JP2012035946A - エレベータ用電動機の温度保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】巻上機の電動機に設けられた磁石の温度の推定精度を向上することができるエレベータ用電動機の温度保護装置を提供する。
【解決手段】エレベータの巻上機2に設けられた電動機を基準温度で駆動したときに電動機に流れる基準電流の値と基準温度の値とを記憶する記憶手段と、基準電流の値と基準温度の値とを記憶したときの条件で電動機を駆動した場合に電動機に流れる電流の値、基準電流の値、基準温度の値、電動機のロータに配置された磁石の磁束密度の温度特性に基づいて、磁石の温度を推定する推定手段と、を備えた。
【選択図】図3

Description

この発明は、エレベータ用電動機の温度保護装置に関するものである。
エレベータの巻上機には、同期電動機が適用される。この同期電動機には、永久磁石が設けられる。エレベータが高負荷・高頻度運転を継続した場合、同期電動機の各部の温度が上昇する。この温度上昇により、永久磁石は減磁する。この減磁により、同期電動機は、所望のトルクを発生させることができなくなる。このトルク不足により、同期電動機に期待される性能が得られなくなる。
このため、永久磁石の温度を管理する必要がある。例えば、冷却能力の向上策が講じられる。また、永久磁石の温度が限界温度付近となった場合に、同期電動機の駆動範囲を制限したり、同期電動機を停止したりする。
しかしながら、永久磁石は、同期電動機のロータに配置されている。このため、永久磁石にサーミスタを直接取り付けて温度を検出することは難しい。
そこで、同期電動機の冷却油温度及びステータコイル温度を入力として、同期電動機の冷却油、ステータコイル、永久磁石の熱モデル(温度、発熱量、熱抵抗の関係)に基づいて、永久磁石の温度を推定する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、制御装置の運転履歴記録部に記憶されている回転数、トルクの履歴データを参照して推定した同期電動機の損失に基づいて、永久磁石の温度上昇を推定し、所定時間後の永久磁石の温度を予測する手法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−245486号公報 特開2008−109816号公報
しかしながら、特許文献1に記載のものにおいては、熱抵抗モデルの設計が十分に検討されていないと、永久磁石の温度の推定に誤差が発生する。また、特許文献2に記載のものにおいても、損失マップが十分に検討されていないと、永久磁石の温度の予測に誤差が発生する。
これらの誤差により、実際の永久磁石の温度が低く、永久磁石を保護しなくてもよい温度でも、同期電動機の駆動範囲が制限されたり、同期電動機が停止したりする場合がある。また、実際の永久磁石の温度が高く、永久磁石を保護した時点では、永久磁石が減磁する限界温度に既に達している場合もある。このように、特許文献1や特許文献2に記載されたものにおいては、永久磁石を十分有効に保護することができない場合がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、巻上機の電動機に設けられた磁石の温度の推定精度を向上することができるエレベータ用電動機の温度保護装置を提供することである。
この発明に係るエレベータ用電動機の温度保護装置は、エレベータの巻上機に設けられた電動機を基準温度で駆動したときに前記電動機に流れる基準電流の値と前記基準温度の値とを記憶する記憶手段と、前記基準電流の値と前記基準温度の値とを記憶したときの条件で前記電動機を駆動した場合に前記電動機に流れる電流の値、前記基準電流の値、前記基準温度の値、前記電動機のロータに配置された磁石の磁束密度の温度特性に基づいて、前記磁石の温度を推定する推定手段と、を備えたものである。
この発明によれば、巻上機の電動機に設けられた磁石の温度の推定精度を向上することができる。
この発明の実施の形態1におけるエレベータ用電動機の温度保護装置が利用されるエレベータシステムの構成図である。 この発明の実施の形態1におけるエレベータ用電動機の温度保護装置を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1におけるエレベータ用電動機の温度保護装置内の磁石温度推定手段を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1におけるエレベータ用電動機の温度保護装置内のエレベータ運転モード判定手段を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1におけるエレベータ用電動機の温度保護装置の基準モード設定時の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態1におけるエレベータ用電動機の温度保護装置の磁石温度診断モード時の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態1におけるエレベータ用電動機の温度保護装置でエレベータの運転モードを判定する際の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態1におけるエレベータ用電動機の温度保護装置を利用したときの永久磁石の温度推移を説明するためのタイミングチャートである。 