JP2013233718A - 記録物の製造方法、記録物の製造装置および記録物 - Google Patents
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Abstract
【課題】定着性に優れ、所望の形状を有する印刷部を備えた記録物を確実かつ効率よく製造することができる記録物の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の記録物の製造方法は、紫外線透過性を有する中間転写媒体にワックスを含む第1のインクを付与する第1のインク付与工程と、前記中間転写媒体の前記第1のインクが付与された部位に着色剤および紫外線の照射により重合する重合性化合物を含む第2のインクをインクジェット法により付与する第2のインク付与工程と、前記中間転写媒体の前記第2のインクが付与された面とは反対の面側から紫外線を照射し前記重合性化合物を部分的に重合させる第1の重合工程と、前記第1の重合工程において紫外線が照射された前記第2のインクを記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された前記第2のインクを構成する前記重合性化合物を硬化させる第2の重合工程とを有することを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の記録物の製造方法は、紫外線透過性を有する中間転写媒体にワックスを含む第1のインクを付与する第1のインク付与工程と、前記中間転写媒体の前記第1のインクが付与された部位に着色剤および紫外線の照射により重合する重合性化合物を含む第2のインクをインクジェット法により付与する第2のインク付与工程と、前記中間転写媒体の前記第2のインクが付与された面とは反対の面側から紫外線を照射し前記重合性化合物を部分的に重合させる第1の重合工程と、前記第1の重合工程において紫外線が照射された前記第2のインクを記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された前記第2のインクを構成する前記重合性化合物を硬化させる第2の重合工程とを有することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、記録物の製造方法、記録物の製造装置および記録物に関するものである。
記録物の製造方法として、インクジェット法を用いた方法が広く利用されている。インクジェット法では、微細なパターンを好適に形成することができ、版が不要であり、小ロット生産、多品種生産にも好適に対応することができるという点等で優れている。
ところが、記録媒体に、インクジェット法により直接印刷を行う場合には、記録媒体の種類(例えば、インク受容層を備えないプラスチック製の記録媒体等の非吸収性のメディア)によっては、記録媒体上でインクの流れやはじき等が生じてしまったり、記録媒体に付与されたインクの乾燥(固化)に時間を要し、インクが付与された記録媒体の排出時等に未乾燥(未固化)のインク像に乱れが生じる等の問題があり、所望の形状の印刷部を確実に形成することが困難であった。
このような問題を解決する目的で、中間転写方式の記録方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
ところが、記録媒体に、インクジェット法により直接印刷を行う場合には、記録媒体の種類(例えば、インク受容層を備えないプラスチック製の記録媒体等の非吸収性のメディア)によっては、記録媒体上でインクの流れやはじき等が生じてしまったり、記録媒体に付与されたインクの乾燥(固化)に時間を要し、インクが付与された記録媒体の排出時等に未乾燥(未固化)のインク像に乱れが生じる等の問題があり、所望の形状の印刷部を確実に形成することが困難であった。
このような問題を解決する目的で、中間転写方式の記録方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来では、中間転写方式の記録方法を用いても上記のような問題の発生を十分に防止することが困難であった。また、従来の中間転写方式の記録方法では、記録媒体への印刷部の定着性を十分に優れたものとすることが困難であり、定着に高いエネルギーを要するという問題もあった。
特に、上記のような傾向は、商品の包装等に用いられるプラスチック製のフィルム材を記録媒体として用いた場合に顕著に発生していた。
特に、上記のような傾向は、商品の包装等に用いられるプラスチック製のフィルム材を記録媒体として用いた場合に顕著に発生していた。
本発明の目的は、定着性に優れ、所望の形状を有する印刷部を備えた記録物を確実かつ効率よく製造することができる記録物の製造方法を提供すること、定着性に優れ、所望の形状を有する印刷部を備えた記録物を確実かつ効率よく製造することができる記録物の製造装置を提供すること、また、定着性に優れ、所望の形状を有する印刷部を備えた記録物を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の記録物の製造方法は、紫外線透過性を有する中間転写媒体に、ワックスを含む第1のインクを付与する第1のインク付与工程と、
前記中間転写媒体の前記第1のインクが付与された部位に、着色剤および紫外線の照射により重合する重合性化合物を含む第2のインクを、インクジェット法により付与する第2のインク付与工程と、
前記中間転写媒体の前記第2のインクが付与された面とは反対の面側から、紫外線を照射し、前記重合性化合物を部分的に重合させる第1の重合工程と、
前記第1の重合工程において紫外線が照射された前記第2のインクを記録媒体に転写する転写工程と、
前記記録媒体に転写された前記第2のインクを構成する前記重合性化合物を硬化させる第2の重合工程とを有することを特徴とする。
これにより、定着性に優れ、所望の形状を有する印刷部を備えた記録物を確実かつ効率よく製造することができる記録物の製造方法を提供することができる。また、記録物の耐擦性を優れたものとすることができる。
本発明の記録物の製造方法は、紫外線透過性を有する中間転写媒体に、ワックスを含む第1のインクを付与する第1のインク付与工程と、
前記中間転写媒体の前記第1のインクが付与された部位に、着色剤および紫外線の照射により重合する重合性化合物を含む第2のインクを、インクジェット法により付与する第2のインク付与工程と、
前記中間転写媒体の前記第2のインクが付与された面とは反対の面側から、紫外線を照射し、前記重合性化合物を部分的に重合させる第1の重合工程と、
前記第1の重合工程において紫外線が照射された前記第2のインクを記録媒体に転写する転写工程と、
前記記録媒体に転写された前記第2のインクを構成する前記重合性化合物を硬化させる第2の重合工程とを有することを特徴とする。
これにより、定着性に優れ、所望の形状を有する印刷部を備えた記録物を確実かつ効率よく製造することができる記録物の製造方法を提供することができる。また、記録物の耐擦性を優れたものとすることができる。
本発明の記録物の製造方法では、前記第1のインクは、水系のワックスエマルションを構成するものであることが好ましい。
これにより、転写時における第2のインクの中間転写媒体からの離型性を十分に優れたものとすることができ、記録物の生産性、歩留まりを十分に優れたものとすることができるとともに、転写工程において、ワックスが過剰に記録媒体に転写してしまうことをより効果的に防止することができ、転写した過剰のワックスによる弊害(例えば、他の記録物への移行、記録物の使用者等の手の汚れ等)を防止しつつ、最終的に得られる記録物の耐擦性を特に優れたものとすることができる。また、第1のインク中における有機溶剤の含有率を低いものとすることができ、記録物の製造時における有機溶剤の揮発による環境への悪影響等を効果的に防止することができる。
これにより、転写時における第2のインクの中間転写媒体からの離型性を十分に優れたものとすることができ、記録物の生産性、歩留まりを十分に優れたものとすることができるとともに、転写工程において、ワックスが過剰に記録媒体に転写してしまうことをより効果的に防止することができ、転写した過剰のワックスによる弊害(例えば、他の記録物への移行、記録物の使用者等の手の汚れ等)を防止しつつ、最終的に得られる記録物の耐擦性を特に優れたものとすることができる。また、第1のインク中における有機溶剤の含有率を低いものとすることができ、記録物の製造時における有機溶剤の揮発による環境への悪影響等を効果的に防止することができる。
本発明の記録物の製造方法では、前記第1のインクは、ポリオレフィンワックス、エチレン酢酸ビニルワックスおよびカルナバワックスよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであることが好ましい。
これにより、転写時における第2のインクの中間転写媒体からの離型性を特に優れたものとすることができ、記録物の生産性、歩留まりを特に優れたものとすることができる。また、転写工程において、第2のインクとともに、適量のワックスをより確実に記録媒体に転写させることができ、最終的に得られる記録物の耐擦性を特に優れたものとすることができる。
これにより、転写時における第2のインクの中間転写媒体からの離型性を特に優れたものとすることができ、記録物の生産性、歩留まりを特に優れたものとすることができる。また、転写工程において、第2のインクとともに、適量のワックスをより確実に記録媒体に転写させることができ、最終的に得られる記録物の耐擦性を特に優れたものとすることができる。
本発明の記録物の製造方法では、前記第1のインクは、前記ワックスとして、硬化性のワックスを含むものであることが好ましい。
これにより、最終的に得られる記録物において、液状のワックス(特に、過剰量の液状のワックス)が存在することによる弊害(例えば、他の記録物への移行、記録物の使用者等の手の汚れ等)をより効果的に防止しつつ、最終的に得られる記録物の耐擦性(特に、長期間にわたる耐擦性)を特に優れたものとすることができる。
これにより、最終的に得られる記録物において、液状のワックス(特に、過剰量の液状のワックス)が存在することによる弊害(例えば、他の記録物への移行、記録物の使用者等の手の汚れ等)をより効果的に防止しつつ、最終的に得られる記録物の耐擦性(特に、長期間にわたる耐擦性)を特に優れたものとすることができる。
本発明の記録物の製造方法では、前記第2のインクは、前記重合性化合物として、前記第2のインク付与工程の条件下で、それ単独で液状をなす液状重合性化合物を含むものであることが好ましい。
これにより、第2のインクの構成成分として、揮発性の溶剤を用いる必要がない、または、揮発性の溶剤の含有率を低いものとすることができるため、記録物の製造過程において当該溶剤を揮発させるための処理を省略または簡略化することができ、記録物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、記録物の製造過程において当該溶剤が揮発することによる印刷部の画質の低下等の問題の発生をより効果的に防止することができる。
これにより、第2のインクの構成成分として、揮発性の溶剤を用いる必要がない、または、揮発性の溶剤の含有率を低いものとすることができるため、記録物の製造過程において当該溶剤を揮発させるための処理を省略または簡略化することができ、記録物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、記録物の製造過程において当該溶剤が揮発することによる印刷部の画質の低下等の問題の発生をより効果的に防止することができる。
本発明の記録物の製造方法では、前記第2のインクは、前記液状重合性化合物としてアリルグリコールを含むものであることが好ましい。
これにより、所望の形状を有する印刷部をより確実に形成することができる。また、記録物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、記録物における印刷部の定着強度を特に優れたものとすることができる。
これにより、所望の形状を有する印刷部をより確実に形成することができる。また、記録物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、記録物における印刷部の定着強度を特に優れたものとすることができる。
本発明の記録物の製造方法では、前記第1のインク付与工程は、インクジェット法により行うものであることが好ましい。
これにより、中間転写媒体の所定の領域(第2のインクが付与される領域に対応する領域)に、効率よくかつ選択的に第1のインクを付与することができ、記録物の生産性を特に優れたものとしつつ、第1のインクの使用量の抑制を図ることができ、省資源の観点からも好ましい。
これにより、中間転写媒体の所定の領域(第2のインクが付与される領域に対応する領域)に、効率よくかつ選択的に第1のインクを付与することができ、記録物の生産性を特に優れたものとしつつ、第1のインクの使用量の抑制を図ることができ、省資源の観点からも好ましい。
本発明の記録物の製造方法では、前記転写工程で前記第2のインクが転写される部位において、前記中間転写媒体の曲率は、前記記録媒体の曲率よりも大きいものであることが好ましい。
これにより、転写工程をより効率よく行うことができ、記録物の生産性、歩留まりを特に優れたものとすることができる。また、記録物における印刷部の定着強度を特に優れたものとすることができる。
これにより、転写工程をより効率よく行うことができ、記録物の生産性、歩留まりを特に優れたものとすることができる。また、記録物における印刷部の定着強度を特に優れたものとすることができる。
本発明の記録物の製造方法では、前記転写工程で前記第2のインクが転写される部位において、前記中間転写媒体および前記記録媒体は、互いに、相手側に向かって凸状に湾曲するものであることが好ましい。
これにより、転写工程をより効率よく行うことができ、記録物の生産性、歩留まりを特に優れたものとすることができる。また、記録物における印刷部の定着強度を特に優れたものとすることができる。また、記録物の製造に用いる製造装置の小型化の観点からも有利である。
これにより、転写工程をより効率よく行うことができ、記録物の生産性、歩留まりを特に優れたものとすることができる。また、記録物における印刷部の定着強度を特に優れたものとすることができる。また、記録物の製造に用いる製造装置の小型化の観点からも有利である。
本発明の記録物の製造方法では、前記記録媒体は、紫外線透過性を有するものであり、
前記第2の重合工程は、前記第2のインクが転写された側とは反対側の面から紫外線を照射することにより行うものであることが好ましい。
これにより、より確実にかつより効率よく、印刷部の厚さ方向の全体にわたって、重合反応を十分に進行させることができ、印刷部の記録媒体に対する定着強度、記録物の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
前記第2の重合工程は、前記第2のインクが転写された側とは反対側の面から紫外線を照射することにより行うものであることが好ましい。
これにより、より確実にかつより効率よく、印刷部の厚さ方向の全体にわたって、重合反応を十分に進行させることができ、印刷部の記録媒体に対する定着強度、記録物の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
