JP2012206882A - スケーリング低減コンクリート製品及び当該コンクリート製品の製造方法 - Google Patents
スケーリング低減コンクリート製品及び当該コンクリート製品の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012206882A JP2012206882A JP2011073253A JP2011073253A JP2012206882A JP 2012206882 A JP2012206882 A JP 2012206882A JP 2011073253 A JP2011073253 A JP 2011073253A JP 2011073253 A JP2011073253 A JP 2011073253A JP 2012206882 A JP2012206882 A JP 2012206882A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- concrete
- scaling
- concrete product
- cement
- aggregate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Abstract
【課題】寒冷地や冬期において、凍結防止剤を散布しても、コンクリート表面近辺に存在する粗骨材の上面のモルタルが剥離する等のスケーリングがほとんど生じない、スケーリング低減コンクリート製品及びその製造方法を提供することである。
【解決手段】スケーリング低減コンクリート製品は、コンクリート配合物を振動締固めにより成形して得られる、セメント、骨材及びポリプロピレン繊維を含むコンクリート製品であって、前記コンクリート配合物中の空気量は2.0〜8.0%、粗骨材の最大粒径は20mm以下、該ポリプロピレン繊維は、繊維径が10〜200μmで、0.01〜0.20容量%含まれているものである。
【選択図】 なし
【解決手段】スケーリング低減コンクリート製品は、コンクリート配合物を振動締固めにより成形して得られる、セメント、骨材及びポリプロピレン繊維を含むコンクリート製品であって、前記コンクリート配合物中の空気量は2.0〜8.0%、粗骨材の最大粒径は20mm以下、該ポリプロピレン繊維は、繊維径が10〜200μmで、0.01〜0.20容量%含まれているものである。
【選択図】 なし
Description
本発明は、スケーリング低減コンクリート製品及び当該コンクリート製品の製造方法に関し、特に寒冷地や冬期における凍結防止剤によるコンクリート製品の劣化に対し、スケーリングを低減させるコンクリート製品及び当該コンクリート製品の製造方法に関する。
寒冷地や冬期における道路の安全対策として、凍結防止剤の散布量が増加している。主に散布している凍結防止剤は塩化カルシウムあるいは塩化ナトリウムである。
かかる凍結防止剤が路面に大量に散布されており、このため、凍結防止剤の散布を起因として生じるコンクリートの劣化の一つに、塩化物と凍結融解の複合作用によって表層剥離(粗骨材が洗い出されるような状態)が促進されるスケーリングがある。
かかる凍結防止剤が路面に大量に散布されており、このため、凍結防止剤の散布を起因として生じるコンクリートの劣化の一つに、塩化物と凍結融解の複合作用によって表層剥離(粗骨材が洗い出されるような状態)が促進されるスケーリングがある。
凍結防止剤の作用を受けるコンクリートでのスケーリング劣化(表層剥離)に対する耐久性を評価するための試験方法の一つに、「除氷塩にさらされたコンクリート表面のスケーリング抵抗性」(ASTMC672)の試験方法がある。
スケーリングは、コンクリート製品新設後、1年足らずで生じることがある。
従って、コンクリート製品では、冬を越えた竣工検査時に、前記試験方法により評価するとスケーリングが生じていることがしばしばあり、このため現場製品の入れ替えを求められる。
従って、コンクリート製品では、冬を越えた竣工検査時に、前記試験方法により評価するとスケーリングが生じていることがしばしばあり、このため現場製品の入れ替えを求められる。
この点に鑑み、特許第364851号公報(特許文献1)には、有スランプのコンクリートを使用し、振動バイブレータで成形後蒸気養生することによって得られるコンクリート製品であって、前記コンクリートの単位粗骨材容積が350l/m3未満、最大骨材寸法が15mm以下であることを特徴とする凍害防止用コンクリート製品が開示されている。
また、コンクリート工学年次論文集(2007)中の論文「凍結融解作用による各種混和剤を用いたコンクリートのスケーリング特性」(非特許文献1)には、スケーリング抵抗性は、フライアッシュを細骨材の容積に対して10%置換したものが最も大きく、混和材の種類、置換方法及び置換率によって差異が生じることが記載されている。