この発明の実施の形態1におけるエレベータ用電動機の温度保護装置でエレベータの運転モードを判定する際の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態1におけるエレベータ用電動機の温度保護装置を利用したときの永久磁石の温度推移を説明するためのタイミングチャートである。 この発明の実施の形態2におけるエレベータ用電動機の温度保護装置が利用されるエレベータシステムの構成図である。 この発明の実施の形態2におけるエレベータ用電動機の温度保護装置を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2におけるエレベータ用電動機の温度保護装置内のエレベータ運転モード判定手段を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2におけるエレベータ用電動機の温度保護装置でエレベータの運転モードを設定する際の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態2におけるエレベータ用電動機の温度保護装置を利用したときの永久磁石の温度推移を説明するためのタイミングチャートである。 この発明の実施の形態3におけるエレベータ用電動機の温度保護装置でエレベータの運転モードを判定する際の動作を説明するためのフローチャートである。
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるエレベータ用電動機の温度保護装置が利用されるエレベータシステムの構成図である。
図1において、1は電力変換器である。この電力変換器1は、コンバータ、直流母線、コンデンサ、インバータ(ともに図示せず)を備える。コンバータは、交流電力を整流して直流電力に変換する機能を備える。直流母線は、コンバータから入力された直流電力を伝達する機能を備える。コンデンサは、直流母線上の脈動電流等の影響を除去する機能を備える。インバータは、直流母線から入力された直流電力を適切な電圧可変周波数の交流電力に変換する機能を備える。
2は巻上機である。この巻上機2は、エレベータの昇降路(図示せず)の上部に設けられる。この巻上機2は、同期電動機3、綱車4、ブレーキ5を備える。同期電動機3のステータには、コイルが設けられる。このコイルは、電力変換器1のインバータに接続される。一方、同期電動機3のロータには、永久磁石が設けられる。綱車4は、同期電動機3のロータの軸に設けられる。ブレーキ5は、綱車4の内側に設けられる。このブレーキ5は、綱車4の回転駆動を制動する機能を備える。
昇降路上部の綱車4近傍には、必要に応じて、そらせ車(図示せず)が設けられる。綱車4とそらせ車には、吊りロープ6が巻き回される。この吊りロープ6の一端には、釣合い錘7が連結される。この釣合い錘7は、昇降路内に配置される。一方、吊りロープ6の他端には、カゴ8が連結される。このカゴ8も、昇降路内に配置される。このカゴ8には、カゴ内インジケータ9が設けられる。これに対し、エレベータの乗場(図示せず)には、乗場インジケータ(図示せず)が設けられる。
綱車4近傍には、エンコーダ10が設けられる。このエンコーダ10は、同期電動機3の回転速度を検出する機能を備える。このエンコーダ10には、制御ブロック11が接続される。この制御ブロック11は、回転速度・磁極位置演算手段12、カゴ位置演算手段13、カゴ負荷検出手段14、速度パターン生成手段15、速度制御器16、電流制御器17を備える。
上記エレベータにおいては、回転速度・磁極位置演算手段12は、エンコーダ10の出力に基づいて、同期電動機3の回転速度および磁極位置を演算する。カゴ位置演算手段13は、エンコーダ10の出力に基づいて、カゴ8の位置を演算する。カゴ負荷検出手段14は、乗客を含むカゴ重量をカゴ負荷として計測する。速度パターン生成手段15は、カゴ負荷、カゴ位置、次回停止位置情報に基づいて、カゴ8の速度パターンを生成する。
速度制御器16は、速度パターン生成手段15から得られた速度指令と回転速度・磁極位置演算手段12から得られた回転速度とに基づいて、電流指令を演算する。電流制御器17は、速度制御器16から得られた電流指令と同期電動機3に流れ込む電流値とを比較する。この比較結果と回転速度・磁極位置演算手段12から得られた磁極位置とに基づいて、電流制御器17は、適切な電圧指令を演算する。
この電圧指令に基づいて、電力変換器1は、同期電動機3のコイルに電流を供給する。この電流供給により、同期電動機3のロータが最適に回転する。この回転に追従して、綱車4が回転する。この回転に追従して、吊りロープ6が移動する。この移動に追従して、釣合い錘7とカゴ8とが互いに反対方向に昇降する。
