JP2013232109A - 撮像装置、撮像システム及び撮像方法 - Google Patents

撮像装置、撮像システム及び撮像方法 Download PDF

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Abstract

【課題】凹凸のある撮像対象に対し、質感や凹凸感を十分に再現する画像データを得ることができる撮像装置、撮像システム及び撮像方法を提供する。
【解決手段】対象物に光を照射する光照射部と、照射された光の対象物からの反射光に応じて画像を読取る読取部と、画像に対して予め定められた空間周波数成分を強調する強調部と、を有する。強調部は、1mmあたりの周期が1未満である空間周波数成分を強調するように構成されてもよい。
【選択図】図4

Description

本発明は、撮像装置、撮像システム及び撮像方法に関する。
従来、コンタクトガラス上に配置した原稿に対して、コンタクトガラスの下方で移動する読取ヘッド内部に配置された光源から走査光を照射し、原稿面からの反射光をラインCCDで読取ってデジタル画像データを出力することが知られている。
例えば、特許文献1には、被写体の被走査面と読取り光学系の光軸の対応角度を所望の角度に調整できるようにしたマルチアングルスキャナが開示されている。
また、特許文献2には、半透明物体の画像を取得すると共に、該物体の光学物性の計測によりPSFを取得し、取得したPSFに基づいて画像にデコンボリューション演算又はコンボリューション演算を行い、表面凹凸状態を制御した画像を形成する画像形成方法が開示されている。
また、特許文献3には、光源から出射される光束の波長を限定する複数の波長限定手段などを備え、波長限定手段の数だけ撮像対象物を走査して、該撮像対象物について複数の波長帯での画像を撮像する撮像装置が開示されている。
しかしながら、凹凸のある撮像対象に対し、質感や凹凸感を十分に再現する画像データを得ることができないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、凹凸のある撮像対象に対し、質感や凹凸感を十分に再現する画像データを得ることができる撮像装置、撮像システム及び撮像方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、対象物に光を照射する光照射部と、照射された光の対象物からの反射光に応じて画像を読取る読取部と、画像に対して予め定められた空間周波数成分を強調する強調部と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、対象物に照射された光の対象物からの反射光に応じて読取られた画像を取得する画像取得部と、画像に対して予め定められた空間周波数成分を強調する強調部と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、対象物に光を照射する工程と、照射された光の対象物からの反射光に応じて画像を読取る工程と、画像に対して予め定められた空間周波数成分を強調する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、凹凸のある撮像対象に対し、質感や凹凸感を十分に再現する画像データを得ることができるという効果を奏する。
図1は、実施形態にかかる撮像装置の構成及びその周辺の概要を示す構成図である。 図2は、光照射部の短手方向の断面を示す断面図である。 図3は、読取部の短手方向の断面を示す断面図である。 図4は、処理部の機能を示す機能ブロック図である。 図5は、強調処理を適用する空間周波数範囲と、目視評価結果との対応を示す図表である。 図6は、強調係数αを変化させた場合の目視評価結果を示す図表である。 図7は、第1の変形例における空間周波数kと強調係数αとの関係を示すグラフである。 図8は、強調領域におけるαの値を示すグラフである。 図9は、第3の変形例における光照射部の短手方向の断面を示す断面図である。 図10は、第4の変形例における読取部の短手方向の断面を示す断面図である。
以下に添付図面を参照して、撮像装置の実施の形態を詳細に説明する。図1は、実施形態にかかる撮像装置1の構成及びその周辺の概要を示す構成図である。撮像装置1は、光照射部2、読取部3及び処理部4を有する。また、光照射部2、読取部3及び処理部4は、一体化されていてもよい。撮像装置1は、例えば図1に示した移動方向Aに移動しつつ、支持台6に載置された対象物を走査して画像データを得るスキャナとして機能する。撮像装置1が移動することに代えて、支持台6が移動するように構成されてもよい。また、撮像装置1は、例えばPC(Personal computer)5などが接続され、PC5の制御に応じて動作し、画像データなどをPC5に対して出力するように構成されてもよい。
光照射部2は、移動方向Aに直交する方向に延びる光源(図示せず)を含む。そして、光照射部2は、移動方向Aに移動しつつ、対象物の表面凹凸に起因して陰影が発生するように、支持台6に載置された対象物に対して光を照射する。なお、支持台6は、上下に移動するように構成されている。つまり、対象物の厚みに応じて支持台6を上下に移動させることにより、対象物の表面に対して設定した照射角度で光照射部2が光を照射することができるようにされている。
