JP2013170990A - 分離回収チップ及び分離回収方法 - Google Patents

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聡 小西
Makoto Hosaka
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Abstract

【課題】血漿を流す流路へ血球が混入するのを防止しつつ、安全マージン層によって回収不能な血漿量を、従来に比べて削減する。
【解決手段】血漿回収チップは、血液試料Sを流路幅方向一方側の血漿層21と流路幅方向他方側の血球層22とに分離するための分離用流路4と、この分離用流路4の下流側に設けられ、血漿層21の血漿を流入させる第一流路部11及び血球層22の血球を流入させる第二流路部12を有する回収流路6とを備えている。回収流路6は、分離用流路4と比較して流路幅方向に拡大されかつ流路厚さ方向に縮小されている断面変化流路部9と、この断面変化流路部9を流れる血漿層21と血球層22との境界面23よりも血漿層21側に設けられ断面変化流路部9を第一流路部11と第二流路部12とに分岐させる分岐壁17とを有している。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複数の成分を含む混合液を成分毎に分離して回収するための分離回収チップ、及び、成分毎に分離して回収する方法であり、具体的には、血液試料に含まれる血球と血漿とを分離して血漿を回収する分離回収チップ、及び、血球と血漿とを分離して血漿を回収する方法に関する。
近年、血液検査をチップ上で行うための技術開発が進んでおり、特に、このチップを小型化することで、必要となる血液試料の減量化、及び、試薬量の低減による検査の低コスト化が期待されている。
ところで、血液検査の主たる項目は、血液試料中の可溶性部分に基づくことから、血液試料中のほぼ半分を占める血球は、血液検査にとって不要な部分(邪魔な部分)となる。そこで、検査に先立って、血液試料から血漿のみを取り出すことが必要とされている。
血球と血漿とを分離する方法としては、フィルタを用いる方法、遠心器による方法、及び、重力による方法(例えば、特許文献1参照)等が挙げられ、これら各方法において、血液試料を流す流路が内部に形成されたマイクロチップが用いられている。
特許文献1に記載のマイクロチップでは、図8(A)の流路の縦断面図に示すように、基板体の内部に、分離用流路99と、この分離用流路99から分岐している第一及び第二の流路94,95とが形成されており、第一の流路94の流入口と第二の流路95の流入口とが上下に設けられている。
血液試料が分離用流路99を流れると血球が沈殿し、この流路99の下流側では血球が下側を流れ、この血球による血球層91が下側にある第二の流路95に流入する。これに対して、血球以外の成分である血漿の大部分は、分離用流路99の上側を流れ、上側にある第一の流路94に流入する。
国際公開2007−136057号公報(図1参照)
前記特許文献1に記載の流路構造によれば、下側の流路95に血球が流れ、上側の流路94に血漿が流れ、血漿を血球から分離して回収することが可能となる。
しかし、血漿を流す上側の流路94へ、血球が混入しないようにするためには、流路94,95の分岐部となる分岐壁93を、血漿層90と血球層91との境界面92上に設けるのではなく、図8(A)(B)に示すように、境界面92から所定の寸法ΔLについて血漿層90側に設け、境界面92と分岐壁93との間に安全マージン層M(図8(B)のダブルハッチで示している部分)を設ける必要がある。
この安全マージン層Mは、血漿を回収するための上側の流路94へ血球が混入しないようにするための余裕層であり、この安全マージン層Mによれば、例えば、境界面92が血漿層90側に安全マージン層Mの範囲内で変動しても、上側の流路94へ血球が混入しないようにすることができる。
しかし、安全マージン層Mは血漿層90に含まれていることから、この安全マージン層Mの血漿は、上側の流路94へ流れずに、血球と共に下側の流路95へと流れてしまい、この血漿は検査に用いられずに無駄となってしまう。
そこで、安全マージン層Mによって回収することのできない血漿量を低減するためには、分岐壁93を境界面92の近傍に設定すればよい。しかし、この場合、血漿を流す上側の流路94へ血球が混入する確率が高くなってしまい、特に、血液試料の流入開始時等において境界面92が変動すると、その確率がより一層高くなってしまう。
このように、安全マージン層Mによって回収不能な血漿量の低減と、血漿を流す流路94への血球の混入防止とは、トレードオフの関係にある。
なお、このような血球及び血漿を含む血液試料以外に、複数の成分を含む他の混合液(粒子混合液)の場合も、分離・回収に関して前記のようなトレードオフの関係となる。
