい。
なお、本明細書において「表面粗さ」とは、算術平均粗さ(Ra)を意味し、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、この抜取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、以下の式によって求められた値をマイクロメートル(μm)単位で表示したものである。以下、この表面粗さを「表面粗さRa」と記載することがある。
Figure 2014049644
導電層4が銀層である場合、前記銀層は、金属銀自体ではなく、金属銀を生成する化合物を含有する銀インク組成物を用いて形成されたものであることが好ましい。
前記銀インク組成物で好ましいものとしては、下記一般式(1)で表されるβ−ケトカルボン酸銀(以下、「β−ケトカルボン酸銀(1)」と略記することがある)が配合されてなるものが例示できる。
Figure 2014049644
(式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R−CY−」、「CY−」、「R−CHY−」、「RO−」、「RN−」若しくは「(RO)CY−」で表される基であり;
Yはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;Rは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;Rは炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;
Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「RO−」、「RS−」、「R−C(=O)−」若しくは「R−C(=O)−O−」で表される基であり;
は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
(β−ケトカルボン酸銀(1))
β−ケトカルボン酸銀(1)は、前記一般式(1)で表される。
式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R−CY−」、「CY−」、「R−CHY−」、「RO−」、「RN−」若しくは「(RO)CY−」で表される基である。
Rにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状(脂肪族環式基)のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。また、前記脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基のいずれでもよい。そして、前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜6であることが好ましい。Rにおける好ましい前記脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が例示できる。
Rにおける直鎖状又は分枝鎖状の前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、4,4−ジメチルペンチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、4−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、1−プロピルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、5−エチルヘキシル基、1,1−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、5,5−ジメチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、2−プロピルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基が例示できる。
Rにおける環状の前記アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示できる。
Rにおける前記アルケニル基としては、ビニル基(エテニル基、−CH=CH)、アリル基(2−プロペニル基、−CH−CH=CH)、1−プロペニル基(−CH=CH−CH)、イソプロペニル基(−C(CH)=CH)、1−ブテニル基(−CH=CH−CH−CH)、2−ブテニル基(−CH−CH=CH−CH)、3−ブテニル基(−CH−CH−CH=CH)、シクロヘキセニル基、シクロペンテニル基等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が二重結合(C=C)に置換された基が例示できる。
Rにおける前記アルキニル基としては、エチニル基(−C≡CH)、プロパルギル基(−CH−C≡CH)等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が三重結合(C≡C)に置換された基が例示できる。
Rにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が例示できる。また、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、すべての置換基が同一であってもよいし、すべての置換基が異なっていてもよく、一部の置換基のみが異なっていてもよい。
Rにおけるフェニル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、炭素数が1〜16の飽和又は不飽和の一価の脂肪族炭化水素基、該脂肪族炭化水素基が酸素原子に結合してなる一価の基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基(−OH)、シアノ基(−C≡N)、フェノキシ基(−O−C)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
置換基である前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるYは、それぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子である。そして、一般式「R−CY−」及び「CY−」においては、それぞれ複数個のYは、互いに同一でも異なっていてもよい。
RにおけるRは、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基(C−)であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基である。すなわち、R及びRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜18である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Rは、上記の中でも、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、又はフェニル基であることが好ましい。
