JP2013184412A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動回路の発熱の影響を受けた実際の液体の温度を高精度に取得することができると共にコストを低減した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体を噴射するノズル開口21に連通する流路が設けられた流路形成基板10と、前記流路形成基板10上に設けられて前記流路内の液体に圧力変化を生じさせる圧力発生手段300と、前記流路形成基板10上で前記圧力発生手段300に接続されて、駆動信号を前記圧力発生手段300に供給する駆動回路200を有する配線基板410と、前記流路形成基板20の前記圧力発生手段300が設けられた面側に設けられて、前記配線基板10が収容される収容部501を有する収容部材500と、前記流路形成基板10上に固定されて前記配線基板410に接触する金属からなる支持部材400と、を具備し、前記支持部材400には温度検出部420が設けられている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に、液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
液滴を吐出する液体噴射ヘッドの代表例としては、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドが挙げられる。このインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、インク滴をノズル開口から吐出する複数のヘッド本体と、複数のヘッド本体に固定されてインクが貯留された液体貯留部材からのインクを各ヘッド本体に供給する共通の液体導入部材(保持部材に相当)とを具備するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、インクジェット式記録ヘッドのヘッド本体としては、ノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路形成基板と、流路形成基板上に設けられた圧電アクチュエーターと、流路形成基板上で圧電アクチュエーターと接続された駆動回路を有する配線基板と、配線基板を流路形成基板の圧電アクチュエーターが設けられた面から立ち上がるように支持する支持部材と、を具備するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このような液体噴射ヘッドから吐出する液体には、液体の種類に応じて吐出に適した粘度がある。液体の粘度は、温度と相関関係にあるため、温度が低いほど粘度が高くなり、温度が高いほど粘度が低くなる特性がある。このため、液体の温度によって変化した粘度に合わせて、液体噴射ヘッドの圧力発生手段を駆動する駆動信号を補正する必要がある。
特開2005−225219号公報 特開2009−208462号公報
しかしながら、液体の温度の測定は、液体噴射ヘッドの外部の環境温度(雰囲気温度)を温度センサーで測定することで行われるため、液体噴射ヘッド内の実際の液体の温度と環境温度とに誤差が生じ、環境温度に基づいて駆動信号を補正したとしても、実際の液体の粘度に最適な駆動信号の補正とはならずに、吐出特性が低下して印刷品質が劣化してしまうという問題がある。
また、液体噴射ヘッドの流路内に温度センサーを配置することも考えられるものの、液体噴射ヘッドの高密度化及び小型化によって流路内に温度センサーを設けるのは困難である。また、流路内に温度センサーを設けることで、液体噴射ヘッドの大型化されて高コストになってしまうという問題がある。さらに、流路内に温度センサーを設けるには、温度センサーの絶縁処理が必要となり、絶縁処理した温度センサーは大型化してしまい液体流路内に配置することができなくなると共に、液体流路から外部に引き出す配線などが必要となって複雑な構造が必要になってしまうという問題がある。
さらに、例えば、特許文献2の構造のように、圧電アクチュエーターが駆動する駆動回路が、圧電アクチュエーターの駆動と共に発熱し、供給路を通過する液体を加熱してしまうため、外部環境の温度を取得しただけでは、駆動回路の影響による液体の温度を検出することができず、環境温度と実際の液体の温度との誤差が大きくなってしまうという問題がある。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、駆動回路の発熱の影響を受けた実際の液体の温度を高精度に取得することができると共にコストを低減した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を噴射するノズル開口に連通する流路が設けられた流路形成基板と、前記流路形成基板上に設けられて前記流路内の液体に圧力変化を生じさせる圧力発生手段と、前記流路形成基板上で前記圧力発生手段に接続されて、駆動信号を前記圧力発生手段に供給する駆動回路を有する配線基板と、前記流路形成基板の前記圧力発生手段が設けられた面側に設けられて、前記配線基板が収容される収容部を有する収容部材と、前記流路形成基板上に固定されて前記配線基板に接触する金属からなる支持部材と、を具備し、前記支持部材には温度検出部が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、支持部材を熱伝導率の高い金属で形成することで、配線基板に設けられた駆動回路の熱が支持部材に伝導されて、駆動回路の熱を検出することができる。このため、駆動回路の熱によって液体が加熱される温度を測定することができ、実際の液体の温度を高精度に測定することができる。