そこで、本発明の目的は、一つの成分(血球)が他の成分(血漿)へ混入するのを防止しつつ、安全マージン層によって回収不能となる所定の成分の量(血漿量)を、従来に比べて削減することが可能となる分離回収チップ及び分離回収方法を提供することにある。血液試料の場合、血漿を流す流路へ血球が混入するのを防止しつつ、安全マージン層によって回収不能な血漿量を、従来に比べて削減することが可能となる分離回収チップ及び分離回収方法を提供することにある。
(1)本発明は、血球及び血漿を含む血液試料が層流となって流れる流路を備え、この流路において血球と血漿とを分離して血漿を回収するための分離回収チップであって、前記血液試料を流路幅方向一方側の血漿層と流路幅方向他方側の血球層とに分離するための分離用流路と、この分離用流路の下流側に設けられ、前記血漿層の血漿を流入させる第一流路部及び前記血球層の血球を流入させる第二流路部を有する回収流路とを備え、前記回収流路は、前記分離用流路と比較して前記流路幅方向に拡大されかつ流路厚さ方向に縮小されている断面変化流路部と、この断面変化流路部を流れる血漿層と血球層との境界面よりも血漿層側に設けられ当該断面変化流路部を前記第一流路部と前記第二流路部とに分岐させる分岐部とを有していることを特徴とする。
本発明によれば、回収流路の断面変化流路部では、分離用流路と比較して流路幅方向の寸法が拡大されかつ流路厚さ方向の寸法が縮小されているので、この断面変化流路部を流れる血液試料の血漿層を、流路幅方向に拡大させかつ流路厚さ方向に縮小することができる。このため、断面変化流路部を流れる血漿層と血球層との境界面よりも血漿層側に、従来と同じ幅の安全マージン層を有するようにして、分岐部を設けても、その安全マージン層の横断面を従来に比べて小さくすることができ、この結果、安全マージン層によって回収不能な血漿量を、従来に比べて削減することが可能となる。また、従来と同じ幅(血漿を流入させる第一流路部への血球の混入を防止可能とする幅)の安全マージン層を有するようにして、分岐部を設けることで、血漿を流す第一流路部へ血球が混入するのを防止することができる。なお、前記流路厚さ方向とは、血液試料の流れ方向と流路幅方向との双方に直交する方向である。
(2)また、前記断面変化流路部の断面積は、前記分離用流路の断面積と同じであるのが好ましい。
この場合、分離用流路と断面変化流路部とにおける血液試料の流速を同じとすることができ、分離用流路で形成された血漿層と血球層との層流状態を、断面変化流路部においても保つことが可能となり、断面変化流路部から第一流路部へと血漿層中の血漿を安定して流入させることが可能となる。
(3)また、前記分離用流路は、慣性力に基づいて血漿層と血球層とに分離するために当該慣性力の作用方向が前記流路幅方向他方側となる流路構成を有し、前記断面変化流路部において、流路幅方向他方側への拡大量は、流路幅方向一方側への拡大量よりも大きいのが好ましい。
この場合、血漿層が形成される流路幅方向一方側では、流路幅方向の拡大量が小さく、流路幅の拡大による血漿層の乱れを防ぐことができる。この結果、断面変化流路部から第一流路部へと血漿層中の血漿を安定して流入させることが可能となる。
(4)また、前記分離回収チップは、前記分離用流路の下流側流路部と前記回収流路の前記断面変化流路部との間に設けられ、当該下流側流路部から当該断面変化流路部へと流路断面を連続的又は段階的に変化させる遷移流路を更に備えているのが好ましい。
この場合、血漿層を、流路幅方向に徐々に拡大させることでき、また、流路厚さ方向に徐々に縮小させることが可能となる。
(5)また、本発明は、血球及び血漿を含む血液試料を層流として流路を流し、この血液試料中の血球と血漿とを分離して血漿を回収する分離回収方法であって、前記血液試料が流路に沿って流れるに伴い当該血液試料を流路幅方向一方側の血漿層と流路幅方向他方側の血球層とに分離し、前記血漿層を流路幅方向に拡大させかつ流路厚さ方向に縮小させ、この血漿層と血球層との境界面よりも血漿層側で分岐させた流路部に、当該血漿層の血漿を流入させることを特徴とする。
本発明によれば、血液試料の血漿層を、流路幅方向に拡大させかつ流路厚さ方向に縮小させ、この血漿層と血球層との境界面よりも血漿層側で、従来と同じ幅の安全マージン層を有するようにして、分岐させた流路部に血漿を流入させた場合、その安全マージン層の横断面を従来に比べて小さくすることができるため、安全マージン層によって回収不能な血漿量を、従来に比べて削減することが可能となる。また、従来と同じ幅(血漿を流入させる流路部への血球の混入を防止可能とする幅)の安全マージン層を有するようにして、分岐させた流路部に血漿を流入させることで、血漿を流すこの流路部へ血球が混入するのを防止することができる。
