JP2013199973A - 転がり軸受装置の製造装置および転がり軸受装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】短時間でトルクのばらつきを低減した転がり軸受装置を製造する。
【解決手段】2つの転がり軸受の内輪にシャフトが圧入状態で嵌合された転がり軸受組立体の外輪に対して内輪を軸回りに回転させる回転工程SA1と、内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み工程SA2と、内輪が外輪に対して回転する際に内輪から外輪に伝達されるトルクをロードセルにより測定して、F<R/60の関係式を満たす遮断周波数を有するローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力するトルク測定工程SA3と、トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下である場合に回転工程および押込み工程を終了し、所定の閾値よりも大きい場合にトルク測定値と目標値に基づいて追加押込み量を算出して、押込み工程に戻る判定工程SA4とを含み、追加押込み量を算出する周期がローパスフィルタの時定数よりも長くなるように設定される転がり軸受装置の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、転がり軸受装置の製造方法に関するものである。
従来、磁気記録装置(HDD)等に用いられる転がり軸受装置を製造する製造方法が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。特許文献1に記載の転がり軸受装置の製造方法は、内輪とシャフト(回転軸)との間に嫌気性接着剤を塗布して内輪にシャフトを嵌合させ、重りにより内輪に対して一定の荷重を付加したまま接着剤が硬化する間保持することにより、内輪とシャフトとが接合されている。
また、特許文献2に記載の転がり軸受装置の製造方法は、内輪とシャフト(軸)とを圧入により固定する転がり軸受装置に対し、共振周波数を測定しながらシャフトに内輪を押し込み、共振周波数が一定になるように予圧をかけるようになっている。
特開2000−346085号公報 特開2003−239956号公報
しかしながら、特許文献1に記載の転がり軸受装置の製造方法は、接着剤が硬化するまで待つため時間がかかり、量産性に劣るという不都合がある。また、特許文献2に記載の転がり軸受装置の製造方法では、転がり軸受のトルク波形にうねりがある場合に、内輪と外輪の位置関係によって共振周波数が変動し、トルク(転がり軸受の一周分のトルクの平均値)にばらつきが発生する原因となる。さらに、転がり軸受のラジアルプレイやレースウェイの曲率の個体差によっても、トルクにばらつきが発生するという問題がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、短時間で、トルクのばらつきを低減した転がり軸受装置を製造することができる製造装置、並びに転がり軸受装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の製造方法、並びにこの製造方法を実現する製造装置を提供する。
本発明は、軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の内輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受組立体の外輪に対して、前記内輪を軸回りに回転させる回転工程と、該回転工程により前記外輪に対して回転させられている前記内輪を、該内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み工程と、該押込み工程により前記内輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該内輪から該外輪に伝達されるトルクをロードセルにより測定して、下式を満たす遮断周波数を有するローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力するトルク測定工程と、該トルク測定工程により出力されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かを判定し、該差分が前記所定の閾値以下である場合に前記回転工程による前記内輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みを終了し、前記差分が前記所定の閾値よりも大きい場合に前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記内輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻る判定工程とを含み、前記追加押込み量を算出する周期が前記ローパスフィルタの時定数よりも長くなるように設定される転がり軸受装置の製造方法を提供する。
F<R/60
ここで、Fはローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、Rは転がり軸受の回転数(rpm)である。
本発明によれば、押込み工程により、内輪および外輪と転動体とが隙間なく接触させられて、2つの転がり軸受に予圧がかけられる。また、判定工程により、回転中の内輪から外輪に伝達されるトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であると判定された場合に、2つの転がり軸受に予圧をかけた状態に内輪が位置決めされて内輪と軸部材とが圧入固定され、差分が所定の閾値よりも大きいと判定された場合に、押込み工程に戻されて追加押込み量だけ内輪がさらに押込まれ、所望のトルクが得られるように内輪の位置が調節し直される。したがって、内輪と軸部材とを接着剤により固定する場合のような接着剤が硬化するまでの待ち時間が必要なく、ラジアルプレイやレースウェイの曲率の個体差による影響も受けずに済む。
この場合において、追加押込み量を算出する周期をローパスフィルタの時定数よりも長くなるように設定することで、ローパスフィルタによりトルクの出力信号から高周波成分が遮断されるのにかかる時間遅れによって、トルク測定値が本来のトルクよりも低い値で測定されるのを防止することができる。
また、トルク測定工程において、遮断周波数が上記の関係式を満たすローパスフィルタにより、ロードセルによって測定したトルクの測定値から高周波成分を遮断することで、転がり軸受の真円度や組み立て時の傾きによるうねり状のトルク変動やスパイク状のトルク変動およびロードセルのノイズなどを除去した本来のトルクを得ることができる。
これにより、内輪と軸部材とを精度よく位置決めして、短時間で、トルクのばらつきを低減した転がり軸受装置を製造することができる。
上記発明においては、前記トルク測定工程が、前記ローパスフィルタにより、下記の関係式を満たすように、前記転がり軸受の1周分の前記トルクを平均化して前記トルク測定値を出力することとしてもよい。
1<N×S×R×2/60
ここで、Sはロードセルの出力電圧のサンプリング周期(s)、NはSのサンプリング周期でロードセルの出力電圧をAD変換して得られる値の数(データ数)である。
このように構成することで、転がり軸受の真円度や組立時の傾きによるうねり状のトルク変動を確実に除去することができる。また、転がり軸受の内部に混入するコンタミなどによるスパイク状のトルク変動やロードセルの共振周波数を基本周波数とするノイズは、周波数がさらに高いので、これらも確実に除去することができる。
本発明は、軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の内輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受組立体の外輪に対して、前記内輪を軸回りに回転させる回転工程と、該回転工程により前記外輪に対して回転させられている前記内輪を、該内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み工程と、該押込み工程により前記内輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該内輪から該外輪に伝達されるトルクをロードセルにより測定して、下式を満たす遮断周波数を有するローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力するトルク測定工程と、該トルク測定工程により出力されたトルク測定値と目標値との差分が所定に閾値以下であるか否かを判定し、該差分が前記所定の閾値以下である場合に、前記回転工程による前記内輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みを終了し、前記差分が前記所定の閾値よりも大きい場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記内輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻る判定工程と含み、前記追加押込み量を算出する周期が前記ローパスフィルタの時定数よりも長くなるように設定される転がり軸受装置の製造方法。
F<R/30
ここで、Fはローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、Rは転がり軸受の回転数(rpm)である。
転がり軸受において発生するトルクのうねりの多くは2波/周以上であるので、1/2周分だけで全体分のトルクのうねりの周波数の平均値が分かる。したがって、本発明によれば、うねり状のトルク変動を効率的に除去して短時間で予圧をかけることができる。
上記発明においては、前記トルク測定工程が、前記ローパスフィルタにより、下記の関係式を満たすように、前記転がり軸受の1/2周分のトルクを平均化して前記トルク測定値を出力することとしてもよい。