上記エレベータは、例えば、オフィスビル等に設けられる。このオフィスビル等では、出社時間帯等に、エレベータは高負荷・高頻度運転を継続する。具体的には、まず、帰着階(最下階)で利用者がカゴ8に定員乗車する。その後、目的階や最上階等の上層階まで力行状態でカゴ8がUP運転(上昇運転)される。その後、上層階で利用者がカゴ8から降車する。この状態で、帰着階に力行状態でカゴ8がDN運転(下降運転)される。このようなUP運転とDN運転が繰り返される。
エレベータが高負荷・高頻度運転を継続した場合、同期電動機3の永久磁石の温度が上昇する。この温度上昇により、永久磁石に永久減磁が発生することもある。この場合、同期電動機3は、所望のトルクを発生することができない。このため、本実施の形態においては、永久磁石が永久減磁しないように、磁石温度保護装置18が設けられる。
この磁石温度保護装置18には、同期電動機3に流れ込む電流の検出値が入力される。また、磁石温度保護装置18には、同期電動機3のステータ等、ロータ以外の部分に設けられたサーミスタ(図示せず)から、サーミスタ温度の検出値が入力される。さらに、磁石温度保護装置18には、カゴ負荷検出手段14から、カゴ負荷の検出状態が入力される。
そして、磁石温度保護装置18は、電流の検出値、サーミスタ温度の検出値、カゴ負荷の検出状態に基づいて、永久磁石の推定温度を演算する。この永久磁石の推定温度に基づいて、磁石温度保護装置18は、速度パターン生成手段15にエレベータの起動可否指令を送出する。
具体的には、永久磁石の推定温度が永久磁石を保護しなくてもよい低温の場合、磁石温度保護装置18は、速度パターン生成手段15に起動可指令を送出する。この場合、速度パターン生成手段15は、カゴ8の速度パターンを生成する。このパターン指令に対応した速度指令に基づいて、同期電動機3が駆動する。この駆動により、カゴ8が走行する。すなわち、永久磁石を保護しなくてもよい温度の場合は、同期電動機3の起動を可とし、エレベータの運転が維持される。
一方、永久磁石の推定温度が永久磁石を保護すべき高温の場合、磁石温度保護装置18は、速度パターン生成手段15に起動不可指令を送出する。この場合、速度パターン生成手段15は、カゴ8の速度パターンを生成しない。従って、カゴ8の速度パターンに対応した速度指令が送出されない。このため、カゴ8は走行しない。すなわち、永久磁石が減磁する限界温度に達する前に、同期電動機3の起動を不可とし、エレベータは停止する。
以下、本実施の形態の磁石温度保護装置18を具体的に説明する。
まず、図2を用いて、磁石温度保護装置18の構成の概要を説明する。
図2はこの発明の実施の形態1におけるエレベータ用電動機の温度保護装置を示すブロック図である。
磁石温度保護装置18は、磁石温度推定手段19とエレベータ運転モード判定手段20とを備える。
磁石温度推定手段19は、同期電動機3に流れ込む電流検出値、サーミスタ温度、カゴ負荷の検出状態に基づいて、永久磁石の推定温度を演算する機能を備える。エレベータ運転モード判定手段20は、永久磁石の推定温度に基づいたエレベータの起動可否指令を速度パターン生成手段15に送出する機能を備える。
次に、図3を用いて、永久磁石の推定温度の演算方法を具体的に説明する。
図3はこの発明の実施の形態1におけるエレベータ用電動機の温度保護装置内の磁石温度推定手段を示すブロック図である。
本実施の形態の磁石温度保護装置18は、永久磁石の残留磁束密度の温度特性を利用して、永久磁石の推定温度を演算する。ここで、永久磁石の残留磁束密度の温度特性は、温度上昇当たりの低下率として示される。例えば、代表的なNe−Fe−B系磁石の残留磁束密度の温度特性は、−0.1%/Kである。この場合、Ne−Fe−B系磁石の温度が10K上昇すると、残留磁束密度が1%低下する。この残留磁束密度の低下に伴って、同期電動機3の誘起電圧が1%低下する。
この場合、エレベータを同一負荷・走行条件で運転するためには、同期電動機3に同一トルクを出力させる必要がある。具体的には、誘起電圧が1%低下した分だけ、トルク電流を1%増加して補う必要がある。すなわち、エレベータを同一負荷・走行条件で運転する際に、同期電動機3のトルク電流が1%増加した場合、Ne−Fe−B系磁石の温度が10K上昇していると推定することができる。本実施の形態においては、上記特性を一般化した次の(1)式で、現在の永久磁石の推定温度Tを演算する。
=(I/I*100−100)/A+T (1)
ただし、Aは温度上昇当たりの残留磁束密度の低下率、Iは現在のトルク電流、Iは基準電流、Tは同期電動機3に基準電流Iが流れているときの永久磁石の基準温度である。
そこで、本実施の形態においては、エレベータの据付調整の最終段階に、基準測定モードが設定される。この基準測定モードは、据付作業員により手動で設定される場合もある。この基準測定モードでエレベータが運転されているとき、磁石温度推定手段19の初期基準電流・温度記憶手段21は、同期電動機3に流れ込む電流の値を基準電流Iとして記憶する。また、磁石温度推定手段19の初期基準電流・温度記憶手段21は、サーミスタ温度の値を基準温度Tとして記憶する。