一般式(1)において、Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基(C−CH−)、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基(C−O−CH=CH−)、又は一般式「RO−」、「RS−」、「R−C(=O)−」若しくは「R−C(=O)−O−」で表される基である。
Xにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Xにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
Xにおけるフェニル基及びベンジル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基(−NO)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
XにおけるRは、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基(CS−)、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基(ビフェニル基、C−C−)である。Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜10である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。また、Rにおけるフェニル基及びジフェニル基の前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
がチエニル基又はジフェニル基である場合、これらの、Xにおいて隣接する基又は原子(酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基)との結合位置は、特に限定されない。例えば、チエニル基は、2−チエニル基及び3−チエニル基のいずれでもよい。
一般式(1)において、2個のXは、2個のカルボニル基で挟まれた炭素原子と二重結合を介して1個の基として結合していてもよく、このようなものとしては式「=CH−C−NO」で表される基が例示できる。
Xは、上記の中でも、水素原子、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、又はベンジル基であることが好ましく、少なくとも一方のXが水素原子であることが好ましい。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、2−メチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CH)−C(=O)−OAg)、アセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、2−エチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CHCH)−C(=O)−OAg)、プロピオニル酢酸銀(CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、イソブチリル酢酸銀((CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、2−n−ブチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CHCHCHCH)−C(=O)−OAg)、2−ベンジルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CH)−C(=O)−OAg)、又はベンゾイル酢酸銀(C−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)であることが好ましい。これらβ−ケトカルボン酸銀(1)は、前記一般式(1)で表されるものの中でも、加熱(焼成)処理により形成された金属銀において、残存する原料や不純物の濃度をより低減できる。原料や不純物が少ない程、例えば、形成された金属銀同士の接触が良好となり、導通が容易となり、抵抗率が低下する。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、後述するように、当該分野で公知の還元剤等を使用しなくても、好ましくは60〜210℃、より好ましくは60〜200℃という低温で分解し、金属銀を形成する。
導電層4の形成に用いるβ−ケトカルボン酸銀(1)は、一種のみでもよいし二種以上でもよく、二種以上である場合、その組み合わせ及び比率は特に限定されない。
[受容層]
アンテナ構造体1は、基材2と導電層4との間に、さらに受容層3を備える。受容層3は必ずしも備えていなくてもよいが、これを備えることで、基材2及び導電層4の密着性がより向上する。
基材2の導電層4と対向する面(受容層3が形成されている面)21を上方から見下ろすように、積層体1を平面視したときの、受容層3の形状は、目的に応じて任意に設定でき、導電層4の形状を考慮して設定すればよい。例えば、基材2の前記面21の全面に受容層3が設けられていてもよいし、基材2の前記面21のうち、一部のみに受容層3が設けられていてもよく、この場合、受容層3はパターニングされていてもよい。
受容層3の厚さは、0.001〜20μmであることが好ましく、0.002〜5μmであることがより好ましい。下限値以上であることで、基材2及び導電層4の密着性がより向上し、上限値以下であることで、受容層3の構造をより安定して保持できる。
受容層3は、下記一般式(3)で表される化合物(以下、「化合物(3)」と略記することがある)を用いて形成されたものが好ましい。
Figure 2014049644
(式中、R11は炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシアルキル基又はアルキルカルボニル基であり;R12は炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であり;R13は炭素数1〜10のアルキレン基であり;R14は炭素数1〜5のアルキレン基であり、該アルキレン基中の1個以上のメチレン基はカルボニル基で置換されていてもよく;Zはアミノ基、メルカプト基又は炭素数6〜12のアリール基であり;m1は2又は3であり、複数個のR11は互いに同一でも異なっていてもよく;m2及びm3はそれぞれ独立に0又は1であり、ただし、Zがアミノ基である場合には、m2及びm3の少なくとも一方は1である。)
(化合物(3))
化合物(3)は、前記一般式(3)で表される。
式中、R11は炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシアルキル基又はアルキルカルボニル基である。
11における前記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよい。
直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基が例示できる。
環状のアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基が例示できる。