本発明の記録物の製造方法では、前記記録媒体は、プラスチック材料で構成されたフィルムであることが好ましい。
従来においては、記録媒体が、プラスチック材料で構成されたフィルムである場合、所望の形状の印刷部を確実に形成することが困難であり、また、記録媒体への印刷部の定着性を十分に優れたものとすることが困難であるという問題が特に顕著に発生していた。これに対し、本発明によれば、記録媒体がプラスチック材料で構成されたフィルムである場合であっても、上記のような問題の発生を確実に防止することができる。すなわち、記録媒体がプラスチック材料で構成されたフィルムである場合、本発明による効果がより顕著に発揮される。
従来においては、記録媒体が、プラスチック材料で構成されたフィルムである場合、所望の形状の印刷部を確実に形成することが困難であり、また、記録媒体への印刷部の定着性を十分に優れたものとすることが困難であるという問題が特に顕著に発生していた。これに対し、本発明によれば、記録媒体がプラスチック材料で構成されたフィルムである場合であっても、上記のような問題の発生を確実に防止することができる。すなわち、記録媒体がプラスチック材料で構成されたフィルムである場合、本発明による効果がより顕著に発揮される。
本発明の記録物の製造装置は、紫外線透過性を有する中間転写媒体と、
前記中間転写媒体に、ワックスを含む第1のインクを付与する第1のインク付与手段と、
前記中間転写媒体の前記第1のインクが付与された部位に、着色剤および紫外線の照射により重合する重合性化合物を含む第2のインクを、インクジェット法により付与する第2のインク付与手段と、
前記中間転写媒体の前記第2のインクが付与された面とは反対の面側から紫外線を照射する第1の紫外線照射手段と、
記録媒体に転写された前記第2のインクに紫外線を照射する第2の紫外線照射手段とを備えることを特徴とする。
これにより、定着性に優れ、所望の形状を有する印刷部を備えた記録物を確実かつ効率よく製造することができる記録物の製造装置を提供することができる。
本発明の記録物は、本発明の方法を用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、定着性に優れ、所望の形状を有する印刷部を備えた記録物を提供することができる。
前記中間転写媒体に、ワックスを含む第1のインクを付与する第1のインク付与手段と、
前記中間転写媒体の前記第1のインクが付与された部位に、着色剤および紫外線の照射により重合する重合性化合物を含む第2のインクを、インクジェット法により付与する第2のインク付与手段と、
前記中間転写媒体の前記第2のインクが付与された面とは反対の面側から紫外線を照射する第1の紫外線照射手段と、
記録媒体に転写された前記第2のインクに紫外線を照射する第2の紫外線照射手段とを備えることを特徴とする。
これにより、定着性に優れ、所望の形状を有する印刷部を備えた記録物を確実かつ効率よく製造することができる記録物の製造装置を提供することができる。
本発明の記録物は、本発明の方法を用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、定着性に優れ、所望の形状を有する印刷部を備えた記録物を提供することができる。
≪記録物の製造方法、製造装置≫
まず、本発明の記録物の製造方法、製造装置について説明する。
本発明の記録物の製造方法は、紫外線透過性を有する中間転写媒体に、ワックスを含む第1のインクを付与する第1のインク付与工程と、前記中間転写媒体の前記第1のインクが付与された部位に、着色剤および紫外線の照射により重合する重合性化合物を含む第2のインクを、インクジェット法により付与する第2のインク付与工程と、前記中間転写媒体の前記第2のインクが付与された面とは反対の面側から、紫外線を照射し、前記重合性化合物を部分的に重合させる第1の重合工程と、前記第1の重合工程において紫外線が照射された前記第2のインクを記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された前記第2のインクを構成する前記重合性化合物を硬化させる第2の重合工程とを有することを特徴とする。
まず、本発明の記録物の製造方法、製造装置について説明する。
本発明の記録物の製造方法は、紫外線透過性を有する中間転写媒体に、ワックスを含む第1のインクを付与する第1のインク付与工程と、前記中間転写媒体の前記第1のインクが付与された部位に、着色剤および紫外線の照射により重合する重合性化合物を含む第2のインクを、インクジェット法により付与する第2のインク付与工程と、前記中間転写媒体の前記第2のインクが付与された面とは反対の面側から、紫外線を照射し、前記重合性化合物を部分的に重合させる第1の重合工程と、前記第1の重合工程において紫外線が照射された前記第2のインクを記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された前記第2のインクを構成する前記重合性化合物を硬化させる第2の重合工程とを有することを特徴とする。
このように、着色剤および重合性化合物を含む第2のインクが付与されるべき領域に予め第1のインクを付与しておくとともに、記録媒体への転写前に、中間転写媒体の第2のインクが付与された面とは反対の面側から、紫外線を照射し、前記重合性化合物を部分的に重合させることにより、第2のインクによるパターンに不本意な変形が生じるのを確実に防止しつつ、中間転写媒体から記録媒体への第2のインクの転写の効率を優れたものとすることができ、結果として、所望の形状の印刷部を有する記録物を確実かつ効率よく製造することができる。
すなわち、記録媒体への転写前に、中間転写媒体の第2のインクが付与された面とは反対の面側から、紫外線を照射し、前記重合性化合物を部分的に重合させることにより、第2のインクの形状の安定性が向上し、転写時等に、第2のインクによるパターンに乱れが生じてしまうことを確実に防止することができるとともに、第2のインクのうち中間転写媒体側の領域において優先的に重合性化合物が重合していることにより、転写時における第2のインクの中間転写媒体からの離型性が向上する。さらに、予め中間転写媒体にワックスを含む第1のインクが付与されることにより、転写時における第2のインクの中間転写媒体からの離型性は特に優れたものとなる。また、転写の速度を上昇させた場合であっても、第2のインクによる印刷層の少なくとも一部が、その厚さ方向において、中間転写媒体上と記録媒体上とに分離してしまうという現象(いわゆる泣き別れ)の発生を、確実に防止することができるため、記録物の生産性、歩留まりを優れたものとすることができる。すなわち、本発明では、上記のような効果が相乗的に作用しあい、所望の形状を有する印刷部を備えた記録物を確実かつ効率よく製造することができる。さらには、第1のインクを構成するワックスは、最終的に得られる記録物においては、表面(印刷部)の潤滑性を向上させる機能を発揮することができるため、記録物の耐擦性(摩擦に対する耐性)を優れたものとすることができる。
すなわち、記録媒体への転写前に、中間転写媒体の第2のインクが付与された面とは反対の面側から、紫外線を照射し、前記重合性化合物を部分的に重合させることにより、第2のインクの形状の安定性が向上し、転写時等に、第2のインクによるパターンに乱れが生じてしまうことを確実に防止することができるとともに、第2のインクのうち中間転写媒体側の領域において優先的に重合性化合物が重合していることにより、転写時における第2のインクの中間転写媒体からの離型性が向上する。さらに、予め中間転写媒体にワックスを含む第1のインクが付与されることにより、転写時における第2のインクの中間転写媒体からの離型性は特に優れたものとなる。また、転写の速度を上昇させた場合であっても、第2のインクによる印刷層の少なくとも一部が、その厚さ方向において、中間転写媒体上と記録媒体上とに分離してしまうという現象(いわゆる泣き別れ)の発生を、確実に防止することができるため、記録物の生産性、歩留まりを優れたものとすることができる。すなわち、本発明では、上記のような効果が相乗的に作用しあい、所望の形状を有する印刷部を備えた記録物を確実かつ効率よく製造することができる。さらには、第1のインクを構成するワックスは、最終的に得られる記録物においては、表面(印刷部)の潤滑性を向上させる機能を発揮することができるため、記録物の耐擦性(摩擦に対する耐性)を優れたものとすることができる。
その一方で、本発明では、中間転写媒体の第2のインクが付与された面とは反対の面側から紫外線を照射することにより、重合性化合物を部分的に重合させているのみであるので、中間転写媒体上の第2のインクのうち記録媒体に対向する側の領域においては、記録媒体に対する十分な接着性が確保されているとともに、記録媒体への転写後に、さらに、第2のインクを構成する重合性化合物を硬化させる第2の重合工程を有している。したがって、最終的に得られる記録物において、記録媒体に対する印刷部の定着性を十分に優れたものとすることができる。
以下、本発明の記録物の製造方法、製造装置の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ、より詳細に説明する。
図1は、本発明の記録物の製造装置の好適な実施形態を模式的に示す構成図である。なお、本明細書で参照する図面は、構成の一部を誇張して示したものであり、実際の寸法等を正確に反映したものではない。
図1は、本発明の記録物の製造装置の好適な実施形態を模式的に示す構成図である。なお、本明細書で参照する図面は、構成の一部を誇張して示したものであり、実際の寸法等を正確に反映したものではない。
図1に示すように、製造装置100は、中間転写媒体11と、第1のインク21を中間転写媒体11に付与する第1のインク付与手段12と、中間転写媒体11に付与された第1のインク21を乾燥する乾燥手段19と、第2のインク22を付与する第2のインク付与手段13と、中間転写媒体11上の第2のインク22に紫外線を照射する第1の紫外線照射手段14と、記録媒体23に転写された第2のインク22に紫外線を照射する第2の紫外線照射手段15とを備えている。
図示の構成では、中間転写媒体11は、無端ベルト状をなすものである。そして、中間転写媒体11は、支持ロール16A、16B、および、加圧ロール17Aにより内周面側から張力を掛けつつ回転するように支持されている。また、中間転写媒体11は、記録媒体23の幅と同等またはそれ以上の幅を有している。
中間転写媒体11は、紫外線透過性を有するものである。これにより、後に詳述するように、第1の紫外線照射手段14により、中間転写媒体11を介して第2のインク22に紫外線を照射することができる。
中間転写媒体11は、紫外線透過性を有するものである。これにより、後に詳述するように、第1の紫外線照射手段14により、中間転写媒体11を介して第2のインク22に紫外線を照射することができる。
中間転写媒体11の構成材料としては、例えば、各種の樹脂(例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、フッ素系樹脂等)、各種のゴム(例えば、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等)等が挙げられる。中間転写媒体11は、単層構成でもよいし、積層構成でもよい。
中間転写媒体11の紫外線透過率は、70%以上であるのが好ましい。これにより、紫外線が効率よく第2のインク22に供給され、重合性化合物の重合反応を好適に進行させることができる。また、中間転写媒体11が紫外線を吸収することによる発熱を効果的に防止・抑制することができる。
中間転写媒体11の紫外線透過率は、70%以上であるのが好ましい。これにより、紫外線が効率よく第2のインク22に供給され、重合性化合物の重合反応を好適に進行させることができる。また、中間転写媒体11が紫外線を吸収することによる発熱を効果的に防止・抑制することができる。
第1のインク付与手段12は、第1のインク付与工程において、ワックスを含む第1のインク21を中間転写媒体11に付与するものである。
第1のインク付与手段12は、例えば、バーコーター、塗布ローラーや刷毛であってもよいが、図示の構成では、インクジェット方式による液滴吐出を行う記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)である。これにより、中間転写媒体11の所定の領域(第2のインク22が付与される領域に対応する領域)に、効率よくかつ選択的に第1のインク21を付与することができ、記録物の生産性を特に優れたものとしつつ、第1のインク21の使用量の抑制を図ることができ、省資源の観点からも好ましい。
第1のインク付与手段12は、例えば、バーコーター、塗布ローラーや刷毛であってもよいが、図示の構成では、インクジェット方式による液滴吐出を行う記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)である。これにより、中間転写媒体11の所定の領域(第2のインク22が付与される領域に対応する領域)に、効率よくかつ選択的に第1のインク21を付与することができ、記録物の生産性を特に優れたものとしつつ、第1のインク21の使用量の抑制を図ることができ、省資源の観点からも好ましい。
液滴吐出方式(インクジェット法の方式)としては、ピエゾ方式や、インクを加熱して発生した泡(バブル)によりインクを吐出させる方式等を用いることができるが、第1のインク21の変質のし難さ、第1のインク21を構成する揮発成分の不本意な揮発の防止等の観点から、ピエゾ方式が好ましい。
中間転写媒体11上に付与される第1のインク21の厚さは、0.1μm以上5μm以下であるのが好ましい。
なお、第1のインク21については、後に詳述する。
中間転写媒体11上に付与される第1のインク21の厚さは、0.1μm以上5μm以下であるのが好ましい。
なお、第1のインク21については、後に詳述する。
乾燥手段19は、中間転写媒体11に付与された第1のインク21を乾燥するものである。
乾燥手段19としては、例えば、各種ヒーター等を用いることができる。
また、乾燥手段19による加熱温度は、例えば、40℃以上とすることができ、60℃以上90℃以下がより好ましい。
乾燥手段19としては、例えば、各種ヒーター等を用いることができる。
また、乾燥手段19による加熱温度は、例えば、40℃以上とすることができ、60℃以上90℃以下がより好ましい。
第2のインク付与手段13は、第2のインク付与工程において、中間転写媒体11の第1のインク21が付与された部位に、着色剤および重合性化合物を含む第2のインク22を付与するものである。
また、第2のインク付与手段13は、インクジェット方式による液滴吐出を行う記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)である。これにより、第2のインク22を所望のパターンで付与することができ、最終的に得られる記録物において、例えば、微細なパターンの印刷部を好適に形成することができる。また、インクジェット法は、版等を必要とせず、オンデマンド性に優れているため、小ロット生産、多品種生産にも好適に対応することができる。