(6)また、本発明は、複数の成分を含む混合液が層流となって流れる流路を備え、この流路において前記混合液を成分毎に分離して回収するための分離回収チップであって、前記混合液を流路幅方向一方側から他方側へ向かって成分毎の層に分離するための分離用流路と、この分離用流路の下流側に設けられ、分離させた各層に含まれる成分をそれぞれ流入させる流路部を複数有する回収流路とを備え、前記回収流路は、前記分離用流路と比較して前記流路幅方向に拡大されかつ流路厚さ方向に縮小されている断面変化流路部と、この断面変化流路部を流れる層間の境界面よりも流路幅方向に設けられ当該断面変化流路部を複数の前記流路部に分岐させる分岐部とを有していることを特徴とする。
本発明によれば、回収流路の断面変化流路部では、分離用流路と比較して流路幅方向の寸法が拡大されかつ流路厚さ方向の寸法が縮小されているので、この断面変化流路部を流れる混合液の各層を、流路幅方向に拡大させかつ流路厚さ方向に縮小することができる。このため、断面変化流路部を流れる所定の層(第一の層)とこれに幅方向他方側に隣りの層(第二の層)との境界面よりも当該所定の層(第一の層)側に、従来と同じ幅の安全マージン層を有するようにして、分岐部を設けても、その安全マージン層の横断面を従来に比べて小さくすることができ、この結果、安全マージン層によって回収不能な前記所定の層(第一の層)の成分の量を、従来に比べて削減することが可能となる。また、従来と同じ幅の安全マージン層を有するようにして、分岐部を設けることで、前記所定の層(第一の層)の成分を流す流路部へ、他の層(第二の層)の成分が混入するのを防止することができる。なお、混合液は成分毎に分離されるが、回収されるのは、複数の成分の内の一つ又は複数であってもよい。
(7)また、本発明は、複数の成分を含む混合液を層流として流路を流し、この混合液を成分毎に分離して回収する分離回収方法であって、前記混合液が流路に沿って流れるに伴い流路幅方向一方側から他方側へ向かって当該混合液を成分毎の層に分離し、層毎に分離した前記混合液を流路幅方向に拡大させかつ流路厚さ方向に縮小させ、層間の境界面よりも流路幅方向一方側で分岐させた流路部に、当該流路幅方向一方側の層に含まれる成分を流入させることを特徴とする。
本発明によれば、混合液の各層を、流路幅方向に拡大させかつ流路厚さ方向に縮小させ、この所定の層と(第一の層)とこれに幅方向他方側に隣りの層(第二の層)との境界面よりも当該所定の層(第一の層)で、従来と同じ幅の安全マージン層を有するようにして、分岐させた流路部に、所定の層(第一の層)の成分を流入させた場合、その安全マージン層の横断面を従来に比べて小さくすることができるため、安全マージン層によって回収不能な前記所定の層(第一の層)の成分の量を、従来に比べて削減することが可能となる。また、従来と同じ幅の安全マージン層を有するようにして、分岐させた流路部に、前記所定の層(第一の層)の成分を流入させることで、この流路部へ他の層(第二の層)の成分が混入するのを防止することができる。
本発明によれば、安全マージン層によって回収不能な血漿量(所定の層の成分の量)を、従来に比べて削減することが可能となり、また、従来と同じ幅の安全マージン層を有するようにして、分岐させた流路部に血漿(所定の層の成分)を流入させることで、この流路部へ血球(他の層の成分)が混入するのを防止することができる。
本発明の分離回収チップの概略構成を示す斜視図である。 分離用流路の下流側部分、遷移流路及び回収流路の上流側部分の拡大説明図である。 図2の平面図である。 (A)は、図3のN−N矢視の断面図であり、(B)は、従来例の断面図である。 分離回収チップが有している流路の変形例を説明する説明図である。 分離回収チップの他の実施形態を示す斜視図である。 分離回収チップが有している流路の変形例を説明する説明図である。 従来のチップが備えている流路の断面図であり、(A)は流路の縦断面図であり、(B)は(A)のB−B矢視の断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の分離回収チップの概略構成を示す斜視図である。この分離回収チップ1(以下、単にチップ1ともいう)は、基板本体2の内部に流路3が形成されて成るものであり、本実施形態では、基板本体2は平面視円形であり薄板状の部材から構成されている。なお、図1では、内部の構成(流路3)を説明するために、基板本体2を切断して示している。流路3は、分離用流路4と、遷移流路5と、回収流路6とを有している。この流路3では、複数の成分を含む混合液が層流となって流れ、この流路3においてこの混合液を成分毎に分離して、複数の成分の内の一つ又は複数又は全てを回収するが、本実施形態では、前記混合液は、血球及び血漿を含む血液試料Sであり、この血液試料Sが層流となって流路3を流れ、この流路3において血球と血漿とを分離して血漿を回収する場合について説明する。