その後、磁石温度診断モードが設定される。この磁石温度診断モードでは、基準測定モードと同一負荷・走行条件でエレベータが運転される。この磁石温度診断モードでエレベータが運転されているとき、磁石温度保護装置18の診断モード電流記憶手段22は、同期電動機3に流れ込む電流の値を現在のトルク電流Iとして記憶する。
そして、磁石温度保護装置18の磁石温度演算手段23は、現在のトルク電流I、基準電流I、基準温度TB、予め記憶してある残留磁束密度の低下率Aを(1)式に代入して、永久磁石の推定温度Tを演算する。
次に、図4を用いて、エレベータの運転モードの判定方法を説明する。
図4はこの発明の実施の形態1におけるエレベータ用電動機の温度保護装置内のエレベータ運転モード判定手段を示すブロック図である。
図4に示すように、エレベータ運転モード判定手段20には、永久磁石の推定温度Tが入力される。さらに、エレベータ運転モード判定手段20には、基準温度TCH、TCLが入力される。基準温度TCHは、エレベータの起動を阻止するために、予め設定された上限温度である。また、基準温度TCLは、エレベータの起動を阻止した後にエレベータを復帰させるために予め設定された復帰温度である。
そして、エレベータ運転モード判定手段20は、永久磁石の推定温度Tと基準温度TCH、TCLとの比較結果に基づいて、エレベータの起動可否指令を速度パターン生成手段15に送出する。エレベータ運転モード判定手段20は、タイムスケジュールに設定された一定間隔毎に、磁石温度診断モード指令を速度パターン生成手段15に送出する。このタイミングで、エレベータ運転モード判定手段20は、エレベータの運転モードを判定する。
次に、図5〜図6を用いて、磁石温度推定手段19の具体的な動作を説明する。
まず、図5を用いて、基準測定モード時の動作を説明する。
図5はこの発明の実施の形態1におけるエレベータ用電動機の温度保護装置の基準モード設定時の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1では、磁石温度推定手段19は、基準測定モードであるか否かを判定する。基本測定モードでない場合は、動作が終了する。これに対し、ステップS1で基準測定モードである場合は、ステップS2に進む。ステップS2では、無負荷状態のカゴ8が、最上階等からDN運転を開始する。
その後、ステップS3に進み、磁石温度推定手段19は、カゴ8が一定速度で走行中か否かを判定する。具体的には、カゴ8が定格速度で走行中か否かが判定される。そして、カゴ8が一定速度で走行中になるまで待機する。その後、カゴ8が一定速度で走行中になると、ステップS4に進む。ステップS4では、初期基準電流・温度記憶手段21が、基準電流の値Iと基準温度の値Tとを記憶する。その後、ステップS5で、無負荷状態のカゴ8のDN運転が終了し、動作が終了する。
次に、図6を用いて、磁石温度診断モード時の動作を説明する。
図6はこの発明の実施の形態1におけるエレベータ用電動機の温度保護装置の磁石温度診断モード時の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS11では、磁石温度推定手段19は、磁石温度診断モードであるか否かを判定する。磁石温度診断モードでない場合は、動作が終了する。
これに対し、磁石温度診断モードである場合は、ステップS12に進む。ステップS12では、磁石温度推定手段19は、カゴ8内が無負荷状態であるか否かを判定する。無負荷状態でなければ、カゴ8内が無負荷状態になるまで、エレベータの通常サービスが継続する。そして、カゴ8内が無負荷状態になると、ステップS13に進む。ステップS13では、無負荷状態のカゴ8がDN運転を開始する。このとき、カゴ8が最上階等にいない場合は、カゴ8は、最上階に走行した後にDN運転を開始する。
その後、ステップS14に進み、磁石温度推定手段19は、カゴ8が一定速度で走行中か否かを判定する。磁石温度診断モードは、エレベータの通常運転中の状況で実施される。すなわち、特別な速度設定は行われない。このため、カゴ8が定格速度で走行中か否かが判定される。そして、カゴ8が一定速度で走行中になるまで待機する。その後、カゴ8が一定速度で走行中になると、ステップS15に進む。ステップS15では、診断モード電流記憶手段22が現在のトルク電流Iの値を取得し、ステップS16に進む。
ステップS16では、磁石温度演算手段23が永久磁石の推定温度Tを演算し、ステップS17に進む。ステップS17では、無負荷状態のカゴ8がDN運転を終了し、動作が終了する。なお、ステップS16とS17の順序は逆でもよい。
次に、図7〜図10を用いて、エレベータ運転モード判定手段20の具体的な動作とそのときの永久磁石の温度の推移とを説明する。
本実施の形態においては、2種類の運転モードの判定方法を選択できるようになっている。
まず、図7と図8とを用いて、最も基本的な判定方法として、運転モードの判定方法の一方が選択されている場合を説明する。
図7はこの発明の実施の形態1におけるエレベータ用電動機の温度保護装置でエレベータの運転モードを判定する際の動作を説明するためのフローチャートである。