また、第2のインク付与手段13は、インクジェット方式による液滴吐出を行う記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)である。これにより、第2のインク22を所望のパターンで付与することができ、最終的に得られる記録物において、例えば、微細なパターンの印刷部を好適に形成することができる。また、インクジェット法は、版等を必要とせず、オンデマンド性に優れているため、小ロット生産、多品種生産にも好適に対応することができる。
図示の構成では、製造装置100は、第2のインク付与手段13として、藍紫色(シアン)の第2のインク22を吐出する第2のインク付与手段13C、紅紫色(マゼンタ)の第2のインク22を吐出する第2のインク付与手段13M、黄色(イエロー)の第2のインク22を吐出する第2のインク付与手段13Y、白色(ホワイト)の第2のインク22を吐出する第2のインク付与手段13W、および、黒色(ブラック)の第2のインク22を吐出する第2のインク付与手段13Kを備えている。これにより、最終的に得られる記録物の印刷部において表現できる色域をより広いものとすることができる。
液滴吐出方式(インクジェット法の方式)としては、ピエゾ方式や、インクを加熱して発生した泡(バブル)によりインクを吐出させる方式等を用いることができるが、第2のインク22の変質のし難さ等の観点から、ピエゾ方式が好ましい。
液滴吐出方式(インクジェット法の方式)としては、ピエゾ方式や、インクを加熱して発生した泡(バブル)によりインクを吐出させる方式等を用いることができるが、第2のインク22の変質のし難さ等の観点から、ピエゾ方式が好ましい。
第1の紫外線照射手段14は、第1の重合工程において、中間転写媒体11上の第2のインク22に紫外線を照射するものである。特に、第1の紫外線照射手段14は、中間転写媒体11を介して第2のインク22に照射するもの、すなわち、中間転写媒体11の第2のインク22が付与された面とは反対の面側から紫外線を照射するものである。これにより、第2のインク22に含まれる重合性化合物を完全に重合させることなく、部分的な重合にとどめつつ、所定の厚さを有する第2のインク22に含まれる重合性化合物のうち、中間転写媒体11に対向する面側の領域に含まれるものを、優先的に重合させることができる。すなわち、中間転写媒体11上の第2のインク22の厚さ方向で接着性に差を持たせることができる。その結果、最終的に形成される印刷部(第2の重合工程を経て形成される印刷部)の記録媒体23に対する定着強度を十分に優れたものとしつつ、転写工程における、第2のインク22の記録媒体23への転写性を特に優れたものとすることができる。
第1の紫外線照射手段14としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、デイープ紫外線ランプ、マイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、紫外線レーザー、キセノンランプ、UV−LED(紫外線発光ダイオード)等を用いることができるが、中でも、UV−LEDを用いることが好ましい。
第1の紫外線照射手段14としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、デイープ紫外線ランプ、マイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、紫外線レーザー、キセノンランプ、UV−LED(紫外線発光ダイオード)等を用いることができるが、中でも、UV−LEDを用いることが好ましい。
中間転写媒体11の内周面側に設けられた加圧ロール17Aと、記録媒体23の搬送手段(記録媒体搬送手段)としての機能も有する加圧ロール17Bとにより、第2のインク22が中間転写媒体11から記録媒体23へと転写される転写部が構成されている。転写部において、記録媒体23は、加圧ロール(記録媒体搬送手段)17Bの表面形状に沿うように変形する。
転写部における、中間転写媒体の形状、記録媒体の形状(記録媒体搬送手段の形状)はいかなるものであってもよく、例えば、これらのうち少なくとも一方は、平面的なものであってもよいが、図示の構成では、中間転写媒体11および前記記録媒体23は、互いに、相手側に向かって凸状に湾曲するものである。これにより、第2のインク22の転写(転写工程)をより効率よく行うことができ、記録物の生産性、歩留まりを特に優れたものとすることができる。また、記録物における印刷部の定着強度を特に優れたものとすることができる。また、製造装置100の小型化の観点からも有利である。
また、転写部における、転写工程で前記第2のインクが転写される部位において、中間転写媒体11の曲率は、記録媒体23の曲率よりも大きいものであるのが好ましい。これにより、第2のインク22の転写(転写工程)をより効率よく行うことができ、記録物の生産性、歩留まりを特に優れたものとすることができる。また、記録物における印刷部の定着強度を特に優れたものとすることができる。
第2の紫外線照射手段15は、第2の重合工程において、記録媒体23に転写された第2のインク22に紫外線を照射するものである。これにより、第1の紫外線照射手段14による紫外線照射では重合していなかった重合性化合物を重合させ、本発明の記録物が得ることができる。また、第2の紫外線照射手段15により、重合性化合物の重合反応を十分に進行させることができるため、印刷部の記録媒体に対する定着強度を十分に優れたものとすることができる。
図示の構成では、第2の紫外線照射手段15は、記録媒体23の第2のインク22が転写された側の面(印刷面)とは反対側の面から紫外線を照射するものである。これにより、記録媒体23が紫外線透過性を有するものである場合において、より確実にかつより効率よく、印刷部の厚さ方向の全体にわたって、重合反応を十分に進行させることができ、印刷部の記録媒体23に対する定着強度、記録物の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
なお、記録媒体23が紫外線透過性を有さないものである場合には、第2の紫外線照射手段15は、記録媒体23の第2のインク22が転写された側の面(印刷面)から紫外線を照射するように配されたものであるのが好ましい。
第2の紫外線照射手段15としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、デイープ紫外線ランプ、マイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、紫外線レーザー、キセノンランプ、UV−LED(紫外線発光ダイオード)等を用いることができるが、中でも、UV−LEDを用いることが好ましい。
なお、記録媒体23が紫外線透過性を有さないものである場合には、第2の紫外線照射手段15は、記録媒体23の第2のインク22が転写された側の面(印刷面)から紫外線を照射するように配されたものであるのが好ましい。
第2の紫外線照射手段15としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、デイープ紫外線ランプ、マイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、紫外線レーザー、キセノンランプ、UV−LED(紫外線発光ダイオード)等を用いることができるが、中でも、UV−LEDを用いることが好ましい。
また、製造装置100は、転写部よりも下流側に、中間転写媒体11をクリーニングするクリーニング手段18を備えている。これにより、記録媒体23上に異物(例えば、第2のインク22やその硬化物等の残留物)が付着した状態で、再び、第1のインク21、第2のインク22が付与されることを防止することができ、長期間にわたって、繰り返し、信頼性の高い記録物を製造することができる。
次に、本発明で用いる第1のインク、第2のインク、および、記録媒体について詳細に説明する。
[第1のインク]
第1のインク21は、ワックスを含むものである。
そして、第1のインク付与工程で中間転写媒体11上に付与された第1のインク21は、少なくともその一部が、第2のインク付与工程において中間転写媒体11上の第2のインク22が付与される部位に残存しているものである。これにより、上述したような効果を発揮することができる。
[第1のインク]
第1のインク21は、ワックスを含むものである。
そして、第1のインク付与工程で中間転写媒体11上に付与された第1のインク21は、少なくともその一部が、第2のインク付与工程において中間転写媒体11上の第2のインク22が付与される部位に残存しているものである。これにより、上述したような効果を発揮することができる。
ワックスとしては、公知の各種ワックスを用いることができる。また、第1のインク21を構成するワックスとしては、例えば、ポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等);エチレン酢酸ビニル(EVA)ワックス;長鎖炭化水素(パラフィンワックス、サゾールワックス等);カルボニル基含有ワックス等が挙げられる。
カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオール−ビス−ステアレート等);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミド等);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミド等);ジアルキルケトン(ジステアリルケトン)等が挙げられる。
中でも、第1のインク21は、ポリオレフィンワックス、エチレン酢酸ビニルワックスおよびカルナバワックスよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであるのが好ましい。これにより、転写時における第2のインク22の中間転写媒体11からの離型性を特に優れたものとすることができ、記録物の生産性、歩留まりを特に優れたものとすることができる。また、第1のインク21が上記のようなワックスを含むことにより、転写工程において、第2のインク22とともに、適量のワックスをより確実に記録媒体23に転写させることができ、最終的に得られる記録物の耐擦性を特に優れたものとすることができる。特に、ポリオレフィンワックスの中でもポリエチレンワックスを用いた場合、上記のような効果をより顕著に発揮させることができる。
また、第1のインク21は、水系のワックスエマルションを構成するものであるのが好ましい。これにより、転写時における第2のインク22の中間転写媒体11からの離型性を十分に優れたものとすることができ、記録物の生産性、歩留まりを十分に優れたものとすることができるとともに、転写工程において、ワックスが過剰に記録媒体23に転写してしまうことをより効果的に防止することができ、転写した過剰のワックスによる弊害(例えば、他の記録物への移行、記録物の使用者等の手の汚れ等)を防止しつつ、最終的に得られる記録物の耐擦性を特に優れたものとすることができる。また、第1のインク21中における有機溶剤の含有率を低いものとすることができ、記録物の製造時における有機溶剤の揮発による環境への悪影響等を効果的に防止することができる。
なお、本明細書で、水系のワックスエマルションとは、水を含有する材料で構成された分散媒中に、ワックスを含む材料で構成された分散質が分散した分散液のことをいう。
なお、本明細書で、水系のワックスエマルションとは、水を含有する材料で構成された分散媒中に、ワックスを含む材料で構成された分散質が分散した分散液のことをいう。
また、第1のインク21は、ワックスとして、硬化性のワックス(硬化性ワックス)を含むものであってもよい。これにより、最終的に得られる記録物において、液状のワックス(特に、過剰量の液状のワックス)が存在することによる弊害(例えば、他の記録物への移行、記録物の使用者等の手の汚れ等)をより効果的に防止しつつ、最終的に得られる記録物の耐擦性(特に、長期間にわたる耐擦性)を特に優れたものとすることができる。特に、硬化性のワックス(硬化性ワックス)が紫外線硬化性を有するものである場合、第1の重合工程において、第2のインク22を構成する重合性化合物の部分的な重合とともに、硬化性ワックスの重合反応も進行させることができ、転写時における第2のインク22の中間転写媒体11からの離型性をさらに優れたものとすることができ、記録物の生産性、歩留まりをさらに優れたものとすることができる。
なお、本発明において硬化性ワックスとは、重合性基を有する化合物で構成され、重合により硬化する性質を有するワックスのことをいう。
なお、本発明において硬化性ワックスとは、重合性基を有する化合物で構成され、重合により硬化する性質を有するワックスのことをいう。
以下、硬化性ワックスについて詳細に説明する。
硬化性ワックス(ワックス分子)は、その分子構造中に重合性官能基を有するものであればよいが、ラジカル重合性官能基を有するものであるのが好ましい。ラジカル重合性官能基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、ビニル基、ビニルアミノ基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、プロペニル基、ビニリデン基等が挙げられる。中でも、アクリロイル基、メタクリロイル基が好ましく、アクリロイル基がより好ましい。
硬化性ワックス(ワックス分子)は、その分子構造中に重合性官能基を有するものであればよいが、ラジカル重合性官能基を有するものであるのが好ましい。ラジカル重合性官能基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、ビニル基、ビニルアミノ基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、プロペニル基、ビニリデン基等が挙げられる。中でも、アクリロイル基、メタクリロイル基が好ましく、アクリロイル基がより好ましい。
上記の硬化性ワックスは、一般のワックスでその構造中に、カルボキシル基、ヒドロキシル基、グリシジル基等の官能基を持つものであれば、上記のラジカル重合性基を導入することで容易に合成できる。
上記官能基のうちヒドロキシル基を有するワックスとしては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル末端ポリエチレンワックスが好ましく挙げられる。当該ワックスとして、例えば、化学式CH3−(CH2)n−CH2OHで表される鎖長nの化合物、または、鎖長nが互いに異なる化合物の混合物であって、その鎖長n(混合物の場合は平均の鎖長)が16以上50以下であるものと、同様の鎖長を有する線状低分子量ポリエチレンとの混合物が挙げられる。このワックスの市販品として、特に限定されないが、UNILIN(登録商標)シリーズの材料、例えば、Mn(数平均分子量)が各々375、460、550および700g/モルにほぼ等しいUNILIN(登録商標)350、UNILIN(登録商標)425、UNILIN(登録商標)550およびUNILIN(登録商標)700等が挙げられる。これらのワックスは、ベーカーペトロライト社(Baker-Petrolite Corpotion)から入手できる。