11における前記アルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状であることが好ましく、炭素数が1〜3であることが好ましい。
11における前記アルコキシアルキル基としては、これを構成するアルコキシ基が、R11としての前記アルキル基が酸素原子に結合してなる1価の基であり、前記アルコキシ基が結合しているアルキレン基が、R11としての前記アルキル基から1個の水素原子を除いてなる基であるものが例示できる。ただし、前記アルコキシ基及びアルキレン基の合計の炭素数(前記アルコキシアルキル基の炭素数)は2〜5である。
11における前記アルコキシアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状であることが好ましく、炭素数が3以下であることが好ましく、メトキシメチル基又は2−メトキシエチル基であることがより好ましい。
11における前記アルキルカルボニル基としては、R11としての前記アルキル基がカルボニル基(−C(=O)−)の炭素原子に結合してなる1価の基が例示できる。ただし、カルボニル基の炭素原子に結合しているアルキル基の炭素数は1〜4(前記アルキルカルボニル基の炭素数は2〜5)である。
11における前記アルキルカルボニル基は、直鎖状又は分枝鎖状であることが好ましく、炭素数が3以下であることが好ましく、メチルカルボニル基(アセチル基)又はエチルカルボニル基であることがより好ましい。
式中、R12は炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基である。
12における前記アルキル基としては、R11における前記アルキル基と同じのものが例示でき、R11と互いに同一でもよいし、異なっていてもよい。
12における前記アリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、o−トルイル基、m−トルイル基、p−トルイル基、キシリル基(ジメチルフェニル基)等が例示できる。また、これらアリール基の、1個以上の水素原子がアルキル基及び/又はアルコキシ基で置換されたものでもよい。ここで、水素原子が置換される前記アルキル基としては、R11における前記アルキル基と同じのものが例示でき、水素原子が置換される前記アルコキシ基としては、R11における前記アルキル基が酸素原子に結合してなる1価の基が例示できる。そして、これらアルキル基及び/又はアルコキシ基で置換されている場合、前記アリール基は、これらアルキル基及び/又はアルコキシ基も含めて、炭素数が12以下である。
12における前記アリール基は、単環状であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。
式中、R13は炭素数1〜10のアルキレン基であり、本発明において前記「アルキレン基」は、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
13における前記アルキレン基としては、炭素数1〜10のアルキル基から1個の水素原子を除いてなる2価の基が例示でき、かかるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示できる。
13における前記アルキレン基は、炭素数が1〜7であることが好ましく、炭素数が1〜5であることがより好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(メチルエチレン基)、トリメチレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、2−メチルテトラメチレン基、1,1−ジメチルトリメチレン基、1,2−ジメチルトリメチレン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、1−エチルトリメチレン基、2−エチルトリメチレン基、1−メチル−2−エチルエチレン基、n−プロピルエチレン基等が例示できる。
式中、R14は炭素数1〜5のアルキレン基であり、R13における前記アルキレン基のうち、炭素数が1〜5のものと同じであり、炭素数が1〜3であることが好ましい。
また、R14における前記アルキレン基は、メチレン基であるか、又はメチレン基が2〜5個連結して構成されるが、アルキレン基を構成するこれらメチレン基(−CH−)のうちの1個以上は、カルボニル基(−C(=O)−)で置換されていてもよい。カルボニル基で置換されるメチレン基の数は、前記アルキレン基中のメチレン基の総数に依存し、特に限定されず、例えば、R14はカルボニル基のみで構成されていてもよいし、カルボニル基であってもよく、1個以上のアルキレン基と1個以上のカルボニル基とが混在したものでもよい。そして、通常は、R14中のカルボニル基の数は、2個以下であることが好ましく、1個であることがより好ましい。
式中、Zはアミノ基(−NH)、メルカプト基(−SH)又は炭素数6〜12のアリール基である。
Zにおける前記アリール基としては、R12における前記アリール基と同じものが例示でき、R12と互いに同一でもよいし、異なっていてもよい。
式中、m1は2又は3であり、複数個のR11は互いに同一でも異なっていてもよい。
また、m2及びm3はそれぞれ独立に0又は1である。ただし、Zがアミノ基である場合には、m2及びm3の少なくとも一方は1である(m2及びm3が共に0になることはない)。
特に好ましい化合物(3)としては、R11及びR12が炭素数1〜3のアルキル基であり、R13が炭素数1〜5のアルキレン基であり、R14が炭素数1〜3のアルキレン基又はカルボニル基であり、Zがアミノ基、メルカプト基又はフェニル基であるものが例示できる。このような化合物(3)としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン((CHO)Si(CHNH(CHNH)、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン((CHO)Si(CH)(CHNH(CHNH)、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン((CHCHO)Si(CHNHC(=O)NH)、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン((CHO)Si(CHNHC)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン((CHO)Si(CHSH)、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン((CHO)Si(CH)(CHSH)が例示できる。
化合物(3)は、シランカップリング剤であり、市販品を用いてもよいし、公知の手法で合成したものを用いてもよい。
受容層3の形成に用いる化合物(3)は、一種のみでもよいし二種以上でもよく、二種以上である場合、その組み合わせ及び比率は特に限定されない。
アンテナ構造体1は、上記構成を有することにより、JIS K 5600−5−6に準拠した、基材2及び導電層4の密着性試験において、25/25 分類0を満たす。このように、優れた密着性を有するので、アンテナ構造体1は、構造の安定性に優れる。