図7に示すように、ステップS21では、エレベータ運転モード判定手段20は、永久磁石の推定温度Tが基準温度TCH以上か否かを判定する。永久磁石の推定温度Tが基準温度TCHよりも小さい場合は、ステップS22に進む。ステップS22では、エレベータ運転モード判定手段20は、エレベータの起動可指令を速度パターン生成手段15に送出する。その結果、エレベータは起動可となり、動作が終了する。
これに対し、ステップS21で永久磁石の推定温度Tが基準温度TCH以上の場合は、ステップS23に進む。ステップS23では、エレベータ運転モード判定手段20は、エレベータの起動不可指令を速度パターン生成手段15に送出する。その結果、エレベータは起動不可となり、動作が終了する。
図8はこの発明の実施の形態1におけるエレベータ用電動機の温度保護装置を利用したときの永久磁石の温度推移を説明するためのタイミングチャートである。
図8の下段の横軸は時間である。図8の下段の縦軸は永久磁石の温度である。図8の上段の横軸は時間である。図8の上段の縦軸はエレベータの起動可否状態である。
図8の下段に示すように、時刻t0において、エレベータの起動後、磁石温度診断モードは、一定期間tα毎に実施される。すなわち、一定期間tα毎に永久磁石の温度が推定され、エレベータの起動可否が判定される。このとき、エレベータの高負荷・高頻度運転が継続すると、時間の経過と共に永久磁石の温度は上昇する。
しかしながら、図8の下段においては、時刻t1、t2、t3では、永久磁石の推定温度T≧基準温度TCHが成立していない。このため、図8の上段に示すように、時刻t1、t2、t3では、エレベータは起動可の状態24を継続する。
その後、時刻t4において、永久磁石の推定温度Tは、基準温度TCHに到達する。すなわち、永久磁石の推定温度T≧基準温度TCHが成立する。このため、エレベータは起動不可の状態25となる。その後、少なくとも、時刻t5まではエレベータが起動されることはない。
エレベータの起動停止中、同期電動機3は発熱状態にない。このため、永久磁石の推定温度Tは低下する。そして、時刻t5において、永久磁石の推定温度T≧基準温度TCHが成立しなくなる。このため、エレベータは起動可の状態24となる。
その後、エレベータの起動が継続される。このとき、再度、高負荷・高頻度運転が継続されると、時間の経過と共に磁石の推定温度Tは上昇する。そして、時刻t6において、永久磁石の推定温度T≧基準温度TCHが再び成立する。このため、エレベータは起動不可の状態25となる。このように、磁石温度診断モードの実施間隔によって、エレベータは起動可の状態24と起動不可の状態25とを繰り返す。
次に、図9と図10とを用いて、復帰後のエレベータの連続走行時間を改善する判定方法として、運転モードの判定方法の他方が選択されている場合を説明する。
図9はこの発明の実施の形態1におけるエレベータ用電動機の温度保護装置でエレベータの運転モードを判定する際の動作を説明するためのフローチャートである。
図9に示すように、ステップS31では、エレベータ運転モード判定手段20は、エレベータが起動不可中か否かを判定する。エレベータが起動不可中でなければ、ステップS32に進む。ステップS32では、エレベータ運転モード判定手段20は、永久磁石の推定温度Tが基準温度TCH以上か否かを判定する。
永久磁石の推定温度Tが基準温度TCHよりも小さい場合は、ステップS33に進む。ステップS33では、エレベータ運転モード判定手段20は、エレベータの起動可指令を速度パターン生成手段15に送出する。その結果、エレベータは起動可となり、動作が終了する。
これに対し、ステップS32で永久磁石の推定温度Tが基準温度TCH以上の場合は、ステップS34に進む。ステップS34では、エレベータ運転モード判定手段20は、エレベータの起動不可指令を速度パターン生成手段15に送出する。その結果、エレベータは起動不可となり、動作が終了する。
一方、ステップS31でエレベータが起動不可中であれば、ステップS35に進む。ステップS35では、エレベータ運転モード判定手段20は、永久磁石の推定温度Tが基準温度TCL以上か否かを判定する。
永久磁石の推定温度Tが基準温度TCL以上の場合は、ステップS36に進む。ステップS36では、エレベータ運転モード判定手段20は、エレベータの起動不可指令を速度パターン生成手段15に送出する。その結果、エレベータは起動不可となり、動作が終了する。
これに対し、ステップS35で永久磁石の推定温度Tが基準温度TCLよりも小さい場合は、ステップS37に進む。ステップS37では、エレベータ運転モード判定手段20は、エレベータの起動可指令を速度パターン生成手段15に送出する。その結果、エレベータは起動可となり、動作が終了する。
図10はこの発明の実施の形態1におけるエレベータ用電動機の温度保護装置を利用したときの永久磁石の温度推移を説明するためのタイミングチャートである。
図8と同様に、時刻t4において、永久磁石の推定温度Tは、基準温度TCHに到達する。すなわち、永久磁石の推定温度T≧基準温度TCHが成立する。このため、エレベータは起動不可の状態25となる。その後、少なくとも、時刻t5まではエレベータが起動されることはない。