ここで、前記収容部材には、前記流路形成基板の前記流路に液体を供給する供給路が設けられていることが好ましい。これによれば、供給路内の液体が駆動回路によって加熱されるため、供給路内の駆動回路によって加熱された液体の温度を高精度に取得することができる。
また、1つの前記支持部材に対して、複数の前記配線基板が接触して設けられていることが好ましい。これによれば、1つの支持部材と複数の配線基板とで1つの発熱体が構成されるため、発熱体の温度を1つの温度検出部によって測定することができる。したがって、温度検出部を各配線基板に設ける場合に比べてコストを低減することができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、温度検出部によって検出した温度情報に基づいて、実際の液体の温度に適した駆動を行わせて、液体吐出特性に優れた液体噴射装置を実現できる。
本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係るヘッド本体の分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係るヘッド本体の平面図である。 本発明の実施形態1に係るヘッド本体の断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録装置を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態1に係る制御系を示すブロック図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1及び図2は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図である。図1に示すように、インクジェット式記録ヘッドI(以下、単に記録ヘッドIとも言う)は、インクを噴射するヘッド本体1と、ヘッド本体1が複数固定される収容部材である流路部材500と、流路部材500のヘッド本体1とは反対側に設けられた回路基板600と、流路部材500の回路基板600側に設けられた固定部材700と、ヘッド本体1の流路部材500とは反対側に設けられたカバーヘッド800とを具備する。
まず、ヘッド本体1について図3〜図5を参照して詳細に説明する。なお、図3は、本発明の実施形態1に係るヘッド本体の分解斜視図であり、図4は、ヘッド本体の平面図であり、図5は、図4のA−A′線断面図である。
図示するように、ヘッド本体1を構成する流路形成基板10には、壁部11によって区画された複数の圧力発生室12が同じ色のインクを吐出する複数のノズル開口21が並設される方向に沿って並設されている。以降、この方向を圧力発生室12の並設方向、又は第1の方向Xと称する。また、流路形成基板10には、圧力発生室12が第1の方向Xに並設された列が複数列、本実施形態では、2列設けられている。この圧力発生室12が第1の方向Xに沿って形成された圧力発生室12の列が複数列設された列設方向を、以降、第2の方向Yと称する。
また、各列の圧力発生室12の第2の方向Yの外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14及び連通路15を介して連通されている。連通部13は、後述する保護基板30のマニホールド部31と連通して圧力発生室12の列毎に共通のインク室となるマニホールド100の一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。なお、本実施形態では、流路の幅を片側から絞ることでインク供給路14を形成したが、流路の幅を両側から絞ることでインク供給路を形成してもよい。また、流路の幅を絞るのではなく、厚さ方向から絞ることでインク供給路を形成してもよい。さらに、各連通路15は、圧力発生室12の幅方向両側の壁部11を連通部13側に延設してインク供給路14と連通部13との間の空間を区画することで形成されている。すなわち、流路形成基板10には、圧力発生室12の第1の方向Xの断面積より小さい断面積を有するインク供給路14と、このインク供給路14に連通すると共にインク供給路14の第1の方向Xの断面積よりも大きい断面積を有する連通路15とが複数の壁部11により区画されて設けられている。なお、本実施形態では、流路形成基板10には、ノズル開口21に連通する流路として圧力発生室12、連通部13、インク供給路14及び連通路15が設けられている。
また、流路形成基板10の開口面側には、第2の方向Yにおいて各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。本実施形態では、流路形成基板10に圧力発生室12が並設された列を2列設けたため、1つのヘッド本体1には、ノズル開口21の並設されたノズル列が2列設けられている。
一方、このような流路形成基板10のノズルプレート20とは反対側には、弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には、第1電極60と、電気機械変換作用を示す圧電材料である圧電体層70と、第2電極80とが順次積層形成されて、本実施形態の圧力発生素子である圧電アクチュエーター300を構成している。ここで、圧電アクチュエーター300は、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には、圧電アクチュエーター300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、流路形成基板10側の第1電極60を圧電アクチュエーター300の共通電極とし、第2電極80を圧電アクチュエーター300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。なお、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び第1電極60が振動板として作用するが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、弾性膜50及び絶縁体膜55を設けずに、第1電極60のみが振動板として作用するようにしてもよい。また、圧電アクチュエーター300自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。
