JP2014040623A - 溶銑の脱りん方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スロッピングを抑制して処理後溶銑中P濃度を0.020質量%以下とする。
【解決手段】上底吹き転炉を用い、全CaO質量を装入塩基度が1.2以上1.7以下となるような質量とし、粒径1〜30mmの塊状生石灰と、粒径1〜50mmでカルシウムフェライトを90質量%以上含む塊状精錬剤の2種類をCaO源とし、底吹きガス流量を溶銑1トン当たり0.2〜0.5Nm/minとし、上吹きランスから溶銑へ酸素を吹き付けて脱りん処理を開始した時点から、上吹き酸素の全吹付け時間の30〜50%が経過する時点までの期間の上吹き酸素吹付け速度を溶銑1トン当たり1.2〜2.4Nm/min、前記期間の終了後から上吹き酸素吹付け終了までの期間の上吹き酸素吹付け速度を溶銑1トン当たり0.9〜1.2Nm/minとし、脱燐処理後の溶銑中C濃度を3.8質量%以上として行う溶銑脱りん処理方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、上底吹き転炉で蛍石を用いずに、少ないCaO原単位で効率よく低りん銑を溶製する方法に関する。
近年、鋼材に対する要求が高度化し、低りん鋼に対する需要が増加している。現在、溶銑の脱りん処理は、熱力学的に有利な溶銑段階の低温条件において処理する方法によって、広く一般に行われている。溶銑脱りん装置としては上底吹き転炉が適している。それは、脱りんに必要な酸化剤として、固体酸化剤に比べて熱ロスの少ない気体酸素を、上吹きランスから高速で溶銑に吹き付けることが可能なためである。
溶銑脱りんは、溶銑段階の低温条件において行われるため、脱りん剤として使用されるCaOの滓化を促進させることが重要である。CaOの滓化には蛍石(CaF)の使用が効果的であるが、蛍石を使用した場合にはCaOの滓化により発生したスラグがフッ素(F)を含有するため、スラグの再利用先が大幅に制限されるなどの弊害が大きい。そのため、蛍石を用いないCaO滓化促進方法が開発されてきた。
その方法として、例えば、脱りん処理後のスラグの塩基度(CaO質量濃度/SiO質量濃度)が1.8以上2.6以下となるようにし、精錬剤の少なくとも一部をカルシウムフェライトとすることと併せて、粒径が3mm以下の生石灰を上吹きランスより酸素と共に溶銑へ吹き付ける方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、溶銑脱りん中には、固体酸化剤や気体酸素によって脱炭反応も進行する。その際に発生するCOガスによってスラグが膨張(以下フォーミングと称する)し、炉口からスラグが横溢(以下、スロッピングと称する)してしまう場合がある。スロッピングが発生すると、脱りん剤が十分に反応する前に炉外へ噴出してしまうため脱りん剤の利用効率が低下してしまうことや、炉外へ噴出したスラグの回収作業等のため生産効率が著しく低下してしまう、等の問題が生じる。
その対策としてフォーミングスラグ中へコークス粉を吹き込んで、フォーミングを沈静させる方法が開発されている(特許文献2参照)。
また、上底吹き転炉で溶銑脱りん処理する際に、溶銑中[P]を酸化してスラグに固定して脱りんするために必要な上吹き送酸速度として、対象溶銑1トン当たり1.4〜2.2Nm/minが提案されている(特許文献3参照)。送酸速度が小さいとスラグ中(FeO)濃度が十分に確保できず脱りん速度が遅くなって十分な脱りんができず、送酸速度が大きすぎると脱りんは進行するものの処理後溶銑中[C]濃度が低下し、その後の工程における熱裕度が不足してしまうため好ましくない、としている。
特開2010−1536号公報 特開平4−329813号公報 特許第3671000公報
特許文献1により開示された方法では、処理後スラグの塩基度が1.8未満であると脱りん処理に有効なCaOの存在量が少ないので脱りん処理の能力が低く、処理後りん濃度が目標値(0.025質量%以下)を達成できない場合が生じる(特許文献1の段落0019〜0020参照)。
しかしながら、処理後スラグの塩基度を1.8以上に高めようとすると、CaO原単位が増加し、しかもその増加分をカルシウムフェライトで補う場合は、処理コストが顕著に増加してしまう。それは、生石灰に比べてカルシウムフェライトの単価が非常に高いからである。
そこで、特許文献1により開示された方法では、装入塩基度が1.5程度の場合は粒径が5mm以下の生石灰を添加することにより対応し、装入塩基度がそれ以上に高い場合は融点の低いカルシウムフェライトで補うこととしている。その方法において、装入塩基度とは、(使用する生石灰に含まれているCaOの質量)/(使用する溶銑とスクラップに含有されているSi質量×2.14+使用する副原料に含まれるSiOの質量)をいう。
ところが、装入塩基度が1.2〜1.8の場合にはスラグが非常にフォーミングし易いため、添加したカルシウムフェライトがスロッピングと共に炉外へ噴出してしまう頻度が高い。すると、スラグの塩基度(スラグを分析して得られたCaOの質量/SiOの質量)が十分に上がらないため脱りん率が低下してしまう。
また、装入塩基度が1.2〜1.8と低い場合には、吹錬後半から出湯までの間に生じるスラグ中(FeO)濃度低下挙動や温度推移によって脱りん挙動が大きく変化するため、処理後溶銑中[P]濃度が大きくバラついてしまうという問題がある。それについての対処法は記載されていない。
特許文献2により開示された方法では、コークス粉をスラグへ吹き込むための装置が必要であり、また、当然ながらコークス粉のコストがかかる。更には、コークス粉は非常に硬いため輸送用の配管の損耗が著しいという問題もある。
特許文献3により開示された方法では、脱りんするために必要な上吹き送酸速度として、対象溶銑1トン当たり1.4〜2.2Nm/minとしている。実施例を見ると、スラグ塩基度(CaO/SiO)が1.7〜2.1と高く、処理後温度が1350〜1370℃と高い条件での、適切な上吹き送酸速度であることがわかる。
しかしながら上記スラグ塩基度を実現するためには、CaO原単位が増加してしまうという問題がある。また、脱りん率を高めるために処理後温度を1330℃以下とする場合、処理後[C]濃度を高めなければ、その後の工程における熱裕度が不足してしまうという問題もある。