また、アンテナ構造体1は、例えば、導電層4として、後述する銀インク組成物を用いて形成したもの等、その構成を選択することで、JIS K 5600−5−4に準拠した、導電層4の硬度試験において、鉛筆硬度>5Hを満たすことも可能である。このように、導電層4が硬いことで、アンテナ構造体1は、構造の安定性により優れたものとなる。
本発明のアンテナ構造体は、図1に示すものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲内において、一部構成が適宜変更されたものでもよい。例えば、基材、受容層及び銀層以外に、その他の層が形成されていてもよい。前記その他の層としては、基材、受容層及び銀層のすべてが、これらの積層方向(図1においては、基材2から導電層4に向かう方向)において露出しないように、これらの積層構造を被覆する保護層が例示できる。
本発明のアンテナ構造体は、上記のように、導電層が薄層化されたものでありながら、基材との密着性が高く、導電性の低下が抑制されたものであり、実用性に優れる。
<アンテナ構造体の製造方法>
本発明のアンテナ構造体(アンテナ構造体1)は、例えば、前記受容層(受容層3)を備えたものである場合、前記基材(基材1)上に前記受容層(受容層3)を形成する工程(以下、「受容層形成工程」と略記することがある)と、前記受容層(受容層3)上に前記導電層(導電層4)を形成する工程(以下、「導電層形成工程」と略記することがある)と、を有する方法により、製造できる。受容層を備えていないアンテナ構造体は、受容層形成工程を省略して、同様に製造すればよい。
[受容層形成工程]
受容層形成工程においては、前記基材上に前記受容層を形成する。
前記受容層は、例えば、受容層を形成するための原料化合物が配合されてなる受容層形成用組成物を調製し、これを基材上に付着させて、加熱処理することで形成できる。受容層形成工程における前記原料化合物としては、化合物(3)が好ましい。
以下、化合物(3)を用いた場合を例に挙げて、本工程について説明するが、化合物(3)以外の原料化合物を用いた場合も、同様に行うことができる。
化合物(3)を用いる場合、受容層形成用組成物としては、化合物(3)及び溶媒が配合されてなる液状のものが例示できる。
受容層形成用組成物の調製に用いる前記溶媒は、化合物(3)を著しく劣化させない限り、特に限定されず、好ましいものとしては、エタノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)等の炭素数が2以上のアルコールが例示できる。
前記溶媒は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合で、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
受容層形成用組成物における化合物(3)の含有量は、1〜50質量%であることが好ましく、3〜30質量%であることがより好ましい。下限値以上であることで、受容層をより効率的に形成でき、上限値以下であることで、前記組成物の取り扱い性がより向上する。
受容層形成用組成物は、化合物(3)及び溶媒以外に、その他の成分が配合されてなるものでもよい。
前記その他の成分は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。
受容層形成用組成物において、配合成分の総量に占める前記その他の成分の配合量の比率(配合比)は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
前記その他の成分は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合で、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
受容層形成用組成物中の成分は、すべて溶解していてもよいし、一部又はすべてが溶解していなくてもよいが、溶解していない成分は、均一に分散されていることが好ましい。
受容層形成用組成物は、化合物(3)、及び化合物(3)以外の成分を配合することで得られる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法、ミキサーを使用して混合する方法、超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
配合時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、−5〜30℃であることが好ましい。
液状の受容層形成用組成物は、例えば、印刷法、塗布法、浸漬法等の公知の方法で基材上に付着させることができる。
前記印刷法としては、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、ディップ式印刷法、インクジェット式印刷法、ディスペンサー式印刷法等が例示できる。
前記塗布法としては、スピンコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター等の各種コーターや、ワイヤーバー等を用いる方法が例示できる。
受容層形成工程においては、基材に付着させる化合物(3)の量を調節することで、受容層の厚さを調節できる。この場合、基材に付着させる受容層形成用組成物の量、又は受容層形成用組成物の化合物(3)の含有量を調節すればよい。
基材上に付着させた受容層形成用組成物の加熱処理の条件は、前記組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよく、例えば、化合物(3)の反応と、溶媒の除去(乾燥)とが、円滑に進むように調節することが好ましい。通常は、加熱温度が50〜180℃であることが好ましく、80〜160℃であることがより好ましい。加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、3〜60分間であることが好ましく、5〜30分間であることがより好ましい。
受容層形成工程においては、受容層形成用組成物を付着させる前に、基材を加熱処理(アニール処理)してもよい。基材を加熱処理しておくことで、後述する導電層形成工程において、導電層形成用組成物を加熱(焼成)処理したときに、基材の収縮が抑制され、寸法安定性が向上することがある。
受容層形成用組成物を付着させる前の、基材の加熱処理の条件は、基材の種類に応じて適宜調節すればよく、特に限定されないが、60〜200℃で10〜60分間加熱処理することが好ましく、導電層形成工程での、後述する銀インク組成物の加熱(焼成)処理の条件と同じでもよい。
[導電層形成工程]
次いで、導電層形成工程においては、前記受容層上に前記導電層を形成する。
前記導電層は、例えば、導電層を形成するための原料化合物が配合されてなる導電層形成用組成物を調製し、これを受容層(基材)上に付着させて、加熱処理することで形成できる。
前記導電層が銀層である場合、導電層形成工程における前記原料化合物としては、金属銀を生成する化合物が好ましく、β−ケトカルボン酸銀(1)がより好ましい。
導電層形成用組成物としては、液状のものが好ましく、前記原料化合物が均一に溶解又は分散されたものが好ましい。