セメント・コンクリート論文集(2003)中の論文「凍結防止剤の影響を受けるコンクリート製品のスケーリング抵抗性改善に関する研究」(非特許文献2)には、AEコンクリート、高流動コンクリート及び硬練りコンクリートの繊維混入によるスケーリング抵抗性の大きな改善は認められなかったことが記載されている。
また、スケーリングや凍結融解の抑制方法として、セメント系材料に空気量を4.5%以上に含有させることが有効とされているが、現状では、コンクリート製品の成形の際に、振動締固めを実施するため、該振動締固めによりコンクリート配合物に連行させた微細な空気泡がロスしてしまい、空気泡によるスケーリング低減を有効に発揮することができない。
楠貞則 他3名,「凍結融解作用による各種混和剤を用いたコンクリートのスケーリング特性」,P.237−242,コンクリート工学年次論文集,Vol.29,No.1,2007年,日本コンクリート工学協会発行
月永洋一他3名、「凍結防止剤の影響を受けるコンクリート製品のスケーリング抵抗性改善に関する研究」、P.273−278、セメント・コンクリート論文集、No.57、2003年、社団法人セメント協会発行
本発明の目的は、上記問題点を克服し、コンクリート製品の施工時に振動締固めを施す施工をするものであっても、寒冷地や冬期において、凍結防止剤を散布しても、コンクリート表面近辺に存在する粗骨材の上面のモルタルが剥離する等のコンクリート製品のスケーリングを低減させることができる、スケーリング低減コンクリート製品及びその製造方法を提供することである。
また、コンクリート製品を製造する際に使用するコンクリート配合物中に含まれる微細な空気泡によるスケーリング抑制以外に、有効な手段を構築したスケーリング低減コンクリート製品及びその製造方法を提供することである。
また、コンクリート製品を製造する際に使用するコンクリート配合物中に含まれる微細な空気泡によるスケーリング抑制以外に、有効な手段を構築したスケーリング低減コンクリート製品及びその製造方法を提供することである。
本発明のスケーリング低減コンクリート製品は、コンクリート配合物を振動締固めにより成形して得られる、セメント、骨材及びポリプロピレン繊維を含むコンクリート製品であって、前記コンクリート配合物中の空気量は2.0〜8.0%、粗骨材の最大粒径は20mm以下、該ポリプロピレン繊維は、繊維径が10〜200μmで、0.01〜0.20容量%含まれていることを特徴とする、スケーリング低減コンクリート製品である。
好適には、上記本発明のコンクリート製品において、セメントは早強または普通ポルトランドセメントであることを特徴とする。
本発明のスケーリング低減コンクリート製品の製造方法は、上記本発明のコンクリート製品を製造するにあたり、セメント、骨材、ポリプロピレン繊維及び水を含むコンクリート配合物を、振動締固めにより成形し、蒸気養生することによって得られることを特徴とする、スケーリング低減コンクリート製品の製造方法である。
本発明のスケーリング低減コンクリート製品は、寒冷地や冬期において、塩化カルシウムや塩化ナトリウム等の凍結防止剤を散布しても、コンクリート表面近辺に存在する粗骨材の上面のモルタルが剥離する等のスケーリングを極めて有効に低減させ、コンクリート製品の凍結劣化抑制に極めて優れるものである。
従来では、コンクリート配合物中に微細な空気泡を連行させることにより、スケーリングの低減を図っていたが、振動締固め成形により連行させた空気泡が、ある程度減少してしまっても、スケーリングを有効に抑制することができる。
また、本発明のスケーリング低減コンクリート製品の製造方法は、上記スケーリング低減コンクリート製品を有効に効率よく生産することができる。
従来では、コンクリート配合物中に微細な空気泡を連行させることにより、スケーリングの低減を図っていたが、振動締固め成形により連行させた空気泡が、ある程度減少してしまっても、スケーリングを有効に抑制することができる。
また、本発明のスケーリング低減コンクリート製品の製造方法は、上記スケーリング低減コンクリート製品を有効に効率よく生産することができる。
本発明を好適例により以下に説明する。
本発明のスケーリング低減コンクリート製品は、コンクリート配合物を振動締固めにより成形して得られる、セメント、骨材及びポリプロピレン繊維を含むコンクリート製品であって、前記コンクリート配合物中の空気量は2.0〜8.0%、粗骨材の最大粒径は20mm以下、該ポリプロピレン繊維は、繊維径が10〜200μmで、0.01〜0.20容量%含まれている。