読取部3は、移動方向Aに直交する方向に延びるラインセンサなどを含む。即ち、読取部3は、図示しないCCD(Charge Coupled Device)などの固体撮像素子とレンズなどを含み、撮像機能を有する。そして、読取部3は、移動方向Aに移動しつつ、対象物の表面凹凸に起因して陰影が発生した対象物からの反射光に応じて画像を読取る。即ち、読取部3は、対象物からの反射光を受光し、画像を示す電気信号に反射光を変換する。
対象物の表面凹凸は、陰影を通じて撮像画像に反映される。質感や凹凸感を十分に再現するためには、陰影を発生させる光の照射条件は必須であると考えられる。陰影が発生していない状態では対象物の表面凹凸を反映した撮像画像を得ることはできない。
読取部3は、対象物の注目箇所からの反射光と撮像画像データの注目箇所(注目画素)のデータ値とが、完全に対応していることが理想である。しかしながら、実際には必ずしもこの関係が完全であるとはいえないと考えられる(対象物の形状や色の点において撮像画像の不具合が発生しないレベルで読取り光学系の結像性能が確保されている)。実際には、対象物の注目箇所以外の箇所からの反射光の一部が、撮像画像の注目画素のデータ値に影響を及ぼしている可能性がある。即ち、読取り光学系でのCCDなどの受光部において、注目箇所からの反射光に別の箇所からの反射光(不要な光)が混入した状態になってしまっている。
似た現象として、光学系のフレアと称される現象がある。フレアは画像上でも不具合として知覚される現象である。しかし、読取部3が読取る撮像画像に生じる現象は、明確に知覚できない程度の非常に小さな強度のものであり、かつ撮像画像においてかなり遠くの画素にまで影響を及ぼすといった点において、上記のフレアとは差異があると考えられる。例えば、明確には知覚することができない現象であっても、対象物の質感や凹凸感には影響を及ぼし、質感や凹凸感の劣化を引き起こすことがあると考えられる。
処理部4は、読取部3が変換した電気信号が示す画像に対し、予め定められた空間周波数成分を強調する処理を行い、処理結果(撮像画像データ)をPC5などに対して出力する。撮像画像データに対して行う特定空間周波数成分への強調処理は、上記の対象物注目箇所以外からの反射光の一部が、注目画素の値に影響を及ぼしてしまうといった現象を補正する変換(いわゆる逆変換に相当する)であると考えられる。このため、特定空間周波数成分への強調処理が、対象物注目箇所以外からの反射光の一部が混入する現象を低減したことと同様の効果につながった結果として、対象物の質感や凹凸感が向上した撮像画像を得ることができると考えられる。
PC5は、例えば画像取得部50及び処理部52を含む。画像取得部50は、例えば読取部3が変換した電気信号が示す画像を、例えば図示しないネットワークなどを介して取得し、取得した画像を処理部52に対して出力する。処理部52は、例えば処理部4と同じ構成を有し、読取部3が変換した電気信号が示す画像に対して、予め定められた空間周波数成分を強調する処理を行う。即ち、読取部3が変換した電気信号が示す画像に対し、処理部4又は処理部52のいずれが空間周波数成分を強調してもよい。
次に、撮像装置1を構成する各部の詳細について説明する。図2は、光照射部2の短手方向の断面を示す断面図である。図2に示すように、光照射部2は、例えば光源20及び拡散板22を有する。光源20は、例えば高演色性の蛍光灯又はLEDなどである。拡散板22は、対象物に照明ムラが発生することを防止するために設けられているが、設けられていなくてもよい。
光照射部2は、対象物に直交する方向(例えば鉛直方向)に対する傾き(照射角度)が例えば60度になるように配置されている。なお、照明角度が大きく設定される(光照射部2が低い位置に配置される)と、対象物の表面に対象物の凹凸に対応した陰影が発生しやすくなるため、対象物の質感や凹凸感が知覚されやすい画像の読取りが可能になる。
対象物に対する照明条件(照射条件)は、対象物の凹凸に応じて陰影が発生し、対象物の質感や凹凸感(立体感)を読取ることが可能であればよく、図2に示した照射条件と異なるものであってもよい。例えば、対象物に対する光の照射が一方向からだけでなく、複数方向から対象物に光が照射されてもよい。ただし、複数方向から光を照射する場合には、対象物の凹凸に応じた陰影が消えてしまいやすくなるため、対象物の凹凸に応じた陰影が消えないように複数の照射光の強度に差異を持たせることが必要である。
図3は、読取部3の短手方向の断面を示す断面図である。図3に示すように、読取部3は、例えば集光レンズ30、カラーフィルタ32及びラインCCD(ラインセンサ)34を有する。集光レンズ30は、光照射部2が照射した光に対して対象物が反射した光を集光する。カラーフィルタ32は、対象物が反射した光の波長選択を行う。ラインCCD34は、波長選択された光を電気信号に変換する。つまり、読取部3は、集光レンズ30が集光した光に対し、カラーフィルタ32がレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の色成分に対応する波長選択を行い、各色成分の反射光量に応じた電気信号をラインCCD34が生成する構成となっている。
ここで、R、G、Bの色成分の波長域はそれぞれ、400〜500、500〜580、575〜700nmである。また、読取部3は、例えば表面方向の解像度が1800dpiにされ、RGB各色をそれぞれ16bitの分解能で反射光量に対応した電気信号に変換して出力する構成にされている。なお、読取部3は、対象物から垂直方向(例えば鉛直方向)に反射される反射光を受光するように配置されている。ただし、読取部3は、対象物の表面凹凸に起因して陰影が発生した対象物からの反射光を受光して画像を示す電気信号に変換することができれば、他の角度で反射される反射光を受光するように構成されてもよい。