エレベータの起動停止中、同期電動機3は発熱状態にない。このため、永久磁石の推定温度Tは低下する。しかしながら、時刻t5において、永久磁石の推定温度T>基準温度TCLが成立する。このため、エレベータは起動不可の状態25を維持する。その後、時刻t6においても、永久磁石の推定温度T>基準温度TCLが成立する。このため、エレベータは起動不可の状態25を維持する。
その後、時刻t7において、永久磁石の推定温度T>基準温度TCLが不成立となる。このため、エレベータは起動可の状態24となる。その後、再度、高負荷・高頻度運転が継続したとしても、永久磁石の推定温度Tが基準温度TCHに到達するまで、エレベータは起動可の状態24を継続する。
以上で説明した実施の形態1によれば、基準電流Iの値と基準温度Tの値とを記憶したときの条件で同期電動機3を駆動した場合に同期電動機3に流れるトルク電流Iの値、基準電流Iの値、基準温度Tの値、永久磁石の磁束密度の温度特性に基づいて、永久磁石の温度が推定される。すなわち、物理量として検出できる電流値等に基づいて、永久磁石の温度を推定することができる。
このため、永久磁石の温度の推定精度を向上することができる。これにより、永久磁石の永久減磁を防止しつつ、エレベータの運転を継続することができる。また、実際の永久磁石の温度が保護する必要のない温度のときにエレベータを停止させることがない。このため、エレベータのサービス低下を防止することができる。
また、カゴ8が無負荷状態で走行しているときの基準電流Iの値と基準温度Tの値等に基づいて、永久磁石の温度が推定される。このため、カゴ8内の利用者による負荷変動の影響を取り除くことができる。このため、永久磁石の温度の推定精度をより向上することができる。
さらに、カゴ8が下降しているときの基準電流Iの値と基準温度Tの値等に基づいて、永久磁石の温度が推定される。このため、基準電流Iの値が大きくなる。これにより、永久磁石の温度上昇時の差分電流も大きく検出することができる。その結果、永久磁石の温度の推定精度をより向上することができる。ただし、カゴ8が上昇しているときの基準電流Iの値と基準温度Tの値等に基づいて、永久磁石の温度が推定してもよい。この場合も、所望の精度で、永久磁石の温度を推定することができる。
加えて、カゴ8が一定速度で走行しているときの基準温度Tの値と基準電流Iの値等に基づいて、永久磁石の温度が推定される。このため、同期電動機3に流れ込む電流検出値の誤差を小さくすることができる。これにより、永久磁石の温度の推定精度をより向上することができる。
また、永久磁石の推定温度Tが限界温度として設定された基準温度TCH以上の場合に、同期電動機3の起動が不可となる。このため、永久磁石の温度が限界温度となる前に、永久磁石を保護することができる。
さらに、同期電動機3の起動が不可となった後は、永久磁石の推定温度Tが復帰温度として設定された基準温度TCL以下となった場合に、同期電動機3の起動が可とすることもできる。このため、エレベータの停止時間は長くなるものの、エレベータの復帰後運転の走行時間を長くすることができる。これにより、エレベータのサービスを向上することができる。
実施の形態2.
図11はこの発明の実施の形態2におけるエレベータ用電動機の温度保護装置が利用されるエレベータシステムの構成図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
実施の形態1の磁石温度保護装置18は、永久磁石の推定温度に基づいて、エレベータの起動可否指令を送出していた。一方、実施の形態2の磁石温度保護装置18は、永久磁石の推定温度に基づいて、エレベータの起動可否指令に加え、負荷制限指令を送出する。
この負荷制限指令は、乗車可能重量判定手段26に入力される。この乗車可能重量判定手段26は、カゴ負荷検出手段14から、カゴ負荷の検出値も入力される。この乗車可能重量判定手段26は、負荷制限指令の入力時にのみ動作する。
具体的には、カゴ負荷が負荷制限中の最大カゴ重量よりも小さい場合、乗車可能重量判定手段26は、エレベータの起動可指令を速度パターン生成手段15に送出する。これに対し、カゴ負荷が負荷制限中の最大カゴ重量よりも大きい場合、乗車可能重量判定手段26は、エレベータの起動不可指令を速度パターン生成手段15に送出する。
速度パターン生成手段15は、磁石温度保護装置18からのエレベータの起動可否指令と乗車可能重量判定手段26からのエレベータの起動可否指令との論理積に基づいて、エレベータの走行可否を判定する。具体的には、速度パターン生成手段15は、磁石温度保護装置18と乗車可能重量判定手段26との双方から起動可指令が入力されたときのみ、速度指令を送出する。この速度指令により、カゴ8の走行がコントロールされる。
なお、負荷制限指令は、カゴ内インジケータ9や乗場インジケータにも送出される。カゴ内インジケータ9や乗場インジケータでは、負荷制限指令が入力された場合に、重量制限中である旨を表示する。この表示により、カゴ8内や乗場にいるエレベータの利用者は、重量制限中である旨を認識することができる。