このように、装入塩基度が1.7以下で、処理後温度が1330℃以下とした条件で、吹錬中のスロッピングを回避し且つ処理後[C]濃度を3.8%以上確保するために必要な上吹き送酸速度については、何ら記載されていない。また、その際に生じてしまう脱りん率の大きなバラつき問題についても何ら言及されていない。
本発明は、以下に列記の内容を実現することを目的とする。
(1)脱りん率のバラつきを低減し、処理後溶銑中[P]濃度を0.020質量%以下とすること。
(2)できるだけ少ないCaO原単位で溶銑脱りんすること(処理後スラグ塩基度を1.7以下とすること)。
(3)カルシウムフェライト原単位をできるだけ低減すること。
(4)吹錬中のスロッピングを抑制すること。
(5)処理後溶銑中[C]濃度を3.8質量%以上とすること。
本発明は、下記の通りである。
1.上底吹き転炉を用いて溶銑脱りん処理を行うに際し、当該処理に用いる全CaO質量を装入塩基度が1.2以上1.7以下となる範囲で定め、そのCaO源として、粒径1〜30mmの塊状生石灰、粒径1〜50mmでカルシウムフェライトを90質量%以上含む塊状精錬剤の2種類を、それぞれ次の(A)〜(B)のように調整して用い、かつ、底吹きガス流量を溶銑1トン当たり0.2〜0.5Nm/minとして上吹きランスから溶銑へ酸素を吹き付けて脱りん処理を開始した時点から、上吹き酸素の全吹付け時間の30〜50%が経過する時点までの期間の上吹き酸素吹付け速度を溶銑1トン当たり1.2〜2.4Nm/min、前記期間の終了後から上吹き酸素吹付け終了までの期間の上吹き酸素吹付け速度を溶銑1トン当たり0.9〜1.2Nm/minとし、脱燐処理後の溶銑中C濃度を3.8質量%以上とすることを特徴とする溶銑脱りん処理方法。
(A)粒径1〜30mmの塊状生石灰
(1)初期装入塩基度で0.3以上0.8以下となる範囲で、上吹きランスから溶銑へ酸素を吹き付けて脱りん処理を開始する前もしくはその開始から上吹き酸素の全吹付け時間の35%が経過する時点までに、転炉の上方から炉内への投入を完了する。
(2)その内、初期装入塩基度で0.3以上となる量は、脱りん処理を開始後1分間以内に、転炉の上方から炉内に投入する。
(B)粒径1〜50mmでカルシウムフェライトを90質量%以上含む塊状精錬剤
(1) 前記した当該処理に用いる全CaO質量と前記塊状生石灰に含まれるCaO質量との差に基づいて算出される必要な追加CaO質量を、粒径1〜50mmでカルシウムフェライトを90質量%以上含む塊状精錬剤を用いて、上吹き酸素の全吹付け時間の35%が経過した時点より後であって、その80%が経過するまでの間に転炉の上方から炉内へ投入する。
(2)但し、上記塊状精錬剤による追加CaO質量は、上記必要な追加CaO質量が溶銑1トン当たり1.6kg未満となったときは溶銑1トン当たり1.6kgとし、前記した装入塩基度が1.2以上1.7以下となる範囲内において、初期装入塩基度で0.3以上を確保できる範囲で、前記塊状生石灰の使用量を減らす調整を行う。
2.前記必要な追加CaO質量のうち、塊状精錬剤による追加CaO質量で溶銑1トン当たり1.6kgを超えるCaO質量の一部または全部を、粒径3mm以下の粉状生石灰を用いて、上吹き酸素の全吹付け時間の40%が経過した時点以前から、その70%が経過した時点以降にまで、上吹きランスから酸素とともに溶銑へ継続的に吹き付けることを特徴とする上記第1項に記載の溶銑脱りん方法。
本発明において「装入塩基度」とは、(前記した3種類のCaO源、即ち塊状生石灰及び塊状精錬剤、並びに粉状生石灰に含まれるCaO質量の合計)/(使用する溶銑とスクラップ中に含まれるSi質量の合計×2.14)である。
また、「初期装入塩基度」とは、(前記した塊状生石灰中のCaO質量)/(使用する溶銑とスクラップ中に含まれるSi質量の合計×2.14)である。
本発明において「カルシウムフェライト」とは、CaOとFeとの化合物であって、CaOとFeとの割合は質量比で4:6〜2:8のものをいい、この「カルシウムフェライトを90質量%以上含む精錬剤」とは、前記カルシウムフェライトを90質量%以上含んでいるプリメルト精錬剤である。不純物として、前記カルシウムフェライト以外の形態で含まれるCaOやAl、MgOなどを含んでいる。
本発明によれば、蛍石を用いずに、CaO源の一部としてカルシウムフェライトを含む精錬剤を用い、上吹き送酸速度を吹錬途中で低下させることによって、装入塩基度で1.2〜1.7という少ないCaO原単位で、高価なカルシウムフェライトを含む精錬剤の使用量を低減すると共に吹錬中のスロッピングを抑制し、処理後溶銑中[C]濃度を3.8質量%以上にし、効率よく脱燐処理後の溶銑中[P]濃度を0.020質量%以下にすることができる。
以下、本発明を説明する。
本発明では、高炉から出銑された溶銑に対して、上底吹き転炉を用いて溶銑脱りん処理を行う。高炉から出銑された溶銑の成分は、質量%で、C:4.4〜4.7%、Si:0.2〜0.5%、Mn:0.2〜0.4%、P:0.100〜0.130%程度で、転炉への装入前温度は1320〜1400℃程度である。この溶銑を脱燐処理して、処理後の成分を、質量%で、C:3.8〜4.0%、Si:0.02%以下、Mn:0.2%以下、P:0.020%以下にし、処理後の温度を1300〜1330℃にする。
上吹きランスからの酸素吹付け開始時からその吹付け時間全体の30〜50%が経過するまでの期間の上吹き酸素吹付け速度を対象溶銑1トン当たり1.2〜2.4Nm/min(以下、ガス供給速度の単位を、Nm/min/tと表す。)、その酸素吹付け期間の終了後から酸素吹付け終了までの期間の上吹き酸素吹付け速度を0.9〜1.2Nm/min/tとして、溶銑に6〜10分間吹き付ける。酸素ガスの吹付け中には、転炉の炉底に設置した底吹きノズルから撹拌ガスを0.2〜0.5Nm/min/tで、溶銑中へ吹き込む。
脱りん処理に用いるCaO源としては、粒径1〜30mmの塊状生石灰および粒径1〜50mmでカルシウムフェライトを90質量%以上含む塊状精錬剤の2種類を基本とし、さらに粒径3mm以下の粉状生石灰を用いると好ましい。それらの使い分けは、装入塩基度が1.2以上1.7以下となる範囲で当該脱りん処理に用いるCaOの全質量を定め、その条件下で、それぞれ次の(A)〜(C)のように調整して、所定の時期に炉内へ供給する。
(A)粒径1〜30mmの塊状生石灰(以下、単に「塊状生石灰」という。)
先ず、少なくとも初期装入塩基度で0.3以上となる量を、上吹きランスから溶銑へ酸素を吹き付けて脱りん処理を開始する前もしくはその開始後1分間以内に、転炉の上方から炉内に投入する。このとき、初期装入塩基度で0.8以下となる範囲で、塊状生石灰を投入してしまっても良い。