分離用流路4の一端部には、血液試料Sを注入する注入部7が設けられており、注入された血液試料Sは分離用流路4から遷移流路5を経て回収流路6へと流れる。回収流路6は、後にも説明するが第一流路部11と第二流路部12とを有しており、第一流路部11の端部に第一液溜め部13が設けられ、第二流路部12の端部に第二液溜め部14が設けられている。つまり、この流路3では、分離用流路4の注入部7が上流側となり、回収流路6の端部(第一液溜め部13、第二液溜め部14)が下流側となる。
分離用流路4は、血液試料Sを血漿層21と血球層22との二層に分離するための流路であり、本実施形態では、分離用流路4は円弧形状(渦巻き形状)に形成されている。この分離用流路4では、円弧(分離用流路4)の半径方向が、流路幅方向となり、この流路幅方向と血液試料Sの流れ方向とに直交する方向が厚さ方向となる。なお、分離用流路4の下流端における流路幅方向と、遷移流路5及び回収流路6における流路幅方向とは同方向であり、分離用流路4の下流端における厚さ方向と、遷移流路5及び回収流路6における厚さ方向とは同方向である。
注入部7から注入され分離用流路4を流れる血液試料Sのうちの血球は、遠心力によって径方向外側へ移動する。このため、分離用流路4の下流側部分(下流側流路部8)では、径方向外側に血球層22が形成され、径方向内側に血漿層21が形成される。
つまり、分離用流路4によれば、血液試料Sが、この分離用流路4を流れるに伴って、流路幅方向一方側(径方向内側)の血漿層21と、流路幅方向他方側(径方向外側)の血球層22との二層に分離させることができる。
このように、分離用流路4では、血液試料Sが、流路幅方向一方側から他方側へ向かって成分毎の層に分離される。なお、本実施形態では、前記のとおり混合液が血液試料Sであり、血漿層21と血球層22との二層に分離する場合を説明するが、混合液の種類に応じて、三層以上に分離して回収してもよい(図7参照)。
分離用流路4の流路断面の形状は、血漿層21と血球層22との二層に分離するために最適化された形状に設定されている。本実施形態に係る分離用流路4の流路断面は矩形であり、また、その流路断面は、流路4の長手方向(血液試料Sの流れ方向)に沿って一定であり、変化しない。
図2は、分離用流路4の下流側部分(下流側流路部8)、遷移流路5及び回収流路6の上流側部分の拡大説明図である。図3は、その平面図である。図2において、下流側流路部8の下流端の幅方向(流路幅方向)をX方向とし、血液試料Sの流れ方向をY方向とすると、これらX方向とY方向とに直交するZ方向が厚さ方向(流路厚さ方向)となる。
分離用流路4の幅方向の寸法w1と厚さ方向の寸法h1との比(h1/W1)については、様々な値を採用することが可能であり、流路3を流れる血液試料Sの流量に基づいて、寸法h1が決定され、寸法w1をパラメータとして変更される。なお、この決定・変更のための制約条件として、流体的な条件に加えて、チップ1の製作上の条件も考慮される。具体例として、寸法h1を数十μmとすることができ(例えば、20μm,30μm,50μm等)、これに対して寸法w1を数百μmとすることができる。または、寸法h1と寸法w1とをそれぞれ1mm程度とすることも可能である。
図1と図2と図3において、回収流路6は、分離用流路4よりも下流側に設けられており、分離用流路4(下流側流路部8)と比較して流路断面が変化している断面変化流路部9と、分離用流路4において分離させた各層に含まれる成分をそれぞれ流入させる流路部を、成分毎に複数有している。つまり、回収流路6は、断面変化流路部9と、血漿層21の血漿を流入させる第一流路部11と、血球層22の血球を流入させる第二流路部12とを有している。
なお、本実施形態では、成分毎の流路部として、第一流路部11と第二流路部12との二つを有しているが、分離・回収する成分が例えば三つの場合、第一流路部11と第二流路部12と第三流路部15とを有している(図7参照)。
断面変化流路部9の流路断面は矩形であり、血液試料Sの流れ方向に沿って直線状に延びている。また、断面変化流路部9は、回収流路6の上流側部分であり、回収流路6の下流側部分が第一流路部11と第二流路部12となる。
遷移流路5は、分離用流路4の下流側流路部8と回収流路6の断面変化流路部9との間に設けられ、下流側流路部8から断面変化流路部9へと流路断面を連続的に変化させる傾斜状の流路からなる。この遷移流路5の流路断面は矩形である。
断面変化流路部9では、分離用流路4の下流側流路部8と比較して、流路幅方向(X方向)の寸法が拡大され、かつ、流路厚さ方向(Z方向)の寸法が縮小されている。つまり、断面変化流路部9の流路幅方向の寸法w2は、分離用流路4の下流端における流路幅方向の寸法w1よりも大きく(w2>w1)、かつ、断面変化流路部9の流路厚さ方向の寸法h2は、分離用流路4の下流端における流路厚さ方向の寸法h1よりも小さい(h2<h1)。そして、本実施形態では、断面変化流路部9の流路断面は流れ方向に沿って変化せず一定であり、また、断面変化流路部9の断面積(w2×h2)は、分離用流路4の下流側流路部8の下流端の断面積(w1×h1)と同じである。
