JP2012115898A - 鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続鋳造において、低い設備コストでかつ表面品質の低下を招くことなく、断面積の大きさに関わらず、鋳片の中心部におけるザクおよびポロシティ、ならびに鋳片上部の引け巣やザクを低減する方法を提供する。
【解決手段】鋳片を連続鋳造する方法であって、鋳片の圧下が可能で、かつ鋳型から鋳片に沿いつつ鉛直方向に移動が可能なロールを備えた可動ロール圧下装置を用い、鋳片の引き抜きを完了した後、停止した鋳片を鉛直方向に移動しながら圧下することを特徴とする鋳片の連続鋳造方法。前記ロールの、鋳片を圧下しながらの移動方向が鉛直方向上向きであってもよい。また、鋳片の横断面が円形であってもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、一対のロールを用いて鋳片を圧下することにより、内部欠陥であるザク、ポロシティおよび引け巣の発生を低減させる鋳片の連続鋳造方法に関し、特に移動可能なロールを用いる連続鋳造方法に関する。
現在、鋼の製造においては、連続鋳造法により鋳片を鋳造し、最終製品に向けて、その鋳片に分塊圧延、圧延等の加工を施すのが一般的である。しかし、最終製品として、例えばボイラータンクや大型の金型の素材のように断面が大きい大型素材は、小ロットであることと、大断面の鋳片を必要とすることから、大型素材に用いる鋳片は、連続鋳造ではなく、鋳型に溶鋼を流し込んで凝固させ、大型のインゴットとして鋳造している(以下「インゴット法」という。)のが現状である。
小ロットといえども、インゴット法で大型のインゴットを鋳造するのは、連続鋳造法と比較して格段に能率が低く、また、インゴット上部の押し湯の必要性、または湯道、給湯管への溶鋼の残存等を考慮すると、歩留まりが非常に悪い。なお、ここでいう押し湯とは、インゴットを鋳込む際に、溶鋼の凝固収縮による引け巣や収縮割れの発生を防止するため、凝固収縮分の溶鋼を補給することである。
また、大断面の鋳片を連続鋳造法によって鋳造した場合、鋳片の中心部に発生するザク、気泡欠陥であるポロシティ、および偏析が大きくなり易い。ここでいうザクとは、合金スラブを鋳造する場合にスラブの中心部に発生する空洞欠陥のことである。また、鋳造終了時には、鋳型内への溶鋼の供給停止後、鋳片のメニスカス(湯面)からその鋳造方向下流側部分にかけて、凝固収縮によって、通常のインゴット法で見られるような大きな引け巣が発生する。これらの内部欠陥等は、製品の歩留りを悪化させるばかりではなく、場合によっては最終製品に残存し、製品欠陥の要因となる。
内部品質が良好な大断面の鋳片の製造方法として、特許文献1には、極厚偏平鋳塊等の、厚さの点から従来の連続鋳造機では鋳造が困難である大型鋼塊を製造するための半連続鋳造において、上広テーパの鋳型を用いることが提案されている。また、同文献には、鋼塊トップ(上部)のメニスカスを電気的方法で加熱することによって鋼塊の品質をさらに向上させることができることが記載されている。
特許文献2には、鋳片の連続鋳造において、鋳片の形状を両側面が上方に向かって漸次拡開するテーパ状とすることによって、ザクやポロシティ等の内部欠陥の発生を軽減できることが記載されている。
一方、鋳片の連続鋳造においてポロシティや偏析等の内部欠陥を低減するために、凝固末期に鋳片の表面を圧下する方法が一般に知られている。例えば、特許文献3には、鋳片を未凝固圧下する方法が記載されている。
特許文献1および2に記載の技術のようにテーパ状の鋳型を用いることや鋳片の形状をテーパ状とすることによって、従来の押し湯の役割を多少なりとも補うことができる。しかし、これらの方法は、鋳込み方法が複雑で、設備コストが高いわりに、ザクおよびポロシティの抑制効果は限定的であり、鋳片の断面が大きくなるのに伴ってその効果は小さくなる。また、鋳片上部のメニスカスを加熱する方法は、鋳片長が長いと鋳片の中央部まで内部品質を向上させる効果は得られず、設備の面で高価であり、エネルギーの面でも不経済であることから、あまり有効な方法とは言えない。