図4は、処理部4の機能を示す機能ブロック図である。図4に示すように、処理部4は、例えば信号変換部40、強調部42及びファイル出力部44を有し、上流側から配置された順に動作する。処理部4は、信号変換部40が読取部3から受入れた電気信号を画像データに変換し、強調部42が画像データに対して特定空間周波数成分を強調する処理を行い、ファイル出力部44が処理された画像データを汎用形式の画像データに変換してファイル出力を行う。
以下、処理部4について詳述する。信号変換部40は、反射光に対応した電気信号を読取部3から受入れ、RGB各色成分について1画素あたり16bitのデータ値を持つ画像データに変換する。ここで生成される画像データは、読取部3の解像度と同じであり、例えば解像度1800dpiである。
強調部42は、まず、画像データ(2次元)のRGBの各色について、DFT(離散フーリエ変換)を行い、2次元の空間周波数成分(空間周波数スペクトラム)を算出する。なお、画像データのRGBの各色については、色毎に同じ処理を適用するので、ここでは1色分の処理方法について説明を行う。
2次元の空間周波数スペクトラムF(u,v)は、2次元の画像データをf(x,y)とすると、下式1により算出される。
Figure 2013232109
ここでM,Nは画像データのx,y方向の画素数(M,N)を表している。また、uはx成分の周波数、vはy成分の周波数を表している。
次に、下式2より、1次元化した空間周波数kを算出する。2式において、解像度Rの単位はdpiであり、数字「25.4」は1インチを25.4mmとしたことに基づく。
Figure 2013232109
2式により算出した空間周波数kは、単位が(周期/mm)である。強調部42は、2式により算出された1次元化した空間周波数kが0.0〜1.0(周期/mm)に相当する空間周波数領域に対し、空間周波数スペクトラムを強調する処理を行う。kはx方向の空間周波数であり、kはy方向の空間周波数である。例えば、強調部42は、下式3に従って強調後の空間周波数成分F’(u,v)を算出する。
Figure 2013232109
つまり、強調部42は、空間周波数kが0.0〜1.0(周期/mm)に相当する空間周波数領域においては空間周波数スペクトラムを1.2倍とし、他の空間周波数領域においては空間周波数スペクトラムをそのままとする強調処理を行う。以下、強調部42が、空間周波数スペクトラムを強調するために空間周波数スペクトラムに対して乗算する値を、強調係数αと記す。例として、強調部42は、空間周波数kが0.0〜1.0(周期/mm)に相当する空間周波数領域において、下式4に示すように強調係数αの値を1.2とする。
Figure 2013232109
強調部42は、さらにF’(u,v)に対し、下式5に示した逆DFT(逆離散フーリエ変換)を行い、強調後の画像データf’(x,y)を算出する。
Figure 2013232109
ファイル出力部44は、強調部42が強調処理を行った画像データを汎用形式のTIFF(Tagged Image File Format)データなどに変換して外部へファイル出力を行う。
なお、上記の実施形態においては、撮像装置1がRGBの画像データを用いて強調処理を行う場合を例に説明したが、これに限定されることなく、例えばCMYK、XYZ及びLabなどの画像データを用いて強調処理を行ってもよい。また、解像度R及び1画素あたりの分解能なども上記の値に限定されるものではない。また、強調部42は、DFT(離散フーリエ変換)を使用して強調処理を行っているが、これに限定されない。例えば、強調部42は、特定空間周波数領域の強調操作を行うフィルタと画像データとのコンボリューションをとることによって強調処理を行うように構成されてもよい。
(第1の実験例)
発明者は、強調部42が強調処理を行う空間周波数範囲を変化させて、撮像装置1を動作させる実験を行った。具体的には、3式を適用する空間周波数範囲を変更して撮像した画像データを得る実験を行った。
撮像装置1による撮像に使用した対象物は、質感や凹凸感のある対象物として、油絵(2種)、タイル(4種)、壁紙(5種)、カーテン(4種)の15種類の対象物を選定した。図5は、強調処理を適用する空間周波数範囲と、目視評価結果との対応を示す図表である。発明者は、この15種の対象物それぞれに対し、強調部42が強調を行う空間周波数範囲を図5に示したNo.1〜No.7のように設定した条件で撮像を行い、画像データ(撮影画像)を得た。撮像画像の質感や凹凸感(立体感)の評価方法は未確立であるため、発明者は、得られた撮像画像をディスプレイ上に表示し、対象物の実物と比較する目視評価を行った。この実験に使用したディスプレイは、ナナオ社製のColorEdge CG221である。ここで、発明者は、ディスプレイ上での対象物の表示サイズを、対象物の実物と等しくした。つまり、発明者は、画像サイズ=(解像度)×{x(又はy)方向の画素数}が対象物の実物に対してディスプレイ上で一致するように表示させた。
目視評価の観点は、強調を行った場合の画像と、強調を行わない場合の画像との比較において、質感及び凹凸感(立体感)の向上が有るか否かを評価することとした。条件No.1では、強調を行う空間周波数範囲に0.0cycle/mm(=周期/mm)が含まれているため、強調処理によって画像の色合い(色味)が変化してしまう。こうした色味の変化は、質感や凹凸感(立体感)の向上に対しては適切な変化ではない。従って、観察者が許容できない強調画像になる。これは、空間周波数k=0.0の周波数成分を強調した処理が、画像の全画素にわたる平均値を増加させることに相当するために、画像の色(色合い)が変化したことによる。