次に、図12を用いて、磁石温度保護装置18の構成を説明する。
図12はこの発明の実施の形態2におけるエレベータ用電動機の温度保護装置を示すブロック図である。
図12に示すように、エレベータ運転モード判定手段20は、永久磁石の推定温度Tと基準温度TCH、TCL、TCMとの比較結果に基づいて、エレベータの起動可否指令や負荷制限指令を送出する機能を備える。
次に、図13を用いて、エレベータの運転モードの判定方法を説明する。
図13はこの発明の実施の形態2におけるエレベータ用電動機の温度保護装置内のエレベータ運転モード判定手段を示すブロック図である。
実施の形態1のエレベータ運転モード判定手段20には、基準温度TCH、TCLが入力されていた。一方、実施の形態2のエレベータ運転モード判定手段20には、基準温度TCH、TCLに加え、基準温度TCMも入力される。この基準温度TCMは、基準温度TCLより基準温度TCHよりも低温かつ基準温度TCLよりも高温に設定されている。
次に、図14と図15とを用いて、エレベータ運転モード判定手段20の具体的な動作とそのときの永久磁石の温度の推移とを説明する。
図14はこの発明の実施の形態2におけるエレベータ用電動機の温度保護装置でエレベータの運転モードを設定する際の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS41では、エレベータ運転モード判定手段20は、エレベータが起動不可中か否かを判定する。エレベータが起動不可中でなければ、ステップS42に進む。ステップS42では、エレベータ運転モード判定手段20は、永久磁石の推定温度Tが基準温度TCM以上か否かを判定する。
永久磁石の推定温度Tが基準温度TCMよりも小さい場合は、ステップS43に進む。ステップS43では、エレベータ運転モード判定手段20は、エレベータの起動可指令を速度パターン生成手段15に送出する。その結果、エレベータは起動可となり、動作が終了する。
これに対し、ステップS42で永久磁石の推定温度Tが基準温度TCM以上の場合は、ステップS44に進む。ステップS44では、エレベータ運転モード判定手段20は、永久磁石の推定温度Tが基準温度TCH以上か否かを判定する。
永久磁石の推定温度Tが基準温度TCHよりも小さい場合は、ステップS45に進む。ステップS45では、エレベータ運転モード判定手段20は、エレベータの起動可指令を速度パターン生成手段15に送出するとともに、負荷制限指令を、カゴ内インジケータ9、乗場インジケータ、乗車可能重量判定手段26に送出する。その結果、エレベータは乗車制限付起動可となり、動作が終了する。
これに対し、ステップS44で永久磁石の推定温度Tが基準温度TCH以上の場合は、ステップS46に進む。ステップS46では、エレベータ運転モード判定手段20は、エレベータの起動可指令を速度パターン生成手段15に送出する。その結果、エレベータ起動不可となり、動作が終了する。
一方、ステップS41でエレベータが起動不可中であれば、ステップS47に進む。ステップS47では、エレベータ運転モード判定手段20は、永久磁石の推定温度Tが基準温度TCLよりも大きいか否かを判定する。
永久磁石の推定温度Tが基準温度TCLよりも大きい場合は、ステップS46に進み、エレベータ運転モード判定手段20は、エレベータの起動不可指令を速度パターン生成手段15に送出する。その結果、エレベータは起動不可となり、動作が終了する。
これに対し、ステップS47で永久磁石の推定温度Tが基準温度TCL以下の場合は、ステップS48に進む。ステップS48では、エレベータ運転モード判定手段20は、エレベータの起動可指令を速度パターン生成手段15に送出する。その結果、エレベータは起動可となり、動作が終了する。
次に、図15を用いて、図14のフローによって設定された運転モード時の永久磁石の温度推移を説明する。
図15はこの発明の実施の形態2におけるエレベータ用電動機の温度保護装置を利用したときの永久磁石の温度推移を説明するためのタイミングチャートである。
時刻t0から、エレベータが高負荷・高頻度運転を継続すると、時間の経過と共に永久磁石の温度は上昇する。時刻t1、t2では、永久磁石の推定温度T>基準温度TCMが不成立である。このため、エレベータは起動可の状態24を継続する。そして、時刻t3において、永久磁石の推定温度Tは、基準温度TCMを上回る。
このとき、基準温度TCH≧永久磁石の推定温度T>基準温度TCM が成立する。このため、エレベータは乗車制限付起動可の状態27となる。このため、時刻t3以降の磁石温度Tの上昇を抑制することができる。すなわち、永久磁石の推定温度Tが基準温度TCHに到達するまでの時間が長くなる。このため、エレベータは、負荷の制限を受けるものの、起動可の状態を継続する。
以上で説明した実施の形態2によれば、永久磁石の推定温度Tが負荷制限温度として設定されたTCMよりも高い場合は、負荷を制限した状態で、同期電動機3の起動が可となる。このため、永久磁石の温度上昇を抑制することができる。この抑制により、エレベータを長時間走行させることができる。これにより、エレベータのサービスを向上することができる。
実施の形態3.