この塊状生石灰の投入は、脱りん処理の開始から上吹き酸素の全吹付け時間の35%が経過する時点までに、炉内への投入を完了する。
なお、本発明で用いる3種類のCaO源の内、この塊状生石灰が最も安価である。本発明の目的は、前記したように「できるだけ少ないCaO原単位で溶銑脱りんすることと共に、カルシウムフェライト原単位をできるだけ低減すること」であるから、この塊状生石灰の使用比率を高めるべく、塊状生石灰による初期装入塩基度の設定は、炉内へ投入してその溶融滓化が十分に速い限り、なるべく高くすることが好ましい。
この観点から、この塊状生石灰による初期装入塩基度の設定は0.6以上0.8以下とすることが好ましい。
(B)粒径1〜50mmでカルシウムフェライトを90質量%以上含む塊状精錬剤(以下、単に「塊状精錬剤」という。)
塊状精錬剤中のCaO質量が溶銑1トン当たり1.6kg以上となるように、塊状精錬剤を上吹き酸素の全吹付け時間の35%が経過した時点より後であって、その80%が経過するまでの間に転炉の上方から炉内へ投入する。
この塊状精錬剤の使用量は、当該処理に用いる全CaO質量と前記塊状生石灰に含まれるCaO質量との差に基づいて必要な追加CaO質量を算出し、その算出結果の全部とすることが基本である。但し、その算出結果が溶銑1トン当たり1.6kg未満になるときは、この塊状精錬剤の使用量を1.6kg/tとし、前記した初期装入塊状生石灰の使用量を減らして調整する。
(C)粒径3mm以下の粉状生石灰(以下、単に「粉状生石灰」という。)
(1)前記した当該処理に用いる全CaO質量と前記塊状生石灰に含まれるCaO質量との差に基づいて必要な追加CaO質量を算出した結果、その算出結果が溶銑1トン当たり1.6を超えている場合、その必要な追加CaO質量の内で1.6kg/t以上を超える質量の一部または全部を、粒径3mm以下の粉状生石灰を用いて、上吹きランスから酸素とともに溶銑へ継続的に吹き付けると好ましい。
この吹付けは、酸素ガスを粉状生石灰のキャリアーガスとしてもよいし、窒素ガスや炭酸ガス等をキャリアーガスとしてもよいが、溶銑表面では酸素ガスが溶銑と反応して形成している高温の火点範囲内もしくはその近傍へ粉状生石灰が供給されるようにする。
この吹付け継続期間は、スラグ中に一部懸濁してしまう粉状CaOによるフォーミングスラグの破泡効果を適切に活用するために、上吹き酸素の全吹付け時間の40%が経過した時点からその70%が経過する時点までの期間を含むことが好ましい。
なお、本発明で用いる3種類のCaO源の内、この粉状生石灰が塊状生石灰に次いで安価である。本発明の目的は、前記したように「できるだけ少ないCaO原単位で溶銑脱りんすることと共に、カルシウムフェライト原単位をできるだけ低減すること」であるから、塊状生石灰の使用比率を高めた上で、前記した必要なCaOの合計質量の内での粉状生石灰の使用比率をなるべく高めることが好ましい。
但し、カルシウムフェライトを90質量%以上含む塊状精錬剤中のCaO質量を、溶銑1トン当たり1.6kg以上添加しなければ、本発明で特定する他の諸要件を満足させても、処理後の溶銑中[P]濃度を安定して0.020質量%以下にできなかった。このことから、この粉状生石灰の吹付けを行う場合の粉状生石灰による供給CaO質量は、前記した当該処理に用いる全CaO質量と前記塊状生石灰に含まれるCaO質量および前記塊状精錬剤に含まれるCaO質量(1.6kg/溶銑トン以上)の合計との差に基づいて算出されるCaO質量とする。このCaO質量を2kg/t以上確保できるような条件において粉状生石灰の吹付けを行うと、粉状生石灰使用によるスラグフォーミング抑制効果を明確に享受することができるので、一層好ましい。
本発明では、上記したように、装入塩基度1.2〜1.7と低くして脱燐処理後のP濃度が0.020%以下の溶銑を、6〜10分間という短時間の処理で溶製する。その脱りん反応に係る基礎的な条件としては、処理後の溶銑温度を低くしてスラグと溶銑間のP分配比を高くするが、その低温でも添加したCaO源を短時間で溶融滓化することが前提となる。そのため、処理後の溶銑温度を1300〜1330℃という低温に設定してもCaOの滓化率90%以上を確保できるように、本発明では3種類のCaO源を上記したように組み合わせることにした。その結果、処理後のスラグ塩基度(CaO%/SiO%)は1.2〜1.7程度とほぼ装入塩基度と同じ値を得ることができるようになった。
但し、このような低塩基度で短時間に脱りん処理すると、脱りん反応促進とは別に対処しなければならない問題として、吹錬途中にスラグがフォーミングし易く、スロッピングが増加して、結局処理効率が低下してしまうことがある。
本発明では、スロッピングが発生しやすい時期、すなわち溶銑中[Si]濃度が低下して、それに呼応して脱炭反応が進み、スラグフォーミングの原因となるCO気泡生成量が急増し始める時期、具体的には吹錬初期から30〜50%経過した時期(全吹錬時間を100%とした時の割合)までは上吹き送酸速度を1.2〜2.4Nm/min/tと高値にするが、その高速送酸期間を終えた後から吹錬終了までの期間、上吹き送酸速度を0.9〜1.2Nm/min/tと低値にする。
CO気泡を生成する脱炭反応は、上吹き送酸速度が大きいほど、また高温ほど進みやすい。よって、吹錬初期から30〜50%経過した時期から吹錬終了までの期間に上吹き送酸速度を低減することは、スロッピングを回避するのに有効となる。
但し、上吹き送酸速度を低減すると脱りんに必要なスラグ中(FeO)濃度が低下してしまう。そこで、本法では、上吹き酸素の全吹付け時間の35%が経過した時点より後であって、その80%が経過するまでの間に溶銑1トン当たり1.6kg以上のCaO質量を塊状精錬剤により添加して、脱りんに必要なスラグ中(FeO)濃度を維持することにした。前述したごとく、脱炭反応は高温ほど進行し易いのだが、塊状精錬剤中のカルシウムフェライトとして添加された酸化鉄は周囲のスラグを冷却するので、上吹き酸素に比べて脱炭速度を遅くでき、スロッピングを回避し易い。
また、周囲の低塩基度スラグよりもカルシウムフェライトは脱りん能の極めて高いものであり、しかも融点が比較的低いため、添加したカルシウムフェライトは吹錬中に十分溶融してカルシウムフェライト自体でかなり脱りんできる。