条件No.3,No.4は、上述した実施形態に対して強調を適用する空間周波数範囲を変更したことに相当する。ここでは、空間周波数kが1.0(周期/mm)以上の空間周波数範囲を強調しても、対象物の表面の比較的細かな凹凸感の向上が知覚されるものの、単純な濃淡の強調をしているように見えてしまい、質感や凹凸感(立体感)の向上には結びつかないという結果を示している。
一方で、条件No.2では、強調部42が0.0<k<1.0となる空間周波数範囲を強調している。この場合には、質感や凹凸感(立体感)が向上した撮像画像となっている。
条件No.5は、上記条件No.2及びNo.3の両方の領域を含む領域を強調した場合に相当する。この場合には、質感や凹凸感(立体感)の向上が知覚できるものの、高周波側を強調したことによる中程度の細かさの濃淡の強調が目立つ結果となり、質感や凹凸感(立体感)の向上を損なう結果となってしまった。条件No.5の結果は、全体的には条件No.2を上回るものではなくむしろ条件No.2よりも劣る結果であった。
条件No.6及び条件No.7は、条件No.2での強調範囲を分割した結果に相当する。この場合には、両者とも、質感及び凹凸感(立体感)の向上した撮像画像を得ることができた。
このように、1次元化した空間周波数kが0.0<k<1.0の範囲内の空間周波数スペクトラムを強調処理することにより、質感及び凹凸感(立体感)の向上を実現した撮像画像を得ることができる。
(第2の実験例)
発明者は、強調係数αの値を変化させて、撮像装置1を動作させる実験を行った。使用した対象物は、第1の実験例と同じく、油絵(2種)、タイル(4種)、壁紙(5種)、カーテン(4種)の15種類とした。発明者は、この15種類の対象物に対し、それぞれ強調係数αを0.5〜2.5に設定した条件で撮像を行い、撮像画像を得た。撮像画像の質感や凹凸感(立体感)の評価方法は未確立であるため、発明者は、こうして得られた撮像画像をディスプレイ上に表示し、対象物の実物と比較する目視評価を行った。目視評価の観点は以下の2点である。
<観点1>
ディスプレイ上に表示した撮像画像と対象物の実物との比較において、強調係数α=1.0の撮像画像(強調部42が強調処理を行わない画像)を基準として、質感及び凹凸感(立体感)が向上しているか。
<観点2>
ディスプレイ上に表示した撮像画像と対象物の実物との比較において、違和感を覚えないか。ここでの違和感とは、強調したことが知覚できてしまうような画像となってしまうこと、観察者が自然に感じるような凹凸感の向上ではなくなってしまっていること、に対応する。
図6は、強調係数αを変化させた場合の目視評価結果を示す図表である。図6に示すように、強調処理を行っていない撮像画像(α=1.0)と比較して質感及び凹凸感(立体感)が向上しているかという観点(観点1)において、強調係数αを1.0以下に設定した場合には向上が見られないという結果となった。強調係数αを1.0以下に設定した場合には、αの値が小さくなるにしたがって、質感及び凹凸感(立体感)が減少していき、平面的な画像となってしまっていた。
一方で、強調係数αを1.0以上に設定した場合には、観点1において、質感及び凹凸感(立体感)が向上するという結果となった。強調係数αを1.0以上に設定した場合には、αの値が大きくなるにしたがって、質感及び凹凸感(立体感)が増加していた。
次に、強調画像に違和感を覚えないかといった観点(観点2)において、強調係数αを2.0未満に設定した場合には、違和感を覚えない撮像画像となるという結果となった。一方、強調係数αを2.0以上に設定した場合には、強調したことが知覚できてしまい、自然と感じる凹凸感が実現できず、違和感を覚える撮像画像になるという結果となった。
このように、第2の実験例の結果から、強調係数αを、α>1.0かつα<2.0に設定することにより、質感及び凹凸感(立体感)の向上と、違和感といった悪影響の防止との両立を図ることができることがわかる。
上述したように、従来技術では、対象物の質感や凹凸感が十分に反映された撮像画像を採取することが、困難であるといった問題があった。このことは、撮像画像の利用者が対象物を直接見た場合と撮像画像を見た場合とで、両者の差異を認識できてしまうことを意味している。つまり、こうした撮像画像が臨場感や本物感(リアル感)が備えていないといったこと引き起こしてしまっていた。この結果、こうした撮像画像を商品広告などに使用した場合には、商品訴求力の劣った広告しか実現できないといった事態を引き起こしてしまっていた。
発明者は、撮像画像の質感向上の追求をおこなった結果、光照射部2によって対象物の表面凹凸に起因する陰影を発生させること、さらに対象物からの反射光を読み取った結果に対して、特定周波数成分を強調することによって、対象物の表面凹凸をリアルに再現した、質感や凹凸感の高い撮像画像を獲得することができることを見出した。つまり、実施形態にかかる撮像装置1は、従来技術では不十分であった対象物の臨場感や本物感(リアル感)を備えた撮像画像を獲得することができる。この結果、撮像装置1によって得られた撮像画像を商品広告などに使用した場合には、商品訴求力が高く、顧客注目度の高い広告をえることができる。もちろん、対象物の臨場感や本物感(リアル感)を備えた撮像画像は、商品広告以外のさまざまな用途に適用できることは言うまでもない。