上記官能基のうちヒドロキシル基を有するワックスとしては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル末端ポリエチレンワックスが好ましく挙げられる。当該ワックスとして、例えば、化学式CH3−(CH2)n−CH2OHで表される鎖長nの化合物、または、鎖長nが互いに異なる化合物の混合物であって、その鎖長n(混合物の場合は平均の鎖長)が16以上50以下であるものと、同様の鎖長を有する線状低分子量ポリエチレンとの混合物が挙げられる。このワックスの市販品として、特に限定されないが、UNILIN(登録商標)シリーズの材料、例えば、Mn(数平均分子量)が各々375、460、550および700g/モルにほぼ等しいUNILIN(登録商標)350、UNILIN(登録商標)425、UNILIN(登録商標)550およびUNILIN(登録商標)700等が挙げられる。これらのワックスは、ベーカーペトロライト社(Baker-Petrolite Corpotion)から入手できる。
以下、ヒドロキシル基を有するワックスを原料として用いた硬化性ワックスの合成の一例について、説明する。
まず、上記の末端ヒドロキシル基ポリエチレンワックスと、当該ポリエチレンワックスのヒドロキシル基の当モル量よりもわずかに多い(1.1〜1.2倍量程度)アクリル酸との混合物に、触媒としてのp−トルエンスルホン酸(一千〜数千ppm程度)、および、重合禁止剤としてのヒドロキノンモノメチルエーテル(一千〜数千ppm程度)を添加し、脱水トルエン中で、空気気流下、80℃で還流しながら生成した水を除去してエステル化反応を進める。
まず、上記の末端ヒドロキシル基ポリエチレンワックスと、当該ポリエチレンワックスのヒドロキシル基の当モル量よりもわずかに多い(1.1〜1.2倍量程度)アクリル酸との混合物に、触媒としてのp−トルエンスルホン酸(一千〜数千ppm程度)、および、重合禁止剤としてのヒドロキノンモノメチルエーテル(一千〜数千ppm程度)を添加し、脱水トルエン中で、空気気流下、80℃で還流しながら生成した水を除去してエステル化反応を進める。
そして、生成水が理論量となった時点で反応を終了し、ガスクロマトグラフィー、FT−IR、NMR等で分析する。その後、水で洗浄して未反応のアクリル酸とp−トルエンスルホン酸とを除去し、場合によっては水酸化ナトリウム水溶液でさらに洗浄して未反応のアクリル酸を除去し再度水で洗浄してエバポレーター等でトルエンを除去する。その後、脱水剤で微量に残存する水分を除去し、重合禁止剤としてのヒドロキノンモノメチルエーテルを500ppm程度添加して、目的とする硬化性ワックスを得ることができる。
上記官能基のうちヒドロキシル基を有する化合物として、ゲルベアルコール(Guerbet alcohol、2,2−ジアルキル−1−エタノール)も好ましく挙げられる。典型的なゲルベアルコールとして、分子内に16個以上36個以下の炭素原子を有するものが挙げられる。ゲルベアルコールの市販品は、ニュージャージー州ニューアークのジャルケム・インダストリーズ社(Jarchem Industries Inc.)から入手できる。また、デラウェア州ニューカッスルのユニケマ社(Uniqema Chemicals Ltd.)から入手できるダイマージオールであるPRIPOL(登録商標)2033も上記ヒドロキシル基を有する混合物として使用可能である。
上記官能基のうちカルボキシル基を有するワックスとしては、例えば、カルボン酸末端ポリエチレンワックスが好ましく挙げられる。当該ワックスとして、例えば、化学式CH3−(CH2)n−COOHで表される鎖長nの化合物または鎖長nが互いに異なる化合物の混合物であって、その鎖長n(混合物の場合は平均の鎖長)が16以上50以下であるものと、同様の鎖長を有する線状低分子量ポリエチレンとの混合物が挙げられる。このワックスの市販品として、特に限定されないが、Mnが各々約390、475、565および720g/モルに等しいUNICID(登録商標)350、UNICID(登録商標)425、UNICID(登録商標)550およびUNICID(登録商標)700等が挙げられる。また、当該ワックスとして、例えば、化学式CH3−(CH2)n−COOHで表される、n=14のヘキサデカン酸(パルミチン酸)、n=15のヘプタデカン酸(マルガリン酸、ダチュリン酸)、n=16のオクタデカン酸(ステアリン酸)、n=18のエイコサン酸(アラキジン酸)、n=20のドコサン酸(ベヘン酸)、n=22のテトラコサン酸(リグノセリン酸)、n=24のヘキサコサン酸(セロチン酸)、n=25のヘプタコサン酸(カルボセリン酸)、n=26のオクタコサン酸(モンタン酸)、n=28のトリアコンタノン酸(メリシン酸)、n=30のドトリアコンタノン酸(ラッセル酸)、n=31のトリトリアコンタノン酸(セロメリシン酸、プシリン酸)、n=32のテトラトリアコンタノン酸(ゲダ酸)、n=33のペンタトリアコンタノン酸(セロプラスチン酸)等が挙げられる。
以下、カルボキシル基を有するワックスを原料として用いた硬化性ワックスの合成の一例について、説明する。
まず、上記のカルボン酸末端ポリエチレンワックスと当該ポリエチレンワックスのカルボン酸基と当モル量よりもわずかに多い(1.1〜1.2倍量程度)2−ヒドロキシエチルアクリレートとの混合物に、触媒としてのp−トルエンスルホン酸(一千〜数千ppm程度)、および、重合禁止剤としてのヒドロキノンモノメチルエーテル(一千〜数千ppm程度)を添加し、脱水トルエン中で、空気気流下、80℃で還流しながら生成した水を除去してエステル化反応を進める。
まず、上記のカルボン酸末端ポリエチレンワックスと当該ポリエチレンワックスのカルボン酸基と当モル量よりもわずかに多い(1.1〜1.2倍量程度)2−ヒドロキシエチルアクリレートとの混合物に、触媒としてのp−トルエンスルホン酸(一千〜数千ppm程度)、および、重合禁止剤としてのヒドロキノンモノメチルエーテル(一千〜数千ppm程度)を添加し、脱水トルエン中で、空気気流下、80℃で還流しながら生成した水を除去してエステル化反応を進める。
そして、生成水が理論量となった時点で反応を終了し、ガスクロマトグラフィー、FT−IR、NMR等で分析する。その後、水で洗浄して未反応の2−ヒドロキシエチルアクリレートとp−トルエンスルホン酸を除去し、エバポレーター等でトルエンを除去する。その後、脱水剤で微量に残存する水分を除去し、重合禁止剤としてのヒドロキノンモノメチルエーテルを500ppm程度添加して、目的とする硬化性ワックスを得ることができる。
上記官能基のうちカルボキシル基を有する化合物として、ゲルベ酸(Guerbet acid、2,2−ジアルキルエタノール酸)も好ましく挙げられる。典型的なゲルベ酸として、分子内に16個以上36個以下の炭素原子を有するものが挙げられる。ゲルベ酸の市販品は、ジャルケム・インダストリーズ社から入手できる。また、ユニケマ社から入手できるPRIPOL(登録商標)1009も上記カルボキシル基を有する混合物として使用可能である。
第1のインク21は、上述したワックスに加え、それ以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば保湿剤、防腐剤・防かび剤、pH調整剤、酸化防止剤、金属トラップ剤、界面活性剤、充填剤、密着促進剤等が挙げられる。
揮発性の液体成分を含むことにより、第1のインク21のインクジェット法による吐出安定性や塗工性を特に優れたものとすることができる。
このような揮発性の液体成分としては、例えば、ピロリドン、N−エチルピロリドン、N−ビニルピロリドン、2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ε−カプロラクタム、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸イソプロピル、乳酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキシレングリコール、2,3−ブタンジオール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール,1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,3−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,3−オクタンジオール、1,2−ペンタンジオール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、水等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を用いることができる。
揮発性の液体成分を含むことにより、第1のインク21のインクジェット法による吐出安定性や塗工性を特に優れたものとすることができる。
このような揮発性の液体成分としては、例えば、ピロリドン、N−エチルピロリドン、N−ビニルピロリドン、2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ε−カプロラクタム、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸イソプロピル、乳酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキシレングリコール、2,3−ブタンジオール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール,1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,3−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,3−オクタンジオール、1,2−ペンタンジオール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、水等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を用いることができる。
中でも、第1のインク21は、揮発性の液体成分として、沸点が110℃以上250℃以下の液体成分を含むのが好ましく、1,2−ヘキサンジオールおよび/またはプロピレングリコールを含むものであるのがより好ましく、1,2−ヘキサンジオールおよびプロピレングリコールを含むものであるのがさらに好ましい。これにより、第1のインク21のインクジェット法による吐出安定性や塗工性をさらに優れたものとすることができる。また、インクジェットヘッドの乾燥を防止し、より長期間にわたって安定的な液滴吐出を可能にしたりすることができる。
また、第1のインク21が、エタノールを含むものである場合、中間転写媒体11から記録媒体23への第2のインク22の転写性を特に優れたものとすることができ、所望の形状の印刷部をより確実に形成することができるとともに、記録物の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、第1のインク21が、水を含むものであると、上述したような水系のワックスエマルションを好適に形成することができる。
また、第1のインク21が、水を含むものであると、上述したような水系のワックスエマルションを好適に形成することができる。
第1のインク21中における沸点110℃以上250℃以下の液体成分の含有率は、10質量%以上40質量%以下であるのが好ましい。これにより、ワックスを含むことによる効果を十分に発揮させつつ、上述したような効果をより顕著に発揮させることができる。なお、第1のインク21が沸点110℃以上250℃以下の液体成分として複数種の成分を含むものである場合、これらの含有率の和が上記のような条件を満足するのが好ましい。
第1のインク21中における水の含有率は、45質量%以上87.5質量%以下であるのが好ましい。
第1のインク21中におけるワックスの含有率は、2.0質量%以上25質量%以下であるのが好ましく、3.0質量%以上15質量%以下であるのがより好ましい。これにより、第1のインク21のインクジェット法による吐出安定性等を特に優れたものとしつつ、上述したような本発明の効果をより顕著に発揮させることができる。なお、第1のインク21がワックスとして複数種の成分を含むものである場合、これらの含有率の和が上記のような条件を満足するのが好ましい。また、第1のインク21が水系のワックスエマルションを構成するものである場合、ワックスの含有率の含有率としては、実際にワックスとしての機能を発揮する成分(例えば、水を除く分散質)の含有率が上記のような条件を満足するのが好ましい。
第1のインク21中におけるワックスの含有率は、2.0質量%以上25質量%以下であるのが好ましく、3.0質量%以上15質量%以下であるのがより好ましい。これにより、第1のインク21のインクジェット法による吐出安定性等を特に優れたものとしつつ、上述したような本発明の効果をより顕著に発揮させることができる。なお、第1のインク21がワックスとして複数種の成分を含むものである場合、これらの含有率の和が上記のような条件を満足するのが好ましい。また、第1のインク21が水系のワックスエマルションを構成するものである場合、ワックスの含有率の含有率としては、実際にワックスとしての機能を発揮する成分(例えば、水を除く分散質)の含有率が上記のような条件を満足するのが好ましい。
[第2のインク]
第2のインク22は、着色剤と、紫外線の照射により重合する重合性化合物とを含むものである。第2のインク22は、記録物の印刷部の形成に用いられるものである。
(着色剤)
着色剤としては、各種顔料、各種染料を用いることができるが、特に顔料を用いるのが好ましい。これにより、印刷部の耐光性、耐熱性等を特に優れたものとし、長期間にわたって安定した外観を保持することができる。
図示の構成の製造装置100では、第2のインク22として、藍紫色(シアン)の第2のインク22、紅紫色(マゼンタ)の第2のインク22、黄色(イエロー)の第2のインク22、白色(ホワイト)の第2のインク22、および、黒色(ブラック)の第2のインク22を用いる。
第2のインク22は、着色剤と、紫外線の照射により重合する重合性化合物とを含むものである。第2のインク22は、記録物の印刷部の形成に用いられるものである。
(着色剤)
着色剤としては、各種顔料、各種染料を用いることができるが、特に顔料を用いるのが好ましい。これにより、印刷部の耐光性、耐熱性等を特に優れたものとし、長期間にわたって安定した外観を保持することができる。
図示の構成の製造装置100では、第2のインク22として、藍紫色(シアン)の第2のインク22、紅紫色(マゼンタ)の第2のインク22、黄色(イエロー)の第2のインク22、白色(ホワイト)の第2のインク22、および、黒色(ブラック)の第2のインク22を用いる。
これら各色の第2のインク22は、通常、各インクに対応する色の着色剤を含むものである。
有彩色の第2のインク22(藍紫色(シアン)の第2のインク22、紅紫色(マゼンタ)の第2のインク22、黄色(イエロー)の第2のインク22)を構成する顔料としては、例えば、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料またはアゾ系顔料等が挙げられる。