また、圧電アクチュエーター300の個別電極である各第2電極80には、絶縁体膜55上まで延設された例えば、金(Au)等からなるリード電極90(接続端子)が接続されている。リード電極90は、一端部が第2電極80に接続されていると共に、他端部側が、圧電アクチュエーター300が並設された列と列との間に延設されている。すなわち、リード電極90の他端部側は、第2の方向Yで互いに隣り合う圧電アクチュエーター300の間に延設されている。そして、このリード電極90の延設された他端部は、詳しくは後述するヘッド本体1の配線基板410と接続されている。
このような圧電アクチュエーター300が形成された流路形成基板10上、すなわち、第1電極60、絶縁体膜55及びリード電極90上には、マニホールド100の少なくとも一部を構成するマニホールド部31を有する保護基板30が接着剤35を介して接合されている。このマニホールド部31は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるマニホールド100を構成している。なお、本実施形態では、流路形成基板10にマニホールド100となる連通部13を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、流路形成基板10の連通部13を圧力発生室12毎に複数に分割して、マニホールド部31のみをマニホールドとしてもよい。また、例えば、流路形成基板10に圧力発生室12のみを設け、流路形成基板10と保護基板30との間に介在する部材(例えば、弾性膜50、絶縁体膜55等)にマニホールドと各圧力発生室12とを連通するインク供給路14を設けるようにしてもよい。
また、保護基板30の圧電アクチュエーター300に対向する領域には、圧電アクチュエーター300の運動を阻害しない程度の空間を有する保持部である圧電アクチュエーター保持部32が設けられている。圧電アクチュエーター保持部32は、圧電アクチュエーター300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。なお、本実施形態では、圧電アクチュエーター300が並設された列が2列設けられているため、圧電アクチュエーター保持部32を圧電アクチュエーター300の並設された各列に対応してそれぞれ設けるようにした。すなわち、保護基板30には、圧電アクチュエーター保持部32が第2の方向Yに2つ並設されている。
また、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。貫通孔33は、本実施形態では、2つの圧電アクチュエーター保持部32の間に設けられている。そして、各圧電アクチュエーター300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、貫通孔33内に露出するように設けられている。
圧電アクチュエーター300を駆動するための駆動IC等の駆動回路200は、可撓性の駆動配線である配線基板410に実装してある。ここで、配線基板410は、下端部がリード電極90に接続されるとともにほぼ垂直に立ち上げられて板状を有する支持部材400の側面に接着されている。すなわち、支持部材400は両側面が垂直面となっている直方体である。本実施形態では、支持部材400は、詳しくは後述するが、ヘッドケース110と接着剤120を介して接合されることで、流路形成基板10の圧電アクチュエーター300が設けられた面に固定されている。
さらに詳言すると、本実施形態に係るヘッド本体1では、流路形成基板10に圧力発生室12が並設された列を2列設けたため、圧電アクチュエーター300が圧力発生室12の第1の方向Xに並設された列が第2の方向Yに2列設けられている。すなわち、圧力発生室12、圧電アクチュエーター300及びリード電極90の2列が相対向して設けられたものである。そして、下部が貫通孔33に挿入されている支持部材400の両側面には、それぞれ配線基板410が接着されており、各配線基板410は、それぞれの下端部が圧電アクチュエーター300の各列のリード電極90の端部及び第1電極60に接続されるとともにほぼ垂直に立ち上げられている。本実施形態では、支持部材400の側面のそれぞれに1枚の配線基板410を設けることで、1つの支持部材400に合計2枚の配線基板410が設けられている。
なお、可撓性の配線基板である配線基板410は、単体で起立させようとしても撓み易いため、配線基板410を支えとなる金属である支持部材400で支持させることで、配線基板410を起立させることができる。また、本実施形態では、配線基板410を支持部材400の側面に接着するようにしたが、配線基板410は支持部材400と接触していればよく、例えば、配線基板410が支持部材400に倒れ掛かるように保持されてもよい。