低塩基度スラグを用いる場合、スラグ中(FeO)濃度や温度の変化によって、脱りん挙動が大きく変化するため、処理後溶銑中[P]濃度がバラついてしまう。これに対し、上述のごとく吹錬途中で溶銑1トン当たり1.6kg以上のCaO質量を塊状精錬剤により添加すると、塊状精錬剤中のカルシウムフェライト自体で、ある程度脱りんできるので、スラグ塩基度やスラグ中(FeO)濃度、温度といった脱りん条件の影響を受け難くなる。その結果、処理後溶銑中[P]濃度のバラつきが抑制される。
なお、溶銑脱りんを進めるためには、溶銑中[Si]濃度を十分に低減しなければならない。それは、溶銑中[Si]濃度が[P]濃度よりも高いので、添加した酸素が脱りんよりも脱珪に優先消費されてしまうためである。よって、溶銑脱りん処理速度を高めるためには、吹錬のできるだけ早期に脱珪を終了させるのが有効である。そのための方法として、吹錬初期から30〜50%の期間の上吹き送酸速度を1.2〜2.4Nm/minと高めることが有効なのである。この期間は上吹きした酸素の大半が脱珪に消費されるため、脱炭反応で生成するCO気泡によるスロッピングは生じ難いので、上吹き送酸速度を上げることができる。
このように溶銑脱りん処理中の脱炭反応を抑制することで、処理後の[C]濃度を高くできる。溶銑脱りん率を向上するには処理後温度を低くするのが極めて有効だが、その際、処理後溶銑中[C]濃度が低下していると、次の工程で熱裕度が不足してしまうという問題が生じる。そこで、溶銑脱りん処理後温度を1300〜1330℃と低くする代わりに、処理後溶銑中[C]濃度を3.8質量%以上にすることを目標とし、本発明によってそれを達成できた。
なお、カルシウムフェライトを90%以上含む塊状精錬剤を塩基度が0.8以下という低融点のスラグに加えつつ、粉状生石灰を溶銑表面の火点およびその近傍へ供給する方法では、全体としてのCaO源の滓化を速くしてCaOの滓化遅れによるスラグフォーミングを抑制すると共に、滓化せずにスラグ中に一部懸濁してしまう粉状CaOによるフォーミングスラグの破泡効果を適切に活用することで、スラグフォーミングの鎮静効果をも享受できることが分かった。
上記した本発明に係る技術的思想を、本発明者らは、処理後溶銑中[P]濃度を0.020質量%以下にまで低減するために必要なCaOの原単位を減らし、しかも脱りん吹錬中のスロッピングを抑制できる方法として、上底吹き転炉で溶銑脱りん処理を行って具体的に確認した。
その際の検討条件項目(a)〜(g)のベース範囲を以下に記す。
(a)上底吹き転炉へ溶銑([Si]は約0.42質量%、[P]は約0.10質量%)を装入し、底吹き羽口からNガスを溶銑1トン当たり0.2〜0.5Nm/min吹き込んで攪拌する条件下で、酸素上吹き時間を6〜10分間、処理後の溶銑温度を1300〜1330℃に統一。
(b)塊状生石灰5kg/t(初期装入塩基度0.53)を吹錬前に添加し、
(c)塊状精錬剤を、上吹き酸素の全吹付け時間の35%が経過した時点より後であって、その80%が経過するまでの間に転炉の上方から炉内へ投入し、
(d)吹錬末期の装入塩基度が1.5となるようにし、
(e)吹錬初期から40%の期間の上吹き送酸速度を1.5Nm/min
(f)吹錬40%から終了までの期間の上吹き送酸速度を1.2Nm/min
(g)処理後溶銑中[C]濃度を3.8質量%以上にして、溶銑脱りん処理中のスロッピングおよび処理後溶銑中[P]質量%を検討した。
(h)さらに、カルシウムフェライト中CaO量の一部を、粉状生石灰として上吹きランスから酸素と共に溶銑へ吹き付ける場合も検討した。
(a)溶銑条件等
この調査全部にわたって共通とした。
(b)塊状生石灰添加量と添加時期
(b)を除く(a)〜(g)の標準条件下において、塊状生石灰の使用量を上記標準条件の5kg/tを中心に増減して、溶銑脱りん処理後溶銑中P質量%および処理中のスロッピング状況を調査した。
この方法で、塊状生石灰の量を増やしてカルシウムフェライトを含む塊状精錬剤の添加量を削減できれば、コスト削減を図ることができる。ただし、処理後の[P]質量%が目標値0.020質量%以下でなければならい。また、スロッピングも抑制できなければならない。
ここで、添加する生石灰は、上吹き酸素と溶銑中[Si]が反応して生成したSiOや上吹き酸素によって生成するFeO等と反応して、ある程度流動性の高いスラグを処理の早い段階で形成しなければならないものである。スラグの流動性が低いとCaO源の溶融滓化が遅れて、溶銑中[P]とスラグとの反応速度が低くなってしまうからである。
そこで、本発明者らは、通常用いている粒径1〜30mmの塊状生石灰の添加量と、処理後溶銑中[P]質量%との関係を検討した。その結果、塊状生石灰添加量が、本発明に係る「初期装入塩基度」が0.3以上0.8以下となる場合に、処理後[P]質量%が目標値0.020質量%以下となることがわかった。
この生石灰の投入時期の影響は、調査した吹錬開始前もしくは開始直後(吹錬開始後1分以内)の条件の範囲では特に認められなかった。
塊状生石灰による初期装入塩基度が0.3未満であると、カルシウムフェライトを含む塊状精錬剤添加前に生成するスラグの量が少なく、またスラグの塩基度が低すぎて粘性が高いので流動性が低くなり、添加したカルシウムフェライトを含む塊状精錬剤とスラグとの接触・伝熱が不十分となる。そのため、カルシウムフェライトを含む塊状精錬剤の温度上昇速度が低下して、カルシウムフェライトの溶解およびそれによる脱りん反応の速度が低下して、処理後[P]質量%が目標値0.020質量%よりも高くなってしまったと考えられる。
一方、塊状生石灰による初期装入塩基度が0.8を超えると、カルシウムフェライトを含む塊状精錬剤添加前に生成するスラグの流動性が低くなり、添加したカルシウムフェライトとスラグとの接触・伝熱が不十分となる。そのため、カルシウムフェライトを含む精錬剤の温度上昇速度が低下して、カルシウムフェライトを含む塊状精錬剤溶解およびそれによる脱りん反応の速度が低下して、処理後[P]質量%が目標値0.020質量%よりも高くなってしまったと考えられる。
なお、最初に添加したカルシウムフェライトが上記条件によって溶融すれば、酸化鉄濃度が高く流動性の高いスラグが形成されるため、その後に添加するカルシウムフェライトを90質量%以上含む精錬剤は容易に溶解できると考える。
ところで、本発明の目的は、前記したように「できるだけ少ないCaO原単位で溶銑脱りんすること(処理後スラグ塩基度を1.7以下とすること)と共に、カルシウムフェライト原単位をできるだけ低減すること」であるから、この塊状生石灰による初期装入塩基度はなるべく高く、前記した0.8に近くする方が望ましい。