本発明のスケーリング低減コンクリート製品は、コンクリート配合物を振動締固めにより成形して得られる、セメント、骨材及びポリプロピレン繊維を含むコンクリート製品であって、前記コンクリート配合物中の空気量は2.0〜8.0%、粗骨材の最大粒径は20mm以下、該ポリプロピレン繊維は、繊維径が10〜200μmで、0.01〜0.20容量%含まれている。
本発明のスケーリング低減コンクリート製品に含まれるセメントとしては、特に制限はなく、従来のコンクリート製品に使用されているセメントの中から、コンクリート製品の用途に応じて、適宣選択することができる。
このようなセメントとしては、例えば、普通、中庸熱、低熱、早強、超早強、耐硫酸塩など各種ポルトランドセメント、高炉セメントやシリカセメントなどの混合セメントなどから選ばれる少なくとも一種を挙げることができるが、好適には早強または普通ポルトランドセメントを用いる。
このようなセメントとしては、例えば、普通、中庸熱、低熱、早強、超早強、耐硫酸塩など各種ポルトランドセメント、高炉セメントやシリカセメントなどの混合セメントなどから選ばれる少なくとも一種を挙げることができるが、好適には早強または普通ポルトランドセメントを用いる。
また、本発明のコンクリート製品中に含まれる骨材としては、細骨材及び粗骨材があり、前記細骨材としては、例えば、通常のモルタルやコンクリートに使用されている山砂、陸砂、海砂、川砂、砕砂、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、銅スラグ細骨材や電気炉酸化スラグ等が挙げられる。
使用する上記細骨材及び粗骨材は、圧縮強度で100N/mm2を満足できる品質を有するものを選定することが望ましい。
使用する上記細骨材及び粗骨材は、圧縮強度で100N/mm2を満足できる品質を有するものを選定することが望ましい。
また粗骨材としては、例えば、川砂利、山砂利、陸砂利、海砂利、砕石、高炉スラグ粗骨材、電気炉酸化スラグ等を使用することができる。
粗骨材の最大粒径は、20mm以下とする。
ここで、最大粒径の測定は、JIS A 1102に準じて行うこととする。
最大粒径を20mm以下とすることで、粗骨材とモルタル界面の境界面積を小さくし、スケーリングによる剥離面積が減少することで耐凍害性を上げることができることとなる。
粗骨材の最大粒径は、20mm以下とする。
ここで、最大粒径の測定は、JIS A 1102に準じて行うこととする。
最大粒径を20mm以下とすることで、粗骨材とモルタル界面の境界面積を小さくし、スケーリングによる剥離面積が減少することで耐凍害性を上げることができることとなる。
本発明のコンクリート製品には、ポリプロピレン繊維が含まれる。
ポリプロピレン繊維をコンクリート製品に混入させることで、スケーリング抑制が効果的となる。
ポリプロピレン繊維は、10〜200μmであることが、スケーリング量を低減させる点から好ましく、繊維径が5μm以下又は300μm以上であるとコンクリート製品のスケーリング抑制効果が認められなくなる。
また該ポリプロピレン繊維の配合量は、コンクリート配合物中、0.01〜0.20容量%とすることがコンクリート表面の剥離を防止する効果を付与する点から望ましい。該配合量が、0.005容量%以下であるとコンクリート製品のスケーリング抑制効果が認められず、また0.3容量以上であるとコンクリート表面に該繊維が残存して外観上問題となる。
更に、該ポリプロピレン繊維の密度は、0.8〜1.0g/cm3であることが望ましい。
ポリプロピレン繊維をコンクリート製品に混入させることで、スケーリング抑制が効果的となる。
ポリプロピレン繊維は、10〜200μmであることが、スケーリング量を低減させる点から好ましく、繊維径が5μm以下又は300μm以上であるとコンクリート製品のスケーリング抑制効果が認められなくなる。
また該ポリプロピレン繊維の配合量は、コンクリート配合物中、0.01〜0.20容量%とすることがコンクリート表面の剥離を防止する効果を付与する点から望ましい。該配合量が、0.005容量%以下であるとコンクリート製品のスケーリング抑制効果が認められず、また0.3容量以上であるとコンクリート表面に該繊維が残存して外観上問題となる。
更に、該ポリプロピレン繊維の密度は、0.8〜1.0g/cm3であることが望ましい。
更に、また、本発明のコンクリート製品には、必要に応じて公知の混和剤を配合させることができ、例えば、AE剤、AE減水剤や高性能減水剤、高性能AE減水剤等が例示される。
更に必要に応じて、無機混和材も配合することができ、例えば、高炉スラグ微粉末、石灰石微粉末、フライアッシュ、膨張材等が例示される。
これらの配合量は、上記本発明の効果を損なわない範囲で通常当業界で配合されている量で添加することができる。