また、本実施形態では、図5に示すように、支持部材400の下端面と配線基板410の下端部との間には、テフロン(登録商標)等で好適に形成し得る緩衝部材430が配設してある。さらに、配線基板410の下端部とリード電極90とは、導電性粒子(例えば、異方性導電膜(ACF)や異方性導電ペースト(ACP)などの異方性導電材に含有されるもの)で電気的に接続されている。すなわち、支持部材400を圧下することでその下端面を介して配線基板410をリード電極90側に押圧する。このことにより、導電性粒子を潰して配線基板410とリード電極90との所定の電気的な接続を行う。この際、緩衝部材430は配線基板410に対する押圧力を均一化するように機能する。ここで、支持部材400の下端面と配線基板410の下端部、又は緩衝部材430と当接する支持部材400の下端面を、前記導電性粒子の粒子径の5倍以内の面精度とするのが好ましい。このことにより、緩衝部材430の存在とも相俟って配線基板410の下端部を介して導電性粒子に作用させる押圧力を均一化することができ、導電性粒子を確実に潰して良好な電気的接続が確保されるからである。もちろん、配線基板410の下端部とリード電極90との接続は、導電性粒子に限定されず、例えば、半田等の金属材料を溶融させて両者を接続するようにしてもよい。
このような支持部材400は、ステンレス鋼等の金属材料からなる。金属材料は熱伝導率が高いため、支持部材400を金属材料で形成することで、駆動回路200の熱を支持部材400を介して放熱させることができ、配線基板410とリード電極90との接続不良が発生するのを抑制することができる。
また、支持部材400には、温度検出部420が設けられている。本実施形態では、温度検出部420は、支持部材400の一方の配線基板410が接合された面に、第1の方向Xの中央部に設けるようにした。
このような温度検出部420は、支持部材400の温度を検出するものであり、例えば、熱電抵抗体、熱電対、サーミスターなどの接触式の温度センサーを用いることができる。
本実施形態では、1つの支持部材400が2つの配線基板410を支持するが、支持部材400には、1つの温度検出部420しか設けられていない。これは、支持部材400として熱伝導率に優れた金属材料を用いたため、2つの配線基板410に設けられた複数の駆動回路200の発熱を支持部材400が1つの温度検出部420に伝導することができるからである。つまり、本実施形態の温度検出部420は、2つの配線基板410に設けられた複数の駆動回路200により温められた支持部材400の温度を検出することができる。
さらに、図5に示すように、保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってマニホールド部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、ステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
さらに、コンプライアンス基板40上には、ヘッドケース110が設けられている。図3に示すように、ヘッドケース110には、インク導入口44に連通してカートリッジ等の貯留手段からのインクをマニホールド100に供給するインク導入路111が設けられている。また、ヘッドケース110には、開口部43に対向する領域に凹形状の逃がし部112(図5参照)が形成され、開口部43のたわみ変形が適宜行われるようになっている。さらに、ヘッドケース110には、保護基板30に設けられた貫通孔33と連通する配線部材保持孔113が設けられており、配線基板410及び支持部材400は、配線部材保持孔113内に挿通された状態で、配線基板410の下端部がリード電極90と接続されている。そして、ヘッドケース110の配線部材保持孔113に挿通された配線基板410及び支持部材400は、ヘッドケース110と接着剤120を介して接着されている。ここで、ヘッドケース110と配線基板410とを接着剤120を介して接着してもよいが、ヘッドケース110と支持部材400とを直接接着した方が、ヘッドケース110に支持部材400を確実に保持させることができる。すなわち、ヘッドケース110と支持部材400との剛体同士を接着することで、配線基板410とリード電極90とが確実に接続された状態を保持させることができ、配線基板410とリード電極90との接続が剥がれて断線する等の不具合を防止することができる。したがって、本実施形態では、配線基板410にリード電極90の並設方向に沿って、所定の間隔で厚さ方向に貫通する保持孔411を設け、この保持孔411を介してヘッドケース110と支持部材400とを接着剤120を介して接着するようにした。また、ヘッドケース110と支持部材400とを直接接着する際には、ヘッドケース110と支持部材400とを線膨張係数の同等な材料で形成するのが好ましい。本実施形態では、ヘッドケース110と支持部材400とをステンレス鋼で形成することで、ヘッド本体1が熱により膨張・収縮した際に、ヘッドケース110と支持部材400との線膨張係数の違いによる反りや破壊を防止することができる。ちなみに、ヘッドケース110と支持部材400とを、線膨張係数が違う材料を用いると、支持部材400が流路形成基板10を押圧してしまい、流路形成基板10にクラックが発生する虞がある。さらには、ヘッドケース110と支持部材400とは、これらの部材が固定される保護基板30とも略同一の線膨張係数である材料がより望ましい。
このようなヘッド本体1では、ノズル開口21が開口するインク吐出面とは反対側に配線基板410が突出して設けられていることになる。
そして、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIは、図1及び図2に示すように、ヘッド本体1の配線基板410側に設けられた本実施形態の収容部材である流路部材500と、流路部材500のヘッド本体1とは反対側に設けられた回路基板600と、流路部材500のヘッド本体1とは反対側に設けられた固定部材700とをさらに具備する。
流路部材500は、底面にヘッド本体1が複数、本実施形態では、ヘッド本体1の第2の方向Yに5個固定されている。