このように、断面変化流路部9では、分離用流路4の下流端と比較して、流路幅方向の寸法が拡大されかつ流路厚さ方向の寸法が縮小されているので、この断面変化流路部9を流れる血液試料Sの血漿層21を、流路幅方向に拡大させかつ流路厚さ方向に縮小することができる。つまり、分離用流路4の下流端では、血漿層21の流路幅方向の寸法がL1であるのに対して、断面変化流路部9では、血漿層21の流路幅方向の寸法がL2(L2>L1)となる。そして、分離用流路4の下流端では、血漿層21の流路厚さ方向の寸法が、当該下流端の流路厚さ方向の寸法と同じh1であるのに対して、断面変化流路部9では、血漿層21の流路厚さ方向の寸法が、断面変化流路部9の流路厚さ方向の寸法と同じh2(h2<h1)となる。
さらに、回収流路6は、断面変化流路部9を、第一流路部11と第二流路部12とに分岐させる分岐部として分岐壁17を有しており、分岐壁17は、回収流路6の下流側部分を、第一流路部11と第二流路部12とに区画している。第一流路部11は、断面変化流路部9を流れている血漿層21の血漿を流入させ、第二流路部12は、断面変化流路部9を流れている血球層22を流入させる。
そして、この分岐壁17の上流端、つまり、分岐点Kは、断面変化流路部9を流れる血漿層21と血球層22との境界面23よりも血漿層21側に設けられている。境界面23から分岐点Kまでの、流路幅方向の寸法をΔLとしている。
このΔLの領域は、境界面23と分岐壁17との間に形成される安全マージン層Mであり、この安全マージン層Mは、血漿を回収するための第一流路部11へ血球が混入しないようにするための余裕層(余裕代)である。この安全マージン層Mによれば、境界面23が血漿層21側に、安全マージン層Mの範囲内(ΔLの範囲内)で変動しても、第一流路部11へ血球が混入しないようにすることができる。しかし、この安全マージン層Mの血漿は、第一流路部11へ流れずに、第二流路部12へと血球と共に流れてしまい、第二流路部12に流れた血漿は検査に用いられない。
図4(A)は、図3のN−N矢視の断面図であり、図4(B)は、従来例の断面図である。図4(B)に示す従来例は、本実施形態のような断面変化流路部9を回収流路6が有しておらず、従来例の回収流路106の流路断面は、その上流側の分離用流路4の流路断面と同じである。なお、分離用流路4に関しては、従来例と本実施形態とは同じである。図4(B)は、従来例の流路構造のうち、図3のN−N矢視に相当する部分の断面図である。
先ず、図4(B)の従来例について説明する。この回収流路106の流路幅方向の寸法及び流路厚さ方向の寸法は、その上流側の分離用流路4と同じw1及びh1である。
このため、回収流路106における血漿層121の流路幅方向の寸法は、分離用流路4における血漿層121の流路幅方向の寸法と同じL1であり、回収流路106における血漿層121の流路厚さ方向の寸法は、分離用流路4における血漿層121の流路厚さ方向の寸法と同じh1である。回収流路106の壁面106aから前記寸法L1の位置が、血漿層121と血球層122との境界面123となる。
そして、この境界面123から血漿層121側に、分岐壁117が設けられている。分岐壁117と境界面123との間が安全マージン層Mとなり、安全マージン層Mの流路幅方向の寸法がΔLである。このため、図4(B)の場合、クロスハッチが付されている流路断面を通過する血漿が、安全マージン層Mによって第一流路部111へ流れることができず、第二流路部112へと流れてしまう。
次に、図4(A)の本実施形態について説明する。回収流路6が有する断面変化流路部9の流路幅方向の寸法w2は、分離用流路4の流路幅方向の寸法w1よりも大きく(W2>W1)、この断面変化流路部9の厚さ方向の寸法h2は、分離用流路4の流路厚さ方向の寸法h1よりも小さい(h2<h1)。
このため、断面変化流路部9における血漿層21の流路幅方向の寸法L2は、分離用流路4における血漿層21の流路幅方向の寸法L1よりも大きく(L2>L1)、断面変化流路部9における血漿層21の流路厚さ方向の寸法h2は、分離用流路4における血漿層21の流路厚さ方向の寸法h2よりも小さい(h2<h1)。断面変化流路部9の壁面9aから前記寸法L2の位置が、血漿層21と血球層22との境界面23となる。
そして、この境界面23から血漿層21側に、分岐壁17が設けられている。分岐壁17と境界面23との間が安全マージン層Mとなり、安全マージン層Mの流路幅方向の寸法は、図4(B)の従来例と同じΔLである。なお、この安全マージン層Mの流路幅方向の寸法ΔLは、本実施形態と従来例との双方において、血漿を流入させる第一流路部11,111への血球の混入を防止可能とする幅である。