図16はこの発明の実施の形態3におけるエレベータ用電動機の温度保護装置でエレベータの運転モードを判定する際の動作を説明するためのフローチャートである。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
実施の形態1の運転モードの設定方法の他方は、エレベータが起動不可となった後に永久磁石の推定温度Tが基準温度TCLよりも低くなった場合に、エレベータの起動を可としていた。一方、実施の形態3の運転モードの設定方法では、エレベータが起動不可となった後に所定時間が経過した場合に、エレベータの起動を可とする。
具体的には、図16に示すように、ステップS51では、エレベータ運転モード判定手段20は、エレベータが起動不可中か否かを判定する。エレベータが起動不可中でなければ、ステップS52に進む。ステップS52では、エレベータ運転モード判定手段20は、永久磁石の推定温度Tが基準温度TCH以上か否かを判定する。
永久磁石の推定温度Tが基準温度TCHよりも小さい場合は、ステップS53に進む。ステップS53では、エレベータ運転モード判定手段20は、エレベータの起動可指令を速度パターン生成手段15に送出する。その結果、エレベータは起動可となり、動作が終了する。
これに対し、ステップS52で永久磁石の推定温度Tが基準温度TCH以上の場合は、ステップS54に進む。ステップS54では、エレベータ運転モード判定手段20は、エレベータの起動不可指令を速度パターン生成手段15に送出するとともに、タイマTを設定する。その結果、エレベータは起動不可となるとともに、タイマTのカウントが開始され、動作が終了する。
一方、ステップS51でエレベータが起動不可中であれば、ステップS55に進む。ステップS55では、エレベータ運転モード判定手段20は、タイマTが予め設定された復帰時間T以上か否かを判定する。
タイマTが復帰時間Tよりも小さい場合は、ステップS56に進む。ステップS56では、エレベータ運転モード判定手段20は、エレベータの起動不可指令を速度パターン生成手段15に送出する。その結果、エレベータは起動不可となり、動作が終了する。
これに対し、ステップS55でタイマTが復帰時間T以上の場合は、ステップS57に進む。ステップS57では、エレベータ運転モード判定手段20は、エレベータの起動可指令を速度パターン生成手段15に送出する。その結果、エレベータ起動可となり、動作が終了する。
以上で説明した実施の形態3によれば、同期電動機3の起動が不可となった後、所定の復帰時間Tが経過した場合に、同期電動機3の起動が可となる。このため、磁石温度診断モードによるエレベータの起動が不要となる。これにより、温度保護機能を備えたシステムを簡易にすることができる。
なお、磁石温度保護装置18を適用するエレベータにおいて、ローピング方式は、1:1、2:1等任意でよい。さらに、トラクション式エレベータに限らず、巻動式等のエレベータでもよい。
また、実施の形態1及び2では、サーミスタ温度の検出値を基準温度Tとしていた。しかしながら、同期電動機3に必ず温度センサが設けられているとは限らない。従って、保守員が基準温度Tを設定してもよい。例えば、室温まで巻上機2が冷えている状態で、基準測定モード中の室温を温度計で測定した値を基準温度Tとしてもよい。
また、実施の形態1及び2では、エレベータの起動後、一定間隔で磁石温度診断モードになっていた。しかしながら、エレベータの高負荷・高頻度運転後に、磁石温度診断モードを設定してもよい。
1 電力変換器、 2 巻上機、 3 同期電動機、 4 綱車、 5 ブレーキ、
6 吊りロープ、 7 釣合い錘、 8 カゴ、 9 カゴ内インジケータ、
10 エンコーダ、 11 制御ブロック、 12 回転速度・磁極位置演算手段、
13 カゴ位置演算手段、 14 カゴ負荷検出手段、 15 速度パターン生成手段、
16 速度制御器、 17 電流制御器、 18 磁石温度保護装置、
19 磁石温度推定手段、 20 エレベータ運転モード判定手段、
21 初期基準電流・温度記憶手段、 22 診断モード電流記憶手段、
23 磁石温度演算手段、 24 起動可の状態、 25 起動不可の状態、
26 乗車可能重量判定手段、 27 乗車制限付起動可の状態

Claims (8)

  1. エレベータの巻上機に設けられた電動機を基準温度で駆動したときに前記電動機に流れる基準電流の値と前記基準温度の値とを記憶する記憶手段と、
    前記基準電流の値と前記基準温度の値とを記憶したときの条件で前記電動機を駆動した場合に前記電動機に流れる電流の値、前記基準電流の値、前記基準温度の値、前記電動機のロータに配置された磁石の磁束密度の温度特性に基づいて、前記磁石の温度を推定する推定手段と、
    を備えたことを特徴とするエレベータ用電動機の温度保護装置。
  2. 前記記憶手段は、前記電動機により前記エレベータのカゴを無負荷状態で走行させているときに前記基準電流の値と前記基準温度の値とを記憶する
    ことを特徴とする請求項1記載のエレベータ用電動機の温度保護装置。
  3. 前記記憶手段は、前記電動機により前記エレベータのカゴを下降させているときに前記基準電流の値と前記基準温度の値とを記憶する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータ用電動機の温度保護装置。
  4. 前記記憶手段は、前記電動機により前記エレベータのカゴを一定速度で走行させているときに前記基準電流の値と前記基準温度の値とを記憶する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のエレベータ用電動機の温度保護装置。
  5. 前記磁石の推定温度が所定の限界温度以上の場合に、前記電動機の起動を不可とする判定手段、
    を備えることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のエレベータ用電動機の温度保護装置。
  6. 前記判定手段は、前記電動機の起動を不可とした後は、前記限界温度よりも低温の復帰温度よりも前記磁石の推定温度が低くなった場合に、前記電動機の起動を可とする
    ことを特徴とする請求項5記載のエレベータ用電動機の温度保護装置。
  7. 前記判定手段は、前記限界温度よりも低温かつ前記復帰温度よりも高温の負荷制限温度よりも前記磁石の推定温度が高い場合は、前記電動機にかかる負荷を制限した状態で、前記電動機の起動を可とする
    ことを特徴とする請求項6記載のエレベータ用電動機の温度保護装置。
  8. 前記判定手段は、前記電動機の起動を不可とした後は、所定時間が経過した場合に、前記電動機の起動を可とする
    ことを特徴とする請求項5記載のエレベータ用電動機の温度保護装置。
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