更に必要に応じて、無機混和材も配合することができ、例えば、高炉スラグ微粉末、石灰石微粉末、フライアッシュ、膨張材等が例示される。
これらの配合量は、上記本発明の効果を損なわない範囲で通常当業界で配合されている量で添加することができる。
上記本発明のコンクリート製品は、前記セメント、細骨材、粗骨材、ポリプロピレン繊維及び水を添加し、均一に混練することによりコンクリート配合物を調製し、調製した該コンクリート配合物を振動締固めにより成形して、養生処理を行うことにより得られる。
また、必要応じて、上記したように、コンクリート配合物を調製する際に、混和剤や無機混和材等を添加することも可能である。
また、コンクリート配合物中に配合される水は、特に限定されず、水/セメント質量比が、20〜55%となるように配合する。
また、必要応じて、上記したように、コンクリート配合物を調製する際に、混和剤や無機混和材等を添加することも可能である。
また、コンクリート配合物中に配合される水は、特に限定されず、水/セメント質量比が、20〜55%となるように配合する。
即ち、本発明のコンクリート製品の製造に使用するコンクリート配合物に用いる上記各材料成分を、上記所定の割合の配合で一軸式又は二軸式の強制練りパグミル型ミキサ、強制練りパン型ミキサ又は可傾式ミキサなどを用いて混練することにより、当該コンクリート配合物を調製する。
本発明のコンクリート配合物中に含まれる空気量は、2.0〜8.0容量%であり、かかる程度の微細な空気泡を連行することで、スケーリングを抑制することが可能となる。
ここで、空気量はJIS A 1128に準拠することにより測定した値をいうものである。
ここで、空気量はJIS A 1128に準拠することにより測定した値をいうものである。
次いで、このコンクリート配合物を成形するが、この成形時には、振動締固め成形処理を加える。これにより、得られるコンクリート製品の充填性がより良好なものとなり緻密化され、良好な強度発現性を得ることができる。
加圧振動締固め成形処理としては、使用する機械の出力、振動数によるが、例えば、加圧力が0.04〜0.49MPa、振動数が47〜108Hz、振幅が0.3〜2.5mm、最大加速度が41〜442m/s2程度のもので、振動時間は15〜30s前後行う。
加圧振動締固め成形処理としては、使用する機械の出力、振動数によるが、例えば、加圧力が0.04〜0.49MPa、振動数が47〜108Hz、振幅が0.3〜2.5mm、最大加速度が41〜442m/s2程度のもので、振動時間は15〜30s前後行う。
前記振動締固め成形処理をしたコンクリート配合物を、養生することで、本発明のコンクリート製品を得る。
養生方法は、特に限定されず、通常のコンクリートの養生方法であれば任意の方法を適用することができ、例えば、蒸気養生を適用することができる。具体的な養生条件としては、室温にて2〜6時間程度前養生した後、1時間当たり、10〜30℃程度の昇温速度で、50〜80℃程度に昇温して2〜6時間程度保持し、次いで、自然冷却する方法が例示できる。
養生方法は、特に限定されず、通常のコンクリートの養生方法であれば任意の方法を適用することができ、例えば、蒸気養生を適用することができる。具体的な養生条件としては、室温にて2〜6時間程度前養生した後、1時間当たり、10〜30℃程度の昇温速度で、50〜80℃程度に昇温して2〜6時間程度保持し、次いで、自然冷却する方法が例示できる。
このような本発明のコンクリート製品は、ASTM C672に準じた目視レーティング6段階評価により、第1段階である「極めて軽度のスケーリング」まで、スケーリングを低減させることができる。
本発明を次の実施例及び比較例により説明するが、これらに限定されるものではない。
(使用材料)
・セメントC:普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント株式会社製)
・細骨材S :山形県東根産砕砂(密度2.57g/cm3)
・粗骨材G1:山形県長井産砕石2015(密度2.68g/cm3)
・粗骨材G2:山形県長井産砕石1505(密度2.69g/cm3)
・フライアッシュFA:ファイナッシュ20(JIS I種品、SiO2含有量45%以上、絶乾密度2.36g/cm3、四国電力株式会社製)
・AE減水剤Ad:ポゾリス15L AE減水剤標準形(I種)
(BASFポゾリス株式会社製)
・高性能AE減水剤Sp:レオビルドSP8SV 標準形(I種)
(JIS A 6204適合品、BASFポゾリス株式会社製)
・AE剤:マイクロエア101 AE剤(I種)
(JIS A 6204適合品、BASFポゾリス株式会社製)