流路部材500には、隔壁502によって区画されて、流路部材500の厚さ方向に貫通した貫通孔501が形成されている。貫通孔501には、各ヘッド本体1の配線基板410及び支持部材400が挿入され、各貫通孔501の周縁部にヘッド本体1がそれぞれ固定される。すなわち、ヘッド本体1の配線基板410及び支持部材400が挿入される収容部が設けられた収容部材は、本実施形態では、貫通孔501が設けられた流路部材500となっている。
また、貫通孔501(図1参照)を画成する隔壁502には、ヘッド本体1のヘッドケース110に設けられたインク導入路111に連通してインクを供給する供給路503が設けられている。供給路503は、流路部材500のヘッド本体1側に開口すると共に、固定部材700側に開口するように厚さ方向に貫通して設けられている。また、供給路503は、1つの隔壁502に対して複数、例えば2つ設けられている。さらに、供給路503の回路基板600側の開口は、突出した突出部503aの端面となるように設けられている。この突出部503aが、詳しくは後述する回路基板600の挿通孔603に挿通されることで、突出部503aの端面に開口する供給路503と後述する固定部材700の導入孔722とが連通される。
また、流路部材500に固定されたヘッド本体1のノズル開口21が開口するインク吐出面には、複数のヘッド本体1に共通するカバーヘッド800が設けられている。カバーヘッド800は、各ヘッド本体1のノズル開口21を露出する窓部801が設けられており、窓部801を介して露出されたノズル開口21からインク滴が吐出される。
さらに、流路部材500のヘッド本体1とは反対側には、回路基板600が保持されている。
回路基板600は、各種配線や電子部品が実装されたものであり、厚さ方向に貫通した接続孔602が設けられている。この接続孔602内に挿通されたヘッド本体1の駆動配線である配線基板410の先端部が屈曲されて回路基板600と電気的に接続されている。また、特に図示していないが、回路基板600には、温度検出部420の配線が電気的に接続される。
また、回路基板600には、上述のように、流路部材500の突出部503aが挿入される挿通孔603が設けられている。流路部材500の突出部503aが挿通孔603内に挿通されることで、突出部503aに設けられた供給路503は、回路基板600の外側(流路部材500とは反対側)に開口し、後述する固定部材700の導入孔722と接続される。
また、回路基板600は、固定部材700の側面に固定された外部配線接続基板740と電気的に接続されている。外部配線接続基板740には、圧電アクチュエーター300を駆動するための駆動信号等が入力される外部配線(図示なし)が電気的に接続されており、外部配線からの駆動信号等は、外部配線接続基板740及び回路基板600を介してヘッド本体1(配線基板410)に供給される。
また、温度検出部420が接続されて、温度検出部420が検出した温度情報は、回路基板600及び外部配線接続基板740を介して外部の制御装置等に供給される。
さらに、固定部材700は、流路部材500のヘッド本体1とは反対側の面(回路基板600が固定された面)に固定されたベース部材710と、供給針730が複数配設された供給針ホルダー720と、ベース部材710の一側面に固定された外部配線接続基板740と、外部配線接続基板740を覆う保護部材750とを具備する。
ベース部材710は、一方面が流路部材500の回路基板600側に固定されて、流路部材500との間で回路基板600を保持する。
また、ベース部材710のヘッド本体1とは反対側には、供給針ホルダー720が固定されている。
さらに、ベース部材710の一側面(流路部材500及び供給針ホルダー720が固定された面とは交差する面)には、保持壁部711を有し、保持壁部711の外側に外部配線接続基板740が固定されている。
固定部材700に保持された外部配線接続基板740は、各種駆動信号用の電子部品が実装されており、ヘッド本体1の配線基板410に接続された回路基板600を介してヘッド本体1に駆動信号を供給する。また、外部配線接続基板740には、上端部(回路基板600とは反対側)にコネクター741が設けられており、このコネクター741を介して外部配線接続基板740には、詳しくは後述する制御装置900からの制御ケーブル等の外部配線が電気的に接続される。
供給針ホルダー720は、ベース部材710の流路部材500とは反対側に連通部材770を介して固定されるものであり、ベース部材710に固定された面とは反対側にインクを貯留した貯留手段であるインクカートリッジが装着されるカートリッジ装着部721を有する。
また、図2に示すように、供給針ホルダー720の底面には、一端がカートリッジ装着部721に開口し、他端がベース部材710側に開口する複数の導入孔722がそれぞれ形成された管状の供給連通路形成部723が突設されている。そして、導入孔722は、連通部材770及びベース部材710に設けられた供給連通路712を介して供給路503と接続される。
また、供給針ホルダー720の上面側、すなわち、カートリッジ装着部721の導入孔722の開口部分には、インクカートリッジに挿入される複数の供給針730が、インク内の気泡や異物を除去するためのフィルター731(図2参照)を介して固定されている。
これら各供給針730は、導入孔722に連通する貫通路(図示無し)をそれぞれ内部に有する。そして、供給針730がインクカートリッジに挿入されることで、インクカートリッジ内のインクは供給針730の貫通路を介して供給針ホルダー720の導入孔722に供給される。なお、導入孔722に導入されたインクは、連通部材770及びベース部材710に設けられた供給連通路712を介して供給路503に供給され、供給路503を介してヘッド本体1のインク導入路111に供給される。