前記したように、初期装入塩基度で0.3以上にする生石灰量は初期スラグ生成量の確保という点で重要であるが、転炉内壁耐火物の保護という観点からも0.3以上は必須である。したがって、この初期装入塩基度で0.3以上にする塊状生石灰量は、吹錬開始前もしくは開始直後(吹錬開始後1分以内)に必ず転炉内へ投入しなければならない。
但し、初期装入塩基度で0.3を超える塊状生石灰量は、その塊状生石灰の滓化速度が十分に速い範囲であれば、吹錬開始から少し遅れても構わない。前記したように、初期装入塩基度で0.8までであれば塊状生石灰の滓化が速く、炉内に生成したスラグによるカルシウムフェライトの溶解に好適である。このような初期装入塩基度で0.8までの塊状生石灰の滓化が速い条件は、溶銑中に含有されているSiの酸化時期と関係していると考えられるので、そのSiの酸化時期が終わるまでにその生石灰の投入を終えれば良い。このSi酸化時期は、通常の溶銑脱りん吹錬において、上吹き酸素の吹付け開始からその全吹付け時間の35%が経過するまでである。
なお、上記の調査において、吹錬中にスロッピングは発生しなかった。
(c)塊状精錬剤添加時期
カルシウムフェライト(組成:CaOは35質量%、Feは65質量%)を90質量%以上含む精錬剤の添加量は、前記した塊状生石灰の添加量および装入塩基度により決定されている。但し、この塊状精錬剤の添加時期については、まだ明確に定まっていない。
そこで、この塊状精錬剤の適正な添加時期について検討した。ここで、塊状精錬剤に含まれるSiO量は少ないので、前記「装入塩基度」には塊状精錬剤中のSiOを考慮しなかった。
なお、塊状精錬剤は極めて強力な冷剤なので、添加後周囲から熱を吸収して速やかに溶解するには、分割もしくは連続添加が望ましい。
そこで、前記した(a)〜(g)の調査標準条件の中で、(c)の塊状精錬剤の添加時期だけを変えて、その添加開始時期と添加完了時期のセットで適切な条件を検討した。
(i)酸素ガスを上吹きし始める前から全吹錬時間の35%が経過するまでの間に、塊状精錬剤添加を完了してしまう。
(ii)全吹錬時間の35%が経過した以降に塊状精錬剤を添加し始め、全吹錬時間の80%が経過するまでに添加を完了する。
(iii)全吹錬時間の75%が経過した以降に塊状精錬剤を添加し始め、全吹錬時間の100%が経過するまでに添加を完了する。
なお、吹錬時間は7分間程度とし、処理後の温度は約1300℃とした。
その結果、上記(ii)項の場合に処理後[P]質量%が最も低くなった。これに対し、上記(i)項の場合は、塊状精錬剤は溶銑中の[Si]と反応してしまい、塊状精錬剤による脱りん効率が低下してしまった。また、上記(iii)項の場合には、塊状精錬剤が十分に溶解して脱りん反応に寄与する前に吹錬が終了したために、塊状精錬剤による脱りん効率が低下してしまった。
以上のように、塊状精錬剤は、上記(ii)項の時期に添加することが有効であることがわかった。
なお、いずれの条件においてもスロッピングは発生しなかった。
(d)吹錬末期の装入塩基度
(b)のように初期塩基度を0.53に統一し、(c)の塊状精錬剤の使用比率を標準条件とした上で、(c)の塊状精錬剤の投入時期をそれぞれの標準条件にして、(c)の塊状精錬剤の量を増減して、処理後の装入塩基度を1.5を中心に増減し、処理後溶銑中[P]質量%の関係を検討した。
その結果、後記する表1に示すように、装入塩基度が1.2未満では、処理後[P]質量%が目標値0.020質量%より高くなってしまうことが分かった。
装入塩基度が高いほど脱りん率が向上することは明らかであるが、装入塩基度を高めるためにはCaO添加原単位を増やさねばならず、処理コストが増加してしまう。
したがって、上記した諸対策を採ることで、装入塩基度を1.7以下としても脱りん率を向上できることが分かったが、装入塩基度1.2未満では処理後[P]を目標値0.020質量%以下にまで低減することは困難と分かった。
(e)吹錬前期の溶銑1トン当たりの上吹き送酸速度とその送酸速度維持期間
吹錬開始から上吹き送酸速度1.5Nm/min/tで溶銑脱りんして、吹錬30%より前に送酸速度を1.2Nm/min/t未満へ低減したところ、吹錬中にスロッピングは発生しなかったが、処理後の[P]濃度が0.020質量%よりも高くなってしまった。
溶銑脱りん処理では、吹錬初期に上吹き酸素や添加した酸化鉄源によってFeOが生成し、スラグ中(FeO)濃度が上昇する。しかしながら、吹錬の進行に伴い、スラグ中(FeO)は溶銑中の成分(主に[Si]と[C])によって還元されて、スラグ中(FeO)濃度は低下する。そして、吹錬末期のスラグ中(FeO)濃度が低くなり過ぎると、脱りん不良が生じてしまう。この傾向は、スラグ塩基度が低い場合に顕著である。したがって、吹錬初期にスラグ中(FeO)濃度を高めて処理後[P]濃度を0.020質量%以下にまで低減するには、吹錬開始から30%よりも長い期間、上吹き送酸速度を高値(1.5Nm/min/t)に維持しなければならないことがわかった。
一方、吹錬開始から50%超まで上吹き送酸速度を高値(1.5Nm/min/t)に維持すると、吹錬中にスロッピングが生じた。これは、上吹き送酸速度が高値の間に生成したFeO量が多く、スラグ中(FeO)濃度が非常に高くなったため、吹錬後半にスラグ中(FeO)と溶銑中[C]との反応で生成するCO気泡が多すぎたことによる。
吹錬開始から50%まで上吹き送酸速度を1.2Nm/min/t未満としたところ、吹錬中にスロッピングは発生しなかったが、処理後の[P]濃度が0.020質量%よりも高くなってしまった。これは、吹錬初期に生成するFeO量が少なく、吹錬末期のスラグ中(FeO)濃度が低くなり過ぎたためである。
一方、吹錬開始から30%まで上吹き送酸速度を2.4Nm/min/t超としたところ、吹錬中にスロッピングが生じた。これは、上吹き送酸速度が高値の間に生成したFeO量が多く、スラグ中(FeO)濃度が非常に高くなったため、吹錬後半にスラグ中(FeO)と溶銑中[C]との反応で生成するCO気泡が多すぎたことによる。
(f)吹錬後期の溶銑1トン当たりの上吹き送酸速度とその送酸速度維持期間
吹錬50%から送酸速度を0.9Nm/min/t未満へ低減したところ、吹錬中にスロッピングは発生しなかったが、処理後の[P]濃度が0.020質量%よりも高くなってしまった。
これは、上吹き送酸速度低下後、スラグ中(FeO)が溶銑中の成分(主に[C])によって還元されて吹錬末期のスラグ中(FeO)濃度が低くなり過ぎたことによる。