・水W :水道水
・繊維F:下記表1に示す。
(使用材料)
・セメントC:普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント株式会社製)
・細骨材S :山形県東根産砕砂(密度2.57g/cm3)
・粗骨材G1:山形県長井産砕石2015(密度2.68g/cm3)
・粗骨材G2:山形県長井産砕石1505(密度2.69g/cm3)
・フライアッシュFA:ファイナッシュ20(JIS I種品、SiO2含有量45%以上、絶乾密度2.36g/cm3、四国電力株式会社製)
・AE減水剤Ad:ポゾリス15L AE減水剤標準形(I種)
(BASFポゾリス株式会社製)
・高性能AE減水剤Sp:レオビルドSP8SV 標準形(I種)
(JIS A 6204適合品、BASFポゾリス株式会社製)
・AE剤:マイクロエア101 AE剤(I種)
(JIS A 6204適合品、BASFポゾリス株式会社製)
・水W :水道水
・繊維F:下記表1に示す。
(実施例1〜3、比較例1〜9)
上記各材料を用いて、表2に示す配合組成の各コンクリート配合物を調製した。
具体的には、表2に従って、セメント(C)、細骨材(S)、粗骨材(G1及びG2)、フライアッシュ(FA)、繊維(F)を表2に示す割合で二軸強制練りミキサに投入し15秒間攪拌したのち、AE減水剤(Ad)、高性能AE減水剤(Sp)を含む水道水(W:混練水)を、水/セメント質量比(W/C)または水/(結合材:セメント及びフライアッシュ)質量比(W/B)が、表2に示すようになる量で投入して90秒間練り混ぜ、更に繊維については、前記練混ぜ後に投入して60秒間更に撹拌して、各コンクリート配合物を調製した。
各コンクリート配合物のスランプ値は、JIS A 1101のコンクリートのスランプ試験方法に準じて測定し、全て6.0±1.5cmであった。
表2中、s/aは細骨材/(細骨材及び粗骨材)の容積比を示す。
また、粗骨材の最大粒径GmaxはJIS A 1102に準ずることにより測定した粒径を示す。
上記各材料を用いて、表2に示す配合組成の各コンクリート配合物を調製した。
具体的には、表2に従って、セメント(C)、細骨材(S)、粗骨材(G1及びG2)、フライアッシュ(FA)、繊維(F)を表2に示す割合で二軸強制練りミキサに投入し15秒間攪拌したのち、AE減水剤(Ad)、高性能AE減水剤(Sp)を含む水道水(W:混練水)を、水/セメント質量比(W/C)または水/(結合材:セメント及びフライアッシュ)質量比(W/B)が、表2に示すようになる量で投入して90秒間練り混ぜ、更に繊維については、前記練混ぜ後に投入して60秒間更に撹拌して、各コンクリート配合物を調製した。
各コンクリート配合物のスランプ値は、JIS A 1101のコンクリートのスランプ試験方法に準じて測定し、全て6.0±1.5cmであった。
表2中、s/aは細骨材/(細骨材及び粗骨材)の容積比を示す。
また、粗骨材の最大粒径GmaxはJIS A 1102に準ずることにより測定した粒径を示す。
また、得られた各コンクリート配合物中の空気量も上記表2中に示す。
空気量は、JIS A 1128に準拠して測定した。
空気量は、JIS A 1128に準拠して測定した。
得られた各コンクリート配合物を直径250mm×高さ75mmの円柱供試体に打設した。テーブルバイブレータ(製品名;振動モーター型式KM75−2P、振動数57Hz(株)林製作所製)を用いて、振動締固め時間を15秒(60Hz)として、前記円柱供試体の直径250mmの下面から振動締固めを実施した。
該供試体の打設後、一次養生として蒸気養生を行なった。蒸気養生条件は、20℃で2時間前養生を行ない、その後2時間で最高温度50℃まで上昇させて、蒸気養生を行なった。
次いで、50℃で2時間保持した後、自然放冷して、各コンクリート製品供試体を製造した。
該供試体の打設後、一次養生として蒸気養生を行なった。蒸気養生条件は、20℃で2時間前養生を行ない、その後2時間で最高温度50℃まで上昇させて、蒸気養生を行なった。
次いで、50℃で2時間保持した後、自然放冷して、各コンクリート製品供試体を製造した。
試験例
(1)スケーリング試験
ASTM C672に準じて試験を実施した。上記各コンクリート製品供試体の振動締固めを施した上面と反対側の打設底面に、濃度3%の塩化ナトリウム水溶液を高さ6mm分満たした。そして、−20℃で約16〜18時間の凍結後、供試体を冷凍機から取り出して、20℃の恒温室で約6〜8時間融解させた。
この24時間を1サイクルとし、50回繰り返して、スケーリングを評価した。その結果を表3に示す。
(1)スケーリング試験