撮像装置1において、対象物の質感や凹凸感を従来よりも高いレベルで再現した撮像画像を採取することができる理由は必ずしも明らかではないが、発明者は次のように考えている。撮像装置1では光照射部2によって対象物の表面凹凸に起因する陰影を発生させた上で、対象物からの反射光を読取る。対象物の表面凹凸は、この陰影を通じて撮像画像に反映させるため、こうした陰影を発生させる照明条件は必須であると考えている。(陰影が発生していない状態では対象物の表面凹凸を反映した撮像画像を採取することはできない。)
撮像装置1ではこれに加えて、読取り結果である画像データに対して、特定周波数成分への強調処理を施す。発明者は、この操作(処理)により撮像画像の臨場感や本物感(リアル感)が向上することを見出したが、その理由を次のように予想している。撮像装置1における読取部3では、対象物の注目箇所からの反射光と撮像画像データの注目箇所(注目画素)のデータ値とが、完全に対応していることが理想である。しかしながら、実際には必ずしもこの関係が完全であるとはいえないと考えられる。(対象物の形状や色の点において撮像画像の不具合が発生しないレベルで読取り光学系の結像性能が確保されている。)
実際には、対象物の注目箇所以外の箇所からの反射光の一部が、撮像画像の注目画素のデータ値に影響を及ぼしてしまっていると考えている。(読み取り光学系でのCCDなどの受光部において、注目箇所からの反射光に別の箇所からの反射光(不要な光)が混入した状態になってしまっている。)こうした現象として、光学系のフレアと称される現象があるが、フレアが画像上でも不具合として知覚される現象であるのに比較して、撮像装置1が対象としているこの現象は撮像画像としては明確に知覚できない程度の非常に小さな強度でかつ撮像画像においてかなり遠くの画素にまで影響を及ぼすといった点において、上記のフレアとは差異があると考えている。しかしながら、明確には知覚することができない現象であっても、対象物の質感や凹凸感には影響を及ぼしているようであり、質感や凹凸感の劣化を引き起こしていると考えている。
撮像装置1における、読取り結果である画像データへ施す特定周波数成分への強調処理は、上記の対象物注目箇所以外からの反射光の一部が、注目画素の値に影響を及ぼしてしまうといったこうした現象を補正する変換(いわゆる逆変換に相当する)と考えている。このため、対象物注目箇所以外からの反射光の一部が混入する現象を低減したことと同様の効果につながる結果、対象物の質感や凹凸感が向上した撮像画像を獲得することができるのではないかと考えている。
撮像装置1では、対象物を照射することによって表面凹凸に起因する陰影を発生させる光照射部2と、対象物からの反射光を読み取る読取部3と、読取部3での読取り結果に対して特定周波数成分の強調処理を行う強調部42とを有する構成によって、従来技術と比較して対象物の質感や凹凸感が向上した撮像画像を獲得することができるようになる。
また、発明者の質感および凹凸感(立体感)に関する検討によると、上述した特定空間周波数範囲において強調処理を行うことで、対象物の質感および凹凸感(立体感)の向上に対して効果が大きいといった結果が得られることが判明した。つまり、撮像装置1は、対象物の質感および凹凸感(立体感)を従来技術よりも高いレベルで実現した撮像画像を獲得することができるようになる。
また、上述の空間周波数範囲を下回る空間周波数k=0.0を強調処理した場合には、画像の色(色合い)が変化する一方で、対象物の質感および凹凸感(立体感)には特有の効果は得られない。これは、空間周波数k=0.0の周波数成分を強調処理が、画像の全画素にわたる平均値を増加させることに相当するため、画像の色(色合い)が変化するためである。
一方で、上記の空間周波数範囲を上回る空間周波数k>1.0を強調処理した場合には、対象物表面の比較的細かな凹凸感の向上が見られるものの、強調を行った撮像画像は単純な濃淡の強調画像のようにも見えてしまい、発明者が注目している対象物の質感や凹凸感(立体感)を向上させるといった点については、有効ではない。つまり、強調処理を上記の空間周波数範囲に限定することで、画像の色の変化や単純な濃淡の強調画像のように見えてしまうといった副作用が発生してしまうようなことが無く、対象物の質感や凹凸感(立体感)を効果的に向上させた撮像画像を獲得することができるようになる。
強調処理を行う際に、上記の強調係数範囲を下回る強調係数(α≦1.0)を用いて処理した場合には、対象物に質感や凹凸感(立体感)が向上するどころか、反対に劣化してしまうことが発明の検討により明らかになった。これは、強調係数(α≦1.0)を用いての処理が、周波数成分を抑制することに相当しているためであり、本願発明が狙いとしている対象物の質感や凹凸感(立体感)の向上、とは反対の効果に相当する対象物の質感や凹凸感(立体感)の劣化として現れたものであると考えている。
一方で、上記の強調係数範囲を上回る強調係数(α≧2.0)を用いて処理した場合には、対象物の質感や凹凸感(立体感)が向上するもの、観察者に強調したことが知覚できてしまうような画像となってしまうことが判明した。(対象物の凹凸感が増加してはいるが、観察者が自然に感じるような凹凸感の向上ではなく、不自然に感じるようになってしまう。)つまり、発明者が注目している対象物の質感や凹凸感(立体感)を向上させるといった点については、これらを自然な形で実現する上で有効ではない。
強調係数αの範囲を上記の範囲に限定することで、対象物の質感や凹凸感(立体感)が狙いとは反対に劣化してしまう、あるいは、観察者が知覚できるような不自然な凹凸感となってしまう、といった悪影響を発生させることなく、対象物の質感や凹凸感(立体感)を効果的に向上させた撮像画像を獲得することができるようになる。