1<N×S×R×4/60
このように構成することで、転がり軸受の1/2周分のトルクのうねりの周波数の平均値に基づき、うねり状のトルク変動をより効率的に除去して短時間で予圧をかけることができる。
また、上記発明においては、押込み工程が、前記トルク測定値と前記目標値よりも小さい仮目標値との差分が前記所定の閾値以下になるまで前記内輪を押込む第1押込み工程と、前記トルク測定値と前記目標値との差分が前記所定の閾値以下になるまでさらに前記内輪を押込む第2押込み工程とを含み、前記トルク測定工程が、前記第1押込み工程により押込まれる前記内輪から前記外輪に伝達されて前記ロードセルにより測定されるトルクの測定値を、遮断周波数が高い第1ローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力する第1トルク測定工程と、前記第2押込み工程により押込まれる前記内輪から前記外輪に伝達されて前記ロードセルにより測定されるトルクの測定値を、前記第1ローパスフィルタの遮断周波数よりも低い遮断周波数を有する第2ローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力する第2トルク測定工程とを含むこととしてもよい。
このように構成することで、転がり軸受にがたがあるような初期の段階を含む第1押込み工程では、第1トルク測定工程により遮断周波数が高い第1ローパスフィルタを用いて出力されるトルク測定値に従い、仮目標値まで短時間で圧入することができる。また、第2押込み工程では、第2トルク測定工程により遮断周波数が低い第2ローパスフィルタを用いて出力されるトルク測定値に従い、所望の目標値に略一致するまで圧入することができる。
したがって、第1押込み工程と第2押込み工程とを組合せることで、最初から最後まで遮断周波数が低い第2ローパスフィルタを用いて内輪を押込む場合と比較して、予圧をかける時間を短縮することができる。
また、上記発明においては、前記第1ローパスフィルタの遮断周波数が下記の関係式(1)を満たし、前記第2ローパスフィルタの遮断周波数が下記の関係式(2)を満たすこととしてもよい。
f1<0.84×R1・・・(1)
f2<R2/60・・・(2)
ここで、f1は第1ローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、f2は第2ローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、R1は第1押込み工程における転がり軸受の回転数(rpm)、R2は第2押込み工程における転がり軸受の回転数(rpm)である。
このように構成することで、転がり軸受の内部に混入するコンタミなどによるスパイク状のトルク変動があっても、その影響を受けることなくトルクが一定なるように予圧をコントロールすることができる。したがって、第1押込み工程でのトルクのばらつきを少なくして仮目標値と目標値との差を小さくし、第2押込み工程にかかる時間を短縮することができる。これにより、うねり状のトルク変動があっても、トルクのばらつきが少ない平均トルクの転がり軸受装置を短時間で製造することができる。
また、上記発明においては、前記第1ローパスフィルタの遮断周波数と前記第2ローパスフィルタの遮断周波数とが下記の関係式を満たすこととしてもよい。
R1>R2
このように構成することで、第1押込み工程にかかる時間を短縮し、第2押込み工程で精度よくトルクをコントロールすることができる。したがって、トルクのばらつきが少ない転がり軸受装置を短時間で製造することができる。
また、上記発明においては、前記第1トルク測定工程が、前記第1ローパスフィルタにより、下記の関係式(3)を満たすように、前記トルクを平均化して前記トルク測定値を出力し、前記第2トルク測定工程が、前記第2ローパスフィルタにより、下記の関係式(4)を満たすように、前記トルクを平均化して前記トルク測定値を出力することとしてもよい。
1<n1×S1×R1×1.67・・・(3)
1<n2×S2×R2/30・・・(4)
ここで、S1はロードセルの出力電圧のサンプリング周期(s)、n1はS1のサンプリング周期でロードセルの出力電圧をAD変換して得られる値の数(データ数)、S2はロードセルの出力電圧のサンプリング周期(s)、n2はS2のサンプリング周期でロードセルの出力電圧をAD変換して得られる値の数(データ数)である。
このように構成することで、第1押込み工程でのトルクのばらつきをより少なくして、仮目標値と目標値との差を極力小さくし、第2押込み工程にかかる時間をより短縮することができる。これにより、うねり状のトルク変動があっても、トルクのばらつきがより少ない平均トルクの転がり軸受装置を短時間で製造することができる。
また、上記発明においては、前記第1押込み工程後、前記第2押込み工程前に、前記転がり軸受の1周あたりの前記トルクのうねりの周波数を分析する周波数分析工程を含み、該周波数分析工程により分析される前記トルクのうねりの周波数に基づいて、前記第2ローパスフィルタの遮断周波数を下記の関係式により決定することとしてもよい。
f2<N×R2/60
ここで、Nは所定の閾値以上の周波数成分を有するトルクのうねりの数または所定の閾値以上の周波数成分を有するトルクのうねりがない場合は50である。
このように構成することで、第2押込み工程において、転がり軸受のトルクのうねりの影響を受けずに、2つの転がり軸受に予圧をかけることができる。また、閾値以上のうねりがない場合は、転がり軸受の内部に混入するコンタミなどによりスパイク状のトルク変動の影響を防止する第2ローパスフィルタを用いて2つの転がり軸受に予圧をかけることができる。そして、第2押込み工程において、トルクのうねりの数が多いときは短時間で予圧をかけることができ、全体として予圧をかける時間を短縮してトルクのばらつきを低減した転がり軸受装置を製造することができる。
また、上記発明においては、前記第2トルク測定工程が、前記第2ローパスフィルタにより、下記の関係式を満たすように、前記トルクを平均化して前記トルク測定値を出力することとしてもよい。
1<n2×R2×S2×N×2/60
このように構成することで、転がり軸受のトルクのうねりの影響を受けず、また、転がり軸受の内部に混入するコンタミなどによるスパイク状のトルク変動やロードセルの共振周波数を基本周波数とするノイズも確実に除去して、短時間で、トルクのばらつきをより低減した転がり軸受装置を製造することができる。
また、上記発明においては、前記回転工程前に前記内輪と前記軸部材との間に接着剤を塗布する接着剤塗布工程を含むこととしてもよい。
このように構成することで、内輪が押込まれた位置で圧入により軸部材に固定された状態で、接着剤が硬化することにより内輪と軸部材とが接着する。したがって、短時間で予圧をかけた状態を維持させつつ、接着剤により内輪と軸部材とをより強固に固定することができる。
また、上記発明においては、前記回転工程による前記内輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みの終了後に、軸方向に押込まれた前記内輪と前記軸部材とをレーザ溶接する溶接工程を含むこととしてもよい。
このように構成することで、内輪が押込まれた位置で圧入により軸部材に固定された状態で、レーザ溶接により内輪と軸部材とが接合する。したがって、短時間で予圧をかけた状態を維持させつつ、レーザ溶接により内輪と軸部材とをより強固に固定することができる。
ところで、以上では前記内輪を軸回りに回転させ、前記外輪に対して回転させられている前記内輪を、該内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み、前記内輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該内輪から該外輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定工程をとっていたが、逆に前記外輪を回転させ、前記外輪を、該外輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込み、前記外輪が押込まれながら前記内輪に対して回転する際に、該外輪から該内輪に伝達されるトルクを測定する方法をとっても良く効果も同様である。
本発明によれば、短時間で、トルクのばらつきを低減した転がり軸受装置を製造することができるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法により製造される転がり軸受装置の縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法を説明するフローチャートである。 図2の製造方法に用いられる製造装置の縦断面図である。 図3の制御装置のブロック図である。 本発明の第1実施形態の第1変形例に係る製造方法に用いられる製造装置の制御装置を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態の第3変形例に係る製造方法の説明に用いるトルクと時間との関係を示す図である。 本発明の第1実施形態の第4変形例に係る製造方法により製造される転がり軸受装置の縦断面図である。 本発明の第1実施形態の第5変形例に係る製造方法により製造される転がり軸受装置の縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法を説明するフローチャートである。 図9の製造方法の説明に用いるトルクと時間との関係を示す図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法は、例えば、ハードディスクドライブ装置等に用いられる図1に示すような転がり軸受装置1を製造することができるようになっている。