ASTM C672に準じて試験を実施した。上記各コンクリート製品供試体の振動締固めを施した上面と反対側の打設底面に、濃度3%の塩化ナトリウム水溶液を高さ6mm分満たした。そして、−20℃で約16〜18時間の凍結後、供試体を冷凍機から取り出して、20℃の恒温室で約6〜8時間融解させた。
この24時間を1サイクルとし、50回繰り返して、スケーリングを評価した。その結果を表3に示す。
1)スケーリング目視レーティング評価
上記各コンクリート製品供試体について、ASTM C 672に準じて評価した。
目視評価として「評価1:極めて軽度のスケーリング(深さ3.2mmまで粗骨材は露出しない)」のものをスケーリング抑制が良好として○とした。また、該評価1に該当しないものを×として表した。
なお、該評価1に対応するスケーリング量は0.2kg/m2程度である。
2)スケーリング量
スケーリング量は、上記スケーリング試験5サイクル毎に、スケーリングによるコンクリート損失質量(剥落片の質量)を測定し、この質量を供試体断面積(0.049m2)で除した値がスケーリング量(kg/m2)であり、この累積質量を各サイクル時におけるスケーリング量とした。
上記各コンクリート製品供試体について、ASTM C 672に準じて評価した。
目視評価として「評価1:極めて軽度のスケーリング(深さ3.2mmまで粗骨材は露出しない)」のものをスケーリング抑制が良好として○とした。また、該評価1に該当しないものを×として表した。
なお、該評価1に対応するスケーリング量は0.2kg/m2程度である。
2)スケーリング量
スケーリング量は、上記スケーリング試験5サイクル毎に、スケーリングによるコンクリート損失質量(剥落片の質量)を測定し、この質量を供試体断面積(0.049m2)で除した値がスケーリング量(kg/m2)であり、この累積質量を各サイクル時におけるスケーリング量とした。
(2)圧縮強度試験
コンクリート打ち込み直後から起算して材齢14日後の上記各コンクリート供試体の圧縮強度試験をJIS A 1108に準じて実施した。
圧縮強度試験は、コンクリート打ち込み直後から起算して材齢14日に実施した。具体的には、圧縮強度試験は、上記蒸気養生を行なった後、材齢14日までの残りの期間を気中養生した各コンクリート供試体に対して実施した。但し、気中養生は、20℃・湿度60%の恒温室に静置して行なった。
その結果も表3に示す。
コンクリート打ち込み直後から起算して材齢14日後の上記各コンクリート供試体の圧縮強度試験をJIS A 1108に準じて実施した。
圧縮強度試験は、コンクリート打ち込み直後から起算して材齢14日に実施した。具体的には、圧縮強度試験は、上記蒸気養生を行なった後、材齢14日までの残りの期間を気中養生した各コンクリート供試体に対して実施した。但し、気中養生は、20℃・湿度60%の恒温室に静置して行なった。
その結果も表3に示す。
上記表3より、本発明の実施例のコンクリート製品は、極めて良好なスケーリング抑制効果を奏することがわかる。
本発明のスケーリング低減コンクリート製品は、凍害を受ける場所や箇所に用いられたり、施工されたりする道路、橋等の土木、建築構造物に有効に適用することができる。
Claims (3)
- コンクリート配合物を振動締固めにより成形して得られる、セメント、骨材及びポリプロピレン繊維を含むコンクリート製品であって、前記コンクリート配合物中の空気量は2.0〜8.0%、粗骨材の最大粒径は20mm以下、該ポリプロピレン繊維は、繊維径が
10〜200μmで、0.01〜0.20容量%含まれていることを特徴とする、スケーリング低減コンクリート製品。 - 請求項1記載のコンクリート製品において、セメントは普通ポルトランドセメントであることを特徴とする、スケーリング低減コンクリート製品。
- 請求項1又は2記載のコンクリート製品を製造するにあたり、セメント、骨材、ポリプロピレン繊維及び水を含むコンクリート配合物を、振動締固めにより成形し、蒸気養生することによって得られることを特徴とする、スケーリング低減コンクリート製品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011073253A JP2012206882A (ja) | 2011-03-29 | 2011-03-29 | スケーリング低減コンクリート製品及び当該コンクリート製品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011073253A JP2012206882A (ja) | 2011-03-29 | 2011-03-29 | スケーリング低減コンクリート製品及び当該コンクリート製品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012206882A true JP2012206882A (ja) | 2012-10-25 |