一方、吹錬30%から送酸速度を1.2Nm/min/t超としたところ、吹錬中にスロッピングが発生した。これは、吹錬後半に上吹き酸素と溶銑中[C]との反応で生成するCO気泡が多すぎたことによる。
(g)処理後溶銑中[C]質量%
(a)〜(f)の標準条件の下で、処理後溶銑中[C]質量%について検討した。処理後溶銑中[C]が3.8質量%未満にまで低下すると、吹錬中にスロッピングが発生した。
スロッピングの基となるスラグフォーミングを抑制するには、脱りん処理中に並行して生じる脱炭反応を抑制し、COガス発生量を低減しなければならない。溶銑脱りん処理中に添加した酸素源は、主に脱珪反応と脱炭反応に消費され、一部がその他の元素([Mn]や[P])との反応や二次燃焼(二次燃焼反応:CO+O=CO)に消費される。
吹錬初期は主に脱珪反応が進み、溶銑中[Si]質量%の低下に伴い徐々に脱炭反応量が増えていく。すなわち、脱りん吹錬中に溶銑中[C]質量%が低下していくが、その速度は溶銑中[Si]質量%の低下に伴って増加する。その結果、[C]質量%が下がるほどCOガス発生速度が増加し、それがスラグフォーミング量を増やして、スロッピングを起こすのである。
今回の知見から、処理後溶銑中[C]質量%を3.8質量%以上にすれば吹錬中のスロッピングを抑制できた原因の一つは、CO発生速度がスロッピングを発生する程のレベルに達しなかったためと考えられる。
本発明のように塊状生石灰にカルシウムフェライトを合理的に組み合わせて用いる脱りん処理では、処理効率を最も高めるためには、処理後の溶銑中C濃度を3.8質量%以上とする酸素供給条件(上述の(e)(f))で、上吹きする酸素ガス量の調整を中心にスラグ中の酸化鉄濃度や溶銑温度を調整する目的で適宜使用する固体酸化鉄源(スケール等)を用いて脱りん処理を行う必要があるのである。この処理後の溶銑中C濃度は高ければ高いほど処理効率が高いと言え、処理後溶銑の含熱量も高くなって好ましいのであるが、本発明の処理方法においても処理後溶銑中のC濃度が4.0%を超える条件では、処理後の溶銑中P濃度を安定して0.020%以下にすることが難しくなる。したがって、処理後溶銑中C濃度は実際上4.0%以下が適切といえる。
(h)粉状生石灰の上吹き添加量と塊状精錬剤添加量の下限
(c)を除く(a)〜(g)の標準条件下において、(h)の粉状生石灰の吹付け条件と(c)の塊状精錬剤の添加条件を検討した。
本発明においては、「当該処理に用いる全CaO質量と塊状生石灰に含まれるCaO質量との差に基づいて必要な追加CaO質量を算出し、その必要な追加CaO質量を基本的には塊状精錬剤を用いて(c)の条件で添加すること」を基本としている。
しかし、その塊状精錬剤で添加するCaO質量の一部を粉状生石灰を用いて添加すると、脱りん処理中のスロッピング抑制と脱りん処理後溶銑中[P]質量%の低減に効果的との知見を得ている。但し、脱りん処理に必要な追加CaO質量としての塊状精錬剤の一部を、粉状生石灰を用いて添加することになるので、この(h)と(c)の条件は相互に影響しあう関係にある。
そこで、本発明の目的が「できるだけ少ないCaO原単位で溶銑脱りんすること(装入塩基度を1.7以下とすること)と共に、カルシウムフェライト原単位をできるだけ低減すること」ということに鑑みて、適切な塊状生石灰使用条件の下で、必要な追加CaO質量の内、塊状脱りん剤添加量の下限について、溶銑脱りん処理後溶銑中[P]質量%および処理中のスロッピング状況を基に検討した。
この調査では、粉状生石灰の吹付け時期と塊状精錬剤の投入時期は、それぞれ(h)と(c)に記載した標準条件に先ず統一して調査した。
溶銑中[Si]質量が約0.42%なので、吹錬末期の装入塩基度を1.5とするために必要なCaO量は約13.5kg/tである。(b)のように塊状生石灰約5kg/tを吹錬前に投入するので、粉状生石灰中CaO量とカルシウムフェライトを含有する塊状精錬剤中CaO量の和は、約8.7kg/tとなる。但し、生石灰中のCaO濃度は95質量%である。
この条件を満足するように粉状生石灰中CaO量と塊状精錬剤中CaO量を変更して、処理後の溶銑中[P]質量%および吹錬中のスロッピング挙動を検討した。
その結果、塊状精錬剤中のCaO質量を溶銑1トン当たり1.6kg以上とすれば、吹錬末期の装入塩基度を1.5とするために必要なCaO質量を粉状生石灰中のCaO質量として、上吹きランスから酸素とともに溶銑へ吹き付けても、処理後[P]質量%を目標値0.020質量%以下に低減できることがわかった。
酸素とともに溶銑へ吹き付けた粉状生石灰は火点でCaO−FeO系溶融スラグを形成して脱りんに寄与するため、ある程度は塊状精錬剤中のCaOを代替できるが、火点で生成したCaO−FeO系溶融スラグは高温であるため、カルシウムフェライトが溶融して生成した比較的低温のCaO−FeO系溶融スラグよりは脱りん能が劣るのである。それは、脱りん反応が発熱反応なため、低温ほど脱りん率が向上することによる。
また、塊状精錬剤中のCaO質量を溶銑1トン当たり1.6kg以上としておけば、塊状精錬剤中のCaO分と粉状生石灰中のCaO分との合計の80%までは粉状生石灰中のCaO質量に置換できることも分かったので、その範囲でこの粉状生石灰への置換比率を高くする方が脱燐剤コストは低下することができて好ましい。
粉状生石灰の吹付けは、上吹き酸素の全吹付け時間の40%が経過した時点以前から、その70%が経過した時点以降にまで、上吹きランスから酸素とともに溶銑へ継続的に吹き付けると、その滓化が速いことに加えてその粉状生石灰の一部がフォーミングスラグ中に懸濁することによる破泡効果を発揮するため、一層好ましい。
前述したごとく、上吹き酸素の全吹付け時間の40%が経過した時点から、その70%が経過した時点までは、急激に脱炭反応が進行する期間であり、スロッピングが発生しやすいのである。本発明のように上吹き酸素の全吹付け時間の30〜50%以降に、上吹き酸素流量を低減することでスロッピングをかなりの程度抑制できるが、それに加えて上述のCaO粉体上吹きを行うと、スロッピングをほぼ完全に抑制できるのである。
溶銑(組成(いずれも質量%):[C]約4.5%、[Si]約0.42%、[Mn]0.3%、[P]約0.10〜0.11%)280トンを転炉へ装入した。上吹きランスから酸素ガスを溶銑へ吹き付け、送酸速度(Qo2)は吹錬前半(前期Qo2)を18500Nm/h〜42000Nm/hで、吹錬後半(後期Qo2)を13500Nm/h〜22000Nm/hで変化させた。底吹きは、4本羽口からNガスを3360〜8400Nm/hで供給することにより行った。