転がり軸受装置1は、同図に示すように、軸方向に間隔をあけて同軸に配列される第1転がり軸受10および第2転がり軸受20と、これらの転がり軸受10,20に嵌合されるシャフト(軸部材)31と、転がり軸受10,20間に軸方向に挟まれる円環形状のスペーサ部材33とを備えている。符合31aは径方向外方に突出する鍔状のフランジ部を示している。
2つの転がり軸受10,20は、同軸に配置された円環形状の内輪11,21と外輪13,23との間の円環状空間に、周方向に間隔をあけて転動可能に内蔵される複数個の転動体15,25とを備え、内輪11,21がシャフト31の外周面を圧入状態で嵌合することにより、内輪11,21とシャフト31とがそれぞれ圧入固定されるようになっている。また、スペーサ部材33が外輪13,23間に軸方向に挟まれており、これにより、内輪11,21間にスペーサ部材33の軸方向の長さに応じた隙間が形成されている。
このように構成された転がり軸受装置1は、シャフト31を軸回りに回転させると、内輪11,21と外輪13,23との間で転動体15,25が転動することにより、シャフト31に固定された内輪11,21がシャフト31と共に外輪13,23に対して軸回りに回転するようになっている。
また、内輪11,21どうしを相互に近接する方向に押圧した状態でシャフト31に固定することにより、内輪11,21および外輪13,23と転動体15,25とを隙間なく接触させて、転がり軸受10,20に予圧をかけた状態を維持することができるようになっている。以下、転がり軸受10,20に予圧をかける前の状態、すなわち、内輪11,21どうしの距離と外輪13,23どうしの距離が略同程度になるまで組み立てた仮組みの状態を転がり軸受装置組立体1Aという。
本実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法は、図2のフローチャートに示されるように、このような転がり軸受装置組立体1Aの外輪13,23に対して内輪11,21をそれぞれ軸回りに回転させる回転工程(ステップSA1)と、回転工程により外輪23に対して回転させられている内輪21を、内輪11,21どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み工程(ステップSA2)と、押込み工程により内輪11,21が押込まれながら外輪21,23に対して回転する際に、内輪11,21から外輪13,23に伝達されるトルクを測定するトルク測定工程(ステップSA3)と、トルク測定工程により測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かを判定する判定工程(ステップSA4)と含んでいる。
判定工程(ステップSA4)は、トルク測定値と目標値との差分が閾値以下である場合に、回転工程による内輪11,21の回転と押込み工程による内輪21の押込みとを終了するようになっている。これにより、2つの転がり軸受10,20に予圧をかけた状態に内輪11,21が位置決めされて、内輪11,21とシャフト31とが圧入により固定される。
一方で、判定工程は、トルク測定値と目標値との差分が閾値よりも大きい場合に、そのトルク測定値と目標値に基づいて内輪21をさらに押し込む追加押込み量を算出し、押込み工程(ステップSA2)に戻るようになっている。これにより、追加押込み量だけ内輪21がさらに押込まれ、所望のトルクが得られるように内輪21の位置が調節し直される。
本実施形態においては、例えば、図3に示すような、製造装置100が用いられる。
製造装置100は、同図に示すように、転がり軸受装置組立体1Aのシャフト31を固定するシャフト受け41と、シャフト受け41に固定されたシャフト31を軸回りに回転させるモータ43(回転手段)と、転がり軸受装置組立体1Aの内輪21を軸方向に押込み可能な内輪プッシャー45と、内輪プッシャー45を軸方向に進退させる圧電素子等のアクチュエータ47と、外輪13,23に対して内輪11,21が回転する際に内輪11,21から外輪13,23に伝達されるトルクを測定するロードセル(トルク測定手段)49と、これらのモータ43、アクチュエータ47およびロードセル49を制御する制御装置50とを備えている。そして、内転プッシャー45とアクチュエータ47とで押し込み手段を構成する。符合42はシャフト受け41を軸回りに回転可能に支持する支持部を示し、符合46は内輪プッシャー45を軸回りに回転可能に支持する支持部を示している。
シャフト受け41は、モータ43により軸回りに回転させられるようになっている。
アクチュエータ47は、内輪プッシャー45を軸方向に移動させて第2転がり軸受20の内輪21を押圧し、内輪21を第1転がり軸受10の内輪11に近接させる方向に押込むことができるようになっている。
ロードセル49は、例えば、摩擦係数が高い樹脂等の高摩擦係数材料からなる接触部49aを第1転がり軸受10の外輪13に対して径方向外方から押し付けて、外輪13に働く周方向の力、すなわち、外輪13,23に対して内輪11,21が回転する際に内輪11,21から外輪13,23に伝達されるトルクを測定することができるようになっている。ロードセル49によりトルクが測定されると、その出力電圧が制御装置50に送られるようになっている。
制御装置50は、図4に示すように、演算処理および判定処理してアクチュエータ47およびモータ43に指令値を送る判定手段となるCPU(Central Processing Unit)51と、CPU51からの指令値を駆動電圧に変換するD/A変換器52,54と、D/A変換器52により変換された駆動電圧を増幅してアクチュエータ47に送るドライバ(電圧増幅器)53と、D/A変換器54により変換された駆動電圧を増幅してモータ43に送るドライバ(電圧増幅器)55と、ロードセル49からの出力電圧を増幅するアンプ56と、アンプ56により増幅された出力電圧の高周波成分を遮断するローパスフィルタ57と、ローパスフィルタ57により高周波成分が遮断された出力電圧を数値化してトルク測定値をCPU51に送るAD変換器58と、CPU51に入力されたトルク測定値等を記憶するメモリ59とを備えている。
ローパスフィルタ57は、下記の関係式を満たす遮断周波数を有している。
F<R/60
ここで、Fはローパスフィルタ57の遮断周波数(Hz)、Rは転がり軸受10,20の回転数(rpm)である。
CPU51には、判定工程(ステップSA4)においてトルク測定値と目標値とに基づいて算出する内輪21の追加押込み量の周期が、ローパスフィルタ57の時定数よりも長くなるように設定されている。
次に、このように構成された本実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法の作用について説明する。
本実施形態に係る製造方法により転がり軸受装置1を製造するには、まず、転がり軸受装置組立体1Aのシャフト31をシャフト受け41に固定する。そして、内輪プッシャー45を第2転がり軸受20の内輪21の軸方向の端面に接触させるとともに、ロードセル49の接触部49aを第1転がり軸受10の外輪13の外周面に接触させる。
次いで、CPU51から指令値を出力してD/A変換器54およびドライバ55を介してモータ43を駆動させ、シャフト受け41と共にシャフト31を軸回りに回転させる(ステップSA1)。シャフト31が軸回りに回転すると、シャフト31が圧入された内輪11,21が外輪13,23に対して軸回りに回転し、内輪11,21から外輪13,23にトルクが伝達される。
続いて、CPU51から指令値を出力してD/A変換器52およびドライバ53を介してアクチュエータ47を駆動させ、内輪プッシャー45により、回転している第2転がり軸受20の内輪21を軸方向に押圧する。これにより、内輪21が第1転がり軸受10の内輪11に対して近接する方向に押込まれる(ステップSA2)。
ここで、第1転がり軸受10の内輪11はシャフト31のフランジ部31aに突き当てられている。したがって、内輪21を軸方向に押込むだけで、内輪11,21どうしが軸方向に近接させられて、第1転がり軸受10および第2転がり軸受20に予圧がかけられる。転がり軸受10,20に予圧がかけられると、内輪11,21から外輪13,23に伝達されるトルクが上昇する。
続いて、外輪13,23に対して内輪11,21が軸回りに回転している際に、ロードセル49により、内輪11,21から外輪13,23に伝達されるトルクが測定される(ステップSA3)。ロードセル49によりトルクが測定されると、その出力電圧がアンプ56により増幅されてローパスフィルタ57により高周波成分が遮断された後、AD変換器58により数値化されてCPU51に入力される。CPU51に入力されたトルク測定値はメモリ59に記憶される。
この場合において、ローパスフィルタ57の遮断周波数が上記関係式を満たすことで、転がり軸受10,20の真円度や組み立て時の傾きによるうねり状のトルク変動やスパイク状のトルク変動およびロードセル49のノイズなどを除去することができる。
次いで、CPU51により、入力されたトルク測定値が目標値と略一致するか否か、すなわち、トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かが判定される(ステップSA4)。
CPU51により、差分が閾値以下であると判定された場合は、D/A変換器52,54およびドライバ53,55を介して、アクチュエータ47およびモータ43に対してそれぞれ駆動停止の指令値が入力される。そして、内輪プッシャー45による内輪21の押込みが終了するとともに(ステップSA5)、シャフト31と共に外輪13,23に対する内輪11,21の回転が停止される(ステップSA6)。
これにより、第1転がり軸受10および第2転がり軸受20に予圧をかけた状態で、シャフト31に対して内輪21が位置決め状態で圧入固定された転がり軸受装置1が完成される。
一方、CPU51により、差分が閾値よりも大きいと判定された場合は、トルク測定値と目標値とに基づいて内輪21をさらに押し込む追加押込み量が算出される(ステップSA7)。具体的には、CPU51により下式によって追加押込み量が算出される。
ΔV=A×(TG−TA)