特に、藍紫色(シアン)の第2のインク22を構成する顔料(藍紫色顔料)としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1,2,3,15:3,15:4,15:34,16,22,60;C.I.バットブルー4,60等が挙げられ、好ましくは、C.I.ピグメントブルー15:3,15:4,60が挙げられる。
有彩色の第2のインク22(藍紫色(シアン)の第2のインク22、紅紫色(マゼンタ)の第2のインク22、黄色(イエロー)の第2のインク22)を構成する顔料としては、例えば、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料またはアゾ系顔料等が挙げられる。
特に、藍紫色(シアン)の第2のインク22を構成する顔料(藍紫色顔料)としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1,2,3,15:3,15:4,15:34,16,22,60;C.I.バットブルー4,60等が挙げられ、好ましくは、C.I.ピグメントブルー15:3,15:4,60が挙げられる。
また、紅紫色(マゼンタ)の第2のインク22を構成する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5,7,12,48(Ca),48(Mn),57(Ca),57:1,112,122,123,168,184,202,209;C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられ、好ましくはC.I.ピグメントレッド122,202,209;C.I.ピグメントバイオレット19が挙げられる。
また、黄色(イエロー)の第2のインク22を構成する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,12,13,14C,16,17,73,74,75,83,93,95,97,98,109,110,114,119,128,129,138,150,151,154,155,180,185,14,34,35,35:1,37,37:1,42,43,53,55,81,94,108,109,110,139,153,157,168,184等が挙げられ、好ましくはC.I.ピグメントイエロー74,109,110,128,138が挙げられる。
また、上記以外の有彩色の顔料を用いてもよい。このような顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2,3,17,22,23,38,81,48:1,48:2,48:3,48:4,49:1,52:1,53:1,63:1,144,146,149,166,170,176,177,178,179,185,207,209,254,101,102,105,106,108,108:1;C.I.ピグメントグリーン7,15,17,18,19,26,36,50;C.I.ピグメントブルー15,15:1,15:2,15:6,17:1,18,27,28,29,35,36,80;C.I.ピグメントバイオレット1,3,23,50,14,16;C.I.ピグメントオレンジ5,13,16,36,43,20,20:1,104;C.I.ピグメントブラウン25,7,11,33等が挙げられる。
また、白色(ホワイト)の第2のインク22を構成する顔料としては、例えば、酸化チタン(例えば、塩素法酸化チタン(ルチル型)CR−50(石原産業社(ISHIHARA SANGYO KAISHA, LTD.)製商品名)等)、硫酸バリウム、中空白色樹脂エマルション等が挙げられる。
また、黒色(ブラック)の第2のインク22を構成する顔料としては、例えば、カーボンブラックが挙げられる。具体的には、No.2300、900、MCF88、No.20B、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No2200B等(以上全て商品名、三菱化学株式会社製)、カラーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリテックス35、U、V、140U、スペシャルブラック6、5、4A、4、250等(以上全て商品名、デグサ社製)、コンダクテックスSC、ラーベン1255、5750、5250、5000、3500、1255、700等(以上全て商品名、コロンビアカーボン社製)、リガール400R、330R、660R、モグルL、モナーク700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、エルフテックス12等(以上全て商品名、キャボット社製)が挙げられる。
なお、1種のインク中において、複数種の着色剤成分を組み合わせて用いることにより、調色してもよい。より具体的には、例えば、黒色(ブラック)の第2のインク22は、黒色以外の2種以上の着色剤成分を組み合わせて用い、全体として黒色を呈するものとしたものであってもよい。
また、黒色(ブラック)の第2のインク22を構成する顔料としては、例えば、カーボンブラックが挙げられる。具体的には、No.2300、900、MCF88、No.20B、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No2200B等(以上全て商品名、三菱化学株式会社製)、カラーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリテックス35、U、V、140U、スペシャルブラック6、5、4A、4、250等(以上全て商品名、デグサ社製)、コンダクテックスSC、ラーベン1255、5750、5250、5000、3500、1255、700等(以上全て商品名、コロンビアカーボン社製)、リガール400R、330R、660R、モグルL、モナーク700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、エルフテックス12等(以上全て商品名、キャボット社製)が挙げられる。
なお、1種のインク中において、複数種の着色剤成分を組み合わせて用いることにより、調色してもよい。より具体的には、例えば、黒色(ブラック)の第2のインク22は、黒色以外の2種以上の着色剤成分を組み合わせて用い、全体として黒色を呈するものとしたものであってもよい。
また、着色剤としては、例えば、金属粉末等のような、光沢感を有する顔料等を用いてもよい。特に、着色剤として金属粉末を含むものを用いた場合、重合性化合物の重合反応が特に進行しにくいという問題があったが、第1の硬化工程と第2の硬化工程とで、異なる方向から紫外線を照射することにより、第2のインクが金属粉末を含むものであっても、最終的に得られる記録物において、重合性化合物を十分に重合・硬化させた状態にすることができる。
また、顔料は、表面処理が施されたものであってもよい。これにより、色味の調整や、第2のインク22中における顔料粒子の分散安定性、第2のインク22の吐出安定性、保存安定性等の向上を図ることができる。
第2のインク22中における着色剤の含有率は、特に限定されないが、0.5質量%以上10質量%以下であるのが好ましい。
第2のインク22中における着色剤の含有率は、特に限定されないが、0.5質量%以上10質量%以下であるのが好ましい。
(重合性化合物)
重合性化合物は、紫外線の照射により重合する成分である。
重合性化合物としては、重合性の官能基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー(プレポリマー)等を用いることができる。
重合性化合物としてのモノマーとしては、例えば、アリルグリコール、N−ビニルフォルムアミド、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−)メチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、メトキシジエチレングリコールモノアクリレート、アクリロイルモルホリン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパン変性トリアクリレートトリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、グリセリンPO変性トリアクリレート等が挙げられる。
重合性化合物は、紫外線の照射により重合する成分である。
重合性化合物としては、重合性の官能基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー(プレポリマー)等を用いることができる。
重合性化合物としてのモノマーとしては、例えば、アリルグリコール、N−ビニルフォルムアミド、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−)メチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、メトキシジエチレングリコールモノアクリレート、アクリロイルモルホリン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパン変性トリアクリレートトリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、グリセリンPO変性トリアクリレート等が挙げられる。
重合性化合物としてのオリゴマーの好ましい具体例としては、分子量500以上20,000以下の範囲のポリエステル系ウレタンアクリレート、ポリエーテル系ウレタンアクリレート、ポリブタジエン系ウレタンアクリレートおよびポリオール系ウレタンアクリレート等のウレタン系オリゴマーが挙げられる。さらに具体的には、U−4HA、U−15HA(いずれも新中村化学工業株式会社製)が好ましい。
重合性化合物としてのポリマー(プレポリマー)としては、例えば、室温で固体であって、分子量が2,000以上50,000以下の範囲のデンドリマー、ハイパーブランチポリマー、デンドリグラフトポリマーおよびハイパーグラフトポリマー等(「デンドリティック高分子−多分岐構造が広げる高機能化の世界−」 青井啓吾/姉本雅明監修、株式会社 エヌ・ティー・エス参照)を好適に用いることができる。
特に、第2のインク22は、重合性化合物として、第2のインク付与工程の条件下(例えば、25℃、1気圧の条件下)で、それ単独で液状をなす液状重合性化合物を含むものであるのが好ましい。これにより、第2のインク22の構成成分として、揮発性の溶剤を用いる必要がない、または、揮発性の溶剤の含有率を低いものとすることができるため、記録物の製造過程において当該溶剤を揮発させるための処理を省略または簡略化することができ、記録物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、記録物の製造過程において当該溶剤が揮発することによる印刷部の画質の低下等の問題の発生をより効果的に防止することができる。
特に、液状重合性化合物は、第2のインク22を構成する液状成分のうちの主成分(主溶剤)であるのが好ましい。これにより、上記のような効果がより顕著に得られる。
特に、液状重合性化合物は、第2のインク22を構成する液状成分のうちの主成分(主溶剤)であるのが好ましい。これにより、上記のような効果がより顕著に得られる。
第2のインク22を構成する全液体成分:100重量部に対し、液状重合性化合物は50重量部以上の割合で含まれるものであるのが好ましい。これにより、上記のような効果がより顕著に得られる。
また、第2のインク22は、液状重合性化合物としてアリルグリコールを含むものであるのが好ましい。これにより、所望の形状を有する印刷部をより確実に形成することができる。また、記録物の生産性を特に優れたものとすることができる。これらの効果は、第2のインク22が液状重合性化合物としてアリルグリコールを含むものであり、かつ、第1のインク21が水系のワックスエマルションを構成するものである場合に、より顕著に発揮される。また、第2のインク22が液状重合性化合物としてアリルグリコールを含むものであると、記録物における印刷部の定着強度を特に優れたものとすることができる。
第2のインク22中における重合性化合物の含有率は、特に限定されないが、30質量%以上80質量%以下であるのが好ましい。
また、第2のインク22は、液状重合性化合物としてアリルグリコールを含むものであるのが好ましい。これにより、所望の形状を有する印刷部をより確実に形成することができる。また、記録物の生産性を特に優れたものとすることができる。これらの効果は、第2のインク22が液状重合性化合物としてアリルグリコールを含むものであり、かつ、第1のインク21が水系のワックスエマルションを構成するものである場合に、より顕著に発揮される。また、第2のインク22が液状重合性化合物としてアリルグリコールを含むものであると、記録物における印刷部の定着強度を特に優れたものとすることができる。
第2のインク22中における重合性化合物の含有率は、特に限定されないが、30質量%以上80質量%以下であるのが好ましい。
(その他の成分)
第2のインク22は、上記以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、光重合開始剤、保湿剤、分散剤、分散助剤、界面活性剤、熱重合禁止剤、酸化防止剤、充填剤、密着促進剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、揮発性の液体成分、紫外線の照射以外の方法により重合・硬化する硬化性成分、重合反応性・硬化性を有さない樹脂成分、防腐剤・防かび剤、pH調整剤、金属トラップ剤、充填剤、密着促進剤等が挙げられる。
第2のインク22は、上記以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、光重合開始剤、保湿剤、分散剤、分散助剤、界面活性剤、熱重合禁止剤、酸化防止剤、充填剤、密着促進剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、揮発性の液体成分、紫外線の照射以外の方法により重合・硬化する硬化性成分、重合反応性・硬化性を有さない樹脂成分、防腐剤・防かび剤、pH調整剤、金属トラップ剤、充填剤、密着促進剤等が挙げられる。
光重合開始剤の具体例としては、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノアルキルフェノン、アシルフォスフィンオキサイド、オキシムエステル、チオキサントン、α−ジカルボニル、アントラキノン等が挙げられる。
また、Vicure 10、30(以上、Stauffer Chemical社製)、Irgacure 127、184、500、651、2959、907、369、379、754、1700、1800、1850、819、OXE01、Darocur 1173、TPO、ITX(以上、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)、Quantacure CTX(Aceto Chemical社製)、Kayacure DETX−S(日本化薬社製)、ESCURE KIP150(Lamberti社製)の商品名で入手可能な光重合開始剤も使用可能である。