このように、撮像装置1は、対象物の質感や凹凸感(立体感)が狙いとは反対に劣化してしまう、あるいは、観察者が知覚できてしまうような不自然な凹凸感となってしまう、といった悪影響を発生させることなく、従来技術と比較して対象物の質感や凹凸感が向上した撮像画像を獲得することができるようになる。
(第1の変形例)
撮像装置1の第1の変形例において、強調部42は、強調を行う空間周波数範囲において強調係数αを一律にして乗算する(3式、4式参照)のではなく、強調を行う空間周波数領域において、中間周波数領域よりも上限付近の領域(上限側周波数領域)及び下限付近の領域(下限側周波数領域)に対して小さな値を乗算する。ここで、中間周波数領域とは、強調を行う空間周波数範囲の上限空間周波数と下限空間周波数の間の空間周波数領域を指し、例えば上限空間周波数と下限空間周波数の略中間値付近の領域である。第1の変形例においては、強調部42は、3式の代わりに、下式6を使用して、強調後の空間周波数スペクトラムを算出する。
Figure 2013232109
ここで、kは2式と同様に定義され、kmax及びkminは下式7に示す値としている。つまり、第1の変形例では強調係数αは下式8のようになる。
Figure 2013232109
Figure 2013232109
図7は、第1の変形例における空間周波数kと強調係数αとの関係を示すグラフである。図7に示すように、第1の変形例では、強調を行う空間周波数領域(k>0.0かつk<1.0の領域)において、中間周波数領域(k=0.5の付近)に対し、下限付近の周波数領域(k=0.0の付近)及び上限付近の周波数領域(k=1.0の付近)における強調係数αの値が小さな値となるように、強調係数αが設定されている。なお、中間周波数領域は、k=0.5の付近に限定されない。また、強調部42が行う強調は、上式6を用いる場合に限定されない。
空間周波数成分の強調の方法については、さまざまなルールが考えられる。しかしながら、発明者の検討によると第1の変形例で説明したように、強調処理を施す空間周波数範囲の上限付近および下限付近では中間付近にくらべて弱めの強調にとどめる構成とすることで、強調処理を施した画像において、対象物の質感や凹凸感(立体感)の向上を、違和感が発生することなく実現できるようになる。
発明者の対象物の質感や凹凸感(立体感)に対する検討によると、第1の変形例の構成とは異なるような強調処理を施す空間周波数範囲の上限付近および下限付近では中間付近に比べて強めの強調を行う構成とした場合には、強調処理を施した画像において対象物の質感や凹凸感(立体感)の向上は達成されるものの、観察者に強調したことが知覚できてしまい、違和感を覚えるような画像となってしまうことが判明した。この違和感は、強調処理によって生じた画像の濃淡の増加が、質感や凹凸感(立体感)の向上以外の画質項目に影響を及ぼし、単なる強調画像として観察者が知覚できてしまう側面が発生してしまうものである。
第1の変形例のように構成することで、このような強調したことが知覚できてしまう、あるいは、違和感を覚えるような画像となることを防止して、より自然に対象物の質感や凹凸感(立体感)を向上することができるようになる。
(第2の変形例)
撮像装置1の第2の変形例において、強調部42は、強調を行う空間周波数範囲において強調係数αを一律にして乗算する(3式、4式参照)のではなく、強調を行う空間周波数領域において、空間周波数の方向によって強調係数αの値を変えて乗算する。即ち、強調部42は、画像上の方向に応じて異なる大きさで強調を行う。第2の変形例においては、強調部42は、3式の代わりに、下式9を使用して、強調後の空間周波数スペクトラムを算出する。
Figure 2013232109
ここで、θは、2式で示したk,kを用いて下式10により算出される。θの単位は(rad)である。
Figure 2013232109
10式において示されるように、θは2次元空間周波数(k,k)のベクトルが指し示す方向を表している。また、第2の変形例では、位相角を表すδの値は下式11のように0.0(rad)とした。
Figure 2013232109
つまり、第2の変形例では、強調係数αは下式12のように示される。
Figure 2013232109
図8は、強調領域(k>0.0かつk<1.0の場合)におけるαの値を示すグラフである。図8においては、横軸の単位を度(deg.)に換算してある。図8に示すように、第2の変形例において、強調部42は、+90度及び−90度の方向に対して強い強調を行い、0度及び180度の方向に対して弱い強調を行う。
このように、強調部42は、+90度及び−90度の方向に対して強い強調を行うように設定されているが、これは、第2の変形例における光照射部2の照射方向が+90度と−90度を結ぶ方向に一致しているためである。つまり、第2の変形例では、対象物の凹凸に起因する陰影が発生している方向の空間周波数成分を強調することにより、対象物の質感や凹凸感(立体感)を効果的に強調することができる。周波数スペクトラムを全ての方向で強調した場合には、対象物の凹凸や形状に起因しない濃淡も強調してしまうことになり、強調のよる違和感を覚える要因となってしまう。第2の変形例では、対象物の質感や凹凸感(立体感)に関係のない濃淡(色の変化など)の強調を防止して、対象物の質感や凹凸感(立体感)を効果的に強調することができる。