このため、図4(A)の場合、クロスハッチが付されている流路断面を通過する血漿が、安全マージン層Mによって第一流路部11へ流れることができず、第二流路部12へと流れてしまう。
このように、図4(A)の本実施形態において、境界面23よりも血漿層21側に、図4(B)の従来例と同じ幅ΔLの安全マージン層Mを有するようにして、分岐壁17を設けても、その安全マージン層Mの横断面を、従来例に比べて小さくすることができる。この結果、この安全マージン層Mによって回収することのできない血漿量を、従来例に比べて削減することが可能となる。
例えば、断面変化流路部9における流路断面の流路幅方向の寸法W2が、分離用流路4のそれ(w1)の2倍であり、断面変化流路部9における流路断面の流路厚さ方向の寸法h2が、分離用流路4のそれ(h1)の1/2倍である場合、ΔLは、従来例と本実施形態とでは同じであることから、安全マージン層Mの横断面に関して比較すると、本実施形態では、従来例の1/2とすることができる。このため、安全マージン層Mによって回収不能な血漿量を、従来に比べて1/2に削減することが可能となる。
そして、幅ΔLは、血漿を流入させる第一流路部11への血球の混入を防止可能とする幅として設定されていることから、本実施形態において、この幅ΔLの安全マージン層Mを有するようにして、分岐壁17が設けられているため、血漿を流す第一流路部11へ血球が混入するのを防止することができる。
そして、本実施形態のチップ1を用いて行うことができる分離回収方法は、血液試料Sが分離用流路4に沿って流れるに伴って、この血液試料Sを流路幅方向一方側の血漿層21と流路幅方向他方側の血球層22との二層に分離し、分離した血漿層21を断面変化流路部9によって、流路幅方向に拡大させかつ流路厚さ方向に縮小させる。そして、この血漿層21と血球層22との境界面23よりも血漿層21側で分岐させた第一流路部11に、流路厚さ方向に縮小させた血漿層21の血漿を流入させることにより行われる。
そして、第一流路部11を流れた血球を含まない血漿は、第一液溜め部13(図1参照)に溜められ、第二流路部12を流れた血球を含む血漿は、第二液溜め部14に溜められる。
以上より、従来では、安全マージン層Mによって回収不能な血漿量の低減と、血漿を流す流路部への血球の混入防止とは、トレードオフの関係にあったが、本実施形態のチップ1及び前記分離回収方法によれば、安全マージン層Mによって回収不能な血漿量を、従来に比べて削減することが可能となり、かつ、幅ΔLの安全マージン層Mを有するようにして、分岐させた第一流路部11に血漿を流入させることで、この第一流路部11へ血球が混入するのを防止することが可能となる。
また、本実施形態では、図2において、断面変化流路部9の断面積(w2×h2)は、分離用流路4の断面積(w1×h1)と同じとしており、分離用流路4と断面変化流路部9とにおける血液試料Sの流速を同じとしている。このため、分離用流路4で形成された血漿層21と血球層22との層流状態を、断面変化流路部9においても保つことが可能となり、断面変化流路部9から第一流路部11へと血漿層21中の血漿を安定して流入させることが可能となる。
そして、遷移流路5は、分離用流路4の下流側流路部8から回収流路6の断面変化流路部9へと、流路断面を連続的に変化させていることから、血漿層21を、流路幅方向に滑らかに拡大させることでき、また、流路厚さ方向に滑らかに縮小させることが可能となる。なお、本実施形態では、遷移流路5の内壁面を平面によって構成し、流路断面を連続的に変化させる場合について説明したが、流路断面の変化は連続的ではなく、段階的であってもよい。つまり、遷移流路5の内壁面を階段形状に構成してもよい。
さらに、本実施形態では、分離用流路4は、遠心力(慣性力)に基づいて血漿層21と血球層22とに分離するために、遠心力(慣性力)の作用方向、つまり、中心側から半径方向外側へ向かう方向を、流路幅方向の他方として、この流路幅方向の他方側に血球層22が形成される流路構成を有している。そして、この分離用流路4の下流側に設けられている断面変化流路部9において、図2と図3に示すように、その流路断面は、流路幅方向の他方側(血球層22側)へ大きく拡大しているが、流路幅方向の一方側(血漿層21側)へは拡大していない。このように、本実施形態では、断面変化流路部9において、流路幅方向他方側への拡大量が、流路幅方向一方側への拡大量よりも大きくなるように設定されている。
この場合、血漿層21が形成される流路幅方向一方側では、流路幅方向の変化(拡大量)が小さくなり、分離用流路4と断面変化流路部9との間において、血漿層21の流線の流路幅方向の変化を小さくすることができる。この結果、流路の拡大による血漿層21の乱れを防ぐことができ、断面変化流路部9から第一流路部11へと血漿層21中の血漿を安定して流入させることが可能となる。