保護部材750は、保持壁部711の外側に設けられた一側面及び上面が開口する箱形状を有し、上述のように保持壁部711に固定された外部配線接続基板740を覆うようにベース部材710に固定されている。
保護部材750は、外部配線接続基板740のコネクター741側(ヘッド本体1とは反対側)が開口することで、コネクター741が外部配線と接続可能となっている。
この保護部材750によって外部配線接続基板740を保護することによって、外部配線接続基板740に外部から物がぶつかることによる破損や、インクや埃などの異物が付着して短絡する等の不具合を防止することができると共に、回路基板600と配線基板410とを接続している空間を、上方に存在するコネクター741周辺の一部領域を除いて封止することで、内部にインクが侵入するのを抑制することができる。ちなみに、インクジェット式記録ヘッドIは、インク吐出面が図1の下側、すなわち、外部配線接続基板740のコネクター741とは反対側の面となっているため、コネクター741側が開口していても、インクは内部に入り難い。また、このコネクター741の周囲の開口を樹脂等で塞ぐようにすれば、さらに確実にインクの浸入を防止できるものである。
このように、本実施形態では、回路基板600は、流路部材500と固定部材700との間で、ヘッド本体1の配線基板410と接続され、配線基板410と接続された回路基板600は、流路部材500とは異なる部材である固定部材700に設けられた外部配線接続基板740に接続されている。
そして、ヘッド本体1を保持する流路部材500と、外部配線接続基板740を保持する固定部材700とが別部材からなるため、回路基板600と配線基板410とは、流路部材500と固定部材700とを接合する前に、ヘッド本体1と流路部材500とを接合した状態で接続することができる。これにより、配線基板410と回路基板600との接続を容易に行うことができると共に、回路基板600と外部配線接続基板740との接続を容易に行うことができる。
また、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIでは、流路部材500と固定部材700とを別部材とし、流路部材500と固定部材700との間で回路基板600と配線基板410とを接続するようにした。これにより、回路基板600の取り回しを容易にして、複数のヘッド本体1を1つの回路基板600に容易に接続することができ、インクジェット式記録ヘッドIを小型化することができると共にコストを低減することができる。ちなみに、流路部材500と固定部材700とが一体的に形成されていると、一つの回路基板600に複数のヘッド本体1を接続することが容易にはできない。これは、流路部材500と固定部材700とを成型により形成した際に、隔壁502の上方に空間を画成することが実質的に困難であるため、流路部材500と固定部材700との間の回路基板600を保持する空間を形成できないことから各ヘッド本体1毎に区画された貫通孔しか設けることができず、複数のヘッド本体1の数と同じ数だけ分割された回路基板が必要になってしまうからである。そして、各ヘッド本体1毎に回路基板をそれぞれ設けると、部品点数が増えて高コストとなってしまう。また、流路部材500と固定部材700とが一体的に形成されていると、ヘッド本体1と流路部材500とを接着する際に、各ヘッド本体1に個別の回路基板を接続した状態で、ヘッド本体1と回路基板とを貫通孔内に挿入しなくてはならず、ヘッド本体1と流路部材500とを接着する接着剤が、回路基板等に付着し易く、余分な接着剤によって回路基板と外部配線接続基板との接続不良や、ヘッド本体1と流路部材500とを接着する接着剤が不足して接着不良が発生する虞がある。なお、本実施形態であっても、各ヘッド本体1毎や、複数個のヘッド本体1群毎に回路基板600を設けるようにしても、回路基板600の取り回しを容易にして、回路基板600と配線基板410とを確実に接続することができるという効果を奏する。
このような構成のインクジェット式記録ヘッドIでは、インクカートリッジからのインクを貫通孔501、供給連通路712、供給路503と、インク導入路111及びインク導入口44とを介してマニホールド100内に取り込み、マニホールド100からノズル開口21に至るまでの流路内をインクで満たした後、外部配線接続基板740から回路基板600及び配線基板410を介して供給された記録信号に従って、各圧力発生室12に対応する各圧電アクチュエーター300に電圧を印加して圧電アクチュエーター300と共に振動板をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まり各ノズル開口21からインク滴が噴射される。
また、本実施形態では、配線基板410に設けられた駆動回路200は、支持部材400と共に収容部材である流路部材500の収容部である貫通孔501内に収容される。このため、図5に示すように、貫通孔501内に収容された駆動回路200は、貫通孔501を画成する隔壁502内に設けられた供給路503に相対向して配置される。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIでは、圧電アクチュエーター300を駆動すると、駆動回路200が発熱し、駆動回路200の発熱によって流路部材500の供給路503を通過するインクが加熱される。このとき、駆動回路200が設けられた配線基板410は1つの支持部材400に対して2つ設けられており、支持部材400が熱伝導率の高い金属で形成されているため、2つの配線基板410の駆動回路200と1つの支持部材400とは、1つの発熱体として機能する。
したがって、温度検出部420を支持部材400に設け、支持部材400の温度を検出することによって、駆動回路200の温度、すなわち、駆動回路200によって供給路503内のインクの加熱状態を把握することができる。