また、第2の変形例では、一般的な照明条件(照射条件)で得た画像データに対しては、光の照射方向と直交する方向として11式のδの値を設定することにより、陰影を強調することができるようになり、対象物の質感や凹凸感(立体感)を効果的に強調することができる。また、光の照射方向が特定できない場合であっても、画像データの空間周波数解析を行って、大きなパワースペクトラムを有する方向を特定することにより、光の照射方向を推定することが可能になる。また、このようにして推定した照射方向と直交する方向を11式のδの値として設定することにより、対象物の質感や凹凸感(立体感)を効果的に強調することができる。
発明者の検討によると、空間周波数の方向によって値の異なる強調係数を適用することで、対象物の凹凸や形状に起因しない濃淡の強調を回避することができ、強調による違和感の発生箇所を低減することができるようになる。対象物の凹凸や形状に起因しない濃淡とは、例としては対象物の色の変化を挙げることができる(色の境界など)。このような箇所は必ずしも凹凸が存在するわけではないため、強調によって違和感を生じる箇所となってしまう。
対象物の質感や凹凸感(立体感)は、対象物の凹凸や形状に起因した陰影が対象物の表面などに形成されることによって知覚できるようになると考えている。またこうした陰影は画像中では方向性をもった状態で形成されると考えられる。(さまざまな方向から対象物を照明すれば陰影に方向性は生じないが、こうした照明条件ではそもそも陰影が生じない。)陰影を強調することが対象物の質感や凹凸感(立体感)の向上に関係すると考えられることから、こうした陰影が発生している方向の周波数成分を強調することで、対象物の質感や凹凸感(立体感)が向上した画像を獲得することができる。またこのとき、対象物の凹凸や形状に起因しない濃淡には方向性がないと考えられることから、空間周波数成分の強調を空間周波数の方向性に依存した形で行うことで、対象物の質感や凹凸感(立体感)に関係のない濃淡(色の変化など)の強調を防止して、強調による違和感の生じる箇所を低減できるようになる。
このように、対象物の質感や凹凸感(立体感)と関係のない濃淡の強調を防止することで強調による違和感の生じる箇所を低減し、従来技術と比較して対象物の質感や凹凸感が向上した撮像画像を獲得することができるようになる。
(第3の変形例)
撮像装置1の第3の変形例において、光照射部2は、配置が変更可能にされている。図9は、第3の変形例における光照射部2の短手方向の断面を示す断面図である。図9に示すように、第3の変形例における光照射部2は、破線矢印(円弧)のように対象物への光の照射角度を変更することができるように変位可能に支持されている。例えば、光照射部2は、対象物に直交する方向(例えば鉛直方向)に対する傾き(照射角度θ1)が例えば0〜70度の範囲で変化するように、不図示の駆動装置によって変位するようにされている。また、光照射部2の照射角度は、使用者が選定して設定可能にされている。従って、第3の変形例では、対象物の表面凹凸に対応した陰影を発生させることができ、対象物の質感及び凹凸感(立体感)がより表現される撮像画像を得ることができる。
すでに説明しているように、観察者は、対象物の凹凸や形状に起因する陰影を通じて、対象物の表面凹凸を知覚することができると考えている。一方で、撮像画像などの2次元画像データでは、撮像を行った際の撮像条件での反射光が対象物の表面凹凸に関する唯一の情報となる。(単一の照明条件のみが画像データには反映される。)このときに、対象物の凹凸に起因する陰影が画像データにうまく反映されていないと、対象物の表面凹凸が再現されていない2次元画像データとなってしまう。2次元画像データにおいて対象物の表面凹凸を反映させた画像データを得ることは容易なことではないため、2次元画像データにおいて表面凹凸に関する情報が失われてしまうといった問題がしばしば発生する。このため、照明位置を工夫して対象物の凹凸に起因する陰影を発生させた状態で2次元画像データを採取することが、対象物の撮像を行う際に必要となる。
第3の変形例のように光照射部2の配置位置を変更可能とすることで、対象物の凹凸に適した照明条件に設定することができ、対象物の凹凸や形状が反映された陰影を発生させることができるようになる。この結果、対象物の質感や凹凸感(立体感)を再現した撮像画像を得ることができる。そして、対象物の陰影発生の状態を改善することが可能になるといった効果も加わり、従来技術と比較して対象物の質感や凹凸感が向上した撮像画像を獲得することができるようになる。
(第4の変形例)
撮像装置1の第4の変形例において、読取部3は、配置が変更可能にされている。図10は、第4の変形例における読取部3の短手方向の断面を示す断面図である。図10に示すように、第4の変形例における読取部3は、破線矢印(円弧)のように対象物からの反射光に対する受光角度を変更することができるように変位可能に支持されている。例えば、読取部3は、対象物に直交する方向(例えば鉛直方向)に対する傾き(受光角度φ)が例えば0〜70度の範囲で変化するように、不図示の駆動装置によって変位するようにされている。また、読取部3の受光角度は、使用者が選定して設定可能にされている。従って、第4の変形例では、対象物の表面凹凸に応じて陰影が発生した対象物からの反射光に応じて読取部3が画像を読取ることができ、対象物の質感及び凹凸感(立体感)がより表現される撮像画像を得ることができる。