以下、β−ケトカルボン酸銀(1)が配合されてなる銀インク組成物を用いて、導電層として銀層を形成する場合を例に挙げて、本工程について説明するが、β−ケトカルボン酸銀(1)以外の原料化合物を用いた場合も、同様に導電層を形成できる。
銀インク組成物において、β−ケトカルボン酸銀(1)中の銀の含有量は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。このような範囲であることで、後述する方法で形成された銀層は、品質により優れたものとなる。前記銀の含有量の上限値は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、取り扱い性等を考慮すると25質量%であることが好ましい。
(アミン化合物、アンモニウム塩)
前記銀インク組成物は、β−ケトカルボン酸銀(1)以外に、さらにアミン化合物及び/又はアンモニウム塩が配合されてなるものが好ましい。そして、前記アミン化合物及び/又はアンモニウム塩は、炭素数が2〜25であることが好ましい。
炭素数2〜25のアミン化合物は、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンのいずれでもよい。また、炭素数2〜25のアンモニウム塩とは、かかる炭素数の第四級アンモニウム塩である。前記アミン化合物及びアンモニウム塩は、鎖状及び環状のいずれでもよい。また、アミン又はアンモニウム塩を形成している窒素原子の数は1個でもよいし、2個以上でもよい。
前記第一級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいモノアルキルアミン、モノアリールアミン、モノ(ヘテロアリール)アミン、ジアミン等が例示できる。
前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものが例示でき、炭素数が1〜19の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。
好ましい前記モノアルキルアミンとして、具体的には、n−プロピルアミン、n−ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、tert−ブチルアミン、n−オクタデシルアミン(ステアリルアミン)、シクロヘキシルアミンが例示でき、n−プロピルアミン、n−ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、tert−ブチルアミンがより好ましい。
前記モノアリールアミンを構成するアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が例示でき、炭素数が6〜10であることが好ましい。
前記モノ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基は、芳香族環骨格を構成する原子として、ヘテロ原子を有するものであり、前記ヘテロ原子としては、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、ホウ素原子が例示できる。また、芳香族環骨格を構成する前記へテロ原子の数は特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよい。2個以上である場合、これらへテロ原子は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、これらへテロ原子は、すべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみが異なっていてもよい。
前記ヘテロアリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されないが、3〜12員環であることが好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜4個有する単環状のものとしては、ピロリル基、ピロリニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピペリジニル基、ピラゾリジニル基、ピペラジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1個有する単環状のものとしては、フラニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1個有する単環状のものとしては、チエニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、モルホリニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜5個有する多環状のものとしては、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、テトラゾロピリジル基、テトラゾロピリダジニル基、ジヒドロトリアゾロピリダジニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ジチアナフタレニル基、ベンゾチオフェニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ジアミンは、アミノ基を2個有していればよく、2個のアミノ基の位置関係は特に限定されない。好ましい前記ジアミンとしては、前記モノアルキルアミン、モノアリールアミン又はモノ(ヘテロアリール)アミンにおいて、アミノ基(−NH)を構成する水素原子以外の1個の水素原子が、アミノ基で置換されたものが例示できる。
前記ジアミンは炭素数が1〜10であることが好ましく、より好ましいものとしてはエチレンジアミンが例示できる。
前記第二級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいジアルキルアミン、ジアリールアミン、ジ(ヘテロアリール)アミン等が例示できる。
前記ジアルキルアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、ジアルキルアミン一分子中の2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
好ましい前記ジアルキルアミンとして、具体的には、N−メチル−n−ヘキシルアミンが例示できる。
前記ジアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。また、ジアリールアミン一分子中の2個のアリール基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記ジ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基は、前記モノ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基と同様であり、6〜12員環であることが好ましい。また、ジ(ヘテロアリール)アミン一分子中の2個のヘテロアリール基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記第三級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいトリアルキルアミン、ジアルキルモノアリールアミン等が例示できる。