n=Vn-1+ΔV
ここで、ΔVはアクチュエータ47に印加する電圧の増加分、Aは所定の係数、TGは目標値、TAはトルク測定値、Vnはアクチュエータ47に印加する電圧である。
このようにすることで、目標値とトルク測定値とが離れているときはアクチュエータ47の変位増加分を大きくし、目標値とトルク測定値とが近くなったらアクチュエータ47の変位増加分を小さくし、適切な追加押込み量を簡易に算出することができる。なお、内輪11,21とシャフト31とを圧入状態で嵌合させるため、予圧量の上昇は不可逆的であり、ΔVが負のときにVnを低下させても予圧量は変化しない。
CPU51により、追加押込み量が算出されると、押込み工程(ステップSA2)に戻り、トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下になるまで、ステップSA2からステップSA4が繰り返される。
この場合において、CPU51において、追加押込み量を算出する周期をローパスフィルタ57の時定数よりも長くなるように設定することで、ローパスフィルタ57によりトルクの出力信号から高周波成分が遮断されるのにかかる時間遅れによって、トルク測定値が本来のトルクよりも低い値で測定されるのを防止することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法によれば、圧入により内輪11,21とシャフト31とを固定することで、内輪11,21とシャフト31とを接着剤により固定する場合のような接着剤が硬化するまでの待ち時間を省くことができる。また、内輪11,21から外輪13,23に伝達されるトルクを目標値に略一致させることで、ラジアルプレイやレースウェイの曲率の個体差による影響を受けなくて済む。
そして、ローパスフィルタ57により、転がり軸受10,20の真円度や組み立て時の傾きによるうねり状のトルク変動やスパイク状のトルク変動およびロードセル49のノイズなどを除去するとともに、ローパスフィルタ57による時間遅れの影響を防止することで、本来のトルクを得ることができる。したがって、内輪21とシャフト31とを精度よく位置決めして、短時間で、トルクのばらつきを低減した転がり軸受装置1を製造することができる。
本実施形態は、以下のように変形することができる。
本実施形態においては、アンプ56により増幅された出力電圧からローパスフィルタ57により高周波成分を遮断した後に、AD変換器58によりその出力電圧を数値化してCPU51に送ることとしたが、第1変形例としては、図5に示すように、アンプ56により増幅された出力電圧をAD変換器58により数値化した後に、ローパスフィルタ57により高周波成分を遮断してCPU51に送ることとしてもよい。
また、第2変形例としては、例えば、トルク測定工程が、ローパスフィルタ57により、下記の関係式を満たすように、転がり軸受10の1周分のトルクを平均化してトルク測定値を出力することとしてもよい。
1<N×S×R×2/60
ここで、Sはロードセル49の出力電圧のサンプリング周期(s)、NはSのサンプリング周期でロードセル49の出力電圧をAD変換して得られる値の数(データ数)である。
このようにすることで、転がり軸受10,20の真円度や組立時の傾きによるうねり状のトルク変動を確実に除去することができる。また、転がり軸受10,20の内部に混入するコンタミなどによるスパイク状のトルク変動やロードセルの共振周波数を基本周波数とするノイズは、周波数がさらに高いので、これらも確実に除去することができる。したがって、平均トルクのばらつきがより少ない転がり軸受装置1を製造することができる。
また、本実施形態においては、ローパスフィルタ57の遮断周波数が上記関係式(F<R/60)を満たすこととしたが、第3変形例としては、ローパスフィルタ57の遮断周波数が下記の関係式を満たすこととしてもよい。
F<R/30
図6に示すように、転がり軸受10,20において発生するトルクのうねりの多くは2波/周以上であるので、1/2周分だけで全体分のトルクのうねりの周波数の平均値が分かる。したがって、本変形例によれば、上記関係式を満たす遮断周波数を有するローパスフィルタ57により、うねり状のトルク変動を効率的に除去して、転がり軸受10,20に短時間で予圧をかけることができる。図6において、縦軸はトルクを示し、横軸は時間を示している。
また、本変形例においては、トルク測定工程(ステップSA3)が、ローパスフィルタ57により、下記の関係式を満たすように、転がり軸受10の1/2周分のトルクを平均化してトルク測定値を出力することとしてもよい。
1<N×S×R×4/60
このようにすることで、転がり軸受10の1/2周分のトルクのうねりの周波数の平均値に基づき、うねり状のトルク変動をより効率的に除去することができる。また、転がり軸受10,20の内部に混入するコンタミなどによるスパイク状のトルク変動やロードセルの共振周波数を基本周波数とするノイズも確実に除去することができる。したがって、短時間で予圧をかけて、平均トルクのばらつきがより少ない転がり軸受装置1を製造することができる。
また、本実施形態においては、内輪11,21とシャフト31とを圧入により固定することとしたが、第4変形例としては、例えば、回転工程(ステップSA1)前に内輪11,21とシャフト31との間に接着剤を塗布する接着剤塗布工程を含むこととしてもよい。
この場合、図7に示すように、転がり軸受装置組立体1Aを組立てる際に、接着剤塗布工程により、内輪11,21の内周面とシャフト31の外周面との間の隙間に予め接着剤37を塗布しておくこととすればよい。そして、接着剤37が硬化する前に、回転工程(ステップSA1)以降の工程を実行することとすればよい。
このようにすることで、内輪21が押込まれた位置で圧入によりシャフト31に固定された状態で、接着剤37が硬化することにより内輪11,21とシャフト31とが接着する。したがって、短時間で予圧をかけた状態を維持させつつ、接着剤37により内輪11,21とシャフト30とをより強固に固定することができる。
また、第5変形例としては、例えば、回転工程(ステップSA1)による内輪11,21の回転および押込み工程(ステップSA2)による内輪21の押込みの終了後に、押込み工程(ステップSA3)により軸方向に押込まれた内輪21とシャフト31とをレーザ溶接する溶接工程を含むこととしてもよい。
この場合、例えば、図8に示すように、押込み工程SA2により押込んだ内輪21の一方の端面の周縁部とシャフト31の外周面との境界付近をレーザ溶接することとすればよい。図8において、符合39はレーザ溶接跡を示している。このようにすることで、内輪21が押込まれた位置で圧入によりシャフト31に固定された状態で、レーザ溶接により内輪21とシャフト31とが接合する。したがって、短時間で予圧をかけた状態を維持させつつ、レーザ溶接により内輪11,21とシャフト30とをより強固に固定することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法について説明する。
本実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法は、図9のフローチャートに示されるように、押込み工程が、第1押込み工程(ステップSA2)と、第2押込み工程(ステップSB1)とを含み、トルク測定工程が、第1押込み工程時のトルクを測定する第1トルク測定工程(ステップSA3)と、第2押込み工程時のトルクを測定する第2トルク測定工程(SB2)とを含む点で第1実施形態と異なる。
以下、第1実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法と構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態においては、制御装置50が、ローパスフィルタ57に代えて、互いに遮断周波数が異なる2つのローパスフィルタ(以下、第1ローパスフィルタと第2ローパスフィルタという。いずれも図示略。)を切替え可能に備えている。第1ローパスフィルタは、第2ローパスフィルタよりも高い遮断周波数を有している。
CPU51には、本目標値(目標値)と、本目標値よりも小さい仮目標値とが設定されるようになっている。
第1押込み工程(ステップSA2)は、トルク測定値と仮目標値との差分が所定の閾値以下になるまで内輪21を押込むようになっている。第2押込み工程(ステップSB1)は、トルク測定値と本目標値との差分が所定の閾値以下になるまでさらに内輪21を押込むようになっている。
第1トルク測定工程(ステップSA3)は、第1押込み工程(ステップSA2)により押込まれる内輪11、21から外輪13、23に伝達されてロードセル49により測定されるトルクの測定値を第1ローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力するようになっている。第2トルク測定工程(ステップSB2)は、第2押込み工程(ステップSB1)により押込まれる内輪11,21から外輪13,23に伝達されてロードセル49により測定されるトルクの測定値を第2ローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力するようになっている。
このように構成された本実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法の作用について説明する。
本実施形態に係る製造方法により転がり軸受装置1を製造するには、まず、CPU512により、仮目標値と本目標値を設定する。そして、転がり軸受装置組立体1Aのシャフト31を軸回りに回転させて(ステップSA1)、内輪21を軸方向に押込み(ステップSA2)、内輪11,21から外輪13,23に伝達されるトルクを測定して(ステップSA3)、CPU51によりトルク測定値と仮目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップSA4)。