これに対して、通常の連続鋳造機における連続鋳造のように、鋳片をロール等で表面から圧下して、内部のポロシティをその生成段階で潰す方法(インライン圧下法)は、決定的で大変有効な方法である。しかし、このインライン圧下法を大断面の鋳片の連続鋳造に採用する場合、以下の2つの問題点がある。
1つ目の問題点は、インライン圧下法は、鋳片に発生したポロシティを、鋳造のどの段階で圧着してもよいわけではなく、最適圧下時期があることである。例えば、ポロシティの生成段階で鋳片を圧下するのであれば、中心固相率が0.5程度から完全凝固までの間の凝固末期の時期が良いとされており、完全凝固後であれば、鋳片の中心部の温度がまだ十分に高い凝固直後が良いとされている。そのため、通常の連続鋳造では、連続鋳造機の出口近傍といった特定の位置に圧下ロール等の圧下装置を設置するのが一般的である。
ところが、大断面の鋳片を鋳造する場合、連続鋳造機の出口近傍に設置した圧下装置によって、ザクおよびポロシティの圧着に最適な条件で鋳片を圧下するには、鋳片が完全に凝固するまでの時間を確保するために、連続鋳造機の長さを長くする必要がある。ここで、鋳型内のメニスカスから鋳片の最終凝固位置までの長さは、鋳片の厚さの2乗に比例すると考えられる。このため、例えば厚さ300mmの鋳片の場合を基準とすれば、厚さ900mmの鋳片では9倍の長さの連続鋳造機が必要となり、多大な建設費用が必要である。
一方、連続鋳造機の長さを長く取れないとすると、鋳片が完全に凝固するまでの時間を確保するには、鋳造速度を低下させる方法が考えられる。最終凝固位置での鋳造速度(鋳片の速度)は、鋳片の厚さの2乗に反比例すると一般的に考えられる。このため、例えば厚さ300mmの鋳片の鋳造速度が1m/minである場合を基準とすれば、厚さ900mmの鋳片では0.11m/minと極めて低速の鋳造としなければならない。このような極低速鋳造は、鋳型内のメニスカスにおける熱供給不足を生じ、メニスカスの皮張り凝固や、メニスカスでの凝固シェルの収縮によるリップル状の鋳肌の発生等、鋳片の表面品質の大幅な低下を招く。この表面品質の低下を防止するために、プラズマ加熱やジュール熱によるメニスカス加熱の併用も考えられるものの、上述したように設備コストが高く、エネルギーの面で不経済である。
2つ目の問題点は、鋳片の断面が大きい場合には、圧下の鋳片内部への浸透が不十分であり、ザクやポロシティを十分に圧着できないことが懸念されることである。
特開昭62−161445号公報 特開2004−243352号公報 特開2000−288705号公報
上述のように、従来の連続鋳造における、断面の大きな鋳片の中心部におけるザクやポロシティ、および鋳片上部の引け巣やザクを低減する方法には、設備コストやエネルギーの面、表面品質の面で問題があった。
本発明は、このような従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、連続鋳造において、低い設備コストでかつ表面品質の低下を招くことなく、断面の大きさに関わらず、鋳片の中心部におけるザクおよびポロシティ、ならびに鋳片上部の引け巣やザクを低減する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、連続鋳造における鋳片の圧下方法について検討した。その結果、鋳片を圧下するのに、移動可能なロールを用いることによって、鋳片の断面の大きさに関わらず、ザク、ポロシティおよび引け巣の圧着に最適な位置での圧下が可能となることを知見した。この場合、特定の位置に固定したロールを用いる場合のような連続鋳造機の長さや鋳造速度の調整を必要とせず、設備コストは非常に低い。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨は下記の(1)〜(4)に示す鋳片の連続鋳造方法にある。