また、Vicure 10、30(以上、Stauffer Chemical社製)、Irgacure 127、184、500、651、2959、907、369、379、754、1700、1800、1850、819、OXE01、Darocur 1173、TPO、ITX(以上、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)、Quantacure CTX(Aceto Chemical社製)、Kayacure DETX−S(日本化薬社製)、ESCURE KIP150(Lamberti社製)の商品名で入手可能な光重合開始剤も使用可能である。
第2のインク中における光重合開始剤の含有率は、3質量%以上10質量%以下であるのが好ましい。
第2のインク22が界面活性剤を含むことにより、インクジェット法による液滴吐出安定性の向上を図ることができる。
界面活性剤としては、例えば、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤を用いることが好ましく、さらにポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンまたはポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いることがより好ましい。具体例としては、BYK−347、348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(以上、ビックケミー・ジャパン社製)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
第2のインク22が熱重合禁止剤を含むことにより、第2のインク22の保存安定性を特に優れたものとすることができる。
熱重合禁止剤としては、例えば、IrgastabUV−10(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
第2のインク22が界面活性剤を含むことにより、インクジェット法による液滴吐出安定性の向上を図ることができる。
界面活性剤としては、例えば、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤を用いることが好ましく、さらにポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンまたはポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いることがより好ましい。具体例としては、BYK−347、348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(以上、ビックケミー・ジャパン社製)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
第2のインク22が熱重合禁止剤を含むことにより、第2のインク22の保存安定性を特に優れたものとすることができる。
熱重合禁止剤としては、例えば、IrgastabUV−10(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[記録媒体]
記録媒体23としては、例えば、普通紙、アート紙、コート紙、マット紙、インクジェット用専用紙等の紙、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック材料で構成された成形体(フィルム等)、金属で構成された成形体(フィルム等)、セラミックスで構成された成形体(フィルム等)綿、ポリエステル、ウール等の天然繊維・合成繊維、不織布等を用いることができる。
記録媒体23としては、例えば、普通紙、アート紙、コート紙、マット紙、インクジェット用専用紙等の紙、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック材料で構成された成形体(フィルム等)、金属で構成された成形体(フィルム等)、セラミックスで構成された成形体(フィルム等)綿、ポリエステル、ウール等の天然繊維・合成繊維、不織布等を用いることができる。
特に、記録媒体23は、紫外線透過性を有するものであるのが好ましい。これにより、第2のインク22が転写された側とは反対側の面から紫外線を照射することにより第2の重合工程を行うことができる。その結果、より確実にかつより効率よく、印刷部の厚さ方向の全体にわたって、重合反応を十分に進行させることができ、印刷部の記録媒体23に対する定着強度、記録物の耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
記録媒体23としては、インク非吸収性または低吸収性のものを好適に用いることができる。従来の中間転写方式の記録方法においては、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体を用いた場合に、所望の形状の印刷部を確実に形成することができない等の問題が特に顕著に発生していたが、本発明では、記録媒体がインク非吸収性または低吸収性のものであっても上記のような問題の発生を確実に防止することができる。すなわち、記録媒体がインク非吸収性または低吸収性のものである場合に、本発明の効果はより顕著に発揮される。
ここで、「インク非吸収性または低吸収性」の記録媒体とは、印刷面が、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msecまでの水吸収量が10mL/m2以下である記録媒体をいう。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている。
記録媒体23は、プラスチック材料で構成されたフィルム(筒状、袋状等に成形されたものを含む)であるのが好ましい。従来においては、記録媒体が、プラスチック材料で構成されたフィルムである場合、所望の形状の印刷部を確実に形成することが困難であり、また、記録媒体への印刷部の定着性を十分に優れたものとすることが困難であるという問題が特に顕著に発生していた。これに対し、本発明によれば、記録媒体がプラスチック材料で構成されたフィルムである場合であっても、上記のような問題の発生を確実に防止することができる。すなわち、記録媒体がプラスチック材料で構成されたフィルムである場合、本発明による効果がより顕著に発揮される。
以上、説明したような本発明の製造方法、製造装置によれば、定着性に優れ、所望の形状を有する印刷部を備えた記録物を確実かつ効率よく製造することができる。
以上、説明したような本発明の製造方法、製造装置によれば、定着性に優れ、所望の形状を有する印刷部を備えた記録物を確実かつ効率よく製造することができる。
≪記録物≫
次に、本発明の記録物について説明する。
本発明の記録物は、上述した本発明の製造方法を用いて製造されたものである。これにより、定着性に優れ、所望の形状を有する印刷部を備えた記録物を提供することができる。
本発明の記録物は、いかなる用途のものであってもよく、例えば、食品、日用品等の各種商品の包装材、各種装飾品等が挙げられる。
次に、本発明の記録物について説明する。
本発明の記録物は、上述した本発明の製造方法を用いて製造されたものである。これにより、定着性に優れ、所望の形状を有する印刷部を備えた記録物を提供することができる。
本発明の記録物は、いかなる用途のものであってもよく、例えば、食品、日用品等の各種商品の包装材、各種装飾品等が挙げられる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、前述した実施形態では、中間転写媒体が無端ベルト状をなすものである場合について代表的に説明したが、本発明において、中間転写媒体はいかなる形状のものであってもよく、例えば、ドラム状(ロール状)をなすものであってもよい。
また、前述した実施形態では、製造装置が、第1の紫外線照射手段および第2の紫外線照射手段として、別個の光源を備える場合について代表的に説明したが、例えば、第1の紫外線照射手段および第2の紫外線照射手段は、同一の光源から分岐した紫外線を照射するものであってもよい。
例えば、前述した実施形態では、中間転写媒体が無端ベルト状をなすものである場合について代表的に説明したが、本発明において、中間転写媒体はいかなる形状のものであってもよく、例えば、ドラム状(ロール状)をなすものであってもよい。
また、前述した実施形態では、製造装置が、第1の紫外線照射手段および第2の紫外線照射手段として、別個の光源を備える場合について代表的に説明したが、例えば、第1の紫外線照射手段および第2の紫外線照射手段は、同一の光源から分岐した紫外線を照射するものであってもよい。
また、本発明の製造装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。例えば、本発明では、第2のインクが転写された記録媒体を加熱する加熱手段を有するものであってもよい。これにより、例えば、より確実に重合性化合物の重合反応を進行させ記録物の信頼性を特に優れたものとすることができ、さらには、重合反応の反応速度をさらに高めることができ、記録物の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、本発明の製造方法では、上述したような工程に加え、さらに他の工程(前処理工程、中間処理工程、後処理工程)を有するものであってもよい。
また、本発明の製造方法では、上述したような工程に加え、さらに他の工程(前処理工程、中間処理工程、後処理工程)を有するものであってもよい。
[1]記録物の製造
以下のようにして、記録物を製造した。
(実施例1)
まず、図1に示すような製造装置を用意した。
製造装置を構成する中間転写媒体は、透明PETフィルムのテイジンテトロンフィルムG2、100μm厚(帝人デュポンフィルム株式会社製、紫外線の透過率:70%以上)で構成されたものであった。また、転写部において、中間転写媒体の曲率は、記録媒体搬送手段としての加圧ロールの曲率よりも大きいものであった。
以下のようにして、記録物を製造した。
(実施例1)
まず、図1に示すような製造装置を用意した。
製造装置を構成する中間転写媒体は、透明PETフィルムのテイジンテトロンフィルムG2、100μm厚(帝人デュポンフィルム株式会社製、紫外線の透過率:70%以上)で構成されたものであった。また、転写部において、中間転写媒体の曲率は、記録媒体搬送手段としての加圧ロールの曲率よりも大きいものであった。
<第1のインク付与工程>
まず、インクジェット方式により、第1のインク付与手段から中間転写媒体に向けて、第1のインクを所定のパターンで吐出した。本工程では、第1のインクによる層の厚さが1μmとなるようにした。その後、第1のインク乾燥手段としての80℃の温風による高速乾燥を行った。
まず、インクジェット方式により、第1のインク付与手段から中間転写媒体に向けて、第1のインクを所定のパターンで吐出した。本工程では、第1のインクによる層の厚さが1μmとなるようにした。その後、第1のインク乾燥手段としての80℃の温風による高速乾燥を行った。
第1のインクの組成は、以下に示すとおりである。
(第1のインク)
ワックスエマルションとして、AQUACER515(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製のポリエチレンワックスエマルション、不揮発分:35質量%)
15質量%
揮発性の液体成分としての1,2−ヘキサンジオール(沸点:223〜224℃)
5質量%
揮発性の液体成分としてのプロピレングリコール(沸点:188.2℃) 5質量%
界面活性剤として、BYK−348 0.5質量%
純水 74.5質量%
(第1のインク)
ワックスエマルションとして、AQUACER515(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製のポリエチレンワックスエマルション、不揮発分:35質量%)
15質量%
揮発性の液体成分としての1,2−ヘキサンジオール(沸点:223〜224℃)
5質量%
揮発性の液体成分としてのプロピレングリコール(沸点:188.2℃) 5質量%
界面活性剤として、BYK−348 0.5質量%
純水 74.5質量%
<第2のインク付与工程>
次に、インクジェット法により、第2のインク付与手段から中間転写媒体の第1のインクが付与された部位に向けて選択的に、第2のインクを付与した。第2のインクとしては、黒色(ブラック)のインク(ブラックインク)、藍紫色(シアン)のインク(シアンインク)、紅紫色(マゼンタ)のインク(マゼンタインク)、黄色(イエロー)のインク(イエローインク)、淡い藍紫色(シアン)のインク(シアンインク)および淡い紅紫色(マゼンタ)のインク(ライトマゼンタインク)の6種のインクを用いた。この際、各色の第2のインクが重なり合わないようにした。
次に、インクジェット法により、第2のインク付与手段から中間転写媒体の第1のインクが付与された部位に向けて選択的に、第2のインクを付与した。第2のインクとしては、黒色(ブラック)のインク(ブラックインク)、藍紫色(シアン)のインク(シアンインク)、紅紫色(マゼンタ)のインク(マゼンタインク)、黄色(イエロー)のインク(イエローインク)、淡い藍紫色(シアン)のインク(シアンインク)および淡い紅紫色(マゼンタ)のインク(ライトマゼンタインク)の6種のインクを用いた。この際、各色の第2のインクが重なり合わないようにした。
各インク(第2のインク)は、以下のように調製した。
[第2のインクの調製]
液状重合性化合物としてアリルグリコールを含むインクを調製した。
〔ブラックインクB−1〕
14質量部のアリルグリコール(モノマー、日本乳化剤社製、以下「AG」ともいう。)、及び1.2質量部のディスコールN−509(分散剤、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、大日精化工業社製商品名)を混合し、40℃で20分間攪拌した。
この攪拌後の液に、カーボンブラックMA7(三菱化学社製商品名)を6質量部添加して混合液を得、卓上サンドミル(林商店社製)中で、この混合液の1.5倍質量のジルコニアガラスビーズ(直径1.5mm)とともに、2,160rpmで2時間攪拌し分散した。分散後、0.1mm径のSUSメッシュフィルターにて濾過し、分散液を調製した。
[第2のインクの調製]
液状重合性化合物としてアリルグリコールを含むインクを調製した。
〔ブラックインクB−1〕
14質量部のアリルグリコール(モノマー、日本乳化剤社製、以下「AG」ともいう。)、及び1.2質量部のディスコールN−509(分散剤、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、大日精化工業社製商品名)を混合し、40℃で20分間攪拌した。
この攪拌後の液に、カーボンブラックMA7(三菱化学社製商品名)を6質量部添加して混合液を得、卓上サンドミル(林商店社製)中で、この混合液の1.5倍質量のジルコニアガラスビーズ(直径1.5mm)とともに、2,160rpmで2時間攪拌し分散した。分散後、0.1mm径のSUSメッシュフィルターにて濾過し、分散液を調製した。