CPU51により、差分が閾値よりも大きいと判定された場合は、追加押込み量が算出されて(ステップSA7)、第1押込み工程(ステップSA2)に戻る。一方、差分が閾値以下であると判定された場合は、CPU51から指令値を出力してD/A変換器54およびドライバ52を介してアクチュエータ47を駆動させ、内輪プッシャー45により、回転している第2転がり軸受20の内輪21を軸方向にさらに押込む(ステップSB1)。
続いて、ロードセル49により、内輪11,21から外輪13,23に伝達されるトルクが測定され(ステップSB2)、その出力電圧がアンプ56により増幅されてローパスフィルタ57により高周波成分が遮断された後、AD変換器58により数値化されてCPU51に入力される。そして、CPU51により、トルク測定値と本目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かが判定される(ステップSB3)。
CPU51により差分が閾値以下と判定された場合は、D/A変換器52,54およびドライバ53,55を介して、アクチュエータ47およびモータ43に対してそれぞれ駆動停止の指令値が入力される。そして、内輪プッシャー45による内輪21の押込みが終了するとともに(ステップSA5)、シャフト31と共に外輪13,23に対する内輪11,21の回転が停止される(ステップSA6)。
これにより、第1転がり軸受10および第2転がり軸受20に予圧をかけた状態で、シャフト31に対して内輪21が位置決め状態で圧入固定された転がり軸受装置1が完成される。
一方、CPU51により差分が閾値よりも大きいと判定された場合は、ステップSA7と同様にして、トルク測定値と本目標値とに基づいて内輪21をさらに押し込む追加押込み量が算出される(ステップSB4)
CPU51により、追加押込み量が算出されると、押込み工程(ステップSB1)に戻り、トルク測定値と本目標値との差分が所定の閾値以下になるまで、ステップSB1からステップSB3が繰り返される。
以上説明したように、本実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法によれば、転がり軸受10,20にがたがあるような初期の段階を含む第1押込み工程(ステップSA2)では、図10に示すように、第1トルク測定工程(ステップSA3)により遮断周波数が高い第1ローパスフィルタを用いて出力されるトルク測定値に従い、仮目標値まで短時間で圧入することができる。図10において、縦軸はトルクと電圧を示し、横軸は時間を示している。また、実線mはアクチュエータ47に印加する電圧を示し、破線nはトルク測定値を示している。
また、第2押込み工程では、第2トルク測定工程により遮断周波数が低い第2ローパスフィルタ57を用いて出力されるトルク測定値に従い、所望の本目標値に略一致するまで圧入することができる。したがって、第1押込み工程と第2押込み工程とを組合せることで、最初から最後まで遮断周波数が低い第2ローパスフィルタを用いて内輪21を押込む場合と比較して、予圧をかける時間を短縮することができる。
本実施形態は以下のように変形することができる。
第4変形例としては、例えば、第1ローパスフィルタの遮断周波数が下記の関係式(1)を満たし、第2ローパスフィルタの遮断周波数が下記の関係式(2)を満たすこととしてもよい。
f1<0.84×R1・・・(1)
f2<R2/60・・・(2)
ここで、f1は第1ローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、f2は第2ローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、R1は第1押込み工程における転がり軸受10の回転数(rpm)、R2は第2押込み工程における転がり軸受10の回転数(rpm)である。
このようにすることで、転がり軸受10,20の内部に混入するコンタミなどによるスパイク状のトルク変動があっても、その影響を受けることなくトルクが一定なるように予圧をコントロールすることができる。したがって、第1押込み工程でのトルクのばらつきを少なくして仮目標値と本目標値との差を小さくし、第2押込み工程にかかる時間を短縮することができる。これにより、うねり状のトルク変動があっても、トルクのばらつきが少ない平均トルクの転がり軸受装置1を短時間で製造することができる。
また、第5変形例としては、第1ローパスフィルタの遮断周波数と第2ローパスフィルタの遮断周波数とが下記の関係式を満たすこととしてもよい。
R1>R2
このようにすることで、第1押込み工程(ステップSA2)にかかる時間を短縮するとともに、第2押込み工程(ステップSB1)で内輪11,13から外輪21,23に伝達されるトルクを精度よくコントロールすることができる。したがって、トルクのばらつきが少ない転がり軸受装置1を短時間で製造することができる。
また、第6変形例としては、第1トルク測定工程(ステップSA3)が、第1ローパスフィルタにより、下記の関係式(3)を満たすようにトルクを平均化してトルク測定値を出力し、第2トルク測定工程(ステップSB2)が、第2ローパスフィルタにより、下記の関係式(4)を満たすようにトルクを平均化してトルク測定値を出力することとしてもよい。
1<n1×S1×R1×1.67・・・(3)
1<n2×S2×R2/30・・・(4)
ここで、S1はロードセル49の出力電圧のサンプリング周期(s)、n1はS1のサンプリング周期でロードセル49の出力電圧をAD変換して得られる値の数(データ数)、S2はロードセル49の出力電圧のサンプリング周期(s)、n2はS2のサンプリング周期でロードセル49の出力電圧をAD変換して得られる値の数(データ数)である。
このようにすることで、第1押込み工程(ステップSA2)でのトルクのばらつきをより少なくして、仮目標値と本目標値との差を極力小さくし、第2押込み工程(ステップSB1)にかかる時間をより短縮することができる。これにより、うねり状のトルク変動があっても、トルクのばらつきがより少ない平均トルクの転がり軸受装置1を短時間で製造することができる。
第7変形例としては、第1押込み工程(ステップSA2)後、第2押込み工程(ステップSB1)前に、転がり軸受10,20の1周あたりのトルクのうねりの周波数を分析する周波数分析工程を含み、周波数分析工程により分析されるトルクのうねりの周波数に基づいて、第2ローパスフィルタの遮断周波数を下記の関係式により決定することとしてもよい。
f2<N×R2/60
ここで、Nは所定の閾値以上の周波数成分を有するトルクのうねりの数、または、所定の閾値以上の周波数成分を有するトルクのうねりがない場合は50である。
周波数分析工程は、例えば、判定工程(ステップSA4)と第2押込み工程(ステップSB1)との間に実行し、FFT(Fast Fourier Transform)等により、トルクのうねりの周波数成分を算出することとすればよい。
例えば、転がり軸受10,20の1周あたりにトルクのうねりが3波ある場合を例示して説明する。この場合、例えば、各波をそれぞれ成分W1,成分W2,成分W3とすると、成分W3が所定の閾値以上のときは上記式にN=3を入力し、成分W3が所定の閾値よりも小さく成分W2が所定の閾値以上のときは上記式にN=2を入力し、成分W3,W2が所定の閾値よりも小さく成分W1が所定の閾値以上のときは上記式にN=1を入力することとすればよい。また、成分W1,W2,W3のいずれもが所定の閾値よりも小さいときは、上記式にN=50を入力することとすればよい。
このようにすることで、第2押込み工程において、トルクのうねりに適したローパスフィルタを使用し、転がり軸受10,20のトルクのうねりの影響を受けずに、2つの転がり軸受10,20に予圧をかけることができる。また、閾値以上のうねりがない場合は、転がり軸受10,20の内部に混入するコンタミなどによりスパイク状のトルク変動の影響を防止する第2ローパスフィルタを用いて2つの転がり軸受10,20に予圧をかけることができる。そして、第2押込み工程において、トルクのうねりの数が多いときは短時間で予圧をかけ、全体として予圧をかける時間を短縮してトルクのばらつきを低減した転がり軸受装置1を製造することができる。
本変形例においては、第2トルク測定工程(ステップSB2)が、第2ローパスフィルタにより、下記の関係式を満たすように、トルクを平均化してトルク測定値を出力することとしてもよい。
1<n2×R2×S2×N×2/60
このようにすることで、転がり軸受10,20のトルクのうねりの影響を受けず、また、転がり軸受10,20の内部に混入するコンタミなどによるスパイク状のトルク変動やロードセルの共振周波数を基本周波数とするノイズも確実に除去して、短時間で、トルクのばらつきをより低減した転がり軸受装置1を製造することができる。
以上、本発明の各実施形態およびその変形例について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本発明を上記の各実施形態および変形例に適用したものに限定されることなく、これらの実施形態および変形例を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定されるものではない。例えば、第2実施形態において、接着剤塗布工程を含むこととしてもよいし、レーザ溶接工程を含むこととしてもよい。
また、例えば、外輪を回転させ、外輪を、外輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込み、外輪が押込まれながら内輪に対して回転する際に、外輪から内輪に伝達されるトルクを測定する方法をとっても良い。また、軸方向に間隔をあけて同軸に配置される2つの内輪と2つの外輪とで2つの転がり軸受を構成する例を示したが、2つの内輪もしくは2つの外輪とスペーサ部材を一体化した構造のもの、即ち内輪もしくは外輪の何れか一方が一つの部材で構成され軌道輪を二箇所有する構造も本発明の「同軸に配置される2つの転がり軸受」に該当するものとする。
1 転がり軸受装置
1A 転がり軸受装置組立体
10 第1転がり軸受(転がり軸受)