前記トリアルキルアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、トリアルキルアミン一分子中の3個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、3個のアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部のみが異なっていてもよい。
好ましい前記トリアルキルアミンとして、具体的には、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、ジアルキルモノアリールアミン一分子中の2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。
前記第四級アンモニウム塩としては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいハロゲン化テトラアルキルアンモニウム等が例示できる。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19であることが好ましい。また、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム一分子中の4個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、4個のアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部のみが異なっていてもよい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示できる。
好ましい前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムとして、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラドデシルアンモニウムブロミドが例示できる。
ここまでは、主に鎖状のアミン及びアンモニウム塩について説明したが、前記アミン化合物及びアンモニウム塩は、アミン又はアンモニウム塩を形成している窒素原子が環骨格(複素環骨格)の一部であるようなヘテロ環化合物であってもよい。すなわち、前記アミン化合物は環状アミンでもよく、前記アンモニウム塩は環状アンモニウム塩でもよい。この時の環(アミン又はアンモニウム塩を形成する窒素原子を含む環)骨格は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されず、脂肪族環及び芳香族環のいずれでもよい。
環状アミンであれば、好ましいものとして、ピリジンが例示できる。
前記第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン及び第四級アンモニウム塩において、「置換基で置換されていてもよい水素原子」とは、アミン又はアンモニウム塩を形成している窒素原子に結合している水素原子以外の水素原子である。この時の置換基の数は特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよく、前記水素原子のすべてが置換基で置換されていてもよい。置換基の数が複数の場合には、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、複数個の置換基はすべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみが異なっていてもよい。また、置換基の位置も特に限定されない。
前記アミン化合物及びアンモニウム塩における前記置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、トリフルオロメチル基(−CF)等が例示できる。ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基が置換基を有する場合、かかるアルキル基は、置換基としてアリール基を有する、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は置換基として好ましくは炭素数が1〜5のアルキル基を有する、炭素数が3〜7の環状のアルキル基が好ましく、このようなモノアルキルアミンとして、具体的には、2−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。また、これらモノアルキルアミンが、さらに置換基としてハロゲン原子を有するものも好ましく、このようなモノアルキルアミンとしては、2−ブロモベンジルアミンが例示できる。
前記モノアリールアミンを構成するアリール基が置換基を有する場合、かかるアリール基は、置換基としてハロゲン原子を有する、炭素数が6〜10のアリール基が好ましい。
前記ジアルキルアミンを構成するアルキル基が置換基を有する場合、かかるアルキル基は、置換基として水酸基又はアリール基を有する、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、このようなジアルキルアミンとして、具体的には、ジエタノールアミン、N−メチルベンジルアミンが例示できる。
前記アミン化合物は、2−エチルヘキシルアミン、2−フェニルエチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−プロピルアミン、tert−ブチルアミン、エチレンジアミン、N−メチル−n−ヘキシルアミン、n−オクタデシルアミン、シクロヘキシルアミン、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N−メチルベンジルアミン又はN,N−ジメチルシクロヘキシルアミンであることが好ましい。
本発明においては、アミン化合物のみを使用してもよいし、アンモニウム塩のみを使用してもよく、アミン化合物及びアンモニウム塩を併用してもよいが、アミン化合物のみを使用することが好ましい。
前記アミン化合物及びアンモニウム塩は、いずれも一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物において、アミン化合物及びアンモニウム塩の総配合量は、β−ケトカルボン酸銀(1)の配合量1モルあたり1〜10モルであることが好ましく、1.5〜7モルであることがより好ましい。下限値以上であることで、銀インク組成物の安定性がより向上し、上限値以下であることで、銀層の品質がより向上する。
(アルコール)
前記銀インク組成物は、β−ケトカルボン酸銀(1)以外に、さらにアルコールが配合されてなるものでもよい。
前記アルコールは、下記一般式(2)で表されるアセチレンアルコール類(以下、「アセチレンアルコール(2)」と略記することがある)であることが好ましい。
Figure 2014049644
(式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。)
式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。