(1)鋳片を連続鋳造する方法であって、鋳片の案内支持と圧下の切替えが可能で、かつ鋳型の下方で鋳片に沿って鉛直方向に移動が可能な一対のロールを用い、鋳片の引き抜き中は移動を停止した状態で鋳片を案内支持し、鋳片の引き抜きを完了した後は、停止した鋳片を鉛直方向に移動しながら圧下することを特徴とする鋳片の連続鋳造方法。
(2)鋳片を圧下しながらの前記ロールの移動方向が鉛直方向上向きであることを特徴とする前記(1)に記載の鋳片の連続鋳造方法。
(3)鋳片の横断面が円形であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の鋳片の連続鋳造方法。
本発明の鋳片の連続鋳造方法によれば、設備コストの低い連続鋳造機によって、表面品質の低下を招くことなく、鋳片の断面の大きさに関わらず、大幅なザク、ポロシティおよび引け巣の低減が可能であり、かつ高い歩留まりで鋳片の鋳造が可能である。
本発明の方法が適用可能な連続鋳造機の構成図であり、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図である。 本発明の連続鋳造方法による鋳造工程を説明する図であり、同図(a)は鋳造開始時点の状態、同図(b)は鋳片の引き抜き中の状態、同図(c)は引き抜き完了後に可動ロールを可動範囲の下端に移動させた状態、同図(d)は鋳片を圧下しながら可動ロールを上昇させる状態、同図(e)は圧下完了の状態をそれぞれ示す。 鋳片の未凝固径に対する圧下量の比率(圧下量/未凝固径)と、欠陥面積率との関係を示す図であり、同図(a)は定常部での実績を、同図(b)は鋳片上部での実績をそれぞれ示す。
図1は、本発明の方法が適用可能な連続鋳造機の構成図であり、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図である。同図に示す連続鋳造機は垂直型であり、鋳片の鋳造方向が鉛直下向きである。この連続鋳造機は、溶鋼を収容する取鍋1と、取鍋1から図示しない浸漬ノズルを介して溶鋼が供給される鋳型2と、鋳型2から下方に引き抜いた鋳片3を圧下する可動ロール圧下装置4とを備える。鋳型2は、半割鋳型を組み合わせたものである。可動ロール圧下装置4は、一対のロール5と、ロール5を支持するフレーム6を備え、このフレーム6はロール5と一体で鋳型2の下方で鋳片2に沿いつつ鉛直方向上下に移動が可能である。
鋳型2の直下には、後述する図2に示すように、サポートロール群7が配置されており(図1には不図示)、鋳片3の凝固シェル3aのサポート域を形成する。連続鋳造機には、少なくとも鋳型2の直下において、鋳型2の長さの1/4〜同等程度の領域で凝固シェル3aをサポートすることが好ましい。後述する図2では、サポート域の長さが鋳型2の長さと同等である態様を示す。
ロール5は、鋳片3を案内支持するピンチロールの役割と鋳片3を圧下する圧下ロールの役割とを兼ねるように両役割を切替え可能に構成され、鋳片3に接触するように背面から油圧によって鋳片方向に押し付けられる。また、ロール5は、ユニバーサルジョイント8を介して大型減速機9に接続されており、駆動ロールとして動作する。
フレーム6は、鉛直に配置されたボールスクリューからなる4本のジャッキ軸10によって鉛直方向に移動可能に支持され、ジャッキ軸10のジャッキ機構によって鉛直方向上下に移動可能な駆動力も与えられる。
ロール5は、フレーム6と一体であるため、鋳片2に沿いつつ鉛直方向上下に移動可能であり、鋳片3の圧下位置を変更すること、および圧下しながら移動することが可能である。ロール5の移動は、ロール5自身を、鋳片3を挟んだ状態で回転させることによって行うことができ、ロール5の回転方向を変更することによって移動方向を変更することができる。また、ロール5が鋳片3と接触しない状態では、ジャッキ軸10のジャッキ機構によって移動することができる。