11,21 内輪
13,23 外輪
15,25 転動体
20 第2転がり軸受(転がり軸受)
31 シャフト(軸部材)
37 接着剤
47 アクチュエータ(圧電素子)
49 ロードセル
SA1 回転工程(ステップSA1)
SA2 押し込み工程(第1押込み工程:ステップSA2)
SA3 トルク測定工程(第1トルク測定工程:ステップSA3)
SA4 判定工程(ステップSA4)
SB1 第2押込み工程(ステップSB1)
SB2 第2測定工程(ステップSB2)
上記目的を達成するために、本発明は以下の製造方法、並びにこの製造方法を実現する製造装置を提供する。
本発明は、軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の内輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受組立体の外輪に対して、前記内輪を軸回りに回転させる回転工程と、該回転工程により前記外輪に対して回転させられている前記内輪を、該内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み工程と、該押込み工程により前記内輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該内輪から該外輪に伝達されるトルクをトルク測定器により測定して、下式を満たす遮断周波数を有するローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力するトルク測定工程と、該トルク測定工程により出力されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かを判定し、該差分が前記所定の閾値以下である場合に前記回転工程による前記内輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みを終了し、前記差分が前記所定の閾値よりも大きい場合に前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記内輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻る判定工程とを含み、前記追加押込み量を算出する周期が前記ローパスフィルタの時定数よりも長くなるように設定される転がり軸受装置の製造方法を提供する。
F<R/60
ここで、Fはローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、Rは転がり軸受の回転数(rpm)である。
また、トルク測定工程において、遮断周波数が上記の関係式を満たすローパスフィルタにより、トルク測定器によって測定したトルクの測定値から高周波成分を遮断することで、転がり軸受の真円度や組み立て時の傾きによるうねり状のトルク変動やスパイク状のトルク変動およびトルク測定器のノイズなどを除去した本来のトルクを得ることができる。
これにより、内輪と軸部材とを精度よく位置決めして、短時間で、トルクのばらつきを低減した転がり軸受装置を製造することができる。
上記発明においては、前記トルク測定工程が、前記ローパスフィルタにより、下記の関係式を満たすように、前記転がり軸受の1周分の前記トルクを平均化して前記トルク測定値を出力することとしてもよい。
1<N×S×R×2/60
ここで、Sはトルク測定器の出力電圧のサンプリング周期(s)、NはSのサンプリング周期でトルク測定器の出力電圧をAD変換して得られる値の数(データ数)である。
このように構成することで、転がり軸受の真円度や組立時の傾きによるうねり状のトルク変動を確実に除去することができる。また、転がり軸受の内部に混入するコンタミなどによるスパイク状のトルク変動やトルク測定器の共振周波数を基本周波数とするノイズは、周波数がさらに高いので、これらも確実に除去することができる。
本発明は、軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の内輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受組立体の外輪に対して、前記内輪を軸回りに回転させる回転工程と、該回転工程により前記外輪に対して回転させられている前記内輪を、該内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み工程と、該押込み工程により前記内輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該内輪から該外輪に伝達されるトルクをトルク測定器により測定して、下式を満たす遮断周波数を有するローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力するトルク測定工程と、該トルク測定工程により出力されたトルク測定値と目標値との差分が所定に閾値以下であるか否かを判定し、該差分が前記所定の閾値以下である場合に、前記回転工程による前記内輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みを終了し、前記差分が前記所定の閾値よりも大きい場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記内輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻る判定工程と含み、前記追加押込み量を算出する周期が前記ローパスフィルタの時定数よりも長くなるように設定される転がり軸受装置の製造方法。
F<R/30
ここで、Fはローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、Rは転がり軸受の回転数(rpm)である。
また、上記発明においては、押込み工程が、前記トルク測定値と前記目標値よりも小さい仮目標値との差分が前記所定の閾値以下になるまで前記内輪を押込む第1押込み工程と、前記トルク測定値と前記目標値との差分が前記所定の閾値以下になるまでさらに前記内輪を押込む第2押込み工程とを含み、前記トルク測定工程が、前記第1押込み工程により押込まれる前記内輪から前記外輪に伝達されて前記トルク測定器により測定されるトルクの測定値を、遮断周波数が高い第1ローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力する第1トルク測定工程と、前記第2押込み工程により押込まれる前記内輪から前記外輪に伝達されて前記トルク測定器により測定されるトルクの測定値を、前記第1ローパスフィルタの遮断周波数よりも低い遮断周波数を有する第2ローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力する第2トルク測定工程とを含むこととしてもよい。
また、上記発明においては、前記第1トルク測定工程が、前記第1ローパスフィルタにより、下記の関係式(3)を満たすように、前記トルクを平均化して前記トルク測定値を出力し、前記第2トルク測定工程が、前記第2ローパスフィルタにより、下記の関係式(4)を満たすように、前記トルクを平均化して前記トルク測定値を出力することとしてもよい。
1<n1×S1×R1×1.67・・・(3)
1<n2×S2×R2/30・・・(4)
ここで、S1はトルク測定器の出力電圧のサンプリング周期(s)、n1はS1のサンプリング周期でトルク測定器の出力電圧をAD変換して得られる値の数(データ数)、S2はトルク測定器の出力電圧のサンプリング周期(s)、n2はS2のサンプリング周期でトルク測定器の出力電圧をAD変換して得られる値の数(データ数)である。
このように構成することで、転がり軸受のトルクのうねりの影響を受けず、また、転がり軸受の内部に混入するコンタミなどによるスパイク状のトルク変動やトルク測定器の共振周波数を基本周波数とするノイズも確実に除去して、短時間で、トルクのばらつきをより低減した転がり軸受装置を製造することができる。
本実施形態においては、例えば、図3に示すような、製造装置100が用いられる。
製造装置100は、同図に示すように、転がり軸受装置組立体1Aのシャフト31を固定するシャフト受け41と、シャフト受け41に固定されたシャフト31を軸回りに回転させるモータ43(回転手段)と、転がり軸受装置組立体1Aの内輪21を軸方向に押込み可能な内輪プッシャー45と、内輪プッシャー45を軸方向に進退させる圧電素子等のアクチュエータ47と、外輪13,23に対して内輪11,21が回転する際に内輪11,21から外輪13,23に伝達されるトルクを測定するロードセル(トルク測定)49と、これらのモータ43、アクチュエータ47およびロードセル49を制御する制御装置50とを備えている。そして、内転プッシャー45とアクチュエータ47とで押し込み手段を構成する。符合42はシャフト受け41を軸回りに回転可能に支持する支持部を示し、符合46は内輪プッシャー45を軸回りに回転可能に支持する支持部を示している。

Claims (18)

  1. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の内輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受組立体の外輪に対して、前記内輪を軸回りに回転させる回転工程と、
    該回転工程により前記外輪に対して回転させられている前記内輪を、該内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み工程と、
    該押込み工程により前記内輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該内輪から該外輪に伝達されるトルクをロードセルにより測定して、下式を満たす遮断周波数を有するローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力するトルク測定工程と、