このように、温度検出部420が検出した温度情報によって駆動回路200によるインクの加熱状態を把握することができるため、温度検出部420が検出した温度情報に基づいて、供給路503内の実際のインクの温度を推定し、詳しくは後述する制御装置900によって実際のインクの温度に適した駆動を圧電アクチュエーター300に行わせることができる。
ここで、このようなインクジェット式記録ヘッドI及び制御装置900が搭載されるインクジェット式記録装置について説明する。なお、図6は、インクジェット式記録装置を示す概略斜視図である。
図6に示すように、インク(液体)の貯留手段であるカートリッジ2が着脱可能に設けられた記録ヘッドIは、キャリッジ3に搭載されている。この記録ヘッドIを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動可能に設けられている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドIを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
このようなインクジェット式記録装置IIには、当該インクジェット式記録装置IIの動作を制御する制御装置900が搭載されている。
ここで、制御装置900について説明する。なお、図7は、本発明の実施形態1に係る記録装置の制御系を示すブロック図である。
制御装置900は、印刷制御手段901、記録ヘッド駆動回路902、印刷位置制御手段903及び補正手段904を具備する。
印刷制御手段901は、インクジェット式記録ヘッドIの印刷動作を制御し、例えば、印刷信号の入力に伴って記録ヘッド駆動回路902を介して圧電アクチュエーター300に駆動パルスを印加して、インクジェット式記録ヘッドIからインクを吐出させる。
印刷位置制御手段903は、インクジェット式記録ヘッドIの印刷時、非印刷時、吸引動作時等の主走査方向及び副走査方向の位置決めを行う。詳しくは、印刷位置制御手段903は、駆動モーター6を駆動してキャリッジ3を主走査方向に移動することでインクジェット式記録ヘッドIの主走査方向の位置決めを行い、図示しない紙送りモーターを駆動してプラテン8を回転し記録シートSを副走査方向に移動することで記録シートSに対するインクジェット式記録ヘッドIの副走査方向の位置決めを行っている。そして、印刷位置制御手段903は、印刷時にはインクジェット式記録ヘッドIが搭載されたキャリッジ3を主走査方向に移動させながら、記録シートSを副走査方向に移動させる。また、印刷待機時やクリーニング動作時などの非印刷時には、インクジェット式記録ヘッドIが搭載されたキャリッジ3を非印刷領域に移動させる。
補正手段904は、温度検出部420が検出した温度情報に基づいて、印刷制御手段901を制御して、駆動波形等の各種設定を変更する。
ここで、インクの粘度は、温度と相関関係にあるため、温度が低いほど粘度が高くなり、温度が高いほど粘度が低くなる特性がある。このため、インクの温度によって変化した粘度に併せて、圧電アクチュエーター300を駆動する駆動信号(駆動波形)を補正する必要がある。
本実施形態では、上述のように、支持部材400と支持部材400の両面に接触して設けられた2つの配線基板410が1つの発熱体となって、2つの供給路503内のインクを加熱するため、発熱体の温度、具体的には支持部材400の温度を温度検出部420が検出することで、供給路503内のインクの加熱状態を把握して、供給路503内のインクの実際の温度を推定することができる。すなわち、温度検出部420は、支持部材400に設けられているため、供給路503を流れるインクの温度を直接検出することはできないが、支持部材400の温度を検出することで、支持部材400(駆動回路200)の発熱が影響する供給路503内のインクの実際の温度を推定することができる。
補正手段904は、この温度検出部420が検出した支持部材400の温度情報に基づいて、供給路503を流れる実際のインクの温度を推定し、実際のインクの温度に適した駆動信号となるように印刷制御手段901を制御する。
なお、実際には補正手段904は、温度検出部420が検出した温度情報と、駆動波形で表される駆動信号の電圧や時間などの波形形状を補正する補正値とを対応付けた補正テーブルを保持し、温度検出部420が検出した温度情報に基づいて、実際のインクの温度を推定することなく直接駆動信号を補正する。
なお、温度検出部420は、2つの配線基板410に設けられた駆動回路200の温度の平均値を検出することができるが、2つの配線基板410は、熱伝導率の高い共通する支持部材400に接触しているため、一方の駆動回路200を駆動し、他方の駆動回路200を駆動しなかった場合でも、駆動しない駆動回路200に相対向する供給路503内のインクも、駆動した駆動回路200に相対向する供給路503内のインクと同様に、駆動した駆動回路200の発熱によって加熱される。すなわち、上述したように、支持部材400が熱伝導率の高い金属で形成されているため、2つの配線基板410の駆動回路200と1つの支持部材400とは、1つの発熱体として機能するため、1つの発熱体が2つの供給路503内のインクを加熱すると考えられる。したがって、支持部材400の温度を1つの温度検出部420で検出することで、2つの供給路503内のインクの温度を推定することができる。