R’及びR’’における炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。R’及びR’’における前記アルキル基としては、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
R’及びR’’におけるフェニル基の水素原子が置換されていてもよい前記置換基としては、炭素数が1〜16の飽和又は不飽和の一価の脂肪族炭化水素基、該脂肪族炭化水素基が酸素原子に結合してなる一価の基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基、シアノ基、フェノキシ基等が例示でき、Rにおけるフェニル基の水素原子が置換されていてもよい前記置換基と同様である。そして、置換基の数及び位置は特に限定されず、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
R’及びR’’は、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
好ましいアセチレンアルコール(2)としては、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オールが例示できる。
銀インク組成物において、アセチレンアルコール(2)の配合量は、β−ケトカルボン酸銀(1)の配合量1モルあたり0.03〜0.7モルであることが好ましく、0.05〜0.3モルであることがより好ましい。下限値以上であることで、銀インク組成物の安定性がより向上し、上限値以下であることで、銀層の品質がより向上する。
前記アルコールは、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合で、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物は、β−ケトカルボン酸銀(1)、アミン化合物及び/又はアンモニウム塩、並びにアルコール以外の、その他の成分が配合されてなるものでもよい。
前記その他の成分は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。
銀インク組成物において、配合成分の総量に占める前記その他の成分の配合量の比率(配合比)は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
前記その他の成分は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合で、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
銀インク組成物中の成分は、すべて溶解していてもよいし、一部又はすべてが溶解していなくてもよいが、溶解していない成分は、均一に分散されていることが好ましい。
銀インク組成物は、β−ケトカルボン酸銀(1)、及びβ−ケトカルボン酸銀(1)以外の成分を配合することで得られる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法、ミキサーを使用して混合する方法、超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
配合時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、−5〜30℃であることが好ましい。
銀インク組成物は、受容層形成用組成物と同様の方法で、受容層上に付着させればよい。
銀層形成工程においては、受容層に付着させるβ−ケトカルボン酸銀(1)の量を調節することで、銀層の厚さを調節できる。この場合、受容層に付着させる銀インク組成物の量、又は銀インク組成物のβ−ケトカルボン酸銀(1)の含有量を調節すればよい。
受容層上に付着させた銀インク組成物の加熱(焼成)処理の条件は、銀インク組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよい。通常は、加熱温度が60〜210℃であることが好ましく、70〜180℃であることがより好ましい。加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、0.2〜12時間であることが好ましく、0.4〜10時間であることがより好ましい。β−ケトカルボン酸銀(1)は、例えば、酸化銀等のその他の金属銀形成材料とは異なり、当該分野で公知の還元剤等を使用しなくても、低温で分解する。そして、このような分解温度を反映して、前記銀インク組成物は、上記のように、その他のものより極めて低温で金属銀を形成できる。
銀インク組成物の加熱処理の方法は特に限定されず、例えば、電気炉による加熱、感熱方式の熱ヘッドによる加熱等で行うことができる。また、銀インク組成物の加熱処理は、大気下で行ってもよいし、不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。そして、常圧下及び減圧下のいずれで行ってもよい。
銀インク組成物を用いて形成した銀層は、基材と対向する面に限らず、その表面の表面粗さRaが0.3μm以下となり、滑らかな表面を有するので、特に高周波用途において、信号の伝送損失が低減される。そして、表面がこのように滑らかでも、基材との密着性が高い。
例えば、β−ケトカルボン酸銀(1)ではなく金属銀が配合されてなる、従来の銀ペーストを用いた場合、かかる銀ペーストには、金属銀以外にバインダーとして樹脂を配合することが必要となり、このような銀ペーストを用いて形成した銀層は、この樹脂に起因して導電性が低下することがある。これに対して、β−ケトカルボン酸銀(1)が配合されてなる銀インク組成物には、上記のような樹脂を配合する必要がないので、形成した銀層は、導電性が高い。
<データ受送信体、通信機器>
本発明のデータ受送信体は、上記本発明のアンテナ構造体を用いたことを特徴とし、かかるアンテナ構造体を用いたこと以外は、公知のデータ受送信体と同様の構成とすることができる。例えば、図1に示すアンテナ構造体1において、基材2又は受容層3上に、導電層4と電気的に接続されたICチップを設けてアンテナ部とすることにより、非接触型データ受送信体を構成できる。
また、本発明の通信機器は、上記本発明のアンテナ構造体を用いたことを特徴とし、アンテナ部として前記アンテナ構造体を用いたこと以外は、公知の通信機器と同様の構成とすることができる。例えば、前記アンテナ構造体に加え、音声入力部、音声出力部、操作スイッチ、表示部等を組み合わせることにより、携帯電話機を構成できる。
本発明のデータ受送信体及び通信機器は、従来よりもさらなる軽量化及び薄層化が容易なものである。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
<アンテナ構造体の製造>
[実施例1]
(銀インク組成物の製造)
表1に示すように、2−メチルアセト酢酸銀、2−エチルヘキシルアミン、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(エアープロダクツジャパン社製「サーフィノール61」)を、配合成分の総量に占める配合量の比率(配合比)がそれぞれ24.7質量%、74.3質量%、1.0質量%となるように配合し、室温下(25℃)で60分間撹拌することにより、銀インク組成物を得た。銀インク組成物の粘度は14.2mPa・sであった。