酸化鉄および粒径1〜30mmの塊状生石灰(CaOは95質量%)は、上吹き酸素の供給直前またはその供給開始後1分間以内に炉上から溶銑へ上置き添加し、カルシウムフェライト(組成:CaOは35質量%、Feは65質量%)を90質量%含む精錬剤は、粒径1〜50mmのものを、炉上から溶銑へ上置き添加した。粒径3mm以下の粉状生石灰(CaOは95質量%)は、上吹きランスから酸素ガスとともに溶銑へ吹き付けて添加した。
本発明例1〜25および比較例1〜15それぞれの条件および結果を表1にまとめて示す。
Figure 2014040623
処理後の温度は約1300〜1330℃とし、装入塩基度は発明例8,10と比較例5とを除き、約1.5とした。吹錬時間は6〜10分間であった。
処理後[P]質量%が0.020質量%以下且つ吹錬中にスロッピングが発生しないことを目標とし、目標を満足した場合に評価を○とした。
(I)表1の本発明例1〜3および比較例1〜2について
粒径1〜30mmの塊状生石灰添加時の好適な初期装入塩基度の範囲を検討した。
吹錬開始前に粒径1〜30mmの塊状生石灰を添加して、初期装入塩基度を変化させて、処理後[P]質量%を調査した。
塊状生石灰添加量が、塊状生石灰による装入塩基度が0.3以上0.8以下となる場合に、処理後[P]質量%が目標値0.020質量%以下となることがわかった。
生石灰による装入塩基度が0.3未満であると、吹錬初期に生成するスラグの量が少なく、またスラグの塩基度が低すぎて粘性が高いので流動性が低くなり、脱りん反応の速度が低下して、処理後[P]質量%が目標値0.020質量%よりも高くなってしまった。
一方、生石灰による装入塩基度が0.8を超えると、吹錬初期に生成するスラグの流動性が低くなり、脱りん反応の速度が低下して、処理後[P]質量%が目標値0.020質量%よりも高くなってしまった。
(II)表1の本発明例4〜7および比較例3〜4について
カルシウムフェライトを90%含む精錬剤添加に適正な時期を検討した。
吹錬開始前に粒径1〜30mmの塊状生石灰を添加して、初期装入塩基度を約0.5として、その後にカルシウムフェライトを90%含む精錬剤添加時期を変更して、処理後[P]質量%を調査した。
吹錬時間の35%から80%までの間にカルシウムフェライトを90%含む精錬剤を添加すると、処理後[P]が目標値0.020質量%以下となった。
吹錬時間の35%までにカルシウムフェライトを90%含む精錬剤を添加し始めると、カルシウムフェライトを90%含む精錬剤は溶銑中の[Si]と反応してしまい、カルシウムフェライトを90%含む精錬剤による脱りん効率が低下してしまったのである。
吹錬時間の80%以内にカルシウムフェライト添加が終了しないと、カルシウムフェライトを90%含む精錬剤が十分に溶解して脱りん反応に寄与する前に吹錬が終了したために、カルシウムフェライトを90%含む精錬剤による脱りん効率が低下してしまったのである。
(III)表1の本発明例8〜10および比較例5について
装入塩基度1.08〜1.70において、装入塩基度と処理後[P]質量%の関係を検討した。
吹錬開始前に粒径1〜30mmの塊状生石灰を添加して、初期装入塩基度を約0.5として、吹錬時間の35%〜65%の間にカルシウムフェライトを添加して、処理後[P]質量%を調査した。
その結果、装入塩基度が1.2未満では、処理後[P]質量%が目標値0.020質量%より高くなってしまった。
生石灰の滓化率が同じならば、装入塩基度が高いほど生成スラグの塩基度が上昇して脱りん率が向上することは明らかであるが、処理後スラグ塩基度を高めるためにはCaO原単位を増やさねばならず、処理コストが増加してしまう。
本発明により、装入塩基度を1.7以下としても処理後[P]を目標値0.020%以下にできることが分かったが、装入塩基度1.2未満では処理後[P]を目標値0.020%以下にまで低減することは困難だった。
(IV)表1の本発明例11〜14および比較例6〜7について
吹錬開始から40%までの上吹き送酸速度を溶銑1トン当たり1.1〜2.5Nm/minで変化させて、処理後[P]質量%およびスロッピング挙動を検討した。
吹錬開始から40%までの上吹き送酸速度を溶銑1トン当たり1.2Nm/min未満とすると、吹錬中にスロッピングは発生しなかったが、処理後の[P]濃度が0.020質量%よりも高くなってしまった。これは、吹錬初期に生成するFeO量が少なく、吹錬末期のスラグ中(FeO)濃度が低くなり過ぎたためである。
一方、吹錬開始から40までの上吹き送酸速度を溶銑1トン当たり2.4Nm/min超とすると、吹錬中にスロッピングが生じた。これは、上吹き送酸速度が高値過ぎて、生成したFeO量が多くなり、スラグ中(FeO)濃度が非常に高くなったため、吹錬中期以降にスラグ中(FeO)と溶銑中[C]との反応で生成するCO気泡が多すぎたことによる。
(V)表1の本発明例15〜17および比較例8〜9について
吹錬開始から20〜60%までの上吹き送酸速度を溶銑1トン当たり1.5Nm/minとし、その後吹錬終了までの上吹き送酸速度を溶銑1トン当たり1.2Nm/minへ低減して、処理後[P]質量%およびスロッピング挙動を検討した。
吹錬開始から30%未満の時期に上吹き送酸速度を低減した場合、吹錬中にスロッピングは発生しなかったが、処理後の[P]濃度が0.020質量%よりも高くなってしまった。これは、吹錬初期に生成するFeO量が少なく、吹錬末期のスラグ中(FeO)濃度が低くなり過ぎたためである。
一方、吹錬開始から50%超の時期に上吹き送酸速度を低減した場合、吹錬中にスロッピングが生じた。これは、上吹き送酸速度が高値過ぎて、生成したFeO量が多くなり、スラグ中(FeO)濃度が非常に高くなったため、吹錬中期以降にスラグ中(FeO)と溶銑中[C]との反応で生成するCO気泡が多すぎたことによる。
(VI)表1の本発明例18〜20および比較例10〜11について
吹錬開始から40%までの上吹き送酸速度を溶銑1トン当たり1.5Nm/minとし、その後吹錬終了までの上吹き送酸速度を溶銑1トン当たり0.8〜1.3Nm/minへ低減して、処理後[P]質量%およびスロッピング挙動を検討した。
吹錬開始から40%以降の上吹き送酸速度を溶銑1トン当たり0.9Nm/min未満へ低減した場合、吹錬中にスロッピングは発生しなかったが、処理後の[P]濃度が0.020質量%よりも高くなってしまった。これは、吹錬40%以降に生成するFeO量が少なく、吹錬末期のスラグ中(FeO)濃度が低くなり過ぎたためである。