図2は、本発明の連続鋳造方法による鋳造工程を説明する図であり、同図(a)は鋳造開始時点の状態、同図(b)は鋳片の引き抜き中の状態、同図(c)は引き抜き完了後に可動ロールを可動範囲の下端に移動させた状態、同図(d)は鋳片を圧下しながら可動ロールを上昇させる状態、同図(e)は圧下完了の状態をそれぞれ示す。
図2を用いて本発明の連続鋳造方法について説明する。まず、同図(a)に示すように鋳片3の鋳造を開始し、同図(b)に示すように鋳片3を連続的に引き抜く。この際、ロール5は鋳型2の直下、実際にはサポートロール群7の直下に配置し、ピンチロールとして使用される。鋳片3を連続鋳造機の限界まで引き抜くと、鋳片3を停止させて引き抜きを完了する。その後、同図(c)に示すようにロール5を可動範囲の最下端まで移動させる。その後、鋳片3の中心部の温度および凝固シェル3aの厚さが圧下に最適な条件となるまで待機する。
鋳片3の状態が圧下に最適な条件となった後、鋳片3の圧下量が所定の量となるまでロール5を鋳片3に押し付け、引き抜き時とは反対方向にロール5を回転させて、図2(d)に示すように、鋳片3の軸に沿ってロール5を上昇させながら鋳片3を圧下する。凝固シェル3aの内部に未凝固溶鋼3bを有する場合には、同図(e)に示すように、鋳片3を圧下しながらロール5を上昇させることによって、未凝固溶鋼3bは上部のメニスカス上に吐出される。この吐出溶鋼量は、鋳片圧下時の未凝固部の大きさにもよるが、鋳片の横断面が円形の場合には、他の形状の場合と比較して、さほど多くはなく、鋳型2内に収容可能な程度である。一方、鋳片3が内部まで完全に凝固した後に、圧下しながらロール5を上昇させる場合には、当然ながら未凝固溶鋼の吐出はない。
このように、可動ロール圧下装置4を用いて鋳片3を圧下することにより、鋳片3の断面の大きさに関わらず鋳片3全体を効率的に圧下し、ザク、ポロシティを圧着させることができる。鋳片3の圧下は、連続的に行っても、必要部分だけを断続的に行ってもよい。
鋳片3の圧下条件の変更は、ロール5の上昇速度を変化させることにより可能である。例えば、ロール5の上昇速度を鋳片3の引き抜き速度と同一とすることにより、鋳片3全体にわたって同一条件で圧下することができる。これは、ロール5の圧下上昇開始後の時間経過中にも、鋳片3内部の未凝固溶鋼の凝固が進行し、未凝固部は縮小していくが、ロール5の上昇速度を鋳片3の引き抜き速度と同一とすることで圧下位置については鋳造してから圧下されるまでの時間が一定となり、圧下位置での未凝固部の大きさがほぼ一定に保たれるからである。ただし、ロール5の上昇速度は、鋳片3の引き抜き速度と同一としなくてもよい。
メニスカス下の引け巣およびザクの発生のみを抑制の対象とする場合には、ロール5を、鋳型2下部近傍の所定の位置まで、鋳片3を圧下させずに上昇させ、その位置から上部の所定位置までロール5を上昇させながら鋳片3を圧下すればよい。逆に、鋳型2下部近傍の所定の位置よりも上部の所定位置まで、鋳片3を圧下させずに上昇させ、その位置から鋳型2下部近傍の所定の位置までロール5を下降させながら鋳片3を圧下してもよい。
以上の工程により、1回の鋳片引抜から圧下上昇までの工程が完了するため、鋳片を搬出した後、次の鋳込みは再度図2に示す工程を繰り返せばよい。
このように、移動可能なロールを用いることにより、同一の連続鋳造機によって、低い設備コストでかつ表面品質の低下を招くことなく、良好な内部品質を有する鋳片を断面の大きさによらず鋳造することができる。また、連続鋳造であるため、インゴット法よりも高い歩留まりで鋳片を鋳造することができる。
以上の説明では、連続鋳造方法として、垂直型の連続鋳造機を用いる場合について説明したが、本発明が適用可能な連続鋳造機は垂直型に限られず、鋳型直下から鉛直下向きに鋳造する部分があれば、垂直ベンディング型、円弧湾曲型等の形式でも、適用可能である。
鋳造する鋳片は、横断面が円形であることが好ましい。横断面が円形の鋳片は、フラットな一対のロールで圧下すると、鋳片の中心部で生成するザク、ポロシティに対して、ロール接触部を除いた周りの凝固シェルを大きく変形させることなく、一対のロール接触部間のみの変形でよいことになり、少ない圧下反力で効率的にザク、ポロシティを圧着させることができるからである。