    該トルク測定工程により出力されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かを判定し、該差分が前記所定の閾値以下である場合に前記回転工程による前記内輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みを終了し、前記差分が前記所定の閾値よりも大きい場合に前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記内輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻る判定工程とを含み、
    前記追加押込み量を算出する周期が前記ローパスフィルタの時定数よりも長くなるように設定される転がり軸受装置の製造方法。
    F<R/60
    ここで、Fはローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、Rは転がり軸受の回転数(rpm)である。
  2. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の外輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受組立体の内輪に対して、前記外輪を軸回りに回転させる回転工程と、
    該回転工程により前記内輪に対して回転させられている前記外輪を、該外輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み工程と、
    該押込み工程により前記外輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該外輪から該外輪に伝達されるトルクをロードセルにより測定して、下式を満たす遮断周波数を有するローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力するトルク測定工程と、
    該トルク測定工程により出力されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かを判定し、該差分が前記所定の閾値以下である場合に前記回転工程による前記外輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みを終了し、前記差分が前記所定の閾値よりも大きい場合に前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記外輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻る判定工程とを含み、
    前記追加押込み量を算出する周期が前記ローパスフィルタの時定数よりも長くなるように設定される転がり軸受装置の製造方法。
    F<R/60
    ここで、Fはローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、Rは転がり軸受の回転数(rpm)である。
  3. 前記トルク測定工程が、前記ローパスフィルタにより、下記の関係式を満たすように、前記転がり軸受の1周分の前記トルクを平均化して前記トルク測定値を出力する請求項1または請求項2に記載の転がり軸受装置の製造方法。
    1<N×S×R×2/60
    ここで、Sはロードセルの出力電圧のサンプリング周期(s)、NはSのサンプリング周期でロードセルの出力電圧をAD変換して得られる値の数(データ数)である。
  4. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の内輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受組立体の外輪に対して、前記内輪を軸回りに回転させる回転工程と、
    該回転工程により前記外輪に対して回転させられている前記内輪を、該内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み工程と、
    該押込み工程により前記内輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該内輪から該外輪に伝達されるトルクをロードセルにより測定して、下式を満たす遮断周波数を有するローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力するトルク測定工程と、
    該トルク測定工程により出力されたトルク測定値と目標値との差分が所定に閾値以下であるか否かを判定し、該差分が前記所定の閾値以下である場合に、前記回転工程による前記内輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みを終了し、前記差分が前記所定の閾値よりも大きい場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記内輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻る判定工程と含み、
    前記追加押込み量を算出する周期が前記ローパスフィルタの時定数よりも長くなるように設定される転がり軸受装置の製造方法。
    F<R/30
    ここで、Fはローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、Rは転がり軸受の回転数(rpm)である。
  5. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の外輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受組立体の内輪に対して、前記外輪を軸回りに回転させる回転工程と、
    該回転工程により前記内輪に対して回転させられている前記外輪を、該外輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み工程と、
    該押込み工程により前記外輪が押込まれながら前記内輪に対して回転する際に、該外輪から該内輪に伝達されるトルクをロードセルにより測定して、下式を満たす遮断周波数を有するローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力するトルク測定工程と、
    該トルク測定工程により出力されたトルク測定値と目標値との差分が所定に閾値以下であるか否かを判定し、該差分が前記所定の閾値以下である場合に、前記回転工程による前記外輪の回転および前記押込み工程による前記外輪の押込みを終了し、前記差分が前記所定の閾値よりも大きい場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記外輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻る判定工程と含み、
    前記追加押込み量を算出する周期が前記ローパスフィルタの時定数よりも長くなるように設定される転がり軸受装置の製造方法。
    F<R/30
    ここで、Fはローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、Rは転がり軸受の回転数(rpm)である。
  6. 前記トルク測定工程が、前記ローパスフィルタにより、下記の関係式を満たすように、前記転がり軸受の1/2周分のトルクを平均化して前記トルク測定値を出力する請求項4または請求項5に記載の転がり軸受装置の製造方法。
    1<N×S×R×4/60
  7. 押込み工程が、前記トルク測定値と前記目標値よりも小さい仮目標値との差分が前記所定の閾値以下になるまで前記内輪を押込む第1押込み工程と、前記トルク測定値と前記目標値との差分が前記所定の閾値以下になるまでさらに前記内輪を押込む第2押込み工程とを含み、
    前記トルク測定工程が、前記第1押込み工程により押込まれる前記内輪から前記外輪に伝達されて前記ロードセルにより測定されるトルクの測定値を、遮断周波数が高い第1ローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力する第1トルク測定工程と、前記第2押込み工程により押込まれる前記内輪から前記外輪に伝達されて前記ロードセルにより測定されるトルクの測定値を、前記第1ローパスフィルタの遮断周波数よりも低い遮断周波数を有する第2ローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力する第2トルク測定工程とを含む請求項1から請求項6のいずれかに記載の転がり軸受装置の製造方法。
  8. 前記第1ローパスフィルタの遮断周波数が下記の関係式(1)を満たし、前記第2ローパスフィルタの遮断周波数が下記の関係式(2)を満たす請求項7に記載の転がり軸受装置の製造方法。
    f1<0.84×R1・・・(1)
    f2<R2/60・・・(2)
    ここで、f1は第1ローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、f2は第2ローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、R1は第1押込み工程における転がり軸受の回転数(rpm)、R2は第2押込み工程における転がり軸受の回転数(rpm)である。
  9. 前記第1ローパスフィルタの遮断周波数と前記第2ローパスフィルタの遮断周波数とが下記の関係式を満たす請求項7または請求項8に記載の転がり軸受装置の製造方法。
    R1>R2
  10. 前記第1トルク測定工程が、前記第1ローパスフィルタにより、下記の関係式(3)を満たすように、前記トルクを平均化して前記トルク測定値を出力し、