一方、吹錬開始から40%以降の上吹き送酸速度を1.2Nm/min超までしか低減しなかった場合、吹錬後半にスロッピングが生じた。これは、上吹き送酸速度が高値過ぎて、吹錬40%以降生成したFeO量が多くなり、スラグ中(FeO)濃度が非常に高くなったため、吹錬中期以降にスラグ中(FeO)と溶銑中[C]との反応で生成するCO気泡が多すぎたことによる。
(VII)表1の本発明例21〜22および比較例12について
カルシウムフェライトを90%含む精錬剤中のCaOの一部を、粒径3mm以下の粉状生石灰として上吹きランスから酸素とともに溶銑へ吹き付ける方法によって、カルシウムフェライトを90%含む精錬剤中のCaO分をどの程度まで粒径3mm以下の粉状生石灰中のCaOで代替できるかを検討した。
なお、粒径が3mm以下の粉状生石灰は吹錬時間の20%(吹錬開始後約1.4分)以降からその70%が経過するまで、上吹きランスから酸素ガスと共に溶銑へ継続的に吹き付けて添加した。
吹錬開始前に粒径1〜30mmの塊状生石灰を添加して、初期装入塩基度を約0.5として、吹錬時間の35〜65%の間にカルシウムフェライトを90%含む精錬剤を添加し、カルシウムフェライトを90%含む精錬剤中のCaOの一部を、粒径3mm以下の粉状生石灰として上吹きランスから酸素とともに溶銑へ吹き付けて、処理後[P]質量%を調査した。
溶銑中[Si]質量が約0.42%なので、吹錬末期の装入塩基度を1.5とするために必要なCaO量は約13.5kg/tである。(b)のように塊状生石灰約5kg/tを吹錬前に投入するので、粉状生石灰中CaO量とカルシウムフェライトを含有する塊状精錬剤中CaO量の和は、約8.7kg/tとなる。但し、生石灰中のCaO濃度は95質量%である。
この条件を満足するように粉状生石灰中CaO量とカルシウムフェライトを含有する塊状精錬剤中CaO量を変更して、処理後の溶銑中[P]質量%および吹錬中のスロッピング挙動を検討した。
その結果、塊状精錬剤を溶銑1トン当たり5kg以上(=塊状精錬剤中のCaO質量を1.6kg以上)とすれば、吹錬末期の装入塩基度を1.5とするために必要なCaO量を粒径3mm以下の生石灰中のCaO質量として、上吹きランスから酸素とともに溶銑へ吹き付けても、処理後[P]質量%を目標値0.020質量%以下に低減できることがわかった。
(VIII)表1の本発明例23〜25および比較例13〜15について
処理後溶銑中[C]質量%の適正範囲を検討した。
その結果、処理後溶銑中[C]質量%が3.8質量%以上の場合に、吹錬中にスロッピングが発生しないことがわかった。
前述したごとく、[C]質量%が下がるほどCOガス発生速度が増加し、それがスラグフォーミング量を増やしてスロッピングを起こすので、処理後溶銑中[C]質量%を3.8質量%以上にすれば吹錬中のスロッピングを抑制できたのは、CO発生速度がスロッピングを発生する程のレベルに達しなかったためと考えられる。
ところで、本発明のように塊状生石灰にカルシウムフェライトを合理的に組み合わせて用いる脱りん処理では、処理効率を最も高めるためには、処理後の溶銑中C濃度を3.8質量%以上とする酸素供給条件で、上吹きする酸素ガス量の調整を中心にスラグ中の酸化鉄濃度や溶銑温度を調整する目的で適宜使用する固体酸化鉄源(スケール等)を用いて脱りん処理を行う必要があるのである。この処理後の溶銑中C濃度は高ければ高いほど処理効率が高いと言え、処理後溶銑の含熱量も高くなって好ましいのであるが、本発明の処理方法においても処理後溶銑中のC濃度が4.0%を超える条件では、処理後の溶銑中P濃度を0.020%以下にすることができなかった。

Claims (2)

  1. 上底吹き転炉を用いて溶銑脱りん処理を行うに際し、
    当該処理に用いる全CaO質量を装入塩基度が1.2以上1.7以下となる範囲で定め、
    そのCaO源として、粒径1〜30mmの塊状生石灰、粒径1〜50mmでカルシウムフェライトを90質量%以上含む塊状精錬剤の2種類を、それぞれ次の(A)〜(B)のように調整して用い、かつ、
    底吹きガス流量を溶銑1トン当たり0.2〜0.5Nm/minとして
    上吹きランスから溶銑へ酸素を吹き付けて脱りん処理を開始した時点から、上吹き酸素の全吹付け時間の30〜50%が経過する時点までの期間の上吹き酸素吹付け速度を溶銑1トン当たり1.2〜2.4Nm/min、
    前記期間の終了後から上吹き酸素吹付け終了までの期間の上吹き酸素吹付け速度を溶銑1トン当たり0.9〜1.2Nm/minとし、
    脱燐処理後の溶銑中C濃度を3.8質量%以上とすることを特徴とする溶銑脱りん処理方法
    (A)粒径1〜30mmの塊状生石灰
    (1)初期装入塩基度で0.3以上0.8以下となる範囲で、上吹きランスから溶銑へ酸素を吹き付けて脱りん処理を開始する前もしくはその開始から上吹き酸素の全吹付け時間の35%が経過する時点までに、転炉の上方から炉内への投入を完了する。
    (2)その内、初期装入塩基度で0.3以上となる量は、脱りん処理を開始後1分間以内に、転炉の上方から炉内に投入する。
    (B)粒径1〜50mmでカルシウムフェライトを90質量%以上含む塊状精錬剤
    (1) 前記した当該処理に用いる全CaO質量と前記塊状生石灰に含まれるCaO質量との差に基づいて算出される必要な追加CaO質量を、粒径1〜50mmでカルシウムフェライトを90質量%以上含む塊状精錬剤を用いて、
    上吹き酸素の全吹付け時間の35%が経過した時点より後であって、その80%が経過するまでの間に転炉の上方から炉内へ投入する。
    (2)但し、上記塊状精錬剤による追加CaO質量は、上記必要な追加CaO質量が溶銑1トン当たり1.6kg未満となったときは溶銑1トン当たり1.6kgとし、
    前記した装入塩基度が1.2以上1.7以下となる範囲内において、初期装入塩基度で0.3以上を確保できる範囲で、前記塊状生石灰の使用量を減らす調整を行う。
  2. 前記必要な追加CaO質量のうち、塊状精錬剤による追加CaO質量で溶銑1トン当たり1.6kgを超えるCaO質量の一部または全部を、
    粒径3mm以下の粉状生石灰を用いて、上吹き酸素の全吹付け時間の40%が経過した時点以前から、その70%が経過した時点以降にまで、上吹きランスから酸素とともに溶銑へ継続的に吹き付ける
    ことを特徴とする請求項1に記載の溶銑脱りん方法。
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