分散液に、U−15HA(ウレタンアクリレートオリゴマー、新中村化学工業社製商品名、重量平均分子量2,300)、Irgacure 127及び819(光重合開始剤、以上BASF社製商品名)、Irgastab UV−10(重合禁止剤、BASF社製商品名)、BYK−UV3500(界面活性剤、ビックケミー社製商品名)、及びAG(残分)を、表1に示す分量(質量部)で添加し、常温で1時間攪拌した。攪拌後、5μm径のメンブランフィルターにて濾過し、表1に組成を示すブラック色のインクを調製した。なお、表1における光重合開始剤10質量部のうち、Irgacure127が7質量部であり、Irgacure819が3質量部である。
〔シアンインクB−2〕
着色剤であるカーボンブラックをシアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:4、DIC社製)とし、組成を表1に記載のようにした点以外は、ブラックインクB−1調製時と同様にして分散液を作製した。なお、この分散液の作製時に、AGを14質量部添加した。
着色剤であるカーボンブラックをシアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:4、DIC社製)とし、組成を表1に記載のようにした点以外は、ブラックインクB−1調製時と同様にして分散液を作製した。なお、この分散液の作製時に、AGを14質量部添加した。
分散液に、モノマーとしてN−ビニルホルムアミド(以下、「NVF」ともいう。)、U−15HA、Irgacure 127及び819、Irgastab UV−10、BYK−UV3500、及びAG(残分)を、表1に示す分量(質量部)で添加し、常温で1時間攪拌した。攪拌後、5μm径のメンブランフィルターにて濾過し、表1に組成を示すシアン色のインクを調製した。なお、表1におけるモノマー69.8質量部のうち、AGが59.8質量部であり、NVFが10質量部である。また、光重合開始剤5質量部のうち、Irgacure127が3質量部であり、Irgacure819が2質量部である。
〔マゼンタインクB−3〕
着色剤であるカーボンブラックをマゼンタ顔料(C.I.ピグメントバイオレット19、BASF社製)とし、組成を表1に記載のようにした点以外は、ブラックインクB−1調製時と同様にして分散液を作製した。なお、この分散液の作製時に、AGを14質量部添加した。
着色剤であるカーボンブラックをマゼンタ顔料(C.I.ピグメントバイオレット19、BASF社製)とし、組成を表1に記載のようにした点以外は、ブラックインクB−1調製時と同様にして分散液を作製した。なお、この分散液の作製時に、AGを14質量部添加した。
分散液に、U−15HA、Irgacure 127及び819、Irgastab UV−10、BYK−UV3500、AG(残分)、及びイオン交換水を、表1に示す分量(質量部)で添加し、常温で1時間攪拌した。攪拌後、5μm径のメンブランフィルターにて濾過し、表1に組成を示すマゼンタ色のインクを調製した。なお、表1における光重合開始剤3質量部のうち、Irgacure127が2質量部であり、Irgacure819が1質量部である。
〔イエローインクB−4〕
着色剤であるカーボンブラックをイエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー150、ウィンケミカル社製)とし、組成を表1に記載のようにした点以外は、ブラックインクB−1調製時と同様にして分散液を作製した。なお、この分散液の作製時に、AGを14質量部添加した。
着色剤であるカーボンブラックをイエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー150、ウィンケミカル社製)とし、組成を表1に記載のようにした点以外は、ブラックインクB−1調製時と同様にして分散液を作製した。なお、この分散液の作製時に、AGを14質量部添加した。
分散液に、U−15HA、Irgacure 127及び819、Irgastab UV−10、BYK−UV3500、及びAG(残分)を、表1に示す分量(質量部)で添加し、常温で1時間攪拌した。攪拌後、5μm径のメンブランフィルターにて濾過し、表1に組成を示すイエロー色のインクを調製した。なお、表1における光重合開始剤7.6質量部のうち、Irgacure127が5質量部であり、Irgacure819が2.6質量部である。
〔ライトシアンインクB−5〕
着色剤であるカーボンブラックをシアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:4、DIC社製)とし、組成を表1に記載のようにした点以外は、ブラックインク調製時と同様にして分散液を作製した。なお、この分散液の作製時に、AGを14質量部添加した。
分散液に、NVF、U−15HA、Irgacure 127及び819、Irgastab UV−10、BYK−UV3500、及びAG(残分)を、表1に示す分量(質量部)で添加し、常温で1時間攪拌した。攪拌後、5μm径のメンブランフィルターにて濾過し、表1に組成を示すライトシアン色のインクを調製した。なお、表1におけるモノマー50質量部のうち、AGが35質量部であり、NVFが15質量部である。また、表1における光重合開始剤4.36質量部のうち、Irgacure127が3質量部であり、Irgacure819が1.36質量部である。
着色剤であるカーボンブラックをシアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:4、DIC社製)とし、組成を表1に記載のようにした点以外は、ブラックインク調製時と同様にして分散液を作製した。なお、この分散液の作製時に、AGを14質量部添加した。
分散液に、NVF、U−15HA、Irgacure 127及び819、Irgastab UV−10、BYK−UV3500、及びAG(残分)を、表1に示す分量(質量部)で添加し、常温で1時間攪拌した。攪拌後、5μm径のメンブランフィルターにて濾過し、表1に組成を示すライトシアン色のインクを調製した。なお、表1におけるモノマー50質量部のうち、AGが35質量部であり、NVFが15質量部である。また、表1における光重合開始剤4.36質量部のうち、Irgacure127が3質量部であり、Irgacure819が1.36質量部である。
〔ライトマゼンタインクB−6〕
着色剤であるカーボンブラックをマゼンタ顔料(C.I.ピグメントバイオレット19、BASF社製)とし、組成を表1に記載のようにした点以外は、ブラックインクB−1調製時と同様にして分散液を作製した。なお、この分散液の作製時に、AGを14質量部添加した。
着色剤であるカーボンブラックをマゼンタ顔料(C.I.ピグメントバイオレット19、BASF社製)とし、組成を表1に記載のようにした点以外は、ブラックインクB−1調製時と同様にして分散液を作製した。なお、この分散液の作製時に、AGを14質量部添加した。
分散液に、U−15HA、Irgacure 127及び819、Irgastab UV−10、BYK−UV3500、AG(残分)、及びイオン交換水を、表1に示す分量(質量部)で添加し、常温で1時間攪拌した。攪拌後、5μm径のメンブランフィルターにて濾過し、表1に組成を示すライトマゼンタ色のインクを調製した。なお、表1における光重合開始剤3質量部のうち、Irgacure127が2質量部であり、Irgacure819が1質量部である。
上記のブラックインクB−1からライトマゼンタインクB−6までの組成を表1に纏める。
上記のブラックインクB−1からライトマゼンタインクB−6までの組成を表1に纏める。
<第1の重合工程>
次に、第1の紫外線照射手段(Fusion System社製、Dランプ)を用いて、中間転写媒体の第2のインクが付与された面とは反対の面側から紫外線を照射し、第2のインク中に含まれる重合性化合物を部分的に重合させた。本工程では、20cm幅の領域で紫外線を照射し、紫外線の照射強度を100mW/cm2とした。
次に、第1の紫外線照射手段(Fusion System社製、Dランプ)を用いて、中間転写媒体の第2のインクが付与された面とは反対の面側から紫外線を照射し、第2のインク中に含まれる重合性化合物を部分的に重合させた。本工程では、20cm幅の領域で紫外線を照射し、紫外線の照射強度を100mW/cm2とした。
<転写工程>
次に、転写部において、第1の重合工程において紫外線が照射された第2のインクを記録媒体としてのPVCフィルム:ViewCAL(桜井株式会社製、型番VC9700)に転写した。本工程における転写圧力は、30kg/cm2とした。
転写部において、中間転写媒体の曲率は、記録媒体の曲率よりも大きいものであった。すなわち、転写部においける中間転写媒体の曲率半径は30mm、転写部における記録媒体の曲率半径は50mmであった。
次に、転写部において、第1の重合工程において紫外線が照射された第2のインクを記録媒体としてのPVCフィルム:ViewCAL(桜井株式会社製、型番VC9700)に転写した。本工程における転写圧力は、30kg/cm2とした。
転写部において、中間転写媒体の曲率は、記録媒体の曲率よりも大きいものであった。すなわち、転写部においける中間転写媒体の曲率半径は30mm、転写部における記録媒体の曲率半径は50mmであった。
<第2の重合工程>
その後、第2の紫外線照射手段(Fusion System社製、Dランプ)を用いて、記録媒体の第2のインクが転写された側とは反対側の面から紫外線を照射し、第2のインクを構成する重合性化合物を硬化させ、印刷部を記録媒体に定着させた。本工程では、30cm幅の領域で紫外線を照射し、紫外線の照射強度を200mW/cm2とした。
その後、第2の紫外線照射手段(Fusion System社製、Dランプ)を用いて、記録媒体の第2のインクが転写された側とは反対側の面から紫外線を照射し、第2のインクを構成する重合性化合物を硬化させ、印刷部を記録媒体に定着させた。本工程では、30cm幅の領域で紫外線を照射し、紫外線の照射強度を200mW/cm2とした。
(実施例2)
第1のインクとして、
ワックスエマルションとして、AQUACER593(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製のポリプロピレンワックスエマルション、不揮発分:30質量%)
50質量%
揮発性の液体成分としての1,2−ヘキサンジオール(沸点:223〜224℃)
13.5質量%
揮発性の液体成分としてのプロピレングリコール(沸点:188.2℃)25質量%
界面活性剤として、BYK−348 1.5質量%
純水 10質量%
の組成のインクを用いた以外は前記実施例1と同様にして記録物を製造した。
第1のインクとして、
ワックスエマルションとして、AQUACER593(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製のポリプロピレンワックスエマルション、不揮発分:30質量%)
50質量%
揮発性の液体成分としての1,2−ヘキサンジオール(沸点:223〜224℃)
13.5質量%
揮発性の液体成分としてのプロピレングリコール(沸点:188.2℃)25質量%
界面活性剤として、BYK−348 1.5質量%
純水 10質量%
の組成のインクを用いた以外は前記実施例1と同様にして記録物を製造した。
(実施例3)
第1のインクとして、
ワックスエマルションとして、AQUACER2500(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製のポリエチレンワックスエマルション、不揮発分:40質量%)
62.5質量%
揮発性の液体成分としての1,2−ヘキサンジオール(沸点:223〜224℃)
5質量%
揮発性の液体成分としてのプロピレングリコール(沸点:188.2℃) 5質量%
界面活性剤として、BYK−348 0.2質量%
純水 27.3質量%
の組成のインクを用いた以外は前記実施例1と同様にして記録物を製造した。
第1のインクとして、
ワックスエマルションとして、AQUACER2500(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製のポリエチレンワックスエマルション、不揮発分:40質量%)
62.5質量%
揮発性の液体成分としての1,2−ヘキサンジオール(沸点:223〜224℃)
5質量%
揮発性の液体成分としてのプロピレングリコール(沸点:188.2℃) 5質量%
界面活性剤として、BYK−348 0.2質量%
純水 27.3質量%
の組成のインクを用いた以外は前記実施例1と同様にして記録物を製造した。
(実施例4)
第1のインクとして、
ワックスエマルションとして、AQUATIX8421(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製のエチレン・酢酸ビニル共重合ワックスエマルション、不揮発分:20質量%) 10質量%
揮発性の液体成分としての1,2−ヘキサンジオール(沸点:223〜224℃)
5質量%
揮発性の液体成分としてのプロピレングリコール(沸点:188.2℃) 5質量%
界面活性剤として、BYK−347 0.5質量%
純水 79.5質量%
の組成のインクを用いた以外は前記実施例1と同様にして記録物を製造した。
第1のインクとして、
ワックスエマルションとして、AQUATIX8421(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製のエチレン・酢酸ビニル共重合ワックスエマルション、不揮発分:20質量%) 10質量%
揮発性の液体成分としての1,2−ヘキサンジオール(沸点:223〜224℃)
5質量%
揮発性の液体成分としてのプロピレングリコール(沸点:188.2℃) 5質量%
界面活性剤として、BYK−347 0.5質量%
純水 79.5質量%
の組成のインクを用いた以外は前記実施例1と同様にして記録物を製造した。
(実施例5)
第1のインクとして、
ワックスエマルションとして、AQUACER581(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製のカルナバワックスエマルション、不揮発分:30質量%)
10質量%
揮発性の液体成分としての1,2−ヘキサンジオール(沸点:223〜224℃)
20質量%
揮発性の液体成分としてのプロピレングリコール(沸点:188.2℃)20質量%
界面活性剤として、BYK−348 0.5質量%
純水 49.5質量%
の組成のインクを用いた以外は前記実施例1と同様にして記録物を製造した。
第1のインクとして、
ワックスエマルションとして、AQUACER581(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製のカルナバワックスエマルション、不揮発分:30質量%)
10質量%
揮発性の液体成分としての1,2−ヘキサンジオール(沸点:223〜224℃)
20質量%
揮発性の液体成分としてのプロピレングリコール(沸点:188.2℃)20質量%
界面活性剤として、BYK−348 0.5質量%
純水 49.5質量%
の組成のインクを用いた以外は前記実施例1と同様にして記録物を製造した。
(比較例1)