以上説明したように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIでは、支持部材400に温度検出部420を設けることで、2つの配線基板410のそれぞれに温度検出部を設ける場合に比べて、コストを低減することができる。また、インクジェット式記録ヘッドIの外部に温度検出部を設けて環境温度を検出する場合に比べて、駆動回路200の発熱によりインクが加熱されることを考慮した温度を検出することができる。したがって、供給路503内のインクの実際の温度を高精度に推定することができる。これにより、実際のインクの温度に適した駆動で圧電アクチュエーター300を駆動することができ、インク滴の吐出特性を向上して、印刷品質を向上することができる。
また、インクジェット式記録ヘッドIの流路内に温度検出部を設ける場合に比べて、温度検出部の絶縁処理が不要となり、小型の温度検出部420を用いることができると共に、流路の取り回し等の構造上の変更が不要となってインクジェット式記録ヘッドIが大型化するのを抑制することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1では、支持部材400の両側面にそれぞれ配線基板410を設けるようにしたが、各側面に2つ以上の配線基板410を設けるようにしてもよい。また、例えば、支持部材400の片側の側面のみに配線基板410を設けるようにしてもよく、さらに、両側面の配線基板410として連続した1枚の配線基板を用いるようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態1では、流路形成基板10に圧力発生室12が並設された列を2列設けたものであるが、この場合の列数には特別な制限はない。一列であっても、3列以上であっても構わない。複数列の場合には少なくとも2列一組を相対向させて設ければよい。
また、上述した実施形態1では、圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧力発生素子として、薄膜型の圧電アクチュエーター300を用いて説明したが、特にこれに限定されず、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電アクチュエーターや、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電アクチュエーターなどを使用することができる。また、圧力発生素子として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
また、上述した実施形態1では、インクジェット式記録装置IIは、インクジェット式記録ヘッドIがキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッドIが固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
さらに、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種のインクジェット式記録ヘッド等の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも適用することができる。
I インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 II インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 1 ヘッド本体、 2 カートリッジ、 10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 15 連通路、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 32 圧電アクチュエーター保持部、 33 貫通孔、 60 第1電極、 70 圧電体層、 80 第2電極、 90 リード電極、 100 マニホールド、 110 ヘッドケース、 113 配線部材保持孔、 120 接着剤、 200 駆動回路、 300 圧電アクチュエーター(圧力発生手段)、 400 支持部材、 410 配線基板、 420 温度検出部、 430 緩衝部材、 500 流路部材(収容部材)、 501 貫通孔(収容部)、 600 回路基板、 610 接続配線、 700 固定部材、 710 ベース部材(第2保持部材)、 720 供給針ホルダー、 730 供給針、 740 外部配線接続基板、 750 保護部材、 800 カバーヘッド、 900 制御装置、 904 補正手段

Claims (4)

  1. 液体を噴射するノズル開口に連通する流路が設けられた流路形成基板と、
    前記流路形成基板上に設けられて前記流路内の液体に圧力変化を生じさせる圧力発生手段と、
    前記流路形成基板上で前記圧力発生手段に接続されて、駆動信号を前記圧力発生手段に供給する駆動回路を有する配線基板と、
    前記流路形成基板の前記圧力発生手段が設けられた面側に設けられて、前記配線基板が収容される収容部を有する収容部材と、
    前記流路形成基板上に固定されて前記配線基板に接触する金属からなる支持部材と、を具備し、
    前記支持部材には温度検出部が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記収容部材には、前記流路形成基板の前記流路に液体を供給する供給路が設けられていることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
  3. 1つの前記支持部材に対して、複数の前記配線基板が接触して設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の液体噴射ヘッド。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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