また、本発明の分離回収チップ1は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよく、例えば、遷移流路5を省略してもよい。
また、図5に示すように、遷移流路5及び断面変化流路部9が、流れ方向に向かう流路の中心線を基準として、流路幅方向両側が対称の形状であってもよい。
また、分離用流路4に関して、流体力学的な効果を用いて血液試料を血漿層と血球層とに分離することができれば、図6に示すように、分離用流路4は直線形状であってもよい。
また、前記実施形態(図1参照)では、遠心力に基づいて、血漿層21と血球層22とに分離する場合を説明したが、その分離方法は他の方法であってもよく、重力に基づく方法であってもよい。つまり、血液試料Sが分離用流路4を流れることで、血球が沈殿しながら流路4の底部を流れ、分離用流路4の下流側において下部で血球層22が形成され、上部で血漿層21が形成される流路構造であってもよい。つまり、図3において、「流路幅方向他方側」を下とし、「流路幅方向一方側」を上とする流路構造であってもよい。
また、図4に示したように安全マージン層Mの幅ΔLを従来と同じとするのではなく、従来よりも大きく設定してもよい。ただし、この場合において、幅ΔLは、従来の安全マージン層Mの流路断面と同じ流路断面となる幅に設定されるのが好ましい。つまり、図4(A)に示すように、流路幅方向の寸法を2倍、流路厚さ方向の寸法を1/2倍とする断面変化流路部9とした場合は、安全マージン層Mの幅をΔLの2倍とすることができる。この場合、安全マージン層Mによって血漿を回収できない量を、従来と同じとしながら、従来よりも安全マージン層Mの幅(2×ΔL)が大きいため、血球が血漿に混入する確率を著しく低下させることが可能となる。
また、血液試料S以外に、創薬や成分分析のために化学反応評価を行う混合液についても、本発明のチップ1を適用することが可能である。すなわち、前記実施形態では、流路3を流れる混合液が血液試料Sであり、血漿層21と血球層22との二層に分離する場合について説明したが、混合液は他の液体(粒子混合液)であってもよく、また、混合液の種類に応じて分離数は変更自在である。例えば、混合液が三種類の成分A,B,Cを含む場合、図7に示すように、分離用流路4では、流路幅方向一方側から他方側へ向かって成分毎の層として、第一の層31、第二の層32、第三の層33に分離される。そして、この分離用流路4の下流側に回収流路6が設けられており、回収流路6は、分離させた各層に含まれる成分A,B,Cをそれぞれ流入させる流路部として、第一流路部11、第二流路部12、第三流路部15を有している。
さらに、回収流路6は、前記実施形態(図3)と同様の断面変化流路部9を有している。そして、この断面変化流路部9における第一の層31の流路幅方向寸法L2−1は、分離用流路4における第一の層31の流路幅方向寸法L1−1よりも大きく(L2−1>L1−1)、断面変化流路部9における第二の層32の流路幅方向寸法L2−2は、分離用流路4における第二の層32の流路幅方向寸法L1−2よりも大きく(L2−2>L1−2)、断面変化流路部9における第三の層33の流路幅方向寸法L2−3は、分離用流路4における第三の層33の流路幅方向寸法L1−3よりも大きくなる(L2−3>L1−3)となる。また、各層31,32,33の流路厚さ方向の寸法は、断面変化流路部9において分離用流路4よりも小さくなる。
また、回収流路6は、第一分岐部としての第一分岐壁17と、第二分岐部としての第二分岐壁18とを有している。断面変化流路部9を流れる三つの層31,32,33のうち、第一の層31と第二の層32との間の境界面34よりも寸法ΔL1について流路幅方向一方側に、第一分岐壁17が設けられており、第二の層32と第三の層33との間の境界面35よりも寸法ΔL2について流路幅方向他方側に、第二分岐壁18が設けられている。または、図示しないが、第二分岐部18については、境界面35よりも流路幅方向一方側に設けられていてもよい。また、図7では、第一分岐壁17と第二分岐壁18とは、流れ方向に関して同じ位置にあるが、いずれか一方は、他方よりも流れ方向に下流側に位置していてもよい。
この図7の実施形態の場合、断面変化流路部9では、分離用流路4と比較して流路幅方向の寸法が拡大されかつ流路厚さ方向の寸法が縮小されているので、この断面変化流路部9を流れる層31,32,33の各層を、流路幅方向に拡大させかつ流路厚さ方向に縮小することができる。
このため、断面変化流路部9を流れる第一の層31とこれに幅方向他方側に隣りである第二の層32との境界面34よりも第一の層31側に、従来と同じ幅の安全マージン層M1を有するようにして、分岐壁17が設けられている場合、その安全マージン層M1の横断面を従来に比べて小さくすることができ、この結果、安全マージン層M1によって回収不能な第一の層31の成分Aの量を、削減することが可能となる。また、従来と同じ幅の安全マージン層M1を有するようにして、分岐壁17を設けることで、第一の層31の成分Aを流す第一流路部11へ、第二の層32の成分Bが混入するのを防止することができる。