Family
ID=47186971
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011073253A Pending JP2012206882A (ja) | 2011-03-29 | 2011-03-29 | スケーリング低減コンクリート製品及び当該コンクリート製品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012206882A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015083767A (ja) * | 2013-10-25 | 2015-04-30 | 国立大学法人岩手大学 | 凍結・ソルトスケーリング抑制方法及び凍結・ソルトスケーリング抑制剤 |
CN107686315A (zh) * | 2017-08-28 | 2018-02-13 | 北京铁建永泰新型建材有限公司 | 抗冻大体积混凝土 |
CN108751778A (zh) * | 2018-04-25 | 2018-11-06 | 临泉县凯晟建筑工程有限公司 | 一种混凝土专用高性能型防冻剂 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0780811A (ja) * | 1993-09-16 | 1995-03-28 | Mitsubishi Materials Corp | 加圧振動成形即時脱型用コンクリート又はモルタルの製造方法 |
JPH10156811A (ja) * | 1996-12-02 | 1998-06-16 | Chichibu Onoda Cement Corp | 凍害防止用コンクリート製品 |
JPH11189454A (ja) * | 1997-12-25 | 1999-07-13 | Taiheiyo Cement Corp | コンクリート組成物 |
JP2004175585A (ja) * | 2002-11-25 | 2004-06-24 | East Japan Railway Co | コンクリート |
JP2004277210A (ja) * | 2003-03-14 | 2004-10-07 | Kajima Corp | 構造物からのコンクリート片の剥落防止法 |
JP2004339043A (ja) * | 2003-04-25 | 2004-12-02 | Taiheiyo Cement Corp | 水硬性組成物及び硬化体 |
JP2011057514A (ja) * | 2009-09-11 | 2011-03-24 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | コンクリートパネル成形体及びその製造方法 |
-
2011
- 2011-03-29 JP JP2011073253A patent/JP2012206882A/ja active Pending
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0780811A (ja) * | 1993-09-16 | 1995-03-28 | Mitsubishi Materials Corp | 加圧振動成形即時脱型用コンクリート又はモルタルの製造方法 |
JPH10156811A (ja) * | 1996-12-02 | 1998-06-16 | Chichibu Onoda Cement Corp | 凍害防止用コンクリート製品 |
JPH11189454A (ja) * | 1997-12-25 | 1999-07-13 | Taiheiyo Cement Corp | コンクリート組成物 |
JP2004175585A (ja) * | 2002-11-25 | 2004-06-24 | East Japan Railway Co | コンクリート |
JP2004277210A (ja) * | 2003-03-14 | 2004-10-07 | Kajima Corp | 構造物からのコンクリート片の剥落防止法 |
JP2004339043A (ja) * | 2003-04-25 | 2004-12-02 | Taiheiyo Cement Corp | 水硬性組成物及び硬化体 |