また、可動ロール圧下装置を配置する場合には、従来の連続鋳造機に設けられていた鋳片のサポートロール群やそれを保持するローラエプロンは、この可動ロール圧下装置と幾何的に干渉するため、設置することが極めて困難である。サポートロール群を設置しないと、鋳片内部の未凝固溶鋼の静圧に凝固シェルが押されることによる鋳片バルジングの発生が懸念される。しかし、鋳片の横断面が円形とすることにより、サポートロール群をある程度設置しない状態で凝固シェルが溶鋼静圧を受けても、バルジングを発生しにくくすることができる。
鋳片の圧下は、鋳片内部に未凝固部が残存している状態で行っても、鋳片が完全に凝固した状態で行ってもよい。鋳造の対象とする鋼種によって、未凝固部が残存している状態で圧下すると鋳片に内部割れが発生する場合があり、この場合には鋳片が完全に凝固してから圧下すればよい。また、鋼種によっては発生するザクおよびポロシティが比較的大きくないため、その場合には完全に凝固してからの圧下でザクおよびポロシティの圧着は十分に行うことができる。
本発明の鋳片の連続鋳造方法の効果を確認するため、以下の鋳造試験(予備試験および本試験)を行った。
1.予備試験
1−1.試験条件
鋳造する鋳片は、直径300mm、長さ1800mmの小型の鋳片とし、鋼種はザクおよびポロシティの増大しやすい13%Cr鋼とした。連続鋳造機として、前記図1に示すものを用いた。ただし、鋳片の凝固シェルをサポートするサポートロール群は設けなかった。可動ロール圧下装置は、設けられたロールの直径が450mmであり、圧下力は最大で100t、最大圧下トルクは50t・mであった。可動ロール圧下装置の圧下上昇速度は0.8m/minとし、鋳片全長の鋳造終了後、鋳片全長にわたって圧下した。鋳片の圧下量は、圧下方向の鋳片の直径の減少量で20〜70mmとした。ただし、圧下により鋳片の断面形状が偏平となった。
また、圧下位置での未凝固部分の直径(以下「未凝固径」という。)は70mmまたは110mmとした。これは、固相率0.8に相当する等温線を固液界面として定義した場合の値である。固相率が0.8となる界面の位置は、円筒断面の非定常一次伝熱凝固解析によって求めた。鋳片表面の温度測定、熱電対による鋳片内部の温度測定、S等のトレーサの添加による未凝固径の測定の各結果と計算結果とを対比して、解析の精度が十分であることを確認した。
1−2.試験結果
試験終了後、鋳片の中心を通る縦断面が露出するように各鋳片を切断し、切断面を切削、研磨した後、ザク、ポロシティおよび引け巣の発生状況について調査した。これらの各欠陥は、鋳片の断面において空隙を呈しており、その程度を断面全体の面積に占める空隙の面積の割合(空隙率)で算出した。この空隙率を、圧下を行った鋳片とは別に鋳造した、ロールによる圧下を行っていない鋳片(以下「非圧下鋳片」という。)の空隙率で除し、その除した値を欠陥面積率と定義し、欠陥の発生状況の指標とした。空隙の面積は、汎用の画像写真解析ソフトを用いて測定したが、他の方法で測定してもよい。
図3は、鋳片の未凝固径に対する圧下量の比率(圧下量/未凝固径)と、欠陥面積率との関係を示す図であり、同図(a)は定常部での実績を、同図(b)は鋳片上部での実績をそれぞれ示す。鋳片上部とは、非圧下鋳片においてはザクおよび引け巣が発生する領域をいい、圧下した鋳片においては、非圧下鋳片でザクおよび引け巣が発生する領域に相当する領域をいう。定常部とは、鋳片上部以外の鋳片の領域をいう。
図3(a)に示すように、圧下量/未凝固径の値が大きくなると、ザクおよびポロシティを大幅に低減できることが判明した。また、同図(b)からは、鋳片上部では、定常部と比較して、さらに大幅な欠陥の低減効果があることが確認できた。
2.本試験
2−1.鋳造条件の検討