製造装置として第1のインク付与手段を有さないものを用い、第1のインク付与工程を省略した以外は、前記実施例1と同様にして記録物を製造した。
(比較例2)
製造装置として第1の紫外線照射手段を有さないものを用い、第1の重合工程を省略した以外は、前記実施例1と同様にして記録物を製造した。
製造装置として第1のインク付与手段を有さないものを用い、第1のインク付与工程を省略した以外は、前記実施例1と同様にして記録物を製造した。
(比較例2)
製造装置として第1の紫外線照射手段を有さないものを用い、第1の重合工程を省略した以外は、前記実施例1と同様にして記録物を製造した。
(比較例3)
製造装置として第2の紫外線照射手段を有さないものを用い、第2の重合工程を省略するとともに、第1の紫外線照射手段による紫外線の照射強度を変更した以外は、前記実施例1と同様にして記録物を製造した。
(比較例4)
第1の重合工程における紫外線の照射強度を500mW/cm2に変更した以外は、前記比較例3と同様にして記録物を製造した。
製造装置として第2の紫外線照射手段を有さないものを用い、第2の重合工程を省略するとともに、第1の紫外線照射手段による紫外線の照射強度を変更した以外は、前記実施例1と同様にして記録物を製造した。
(比較例4)
第1の重合工程における紫外線の照射強度を500mW/cm2に変更した以外は、前記比較例3と同様にして記録物を製造した。
(比較例5)
製造装置として、第1の紫外線照射手段が中間転写媒体のインクが付与される面側に配置されたものを用い、第1の重合工程において、紫外線の照射を中間転写媒体の前記第2のインクが付与された面側(第2のインクの外表面側)から行った以外は、前記実施例1と同様にして記録物を製造した。
製造装置として、第1の紫外線照射手段が中間転写媒体のインクが付与される面側に配置されたものを用い、第1の重合工程において、紫外線の照射を中間転写媒体の前記第2のインクが付与された面側(第2のインクの外表面側)から行った以外は、前記実施例1と同様にして記録物を製造した。
前記各実施例および各比較例についての、製造装置の構成、製造条件を表2にまとめて示す。
なお、表中、AQUACER515(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製のポリエチレンワックスエマルション、不揮発分:35質量%)のワックス成分(不揮発分)を「W1」、AQUACER593(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製のポリプロピレンワックスエマルション、不揮発分:30質量%)のワックス成分(不揮発分)を「W2」、AQUACER2500(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製のポリエチレンワックスエマルション、不揮発分:40質量%)のワックス成分(不揮発分)を「W3」、AQUATIX8421(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製のエチレン・酢酸ビニル共重合ワックスエマルション、不揮発分:20質量%)のワックス成分(不揮発分)を「W4」、AQUACER581(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製のカルナバワックスエマルション、不揮発分:30質量%)のワックス成分(不揮発分)を「W5」、1,2−ヘキサンジオールを「HD」、プロピレングリコールを「PG」、界面活性剤としてのBYK−348を「348」、BYK−347を「347」で示した。また、表中、「第1の紫外線照射手段の位置」の欄については、中間転写媒体の第2のインクが付与された面とは反対の面側に設置されたものを「内面側」、中間転写媒体の第2のインクが付与された面側に設置されたものを「外面側」で示した。また、第1のインクの構成成分として水を含むものを用いた実施例では、当該第1のインクは、水系のワックスエマルションをなすものであった。また、前記実施例および比較例で用いた記録媒体は、いずれも非吸収性のものであった。
なお、表中、AQUACER515(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製のポリエチレンワックスエマルション、不揮発分:35質量%)のワックス成分(不揮発分)を「W1」、AQUACER593(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製のポリプロピレンワックスエマルション、不揮発分:30質量%)のワックス成分(不揮発分)を「W2」、AQUACER2500(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製のポリエチレンワックスエマルション、不揮発分:40質量%)のワックス成分(不揮発分)を「W3」、AQUATIX8421(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製のエチレン・酢酸ビニル共重合ワックスエマルション、不揮発分:20質量%)のワックス成分(不揮発分)を「W4」、AQUACER581(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製のカルナバワックスエマルション、不揮発分:30質量%)のワックス成分(不揮発分)を「W5」、1,2−ヘキサンジオールを「HD」、プロピレングリコールを「PG」、界面活性剤としてのBYK−348を「348」、BYK−347を「347」で示した。また、表中、「第1の紫外線照射手段の位置」の欄については、中間転写媒体の第2のインクが付与された面とは反対の面側に設置されたものを「内面側」、中間転写媒体の第2のインクが付与された面側に設置されたものを「外面側」で示した。また、第1のインクの構成成分として水を含むものを用いた実施例では、当該第1のインクは、水系のワックスエマルションをなすものであった。また、前記実施例および比較例で用いた記録媒体は、いずれも非吸収性のものであった。
[2]評価
以上のようにして得られた記録物に関して、以下のような評価を行った。
[2.1]外観評価
前記各実施例および比較例で製造した各記録物を目視により観察し、以下の基準に従い評価した。
以上のようにして得られた記録物に関して、以下のような評価を行った。
[2.1]外観評価
前記各実施例および比較例で製造した各記録物を目視により観察し、以下の基準に従い評価した。
A:所望の形状の印刷部が確実に形成されており、流れ、はじき等による印刷不良
が認められない。
B:印刷部のうち細線部のみにおいてわずかに乱れが認められた。
C:印刷部のうち細線部において明らかな乱れが認められたが、それ以外の部位で
は乱れが認められなかった。
D:細線部での乱れに加え、それ以外の部位でもわずかな乱れが認められた。
E:細線部での乱れに加え、それ以外の部位でも明らかな乱れが認められた。
が認められない。
B:印刷部のうち細線部のみにおいてわずかに乱れが認められた。
C:印刷部のうち細線部において明らかな乱れが認められたが、それ以外の部位で
は乱れが認められなかった。
D:細線部での乱れに加え、それ以外の部位でもわずかな乱れが認められた。
E:細線部での乱れに加え、それ以外の部位でも明らかな乱れが認められた。
[2.2]定着強度評価
前記各実施例および比較例で製造した各記録物について、各インクの100%dutyのベタ色印刷部に対し、日本工業規格JISL0849記載の方法に準じて、II形の学振式摩擦堅牢性試験機AB−301S(テスター産業株式会社製)を用い、摩擦子の先端に乾燥状態の白綿布を取り付け、約2N/100mm2の荷重で毎分30回往復の速度にて100往復して堅牢性試験を行った。試験前後での印刷部の濃度をX−Rite model 404(X−Rite Inc.製)にて測定し、10箇所の平均濃度残存率を算出し、以下の基準に従い判定した。濃度残存率が大きいほど、印刷部の記録媒体に対する定着強度が優れているといえる。
前記各実施例および比較例で製造した各記録物について、各インクの100%dutyのベタ色印刷部に対し、日本工業規格JISL0849記載の方法に準じて、II形の学振式摩擦堅牢性試験機AB−301S(テスター産業株式会社製)を用い、摩擦子の先端に乾燥状態の白綿布を取り付け、約2N/100mm2の荷重で毎分30回往復の速度にて100往復して堅牢性試験を行った。試験前後での印刷部の濃度をX−Rite model 404(X−Rite Inc.製)にて測定し、10箇所の平均濃度残存率を算出し、以下の基準に従い判定した。濃度残存率が大きいほど、印刷部の記録媒体に対する定着強度が優れているといえる。
AA:平均濃度残存率が90%以上
A:平均濃度残存率が80%以上90%未満
B:平均濃度残存率が60%以上80%未満
C:平均濃度残存率が40%以上60%未満
D:平均濃度残存率が20%以上40%未満
E:平均濃度残存率が20%未満、または、定着不能
これらの結果を表3に示す。
A:平均濃度残存率が80%以上90%未満
B:平均濃度残存率が60%以上80%未満
C:平均濃度残存率が40%以上60%未満
D:平均濃度残存率が20%以上40%未満
E:平均濃度残存率が20%未満、または、定着不能
これらの結果を表3に示す。
表3から明らかなように、本発明の記録物では、所望の形状を有する印刷部が確実に形成されたものであり、印刷部の記録媒体への定着強度に優れるものであった。また、本発明では、優れた生産性、歩留まりで記録物を製造することができた。また、本発明では、低エネルギーで記録物を製造することができた。これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。
また、前記各実施例および比較例について、第2のインクの組成を変更し、重合性化合物としてそれ単独で固体状をなすオリゴマーU−15HA(ウレタンアクリレートオリゴマー、新中村化学工業社製商品名、重量平均分子量2,300)のみを含み、その代わりに揮発性の溶剤プロピレングリコール(沸点:188.2℃)を含むものを用いた以外は、上記と同様にして記録物を製造したところ、上記と同様の傾向が認められたが、重合性化合物としてアリルグリコールを含む第2のインクを用いた実施例において、特に優れた結果が得られた。
100…製造装置 11…中間転写媒体 12…第1のインク付与手段 13、13C、13M、13Y、13W、13K…第2のインク付与手段 14…第1の紫外線照射手段 15…第2の紫外線照射手段 16A、16B…支持ロール 17A…加圧ロール 17B…加圧ロール(記録媒体搬送手段) 18…クリーニング手段 19…乾燥手段 21…第1のインク 22…第2のインク 23…記録媒体
Claims (13)
- 紫外線透過性を有する中間転写媒体に、ワックスを含む第1のインクを付与する第1のインク付与工程と、
前記中間転写媒体の前記第1のインクが付与された部位に、着色剤および紫外線の照射により重合する重合性化合物を含む第2のインクを、インクジェット法により付与する第2のインク付与工程と、
前記中間転写媒体の前記第2のインクが付与された面とは反対の面側から、紫外線を照射し、前記重合性化合物を部分的に重合させる第1の重合工程と、
前記第1の重合工程において紫外線が照射された前記第2のインクを記録媒体に転写する転写工程と、
前記記録媒体に転写された前記第2のインクを構成する前記重合性化合物を硬化させる第2の重合工程とを有することを特徴とする記録物の製造方法。 - 前記第1のインクは、水系のワックスエマルションを構成するものである請求項1に記載の記録物の製造方法。
- 前記第1のインクは、ポリオレフィンワックス、エチレン酢酸ビニルワックスおよびカルナバワックスよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものである請求項1または2に記載の記録物の製造方法。
- 前記第1のインクは、前記ワックスとして、硬化性のワックスを含むものである請求項1ないし3のいずれか一項に記載の記録物の製造方法。
- 前記第2のインクは、前記重合性化合物として、前記第2のインク付与工程の条件下で、それ単独で液状をなす液状重合性化合物を含むものである請求項1ないし4のいずれか一項に記載の記録物の製造方法。
- 前記第2のインクは、前記液状重合性化合物としてアリルグリコールを含むものである請求項5に記載の記録物の製造方法。
- 前記第1のインク付与工程は、インクジェット法により行うものである請求項1ないし6のいずれか一項に記載の記録物の製造方法。
- 前記転写工程で前記第2のインクが転写される部位において、前記中間転写媒体の曲率は、前記記録媒体の曲率よりも大きいものである請求項1ないし7のいずれか一項に記載の記録物の製造方法。
- 前記転写工程で前記第2のインクが転写される部位において、前記中間転写媒体および前記記録媒体は、互いに、相手側に向かって凸状に湾曲するものである請求項1ないし8のいずれか一項に記載の記録物の製造方法。
- 前記記録媒体は、紫外線透過性を有するものであり、
前記第2の重合工程は、前記第2のインクが転写された側とは反対側の面から紫外線を照射することにより行うものである請求項1ないし9のいずれか一項に記載の記録物の製造方法。 - 前記記録媒体は、プラスチック材料で構成されたフィルムである請求項1ないし10のいずれか一項に記載の記録物の製造方法。
- 紫外線透過性を有する中間転写媒体と、
前記中間転写媒体に、ワックスを含む第1のインクを付与する第1のインク付与手段と、
前記中間転写媒体の前記第1のインクが付与された部位に、着色剤および紫外線の照射により重合する重合性化合物を含む第2のインクを、インクジェット法により付与する第2のインク付与手段と、
前記中間転写媒体の前記第2のインクが付与された面とは反対の面側から紫外線を照射する第1の紫外線照射手段と、
記録媒体に転写された前記第2のインクに紫外線を照射する第2の紫外線照射手段とを備えることを特徴とする記録物の製造装置。 - 請求項1ないし11のいずれか一項に記載の方法を用いて製造されたことを特徴とする記録物。
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JP2012107111A JP2013233718A (ja) | 2012-05-08 | 2012-05-08 | 記録物の製造方法、記録物の製造装置および記録物 |
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JP2021046465A (ja) * | 2019-09-17 | 2021-03-25 | コニカミノルタ株式会社 | プレコート液、プレコート液を用いる画像形成方法および画像形成装置 |
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WO2022123891A1 (ja) * | 2020-12-11 | 2022-06-16 | 福田金属箔粉工業株式会社 | 水性インキ用金色ペースト及び該ペーストが分散してなる水性金色インキ |
-
2012
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