    前記第2トルク測定工程が、前記第2ローパスフィルタにより、下記の関係式(4)を満たすように、前記トルクを平均化して前記トルク測定値を出力する請求項7から請求項9のいずれかに記載の転がり軸受装置の製造方法。
    1<n1×S1×R1×1.67・・・(3)
    1<n2×S2×R2/30・・・(4)
    ここで、S1はロードセルの出力電圧のサンプリング周期(s)、n1はS1のサンプリング周期でロードセルの出力電圧をAD変換して得られる値の数(データ数)、S2はロードセルの出力電圧のサンプリング周期(s)、n2はS2のサンプリング周期でロードセルの出力電圧をAD変換して得られる値の数(データ数)である。
  11. 前記第1押込み工程後、前記第2押込み工程前に、前記転がり軸受の1周あたりの前記トルクのうねりの周波数を分析する周波数分析工程を含み、
    該周波数分析工程により分析される前記トルクのうねりの周波数に基づいて、前記第2ローパスフィルタの遮断周波数を下記の関係式により決定する請求項7から請求項10のいずれかに記載の転がり軸受装置の製造方法。
    f2<N×R2/60
    ここで、Nは所定の閾値以上の周波数成分を有するトルクのうねりの数または所定の閾値以上の周波数成分を有するトルクのうねりがない場合は50である。
  12. 前記第2トルク測定工程が、前記第2ローパスフィルタにより、下記の関係式を満たすように、前記トルクを平均化して前記トルク測定値を出力する請求項11に記載の転がり軸受装置の製造方法。
    1<n2×R2×S2×N×2/60
  13. 前記回転工程前に前記内輪もしくは前記外輪と前記軸部材との間に接着剤を塗布する接着剤塗布工程を含む請求項1から請求項12のいずれかに記載の転がり軸受装置の製造方法。
  14. 前記回転工程による前記内輪もしくは前記外輪の回転および前記押込み工程による前記内輪もしくは前記外輪の押込みの終了後に、軸方向に押込まれた前記内輪もしくは前記外輪と前記軸部材とをレーザ溶接する溶接工程を含む請求項1から請求項12のいずれかに記載の転がり軸受装置の製造方法。
  15. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の内輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受組立体の外輪に対して、前記内輪を軸回りに回転させる回転手段と、
    該回転手段により前記外輪に対して回転させられている前記内輪を、該内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み手段と、
    該押込み手段により前記内輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該内輪から該外輪に伝達されるトルクをロードセルにより測定して、下式を満たす遮断周波数を有するローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力するトルク測定手段と、
    該トルク測定手段により出力されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かを判定し、該差分が前記所定の閾値以下である場合に前記回転工程による前記内輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みを終了し、前記差分が前記所定の閾値よりも大きい場合に前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記内輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻る判定手段とを含み、
    前記追加押込み量を算出する周期が前記ローパスフィルタの時定数よりも長くなるように設定される転がり軸受装置の製造装置。
    F<R/60
    ここで、Fはローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、Rは転がり軸受の回転数(rpm)である。
  16. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の外輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受組立体の内輪に対して、前記外輪を軸回りに回転させる回転手段と、
    該回転手段により前記内輪に対して回転させられている前記外輪を、該外輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み手段と、
    該押込み手段により前記外輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該外輪から該外輪に伝達されるトルクをロードセルにより測定して、下式を満たす遮断周波数を有するローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力するトルク測定手段と、
    該トルク測定工程により出力されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かを判定し、該差分が前記所定の閾値以下である場合に前記回転工程による前記外輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みを終了し、前記差分が前記所定の閾値よりも大きい場合に前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記外輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻る判定手段とを含み、
    前記追加押込み量を算出する周期が前記ローパスフィルタの時定数よりも長くなるように設定される転がり軸受装置の製造装置。
    F<R/60
    ここで、Fはローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、Rは転がり軸受の回転数(rpm)である。
  17. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の内輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受組立体の外輪に対して、前記内輪を軸回りに回転させる回転手段と、
    該回転工程により前記外輪に対して回転させられている前記内輪を、該内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み手段と、
    該押込み工程により前記内輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該内輪から該外輪に伝達されるトルクをロードセルにより測定して、下式を満たす遮断周波数を有するローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力するトルク測定手段と、
    該トルク測定工程により出力されたトルク測定値と目標値との差分が所定に閾値以下であるか否かを判定し、該差分が前記所定の閾値以下である場合に、前記回転工程による前記内輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みを終了し、前記差分が前記所定の閾値よりも大きい場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記内輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻る判定手段と含み、
    前記追加押込み量を算出する周期が前記ローパスフィルタの時定数よりも長くなるように設定される転がり軸受装置の製造装置。
    F<R/30
    ここで、Fはローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、Rは転がり軸受の回転数(rpm)である。
  18. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の外輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受組立体の内輪に対して、前記外輪を軸回りに回転させる回転手段と、
    該回転工程により前記内輪に対して回転させられている前記外輪を、該外輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み手段と、
    該押込み工程により前記外輪が押込まれながら前記内輪に対して回転する際に、該外輪から該内輪に伝達されるトルクをロードセルにより測定して、下式を満たす遮断周波数を有するローパスフィルタにより高周波成分を遮断して出力するトルク測定手段と、
    該トルク測定工程により出力されたトルク測定値と目標値との差分が所定に閾値以下であるか否かを判定し、該差分が前記所定の閾値以下である場合に、前記回転工程による前記外輪の回転および前記押込み工程による前記外輪の押込みを終了し、前記差分が前記所定の閾値よりも大きい場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記外輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻る判定工程と含み、
    前記追加押込み量を算出する周期が前記ローパスフィルタの時定数よりも長くなるように設定される転がり軸受装置の製造装置。
    F<R/30
    ここで、Fはローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、Rは転がり軸受の回転数(rpm)である。
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