予備試験の結果に基づき、本試験として溶鋼規模を大きくした場合について、鋳造条件の検討を行った。鋳造する鋳片は、直径800mm、長さ10mとし、鋼種は13%Cr鋼とした。この鋳片の鋳造に用いる溶鋼量を約40tとした。これは、通常のインゴット法によるインゴットの鋳造(溶鋼量10t)の4本分に相当する。通常、インゴットの鋳造には、鋳片上部における引け巣、およびザクの発生防止のために押し湯が用いられる。押し湯に必要な溶鋼量が、インゴット1本当たり、その質量の10%であるため4tの溶鋼が余分に必要になる。インゴットの鋳造後、押し湯部分は切り捨てる必要があるため、その分ロスが発生するが、連続鋳造法ではこのロスは発生しない。
連続鋳造機として、前記図1に示すものを用いた。鋳型は、直径800mm、長さ800mmの銅製の水冷式とした。鋳型直下には、サポートロール群を設け、サポート領域の長さは800mmとした。可動ロール圧下装置は、設けられたロールの直径を650mmとした。鋳片の冷却は、比水量0.2L/kg−steelのスプレー冷却とした。鋳造速度は0.25m/minとして鋳片を引き抜き、鋳片の長さが10mに達した時点で引き抜きを停止した。それ以外の条件は、上記の予備試験と同一とした。
以上の条件での連続鋳造について行った凝固伝熱解析によると、引き抜き停止時の鋳片の表面温度は、鋳型内のメニスカスから鋳造方向に4mの箇所で約1220℃であり、10mの箇所で約980℃と推定された。この時点での未凝固径は、固相率0.8を基準として、メニスカスから4mの箇所で約620mm、10mの箇所で500mmと推定された。この解析結果に基づいて、可動ロール圧下装置による鋳片の圧下量を225mm、可動ロール圧下装置の上昇速度を0.25m/minとした。この上昇速度は、鋳片の引き抜き速度と同じであるため、圧下条件(圧下部の鋳片の未凝固径および鋳片の表面温度)は鋳片の全域にわたって同一となる。
この場合は、圧下開始時の圧下部における未凝固径は約500mm、表面温度は980℃である。未凝固径500mmに対して圧下量が225mmでは、圧下量/未凝固径の値は0.45であるため、予備試験結果である前記図3から欠陥面積率は、定常部では20%、鋳片上部では4.8%と、いずれも大幅に減少すると推測される。可動ロール圧下装置に設けられたロールの直径が650mmであり、鋳造対象である13%Cr鋼の変形抵抗が6kgf/mm2であることから、ロールと鋳片との接触角が32°とすると、必要圧下力は650tとなる。
2−2.試験結果
以上の条件で鋳造した鋳片は、可動ロール圧下装置を設けない場合と比較して、ザク、ポロシティおよび引け巣の発生が少なく、内部品質および表面品質が良好であった。また、インゴット法で鋳造した同等の大きさのインゴットと比較して、高い歩留まりが得られた。
本発明の鋳片の連続鋳造方法によれば、設備コストの低い連続鋳造機によって、表面品質の低下を招くことなく、鋳片の断面の大きさに関わらず、大幅なザク、ポロシティおよび引け巣の低減が可能であり、かつ高い歩留まりで鋳片の鋳造が可能である。
1:取鍋、 2:鋳型、 3:鋳片、 3a:凝固シェル、 3b:未凝固溶鋼、
4:可動ロール圧下装置、 5:ロール対、 6:フレーム、 7:サポートロール群、
8:ユニバーサルジョイント、 9:大型減速機、 10:ジャッキ軸

Claims (3)

  1. 鋳片を連続鋳造する方法であって、
    鋳片の案内支持と圧下の切替えが可能で、かつ鋳型の下方で鋳片に沿って鉛直方向に移動が可能な一対のロールを用い、
    鋳片の引き抜き中は移動を停止した状態で鋳片を案内支持し、
    鋳片の引き抜きを完了した後は、停止した鋳片を鉛直方向に移動しながら圧下することを特徴とする鋳片の連続鋳造方法。
  2. 鋳片を圧下しながらの前記ロールの移動方向が鉛直方向上向きであることを特徴とする請求項1に記載の鋳片の連続鋳造方法。
  3. 鋳片の横断面が円形であることを特徴とする請求項1または2に記載の鋳片の連続鋳造方法。
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