また、第3の変形例に示したように光照射部2の配置が変更可能にされている場合であっても、第4の変形例に示した読取部3は、照射角度(θ1:図9)と受光角度(φ:図10)が同一とならないようにすることができる。つまり、照射光の正反射光が反射される位置に読取部3が配置されないように設定することができる。読取部3が受光する反射光に正反射光が混入すると、正反射光が非常に大きな光量であるために、対象物の撮像を行う際の感度調整が難しく、対象物の表面凹凸の再現された画像データを得ることが困難になる。従って、光照射部2の配置が変更可能にされている場合には、光照射部2の配置が決定された後に、読取部3の位置を設定する。つまり、読取部3が照射光の正反射位置に配置されることを防止することができる。
発明者の検討によると、そのよう受光角度を傾けることで採取した撮像画像に本発明の特定周波数成分を強調する画像処理を適用することで、対象物の質感や凹凸感(立体感)がさらに向上することが明らかになった。対象物の表面凹凸に応じて照明位置を変更するようにした場合には、照明位置の変更により正反射光が反射される位置も変化してしまうことがある。正反射光とは鏡面反射光とも呼ばれ、反射体(この場合は対象物)の表面におい入射角と反射角とが等しくなる反射によって生じる反射光のことである。正反射光は反射光量としては大きな光量を持つため、もしも正反射光が反射される位置に受光装置が配置されてしまうと、対象物の撮像時に受光感度が設定しにくいといった問題がある。これは受光装置において感度調整を行うことなく受光可能な光量が実際の反射物からの反射される光量にたいして非常に狭いレンジに対応しているためである。これにより適切な撮像画像を採取することが困難となるといった問題を引き起こす。より具体的には、受光感度を正反射光に合わせた場合には正反射が発生しない領域では暗い撮像画像となってしまい、反対に、受光感度を正反射が発生しない領域に合わせると今度は正反射発生領域が白く飛んでしまい、どちらの場合であって実物の対象物の表面凹凸を再現した撮像画像とはなり得ないためである。
このような問題を鑑みて、第4の変形例は、読取部3の位置も変更可能となるように構成されている。これにより、照明位置を変更した際には読取部3の位置も適切に配置することで、照明光の正反射光が読取部3に入らないように読取部3を配置することが可能となる。そして、正反射光が原因となって発生する受光感度の問題が発生することなく、正反射光の影響を受けずに受光感度を設定できるようになるため、対象物の質感や凹凸感(立体感)の向上した撮像画像を獲得することができるようになる。
このように、受光角度を傾けること対象物の凹凸感がより向上した効果が得られ、さらに、正反射光の影響を受けずに対象物の反射光を読み取ることができるようになるといった効果をえることができるようになる。
また、撮像装置1は、スキャナなどの装置に限定されない。例えば、撮像装置1は、移動することなく対象物からの反射光に応じて画像を撮る構成であってもよい。
1 撮像装置
2 光照射部
20 光源
22 拡散板
3 読取部
30 集光レンズ
32 カラーフィルタ
34 ラインCCD
4 処理部
40 信号変換部
42 強調部
44 ファイル出力部
5 PC
6 支持台
特許第4348315号公報 特許第4385925号公報 特開2010−26937号公報

Claims (9)

  1. 対象物に光を照射する光照射部と、
    照射された光の前記対象物からの反射光に応じて画像を読取る読取部と、
    前記画像に対して予め定められた空間周波数成分を強調する強調部と、
    を有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記強調部は、
    1mmあたりの周期が1未満である空間周波数成分を強調すること
    を特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記強調部は、
    前記空間周波数成分を2倍未満の範囲で強調すること
    を特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記強調部は、
    強調する空間周波数範囲の上限側周波数領域及び下限側周波数領域の強調を、前記空間周波数範囲の中間周波数領域の強調よりも小さくすること
    を特徴とする請求項2又は3に記載の撮像装置。
  5. 前記強調部は、
    前記画像上の方向に応じて異なる大きさで強調すること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記光照射部は、
    前記対象物に対して光を照射する角度が変更可能にされていること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7. 前記読取部は、
    前記対象物からの反射光を受ける角度が変更可能にされていること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像装置。
  8. 対象物に照射された光の前記対象物からの反射光に応じて読取られた画像を取得する画像取得部と、
    前記画像に対して予め定められた空間周波数成分を強調する強調部と、
    を有することを特徴とする撮像システム。
  9. 対象物に光を照射する工程と、
    照射された光の前記対象物からの反射光に応じて画像を読取る工程と、
    前記画像に対して予め定められた空間周波数成分を強調する工程と、
    を含むことを特徴とする撮像方法。
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