JP2011057514A (ja) * | 2009-09-11 | 2011-03-24 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | コンクリートパネル成形体及びその製造方法 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015083767A (ja) * | 2013-10-25 | 2015-04-30 | 国立大学法人岩手大学 | 凍結・ソルトスケーリング抑制方法及び凍結・ソルトスケーリング抑制剤 |
CN107686315A (zh) * | 2017-08-28 | 2018-02-13 | 北京铁建永泰新型建材有限公司 | 抗冻大体积混凝土 |
CN107686315B (zh) * | 2017-08-28 | 2020-04-07 | 北京铁建永泰新型建材有限公司 | 抗冻大体积混凝土 |
CN108751778A (zh) * | 2018-04-25 | 2018-11-06 | 临泉县凯晟建筑工程有限公司 | 一种混凝土专用高性能型防冻剂 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Dhiyaneshwaran et al. | Study on durability characteristics of self-compacting concrete with fly ash | |
KR101705242B1 (ko) | 시공성을 향상시킨 초고성능 섬유보강 콘크리트의 제조방법 | |
JP2016121030A (ja) | 繊維補強セメント複合材及びその製造方法 | |
JP2022186934A (ja) | グラウトモルタル | |
JP2011195364A (ja) | コンクリート組成物およびコンクリート硬化体 | |
KR100867250B1 (ko) | 비소성 결합재를 포함하는 초고강도 콘크리트 조성물 | |
JP2012206882A (ja) | スケーリング低減コンクリート製品及び当該コンクリート製品の製造方法 | |
JP2011063488A (ja) | 自己修復コンクリート混和材、その製造方法及び該混和材を用いた自己修復コンクリート材料 | |
JP2017114734A (ja) | 超速硬性セメントモルタル | |
JP2020011871A (ja) | 耐久性を有するコンクリート | |
JP2015189628A (ja) | ひび割れ低減型セメント製品の製造方法及びひび割れ低減型セメント製品 | |
JP5602580B2 (ja) | 寒冷時打込み用コンクリート素材、当該素材を用いたコンクリート構造物 | |
JP3806420B2 (ja) | シラスを用いた低強度モルタル充填材 | |
JP2004284873A (ja) | 水硬性複合材料 | |
JP2014189437A (ja) | ひび割れ低減型高炉セメント組成物及びその製造方法 | |
JP5173117B2 (ja) | 寒冷時打込み用コンクリート素材を用いたコンクリート構造物の製造方法 | |
JP6591729B2 (ja) | コンクリートの製造方法 | |
KR100624364B1 (ko) | 레디믹스트 콘크리트 제조방법 | |
JP6398738B2 (ja) | セメント系材料用空気連行剤、当該空気連行剤を含むセメント系材料及びその製造方法 | |
JP2011132106A (ja) | 水硬性組成物及び硬化体 | |
JP6300734B2 (ja) | 高強度セメント混和材およびコンクリート製品の製造方法 | |
JP6334310B2 (ja) | 水硬性組成物の製造方法および水硬性組成物 | |
JP2014159354A (ja) | 高炉スラグを用いて耐凍害性を向上したモルタルまたはコンクリート用組成物およびそれを成形してなる成形品、ならびに補修材料および補修方法 | |
JP6179357B2 (ja) | コンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材、当該混和材を用いたコンクリート及びその製造方法 | |
JP5919940B2 (ja) | 高保水性ブロックおよび高保水性ブロックの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130719 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140314 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140401 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20141028 |