また、断面変化流路部9を流れる第二の層32とこれに幅方向他方側に隣りである第三の層33との境界面35よりも第三の層33側に、所定の安全マージン層M2を有するようにして、分岐壁18が設けられていることで、その安全マージン層M2の横断面を小さくすることができ、この結果、安全マージン層M2によって回収不能な第三の層33の成分Cの量を、削減することが可能となる。また、所定の幅の安全マージン層M2を有するようにして、分岐壁18を設けることで、第三の層33の成分Cを流す第三流路部15へ、第二の層32の成分Bが混入するのを防止することができる。そして、第二の層32の成分Bは、第二流路12を流れることができ、回収することができる。なお、混合液は成分毎に分離されるが、回収されるのは、複数の成分の内の一つ又は複数であってもよい。
1:分離回収チップ 3:流路 4:分離用流路 5:遷移流路 6:回収流路 8:下流側流路部 9:断面変化流路部 11:第一流路部 12:第二流路部 17:分岐壁(分岐部) 21:血漿層 22:血球層 23:境界面 M:安全マージン層 S:血液試料

Claims (7)

  1. 血球及び血漿を含む血液試料が層流となって流れる流路を備え、この流路において血球と血漿とを分離して血漿を回収するための分離回収チップであって、
    前記血液試料を流路幅方向一方側の血漿層と流路幅方向他方側の血球層とに分離するための分離用流路と、
    この分離用流路の下流側に設けられ、前記血漿層の血漿を流入させる第一流路部及び前記血球層の血球を流入させる第二流路部を有する回収流路と、を備え、
    前記回収流路は、
    前記分離用流路と比較して前記流路幅方向に拡大されかつ流路厚さ方向に縮小されている断面変化流路部と、
    この断面変化流路部を流れる血漿層と血球層との境界面よりも血漿層側に設けられ当該断面変化流路部を前記第一流路部と前記第二流路部とに分岐させる分岐部と、
    を有していることを特徴とする分離回収チップ。
  2. 前記断面変化流路部の断面積は、前記分離用流路の断面積と同じである請求項1に記載の分離回収チップ。
  3. 前記分離用流路は、慣性力に基づいて血漿層と血球層とに分離するために当該慣性力の作用方向が前記流路幅方向他方側となる流路構成を有し、
    前記断面変化流路部において、流路幅方向他方側への拡大量は、流路幅方向一方側への拡大量よりも大きい請求項1又は2に記載の分離回収チップ。
  4. 前記分離用流路の下流側流路部と前記回収流路の前記断面変化流路部との間に設けられ、当該下流側流路部から当該断面変化流路部へと流路断面を連続的又は段階的に変化させる遷移流路を更に備えている請求項1〜3のいずれか一項に記載の分離回収チップ。
  5. 血球及び血漿を含む血液試料を層流として流路を流し、この血液試料中の血球と血漿とを分離して血漿を回収する分離回収方法であって、
    前記血液試料が流路に沿って流れるに伴い当該血液試料を流路幅方向一方側の血漿層と流路幅方向他方側の血球層とに分離し、
    前記血漿層を流路幅方向に拡大させかつ流路厚さ方向に縮小させ、
    この血漿層と血球層との境界面よりも血漿層側で分岐させた流路部に、当該血漿層の血漿を流入させることを特徴とする分離回収方法。
  6. 複数の成分を含む混合液が層流となって流れる流路を備え、この流路において前記混合液を成分毎に分離して回収するための分離回収チップであって、
    前記混合液を流路幅方向一方側から他方側へ向かって成分毎の層に分離するための分離用流路と、
    この分離用流路の下流側に設けられ、分離させた各層に含まれる成分をそれぞれ流入させる流路部を複数有する回収流路と、を備え、
    前記回収流路は、
    前記分離用流路と比較して前記流路幅方向に拡大されかつ流路厚さ方向に縮小されている断面変化流路部と、
    この断面変化流路部を流れる層間の境界面よりも流路幅方向に設けられ当該断面変化流路部を複数の前記流路部に分岐させる分岐部と、
    を有していることを特徴とする分離回収チップ。
  7. 複数の成分を含む混合液を層流として流路を流し、この混合液を成分毎に分離して回収する分離回収方法であって、
    前記混合液が流路に沿って流れるに伴い流路幅方向一方側から他方側へ向かって当該混合液を成分毎の層に分離し、
    層毎に分離した前記混合液を流路幅方向に拡大させかつ流路厚さ方向に縮小させ、
    層間の境界面よりも流路幅方向一方側で分岐させた流路部に、当該流路幅方向一方側の層に含まれる成分を流入させることを特徴とする分離回収方法。
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