(アンテナ構造体の製造)
表1に示すように、化合物(3)としてN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン((CHO)Si(CHNH(CHNH、信越シリコーン社製「KBM603」)、2−プロパノールを、配合成分の総量に占める配合量の比率(配合比)がそれぞれ5質量%、95質量%となるように配合し、室温下(25℃)で60分間撹拌することにより、受容層形成用組成物を得た。受容層形成用組成物の粘度は2〜3mPa・sであった。
次いで、ポリエチレンテレフタレート製の基材(厚さ100μm)上に、スピンコータを用いてこの受容層形成用組成物を塗布し、オーブンを用いて120℃で10分間加熱処理することにより、基材上に厚さ0.3μmの受容層を形成した。受容層の厚さは、ハイブリッド顕微鏡(キーエンス社製「VN−8010」)を用いて測定し、その平均値(平均膜厚)を算出して、その値を厚さとして採用した。
次いで、インクジェット装置を用いて、この受容層上に上記で得られた銀インク組成物をパターニングして塗布し、オーブンを用いて120℃で60分間加熱処理することにより、受容層上に厚さ0.2μmの銀層を形成し、図1に示すアンテナ構造体を製造した。銀層の厚さは、ハイブリッド顕微鏡(キーエンス社製「VN−8010」)を用いて測定し、その平均値(平均膜厚)を算出して、その値を厚さとして採用した。
<アンテナ構造体の評価>
得られたアンテナ構造体について、ハイブリッド顕微鏡(キーエンス社製「VN−8010」)を用いて、銀層の基材と対向する面の表面粗さRaを測定した結果、0.029μmであった。
また、電気抵抗測定装置(三菱化学社製「MCP−T610」)を用いて、銀層の表面抵抗値を測定し、この表面抵抗値に上記の銀層の厚さの値を乗じて、銀層の体積抵抗率を算出した結果、10mΩ・cmであった。
また、基材及び導電層について、JIS K 5600−5−6に準拠した密着性試験を行った結果、25/25 分類0を満たすことが確認された。
また、銀層について、JIS K 5600−5−6に準拠した硬度試験を行った結果、6B〜6Hの14段階に対して、鉛筆硬度>5Hを満たすことが確認された。
アンテナ構造体のこれら評価結果を表2に示す。
さらに、HP E4991A RF Impedance/Material Analyzer MicroProbe ACP−40を用いて、得られたアンテナ構造体について、周波数の変化に対するインピーダンス|Z|及び位相角θzの変化を測定した。インピーダンス|Z|の変化の測定結果を図2に、位相角θzの変化の測定結果を図3に、それぞれ示す。
[実施例2]
表1に示すように、化合物(3)として、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランに代えて、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン((CHO)Si(CH)(CHNH(CHNH)を用いたこと以外は、実施例1と同様にアンテナ構造体を製造し、評価を行った。評価結果を表2に示す。
[比較例1]
受容層を設けず、さらに導電層として、銀インク組成物を用いて銀層を形成するのに代えて、従来法に従って銅箔(厚さ18μm)を用いて銅層を形成したこと以外は、実施例1と同様にアンテナ構造体を製造し、評価を行った。銅層は、ウェットエッチングによりパターニングし、接着層を介して基材上に設けた。評価結果を表2に示す。
[比較例2]
受容層を設けず、さらに導電層として、銀インク組成物を用いて銀層を形成するのに代えて、従来法に従ってアルミ箔(厚さ9μm)を用いてアルミニウム層を形成したこと以外は、実施例1と同様にアンテナ構造体を製造し、評価を行った。アルミニウム層は、ウェットエッチングによりパターニングし、接着層を介して基材上に設けた。評価結果を表2に示す。
Figure 2014049644
Figure 2014049644
表1及び2に示すように、実施例1及び2のアンテナ構造体は、導電層が薄層化されたものでありながら、基材との密着性が高く、導電性の低下が抑制されていた。比較例1及び2のアンテナ構造体は、基材及び導電層の密着性、並びに導電層の硬度について、実施例1及び2と同じ方法での評価が困難であるため、未評価であるが、その構成から、実施例1及び2と同様の優れた特性を有していると推測される。しかし、導電層は金属箔から構成されているため、その薄層化は困難である。
また、実施例1のアンテナ構造体は、比較例1のアンテナ構造体と同様に、共振周波数f0が目的とする値になっており、アンテナ性能に優れることを確認できた。
本発明は、データ受送信体、又は携帯電話機等の通信機器に利用可能である。
1・・・アンテナ構造体、2・・・基材、21・・・基材の導電層と対向する面、3・・・受容層、4・・・導電層、42・・・導電層の基材と対向する面

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材上に設けられた導電層と、を備えたアンテナ構造体であって、
    前記導電層は、厚さが9μm未満で、且つ前記基材と対向する面の表面粗さが0.3μm未満であり、
    JIS K 5600−5−6に準拠した、前記基材及び導電層の密着性試験において、25/25 分類0を満たすことを特徴とするアンテナ構造体。
  2. 前記基材及び導電層間に、さらに受容層を備え、
    JIS K 5600−5−4に準拠した、前記導電層の硬度試験において、鉛筆硬度>5Hを満たすことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ構造体。
  3. 前記受容層が、下記一般式(3)で表される化合物を用いて形成されたものであることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ構造体。
    Figure 2014049644
    (式中、R11は炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシアルキル基又はアルキルカルボニル基であり;R12は炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であり;R13は炭素数1〜10のアルキレン基であり;R14は炭素数1〜5のアルキレン基であり、該アルキレン基中の1個以上のメチレン基はカルボニル基で置換されていてもよく;Zはアミノ基、メルカプト基又は炭素数6〜12のアリール基であり;m1は2又は3であり、複数個のR11は互いに同一でも異なっていてもよく;m2及びm3はそれぞれ独立に0又は1であり、ただし、Zがアミノ基である場合には、m2及びm3の少なくとも一方は1である。)
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のアンテナ構造体を用いたことを特徴とするデータ受送信体。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のアンテナ構造体を用いたことを特徴とする通信機器。
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